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異界大戦記のようです

1名無しさん:2023/04/01(土) 23:39:57 ID:mfVt/ZZU0
世界の縮図が変わろうとしていた。

魔法を操り、自らを神の僕と信じるエルフ達が支配するこの星。
その中の3大大陸に存在する5つの列強と呼ばれる国が衝突する寸前にまでなっていた。

きっかけは列強最強の国家と名高いルナイファ帝国と、同じく列強のニータ王国との国境で起こった小さな事件であった。
それぞれがその犯行の責任は相手側にあると主張しあっていた。
互いに堂々と国として主張をしていたがその内情は全く異なるものであった。

ルナイファに関しては元から周辺国家を攻め落とし、支配する典型的な侵略国家であった。
列強クラスの国との戦いはなかったものの、同大陸に存在し隣接する小国はほぼすべて支配していると行っても過言ではない。
そして大陸統一のためにも同じ大陸で国境を接しているニータはいつかは落としたいと考えていたことから、この機会に攻め込むのが良いと言う意見で国が固まりつつあった。

978名無しさん:2023/12/23(土) 20:49:58 ID:RitR9poI0
(゚、゚トソン「ほ、本当に、生きて、帰って......」

爪'ー`)「トソンっ!!」

(゚、゚トソン「っ!ふぉ、くす?」

そんなあまりの歓喜に頭が追い付かず、混乱していたトソンに懐かしい声が届く。
ハッと声がする方に向けば、そこには見知った顔があった。
笑いながら近づいてくるその彼を、彼女は知っている。
その笑顔を、知っているのだ。

懐かしい、その笑顔を。
見慣れたはずの、笑顔である。
特別な表情などではない。
だが、いや、だからこそか。

その笑顔は彼女を日常に連れ戻す。
どこかまだ落ち着かなかった心が、平穏を取り戻していくのを感じていた。

そして、その安堵からなのか。

(、 トソン「フォックスっ!!」

爪;'ー`)「うおっ、ちょ、と、トソン!?どうし......」

(、 トソン「う、うぅ......」

爪'ー`)「......おかえり、トソン」

気付けばフォックスに駆け寄り、泣きついていた。
これまで抑えていたものがすべて溢れだし、止めることが出来なかった。
そして、ようやく心の底から理解した。

ーようやく、終わったのだと。

979名無しさん:2023/12/23(土) 20:50:38 ID:RitR9poI0
( ´_ゝ`)「......ふむ」

(´<_` ;)「アニジャっ!良かった......よく、無事に......って、なんだ?なぜ両手を広げている?」

( ´_ゝ`)「なんだ、折角の感動の再会なんだ。俺も抱き締めて帰りを祝福してくれてもいいじゃないか」

(´<_` ;)「......」

( ´_ゝ`)「冗談だからそんな顔をするな。流石に傷付くぞ......っと?」

(´<_` )「......これでいいか?」

( ´_ゝ`)「......悪くないな」

(´<_` )「おかえり、アニジャ」

( ´_ゝ`)「あぁ。色々と、すまなかったな」

(´<_` )「気にするな」

互いに笑い合い、再会を喜び合う。
それは敗戦し、窮地に追い込まれ、どこもかしこも暗い雰囲気が漂っていたこの国に久しぶりに現れた明るい一幕であった。

980名無しさん:2023/12/23(土) 20:51:27 ID:RitR9poI0
( ´_ゝ`)「それで?国は、どんな状況なんだ?」

(´<_` )「帰ってきてまずそれか。相変わらずだな」

( ´_ゝ`)「むしろ見知った兄が帰ってきたと感じられていいだろう?」

(´<_` )「......はぁ。そういうことにしておこう。それで、そうだな。国か......何から説明すべきか」

そうポツリとこぼし、顎に手を当て少しオトジャは考える。
軽く説明するにしても今回の出来事は何から何まで大きすぎるのだ。
自分自身もまだ、混乱している部分もあるためどう言葉にすべきか分からないという部分もあった。

そんな理由でほんの少しだけ思考に耽っていたのだが、さていざ話そうかと顔を挙げると多くの者がこちらに視線を向けていることに気がつく。
そう、周りの者達も今この国に帰還したものやただの一般市民であり詳しく現状を知れていないものなどがこの場に集まっていたのだ。
それゆえ皆が気になることをこれから話すというのだからその興味が集まるのも仕方のないことだろう。

