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( ´_ゝ`)/こちら流石探偵事務所\(´<_` )
1
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/07/24(日) 21:13:38 ID:jJRlLt3Y0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
| 流石だよな、俺ら |
\_ _____ __/
V V
d( ´_ゝ`)人(´<_` )b
\ /. \ /
l l l l
//l | | l\\
 ̄  ̄.  ̄  ̄
前スレ:( ´_ゝ`)/こちら流石探偵事務所\(´<_` )
1:
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1638101622/
2:
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1648136222/
19
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/07/30(土) 23:33:43 ID:jCAsVOFU0
ミサ ^ー^)ト「あら?」
(´・_ゝ・`)「むっ……」
( ´_ゝ`)「おっ、美人さんだ」
(´<_` )「兄者、声に出てるぞ」
ミサ ^ー^)ト「あらあらあらぁ?」
( ´_ゝ`)「何だめっちゃ見てくる」
(´<_` )「……?」
ミサ ^ー^)ト「あなた達、帰った方がよろしいですわよ」
( ´_ゝ`)「口調」
(´<_` )「だから声に出てるって……あっ」
ミサ ^ー^)ト「ふふふ、よく言われますわ」
( ゚∋゚)「……帰った方が良い、っていうのは?」
ミサ ^ー^)ト「言葉の通りですわ。何せ――」
ミサ ^ー^)ト「これから、熱い熱い夏が始まるんですもの……!」
20
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/07/30(土) 23:34:18 ID:jCAsVOFU0
( ´_ゝ`)「いや意味がわからん」
(´・_ゝ・`)「あー……雨霧さん。うちのお客さんに変な絡み方しないで貰えます?」
ミサ ^ー^)ト「あら、これは失礼いたしましたわ」
(´<_` )(どうやらかなりアレな人のようだな……)
ミサ ^ー^)ト「ま、心に留めておくと良いのですわ。気づいたら蒸し鶏に、なんてことのないように」
( ´_ゝ`)「いや時既に蒸し鶏なんだが」
(´<_` )「気温も上がってきたしな」
(´・_ゝ・`)「さ、もう良いでしょう? お暇なら海岸の掃除でもされては?」
ミサ ^ー^)ト「そうですわね……本当にお掃除したいのは――なのですけど」
(´・_ゝ・`)「……行きましょう、皆さん。相手してもきりがない」
( ´_ゝ`)(……? どういうことだ?)
( ゚∋゚)「まあ良いですけど……」
(´<_` )(もうちょい見てきたかったが仕方ないか……)
21
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/07/30(土) 23:34:54 ID:jCAsVOFU0
【漁港】
ー─── --- .....,,,,
,..:'´,..:'´,..:'´,..:'´,..:'´,..:'´,..:'´,..::´´``丶、
,..:'´,..:'´,..:'´,..:'´,..:'´,..:'´,..:'´,..:'´,..:'´,..:'⌒ヽ、
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...:'´,..:'´,..:'´,..:'´,..:'´,..:'´,..:'´,..:''´,..:''´⌒ヾ:::ヾ::::ヾ`ヽ、
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,..::'´,...:'´,...:'´,..:'´,...:'´,...:'´,...:'´,...:'´,..:'´,,..::'´,..:'´,..:'´,..:'\`ヾ::、゙ヾ::ヾ:::`ヾ:ヽ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
_________________`: ..、__`゛ r──‐‐┐___ヾ:::`ヽ、 /三三三三三三三三三三三/\
-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_./\ ̄\ ̄\ ..| |三三|¨:ト、l ̄|| 丁TTT.┐/三三三三三三三三三三三三三ム
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄l|l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄::|\\ | |--‐‐| |__|___||__廴|二lニl |¨| __|_||──── l__/ ̄:| ̄..|
田 田田 田田 ||「」 「」 「」l|l─────┴‐ \\-─  ̄_ -=ニ二三三三 l ̄ ̄ |丁二二二二匕ィァ…| ̄..|
| ̄ ̄ ̄| ..|| ____l|二二二二二二二二二|-=ニニ二二三三三三三三三|____|‐|┴┴┴┴┴//丁 ̄|
 ̄ ̄ ̄ ̄二二二ニ=-..|l。o≦____斗rf .| | || || l|. l| ∩ XXXXXXX| ̄ ̄|^\fzzzzzzュ二二二二二二二二二二
 ̄ ̄ ̄ ̄| ||三||三||;;;||;;;||;;l||;;;|;;|..│ |/⌒||-┴┘| | /‐‐‐‐/{二|二二廴___\二入斗rヤ¨¨ ̄ /´´´´´´´´´
| ||三||三||;;;||;;;||__||_ノノ‐┴ノXX八 厂 ̄|‐‐‐/ ̄ ̄丁 ̄\ ‐─斗ャヤて/ / {:.:.:.:...... 〜
|厂 ̄7T'''7__||三||三廴匸コl‐┐___ _,.斗弌 ̄ ̄ ̄|--' ̄ ̄ ̄|斗t≦ / / /────':.:.:.... 〜〜
二二二二|三三|-r彡 .l |XXXミx‐┘ 斗t≦ >匕  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ {-----' ̄ ̄:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:....
x^x^x^Y=- ¨´ |___|XXXX>< >''“´  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.〜〜〜 ~~~ 〜〜 〜
x^x^x''´ ̄ ______,.ィ⌒><⌒ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
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22
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/07/30(土) 23:35:30 ID:jCAsVOFU0
(´・_ゝ・`)「えっ、船が出せない?」
99 ・H・)「そうなのよ! 何、昨日のこと聞いてない?」
(´・_ゝ・`)「昨日……? いえ、何のことですか?」
99 ・H・)「ちょっとこっち来な!」
( ´_ゝ`)「何かあったのか?」
(´<_` )「ふむ……?」
( ゚∋゚)「あっ」
( ´_ゝ`)「ん?」
( ゚∋゚)「……まさか組合長さんが呼ばれた喧嘩」
(´<_` )「……今日乗せてくれるはずの人で怪我でもしたって?」
( ´_ゝ`)「おおう……もしそうならめっちゃ運悪いな」
23
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/07/30(土) 23:36:05 ID:jCAsVOFU0
(´・_ゝ・`)「すみません、お待たせしました」
( ´_ゝ`)「で、何かあったん?」
(´・_ゝ・`)「いやー、どうも今日乗せてくれる予定だった船主さんが怪我をしたらしくて」
(´<_` )「クックルの予想ドンピシャじゃん」
( ゚∋゚)「あー……マジっすか」
(´・_ゝ・`)「みんな喧嘩慣れしてるんで、大怪我は珍しいんですけどね」
( ´_ゝ`)「まあそんな感じするよね」
(´<_` )「えっ、その人大丈夫なんですか?」
(´・_ゝ・`)「まあ命に別状は……。腕を骨折したらしいんで暫くお休みでしょうけど」
( ´_ゝ`)「そりゃ災難だなあ……」
(´<_` )(喧嘩じゃ自業自得だろうけどな……)
( ゚∋゚)「え、じゃあどうします?」
( ´_ゝ`)「ふむ……昨日に引き続き釣りでも構わんが」
(´<_` )「……郷土資料館とかありましたっけ?」
(´・_ゝ・`)「え? ああはい、図書館がありますよ」
24
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/07/30(土) 23:36:42 ID:jCAsVOFU0
【千手烏賊図書館】
「:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|.:.:.:||||||||||.:.:.|iiii|| ┌‐┐┌‐┐.‘,:.:.:| |: | 〔: : : : : : : : : :〕|:::|
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25
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/07/30(土) 23:37:17 ID:jCAsVOFU0
( ´_ゝ`)「すずやか」
(´<_` )「へー、意外と充実してるんですね」
(´・_ゝ・`)「支援してくれる団体がありましてね。子供たちに知識をって言って」
( ´_ゝ`)「ほほう。そりゃ立派な団体だな」
( ゚∋゚)(まあその知識を武器に都心に出てっちゃうんだけど……)
(´・_ゝ・`)「ありがたいことです」
(´<_` )「ちょっと見て回らせて貰いますね」
(´・_ゝ・`)「ええどうぞ」
( ゚∋゚)「あ、付き合います」
( ´_ゝ`)「ふむ、俺はちょっと来る途中にあった駄菓子屋に行ってくるぞ」
(´<_` )「む? まあ構わんが……」
(´・_ゝ・`)「あ、じゃあ僕もそっちに付き合おうかな? 良いですかね?」
( ゚∋゚)「はい」
(´<_` )「構いませんよ」
(´・_ゝ・`)「ではまた後ほど」
26
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/07/30(土) 23:37:52 ID:jCAsVOFU0
(´<_` )「さてさて、郷土資料は……おっ、ここか」
( ゚∋゚)「見た感じ千手烏賊というより岩手の資料っぽいっすね」
(´<_` )「まあこの町だけで本棚埋まるほどはないだろ……お、田村麻呂関係の資料あった」
( ゚∋゚)「ん、神社建立したのが田村麻呂でしたっけ」
(´<_` )「うむ。何か載ってるかなと思って……」
( ゚∋゚)「なさそうな感じしますけどねー……俺は何見ようかな」
(´<_` )「……お、目次にアラハバキとか観音の文字ある。このへんかな?」
( ゚∋゚)「"千手烏賊 むかしばなし"……ちょっと気になる」
(´<_` )「おっ、それも面白そうだな」
( ゚∋゚)「斜め読みしてみますわ」
(´<_` )「別段斜め読みするほど厚みなさそうだけどな」
( ゚∋゚)「確かに」
―――。
27
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/07/30(土) 23:38:28 ID:jCAsVOFU0
( ´_ゝ`)「むっ?」
マス ゚ o ゚)ミ「あん?」
(´・_ゝ・`)「清浦さん!」
マス ゚ o ゚)ミ「あ、盛岡さんやないの。そっちはお客さん?」
(´・_ゝ・`)「ええ。流石さん、こちらは清浦さん。先ほどお話した、図書館に支援して頂いている団体の方ですよ」
マス ゚ o ゚)ミ「ども。NPO法人"うみねこの家"代表の清浦真澄言います」
( ´_ゝ`)「ども。観光客の流石真理男です」
マス ゚ o ゚)ミ「普通自分で観光客言うか? おもろい兄さんやなー」
( ´_ゝ`)「よく言われる」
マス ゚ o ゚)ミ「ってか真理男? えっ何、失礼やけど本名?」
( ´_ゝ`)シ「マンマミーア!」
マス ゚ o ゚)ミ「いやどっちやねん!」
(´・_ゝ・`)「ははは」
28
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/07/30(土) 23:39:04 ID:jCAsVOFU0
( ´_ゝ`)「清浦さん大阪の人?」
マス ゚ o ゚)ミ「せやで。あんたは?」
( ´_ゝ`)「神奈川の人」
マス ゚ o ゚)ミ「ほーう。浜っ子やな」
( ´_ゝ`)「残念、生まれも育ちも群馬」
マス ゚ o ゚)ミ「何やそれ全然神奈川の人ちゃうやん。群馬かー、行ったことないな」
( ´_ゝ`)「海ないからね」
マス ゚ o ゚)ミ「せやな。うちの団体漁村の支援団体やから」
( ´_ゝ`)「そんなのもあるんだなーと感心してる」
マス ゚ o ゚)ミ「言うて大したもんやないけどな」
(´・_ゝ・`)「そんなことはないですよ。復興支援本当に感謝してます」
マス ゚ o ゚)ミ「まーここは人の被害なかったから楽な方やで」
( ´_ゝ`)「なるほど」
29
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/07/30(土) 23:39:41 ID:jCAsVOFU0
(´・_ゝ・`)「僕らは駄菓子屋行くところなんですけど、清浦さんは図書館に?」
マス ゚ o ゚)ミ「あーいや、図書館は寄り道やで。通りがかったしちょっと様子見とこ思て」
( ´_ゝ`)「あれ? じゃあどこ行く途中なん?」
マス ゚ o ゚)ミ「ちょっと野暮用でな」
( ´_ゝ`)「ふーん?」
(´・_ゝ・`)「……もしかして例の件ですかね?」
マス ゚ o ゚)ミ「あー、わかる? それや」
(´・_ゝ・`)「はぁ……大変ですね」
マス ゚ o ゚)ミ「ほんまやで。いい加減にして欲しいわ」
( ´_ゝ`)「俺だけ蚊帳の外」
(´・_ゝ・`)「すみません、ちょっと込み入った話なので……」
マス ゚ o ゚)ミ「まーちょっとした地域トラブルってやつや。観光客は知らんでええで」
( ´_ゝ`)「ふーん」
30
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/07/30(土) 23:40:16 ID:jCAsVOFU0
( ´_ゝ`)「……そういや増田弘子って知ってる?」
(´・_ゝ・`)「えっ?」
マス ゚ o ゚)ミ「増田弘子? そら知っとるけど……何や知り合い?」
( ´_ゝ`)(おっと、一発ツモ)
( ´_ゝ`)「友達。そういや実家この辺だって言ってたなって」
マス ゚ o ゚)ミ「ふーん。そういやあの子神奈川の方行っとるんやったっけ?」
(´・_ゝ・`)「えっ? いや、僕はちょっと知らないですけど……」
( ´_ゝ`)(ん……?)
