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異界大戦記のようです
1
:
名無しさん
:2023/04/01(土) 23:39:57 ID:mfVt/ZZU0
世界の縮図が変わろうとしていた。
魔法を操り、自らを神の僕と信じるエルフ達が支配するこの星。
その中の3大大陸に存在する5つの列強と呼ばれる国が衝突する寸前にまでなっていた。
きっかけは列強最強の国家と名高いルナイファ帝国と、同じく列強のニータ王国との国境で起こった小さな事件であった。
それぞれがその犯行の責任は相手側にあると主張しあっていた。
互いに堂々と国として主張をしていたがその内情は全く異なるものであった。
ルナイファに関しては元から周辺国家を攻め落とし、支配する典型的な侵略国家であった。
列強クラスの国との戦いはなかったものの、同大陸に存在し隣接する小国はほぼすべて支配していると行っても過言ではない。
そして大陸統一のためにも同じ大陸で国境を接しているニータはいつかは落としたいと考えていたことから、この機会に攻め込むのが良いと言う意見で国が固まりつつあった。
2
:
名無しさん
:2023/04/01(土) 23:40:37 ID:mfVt/ZZU0
一方、ニータはこの状況に戦々恐々としていた。
一応列強とは呼ばれているもののその序列は最下位争いをする程度であり、国力は比べ物にならない。
極めつけに兵力に至ってはルナイファを仮想国として準備を進めていたものの兵数はダブルスコア以上の差があり、なにより兵器の性能が段違いであった。
局地戦であればまだ、なんとかなるであろう。
それだけの準備はしてきている。
しかし本格的に戦争などに突入すれば一方的にやられることが明らかである。
だがここで折れれば列強としての威厳は保てず、属国は離れていくだろう。
また国民も列強国であるというプライドと情報を統制し反ルナイファ教育を進めてきたせいで、変に弱気な姿勢を見せれば現王政への反感が高まり、国として立ち行かなくなる。
どうすることもできない板挟みのような状態にニータの王達はただ何事もないことを祈ることしか出来なかった。
3
:
名無しさん
:2023/04/01(土) 23:41:07 ID:mfVt/ZZU0
そして、事件から二ヶ月後。
王の祈りが通じたのか、ルナイファはニータに攻め込むことはなかった。
そしてそれが、本当の世界の縮図が変わる瞬間の始まりだとは。
まだこの時は誰もが考えていなかった。
4
:
名無しさん
:2023/04/01(土) 23:41:50 ID:mfVt/ZZU0
ニータ王国 王城
1463年5月7日
( ´W`)「......では、ルナイファは本当に攻めてこないのか」
(‘_L’)「はい、そのようでございます。陛下」
王の前に跪き、報告をする。
この二ヶ月間、いつ攻めてくるのかとルナイファへ諜報員を送り込み、調査をしていた。
信頼のおける、そして実績のあるもの達からの情報だけに王は安堵のため息をつく。
( ´W`)「それは......よかった。本当によかった。私の祈りが通じたと言うことか」
(‘_L’)「......それが、陛下」
安堵した王の声に、報告者の顔が少し暗いものになる。
その顔に一度は気が弛んだ王も一気に真剣な顔つきに戻った。
( ´W`)「なんだ?」
(‘_L’)「一概によかった、とはいえないかもしれません」
( ´W`)「なに?どういうことだ?」
5
:
名無しさん
:2023/04/01(土) 23:42:25 ID:mfVt/ZZU0
(‘_L’)「ルナイファが何故、我が国へ攻め込まないか、に関わるのですが」
( ´W`)「ふむ、確かに気になるところではあるな。国内で事件でもあったのか?」
(‘_L’)「事件、といえば事件です。彼の国の遺跡から、新たな遺物が見つかったとのことです」
(; ´W`)「なんだと!?」
報告に王は思わず、玉座から立ち上がる。
それほどまでにその報告は衝撃的だった。
遺物。
それは太古の昔に繁栄したある国が残したものである。
その国はこの星を支配し、今ある国々が結集しても追い付けないような魔法を持っていた。
そしてその技術の集大成とも呼べる、国の繁栄の基盤ともなったもの、それが遺物である。
6
:
名無しさん
:2023/04/01(土) 23:43:26 ID:mfVt/ZZU0
遺物に残された魔法。
それは異世界、あるいは他の星から大地を呼び出すと言うもの。
それも魔法の使えず簡単に支配できる人間たちの土地を、だ。
人間たちがまともに使うことができないためほとんど手付かずな状態の魔法の元である大量の魔宝石を、そしてそこに住む人間、魔法を使えずまともな反撃もできない安全な奴隷を手に入れることができる。
これまでに数度、遺物の力が使われてきたがそのどれもが国に多くの富を与えてきた。
ルナイファがそのいい例である。
4つの異界の地を呼び出し、全てを征服、莫大な利益を得て列強のなかで最も資源が豊かで、強大な国へと成長した歴史がある。
そして、またその歴史が増えるときが来たのだ。
(; ´W`)「なんてことだ......それでは」
(;‘_L’)「はい、ルナイファは我が国を除いてこの大陸のほぼすべてを掌握していると言っても過言ではありません」
(;‘_L’)「しかし他の大陸に進出するとなると西側は我が国が邪魔となり、そして東側の大陸はルナイファと並ぶとされるソーサクがあるため、これ以上彼の国が大きくなることはない......はずでした」
(; ´W`)「それが異界の大地を手に入れることで......まだ大きくなる、ということか」
