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( ^ω^)運命と戦う仮面ライダーのようです part3
201
:
29話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/11(月) 09:57:40 ID:WvaK1Ehg0
「やめろ!!!」
けたたましく鳴り響くバイクの音と共に、それは現れた。
診療所前で暴れるアンデッドの背後に、ブーンとモララーが到着。
バイクからすぐに降りると、二人はすぐにバックルを腰に装着した。
( ^ω^)「それ以上はさせないお!」
( #・∀・)「貴様…!!変身ッ!!」
【 -♠TURN UP- 】 【 -♦TURN UP- 】
大切な思い出のある診療所。
その安全を脅かすアンデッドに、モララーは激しい怒りを覚える。
すぐにライダーへと変身し、二人は正面に回り込み懐に突進。
これ以上、診療所には進ませまいと抵抗する。
『グウウゥッ!!』
( ; OwO)「うおっ!?」
( ; OMO)「くっ…!」
しかし、トータスアンデッドの怪力の前には無力。
片腕で二人の胴体を捕まえると、そのまま力ずくで振り払った。
「何あれ!?」
「あれが、最近噂の仮面ライダー…!?」
診療所の中では、仮面ライダーの姿を見ては驚く人達で溢れ返る。
彼らとアンデッドの戦いに、恐れを抱く者もいれば興味津々で窓から覗く者もいた。
202
:
29話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/11(月) 09:58:05 ID:WvaK1Ehg0
( OwO)「この…ッ!」
( OMO)「やらせるか!!」
すぐに立ち上がり、再び懐目掛けて突進。
まるで相撲の押し合いように、二人でアンデッドを押しやろうとする。
が、重たさが勝って全く動かない。
再び、アンデッドの怪力によって払い落とされる。
( OMO)「うぐっ…!まだだ、絶対にやらせない!」
( OwO)「クソ…モララーさん、此処は僕に任せて!ジャックフォームになりますお!」
『グオ"オ"オ"オォォッッ!!』
( ; OMO)「うわぁっ!?」
( ; OwO)「モララーさ…ぐふっ!」
ジャックフォームの力を使おうと、ラウズアブゾーバーに手を伸ばし♠Qのカードを抜いた。
その直後、アンデッドはギャレンを強引に持ち上げ、ブレイドに向かって投げ飛ばす。
衝突したブレイドは手にしたカードを離してしまい、ひらりと落ちていく。
( ; OwO)「大丈夫ですかお!?」
ギャレンに肩を貸し、ゆっくりと立ち上がる。
すると、アンデッドは左肩に備わった甲羅を正面に向け構えを取り、診療所に向かって駆け出した。
これまで怪力のみ見せつけてきたが、予想だにしなかった速さを見せる。
203
:
29話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/11(月) 09:58:50 ID:WvaK1Ehg0
( ; OMO)「すまない、大丈夫だ…剣藤は?」
( OwO)「僕も大丈夫――!?モララーさん、危ない!!」
アンデッドの接近に気付いたブレイドは、咄嗟にギャレンを突き飛ばした。
そして、加速の勢いが乗った超重量級の突進が、ブレイドのド正面に衝突。
( ; OwO)「ぐああぁあっ!?」
( OMO)「剣藤!!」
吹き飛ばされ、診療所の壁にぶつかる。
「きゃああああっ!!」
窓ガラスは割れ、室内から人々の悲鳴が聞こえる。
崩れ落ちたブレイド。突如、オリハルコンエレメントがバックルより出現。
強制的にブレイドを通過し、変身が解除されてしまった。
アンデッドの強烈なタックルを正面から受けたことで、バックルにもダメージが走ってしまったか。
( ; ^ω^)「くそっ…!変身が…!」
( ; OMO)「剣藤!!ッ…!」
落ちたバックルを拾い上げようと手を伸ばす。
しかし、手が届く前にアンデッドがバックルを足で蹴り払ってしまった。
204
:
29話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/11(月) 09:59:19 ID:WvaK1Ehg0
( OMO)「やめろォッッ!!」
危機が迫るブーンを助けなくては。
そう駆け寄るギャレンに対して、アンデッドは振り向きざまに鉄球のようなものを数発投げ飛ばす。
鉄球はギャレンの銀の鎧に被弾し、被弾と同時に爆発が起きた。
( ; OMO)「ぐあぁッ!?」
( ; ^ω^)「モララーさんッ!!」
崩れ落ち、倒れそうになる。
…だが、ギャレンは堪えた。
片膝を着き、倒れる事を拒んだ。
( ; OMO)「くっ……」
( ; ^ω^)「ッ今のうちに…!!」
振り向いた隙を狙って、四つん這いになりながら蹴飛ばされたバックルのもとへと急ぐ。
それに気付いたアンデッドは、すかさず阻止。
片足を、ブーンの背中目掛けて思い切り踏みつけたのだ。
『ゴオッッ!!』