マス ゚ o ゚)ミ「あの子元気にしとる?」
( ´_ゝ`)「ああうん、元気元気。最近彼氏と喧嘩したらしいけど」
マス ゚ o ゚)ミ「うわ、そらあかんな」
( ´_ゝ`)「まーすぐ仲直りするっしょ」
マス ゚ o ゚)ミ「ふーむ」
(´・_ゝ・`)「……」
( ´_ゝ`)(ふむ……)
31
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/07/30(土) 23:40:51 ID:jCAsVOFU0
マス ゚ o ゚)ミ「そんじゃもう行くで。あんまり暇もなくてな」
(´・_ゝ・`)「引き止めちゃってすみません」
マス ゚ o ゚)ミ「ええんやで。兄さんも観光楽しんでな」
( ´_ゝ`)b「おう」
マス ゚ o ゚)ミ「んじゃまたなー」
(´・_ゝ・`)「清美の知り合いだったんですか?」
( ´_ゝ`)「さっき言った通り」
(´・_ゝ・`)「彼女、ずいぶん前に家出して。心配してたんですよ」
( ´_ゝ`)「えっ、そうなの? そんなこと全然言ってなかったけど……」
(´・_ゝ・`)「彼女らしいですね……でも、元気そうで安心しました」
( ´_ゝ`)(どうも噛み合わないな。どういうことだ……?)
32
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/07/30(土) 23:41:28 ID:jCAsVOFU0
( ´_ゝ`)「彼女の家出の原因って何だったんだ?」
(´・_ゝ・`)「僕もよく知らないんですよね……親御さんとうまく行ってなかったらしいとは聞きますけど」
( ´_ゝ`)「なるほど……」
(´・_ゝ・`)「あの。できたら一度帰ってくるように言って貰えませんか?」
( ´_ゝ`)「……言ってみるくらいならいいけど」
(´・_ゝ・`)「ありがとうございます。十分です」
( ´_ゝ`)(帰ってきてない……のか? いや、だとすると清浦さんのさっきの発言は……?)
(´・_ゝ・`)「……さて、行きましょうか、駄菓子屋」
( ´_ゝ`)「うむ」
―――。
33
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/07/30(土) 23:42:03 ID:jCAsVOFU0
【千手烏賊図書館】
「:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|.:.:.:||||||||||.:.:.|iiii|| ┌‐┐┌‐┐.‘,:.:.:| |: | 〔: : : : : : : : : :〕|:::|
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34
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/07/30(土) 23:42:40 ID:jCAsVOFU0
(´<_` )「やっぱ千手神社の話は全然載ってなかったわ」
( ゚∋゚)「こっちはなかなか面白かったっすよ。鮫の妖怪の話とか」
(´<_` )「ほーう。千手様の話とも繋がってそうだな」
( ゚∋゚)「沖合の岩礁を根城にする"浮鮫"って鮫の妖怪を田村麻呂が退治したとか」
(´<_` )「こっちの本に載ってない時点で田村麻呂とは無関係だろうなあ……」
( ゚∋゚)「そっすね」
(´<_` )「"浮鮫"ってことは宙にでも浮くのか?」
( ゚∋゚)「らしいっす」
(´<_` )「実際そんなのいたら漁師とか全滅しそうだ」
( ゚∋゚)「っすね。山で言えば猪が三次元軌道してくるようなもんな気がしますし」
(´<_` )「死ぬわ」
( ゚∋゚)「まあ群馬だと流石麻呂に片手間で退治されそうっすけど」
(´<_` )「確かに」
35
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/07/30(土) 23:43:16 ID:jCAsVOFU0
マス ゚ o ゚)ミ「あっ?」
(´<_` )「えっ?」
マス ゚ o ゚)ミ「あれっ、兄さん駄菓子屋行ったんやなかったん?」
( ゚∋゚)「あ、たぶんそれ人違いでは?」
(´<_` )「駄菓子屋に行ったのは兄です」
マス ゚ o ゚)ミ「もしかして双子なん?」
(´<_` )「です」
マス ゚ o ゚)ミ「なんや驚いたわー。どっから入ったんやろって。いやそっくりやな」
(´<_` )「よく言われます」
マス ゚ o ゚)ミ「そんじゃ改めて……NPO法人"うみねこの家"代表の清浦真澄言います」
(´<_` )「あ、これはどうもご丁寧に。真理男の弟の累次です」
マス ゚ o ゚)ミ「えっ、あんたもそのネタ引っ張るん?」
(´<_` )「あ、ええと。これが本名なもので」
マス ゚ o ゚)ミ「えっ、マジ?」
(´<_` )「マジです」
36
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/07/30(土) 23:43:52 ID:jCAsVOFU0
【小川駄菓子店】
| |
┌──┴──‐┬──────┐:::........|
| . 文具・菓子 . .| | |
| | | |
| 小川駄菓子店| | |
|_______|________|__|_____
_。r≦ .。s≦ ト 、
_。r≦ .。s≦ | `ト、
r≦――――――――――――≦――――‐‐ |___`ト、
`trtri-----!--!ュ------ュ-----┘::r--ュi_i_i_i_i_i_i_||‐┬――! i 〕iト、__
|}}}}| .|冊|.||_i_i_i_i_i_i| | |i_i_i_i_i_i_i_|| .|: : : : :.| | `ー――
|冊|.||_i_i_i_i_i_i| .└‐┘_i_i_i_i_i_i_|| . |: : : : :.| | |
||_i_i_i_i_i_i| .|i_i_i_i_i_i_i_|| .|: : : : :.| | |
||_i_i_i_i_i_i| .|i_i_i_i_i_i_i_|| .|: : : : :.| | |
i箱箱!菓_i| ィ----ュ_i_i_|| .|: : : : :.| | |
|箱箱!菓_i| i!三::| ̄| ̄|`i .|: : : : :.| | |
_r-f‐-i|箱箱|菓_i| i!三i.l|㍊|樫|. i .|: : : : :.| | |
.| ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄i .| ____i!三!:l|柘|柘|`! .|: : : : :.| | |
| | i .| {=========.{二|二|-.! :|: : : :.:.| | |
37
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/07/30(土) 23:44:28 ID:jCAsVOFU0
ミサ ^ー^)ト「あら?」
(´・_ゝ・`)「むっ……」
ミサ ^ー^)ト「またお会いしましたわね」
( ´_ゝ`)「奇遇だな」
ミサ ^ー^)ト「ふふふ……ええ、奇遇ですわ」
(´・_ゝ・`)「……海岸の掃除に行ったのでは?」
ミサ ^ー^)ト「あら、これから向かいますわよ。腹が減ってはと言いますし。
すみませんお婆さん、こちらをお願いしますわ」
88 @-@)「はいはい、ちょっと待ってね」
( ´_ゝ`)「雨霧さん……だっけ? 何してる人なんだ?」
ミサ ^ー^)ト「しがない研究者ですわ。千手烏賊の風土について研究していますの」
(´・_ゝ・`)「だったらもう少し地域に馴染む努力をして頂きたいものです」
ミサ ^ー^)ト「馴染む? わたくしが? 有り得ませんわね」
(´・_ゝ・`)「はぁ……せめて大人しくしていて頂けませんか?」
ミサ ^ー^)ト「不可能ですわ」
( ´_ゝ`)(ふむ……やっぱりよくわからん人だな)
38
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/07/30(土) 23:45:04 ID:jCAsVOFU0
88 @-@)「お待ちどう。500円でいいよ」
ミサ ^ー^)ト「あら、ありがとうございます。ではこれで」
88 @-@)「はいはい、いつもありがとね」
ミサ ^ー^)ト「それでは失礼致しますわ」
( ´_ゝ`)「何なのあの人?」
(´・_ゝ・`)「全くもって会話の通じない変人ですよ。トラブルばかり起こしてます」
( ´_ゝ`)「まあそんな感じだよな……」
(´・_ゝ・`)「早く出て行って欲しいんですけどね」
88 @-@)「こらこら、そんなこと言うもんじゃないよ。根は悪い子じゃないんだ」
(´・_ゝ・`)「そんなこと言ってるのは小川さんくらいですが……」
88 @-@)「私ゃね、人を見る目には自信があるんだ。皆が言うような悪い子じゃないよ、あの子は」
( ´_ゝ`)「うーん……」
39
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/07/30(土) 23:45:39 ID:jCAsVOFU0
( ´_ゝ`)「さっき言ってたトラブルってあの人絡みだったり?」
(´・_ゝ・`)「あー……そうですね」
( ´_ゝ`)「なるほど……まああの感じじゃなぁ……」
(´・_ゝ・`)「そうなんです……」
88 @-@)「はいはい、美里ちゃんの話をしにきたんじゃないでしょ?」
(´・_ゝ・`)「あっ、それは、はい」
( ´_ゝ`)「小腹が減ったから駄菓子を求めて」
88 @-@)「じゃ、ゆっくり見てってね」
( ´_ゝ`)「うむ」
(´・_ゝ・`)「僕これ好きなんですよね」
( ´_ゝ`)「カツ。いいよね」
(´・_ゝ・`)「はい」
( ´_ゝ`)「俺はこれかな?」
(´・_ゝ・`)「パチパチ飴。これもいいですね」
( ´_ゝ`)「ブーン太麺は……ちょっとやめとくか」
40
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/07/30(土) 23:46:15 ID:jCAsVOFU0
( ´_ゝ`)「おや? こっちはおもちゃコーナーか……ミニ四駆とベイブレード、懐かしいな」
(´・_ゝ・`)「未だに持ってますよ僕。ここで買ったんですけど」
( ´_ゝ`)「そりゃ物持ちいいな」
(´・_ゝ・`)「もう動くかはわかんないですけどね」
( ´_ゝ`)「ベイはともかくミニ四駆は一応機械だしな……」
(´・_ゝ・`)「ここ、学校の隣ですから。学校帰りにみんなで良く来たもんです」
( ´_ゝ`)「増田さんも一緒に来てたのかな?」
(´・_ゝ・`)「そうですね」
( ´_ゝ`)「なるほど」
(´・_ゝ・`)「最近は来てなかったんですけど、久しぶりに来ると懐かしいなぁ……」
( ´_ゝ`)「あるよねそういうの」
88 @-@)「もっと来てくれていいんだよ。子供だけのものじゃなし」
( ´_ゝ`)「だってさ」
(´・_ゝ・`)「そうですね……たまには良いかな?」
41
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/07/30(土) 23:46:50 ID:jCAsVOFU0
【千手烏賊図書館】
「:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|.:.:.:||||||||||.:.:.|iiii|| ┌‐┐┌‐┐.‘,:.:.:| |: | 〔: : : : : : : : : :〕|:::|
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42
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/07/30(土) 23:47:26 ID:jCAsVOFU0
( ´_ゝ`)「戻ったぞ」
(´<_` )「お帰り」
(´・_ゝ・`)「何か面白い本はありましたか?」
( ゚∋゚)「この昔話、ちょっとおもしろかったっす」
(´・_ゝ・`)「ああそれですか。面白いですよね」
(´<_` )「さっき清浦さんって人に兄者と間違えられたぞ」
( ´_ゝ`)「あー……それはそうだろうな」
(´<_` )「漁村の支援活動してるんだってな」
( ´_ゝ`)「らしいね。いや大したもんだ」
( ゚∋゚)「ほっといたら寂れてく一方っすからね」
(´・_ゝ・`)「そうなんですよね。幸い千手烏賊は活気がある方ですが」
( ´_ゝ`)「こんなに良いとこなんだし頑張って貰いたいもんだな」
(´<_` )「完全に同意」
(´・_ゝ・`)「そろそろお昼行きます?」
( ゚∋゚)「行きましょっか、腹減っちゃいました」
( ´_ゝ`)「俺も」
43
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/07/30(土) 23:48:01 ID:jCAsVOFU0
【千手食堂】
========冂======================冂==================冂==
ノ ̄ ̄ ̄.ノ ̄ ̄ ̄|  ̄ ̄ ̄|  ̄ ̄ ̄|  ̄ ̄ ̄|  ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄|
ノ 千 ノ ノ 手 | ノ 食 ! ! 堂 |
`'─-─-''-─-─'└─-─└-─--'└-──└-─--┘─-─--┘
| :| | | | | | | | :|
|i | | | | | | | |:. ,| _
|:. ,| | | | | | | | :| |営|
|:. ,| | | | | | | |.i .| |業|
|i | | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | |:. ,| |中!
