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6月6号が過ぎていくようです

1名無しさん:2022/05/04(水) 23:40:11 ID:/wnXOWvw0
ドエロ祭り参加作品

・性的描写有
・暴力的な描写有

上記2点をご理解の上ご覧ください。

2名無しさん:2022/05/04(水) 23:41:41 ID:/wnXOWvw0
6月の風が強く吹く。
草木の香りとともに重たい湿気を含んだその風は、そろそろ蒸し暑い夏が到来する前触れだろうか。
ブラウスの下が少し汗ばんできたのを何となく感じる。

( ^ω^)「6月なのに台風が来るらしいお」

隣を一緒に歩いていたブーンが、ボソリと呟いたのが聞こえた。

川 ゚ -゚)「台風? この時期に?」

私は思わず聞き返した。この時期に台風が来るなんて、南の島くらいのものだと思っていたからだ。

( ^ω^)「なんかこの時期にしては結構多くの台風が出来てて、そのうちの一つが珍しい進路を通って日本に接近するんだってお」

そう言って指でクルクルと宙に渦を描いてみせたブーン。

川 ゚ -゚)「へえ、嫌だな」

( ^ω^)「6月に台風6号が上陸するってんだから面白い話だお」

3名無しさん:2022/05/04(水) 23:43:28 ID:/wnXOWvw0
台風上陸前の、穏やかさとも不穏さともとれる空気が漂う中、私たちは近所のファミレスへとやってきていた。
別に揃ってお茶をするために来たわけでは無い。突然の出来事に対して、皆気持ちの整理をつけたい一心だったのだ。
そうでも無ければこんな風に皆集まる事は無かっただろう。
先日、私達の友人、ドクオは自らの命を絶った。22歳の誕生日当日だった。
彼は街の外れにある廃ビルの屋上から飛び降りた。
転落防止柵も機能しておらず、人の目も無いそのビルから、彼は落ちた。
ひっそりと彼はその生涯を閉じたのだ。
脱ぎ捨てられた靴の横には遺書と思わしき直筆の手紙があって、几帳面に三つ折りにされていたそうだ。

(´・ω・`)「それにしてもいきなりだったね」

少し沈黙が続いた中で、口を開いたのはショボンだった。

(´・ω・`)「本当に唐突に人って死ぬんだなって改めて実感したよ」

ξ゚⊿゚)ξ「ちょっと止めなよ」

少し興奮気味に語り始めたショボンを諫めるツン。
そう言いながら彼女は私の方をチラリと見た。

4名無しさん:2022/05/04(水) 23:44:24 ID:/wnXOWvw0
(´・ω・`)「だってさ、中々無い経験だよ。身近な、それも友人が自殺なんて」

ξ゚⊿゚)ξ「ショボン!」

(´・ω・`)「うるさいなあ、なに? まさかクーのこと気にしてる?」

ξ#゚⊿゚)ξ「当たり前でしょ! ドクオはクーのとても大事な人だったのよ?」

ξ#゚⊿゚)ξ「傷ついてない訳ないじゃない!」

それを聞いて、ショボンはフッと鼻で笑った。
そしてヘラっとした笑いを口元に浮かべながら、ショボンは話を続ける。

(´・ω・`)「彼はね、とても苦しんだ。僕が思うにきっと彼は身近な人によって苦しめられたんだと思う」

(´・ω・`)「例えば『別れた彼女』の幻影を追い続けた挙句……」

弾けるような打音がした。ドリンクバーで注いだジュースの水面が揺れる。
その音は波のようにサーっと広がり、店内は一瞬静寂に包まれた。

5名無しさん:2022/05/04(水) 23:45:58 ID:/wnXOWvw0
( ^ω^)「いい加減にするお、ショボン」

音の主はブーンだった。叩いたテーブルに手をついたまま話し始める。

( ^ω^)「僕らは彼の思い出話をするために来たんだお、今は死んだ理由がどうだとか話すタイミングじゃない」

(´・ω・`)「はあ……」

(´・ω・`)「けど僕間違ったこと言ってるかな」

( ^ω^)「全ては憶測だお、ショボン。何も確実な情報が無い以上、故人の事をとやかく言うのはやめるんだお」

(´・ω・`)「でもこれは間違いなく言えるよ」

( ^ω^)「ショボン」

(´・ω・`)「ドクオは自分の才能の無さに絶望したんだと思うな、それはもう間違いなく」

その言葉を聞いた瞬間、パン、と乾いた音が響いた。
私は反射的に立ち上がって身を乗り出し、対面の席にいたショボンの左頬を平手で叩いていた。

6名無しさん:2022/05/04(水) 23:47:02 ID:/wnXOWvw0
(#´・ω・`)「おい、クー、何するんだよ、痛いじゃないか」

ショボンは自分の頬を抑えながら、私の方を睨みつける。

川 ゚ -゚)「取り消せ」

(´・ω・`)「はあ?」

川 ゚ -゚)「ドクオの才能が無いなんて言った事を取り消せって言ってるんだ」

その言葉を聞いて、ショボンはにへらと笑う。
そして私の言葉に反論するのが堪らないと言ったように、口から言葉が流れ出す。

(´^ω^`)「小説家志望のくせに、公募で1次選考どまりの作品しか書けない奴に才能があると?」

(´・ω・`)「僕と同じく16歳のころから投稿してて、僕は3次や最終選考までいった作品がちょこちょこあったのに、ドクオはいつも1次で落ちていた」

(´・ω・`)「お陰様で僕はそろそろデビューできそうでね。そんな僕と比べちゃって、ドクオは絶望したんじゃないか?」

川 ゚ -゚)「そんな事は無い!」

7名無しさん:2022/05/04(水) 23:48:01 ID:/wnXOWvw0
(´・ω・`)「それに、さっきも言ったけど君と別れた事も追い打ちをかけたと思うね」

(´・ω・`)「無責任な才能の肯定と、彼のナイーブな心をズタズタに引き裂いた別れ」

(´・ω・`)「いいか、ドクオはお前が殺したんだよクー」

(#^ω^)「ショボン、お前……!」

ブーンが掴みかかろうとするより先に、私の手の方が先に動いていた。
また同じ頬を、先ほどよりかは幾分強い力で叩きつけた。
ショボンは微動だにせず、先ほどのにへらとした顔のまま、私の事を見続けている。