( ; ゚ω゚)「うあああああああッッ!!」
( ; OMO)「剣藤ーッ!!」
とてつもなく重たい。
内臓の全てが破裂しそうな感覚。苦しく、今すぐに潰されてしまいそうだった。
ブーンの悲鳴のような叫び声が響き渡る。
205
:
29話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/11(月) 09:59:47 ID:WvaK1Ehg0
踏みつける足を退かし、ぐったりと地に伏せるブーンを片手で掴み上げる。
そして、ギャレンの方へといとも簡単に投げつけた。
先程の被弾したダメージがあるが、そんな事は関係ない。
すかさず、投げられたブーンを受け止めた。
( OMO)「くっ…!剣藤、大丈夫か?しっかりしろ!!」
( ; ^ω^)「ごほっ、ごほっ……すみません、モララーさん……」
( OMO)「……後は俺に任せろ」
( ; ^ω^)「でも、モララーさん…!」
そう言って、ブーンを地にゆっくりと横たわらせる。
共に戦わんと動こうとするが、体が言う事を聞かない。
アンデッドの攻撃を生身で受けてしまったダメージは大きく、立ち上がる事が難しかった。
ギャレンは一人、アンデッドに立ち向かう。
ホルスターからギャレンラウザーを抜き出し、アンデッドに銃撃。
何度も引き金を引き、銃弾の雨を浴びせながら、駆ける。
( OMO)「はっ!」
腕を使った大振りな攻撃を受ける直前で、ギャレンは跳躍。
頭上を飛び越え、診療所を背にし、前に立ちはだかる。
アンデッドが暴れた事で荒れてしまった土地を見渡す。
怯え切った人々、見覚えのある看護師。
そして、倒れているブーン。
.
206
:
29話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/11(月) 10:00:18 ID:WvaK1Ehg0
( M )「……許さない」
静かに、そして力強く、拳が握られる。
( M )「俺の大事な景色、場所、思い出…そして、仲間を傷つけた!」
( #OMO)「俺は…貴様を許さない!」
激しい怒りに燃える。それはまるで炎のように。
ギャレンラウザーをホルスターに差し込み、ギャレンは左腕に装着した――ラウズアブゾーバーに手をかける。
すると、ラウズアブゾーバーからオープントレイが展開。
三枚収納可能となっているトレイには二枚収納されており、ギャレンはその二枚を引き抜いた。
そのうちの一枚――"♦Q ABSORB"のカードを、中央部に装填。
〘-♦ ABSORB QUEEN-〙
ブレイドと同様、ラウズアブゾーバーから神々しさを感じる待機音が鳴り響く。
そして、もう一枚の因縁深き、府坂が封印されたカード……"♦J FUSION"を見る。
( OMO)「この場所でヒートを奪ったお前の力を、この場所で使おうとは…皮肉な話だ。
だが、今は大人しく俺の力になってもらうぞ…!」
( #OMO)「仲間と大事な思い出は…俺の手で守る!!」
女王が騎士の呼応を待ち望む。
もう、後悔はしたくない。自分の大事な物は、自分の手で守る。
強い決意を胸に…ギャレンは、"♦J FUSION"のカードを、側部のカードリーダーにラウズした。
〖 -♦J FUSION JACK- 〗
207
:
29話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/11(月) 10:00:46 ID:WvaK1Ehg0
♪rebirth -
https://www.youtube.com/watch?v=SgXC5Z4R3-c
♦Qのカードが眩い光を放つ。
眩い黄金の光は美しき孔雀の形を成し、大きく翼を広げた姿はまさに雄麗。
翼を広げたと同時に、黄金の羽根がギャレンの辺りに舞い落ちる。
やがて孔雀はギャレンを包むように一体化し、主の身に光で包んだ。
/H\
( OMO)
♦Qの導きにより、♦Jの力を身に纏う。
銀の鎧は黄金に輝きを変え、胸部のダイヤに孔雀を宿した。
背中には、まるで孔雀の広げた羽を連想させるような銀と翠のマントが備わる。
ギャレンラウザーの銃口の下には新たに刃が生成され、銃剣となる。
ラウズアブゾーバー中央部は、黄金のダイヤに孔雀が彫刻された翠のプレートが嵌め込まれた。
( ; ^ω^)「モララーさん…!その姿は…ジャックフォーム!」
/H\
( OMO)「行くぞッ!」
その身に力を宿したギャレンは、マントを翼状に広げ低空飛行でアンデッドに急接近。
『!?』
素早くアンデッドの懐に突進。
勢いそのままに、ギャレンはアンデッドを掴み持ち上げ、空中を飛行。
先程までその重量さに敵わなかった事などまるで嘘かのように、アンデッドを掴んだまま診療所から離れていく。
アンデッド自身も想定外の出来事に、戸惑いを見せていた。
やや距離を置いた何もない広々とした空地に到着し、そのままアンデッドを放し地上へ落とす。
『グヘアァッ!?』
ギャレンもアンデッドの前に着陸。
立ち上がった頃を見計らい走って接近し、起きたところをすぐに銃剣で斬りつけた。
.