| :| | | | | | | | i| ゙ ̄
|i | | | | | | | | :|
|:. ,| | | | | | | |i |
| :| | | | | | | |, :.|
____|:. ,| |_|______|_|______| | | i|____
44
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/07/30(土) 23:48:37 ID:jCAsVOFU0
( 3丿3)「おっ、いらっしゃい」
(´・_ゝ・`)「やあ」
( ´_ゝ`)ノ「ども」
( 3丿3)「おいおい、観光に来て二日同じ店はガイドの怠慢じゃないのか?」
(´・_ゝ・`)「僕もそう思ったんだけどね」
( ´_ゝ`)「冷やしイカラーメンを食べずに帰れん」
(´<_` )「ラーメン好きとしてどうしても気になっちゃいまして」
( ゚∋゚)「ですね」
( 3丿3)「なるほど、そんならご期待に応えないとな!」
(´・_ゝ・`)「あ、僕も冷やしイカで」
( 3丿3)「言われなくても一人で磯食うとは思わねーよ」
(´・_ゝ・`)「だよねー」
45
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/07/30(土) 23:49:13 ID:jCAsVOFU0
( ´_ゝ`)(さて……先ほどの話を踏まえて午後はどう動くか……)
Case7「千手烏賊の夏」
Day2A「違和感の発芽」
To be continued...
46
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/07/30(土) 23:49:49 ID:jCAsVOFU0
今回はここまで
47
:
名無しさん
:2022/07/31(日) 05:01:41 ID:t6YFksUc0
乙
どう展開してくか楽しみだ
48
:
名無しさん
:2022/07/31(日) 07:24:44 ID:PXwd.z.w0
おつ
49
:
名無しさん
:2022/07/31(日) 08:33:32 ID:mbICEyEA0
おつ
ゆっくり坂道を転がり始めた感じがする
50
:
名無しさん
:2022/08/02(火) 00:39:52 ID:QigqnAaM0
乙
あの兄者が見てもよく分からん女性だとは、謎すぎるな
51
:
名無しさん
:2022/08/03(水) 06:24:26 ID:1FReHVds0
乙乙
ゆっくりゾワゾワしてきた
ミサ ^ー^)トさん気になる
52
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 19:39:55 ID:x7V4j8Ns0
>>47-51
乙ありやで
ゆっくり転がっていってね
53
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 19:47:36 ID:x7V4j8Ns0
前回のあらすじ
・そうですね。千手様は古くからこの地域を守ってきたと言われています
・ま、心に留めておくと良いのですわ。気づいたら蒸し鶏に、なんてことのないように
・増田弘子? そら知っとるけど……何や知り合い?
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
| 流石だよな、俺ら |
\_ _____ __/
V V
d( ´_ゝ`)人(´<_` )b
\ /. \ /
l l l l
//l | | l\\
 ̄  ̄.  ̄  ̄
【標準AA環境】
※右のAAのズレない環境が標準です。 | |\|/ | | |
| ∧ ∧ |/⌒ヽ、| ∧_∧ | ∧∧ |
|(,,゚Д゚)||,,゚ Θ゚)|(; ´Д`)|(=゚ω゚)|
54
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 19:48:16 ID:x7V4j8Ns0
Case7-Day2B
========冂======================冂==================冂==
ノ ̄ ̄ ̄.ノ ̄ ̄ ̄|  ̄ ̄ ̄|  ̄ ̄ ̄|  ̄ ̄ ̄|  ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄|
ノ 千 ノ ノ 手 | ノ 食 ! ! 堂 |
`'─-─-''-─-─'└─-─└-─--'└-──└-─--┘─-─--┘
| :| | | | | | | | :|
|i | | | | | | | |:. ,| _
|:. ,| | | | | | | | :| |営|
|:. ,| | | | | | | |.i .| |業|
|i | | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | |:. ,| |中!
| :| | | | | | | | i| ゙ ̄
|i | | | | | | | | :|
|:. ,| | | | | | | |i |
| :| | | | | | | |, :.|
____|:. ,| |_|______|_|______| | | i|____
55
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 19:48:52 ID:x7V4j8Ns0
( ´_ゝ`)「ふぅ、うまかった」
(´<_` )「熱い時にキンキンに冷えたやつは正義だなマジで」
( ゚∋゚)「貝出汁にゆずの香りが最高だったっすわ」
( ´_ゝ`)「そこにネギとイカ天とくりゃそりゃうまいわ」
(´<_` )「さて、それで午後どうする?」
( ´_ゝ`)「とりあえず一旦宿戻るか」
(´<_` )「うん?」
( ゚∋゚)「まーちょっと食休みもいいかもっすね」
(´・_ゝ・`)「じゃあ戻りますか。また案内必要なら呼んで頂ければ」
( ´_ゝ`)「うぃ」
56
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 19:49:32 ID:x7V4j8Ns0
【客室】
| || | | | ⊂⌒⌒⌒フ | | | : :| | |
| || | | |  ̄ ̄ ̄ | | | : :| | |
| || | | | ⌒⌒ | | | : :| l |
| || | | | ⌒⌒ | | | : :| l |
| || | ⊂ニ⊃ | | | | | : :| l |
__| || | | | | | │ : :l | |
|  ̄| || | | | __| l=ニ三三三三三| : :| | |
| | || | ―― ――― ―‐ | |――――――――― ――=≦三三三| |三三三三三三:| : :| || |
| | || |________________| | 〜〜 r‐夬‐ァ | |_三三三三三三| : :| ||| |
| | || 「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`| | 〜  ̄ ̄ | 「 ̄ ̄ ̄厂 ̄ ̄ \____,ノ|| |
| | ||二二二二二二二二二| | 〜 〜 | |二二二二二二二{___} || |
| | || |三三≧、 〜 | | 〜 〜 | | ノ / .:| l || |
| | ||二二二二二二二二二| | | |二二二二二二 / :| l || |
| | || |三三三三三\_____,| |〜〜〜〜^〜〜〜〜〜'〜〜〜〜〜〜'| |: : : : : : : : : : : : :| :| l || |
|_ | || | / ̄\ | | : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | | / ̄\:| l || |
|  ̄| ||ニニ| ヽニニニニ| | : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | |ニニニニニ/ / │ l: || |
| | || | | /{ヽ______,|_|__ : : : : : : : : : _____: : : : : : : : :. :._|_|____/ /{ | l: || |
| | ||_|___|================ミヽ___/________\____/ , ================| l: || |
| | ||___| ヽ}__|______________|__/ / | :l: || |
| | | | | | | | { | | :l:..|| |
| /――――――――| | ― | | ――――― | | ―ト、__| |___,ノ|| |
|/ ____ | l | | | | | | | ||―――――|\
. // ̄\ | 二二二二二二二二二ニニ二二二二二二二二二二 |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \\
| / ヽ |________ 二二二二二二二二二ニニニニニニニ二二二二二二二 ____________| / ̄ ̄\\
_| | |_______ 二二二二二二二二二二二ニニニニニ二二二二二二二二二 _______/ \
∨ | 二二二二二二二二二二二二ニ二二二二二二二二二二二二二二 / / /
.. ∨ | 二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二 / / /
. ∨ | 二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二 | / /
57
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 19:50:09 ID:x7V4j8Ns0
( ´_ゝ`)「さて、作戦会議といこうか」
(´<_` )「その口ぶり、盛岡さんに仕掛けたか?」
( ´_ゝ`)「プラス清浦さんに仕掛けた」
(´<_` )「おっと、それは思い切ったな……」
( ゚∋゚)「あれ、依頼の件話したってことっすか?」
( ´_ゝ`)「ああ。実家がこの辺だって聞いたことあるって体だけどな」
(´<_` )「それで?」
( ´_ゝ`)「素直に受け取るなら"帰ってきてない"んだが、なーんかおかしいんだよな」
( ゚∋゚)「何がです?」
( ´_ゝ`)「清浦さん、増田さんが神奈川にいたの知ってたみたいなんだよね」
(´<_` )「マジか。となると……」
( ´_ゝ`)「いつ知ったのか、だよな」
( ゚∋゚)「ずっとこの町にいるわけじゃないみたいっすから、神奈川行った時にでも会ったんじゃ?」
( ´_ゝ`)「そこでもう一つ気になったのが盛岡さんが知らなかったこと」
(´<_` )「どういうことだ?」
58
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 19:50:53 ID:x7V4j8Ns0
( ´_ゝ`)「盛岡さん、彼女と結構親しかったっぽいんだよね。でも知らない」
(´<_` )「それは……清浦さんは誰にも言っていないってことか?」
( ´_ゝ`)「そういうことかと思う。行方不明の女の子見つけてそんなことあるか?」
( ゚∋゚)「……考えにくいっすね」
(´<_` )「彼女が口止めした可能性は?」