(´・ω・`)「おー痛い痛い。言い返せなくなったら手を出すんだもんな、全くこれだから女は」

私はハンドバッグを引っ掴み、席から立ち上がると逃げるようにして店を後にした。
後ろからブーンやツンの呼ぶ声が聞こえたが、私は一切振り返らなかった。

(´・ω・`)「そうやって逃げてろ、お前が殺したドクオからもな!」

けれど、ショボンのこの声だけは、耳にこびりついて離れなかった。

8名無しさん:2022/05/04(水) 23:49:27 ID:/wnXOWvw0
………
……


高校。
放課後の部室は、私たちのものだった。

パチュン、パチュンと、少し間の抜けたような音が響く。
しかし幾分湿り気を含んだその行為には、とても似合った音だった。

川 - )「ん……」

私の上に覆いかぶさるようにして中に挿れている細身の彼、ドクオは、先ほどから腰使いが激しくなっていた。
自分の奥をガンガンと突かれていることが伝わってくる。
全てが熱くなっていた。繋がっている部分も、身体も全てだ。

(;'A`)「ああ、気持ちいいよクー」

そう言って腰を振りながら握りしめるように私の胸を揉むドクオ。思わず声を漏らす私。
このまま溶けてしまいたい。そして彼と一つになって満たされていたい。
脳髄から駆け上がってくる快楽が、私の頭を真っ白にする。
そして全身がそれで覆われて、私の身体は痙攣するように震えた。

(;'A`)「ああっ、クー……!」

私が達すると同時に、彼も私の中で果てた。
ビクンビクンと跳ねるように吐精する彼の肉棒の動きが全て伝わってくる。
しばらくするとその動きも治まる。
彼は私に軽くキスをすると、吐き出し切った肉棒を、私の秘所からズルンと引き抜く。そして、ドロリと精が垂れる感触がする。
そして私は隣でいそいそと処理しているドクオを余所目に、みっともなく股を広げたまま、その余韻に浸っていた。

9名無しさん:2022/05/04(水) 23:50:47 ID:/wnXOWvw0
('A`)「なんか、いつもごめんなクー」

体勢を戻し、寝かされていたベッドソファーに腰掛け直すと、ドクオは私の隣に座り、そう言った。
私は何を謝られているのか、いまいちピンと来なかった。

川 ゚ -゚)「どうしたんだい、いきなり」

('A`)「いや……遠慮なく中に出しちゃってるからさ……申し訳ないなって……」

その言葉に私は思わず笑ってしまった。
そんな事を気にしているのかと思うと、彼が堪らなく愛おしくなった。

川 ゚ -゚)「私がピルを服用している事は最初に伝えたと思うが?」

('A`)「いや……それでも高校生で生っていうのは……」

川 ゚ -゚)「別にそのために飲んでいる訳では無いのだからいいじゃないか」

川 ゚ ー゚)「全く君は変なところで真面目だな」

そう言ってフフッと笑う私。そしてそれにつられるように笑いだすドクオ。
この瞬間、この時間、そしてこの彼が、愛おしくて堪らなかった。

10名無しさん:2022/05/04(水) 23:52:39 ID:/wnXOWvw0
高校の頃、私とドクオは文芸部に所属していた。
私は入る部活が無くて、本を読むのも楽しそうだなと思って入ったくらいのノリで入部したのだが、入ってみると意外としっかりとした活動を行っている部活だった。

部長を務めたブーン。とても砕けた文体で、純文学のような繊細な文章とは真逆の、砕けた文章を書く人だ。
半年に一回発行する文芸誌の作品の中でも、エッセイのような、ギャグのような、そんな異彩を放つ作品を書いていた。
意外に野次馬根性が強い人で、将来はそういったゴシップだったり記事だったりを書く人になったら面白いのになんて思っていた。

副部長だったツン。ブーンとは対照的に、柔らかい文章で心の温まる物語を書いていた。
恋愛小説が好きで、その手の物語を書かせたら部内随一。
ブーンとはとても仲が良く、お似合いのカップルである(本人たちはいつも否定するが)

ショボンは特に役職は無かったが、発想力豊かで、様々な物語を幅広く書く人だ。また、とても向上心が強い人間で、常に作品を公募に出し続けていた。
いつか絶対にデビューするんだと常々口にしていたが、性格はお世辞にも良いとは言えず、捻くれていた。

ドクオは、どういう人間なのか掴みかねていた。
常に覇気は無く、言うなれば陰気だった。コミュニケーション能力も高い方では無かった。
けれども同時に彼は優しさを沢山持っていて、その優しさを分け隔てなく、色んな人に与えている。そういった、人に尽くせる人間だった。
作品も棘が無く、口当たりのいい作品ばかりだ。

11名無しさん:2022/05/04(水) 23:53:42 ID:/wnXOWvw0
そんなドクオと私が付き合い始めたのは高校1年生の冬の事だった。
きっかけらしいきっかけと言えば、冬の文芸誌の編集作業をしていた時だろう。
私とドクオは2人っきりで作業に取り組んでいた。
時間を特に気にせず作業に没頭していたそんな時だったのを覚えている。

('A`)「クーって彼氏とかいるの?」

若干上ずって震えた声で、彼は私にそう尋ねた。

川 ゚ -゚)「いないよ」

私はあくまでも平静を装いながらそう答えた。
内心そう聞かれたことに対して、ドキドキしていたからだ。

(;'∀`)「そっかそっか、それは何より」

照れ隠しなのかヘラっと笑った彼は、そう言うと、またパソコンに向き合った。
私は作業の手を止め、彼の方へと向き直る。

川 ゚ -゚)「何が何よりなんだ?」

(;'∀`)「え、いや、その……クーに彼氏がいなくて良かったなって」

川 ゚ -゚)「何故それが良かったんだ?」

(;'∀`)「え? いや、その……あはは」

12名無しさん:2022/05/04(水) 23:55:18 ID:/wnXOWvw0
川 ゚ -゚)「何でなのか言ってごらんよ」

(;'∀`)「え」

川 ゚ -゚)「私の事が好きなのか? 好きだから彼氏がいないか聞いたんだろ?」

(;'A`)「……そうだと言ったら?」

笑みを浮かべるのを止めた彼は、真剣な表情で私に問いかける。

川 ゚ -゚)「私も、君のことが好きだよ、Likeでは無くLoveとして」

それを聞いた瞬間、ドクオが椅子から勢いよく立ち上がった。
そして彼は私の方へ2、3歩近寄り、近くに立つと、私の顔を見つめる。

('A`)「あのさ、クー」

川 ゚ -゚)「なんだい」

('A`)「……好きです。付き合ってほしい」

川 ゚ -゚)「もちろん、君とならいくらでも付き合うよ」

そう私が答えると、ドクオは私の事を抱きしめてきた。
あまりに抱きしめ方がぎこちなかったので、私は堪らなく彼の事が恋しくなってしまい、彼の頬に軽くキスをした。

13名無しさん:2022/05/04(水) 23:56:54 ID:/wnXOWvw0
その後の私とドクオの2人のお付き合いはとても健全とは言えなかったかもしれない。
最初にドクオから誰もいない部室で、押し倒されるようにSEXをした後は、もうとどまる事を知らなかった。
人目を忍びながら、部室や空き教室で行為に励む事幾数十回。
互いの部屋でする事も数え切れなかった。