208
:
29話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/11(月) 10:01:33 ID:WvaK1Ehg0
/H\
( OMO)「ふっ!はぁっ!」
これまで接近戦は常に素手での格闘だった。
しかし、ジャックフォームでギャレンラウザーが銃剣となった事で、接近戦をより強力且つ有利に進められる。
仮面ライダーになるに当たって、様々な武器の訓練をした経験のあるモララー。
この銃剣を使いこなすには、時間は必要なかった。
『グウウゥッ……グオオォッッ!!』
ブレイドの時のように斬撃に追い詰められる。
反撃せんと右腕を雑に大振りに振るうが、ギャレンは屈んでそれを回避。
すかさず腹部に蹴りを一発叩き込み距離を取らせ、アンデッド目掛けて銃弾の雨を食らわせた。
『ギッギャアァァッッ!!』
先程まで効果のなかった銃弾が、効いている。
銃撃を受け、風穴を空けられた胴体からは緑血を流していた。
/H\
( OMO)「これで終わりにする!」
確実に弱ったアンデッドに、トドメを刺す。
ギャレンラウザーからトレイを展開し、三枚のカードを引き抜く。
一枚ずつラウズすると、ラウザーの電子音声がそれを読み上げた。
《-♦2 BULLET-》《-♦4 RAPID-》《-♦6 FIRE-》
《-♦BURNING SHOT-》
コンボ名を告げると同時に、ギャレンラウザーから炎が火の粉のように飛び散った。
火の粉を払うように発光したマントを大きく広げ、地を蹴り今度は空へと高く飛翔。
.
209
:
29話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/11(月) 10:02:13 ID:WvaK1Ehg0
空中でバク転するように身を翻す。
そして、アンデッドに向け構えたギャレンラウザーに炎の帯が集結。
/H\
( OMO)「はああぁぁッッ!!」
引き金を引いて放つ銃弾。
ラウザーに纏った炎を一気に解き放つように、連射される炎の銃弾。
その様はまるで、火山が噴火して降り注ぐ火砕流の如く。
『ギャアアアアァァァァッ……!!!』
激しい炎の雨に打たれるアンデッド。
全身の燃え盛るような痛みと共に、全身の水分が灼熱の炎によって干からびていく感覚。
銃弾によって身を削られ、燃え移った炎に焼かれる。
逃れられない痛みにアンデッドは耳障りな断末魔の声を上げながら、爆発と共に倒れた。
やがて炎の雨は止み、ギャレンはゆっくりと地上に舞い降りる。
/H\
( OMO)「…ふっ!」
倒れたアンデッドは未だ炎に包まれている。
視認は出来ないが、その腰元のバックルは開かれていた。
ギャレンはカードを素早く投擲。アンデッドの体に突き刺さると、カードに封印されていった。
帰還するカードを掴む。
カードには、"♦7 ROCK"と記され、亀の絵が描かれた。
.