( ´_ゝ`)「それにしちゃ口ぶりがおかしかったな。そういえば、とごく普通に出てきた」
( ゚∋゚)「口止めされてたのを忘れてた、とか」
( ´_ゝ`)「なくはない。が、薄いかな」
(´<_` )「そもそも会ってたのをその時思い出した、とか」
( ´_ゝ`)「それはない。彼女のこと"当然知ってる"って言ってたからな。
実は彼女、ここいらでは割と有名人なんじゃないかと思う。そこは後で裏取るとして……」
(´<_` )「……帰ってきてるがそれを隠している?」
( ´_ゝ`)「可能性は十分あると感じた」
( ゚∋゚)「待ってください。それだったら不用意に神奈川にいた話を出すのはおかしくないっすか?」
( ´_ゝ`)「隠し事してる時って隠そうとしている部分以外は疎かになりがちなんだよ。
"今"を隠そうとして"過去"のガードが緩くなる可能性は十分ある」
59
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 19:51:49 ID:x7V4j8Ns0
(´<_` )「うーむ……」
( ゚∋゚)「仮にそうだとして、どうします?」
( ´_ゝ`)「……差し当たり盛岡さんを巻き込もうかと思うんだ。
人となりは十分わかったし、増田さんの件についてはマジで何も知らなそうだからな」
(´<_` )「まあ、アリだな。それで?」
( ´_ゝ`)「ひとまず実家を当たりたい。あとはうみねこの家の施設とかあればそっちも」
( ゚∋゚)「施設は見学って体でいけそうですけど、実家の方は?」
( ´_ゝ`)「盛岡さんから言ってもらえば何とかなるんじゃないか?」
( ゚∋゚)「なるほど……」
(´<_` )「そうと決まれば早速盛岡さん呼ぶか?」
( ´_ゝ`)「そうしよう」
―――。
60
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 19:52:26 ID:x7V4j8Ns0
( ´_ゝ`)「――とまあそういうわけなんだが」
(;´・_ゝ・`)「ええと……待って、いきなり色々言われて混乱してる」
(´<_` )「ですよね」
(;´・_ゝ・`)「確かに僕もあれっ? とは思ったんだよね……」
( ゚∋゚)「清浦さんっすか」
(;´・_ゝ・`)「うん。行方不明なのにあんなこと言ってるんだもん」
( ´_ゝ`)「そりゃ盛岡さんの立場じゃそうなるよな」
(;´・_ゝ・`)「……ふう。でもお陰で初心に帰れたよ」
(´<_` )「初心というと?」
(´・_ゝ・`)「……そもそも、色々おかしいと思ってたんだよ……彼女"達"の失踪は」
61
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 19:53:02 ID:x7V4j8Ns0
(´<_` )「彼女"達"ですか……」
(´・_ゝ・`)「うん、そう――です」
( ´_ゝ`)「あーもういいよ敬語とか。こっちも腹割ったんだしざっくばらんにさ」
(´・_ゝ・`)「……そうだね……わかった」
( ゚∋゚)「それで、どういうことなんすか?」
(´・_ゝ・`)「彼女がいなくなったのは8年くらい前だけど。12年前にも失踪事件があってね」
( ´_ゝ`)「ほほう?」
(´・_ゝ・`)「五人が失踪した大事件だったんだけど」
(´<_` )「……そういえば聞いたことありますね。出版社の社長が家族ごといなくなったんだっけかな?
漁師町の二家神隠し……この町の事件だったのか……」
( ゚∋゚)「えっ、そんな事件あったんすね」
(´・_ゝ・`)「あったんだよ。出版社の社長と大学教授、その家族が一斉にいなくなった。
出版社の事務所に争ったような形跡があったことから、警察は何らかの事件に巻き込まれたとみて捜査していた」
( ´_ゝ`)「出版社と大学教授ねぇ……反社に都合悪い本でも出そうとしてたか?」
(´・_ゝ・`)「その辺はいまいちはっきりしないって話だね。
いなくなった大学教授の雨霧さんは民俗学の研究者だったから、
反社に都合が悪いっていうのもピンと来ないんだけど」
62
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 19:54:46 ID:x7V4j8Ns0
(´<_` )「雨霧……? それって……」
(´・_ゝ・`)「……うん、朝方会った雨霧さんは失踪した教授の娘を自称してるんだ。
全くふざけた話だよ、僕も彼女は知ってるけど断じてあんな狂った人間なんかじゃない」
( ´_ゝ`)「……その事件で狂っちゃった、とか?」
(´・_ゝ・`)「それは……それでも、あんな他人の迷惑を考えないなんて」
( ゚∋゚)「……警官の端くれなんで言いますけど。いるんすよね、壊れちゃう人って。
端から見れば些細な事件でも。ましてやそんな大事件なら……」
(´・_ゝ・`)「それは……しかし……なら何で警察は……」
( ´_ゝ`)「まあ一旦それは置いとこうか。それで?」
(´・_ゝ・`)「その事件の折、うちの宿に怪しげな外国人が泊まってたんだ。
父が言うには、自称大学教授で雨霧さんの友人という話だった」
( ゚∋゚)「うわめっちゃ怪しい」
(´・_ゝ・`)「そうなんだよ。で、その男。事件のあった夜に金だけ置いていなくなった」
(´<_` )「……それもう殆ど関係してますって言ってるようなもんですね」
(´・_ゝ・`)「だよね。警察もそれは知ってるはずなんだけど……」
( ゚∋゚)「……十年以上何もなし、と」
(´・_ゝ・`)「そういうことになるね」
63
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 19:55:22 ID:x7V4j8Ns0
( ´_ゝ`)「そこまではわかった。それで? 増田さんの失踪とどう繋がるんだ?」
(´・_ゝ・`)「……直接的な関係はないんだ、これがね。でも、強烈な既視感があってね」
(´<_` )「それは……?」
(´・_ゝ・`)「彼女がいなくなった夜にもね、いたんだよ」
(;゚∋゚)「えっ、まさかその外国人が……?」
(´・_ゝ・`)「ではないんだけど。不審な宿泊客が」
( ´_ゝ`)「どう不審だったんだ?」
(´・_ゝ・`)「自称"フリーのカメラマン"の屈強な男だったね」
( ´_ゝ`)( ゚∋゚)((それ冨竹じゃね??))(´<_` )
(´<_` )「つかぬことを伺いますが、帽子被ってませんでした?」
(´・_ゝ・`)「えっ? 帽子は被ってなかったかな。……心当たりの人でも?」
( ´_ゝ`)「ちょっと心当たりある。ちなみにメガネは?」
(´・_ゝ・`)「かけてなかったけど?」
( ´_ゝ`)「ありゃ?」
64
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 19:56:00 ID:x7V4j8Ns0
(´・_ゝ・`)「竹葉不明門を名乗ってたけど、一体何者だったんだか……」
( ´_ゝ`)「寡聞にして聞き覚えないがめっちゃ偽名っぽいな」
( ゚∋゚)「その人もいなくなったんすか?」
(´・_ゝ・`)「うん、そっくり同じように金だけ置いていなくなった」
(´<_` )「うーむ……」
( ´_ゝ`)「それ、同一人物って可能性は?」
(´・_ゝ・`)「えっ? うーん……外国人はガリガリ、カメラマンは筋骨隆々だったから流石にないと思うけど」
( ´_ゝ`)「ふむ……」
( ゚∋゚)「関係ないんじゃないっすか? 彼氏の話によると家出なんすよね?」
( ´_ゝ`)「一概にそうとは言い切れんな。ちなみに増田さんも攫われそうな理由があったのか?」
(´・_ゝ・`)「それが、あんまり。町の有力者の娘だったのは確かなんだけど」
(´<_` )「有力者、ですか?」
(´・_ゝ・`)「千手神社の神主さんだよ。今の町長でもある」
( ´_ゝ`)「思った以上に有力者だった」
65
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 19:56:38 ID:x7V4j8Ns0
(´<_` )(そして神社か……)
( ´_ゝ`)(神社ねぇ……)
( ゚∋゚)「でもやっぱり攫われたんだとしたらその後が意味わかんないっすよ」
(´・_ゝ・`)「それは僕も話を聞いて思った。今まではずっと攫われたものだと思ってたんだけどねぇ……」
( ´_ゝ`)「まあ前段の事件のショッキングさを考えたら結び付けちゃうのはわかる」
(´<_` )「そっちも何も進展ないんですか?」
(´・_ゝ・`)「全くもって。警察も何をしてるんだか」
( ゚∋゚)「争った形跡もあったならいくらなんでも真面目に捜査してると思いますけど」
( ´_ゝ`)「そうだな。神奈川県警だと疑わしいと思ってしまうが」
(´<_` )「神奈川県警は色々やらかしてるからな……今の筆府署は信頼してるが」
(´・_ゝ・`)「あー……確かによく聞きますね、神奈川県警の不祥事」
( ´_ゝ`)「それはそれとして。真面目に捜査してるんじゃないかな」
(´<_` )「圧力でもかかってなきゃな」
( ゚∋゚)「圧力……」
66
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 19:57:19 ID:x7V4j8Ns0
( ´_ゝ`)「圧力かかるような要素あんまなさそうだけど」
(´<_` )「そもそもの発端が圧力っちゃ圧力っぽいだろ」
( ゚∋゚)「捜査邪魔できるような圧力があるなら出版の方に圧力かけません?」
(´<_` )「一理ある……」
( ´_ゝ`)「そうなるといまいち権力に噛めてないが暴力には定評のある組織、が犯人像かな」
( ゚∋゚)「思い当たる組織あったりします?」
(´・_ゝ・`)「うーん……正直思い当たらないな。暴力団とかもこの町にはいないし……」
( ´_ゝ`)「……漁協とかは?」
(´・_ゝ・`)「漁協なら出版差し止め交渉から入るだろうから、話が耳に入ってると思う」
(´<_` )「……神社とか?」
(´・_ゝ・`)「各々信仰してるだけだから、組織立ってどうこうとかはできないんじゃないかな」
( ゚∋゚)「……うみねこの家は?」
(´・_ゝ・`)「喧嘩くらいならあるけど……それ以上の暴力沙汰とかは聞いたことないね」
( ´_ゝ`)「ふむ……」
67
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 19:57:56 ID:x7V4j8Ns0
(´<_` )「……竜宮会、という宗教団体に聞き覚えは?」
(´・_ゝ・`)「竜宮会? 聞いたことないな」
( ´_ゝ`)「なるほど。他のカルト団体とかは?」
(´・_ゝ・`)「皆が千手様を信仰してるこの町で?」
( ´_ゝ`)「うーん……ないか?」
(´<_` )(ってかサラッと言ったけど皆が信じてるのか……凄いな)
( ´_ゝ`)(やっぱりちょっとクサいけどなあ……組織化されてないってんじゃな。
神社関係が神社の娘攫うってのも意味わからんし)
( ゚∋゚)「やっぱ誘拐とかではないんじゃ?」
(´・_ゝ・`)「そうなのかな……」
lコ⊂(´<_` )「ちなみに竹葉という男はこの写真の人ではないですよね?」
(´・_ゝ・`)「体格は近いけどもうちょっと背が低かったかな? あと、顔つきはもっと精悍だったと思う」
(´<_` )「うーむ、そうですか」
( ゚∋゚)「逆に、家出する原因は心当たりないんすか?」
68
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 19:58:32 ID:x7V4j8Ns0