けれど肉欲に溺れたかと言えばそんな事は無く、ドクオは精力的に作品を作り続けていた。
むしろ童貞を捨てた後の方が、活動的で、魅力ある作品を作り出していたのでは無いだろうか。
そうしてドクオは何も無い陰気な人から、何かしらの惹かれるものがある人間になっていった。

('A`)「俺さ、小説家になろうと思ってるんだ」

彼はいつも行為の後に自分の事を語る。
それは彼にとってルーティーンなのかどうなのかは分からないが、とにかく自分の思い出やこれからの事、今日の出来事を語るのが好きだった。
そんな彼が、今日は自分の将来の夢について語りはじめた。

川 ゚ -゚)「へえ、いいじゃないか」

私はシャツの第2ボタンを閉めながらそう答えた。

('A`)「返事が適当だな」

川 ゚ -゚)「そんな事は無いよ、本気でそう思っている」

これは本当だった。
別に適当に答えている訳では決してなく、本心からそう思っている。
彼は読書家でインプットの量も多い。書いている文章も、人に読ませるという点では、一番適している人物だと思った。
ドクオは私の言葉を聞いて「へへッ」と気恥ずかしそうに笑うと、自分の将来の目標や、それを目指すためのプランを語り始める。
いつもの私との将来を語るよりも、よっぽど楽しそうでハッキリとした将来像。
それはまるで明るい未来を語るような口ぶり。そうして彼はずっと語り続けていた。

14名無しさん:2022/05/05(木) 00:00:02 ID:epIvx9ZU0
………
……


ハッと目が覚める。

いつの間にか、私は家にいて、そしてベッドの上で寝てしまっていた。
喪服姿のまま倒れ込むように横になっていた私は何とか起き上がり、ベッドの上で膝を抱えて座り込む。
点けっぱなしだったテレビからはスポーツニュースが流れていた。

『6月になり勢いが止まりません。今夜も神宮で大きな一発です』

テレビの光だけが暗いワンルームの部屋の中を煌々と照らしていた。
私は二、三本ネジが取れてしまったパイプベッドの上で、膝を抱え込んだまま、ただテレビに漠然と映し出されるニュース映像を眺め続けている。

時計がまた時を刻んだ。また一つ、また一つと時は過ぎていく。
気がつけばもうあと少しで日付を跨ごうかという時間になっていた。

いつまでも過ぎていく時間は留まる事を知らない。
後悔することは多くあれど、それが戻る事は無いと思い出しては、人は進む。
時間は止まらない。私達に出来ることは、ただ前を見て歩くだけ。
あの頃にはもう戻れないのだから、進む事しかできないのだ。
普段ならそんな事を言って終わらせる話だが、今の私はこの正論に締め付けられている。

『これで5試合連発のホームラン、6号にも期待がかかります!』

テレビでは、白地に紺のストライプのユニフォームを着たプロ野球選手が、やりきったという感じの笑みを浮かべながらインタビューに答えていた。
私はその笑顔を見て、どうにも耐えきれなくなり、顔を伏せた。

15名無しさん:2022/05/05(木) 00:01:12 ID:epIvx9ZU0
………
……


また、ドクオとの行為を思い出していた。

(;'A`)「はぁっ、はぁっ、クー、愛してるよ」

川 - )「私も、んっ、愛して、んっ」

滴り落ちるくらいに濡れた私の秘所からは、延々とグチョグチョと粘着質な音が聞こえ続けている。

(;'A`)「好きだ、好きだよ」

一突きするたびに敏感に反応する彼の肉棒の感触がダイレクトに伝わってくる。
そろそろ限界なのだろうなと、いつもの感覚から感じ取れる。

今思い返せば、彼の行為は性欲をぶつけるようなものではなく、愛を確かめ合うようなものだった。
いままで行ってきた全ての性行為は、彼なりの愛の確認だったのかもしれない。

(;'A`)「あぁっ、クー!」

川 - )「あぁっ……」

私の名前を呼びながら、中に精を放出する彼。
いつもより少し長い時間快感に浸り、そして私の中から抜き取る。
その瞬間、私は少しの悲しさと切なさを感じてしまう。

愛の確認を終えた私達は、既に大学3年生になっていた。
進路や将来、そういったものがダイレクトに見えてくる歳。
私も例に漏れず、就職活動に勤しみ始めていた。

16名無しさん:2022/05/05(木) 00:02:15 ID:epIvx9ZU0
('A`)「今回の公募の作品は、結構良く書けたよ」

そんな中、彼は自分の時間を生きていた。
相変わらず小説を書き続けて、公募に応募しては落選を繰り返していた。
就職活動に向けた行動は一切取ってる様子はなく、高校時代と同じように、日々小説を書きながら過ごしている状態だった。

川 ゚ -゚)「なあ、ドクオ、君は就職活動はしないのか?」

('A`)「……今回は手ごたえがあるんだ。だから今回で決めるよ」

川 ゚ -゚)「小説は社会人になっても書ける。だから今を生きるより将来を考えた方がいいんじゃないか」

川 ゚ -゚)「別に君の才能を疑ったりしてる訳じゃないんだ、単純に君の将来が心配なんだよ」

('A`)「ありがとう、クーはいつも優しいね。けど、今回は俺を信じてほしい」

私は少しイライラしていた。
自分自身の就職活動への不安と、彼の能天気ともいえる先の見通しの甘さにだ。

17名無しさん:2022/05/05(木) 00:03:43 ID:epIvx9ZU0
川 ゚ -゚)「君のそういうところが私は好きになれない」

思わず強めの言葉が口から出てしまった。
そこからはダムが決壊したように、とめどなく言葉が溢れてしまう。

川 ゚ -゚)「あまりに先が見えてなさすぎる。君は何者かになりたいのだろう?」

川 ゚ -゚)「それならまず土台を作るべきだ。生きるための土台を」

川 ゚ -゚)「それもしないで何者かになるために先へ進もうとするのは自殺行為だ」

川 ゚ -゚)「最近会ったら私とするのが多いのも、するときは現実を見なくて済むからでしょう」

そういった事をしばらく言い続けた挙句、私は彼に向かって、ずっと思ってた事を言い放ってしまった。

川 ゚ -゚)「なあ、君は現実を見れていないんじゃないか?」

川 ゚ -゚)「作家になるという幻想に囚われて、目を逸らし続けているんだよ現実から」

川 ゚ -゚)「向き合ってよ、現実と」

そう言った瞬間に、私はハッとした。思わず彼の顔を見てしまう。
彼は少し表情の乏しい、いつもの顔で私を見つめていた。

18名無しさん:2022/05/05(木) 00:04:55 ID:epIvx9ZU0
川;゚ -゚)「ごめん」

私は思わず謝った。
いつもは言わないような厳しい事をツラツラと喋ってしまった私は、酷い罪悪感に襲われていた。

川; ゚ -゚)「ちょっと言い過ぎた、君は君なりに頑張っているのに」

私の言葉を聞いたドクオは、ぎこちなく笑みを浮かべた。

('∀`)「いや、君が正しいよ」

そしてフッと、彼の表情が元に戻る。

('A`)「もう少し、俺は現実を見るべきだった」

('A`)「ちょっと色々考え直すよ」

そう言って彼は着替え始める。
その後、いくら私が謝っても彼はニコリと笑いながら「大丈夫」と答えるだけだった。
私は何だかとんでもない事を言ってしまったような気がして、取り繕うと必死になった。
けれど、もう私の声は彼には届かなかった。