(´<_` ;)「......マジか」

爪;'ー`)「す、すみません。自分らも気になるもんで.....いい、ですか?.」

( ´_ゝ`)「ふむ......まぁ、いいじゃないか」

(´<_` ;)「そりゃ聞く方は気楽だからいいだろうが......はぁ、まあいいか。言っておくが俺も、全て把握している訳ではないし、伝聞がほとんどだから正確かは知らんぞ」

( ´_ゝ`)「構わんよ。何も知らんよりは、マシだろう」

981名無しさん:2023/12/23(土) 20:52:49 ID:RitR9poI0
(´<_` )「分かった。では、まずそうだな。国の現状についてだが......北と南に分かれたことは?」

( ´_ゝ`)「流石に聞いているよ。まぁ、耳を疑ったがな」

(´<_` )「だろうな」

アニジャの言葉にオトジャも、そして周りで聞いていた者達も同意を示す。
アニジャを初めとして、捕虜となっていた者達は敗戦することはまず間違いないだろうと理解していた。
それゆえに国が他国から支配され、ルナイファという存在が消えてしまうことも覚悟をしていた。
それがどうなればルナイファが消えるどころか二つに分裂するというのか。

(´<_` )「未だに俺も、どうしてこうなったかが理解できてないよ」

( ´_ゝ`)「まぁ、理解できるとすればあの阿呆と同じ考えということになる。理解できん方がいいだろう」

(´<_` )「そうだな......それでだが国が分かれる際に多くの属国や併合していた国家が独立したことは?」

( ´_ゝ`)「聞いてはいなかったが、まぁ予想通りだ。今のこの国に、そして北の奴らにも支配を続ける力など残っとらんだろ」

(´<_` )「あぁ。面倒も見きれんということでこちらから独立を促していた部分もあるそうだ」

( ´_ゝ`)「あるそう、とは?」

(´<_` )「陛下......いや、元陛下よりそう聞いている」

( ´_ゝ`)「成る程な」

(゚、゚トソン「元、陛下......ですか」

982名無しさん:2023/12/23(土) 20:54:08 ID:RitR9poI0
ポツリとトソンが漏らすその呟きに皆が一瞬、顔を曇らせる。
この国の力の象徴とも言える王であり、世界を征する力を持っていたといっても過言ではなかったはずの存在。
それが今では元という肩書きとなり、その力は全て失っている。

爪;'ー`)「あの、陛下はその、元首ではある、んですよね?自分は、よく分からないのですが......」

(´<_` )「ん?あぁ。そのようだ......一応な」

( ´_ゝ`)「......そうか」

その言葉に多くの者がホッと胸を撫で下ろす。
国として多くのものを失ってしまったが、形だけは何とか保つことが出来ているのだ。
力が無くなったとはいえ、自分達が信じ、崇めていた王はまだ、国のトップに立ち、導いてくれる。
その事実にどこか救われたような、ほんのわずかではあるものの心に希望が宿っていた。

皆がそうして小さな希望に顔を明るくする中、アニジャの顔は険しいものであった。
オトジャの『一応』という言葉に込められた意味に考えが至ったのだ。
それは元首という肩書きは本当に形だけのものであり、権力などはなく実質的な支配は他にあるだろうということ。
すなわち傀儡であり、陛下であるアラマキはこの国の民にその支配者達からの言葉を伝えるための道具となったのであろうと、考えたのだ。

983名無しさん:2023/12/23(土) 20:54:44 ID:RitR9poI0
( ´_ゝ`)「まぁ、聞いた話から粗方予想はしていたが......混乱はないか?」

(´<_` )「あぁ。少なくとも民については反乱を起こそうという気運もない。むしろ皆、あれほどの敗戦とあって戦いに消極的だ。上手く、国はまとまってるよ」

( ´_ゝ`)「そうか。随分上手いこと、やるもんだな」

そうアニジャは呟き、周りを見る。
今の短い兄弟の会話を理解しているものは他にはいないようであり、皆国が独立を保てたこと、そして再び陛下の元で国を建て直すことを夢見ている。
誰も国が実質的に支配されていることに気付いておらず、アニジャの言葉の通り、恐ろしく上手く国が支配されたことをこの場にいる者達が示していた。

そんな様子にアニジャはルナイファの終焉を感じ、若干の寂しさを覚えていた。
だがもうどうすることも出来ないであろうことも分かっていた。
そうして改めて国が負けるとはこう言うことなのかとため息をつく。