(´・_ゝ・`)「親御さんとうまくいってなかったらしい、としか」
( ´_ゝ`)「どううまく行ってなかったんだ?」
(´・_ゝ・`)「さあ、詳しくは話してくれなかったから。
長らく父子家庭だったから色々大変だったみたいだよ」
(´<_` )「父子家庭?」
(´・_ゝ・`)「お母さんは出産の際に亡くなったとか……」
( ゚∋゚)「地元で信仰されてる神社の家なら地域の支援も厚かったんじゃ?」
(´・_ゝ・`)「それはそうだね。それでも難しいもんさ」
( ´_ゝ`)(田舎で特殊なご家庭だと色々となー……)
(´<_` )「何かあったんですか?」
(´・_ゝ・`)「まあ、母親がいないことで揶揄われたりはしていたよね」
( ´_ゝ`)「子供って残酷だよなぁ……」
(´・_ゝ・`)「お父さんが他所の人だったから大人たちまで余計なこと言ったりね」
( ゚∋゚)「うわぁ……」
69
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 20:02:31 ID:x7V4j8Ns0
( ´_ゝ`)「でも今じゃ町長になるくらい皆に信頼されてるんだな」
(´・_ゝ・`)「気配りが凄い人だから。少しずつ信頼を積み重ねていったね」
( ゚∋゚)「そんな人なら、親子関係に一体どんな問題が……?」
(´・_ゝ・`)「さっきも言ったけど、本人が詳細を語らなかったからわからないんだよ、これがね」
(´<_` )「肝心なところが……」
( ´_ゝ`)「本当に何も心当たりないのか?」
(´・_ゝ・`)「うーん……ないね、正直」
(´<_` )「町長さんの言動で気になったことなどは?」
(´・_ゝ・`)「……強いて言うなら、余所者贔屓かな? 自分が余所者だからだろうけど」
( ´_ゝ`)「それはそうだろうな」
(´・_ゝ・`)「あとはそうだな……彼女がいなくなった当初こそショックを受けてたけど、
その後は意外とあっさりしてたというか」
( ゚∋゚)「え? そうなんすか?」
(´・_ゝ・`)「組合長とかは結構警察に文句言ってたんだけど逆に諫めたりとかね」
( ´_ゝ`)「なるほど……」
70
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 20:03:07 ID:x7V4j8Ns0
( ´_ゝ`)「清浦さんと言えばさっきは結局何しに行ったんだ?」
(´・_ゝ・`)「む……その話かい。雨霧さん、うみねこの家の人とは特別仲が悪くてね」
(´<_` )「えっ、まさか……」
(´・_ゝ・`)「昨日の喧嘩騒ぎは彼女だったそうだよ。聞いた話だとね」
( ゚∋゚)「うわぁ……」
( ´_ゝ`)「えっ、折られた人屈強な男だと勝手に思ってたんだけど違った?」
(´・_ゝ・`)「現役漁師じゃないからそこまで屈強じゃないけど、男ではあるね」
(´<_` )「なかなかイカレた女みたいだな……」
( ゚∋゚)「それ、警察には?」
(´・_ゝ・`)「喧嘩騒ぎなんて日常茶飯事だから一々届けないよ。
組合長なんか相当怒ってたみたいだけど、一応相手女性だしね」
( ´_ゝ`)「そんじゃ殴り返しに行くかともならなかった、と」
(´・_ゝ・`)「闇討ちされたんでもなきゃ、流石にかっこ悪すぎるからね」
(´<_` )(理解できん世界だな……)
71
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 20:04:22 ID:x7V4j8Ns0
( ´_ゝ`)「んー、一旦情報共有としてはこんなとこか」
(´<_` )「正直謎が増えちまった感しかないが……」
( ゚∋゚)「比較的怪しげなのはその雨霧さんとうみねこの家っすかね」
( ´_ゝ`)「あとは神主さんの話も聞きたい」
(´・_ゝ・`)「それぞれ話を聞きに行く感じかな……?」
(´<_` )「そうですね」
( ´_ゝ`)「どうアプローチすべきかは正直悩むけどな……」
(´<_` )「どこから行く?」
( ゚∋゚)「一番考えなしで行けそうなのは雨霧さんっすかね?」
( ´_ゝ`)「そうだな。そもそも考えたところでまともな会話になるとは限らんし……」
(´<_` )「んじゃとりあえず突撃しとくか?」
( ´_ゝ`)「……向かいながら考えるか。案内よろしく」
(´・_ゝ・`)「うーん、雨霧さんかぁ……気は進まないけどわかったよ」
72
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 20:05:00 ID:x7V4j8Ns0
【山中】
:ヾゞ;;ゞ:;ヾ:ヾ;;>;ゞヾ;ゞゞノヾゞ:ヾヾ /;;ゞ:;ヾ:ヾ;;>;ゞ |ii;ゞ:;ヾ:ヾ;;>;ゞヾ;ゞヾ:ヾ
ノ;;ヾ ヾゞヾ;ゞゞノヾゞ:ヾヾ ヾゞ;| <;;/::ヾゞ;;ゞ:;ヾ:ヾ;;>;ゞ;;::iiゞゞ;;ゞゞ;;ゞヾ;;>;ゞヾ;ゞ
ゞヾ ;ゞゞ;ゞiilヾ;ゞゞ゙ゞ;;:::ii| |;:ヾゞ "ヾゞヾ;ゞゞノヾゞ:ヾヾiii| <:;ヾ:ヾ;;>ヾ;ゞ'';ゞヾ;ゞ
|;:ilヾ \ |::;ii| ヾ;ゞゞ''ノヾ|;:i| ノヾゞ:ヾヾ::ヾ\ |i;;:iii| /;;ゞ :;ヾ:, |i;ゞゞ
|;:i| \`'';:::ii| ヾ:ヾ;;>;ゞヾ| |;:i|/^ '|i| |;:i| \`";;::ii| ノ / :ヾ;;>ヾ;ゞ ;ゞヾゞ
|;:i| ゙ヽ,;:;;;l| /゙;ゞゞ;ゞ:::ii| |;:i| |i| |;:i| ~|ii;;:ii"´/ |;;::ii| |i|/
|;:i| |:::;iii~ ノ ,,|;;::ii| |;:i| |i| |;:i| |i::;;iii|~ .|;;::ii| ''\|i|
':;,`:ヽ|/,'|:;:;ii|:,:;*.,:;/.:::;.:":::"''''⌒ヾゞ γ''"""''""''"' |ii;;i;('')''"''''"""''"""'''''"""''
";*'.:.:;”:;゙|:;;iii|`:;,':,*”:;:;.,:;.:;'.:.:;”:;ヾヾ)) ((,:ソミ;.:';';';::;.:". |i;;;::;iii|`:;,':,:;.,:;.:;';',: ':::;.:".:;.:';
.:;”:`:;,' *”|:;:;ii|:,:;*.,:;/.:::;,':,*”:;:;.,:;.:;'.:ソ "''~`''"゙"'''~ノ;;ii;:iilli;ゝ"''~`''"゙"''~`''"゙"''~゙
"''~`''"゙ ノノシillゝ"''~`''"゙"''~`''"゙"''~ "'''''''''''''''" ..,,、vji、iijww、ii..,
"'''''''''" '""'''""'"""
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;;;ゝ);;));ヾ;;) ,..,.,.,.,、 ''"""~
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;;;) ;;;)ヾミゞ((;;;ゝヾ;⌒;;) iijww、ii. """~" ''"""~
ヾミ;ソ(;;;ゝヾ;))ゝ;ミ;;(::;ゝ;;;)) ,..,.,.,.,、
73
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 20:05:36 ID:x7V4j8Ns0
( ´_ゝ`)「えっ、普通に山ん中じゃん」
(´・_ゝ・`)「そうだよ?」
(´<_` )「さっき言ってただろ」
( ´_ゝ`)「いやそうだけど」
( ゚∋゚)「まあ登山ってほどの山でもないですし」
( ´_ゝ`)「そーいうことじゃなくてさあ……」
(´・_ゝ・`)「まあ気持ちはわかる。何でわざわざ山の中に、って思うよね」
(´<_` )「何か理由でも?」
(´・_ゝ・`)「わからないんだな、これが」
( ゚∋゚)「えぇー……」
( ´_ゝ`)「人目を避けたかったにしちゃ傍若無人な振る舞いだしなぁ……」
(´<_` )「自称研究者なんて酔狂なことやってる時点で家賃くらい余裕そうだしな……」
(´・_ゝ・`)「だよね。よくわからないよ本当に」
74
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 20:06:12 ID:x7V4j8Ns0
【崖】
ノ
::ヽ
..く::::....
...........ノ........
゛....
,,....:::::::::ノ
...:..... ....:::::)
.........:::::::::ノ _,,, ,,, , ,,,, __
......:....r'' ,,,,,, ,,/~ \,,,_______ノ ⌒~ ⌒''''''⌒ゝ'⌒⌒ヽ_ノ~ ̄ ̄
....... :::::/ / ,, ,, //,,
:::::r'' /|ヽ,, ,,, ,, /;;,,
::::::) r/ ''ヽ,,,, ,,,, _ ,,, ,
:ノ |li /ii ゝ, ,, ,,_ ,,, ;;,, '' '' ,,| ~ゝ, , ,,, ,,,,
//ll |;,, ,,ノl⌒ ̄'' '⌒ゝ_ノ| l ̄ヽ |;;/ ,,,, ,
,|r /i /⌒ | ヽ ll| / l /ii| ,, ,, ,, ||⌒/ ''ゝ,,, ,, ,,,,
, _,,,, ,,,,, ,,,_ ,, || ll | ノ/ /ii ll > , lノ | ~|ll l |ii ̄l⌒ ̄
⌒~ ~/;ヽ_,,,,ノ/⌒⌒// / ll| |ll l ノii / /ii l / |ノ ,, , , r)ノ ヽ /ii
/;;;;/ ~ ヽ_人;;,ノ ノ_ノ / lll ll/ //ノ Y
,, ,, ヽノ ,,, ,, , 'ヽ'''i /^/ ii /ii |ll |_iiノ ,,,, ,, ,, , |ll ゝ
ヽ|~ _|ll ll| |lll ノ ,,,,, ,,, ,, ,, ,,, | |ii |ii
" ,,, ,, ,,,, ⌒ ヽ,,l_;;;::/⌒',,,,, ,,, ,,,, , ,, ,, // ii r'
" ノ/ , /ii i
"" ,, ,,, , ,, ,,,,, ,, ,,, ヽ_ | ii ii
"" ,,,, , ,, , ゝ_ノl、ii l il| _
 ̄\|_ノ
75
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 20:06:50 ID:x7V4j8Ns0
(;´_ゝ`)「うへ、こんなとこ住んでんのか……」
(´<_`;)「一歩間違ったら建物ごと落ちそうだぞ……」
(´・_ゝ・`)「着いたあだ名が"絶壁の魔女"だからねぇ」
( ´_ゝ`)「見事な双子山だったが……」
(´<_` )「おっさんか」
( ゚∋゚)「よく反射でそんな返し出るっすね」
( ´_ゝ`)「いやだってさぁ、見事だったじゃん?」
(´<_` )「その話続けんのかよ」
( ゚∋゚)「結構真剣な場面だと思うんすけど、何考えてるんすか?」
( ´_ゝ`)「えー、そこまで言う?」
(´<_` )「言われても仕方ないと思うぞ」
( ´_ゝ`)「そうか?」
(´<_` )「そうだ」
( ´_ゝ`)(とか言いつつ検討中なんだよね。どうすっかな……)
(´<_` )(何か知らんが迷ってそうだな?)