その後、彼と音信不通になってしまった。
私は何度も連絡を取ろうとしたがダメで、どこにいるのかだけでも知りたいと思って探したが、友達が少ない彼の情報を持つ人はいなかった。ブーンでさえもだ。
そして1ヶ月後のある日、突然届いたメッセージには、一言「別れよう」の文字だけが打ち込まれていたのだった。
連絡も取れず、一方的に切り出された急な別れに私は納得がいっていなかった。
何とかして、彼と話がしたい。そしてあの日の事を謝りたいと思っていた。

しかし、次に彼の名前を聞いたのは、彼が亡くなったという、ブーンからの連絡だった。
私はどうすればいいのか、これっぽちも分からないまま、この世界に取り残された。

19名無しさん:2022/05/05(木) 00:06:02 ID:epIvx9ZU0
………
……


私は変わらずベッドの上でうずくまっていた。
ニュース番組は終わり、深夜のバラエティが点けっぱなしのテレビに映る頃。
放り投げられていたカバンの中にある携帯が鳴った。電話だ。

最初、私はそれを無視していた。
とてもじゃないが今の心境では出たいとは思えない。
私は鳴り続ける呑気なメロディを聴きながら、顔を伏せたままジッとしていた。

しかし思ったよりもこの電話はしつこかった。
一回鳴り止んだかと思えば、またすぐに鳴らす。そしてまた切る。
それを徹底して繰り返していた。

この音の攻め立て方に少しウザったさを感じ始めた私は、電源を切るためにカバンへと向かう。
そして取り出した瞬間、また鳴り始める。もうウンザリだ。
画面に表示されていた電話の発信主はショボンだった。
一言文句を言ってやろうと私はその電話に出る。

川 ゚ -゚)「もしもし」

(´・ω・`)「ああ、クー、ごめんこんな時間に」

川 ゚ -゚)「……用件は何だ?」

(´・ω・`)「いや、そのさ、お詫びしたいなと思って」

川 ゚ -゚)「は?」

(´・ω・`)「今日さ、酷い事言ってしまったなって、反省したんだ」

20名無しさん:2022/05/05(木) 00:07:11 ID:epIvx9ZU0
こいつは一体何を言っているのだろう。
私、そして何より故人であるドクオを自分の妄想と想像だけで侮辱した男だ。
そんな男を許せるとでも思っているのだろうか。

川 ゚ -゚)「あのなショボン、そう言われても君を許すつもりは」

(´・ω・`)「本当にごめん、謝る機会が欲しい。明日あたり会えないかな?」

(´・ω・`)「クーに渡すためにブーンが用意したドクオの遺書のコピーもあるんだ。それも渡したい」

遺書のコピー。その一言に私は強く惹かれた。
ドクオが死ぬ間際に残した赤裸々な言葉がそこに残されているのだと思うと、私はそれが欲しくてたまらない。
私の気持ちは一瞬でそれに向いてしまった。

川 ゚ -゚)「……明日の夜なら空いているが」

(´・ω・`)「そっか、それは良かった、じゃあ明日会おうよ」

(´・ω・`)「詳しくはメッセージで送るから、よろしく」

そう言って電話は切れる。
私は遺書のためにショボンという私とドクオ、全てを侮辱した男と再び会う。
ドクオがこの事を知ったらどう思うだろう。けれども私は私に従いたい。
彼の全てを私は知りたかったのだ。

21名無しさん:2022/05/05(木) 00:08:33 ID:epIvx9ZU0
………
……


(´・ω・`)「すまなかった」

店に辿り着き、着席して無言の時間がしばらく続いた後、ショボンは頭を下げた。
私はその姿と言葉に少し感心はしたが、とても許す気にはなれない。
やってきた店員にビールを2つ注文して、去っていったのを確認した私は、頬杖をつくと軽くため息をついた。

川 ゚ -゚)「君のあの数々の発言を許す気は無いよ」

その私の言葉を聞いて、ショボンは苦笑いを浮かべる。

(´・ω・`)「厳しいな」

川 ゚ -゚)「逆に問うが、許してもらえると本気で思ってたのか?」

(´・ω・`)「難しいだろうなとは思っていたよ」

川 ゚ -゚)「分かってるじゃないか、じゃあこの話は終わりだな」

テーブルへジョッキに入ったビールが2つ運ばれてくる。
私は片方を手に取り、あおるように飲む。
ショボンはうつむいたまま、テーブルを見つめていた。

22名無しさん:2022/05/05(木) 00:09:26 ID:epIvx9ZU0
(´・ω・`)「昨日は僕も色々とおかしかった」

(´・ω・`)「突然友人が亡くなって気が動転してる時に、過去の思い出を語ろうなんてするんじゃなかった」

川 ゚ -゚)「ああ、そうだな、だが後悔先に立たずだ」

私は叩きつけるようにジョッキをテーブルに置く。
少し大きめの音が店内に響いた。
ショボンは表情を変える事無くこちらの事を見つめている。

川 ゚ -゚)「私は君からドクオの最後の言葉を受け取りに来た」

(´・ω・`)「ドクオの……? ああ、あれか」

そう言ってショボンは隣の席に置いていた自分のカバンの中から封筒を取り出し、テーブルの上に置く。
私はそれをひったくるようにして受け取る。

(´・ω・`)「そんなに欲しかったの、それ」

川 ゚ -゚)「君には分からないだろうね、この文章の大切さが」

(´・ω・`)「僕は興味ないから読んでないけど。ま、大切にしてよ」

23名無しさん:2022/05/05(木) 00:10:28 ID:epIvx9ZU0
私は手持ちのショルダーバッグに封筒を大事にしまいこむ。
そして私はテーブルの上のジョッキに手を伸ばし、残りのビールを飲んだ。
少しくらりと視界が揺れる。最近にしては珍しく酒なんてものをハイペースで飲んでいるからだろうか。
私は立ち上がり、ショルダーバッグを片手に持つと「ちょっとお手洗いに行ってくる」と言って席を外した。
特にショボンは何も言わず、ただ私の方を見つめていた。