210
:
29話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/11(月) 10:02:48 ID:WvaK1Ehg0
封印を終え、ギャレンの変身を解く。
変身を解いてすぐ、モララーは急いで診療所に向かって走った。
アンデッドとの戦いで負傷したブーンを介抱しなくては。
そして、診療所に逃げ隠れていた人達を安心させたい…。
そんな思いで診療所に戻った……が、
( ; ・∀・)「剣藤!大丈夫か!?」
( ; ^ω^)「モララーさん…」
「大丈夫です、今手当をします!」
( ; ・∀・)「え…?」
何と、そこにはブーンを助ける診療所の看護師の姿があった。
中に逃げていた一部の人達も、力になろうとしてブーンに肩を貸していた。
( ; ^ω^)「モララーさん、アンデッド…倒したんですね」
( ・∀・)「ああ…」
( ; ^ω^)「よかった……これで僕達、最強のコンビですお」
( ・∀・)「……うん、そうだな」
体が痛んで仕方ないはずなのに、モララーに笑顔で語りかける。
無理をしているのは分かっている、でもこれがブーンだ。
モララーはそれ以上止めたりはせず、笑顔で頷いた。
211
:
29話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/11(月) 10:03:12 ID:WvaK1Ehg0
「菱谷さん…!」
そこに、モララーに話しかける一人の看護師。
モララーにも見覚えはある。
当時のヒートの助手であり、今の深沢診療所の院長を務めている。
( ・∀・)「貴女は……ヒートの助手さん」
「あの……助けてくれて、ありがとうございました!」
( ・∀・)「………」
彼女はモララーの前で頭を深々と下げる。
…だが、モララーはそのお礼を、素直に受け取る事が出来なかった。
何故なら…自分の所為で、きっと彼女達にも苦労や悲しい思いをさせたはずだから。
( ・∀・)「…俺は、あの時何も出来なかった。今の俺にしてやれるのは、こんな事くらいしかないから」
「そんな事ないです。ヒートさん、きっと喜びます」
彼女の後ろに、助けられた人々が並んでいる。
「菱谷さん達のお陰で、私達は皆救われました。ヒートさん、今の菱谷さんを見てすごく嬉しくなるはずですよ!」
「だって…菱谷さんが仮面ライダーとして、あんなに身を呈して戦ってるなんて。
きっと心配しながら、それでも誇らしく思うはずだから…」
( ・∀・)「………!」
彼女の言葉に、胸にじんわりと熱く広がるものがあった。
212
:
29話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/11(月) 10:03:39 ID:WvaK1Ehg0
「ありがとうございます!」
「本当にありがとう!」
「ありがとう仮面ライダー!すごいや!」
彼女の後ろで、人々が口々にお礼を紡ぐ。
突然現れた怪物。颯爽と現れて、それを倒した"ヒーロー"。
小さな子供も恐怖で泣き出していたが、今では仮面ライダーの存在を敬っている様だった。
これまでモララーは、仮面ライダーとしてアンデッドを封印する為に戦ってきた。
しかし、それはとても孤独な戦い。
誰にも感謝されず、人知れず責任を負わされ、戦わされていただけ。
最初は人間を守る為に…なんて、綺麗な理由じゃなかった。
道を外し、仮面ライダーを"力"として振るってしまった事もあった。
……だからこそ、一番大切だったはずのヒートを失ってしまった。
ようやく得た仲間と共に、ここまで戦ってきた。
アンデッドを解放してしまったBOARDの責任として、仕事として、残された仲間の為に戦ってきた。
そして今日――初めて、誰かに感謝をされたのだ。
モララーは、嬉しかった。
初めて、自分は仮面ライダーとして戦っている意味を見出せた。
ヒートを失う事で選んだこの茨の道。
俺が選んだ道は……間違ってなかったんだ。正しかったんだ。
ヒートが、俺を此処まで導いてくれたんだ。
( ;∀;)「……ははっ、あれ……勝手に涙が……」
( ^ω^)「………ふふふ」
涙するモララーの姿を傍らで見るブーン。
何故か、自然と笑みが零れた。
213
:
29話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/11(月) 10:04:08 ID:WvaK1Ehg0
―――――。
.