76
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 20:07:26 ID:x7V4j8Ns0
( ´_ゝ`)「……よし、二人はここで待っててくれ」
( ゚∋゚)(´・_ゝ・`)「「えっ?」」
(´<_` )「そういう結論になったか」
( ´_ゝ`)「考えたんだけど、人数多いと逆に煙に巻かれそうで」
(´<_` )「あー……確かにな」
( ´_ゝ`)「うむ。俺らなら相手から見れば実質一人みたいなもんだし……」
(´<_` )「その理屈はおかしいが」
( ´_ゝ`)「そうか?」
(´<_` )「そうだ」
( ゚∋゚)「まあ、待てって言うなら待つっすけど」
(´・_ゝ・`)「……確かに僕が行くと引っ掻き回されそうだね」
( ´_ゝ`)「さっきの様子見る限りそれは間違いないと思う」
77
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 20:08:02 ID:x7V4j8Ns0
【雨霧研究所】
ト イ / r /::::::.:.:.:...
i イ /r /ヘ:::::::::::...:...::......
i/r t l ノ /.:.:.:.:..:.:.:::::::::::::::::::.:.:......
ヾゞ/ r ト .: :.::... .:.:. :.. .:::. _,-‐-.、:::::::........ ......:::::::,r'"゙ヽ、 .....::::::::.:.
"`i''/l''';.l .:.:. .: .:.:.:. :._,,r' ::::::::::: :ヽ、_,.r‐.、__,,..r''":::::::::::...`ー'`ヽ、::::::::
l::.:.. iii| """""""r'´..::::::::::::::....:.......::::::...........::::::::::::::::::::::::....:::.....`' ""
|.: ..:...;l / ̄ ̄ ̄ ̄~`''ー-...、 ,-─-、 ....::::::::::::::::::.:.:.:.......
l.;.;.: .:il /.:.::.:..::\::::..:.........::::::::::::::~``''|:::......::| .....::::::::::.:.::.::::::::::::.:::::::..:......
l,;..;:,;,il| ...::::::::::::i.:.:.:.::::::.::.:.:::\::::::::::::::::::::::::::: : :.|:::.....:::|~``''=ー-、..,,_ ::::.:.::...:.:.......
"''`'''``':... ..::::::::::::::::::::'.、::.::.:.:.:::::.:.:.:.:\:::::::.:.:.::::::::::.:: .`ー一'....:::::::.:.:.::.:.::::.:.:~``''=ー-、..,,_ .:....
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.:.:.:.:.:从...:.:.:.:.:::::i 从 .:.:.:..: .:........ `、. .|..........:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:::::..:.:.:...:.|.:.:.:.:.:.:. .:.〔〕|.:.:.:| |.:.:.::::.| ..::::::..
. . . : : : : : . : . : :. : .: . :从 .:. :.: .: . .`、l.:.;;;;;;;;;;;;;;;..;;;;;;;;;;;,;,;,,;,;,;,;,;,;|;,;,,;;,,;;;;;,;;;;,;;;|;,;,└──┘;;;,,;,;|... :..:::...
.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 丶、 .: . ヾ.:..::::::::::::::::::::.:.:::::::::::.:.:.....
: : : :. . . :. : .: .: .: . : . . :. : .: .: . :. . .:. . :. :./ ̄ ̄ ̄/i:.:.: . : . :. : . ) ,i.: .: : :. :. . . : . :. :. : .: . . ..
:. : .:. :. :. . .. .: . : . : : :. : .: :. : . .: : .: . . .: .i ̄〒 ̄..::i.:l: .:.. . :._,. - ' .: . . /.:.: .:. :.: . :. :. :. : .: .: . :. :....;,
: .: . :. :. :.: . :V从. :. : .: . :. :.: .: . : .: . :. :.:::l ━━..:::i/_,,. -‐ ..:.::.: . ..ノ. :. :. :. : .: .: . :. : .: . . : .: . :. .
.: .: .: . :Vvik .: . :. :.: . :. : .: . : ._ ,,. --─ ' ̄I___I ̄ .:.:.;;.:.:::.:. . :../. .:.: . . . :.:. :. :. :. :. .: . . :. :. :. .:
78
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 20:08:38 ID:x7V4j8Ns0
( ´_ゝ`)「研究所とは名ばかりのプレハブにしか見えんが……」
(´<_` )「そもそも町の風土研究で研究所とは?」
( ´_ゝ`)「確かに割と謎……」
(´<_` )「インターホンは……あれか」
ピンポーン
"はい"
(´<_` )(ん? 男の声?)
( ´_ゝ`)「ども。雨霧さんいる?」
(´<_` )(えっ、そんなノリでいいのか?)
lコ"失礼ですがどちら様でしょうか?"
( ´_ゝ`)「探偵の流石だけど」
lコ"探偵……? ご用件を伺います"
( ´_ゝ`)「この町で起きた失踪事件についてちょっと話を聞きたくて」
(´<_` )(ド直球で行くなあ)
79
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 20:09:14 ID:x7V4j8Ns0
lコ"あら? 誰かと思えば先ほどの蒸し鶏さんじゃございませんの"
( ´_ゝ`)「ん?」
lコ"白髭さん、入れて差し上げて"
lコ"おや、よろしいのですか?"
lコ"だってあんなことを言われたら……ねぇ?"
lコ"ククク……そうですな"
lコ"フフフ……少々お待ちくださいませ"
(´<_` )「……何かやーな感じだな」
( ´_ゝ`)つ「安心しろ、いつも通り仕込んである」
(´<_` )「最早息をするように……流石だな兄者」
( ´_ゝ`)「それほどでもない」
( ´W`)「お待たせ致しました。さ、どうぞお入りください」
80
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 20:09:50 ID:x7V4j8Ns0
【雨霧研究所 応接室】
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : || // || //
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : |└―――――――――┴┴――――
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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81
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 20:10:27 ID:x7V4j8Ns0
ミサ ^ー^)ト「今日はよくお会いしますわね」
( ´_ゝ`)「そうだな」
( ´W`)つ旦「粗茶ですが」
( ´_ゝ`)「あ、ども」
(´<_` )「ありがとうございます」
ミサ ^ー^)ト「では、改めて用件をお伺いしますわ」
(´<_` )「……過去にこの町で発生した失踪事件についてお尋ねしたいです」
( ´W`)「失踪事件というと……あれですかな、12年前の」
( ´_ゝ`)「まずはそれだな」
ミサ ^ー^)ト「えぇえぇ、その件についてはそれはもう世界中の誰よりも詳しいですわよ」
(´<_` )「あなたとご家族も失踪したと聞きましたが……」
ミサ ^ー^)ト「ええ、綺麗さっぱり失踪致しましたわ」
( ´_ゝ`)「一体何があったんだ?」
ミサ ^ー^)ト「死にました」
(´<_` )「……は?」
82
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 20:11:02 ID:x7V4j8Ns0
. \::::ー┤ | /| 斗―ト| |斗―:ト∨ | (_:::::/
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⌒|/ | 斗― ミ 斗― ミ / ∨
/ ⌒'( んJハ んJハ )⌒ V
. / Λ _)//} _)//} / | 「死 に ま し た」
. _,′ Λ V^ソ V^ソ ./ / } ⌒L
/ ! } 、 { | / /⌒
/ 人 _______ } { _|___ / /
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\ / | | ∨ニニニニ\ /ニニニニ/| Λ ∨
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83
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 20:11:40 ID:x7V4j8Ns0
(;´_ゝ`)「……それは、あんた以外全員死んだ、そういう意味でいいのか?」
ミサ ^ー^)ト「私自身、無惨にもお亡くなりになってしまいましたわ」
( ´W`)「美人薄命とはよく言ったものですね……ククク」
(´<_`;)「ですが、あなたは生きてらっしゃるようですが……」
ミサ ^ー^)ト「まあ、おだてても何も出ませんわよ?」
(´<_`;)「???」
( ´_ゝ`)「……なんだ、ただのゾンビか」
ミサ ^ー^)ト「ゾンビ……これは言い得て妙ですわね!」
( ´W`)「ククク、まさに言い得ているかと。なかなかユーモアのあるお客人ですね」
( ´_ゝ`)「ええと……少なくとも生命活動はしてる、よな?
戸籍上、精神上……どっちだ?」
( ´W`)「おやおや、見事に捕捉されていますぞ?」
ミサ ^ー^)ト「探偵と言うだけありますわね。面白い蒸し鶏さんですこと」
( ´_ゝ`)「実は生命活動してないんだって返されなくて心底ほっとしたよ」
(´<_` )(まったくだ)
84
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 20:12:17 ID:x7V4j8Ns0
ミサ ^ー^)ト「ふふ、ご安心なさいませ。飲食も排泄も致しますし、生殖だって可能ですのよ?」
( ´W`)「少々はしたないですぞ。少しはオブラートに包みませんと」
ミサ ^ー^)ト「ふふふ、これは失礼致しましたわ」
(´<_` )(駄目だ、着いていけねぇ)
( ´_ゝ`)「んーまあ12年前の方は一旦いいや。本題は8年前の方なんだよね」
ミサ ^ー^)ト「……なるほど?」
( ´W`)「……なるほど」
( ´_ゝ`)「なるほど……?」
(´<_` )(ん? 止まった?)
( ´_ゝ`)(ここまで全然読ませなかったくせに随分露骨だな……まさか構えてたか?)
ミサ ^ー^)ト「8年前というと弘子ちゃんですわね」
( ´_ゝ`)「彼女が今どこにいるか知ってたりしない?」
ミサ ^ー^)ト「もちろん存じておりますわ」
(´<_`;)「はっ……!?」
85
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 20:12:52 ID:x7V4j8Ns0
. \::::ー┤ | /| 斗―ト| |斗―:ト∨ | (_:::::/
\ | |/ | .|____| | | |_ | ∨/ | (:/
⌒|/ | 斗― ミ 斗― ミ / ∨
/ ⌒'( んJハ んJハ )⌒ V
. / Λ _)//} _)//} / | 「私 が や り ま し た」
. _,′ Λ V^ソ V^ソ ./ / } ⌒L
/ ! } 、 { | / /⌒
/ 人 _______ } { _|___ / /
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86
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 20:13:37 ID:x7V4j8Ns0
( ´_ゝ`)「嘘つけ」
ミサ ^ー^)ト「あら?」
( ´_ゝ`)「彼女は家出だろ。本人から聞いてる」
ミサ ^ー^)ト「あらららら??」
( ´W`)「プッ……ククッ……見事に切り返されてしまいましたね」
ミサ ^ー^)ト「もう、そんなに笑うなんて酷いですわ!」
( ´W`)「はいはい、申し訳ございませんね……ククッ」
ミサ ^ー^)ト「むー!」
( ´_ゝ`)「……んで? 知ってんのか? 知らねーのか?」
ミサ ^ー^)ト「まことに不本意ながら存じあげませんわ。それより、彼女にお会いになったんですの?」
( ´_ゝ`)「群馬でね」
ミサ ^ー^)ト「へー、そうなんですの」
( ´W`)「はて、それで居場所を気になさっているとなると……また家出でもされましたかな?」
( ´_ゝ`)「むしろ実家に帰るって言ってたんだが」
(´<_` )(流石だな兄者、徐々に会話が成立し始めてる……)
( ´_ゝ`)(カマかけ乗ってこないか……)
87
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 20:14:13 ID:x7V4j8Ns0
( ´W`)「ふむ? お帰りになったのであれば騒ぎになりそうですが……」
ミサ ^ー^)ト「そうですわね。私の時も騒ぎになりましたし」
( ´W`)「まるで信じて貰えていないのは少々面白すぎましたがね……プッ!」
ミサ ^ー^)ト「まあそれはそれで正解ですわ。幽霊みたいなものですし」
( ´W`)「しっかり脚が生えてお花も摘みに行く幽霊ですがね」
ミサ ^ー^)ト「うらめしやー」
( ´W`)「おお怖い!」
(´<_` )(また盛大に脱線してるが、回答自体は信用できそうか……?)