( ´_ゝ`)「......本当に上手く、やられたな」

(´<_` )「何でも人間達のいた世界に、似たようなモデルケースがあったらしい」

( ´_ゝ`)「はぁ、成る程な。まあ下手なことをされて、滅ぼされるよりはマシと考えるべきか」

(´<_` )「あぁ、そう思うよ」

( ´_ゝ`)「それで?後は何か変わったことは?」

(´<_` )「そうだな......戦争の発端となった人間の外交官を処刑したこと等の責任については、捕らえられていたムー現地の統治局職員が戦争犯罪者として裁かれることになったようだ」

( ´_ゝ`)「戦争初期に捕らえられていた者達に罪を被せた、というわけか。それで陛下の罪を軽くして、元首としての立場を保たせる、か。本当にうまいことやるな」

(´<_` )「あぁ。後は何があったか......」

984名無しさん:2023/12/23(土) 20:55:12 ID:RitR9poI0
(゚、゚トソン「あの、それでしたら......聞きたいことがあるのですが」

(´<_` )「む?なんだろうか?」

(゚、゚トソン「その、人間達の最後に放ったという攻撃について、です」

(´<_` )「......あぁ」

皆が気になることなのだろう。
一層オトジャに視線が集まる。
アニジャもまた、真剣さを増して聞く姿勢を取っていた。

(´<_` )「断っておくが俺も直接見たわけじゃない......そもそも詳しく調べようにも現地の調査は出来んからな」

( ´_ゝ`)「む?直接見るのは無理なのは分かるが......調査が出来ないとはどういうことだ?」

(´<_` )「その言葉の通りだ。今、攻撃の跡地に近づくことは出来ない。近づけば......死ぬことになる」

(; ´_ゝ`)「......何?」

(゚、゚;トソン「一体、どういう......」

オトジャのその言葉に皆がざわついた。
とてつもない攻撃があったことは知っていた。
だが攻撃が終わったはずの今ですら近づくことが出来ず、近づけば死ぬというのは一体どういうことなのか。
言葉は理解できるが意味が全く分からない。

985名無しさん:2023/12/23(土) 20:55:44 ID:RitR9poI0
(´<_` )「これは、人間達から聞いた話だ。あの攻撃......『かく』による攻撃は辺り一帯を汚染するそうだ」

( ´_ゝ`)「......汚染?」

(´<_` )「あぁ。すぐに効果は出なくても長くその場にいると臓器がやられるそうだ」

爪;'ー`)「......それって、もしかして最近流行ってるっていう、流行り病、ですか?」

(´<_` )「恐らくはそうだろう」

(; ´_ゝ`)「なんと......」

副次的な効果ではあるだろうが、その恐ろしさにアニジャは身を震わせる。
攻撃が終わったあとも影響が残り続け、多くの者の命を脅かす。
そこに命の優劣などはなく、ただひたすら存在するものを無差別に殺していくという事実はなんと恐ろしいことか。

戦いが終わったはずのこの国は、まだ戦争の悪夢から抜け出せず、それどころかこれからも殺されていく者がいるというのだから。

(´<_` )「まぁこれでもまだ、良くなった方らしい。攻撃直後に近づいたものは......即死したらしいからな」

(; ´_ゝ`)「......」

(゚、゚;トソン「......」

986名無しさん:2023/12/23(土) 20:56:20 ID:RitR9poI0
(´<_` )「とはいえ、今も汚染されていることには代わりないし、無法地帯になりつつある。誘拐やら強盗やらもあるから近づかん方がいいだろうってことだ。さて、ここまでが今現在の影響の話なわけで、本題はこれからだ」

(; ´_ゝ`)「......攻撃自体の威力、か。その影響は?」

(´<_` )「要塞が消滅した。一撃でな」

(; ´_ゝ`)「......」

(´<_` )「周囲もその余波で焼き尽くされ、そこにいた者達は勿論即死......近くで生き残ったものも、汚染により死んだ」

(゚、゚;トソン「......」

(´<_` )「現時点で分かってるだけでも......10万は軽く超える数が死亡している。まだ増えるだろうし......倍以上になるかもしれん」

言葉が出なかった。
あまりに、被害が桁違いすぎた。
そこにいた全てが焼き尽くされたといってもおかしくない被害。
そんな被害をもたらすものは、神が作り出す災害ですらないのではないかー
自分達が相対してきた者達の底知れない恐ろしさ、ようやく理解できてきたと思っていた敵の力が、まだ全く理解しきれていなかったのだと嫌でも痛感させられる。