214
:
29話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/11(月) 10:04:37 ID:WvaK1Ehg0
―――歓楽街の、とある一室。
空き部屋であるこの部屋は、窓が無造作にブルーシートで塞がれていて、外の光があまり差さず闇が支配している。
管理されていないのか…至るところに落書きがあり、椅子やゴミが散乱している。
( ´∀`)「フフフ……」
そんな部屋の片隅に、一人の青年――モナーが、キャスターの付いた回転する椅子に座っていた。
彼の横には、スカラベアンデッドの姿が。
川 - )
そして、部屋の真ん中に横たわる……クーの姿。
ボロボロで、意識を失っている様だった。
( ´∀`)「良い時間稼ぎになったみたいでよかった。カテゴリーQよりは使える奴だったな」
トータスアンデッド封印の報せは、気配の消失と共にモナーに届いていた。
肘掛けに右肘を立て、掌に頭を凭れさせる。
左手には、一枚のカードが握られていた。
215
:
29話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/11(月) 10:05:05 ID:WvaK1Ehg0
( ´∀`)「まずは一枚……」
その手には……"♥A CHANGE"のカードが。
( ´∀`)「――君は、どれくらい面白くしてくれるのかな?」
「そんな事に興味はない」
モナーが、闇に隠れて見えない"もう一人"の存在に、話しかける。
コツ…コツ…という靴の音が、部屋の中に響き渡る。
音は段々近付き、モナーの横に姿を現した。
「俺はただ―――」
('A`)「―――最強のライダーである事を、証明するだけだ」
( ´∀`)「ククク……!」
カードを弄びながら、モナーは不適に笑う。
まるで、これから起こる"喜劇"を想像して、面白くて堪らない……そんな様子だ。
そして、その喜劇…いや、悲劇は現実となる。
運命を乗り越えた仮面ライダー達に、またひとつ、残酷な運命が――。
216
:
29話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/11(月) 10:05:43 ID:WvaK1Ehg0
【 第29話 〜王の暗躍〜 】 終
.
217
:
29話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/11(月) 10:06:16 ID:WvaK1Ehg0
==========
【 次回予告 】
新たなアンデッドが、ブレイド達の前に現れる。
ブレイドはアンデッドと戦うが……、
( ; OwO)「カードが……!何で封印出来ないんだお!?」
封印の出来ない、正体不明のアンデッド。
、, ,
( D ゚皿゚)『剣藤ホライゾン……オ前ヲ捕獲スル』
( ; OwO)「お前は何なんだお!何で僕を…ッ!?」
、, ,
( D ゚皿゚)『―――オ前ハ、許サレナイ。許サレテハイケナイ』
( ; OwO)「何……?どういう意味だお!?」
218
:
29話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/11(月) 10:06:50 ID:WvaK1Ehg0
( ゚∀゚ )「滅茶苦茶にしたいんだよ…!この戦いも、世界も、全部全部何もかも滅茶苦茶に…!!」
川 ゚ -゚)「滅茶苦茶に…だと?」
( ´∀`)「僕達が戦っても意味のない戦い…外を覗けば、人間共が何も知らずのうのうと暮らしてる。
馬鹿馬鹿しいじゃないか、戦っても報われやしないのに、僕達だけが戦いの運命を背負っているなんて」
川 ゚ -゚)「……」
( ´∀`)「だからブチ壊してやるんだよ…ジョーカー、その力があればこんな世界あっという破壊できる!
キレイは汚い、汚いはキレイ……全部全部、何もかもブチ壊してやるのさ!!」
( ´∀`)「その方が、面白いだろ…!?」
♠のカテゴリーK・モナー。
真意不明だった彼の目的が明かされる。
彼の破壊衝動は、一体何をもたらすのか。
219
:
29話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/11(月) 10:07:14 ID:WvaK1Ehg0
( ; ・∀・)「待て!」
遂にドクオを発見するモララー。
しかし、ドクオは…
('A`)「カテゴリーQを封印してジャックフォームを手に入れたそうですね?よかったですね、力を得られて」
('A`)「その力を使って、俺と戦いますか?」
( ・∀・)「ドクオ……!」
('A`)「今の俺に迷いはない。モララーさん、貴方よりも…そしてブーンよりも強い!」
モララーに対し、強い敵対心を見せるドクオ。
一体、ドクオはどうなってしまうのか…。
(#'A`)「最強のライダーは、この俺だ…!」
220
:
29話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/11(月) 10:07:48 ID:WvaK1Ehg0
( ・∀・)「ジョーカーは、封印したアンデッドの姿と力を使うことができる特殊な個体らしい。
そして……愛川クーはその能力を保有している」
( ・∀・)「愛川クーの正体は、53番目のアンデッド・ジョーカー。アンデッドからも"忌み嫌われる"存在」
ξ゚⊿゚)ξ「てことは、あのクーさんの姿って…!」
遂に、クーの正体が明らかになる。
そして、モララーはとある人物との再会の末、その正体の答えを知る事に。
ζ(゚ー゚*ζ「貴方の知りたがってる答えは、このUSBの中にある。
さっき、私含めBOARD上層部しか閲覧できない研究記録をコピーしたわ」
ζ(゚ー゚*ζ「菱谷くん、ジョーカーは危険よ」
( ・∀・)「やはり、そうなんですか…?」
ζ(゚ー゚*ζ「ええ、そして――」
ζ(゚ー゚*ζ「――剣藤くんは、そのジョーカーに飲み込まれつつある」
彼女の言葉の意味とは?