( ´_ゝ`)「そんなこと言って、実はこの研究所にいるんじゃないのか?」
ミサ ^ー^)ト「いませんわよ?」
( ´W`)「いらっしゃいませんねぇ」
( ´_ゝ`)「……死体だからいない、なんて言わないよな?」
ミサ ^ー^)ト「まさかまさか」
( ´W`)「そんなそんな」
88
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 20:14:51 ID:x7V4j8Ns0
ミサ ^ー^)ト「人様をいきなり殺人者呼ばわりなんて流石にどうかと思いますわよ?」
( ´_ゝ`)「殺したなんて誰も言ってないんだが?」
( ´W`)「プッ! これは一本取られましたな……ククッ!」
ミサ ^ー^)ト「えぇえぇ、見事な揚げ足取り一本ですわね」
( ´_ゝ`)「一本取ったということで、ここは一つ真面目に答えて貰うわけには?」
ミサ ^ー^)ト「私はいつだって大真面目ですわ」
( ´_ゝ`)「なんだろう、嘘つくのやめて貰っていいですか?」
( ´W`)「言われてますよ?」
ミサ ^ー^)ト「言われちゃってますわね?」
(´<_`;)(兄者がここまで翻弄されてるのは初めて見るな……)
( ´_ゝ`)(うーむ、手ごわいな……)
89
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 20:15:27 ID:x7V4j8Ns0
( ´_ゝ`)「否定しないなら通報しちゃうけどいいかな?」
ミサ ^ー^)ト「むっ、やりますわね。そう言われたら否定せざるを得ませんわ」
( ´W`)「増田様はいらっしゃいませんし、死体もございません。これでよろしいですか?」
( ´_ゝ`)「嘘か本当かは知らんけど結構。それじゃあ逆に心当たりとかないか?」
ミサ ^ー^)ト「うーん、そうですわね……あの生ゴミどもが怪しいですわ」
( ´W`)「そうですな」
( ´_ゝ`)「……それってもしかして清浦さん……うみねこの家のことか?」
ミサ ^ー^)ト「ええ、そんなような名前でしたわね。わたくし生ゴミの名前を覚える趣味はございませんの」
(´<_` )「……怪しいと言うと? 帰ってきたところを拉致でもされたと?」
ミサ ^ー^)ト「さあ? でも、悪いことは全部奴らの仕業ですのよ」
( ´W`)「ゴルゴムの仕業……月島さんのおかげ……まあそんなところでしょうか。ククッ」
( ´_ゝ`)「盛岡さんからもちらっと聞いたけど、何でそこまで嫌ってるんだ?」
ミサ ^ー^)ト「生ゴミを嫌うのに理由がいりまして?」
( ´W`)「臭い汚い暗い、所謂3Kというやつですな」
ミサ ^ー^)ト「まあ、うまいこと言いますわね!」
90
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 20:16:03 ID:x7V4j8Ns0
(;´_ゝ`)(つ、疲れる……)
(´<_`;)(盛岡さんいたら怒っちゃって更に収集つかなかったろうな……)
ミサ ^ー^)ト「用件はそれだけですの?」
( ´_ゝ`)「増田さんが何らかのトラブルに巻き込まれていたとして、協力して貰うことは可能か?」
(´<_` )「えっ、やなんだけど」
(;´_ゝ`)「おい」
(´<_`;)「あっ」
ミサ ^ー^)ト「ふふふ、勿論ご協力致しますわよ? ねぇ白髭さん?」
( ´W`)「ククク、あなたのような名探偵に私共の協力が必要なのかは聊か疑問ですがね?」
( ´_ゝ`)「今々完全に迷える探偵だっての。んじゃLinerだけ交換させてくれ」
ミサ ^ー^)ト「わかりましたわ」
―――。
91
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 20:16:43 ID:x7V4j8Ns0
(; _ゝ )「あー疲れた」
( <_ ;)「何なんだよもう……」
(;゚∋゚)「うわ、大丈夫っすか?」
(´・_ゝ・`)「あー……あの人の相手をまともにするとそうなるよね……」
( ´_ゝ`)「小さいが3つほど収穫はあったぞ」
(´<_` )「えっ、マジで?」
( ´_ゝ`)「一つ。警察を呼ばれるのは割と困るっぽい。そこまで致命的なあれじゃないと思うが」
(´<_` )「……なるほど? まあそれは俺もそんな感じしたが……」
( ´_ゝ`)「一つ。恐らくあれ失踪した本人じゃないかな?」
(;´・_ゝ・`)「嘘でしょ……?」
( ´_ゝ`)「いくつかポイントはあるけど。一番は、本人とも別人とも主張しなかった。
別人がわざわざ名乗るなら微塵も本人アピールしないのは若干不自然」
(´<_` )「そう言われるとそうかもな……あの感じだと不自然どうこう関係あるのかってのはあるが」
( ゚∋゚)「それで、最後の一つは何なんすか?」
92
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 20:17:20 ID:x7V4j8Ns0
( ´_ゝ`)「ありゃ何かしら知ってるぞ。どの程度の情報なのかはわからんがな」
Case7「千手烏賊の夏」
Day2B「絶壁の魔女」
To be continued...
93
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/06(土) 20:17:56 ID:x7V4j8Ns0
今回はここまで
94
:
名無しさん
:2022/08/06(土) 20:35:13 ID:JKeVKNdc0
乙
95
:
名無しさん
:2022/08/07(日) 01:21:38 ID:1USen2yE0
うーん面白い
先週以上に続きが気になる
96
:
名無しさん
:2022/08/07(日) 11:04:51 ID:kG5uYDgA0
乙
薄気味悪くて良いな
97
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/13(土) 19:57:01 ID:7Su8QnLk0
>>94-96
乙ありー
98
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/13(土) 19:59:24 ID:7Su8QnLk0
Case7-Tips1 あまりにも危険すぎる
(´・ω・`)「「あっ」」(‘_L’)
。
(‘_L’)/ スッ...「……」
(´・ω・`)「いや、無言で構えるのやめて貰いたいんだが? まさかこんな場所でやりあう気はないだろ?」
(‘_L’)「……そうですね。場所を変えましょうか」
(´・ω・`)「生憎そっちに付き合う義理はない。どうしてもというなら店までどうぞ」
(‘_L’)「ふん、それこそ付き合う義理はないですね。一対多でどうにかなると思うほど馬鹿じゃありませんよ」
(´・ω・`)「ふぅん、一対一でも手も足も出せずに負けてるの考えるとやっぱり馬鹿なんじゃないか?」
。
(‘_L’)/ 「……やはり殺しましょうか」
(;´・ω・`)「待って待って待って、ここでぶっ放すのはマジで勘弁。僕が悪かった、すみませんでした」
(‘_L’)「……軽いジョークですよ。夜道の一人歩きにはお気をつけて」
(´・ω・`)「いや絶対本気だったろ。というかいい加減諦めて欲しいんだが?」
(‘_L’)「無理ですね。あまりにも危険すぎるんですよ、あなたは」
99
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/13(土) 20:00:00 ID:7Su8QnLk0
(´・ω・`)「……まあ、あんたの言う通りだと思うよ」
(‘_L’)「であればさっさと自害して頂けませんか?」
(´・ω・`)「そいつは無理な相談だな。僕らだって好きでこうなったわけじゃない」
(‘_L’)「気の毒な話だとは思いますがね。捨て置くわけにはいかないんですよ」
(´・ω・`)「だったらくっちゃべってないで早く僕を殺せるように修行でもしたらどうだ?」
(‘_L’)「……それもそうですね。たまにはいいこと言うじゃないですか、化け物」
(´・ω・`)「せいぜい頑張ってくれよ、狂信者」
(‘_L’)「ふん、首でも洗って待っていなさい」
(´・ω・`)(……ふぅ。止められる人間が一人でも増えるといいんだが。
いつが"その日"なのかなんて僕にもわからないんだから……)
100
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/13(土) 20:00:37 ID:7Su8QnLk0
Case7-Tips2 猫の手
(二二二ニ/二二ニ/二|二二ヽ二ヽ二ニニ)
//_/__//_/__//_/| |ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
//_/__//_/__//_/_| |__ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
//_/__//_/__//_/__| |_ヽ_ヽヽ__ヽヽ_ヽヽ
二二二ニ/二二ニ/二二二//_/__//_/__//_/_| |__ヽ_ヽヽ__ヽヽ_ヽヽヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ
//_/__//_/__//_/__///_/_//_/__//_/_ | |___ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
//_/__//_/__//_/__//○====○====○======.○=====○===○===○===○ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
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○====○====○====○===.| |││││││││││││││││|| ||===○===○===○===○===○
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101
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/13(土) 20:01:12 ID:7Su8QnLk0
爪゚ー゚)「で、今日は何の用件なんだい?」
<(' _'<人ノ「今奥の部屋で師範と特課の隊長さんがお話されてるんですけど、あなたに会いたいと」
爪゚ー゚)「……僕に? 何故?」
<(' _'<人ノ「先日の安易な魔術行使についてお叱りでもあるのかもしれませんよ?」
爪;゚ー゚)「うへ、それはご勘弁願いたいなぁ……」
<(' _'<人ノ「自業自得です」
爪゚ー゚)「そんなぁ……いいじゃないか魔術の一つや二つ」
<(' _'<人ノ「はぁ……私からももう一度お説教が必要ですか?」
爪゚ー゚)「是非ともお願いしたい」
<(' _'<人ノ「えっ?」
爪゚ー゚)「最近気づいたんだけど、君からお説教されるのは何て言うかこう……良いんだよねぇ」
<(' _';<人ノ「えぇー……」
爪゚ー゚)「今にも真っ二つにされるんじゃないかっていうスリルがたまらないよ」
<(' _'<人ノ「真っ二つになんてしません! ……もう、今度から殺気を込めるのはやめにします」
爪゚ー゚)「えぇー……」
102
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/13(土) 20:01:50 ID:7Su8QnLk0
<(' _'<人ノ「……あ、いらしたみたいですよ」
/ ①八①ヽ「おお、来ていたか地流君。こちらは特課の小野木君だ」
( `ゝ´)「小野木です。あんたがあのおっそろしい魔術を雑に使ったっちゅう地流さんですか?」
爪゚ー゚)「やあ、その地流さんで間違いないよ。特課の隊長さんが一体何の用かな?」
( `ゝ´)「端的に言やぁスカウトってやつですね」
爪゚ー゚)「ほぅ……」
<(' _'<人ノ「ええっ?」
爪゚ー゚)「正直とても興味はあるけどね。僕何かが加わったら命がいくつあっても足りなそうだ」
( `ゝ´)「なぁに、今すぐってわけじゃありやせん。
玄葉先生も少しばかりご協力頂けるってぇ話ですし」
/ ①八①ヽ「うむ、本人にその気があるのであれば指導をさせて貰おう」
爪゚ー゚)「おお、それは願ってもないね。丁度入門しようか迷っていたところだよ」
<(' _'<人ノ「そういえばそんなことも言っていましたね」
爪゚ー゚)「あの一件で自分の力不足は痛いほど痛感させられたからねぇ……」
<(' _'<人ノ「……」
103
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/13(土) 20:02:27 ID:7Su8QnLk0