(; ´_ゝ`)「とんでもない......被害だな」

(´<_` )「あぁ。特に無理な徴兵のせいで働き盛りな者達が文字通り消し飛んでしまったからな......これからどうなることやら」

( ´_ゝ`)「そうだな......」

ただでさえ国がボロボロだというのにその国を支える者も少ないという事実。
これから先の将来に暗いものを残すことは確実であった。

987名無しさん:2023/12/23(土) 20:57:08 ID:RitR9poI0
(´<_` )「それに......まあこれは『かく』による問題だけではないが、孤児が大量に発生してしまったというのも問題になっている。それを狙った誘拐者も多くてな」

( ´_ゝ`)「孤児......」

その言葉に思わず、近くにいた子供、ショボンに視線が向いてしまう。
急に集まる視線に驚いたのか、ショボンはフォックスの背後に隠れる。

爪;'ー`)「っと、大丈夫か?」

(;´・ω・`)「え、あ、はい......」

( ´_ゝ`)「あぁ、すまない。急で驚かせてしまったな......君が保護を?」

爪'ー`)「あぁ、はい。そうですね。戦時中も自分が子供の避難誘導をしてまして......親が見つからない子達はそのまま、という感じです」

(゚、゚トソン「へぇ」

爪;'ー`)「な、なんだよ」

(゚、゚トソン「いや、立派だと思ってね。やるじゃない」

爪'ー`)「え、あ、お、おう」

(゚、゚トソン「でも、あんた一人でちゃんと子供の世話なんて出来るの?まぁ、あれね。もしあれなら私がてつ」

爪'ー`)「あぁ、それなら......あ、丁度戻ってきた。おーい」

(゚、゚トソン「え?」

トソンがなにかを言おうとしていたが、それを遮るようにフォックスは遠くに向かって手を振る。
その様子に気がついたのか、手を振られた相手らしき者が何人かの子供を引き連れて近づいてきていた。

爪'ー`)「紹介します。えっと、彼女は自分と一緒に子供達の世話をしているペニサスさんです。教師とのことで凄くお世話になっていまして」

('、`*川「ど、どうも、初めまして。ペニサスと申します。教師といっても大したものではありませんが......」

988名無しさん:2023/12/23(土) 20:58:56 ID:RitR9poI0
(゚、゚トソン「......」

爪'ー`)「彼女も子供と共に戦地にいたらしく、その流れで互いに協力して子供達の面倒を見ている感じで」

(゚、゚トソン「ふんっ!」

爪;'ー`)「おぐぅ!?な、何で殴る!?」

(゚、゚トソン「ちょっとムカついたので」

爪;'ー`)「......なんで?」

殴られた脇腹を押さえつつ、何がなんだか分からないという顔を浮かべるフォックスに対して、皆が呆れたような顔を浮かべる。
とはいえそこに何か口を挟むような野暮な事をするものはいなかった。
コホン、とアニジャが咳払いをしどうにか話を戻す。

( ´_ゝ`)「えっと、それでフォックス殿とペニサス殿が子供を世話しているとのことだが......先ほどまでペニサス殿は何かされてたのか?」

('、`*川「あ、は、はい。実は、その、えっと......軍人さん達には、言いづらいことなのですが」

( ´_ゝ`)「......なんだろうか?」

('、`*川「その......もう二度と、戦争をしないようにって、子供達と平和運動に取り組んでいるんです」

ξ゚⊿゚)ξ「......」

( ´_ゝ`)「っ」

その言葉に、そして向けられる子供の真剣な眼差しにアニジャは思わず息を呑む。
軍人であるアニジャ達にとってその言葉は何とも耳が痛いものであった。
確かに多くの者が傷つき、多くの物を失った原因は戦争であり、それゆえ平和を望むことは無理もないだろう。

989名無しさん:2023/12/23(土) 20:59:45 ID:RitR9poI0
だがほんの少し前まで、この国を支えてきたものは何かと聞かれれば確実に軍であり、軍人達が国を支えてきたのだ。
それが今はどうか。
平和を望む彼女達にとって自分達は邪魔とまでは言わないものの、いい印象もないはずである。

さらに今回の戦争の大きな原因は軍上層部の暴走であるとアラマキが放送していたことも大きい。
プギャーに罪を被せるためであったとはいえ、その言葉に民は軍に対して強い怒りを抱くことになったのだ。
そうなればこの戦争で平和の有り難さを噛み締めた民がどうなるか。
そもそもやり場のないこの怒りの矛先を何処に向ければいいと言うのか。