遂に、大きな歯車が動き始める…。
次回、【 第30話 〜53番目の存在〜 】
――運命の切り札を、掴み取れ!
221
:
29話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/11(月) 10:09:55 ID:WvaK1Ehg0
しおり
>>8
第27話
>>72
第28話
>>134
第29話
( ^ω^)<またそのうち
222
:
名無しさん
:2023/12/11(月) 19:12:57 ID:W1DikId20
おつです
223
:
名無しさん
:2023/12/11(月) 21:11:59 ID:9RociFLs0
USBとジョーカーでWかと思ったわ乙乙
224
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 12:55:27 ID:V/3dKv7c0
【 第30話 〜53番目の存在〜 】
.
225
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 12:56:12 ID:V/3dKv7c0
アンデッドとの戦いを終えた二人は、診療所を後にする。
治療を受けたとは言え、未だ戦闘直後の痛みはしっかりと残っていた。
だが、ゆっくりしている時間もない。
ブーンは、先刻の川で反応が途絶えたクーの安否が気掛かりで仕方がなかった。
( ・∀・)「剣藤、無理はするな!まだまともに動けないだろ?今日は一旦家に戻った方が良い」
( ^ω^)「大丈夫ですお、それよりクーを探さなきゃ……」
急いでブルースペイダーのもとへ歩くブーン、その後をモララーは説得しながら追う。
しかし、想像通り応じる様子は全くない。
( ; ^ω^)「うっ…!!」
( ・∀・)「大丈夫か!?」
ブルースペイダーに跨ろうと片脚を上げた瞬間、胴体に痛みが走る。
思わず転倒しそうになる体を、モララーが咄嗟に支えた。
( ; ^ω^)「大丈夫です…!こんなの、慣れてますお!」
( ・∀・)「剣藤……皆が心配する、頼むから戻ってくれ」
( ^ω^)「ありがとうございます。でも…クーが戻らないと、またあまねちゃん達が心配しますお。
僕が探さないと、クーは…ッ!」
痛みを堪えたのが、表情で見て取れる。
それでも、ブーンは必死に隠そうと無理矢理ブルースペイダーに乗車。
226
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 12:56:44 ID:V/3dKv7c0
( ^ω^)「モララーさんは、引き続きドクオをお願いしますお…!」
そう言って半ば強引に話を終わらせると、メットを装着し颯爽と走り去ってしまった。
( ・∀・)「待て剣藤!………いや、ああなったら言っても聞かないな」
手を伸ばし後を追いかけたが、すぐに諦めた。
夢中になっている時は、基本何を言っても聞かない…良くも悪くもブーンの特徴だ。
溜息混じりにその場を諦めると、モララーもレッドランバスに乗車し、その場を後にしようとした。
その時、モララーのスマホが鳴る。
着信が入る。
相手は、非通知。
ポケットからスマホを取り出し、その着信を出た。
( ・∀・)ロ「もしもし?」
[……菱谷、モララー?」
( ・∀・)ロ「……どなたですか」
相手は女性の声。
自分の姓名を言い当てる謎の人物に、強い警戒心を抱く。
[よかった、電話番号までは変わっていなかったのね]
( ・∀・)ロ「?貴女は…?」
……どこか、聞いた事のあるような声だった。
227
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 12:57:15 ID:V/3dKv7c0
[もうそろそろ、貴方の力が必要になる…また電話するわ]
( ・∀・)ロ「え?……もしもし?もしもし!?」
電話は切れる。
謎の女性が残した言葉は、全く意味が分からなかった。
眉間に皺を寄せ、聞き覚えのある声の主を頭の中で探る。