トイレで用を足し、洗面所で手を洗う。
ショルダーバッグの中からハンカチを出す時にチラリと封筒が見える。

「今ここで読んでしまおうか」

そんな思いが頭の中をチラと過ぎる。
目の前でお預けをされている犬のように、そこにある餌へ飛びついてしまいたかった。
ただ、まだ私の中の理性というか、欲望を抑え込む力は作動していた。

「ちゃんとしたところで、ちゃんと読もう」

そう私は心に決めた。
再び封筒をショルダーバッグにしまい込むと、私は元居たテーブルへと戻った。

24名無しさん:2022/05/05(木) 00:11:46 ID:epIvx9ZU0
川 ゚ -゚)「何だこれは」

テーブルの上には先ほど飲み干した空のジョッキと、カクテルグラスが置かれていた。
グラスには鮮やかな青色の、おそらくチャイナブルーであろうものが入っている。

(´・ω・`)「勝手に飲み物注文しちゃった」

川 ゚ -゚)「……私は帰るつもりだったのだが」

(´・ω・`)「まあまあ、そんな事言わないでさ、飲みなよ、一杯ぐらい。ショートだからすぐ飲み終わるだろ?」

川 ゚ -゚)「そう言って延々と注文し続けるつもりだろ?」

(´・ω・`)「そんな事は無いよ、君の意志を尊重する」

川 ゚ -゚)「君はいまいち信用できない、今日だってそうだ」

私は一瞬ためらった後、ショボンが注文したというカクテルに口を付ける。
微炭酸の爽やかな感覚と、ライチリキュールの香りが口の中に広がる。

川 ゚ -゚)「あの場であれだけの暴言を吐きながら、今日は一転してしおらしく謝りたいと言い始めた」

川 ゚ -゚)「色々な起伏がすっ飛んでいる。昔からそうだったけど、君はちょっとおかしいよ」

(´・ω・`)「手厳しい事をさっきから言ってくれるね」

ショボンはそう言うと右の頬を掻く。
彼は困ったときはいつもこうする。

25名無しさん:2022/05/05(木) 00:12:26 ID:epIvx9ZU0
川 ゚ -゚)「皆同じことを言うと思うが」

(´・ω・`)「やれやれ……君も昔から全く一緒だな」

川 ゚ -゚)「何?」

(´・ω・`)「そうやって、冷静に物事を言っているような雰囲気を出して、実のところは冷淡な事を言っている」

(´・ω・`)「相手の気持ちを汲んでやるとかそういったものが無い。淡々と相手の弱みを突くだけ」

(´・ω・`)「クールと言えばそうなのかもしれないけど、君の場合はただ冷たいだけだよね」

ショボンは片手をひらひらと動かしながら、饒舌に私というものを語る。
今日出会ってから一番彼の口が動いているかもしれない。

川 ゚ -゚)「言いたいことはそれだけか」

そう言って立ち上がろうとした私を、慌てて彼は引き留める。

(´・ω・`)「おっと、これを悪口として捉えないでくれよ? 僕はそんな君が好きなんだよ」

川 ゚ -゚)「は?」

(´・ω・`)「君のその冷淡さが堪らなく好きだった。高校の頃からずっと」

川 ゚ -゚)「……何を言っているのか分からない」

26名無しさん:2022/05/05(木) 00:13:16 ID:epIvx9ZU0
少し頭の中がボヤけて、目の前の景色が揺れている。
アルコールの回りのせいか、はたまた目の前で繰り広げられている意味不明な告白のせいか。
いや、そのどちらもかもしれない。とにかく何だかひどい状態だった。

(´・ω・`)「愛していたんだよ、ずっと、君の事を」

川 ゚ -゚)「冗談はやめろ、気色が悪い」

(´・ω・`)「冗談なんかじゃない、本当の事さ」

視界の歪みが酷くなってきた。酔ったせいだろうか。いや、違う。
これは普通ではないとすぐさま感じる。しかし脳みそが回らなくなってきた。
眠気なのか分からないが、ふらつきが酷くなってきて、座る姿勢も保てない。
これはなんだ? 初めての感覚で、恐怖を感じる。

(´・ω・`)「あれ? どうした?」

川; ゚ -゚)「何てことは無い、調子が悪いので帰らせてもらう」

無理やり立ち上がったが、ふらつきと脱力感のせいで立つこともままならなかった。
私はその場にへたり込んでしまう。混濁した意識が遠のいていく。
このままでは眠りについてしまいそうだ。

27名無しさん:2022/05/05(木) 00:14:29 ID:epIvx9ZU0
(*´・ω・`)「まったく、飲み過ぎだよ」

そう言って私を抱き起こすショボン。その動きはあまりにスムーズで、台本でもあるかのようだった。
近くで聞こえた彼の吐息は荒く、興奮しているようにも感じる。
何かが間違いなくおかしい。直感的に私はそう感じた。

川; ゚ -゚)「ショボン、お前、何かしたな……?」

(´・ω・`)

ショボンはそんな私の言葉を聞いて、

(´^ω^`)

ニッコリと、満面の下卑た笑みを浮かべる。

「ああ、やっぱりな」

徐々にフェードアウトしていく意識の中、最後に私が見たのはそんな表情をしたショボンだった。

28名無しさん:2022/05/05(木) 00:15:45 ID:epIvx9ZU0
………
……


次に意識を取り戻した時、見えたのは白い天井だった。
まだ頭の中も視界もボンヤリとしていて、一体どこにいるのか、何をしているのか、よく分からなかった。
徐々に意識と感覚が戻ってきた。柔らかいベッドの上に私は今寝ている。
そして下半身に違和感を覚える。衣服をまとっている感覚も無い。
奇妙な温かさが私の股間にある事に気持ち悪さを感じた私は、ボンヤリとした意識の中、ゆっくりと身体を起こして何が起きているのか見る。

最初は謎の黒い塊が私の股間で蠢いているのかと思った。
しかし、徐々に意識がはっきりしていくにつれて、それは人であることが分かった。

川; ゚ -゚)「ひっ」

短い悲鳴を上げて私は飛び起き、後ずさる。
まだ身体が眠っているみたいに鈍く、いつもよりも緩慢な動きになってしまったが。

(´・ω・`)「あ、起きちゃった」

そう言って自分の口の周りを自らの舌で拭うショボン。
こいつが何をしていたかは、私の下半身の着衣が脱がされ、秘所が何かで濡らされていた事で分かった。

29名無しさん:2022/05/05(木) 00:17:12 ID:epIvx9ZU0
(´・ω・`)「クーったら、指で弄っても全然濡れないじゃん。しょうがないから舐めてたのに」