( `ゝ´)「ま、うちに入るかは置いておいても少しばかり協力頂きたいんですわ。
県警の"そっち"係が完全に白目剥いちまってましてね……」
爪゚ー゚)「うわぁ……」
( `ゝ´)「このご時世、どこも猫の手も借りたいって有様ですからねぇ。
話通しといたんで、そろそろ打診が来るはずですわ」
爪゚ー゚)「ふむ……正直どこまで力になれるか自信はないけど……」
( `ゝ´)「なぁに、警官としてある程度の力量があって魔術が使えるなら十分ってもんですね。
そもそもうちの取りこぼした小さい案件を各々対処しているうちにできた枠組みです。
専門家なんて誰もいやぁしません」
爪゚ー゚)「それはそれで凄い不安になるなぁ……」
<(' _'<人ノ「……そちらまで漏らさないように、より一層努力しなければいけませんね……師範、小野木様」
/ ①八①ヽ「うむ、その通りだ高崎君」
( `ゝ´)「全く耳がいてぇこってす。本来は公僕として、おたくらに頼るのも間違ってるんですがねぇ……」
/ ①八①ヽ「なに、それこそが祈念流の本懐というものよ」
<(' _'<人ノ「そうですね。伊佐としても同じくです」
( `ゝ´)「全く面目ねぇ話ですが、よろしくお願いしますわ」
104
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/13(土) 20:03:09 ID:7Su8QnLk0
Case7-Tips3 うみねこの家
( ・∀・)「うみねこの家について聞いてみたよ」
( ´ー`)「ほう。どうだったんです?」
( ・∀・)「うーん……微妙?」
( ´ー`)「はあ……?」
( ・∀・)「とりあえず指定監視団体ではないらしい」
( ´ー`)「なるほど」
( ・∀・)「ただ、怪しげなところもあるらしくて……グレーだって」
( ´ー`)「怪しげなところと言うと?」
( ・∀・)「噂レベルだけど、代表が竜宮会の幹部と度々会食してるとか何とか。
あとは職員に信者が多いらしい、とかね」
( ´ー`)「いや、流石にその程度の話じゃな……」
( ・∀・)「だよねぇ。NPO代表とかだとそういった繋がりって大事だし」
( ´ー`)「どっちも海辺で活動してりゃな。全くの無関係ってこともないだろうよ」
( ・∀・)「問題はどの程度の関係なのかなんだよなぁ……」
105
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/13(土) 20:03:44 ID:7Su8QnLk0
Case7-Tips4 千手神社
<(' _'<人ノ「お母様」
(' _' レミ「何ですか、美和」
<(' _'<人ノ「千手神社ってご存じですか?」
(' _' レミ「千手神社ですか? ええ、知っていますよ。岩手の」
<(' _'<人ノ「そうです」
(' _' レミ「神主が代替わりしてからはあまりよくないと聞いています」
<(' _'<人ノ「えっ?」
(' _' レミ「先代の神主は私もお会いしたことがあって、とても素晴らしい神職でした。
彼女が亡くなってから旦那様が跡を継がれたそうなんですけど……」
<(' _'<人ノ「何がよくないんでしょうか?」
(' _' レミ「町外のことに協力的ではない、と」
<(' _'<人ノ「そうなんですか?」
(' _' レミ「私も噂で聞いただけですから。
逆に地元では町長を務めるくらいに人望があるようですから、どうなんでしょうね?」
<(' _'<人ノ「なるほど……」
106
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/13(土) 20:04:54 ID:7Su8QnLk0
すまねぇ
百物語の影響で本日本編投下は無理そうな模様
107
:
名無しさん
:2022/08/13(土) 20:58:39 ID:My0e0P3Q0
百物語中でもしっかり投下するのすげえよ
乙乙
108
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/14(日) 16:24:17 ID:/YcuhCIQ0
書き上げ済なので帰ったら投下しますわよ
109
:
名無しさん
:2022/08/14(日) 18:51:15 ID:8fV7gmAA0
きたわね!!
110
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/14(日) 21:57:43 ID:/YcuhCIQ0
嘘でしょ。。保存失敗してた。。
内容は覚えてるからマッハで書き直す!
111
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/14(日) 22:42:33 ID:/YcuhCIQ0
リカバリ完了したので投下します!
112
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/14(日) 22:43:31 ID:/YcuhCIQ0
前回のあらすじ
・それは……清浦さんは誰にも言っていないってことか?
・比較的怪しげなのはその雨霧さんとうみねこの家っすかね
・生ゴミを嫌うのに理由がいりまして?
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
| 流石だよな、俺ら |
\_ _____ __/
V V
d( ´_ゝ`)人(´<_` )b
\ /. \ /
l l l l
//l | | l\\
 ̄  ̄.  ̄  ̄
【標準AA環境】
※右のAAのズレない環境が標準です。 | |\|/ | | |
| ∧ ∧ |/⌒ヽ、| ∧_∧ | ∧∧ |
|(,,゚Д゚)||,,゚ Θ゚)|(; ´Д`)|(=゚ω゚)|
113
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/14(日) 22:44:08 ID:/YcuhCIQ0
Case7-Day2C
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.: :|ソ::!゙川 !: |:|ゞぐ`;|:,、:゙|:,ゝ | ̄ ̄ ̄i .! ̄ ̄ ̄戈ゞ;'`:,:: , ̄: ., ::‘,,! ,:, ,,!:,';;':ゞイ:i:!`ー升≧=≦
: ::|リ:! |.:i:.|`:!:!:,:':,ゞ,;'; ,:ゞ;,:':,ゝ . ̄ ̄ ̄! | ̄ ̄ ̄ ̄ ` 、:;. ` :, :':. ̄,;:`|: ,|,.:` :´ ,ソ::,'`ヾ、,..イ : :`ヾ
: 《:川: ! | |,;'|:|;:'´`ヾ! :!`| |` ! | ´ゞ:., :, ::|戈;: |`゙|戈‘.:|:.::i !戈:!:;\ : ::!: :
.!;:川:《:! i∧.|:|`` ! :! .! ! |::::トァ ´`ン`::,|:.,!; :'_|:| |`:、シ!: :|:i:|: : :|川戈マ
. ::i从::川: ∧.! .| :| .| | . マ二/:::! i `シ"|: |` |!|:| ri===ァ!: :|:i:|: i :|!:|.!: :.`\
:|..:川人:!: :'i .!∧.! ! .|:..:|!:: |::| ,n.::;__j:::|戈!|:|:r.!: :i´ :!: :|:i:| i; ;|: !j: :l: : : ヾ
:. :|. :!ノ :!: i : ::, ! .|| | .|.:.:|!:: |::| ,,≦圭ハ|.:!.」_;L;|≧!|.|: :|:.::| :|: :j: :! !:,:| !: ::! : : :
: ::i ;!州゙人: ∧ | __|| | _.|:.:.|!:: |::ト=イ,,゙ ´゙゚゙゚´ ̄:|.:::|` .!|:|: :|:.::| :|:..:|:!j l: :j ::| ノ!: : : :
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: 人: ;,: !:. :. ∧ ∧ || ___ l: : :.::.|:.:.|!:: |;;|:.、 ├┤ミ,.」|:|: :|::..| ,.;|:/:./:.:/ ./ ,ノ : : : :
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., ,.ィ , _ ,,―< .ノ!-仝=イ 又彡イ≦三≧≡!人
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114
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/14(日) 22:44:44 ID:/YcuhCIQ0
( ´_ゝ`)「さーて、頼むぞ盛岡さん」
(´・_ゝ・`)「……そう念を押されると緊張しちゃうんだけど?」
(´<_` )「いえ、事情説明と顔つなぎだけでいいので別にそこまで……」
( ゚∋゚)「そっすね。無駄にプレッシャーかけないでください」
( ´_ゝ`)「う、うっす」
(´<_` )「それじゃあお願いします」
(´・_ゝ・`)「うん。行ってくるよ」
( ´_ゝ`)「頼んだ」
( ゚∋゚)「よろしくっす」
―――。
115
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/14(日) 22:45:21 ID:/YcuhCIQ0
( ´_ゝ`)「さて……どうかな?」
(´<_` )「うーん……行方不明の娘さんの情報なら、普通に話くらいは聞いてくれると思うが」
( ゚∋゚)「どうっすかね。ひやかしだと思われるかも?」
( ´_ゝ`)「それはないんじゃないか? 12年前の方は大々的に報道されてたからそういうのもあったろうが」
(´<_` )「増田さんの方は検索しても2chの過去ログくらいしか情報ないレベルだからな。
変なのが押し掛けたりはしてないと思うぞ」
( ´_ゝ`)「その情報も噂程度だってんじゃな」
( ゚∋゚)「そう言われるとそうかもっすね」
(´<_` )「問題あるとしたら余所者の探偵ってとこだろうな」
( ´_ゝ`)「それな。信用度が……」
( ゚∋゚)「……いざとなったら警察手帳出しますわ」
( ´_ゝ`)「それはやめといた方がいいって話しなかったっけ?」
(´<_` )「問い合わせとかされたらヤバいぞ」
( ゚∋゚)「うーん……」
(´・_ゝ・`)「戻りました」
116
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/14(日) 22:45:57 ID:/YcuhCIQ0
( ´_ゝ`)「どうだった?」
(´・_ゝ・`)b「オーケー。話を聞きたいって」
( ´_ゝ`)b「おっし!」
( ゚∋゚)「よかった」
(´<_` )「ありがとうございます」
(´・_ゝ・`)「そんな大したことは……」
( ´_ゝ`)「あるんだよ」
(´<_` )「本当に助かります」
(´・_ゝ・`)「……まあいいや。それじゃ着いてきて」
( ´_ゝ`)「おけ」
117
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/14(日) 22:46:34 ID:/YcuhCIQ0
【増田家 居間】
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l二二二二二二二二二二二二二ニ二二二二二二二二二二二二l
| |l l | |
|_,,ソ !,|_,ン
118
:
◆KDJGUfbY2o
:2022/08/14(日) 22:47:18 ID:/YcuhCIQ0
(´・_ゝ・`)「増田さん、お連れしました」
/リ ゚O゚)「うむ、ご苦労」
( ´_ゝ`)(落ち武者みたいな髪型……一目で只モノじゃないってなるから宗教家としてはありなのか?)
(´<_` )(なんか特徴的な顔した人だな……)
(´・_ゝ・`)「探偵の流石さんご兄弟と協力者の大木さんです」
( ´_ゝ`)「「探偵の流石です」」(´<_` )
( ゚∋゚)「大木です」
/リ ゚O゚)「お初にお目にかかる。増田誠二と申す」
( ´_ゝ`)(なにやら口調まで落ち武者っぽい件)
(´<_` )「これはどうもご丁寧に。お目にかかれて光栄です」
/リ ゚O゚)「して、我が娘についてということであったが?」
(´<_` )「ご説明します」
―――。
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