(;‘_L’)「えぇ。そして問題になるのがこれ以上強大となった場合、技術で上回るソーサクでも圧倒的な物量の前に太刀打ちできない、との報告が戦略室から来ております」
(; ´W`)「......なんということだ」
7
:
名無しさん
:2023/04/01(土) 23:44:24 ID:mR7Guckc0
支援
8
:
名無しさん
:2023/04/01(土) 23:44:24 ID:mfVt/ZZU0
ニータでは全く相手にならず、同じ列強でも雲の上の存在であるソーサクですら相手にならないかもしれないという事実。
これから先のこの国、そしてこの世界のことを考えると、絶望しかない。
(; ´W`)「......ソーサクとの同盟は?」
(;‘_L’)「厳しいですね。元々あの国は技術流出を防ぐために鎖国に近い体制をとっています。過去に何度か使者を出しておりますがどれも成果は......」
(; ´W`)「では西の二国、アリベシとヴィップは......」
(;‘_L’)「あちらは二国間での争いが続いています。そこに兵器や物資を回しているようで......こちらに兵を回す余裕はないと思われます。さらに」
(; ´W`)「まだ、なにかあるのか?」
(;‘_L’)「これは未確定な情報ですが......アリベシはルナイファと繋がっている恐れがあります」
(; ´W`)「なっ!?アリベシが!?」
(‘_L’)「残念ながら可能性は高いようです。アリベシが使用する兵器にルナイファ製のものが見つかっております」
(; ´W`)「......あの国が理由もなく他の列強に兵器をわざわざ渡すわけがない、か」
(;‘_L’)「はい。ですので我が国は現在、東はルナイファ、西はアリベシ......アリベシは海を隔てているものの敵に囲まれている状態です。まだ時間はありますが......」
(; ´W`)「バカな......そんな、バカな......」
王はただ頭を抱えることしか出来なかった。
9
:
名無しさん
:2023/04/01(土) 23:45:05 ID:mfVt/ZZU0
ルナイファ南東沖
1463年6月26日
船団が海を進んでいた。
その数、48隻にも及ぶ大部隊である。
それらの船はルナイファの国旗を意気揚々と掲げ、進んでいく。
その行き先はつい数週間ほど前までこの世界にはなにもなかったはずの場所。
詰まるところ、この艦隊は異界の地を制圧するための先遣隊であった。
( <●><●>)「......ふむ。何度見ても我が艦隊は美しい」
それを眺めながら、艦隊の指揮官である男はうっとりとしたように呟いた。
相手が相手なだけに旧式な船が多いものの、視線の先にあるその艦はこの世界において最新鋭と言っても良いような150m近い巨大な艦が浮かんでいる。
帝国の魔法技術を詰め込んだものであり、他の列強でもこれを相手にできるものは少ないだろう。
10
:
名無しさん
:2023/04/01(土) 23:46:11 ID:mfVt/ZZU0
( <●><●>)「本当に、素晴らしい艦隊だ。まさかこんな艦隊を動かせる日がくるとは」
(,,゚Д゚)「......分かりませんな」
( <●><●>)「む?ギコ殿。分からないとは?」
(,,゚Д゚)「これほどの艦隊を動かす意味です。これから戦う相手は人間......魔法を使えない野蛮な種族です。そんな相手にこれほどの艦隊は不要かと。しかもいくら敵が弱いとはいえまともに運用訓練すら出来ていない状態で......」
( <●><●>)「ふむ、確かにその通りではある」
(,,゚Д゚)「いくら異界の地から新たな資源が手に入るとはいえ、消費が多すぎます。旧式のみの艦隊で十分だったのでは?」
( <●><●>)「......ああ。敵が異界人だけならばな」
(,,゚Д゚)「と、いいますと?」
( <●><●>)「これから先、列強との戦いとなる」
(;,,゚Д゚)「っ!」
11
:
名無しさん
:2023/04/01(土) 23:47:07 ID:mfVt/ZZU0
( <●><●>)「まずはニータだろうが......我らが勝つことは、分かりきったこと。それでも敵は列強。備えは必要だろう?」
(,,゚Д゚)「備え、ですか?」
( <●><●>)「ああ。備え、つまり経験だ」
(,,゚Д゚)「......なるほど。今回の作戦は艦隊での演習を兼ねていると?」
( <●><●>)「そういうことだ。あとは最新鋭の艦の性能テストも含まれる......というのが建前だ」
(,,゚Д゚)「へ?」
(; <―><―>)「まあギコ殿の言う通り、蛮族相手にやりすぎですね。資源の無駄でしかないし、運用面での問題が多すぎます。大方、あの男の案だとは思いますが」
(,,゚Д゚)「......あぁ、なるほど」
( <●><●>)「まあ意味を見出だすとしたら......これだけの船団を見たらいくら愚かな人間とはいえ戦うことすらせず、降伏するかもしれません......そうなればわざわざ動かした価値があるというものですが」
フッと小さく笑い、再び船団に目線を戻す。
火炎魔術を限界まで圧縮し、遠距離の敵へ打ち付ける魔炎艦。
複数の召喚陣を構築し、多数の航空戦力であるワイバーンを呼び出す召喚艦。
どんな攻撃も防ぐ魔壁を生み出す魔防艦。
遥か遠くの光景を写し出し、敵を見つけることの出来る念写艦。
帝国の最新技術が集められ作られた最新鋭の、帝国の、最強の力。
その力を見せられるのだ。
( <●><●>)「願わくは、力の差を分からない愚か者でいてほしいものですね......」
(,,゚Д゚)「?」
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