(´・ω・`)「もしかして不感症?」

まだ頭が動いていないから、言葉がふわふわと頭の中に浮いていた。
けれども逃げなければいけないという事は分かる。私は慌ててベッドから降りようとした。
しかしその瞬間、ショボンが覆いかぶさるようにして私をベッドの上に抑えつけた。

(´・ω・`)「どこに行こうっていうんだ?」

川 ゚ -゚)「離せ、警察を呼ぶ」

(´・ω・`)「おいおい、君は僕と同意の上でここに来たんだよ?」

(´・ω・`)「どこかで休むかい? って聞いたら頷いたからここに来たのに」

川# ゚ -゚)「嘘をつくな!」

(´・ω・`)「まあもういいんだよ、ここに来てしまった以上やる事なんて一つなんだから」

そしてショボンは私の両手首を押さえつけたまま、私の唇へ口づけをした。
身を捩って避けようとしたが、まるで身体は言う事を聞いてくれなかった。

30名無しさん:2022/05/05(木) 00:18:45 ID:epIvx9ZU0
川# ゚ -゚)「やめろ」

(´・ω・`)「ふふふ、高校の時から憧れてた君とキスが出来るなんて光栄だな」

気持ちが悪い。吐き気がする。逃げたいのに動けない。
これだけ身体が動かないのは、間違いなく何かを盛られたからに違いないだろう。

(´・ω・`)「じゃあ、改めて準備しますかね」

そう言って私の秘所へと手を伸ばすショボンを突き飛ばそうとするが、力が入らない。
ポンっと力無く押すだけになってしまった私を見て、ショボンは鼻で笑った。

(´・ω・`)「あれ、何か濡れてるね? 興奮しちゃった?」

私に糸を引いた粘液を見せつけるショボン。
それを見た私は鼻で笑いながら言い返した。

川 ゚ -゚)「自分の唾液なのに濡らしたなんて勘違いできるなんて、おめでたい奴だな」

その言葉を発した瞬間、左頬に衝撃が走った。
鈍い痛みがボンヤリとした意識の中でも伝わってくる。
驚いている間にもう一撃が飛んでくる。私は避けることも出来ずに、ただ平手で殴られた。
私は驚きと同時に、本能的な恐怖を感じる。

(´・ω・`)「あー、うっぜえ、黙ってればいい女なのによ」

(´・ω・`)「昨日殴られた分のお返しな、また騒いだら今度はグーでいくから」

31名無しさん:2022/05/05(木) 00:19:33 ID:epIvx9ZU0
(´・ω・`)「ほら、股もっと開けよ」

川; ゚ -゚)「イヤ……」

ショボンは一つ大きな溜め息を吐く。
すると一瞬の間の後、先ほどよりも幾分強い痛み。そして鈍い音が部屋に響いた。
私はあまりの痛さに左頬を抑えながら悶えた。

(´・ω・`)「だからグーだって言っただろ」

そう言って手をブラブラとさせているショボン。
あまり殴り慣れていないのだろうかだとか、そういった事を考える余裕が今は無かった。
初めての暴力の痛みに、私は恐怖に震えるしかなかった。
こいつは今から本気で私を犯す気なのだと、痛みと一緒に教えられた。

(´^ω^`)「はい、じゃあ股開きますね〜」

恐怖を植え付けられた私は、なされるがままだった。
これ以上抵抗して、更に痛い思いをしたくなかった。本能が恐れてしまっていた。

32名無しさん:2022/05/05(木) 00:20:51 ID:epIvx9ZU0
(´・ω・`)「クーちゃん、結構アソコ綺麗だよねえ」

そういうと私の股間に顔を埋め、貪るように舐め始める。
私は気持ち悪さと身体の反応と顔の痛さとで、ぐちゃぐちゃ。
漏れる吐息を聞かせないように、腕で口を押さえるので精一杯だった。

(´^ω^`)「じゃあそろそろ挿れちゃおうか」

一しきり舐めて満足したのか、ショボンは自分の衣服をいそいそと脱いだ。
そして自分のいきり勃ったモノを私の秘所にあてがった。

川 ゚ -゚)「お願い、ゴムはつけて」

(´・ω・`)「は? ドクオには生でさせてただろうが」

川; ゚ -゚)「えっ?」

私は困惑と同時に動揺した。
何故こいつが私とドクオの情事の詳細まで知っているのか。
本当に理解できないことだらけで私は混乱していた。

(´・ω・`)「まさか部室でヤッてたのバレてないとでも思ってた?」

川; ゚ -゚)「なんで……? どうして……?」

私が混乱しているのを見て、口角を吊り上げニヤリと笑ったショボンは、あてがっていたモノを一気に挿れた。

33名無しさん:2022/05/05(木) 00:21:40 ID:epIvx9ZU0
川 ゚ -゚)「あっ」

私は思わず声を出してしまう。それを聞いたショボンは更にニヤリと笑った。

(´・ω・`)「今日一で可愛い声出したじゃん」

川; ゚ -゚)「やめろ、やめてくれ……」

私の懇願も虚しく、腰を動かし始めたショボン。
私は奥を突かれるたびに出てしまう声を抑えるために必死になる。
それを見て、ショボンのニヤついた表情が更に歪む。

(´・ω・`)「簡単な話だよ、部室でツンとブーンが一線を越える瞬間を抑えるために仕掛けといた隠しカメラにクーたちが映ってただけ」

(´・ω・`)「ツンとブーンが先にヤると思ってたんだけどなー、まさかクーとドクオとは」

川; ゚ -゚)「そんなっ、ことっ、するなんてっ」

(´・ω・`)「あ? 何だ? 僕が悪いのか? 神聖な部室でそんな事やってる方が悪いに決まってるだろうが」

(´・ω・`)「それなのに今日の今日まで黙ってた僕を褒めてほしいくらいだね」

そう言うと更に腰使いを激しくするショボン。
私はいよいよ声が抑えられなくなり、腕で口を覆ってなるべく声を聞かせないようにした。

34名無しさん:2022/05/05(木) 00:22:43 ID:epIvx9ZU0
(´・ω・`)「あー、気持ちいいわ、良く締まってすげー気持ちいい」

(´・ω・`)「めっちゃ濡れてきたし、Mっ気あるんじゃないクーちゃん」

違う、これは防衛反応だ。興奮なんて死んでもしない。けれども身体は感じてしまう。
けれど今のショボンに逆らえば何をされるか分かったもんじゃない。私は大人しく頷いた。