その答がアニジャ達の目の前に広がる光景であった。

( ´_ゝ`)(......とはいえ現状、軍を全て無くすことなど出来ない。周りに敵が多すぎる。そんな国の支えが憎悪の対象となる、か)

(´<_` ;)「アニジャ......」

( ´_ゝ`)「仕方のないことだろう。これまで我々がしてきたことの罪滅ぼしだとして、受け入れるしかあるまい」

(´<_` ;)「......」

( ´_ゝ`)「......そして、謝罪すべきだろうな。君達に辛い思いをさせてすまなかった」

そうしてアニジャは子供達に向かって頭を下げる。
謝罪されると思っていなかったのであろう、子供は勿論、大人達もまた困惑したような反応が返ってきていた。

('、`*;川「そ、そんなっ!頭を上げてください。あなたが悪いわけでは......」

ξ゚⊿゚)ξ「なら、約束して」

( ´_ゝ`)「うん?」

だがそんな慌てた反応の中、子供であるはずのツンのみ、冷静にアニジャに声をかける。
睨み付けているわけではないが、力強い、揺るぎない視線がアニジャに向いていた。
その視線に気がつき、アニジャも子供を相手にするような態度から一変する。

990名無しさん:2023/12/23(土) 21:00:21 ID:RitR9poI0
( ´_ゝ`)「......なんだろうか」

ξ゚⊿゚)ξ「平和を......戦争のない国を、世界を作るって。もう二度と、あんな......皆が苦しむような世界を作らないって。私の、大切な友達が死なない世界を作るって、約束してっ!!」

( ´_ゝ`)「......っ」

なんと純真で無垢な願いだろうか。
その願いは皆が望むものであるのは、間違いないだろう。
それでもこの世界から戦いが無くならないのだ。
様々な信念や宗教、国の在り方、そしてこれからはエルフと人間という種族という壁がある。

そもそも生きるもの一人一人の知能が異なるため、考え方も世界の見え方も異なるのだ。
全てを受け入れあい、理解しあい、そして手を取り合えることがどれだけ難しいかはこれまでの歴史が物語っている。

991名無しさん:2023/12/23(土) 21:01:29 ID:RitR9poI0
ー不可能。

そう、言い換えても言いかもしれない。

だがそうして平和を諦めることは、果たして正しいと言えるのだろうか。
この真剣な眼差しを否定することが、どうして正しいと言えるのだろうか。

( ´_ゝ`)「......約束しよう」

ξ゚⊿゚)ξ「っ」

( ´_ゝ`)「共に、皆で作ろう。平和な国を、争いの......戦争のない国を」

(´<_` )「アニジャ......」

( ´_ゝ`)「俺達の時代は、この戦いで終わったんだ。次の国を作るのは我々ではなく、彼女達......子供達だ。その彼女達が望むならば、俺達も尽力するのが勤めだろう?」

(´<_` )「......あぁ、そうだな」

その道は決して楽なものではない。
むしろ険しく、そして終わりの果てが見えない道である。

だがそれでも彼らはその道を選ぶ。
言葉の通り、子供の理想の国家を作るために。

こうして、かつて武力により力を得たルナイファはその力を捨てた。
そして彼等は平和を求めて、歩き出したのだった。

992名無しさん:2023/12/23(土) 21:02:28 ID:RitR9poI0
続く
区切りがいいので次の最終話は次スレ建ててそこに投下します

993名無しさん:2023/12/23(土) 23:53:48 ID:8zdsyTbs0
乙!
プギャーさんは当然として、
戦争の前後で何も変わっていないクーに対しても、考え直してみて欲しいと思ってしまうな

994名無しさん:2023/12/24(日) 14:52:54 ID:dJsSyoeI0
乙乙
最終回寂しいけど楽しみ

995名無しさん:2023/12/25(月) 00:24:01 ID:wfM92j4M0
素晴らしい
過去の国ごと転移作品はここまでが序章であり、そしてゴールを決めていないせいで数多の名作がエターナの闇に散った
円満完結となるとジャンル中見渡しても片手の指で足りてしまうのでは?

996名無しさん:2023/12/30(土) 03:50:56 ID:Y9E2DG9o0
ワクテカ

997名無しさん:2023/12/30(土) 11:04:58 ID:APqrRrVI0
次スレ
異界大戦記のようです
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1703901879/


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