( ・∀・)「………まさか、さっきの声は……!」
思い当たる人物が、頭の中で引っ掛かった。
それは、亡くなったと思われていた――
( ・∀・)「――ん?」
ふと、視線に気付く。背後からだ。
この感覚、前にも似たような視線を感じた事があった…。ヒートのお墓参りをした時だ。
スマホをポケットにしまい、後ろを振り返る。
、, ,
( D ゚皿゚)
228
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 12:57:48 ID:V/3dKv7c0
( ・∀・)「アンデッド…!」
背後にいたのは、また新たなアンデッドだった。
頭部、全身に無数のプラグが突き刺さっており、脚・胸・肩・腕とケーブルが至るところに繋がっている。
紅と黒。体の色は二極化していて、見るからに不気味さを感じさせた。
……だが、これまでのアンデッドとは違い、野生さを感じなかった。
すぐにレッドランバスから降り、モララーはバックルを持ち戦闘態勢に入る。
カテゴリーAのカードを装填しようとすると、
、, ,
( D ゚皿゚)『マテ』
( ・∀・)「!?」
手を突き出し、掌をこちらに見せる。
まるで人間のような動作だった。
しかも、人間の言葉を喋っている…。
、, ,
( D ゚皿゚)『菱谷モララー…仮面ライダーギャレン。ギャレンハ対象外』
( ・∀・)「上級アンデッドか!?」
、, ,
( D ゚皿゚)『標的ハ、剣藤ホライゾン。仮面ライダーブレイド。捕獲スル』
( ・∀・)「何!?」
カタコトに、無機質に喋るアンデッド。
何故かモララーとブーンの名前を口にし、その上ブーンを"捕獲する"と。
今すぐにでも変身して戦う事は出来たが、アンデッドの不自然な雰囲気に戸惑う。
、, ,
( D ゚皿゚)『オマエハ、手出シヲスルナ。菱谷モララー』
そう言うと、アンデッドは目では捉え切れぬ程のスピードで疾走。
ブーンが走り去って行った方角へと、走っていった。
229
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 12:58:21 ID:V/3dKv7c0
( ・∀・)「どういう事だ…!?」
何が起きているのか理解出来ない。
何故、アンデッドがモララーを拒絶したのか。
ブーンを倒す、ではなく捕獲すると表現した事も、妙に引っ掛かる。
今はっきり分かる事と言えば……ブーンが危ない。
まだ、ケガを負って満足に戦えない状態の筈。
すぐに助けに行かなくては。
レッドランバスに再び跨り、モララーは急いでブーンの後を追った。
―――――。
.
230
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 12:58:56 ID:V/3dKv7c0
―――――。
診療所から離れたブーンは、路肩に停車させ、ひとまずツンに電話をしていた。
路肩のすぐ横には小さな公園が面しているが、まだ子供が遊んでいる気配はない。
隣接する車道を横切る車の、通り過ぎた後の風圧がブーンの髪や服を靡かせる。
クーの行方を捜す為、アンデッドサーチャーに少しでも反応がないか知りたかった。
( ^ω^)ロ「ツン、サーチャーにクーの反応ないかお?」
[ううん、ないわ」
( ^ω^)ロ「そうかお……微力でもいいから、もしカリスの反応があったらすぐに教えてほしいお!」
[うん、分かった…でもブーンは大丈夫なの?
さっきアンデッドの攻撃で重傷を負ったってモララーさんから連絡あったけど…」
( ^ω^)ロ「僕は問題ないお!それよりクーを探さなきゃ。何かあったら頼むお!じゃ!」
[え?ちょっとブーン!?]
強制的に通話を切った。
ツンの心配を無下にするのは心苦しかったが、それでもクーを探さなきゃ。
自分でも、何でこんなにクーを気に掛けているのか分からない。
でも、放っておけない。
人間として、穏やかに暮らさせてあげたい。
そんな純粋な想いだけが、傷の残ったブーンを突き動かした。
( ^ω^)(クー、どこだお…!?)