(´^ω^`)「うんうん、いいね、忠実になってきたね」

(´^ω^`)「そんなクーちゃんにサプライズをしてあげるよ」

そう言ってショボンが持ち上げたのは、私のショルダーバッグだった。
そしてカバンの口を開けると、中からドクオの遺書が入った封筒を取り出した。

川; ゚ -゚)「え?」

(´・ω・`)「ドクオ君の最後の言葉を聞きながら俺のチンポで感じてくださーい」

川; ゚ -゚)「やめろ! やめてくれ! それは私が……」

(´・ω・`)「うるさいなあ、黙って聞きながらアンアン喘いでればいいんだよ」

そう言ってさらに激しく腰を打ち付けるショボン。私は思わず声を漏らして感じてしまう。
しばらくそれを続けて、私が少しグッタリしたタイミングで、封筒から三つ折りにされた遺書を取り出して読み始めた。

35名無しさん:2022/05/05(木) 00:24:34 ID:epIvx9ZU0
(´・ω・`)「何々? 『母さんへ、この度は誠に申し訳ありません……』ここらへんはいいか」

そう言って取り出した3枚の遺書をペラペラとめくる。

(´^ω^`)「おっ!『クーへ』ってちゃんとあるじゃないか! 素晴らしい!」

川 ; -゚)「やめろ、やめてくれ、頼む……」

(´・ω・`)「嫌だね」

(´・ω・`)「いいか、お前はドクオの事を思い出す度に僕とのセックスを思い出すんだ」

(´・ω・`)「そして一生僕を思い出し続けろ、一生だ」

そう言ってまた突き始めるショボン。
私は涙を流しながら、この屈辱に耐えるしかなかった。

(´・ω・`)「……『クーへ、今回は突然の事で驚かせて申し訳なく思ってる。そして何も連絡せず、一方的に別れを切り出してゴメン』」

(´・ω・`)「『元来より僕は精神虚弱で、幼いころから心を弱らせては、自分の世界に閉じ籠ってばかりいた』」

(´・ω・`)「『おかげで小中はまともに学校へ通わなかった。これは昔話したけど僕のコンプレックスの一つなんだ』」

(´・ω・`)「『頭だけは良かったから、高校はまともな所に入ることが出来た。それだけは救いだったし、何より君に出会えた事は僕の人生のハイライトだったと言えるだろう』」

(´・ω・`)「『出会えた事に心から感謝を述べたい。本当にありがとう』」

36名無しさん:2022/05/05(木) 00:25:37 ID:epIvx9ZU0
ドクオ、ああドクオ。会いたかった。ずっと会いたかったドクオ。

(´・ω`)「『そんな僕に誇れることが一つあった。文章を書く事だ』」

(´・A`)「『君に文章を褒めてもらってから僕はまともな小説を書き始めたね』」

(´・A`)「『君と試行錯誤しながら文章を書く事は、とても楽しかったよ』」

ドクオに会えることで私の心は満たされていた。繋がる事で愛を感じていた。
視界が涙で滲んでしまって、もう何もぼやけて見えない。

('A`)「けれどね、自分はもうずっと、何かを書くことに、喜びを感じなくなってしまっていたんだ」

('A`)「時々パソコンに向かって文章を書くことが、義務のような気分にかられていた」

('A`)「そして君は言ったね、現実を見てくれって」

('A`)「現実という名の事実に向き合った時、自分は何も成し遂げる事が出来ない人間だとの結論に至ったんだ」

('A`)「僕は感謝しなくちゃいけない。だから出来る限りの力を尽くしてがんばってみた」

('A`)「けど唯一の長所であるはずの文章は平凡でしか無く、何ももたらすことなんか出来やしないことに気が付いた。そう、これが現実なんだって」

('A`)「そうして自分と向き合った結果、何も持たない男が存在している理由は無いと思った」

('A`)「自分は惨めで、ちっぽけな、何の価値もない、救いようもない男なんだって実感したよ」

37名無しさん:2022/05/05(木) 00:27:18 ID:epIvx9ZU0
('A`)「【徐々に色あせていくなら、いっそ燃え尽きたほうがいい】」

('A`)「だから僕は燃え尽きる事を選んだ。ただそれだけの事」

('A`)「君のせいじゃない。それだけは知っておいてほしかった」

('A`)「俺がいなくなったら、もっともっと幸せに過ごすことができるクーの人生のために」

('A`)「20××年、6月×日、毒田ドクオ」

途中から、ショボンの声は聞こえなくなっていた。
ちゃんと読んでいたのかどうかすら分からない。もしかしたら最初の数行だけ読んで、後はずっとセックスに勤しんでいたのかもしれない。
けれど、これでいいんだ。私はもういいんだ。全てはこれで終わる。

(;´・ω・`)「出すよ!? いいね!? だすよ!?」

突然私の意識の中にショボンの声が戻ってきた。そう言ってから少し経つと、彼は私の中に遠慮なく吐精した。
ビクンビクンと激しく脈打っているのがよく分かる。
私はその感触でドクオの事をぼんやりと思い出していた。

(*´・ω・`)「ふぅー、出した出した」

そう言ってペニスを抜き取るショボン。私の秘所からはだらしなく精が垂れ落ちてくる。

(´・ω・`)「読みながらやるのって萎えるな、よくねーわ」

そう言って自分のモノをふき取ったティッシュと一緒に、ベッドの上に無造作に置いていた遺書を丸めてゴミ箱へと投げ込むショボン。

川 ゚ -゚)「ダメ!」

私は未だに上手く動かせない身体をひきずりながら、ゴミ箱の中から遺書を拾い上げる。
ショボンは笑いながらこちらを見ていた。

(´・ω・`)「股から精子垂れ流しながら恋人の遺書持ってるって何? ウケるわ」

私は、遺書を胸に抱え込む。
愛しい彼の最後の言葉を、手放したくなかった。
絶対に、絶対に――

38名無しさん:2022/05/05(木) 00:28:40 ID:epIvx9ZU0
………
……


『台風6号は非常に珍しい進路を進み、関東を直撃しました。その後北上し温帯低気圧に……』

夜の暗い部屋の中を、テレビの光だけが照らしている。
私は自分の家のベッドに仰向けに寝転がり、天井を見上げていた。
ショボンに犯された後、私はどうしたか覚えていない。
いつの間にか家にいて、いつの間にかこうして寝転んでいた。
ショボンからは脅迫のような言葉を掛けられたのは記憶しているが、最早訴える気力も無い。
私は何度も読み返してクシャクシャになってしまった、ドクオの遺書のコピーを抱きしめるようにして持っていた。

川 ゚ -゚)「ドクオ……」

ああ、愛しいドクオ。
君と出会えていた時が本当に幸せだったのだと今更ながら気がついた。
会いたいよ。もう一度だけでいいから、会いたい。

『今日は昨日の天気と打って変わって台風一過の晴天となり、各地で……』

会いたい。

『……続いてはスポーツです。まずはプロ野球から』

会いたいよ。

『……は今日も止まりません。第2打席の初球でした』

汚されてしまった私を救う事が出来るのは、たった一人だけなんだ。

『……の6試合連発、第6号ホームランで勝利しました』

君に、会いに行ってもいいかな。

私は抱え込んでいた遺書を三つ折りにして、封筒に戻す。
そしてそれをショルダーバッグに入れると、そのバッグを持ったまま、私は玄関で適当な靴を履いて飛び出した。
着の身着のまま、私は家を出たのだ。

39名無しさん:2022/05/05(木) 00:30:05 ID:epIvx9ZU0
………
……


どれくらい走ってきただろう。

私は街の片隅にある5階建ての廃ビルへと向かっていた。彼が飛び降りたその場所に。
何故私が彼の落ちた場所を知っているのか。
それは葬式に出席した友人全員でそこに立ち寄り、花を手向けてきたからだ。

オフィス街を抜け、繁華街を通り過ぎ、いかがわしいビルが立ち並ぶ路地を抜けると、そこに廃ビルはある。
昔は華やかな建物だったらしいが、今は見る影もない。
つい最近まで立ち入り禁止のテープが巻かれていた廃ビルは、相も変わらずだらしなく入口を広げている。
このビルは所有者の利権が複雑に絡み合っていて、誰が管理者で、誰が責任を取るのかという部分に関してはアンタッチャブルな領域になっているらしい。
よって、転落事故が起きた直後にも関わらず、施錠などが一切ないというのはそのせいだ。

そして私は迷うことなくビルの中へと入り込んでいった。
中は反社の巣窟になっているだとか、不良がねぐらにしているだとか色んなうわさが流れていたが、入ってみるとなんて事は無い。
瓦礫と粗大ゴミがそこかしこに転がっているだけの廃墟だ。
私は階段をゆっくりと上っていく。
彼、ドクオは一体どんなことを考えながら、どんな気持ちで上っていたのだろう。
死にゆく十三階段か。はたまた天国へと続く階段か。
もう、そんな事は分からないのだが。

40名無しさん:2022/05/05(木) 00:31:22 ID:epIvx9ZU0
階段を上り切り、屋上へと続くドアを開けると、6月らしい少し湿り気を帯びた風が吹く。
私は彼が飛び降りた場所の手前までやってきた。
転落防止の金網には大きな穴が開けられていて、最早意味を成していなかった。
私はそこで遺書を広げ、私宛の最後の文を読み返す。

川 ゚ -゚)「『……20××年、6月×日、毒田ドクオ』」

川 ゚ -゚)「『追伸』」

川 ゚ -゚)「『クーと一緒に死ねたなら、僕は幸せの最中で死ねただろう』」

川 ゚ -゚)「『けれども、僕は君を置いて先に逝ってしまった』」

川 ゚ -゚)「『だから君は君の幸せを生きてくれ、これだけが最後の僕の思いだ』」

そして私はビリビリと遺書を破いた。
1回、2回、3回と破り続け、紙吹雪程度の小さな紙くずになったそれを空へと投げ捨てた。
紙の花が散る。そしてその花びら達は風に吹かれ、ひらひらと地上へと落ちていった。

川 ゚ -゚)「『もし良ければ、読み終えたこの遺書は破いて捨ててくれ。僕が死んだ場所で、思いっきり散らしてくれ』」

川 ゚ -゚)「『身勝手な男だと罵って、最後に俺を空に散らしてくれ』」

ふう、と一つ息を吐く。
私は金網の穴をくぐり、屋上の縁へと立つ。
下を見ると、地面までは中々の高さで、少し身震いをしてしまう。

41名無しさん:2022/05/05(木) 00:32:18 ID:epIvx9ZU0
川 ゚ -゚)「……本当に身勝手な男だよ君は」

川 ゚ -゚)「私が殺したようなものだって、ちゃんと言って死んでいけばよかったんだ」

川 ゚ -゚)「君を殺した私は、今日他の男に殺されたよ」

川 ゚ -゚)「馬鹿野郎、ちゃんと私の事を最後まで守らないからこうなるんだ」

川 ゚ -゚)「あの世では、ずっと守り続けてくれよ。頼む」

スマートフォンで音楽再生アプリを開くと、生前ドクオが好きだった曲を流す。
その曲が流れる中、夜の街を見下ろした。
私はまだ移り気で、去り際のタイミングを掴み損ねている。

川 ゚ -゚)「……私はダメだな、ドクオ」

川 ゚ -゚)「今まですぐにでも死ぬ気だったのに、いざそうなって見ると怖くて仕方ないんだ」

川 ゚ -゚)「あぁ、情けないなあ」

そして私は空を見上げた。
6月の台風6号は通り過ぎ、あとに残されたのは時折吹く強い風、そして雲一つない夜空に広がる満天の星々だった。

川 ゚ -゚)「綺麗な星空だ」

まぶたをゆっくりと閉じる。眼の裏側にも焼き付くような星達が光り輝く。
強い風が吹く。遠くから君の声がしたような気がした。
私はその風に身を委ねるように、ゆっくりと倒れ込む。
台風が通り過ぎた後の夜空が、街を覆いつくしていた。
そして一瞬の静寂の後、重く鈍い音が響き、そして静寂が戻る。

42名無しさん:2022/05/05(木) 00:33:01 ID:epIvx9ZU0



また風が強く吹く。



6月6号が過ぎていくようです ―― 終

43名無しさん:2022/05/05(木) 00:40:02 ID:ZbPPPatg0

(´・ω・`)の笑顔がムナクソ

44名無しさん:2022/05/05(木) 10:06:23 ID:R3gsB3Tc0
乙、

45名無しさん:2022/05/05(木) 13:43:47 ID:NLawdGHw0
おもしろかったぞ


46名無しさん:2022/05/06(金) 00:39:13 ID:/c6jzNR20

ショボンはクソだがクーが綺麗な話だった

47名無しさん:2022/05/06(金) 00:40:37 ID:U4Y8N34A0
ドクオとのセックスが爽やかなぶん、後のレイプシーンがよりおぞましく感じるな


48名無しさん:2022/05/06(金) 01:14:10 ID:nR3B7XWE0
ショボン君さあ

49名無しさん:2022/05/08(日) 04:32:56 ID:c2XrtU3w0
良かった
ドクオ、クールの精神は守れたんだな。おめでとう

50名無しさん:2022/05/14(土) 21:33:05 ID:h63zAHB60
乙乙
人間という生き物だからこその悲劇だ…
ドクオの夢がドクオを殺してしまった


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