231
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 12:59:52 ID:V/3dKv7c0
スマホをポケットにしまう。
再びブルースペイダーを走らせようと、ウインカーを出し後方確認しながら車が通りすぎるのを待つ。
ブーンが見る限り、全ての車が通り過ぎた。
( ^ω^)(よし、出るお)
出発しようとした、その瞬間。
( ; ^ω^)「うおっ!?」
車ではない"何か"が、ブーンのすぐ目の前を勢い良く横切った。
思わず身を翻してしまい、急に横切った正体不明の何かに驚く。
( ^ω^)「何だ今の――」
ふと、正面を向いた。
そこには、
( ^ω^)「――!?!?」
、, ,
( D ゚皿゚)
( ^ω^)「アンデッド…!」
232
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:00:19 ID:V/3dKv7c0
つい先程まで、モララーの前に現れていたアンデッドの姿が。
急いでブルースペイダーから降りようしたブーンだったが…、
、, ,
( D ゚皿゚)『フッ!』
( ; ^ω^)「うぐっ!?」
降りようとする前に、アンデッドが急接近。
未だブルースペイダーに跨ったままのブーンの首を掴み、強引に投げ飛ばした。
( ; ^ω^)「うわあぁっ!」
道路と歩道の柵を超え、公園に転がるブーン。
地面に叩き付けられた衝撃で、アンデッドに負わされた傷が激しく痛んだ。
( ; ^ω^)「クソッ……!変身!」
痛みに悲鳴を上げる体に鞭を叩き、無理矢理にでも体を起き上がらせる。
目の前に迫るアンデッドを前に、おめおめと寝ていられない。
すぐさま腰にベルトを装着し、バックルを展開させた。
【 -♠TURN UP- 】
、, ,
( D ゚皿゚)『グウッ…!』
バックルから射出したオリハルコンエレメントを正面から迫り来るアンデッドに衝突させる。
ゲートによって吹き飛ばされたアンデッドは道路に転げ落ちたが、受け身を取って素早く立ち上がった。
233
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:01:45 ID:V/3dKv7c0
変身したブレイドはアンデッドの前で戦闘態勢に入る。
ホルスターからブレイラウザーを逆手に抜き、迎撃の構えを取った。
、, ,
( D ゚皿゚)『剣藤ホライゾン……仮面ライダーブレイドヲ確認シタ』
( OwO)「え…何で僕の名前を…!?」
、, ,
( D ゚皿゚)『ブレイドヲ、捕獲スル』
( OwO)「何!?」
機械的に言葉を紡ぎ終えると、アンデッドは再びブレイドに襲い掛かった。
右手に持ち直したブレイラウザーで、迫るアンデッドをひらりと躱し、背中に一太刀。
斬撃は確実に当たったが、怯む様子は一切ない。
アンデッドは振り向きざまに、ブレイドの腹部に蹴りを一発叩き込んだ。
( ; OwO)「うぅッ…!」
たかが一発の攻撃が、何倍も重く、激しい痛みを感じる。
思わず片手で蹴られた腹部を抑え、うずくまりそうになってしまった。
だが、今そんな事をしていられる状況ではない。
隙を見せれば、やられる。
しかし、今の体の状況では通常の肉弾戦はどう足掻いても有利に進める事は出来ないであろう。
ブレイドはそれを認めていた。
( ; OwO)「なら、アンデッドの力を使うお…!」
234
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:02:18 ID:V/3dKv7c0
ブレイラウザーを逆手に持ち、オープントレイを展開。
カードを選択し、素早くラウズした。
《-♠2 SLASH-》《-♠8 MAGNET-》
"♠2 SLASHL"の力でブレイラウザーがオーラを纏い、力が蓄えられる。
もう一枚の"♠8 MAGNET"は、思うままに磁力を操る能力を得る事が出来る。
これでアンデッドを磁力で操作し動きを制限し、威力の高い攻撃を与え戦いを有利に進めようという作戦だ。
左手に、物体を引き付けられそうな引力を感じる。
( OwO)「ふっ!」
左手をアンデッドに向けて伸ばし、頭の中で自身に引き付けるイメージを浮かべる。
イメージをした瞬間、伸ばした手を綱を引く様に、サッと素早く引いた。
、, ,
( D ゚皿゚)『!?』
頭の中で思い描いた通りの事が起きる。
アンデッドは、ブレイドの発する磁力によって突然動きを制限され、勝手にブレイドのもとへ引き寄せられていく。
着実に引き寄せられるところに、力を纏うブレイラウザーを構えたブレイドが自ら駆けて接近。
抵抗の出来ないアンデッドに対して、正面から何度も斬撃を与える。
、, ,
( D ゚皿゚)『グウゥッ!?』
( OwO)「どりゃあっ!!」
幾度かの斬撃は、確実にダメージを与えていた。
最後に腹部に蹴りを一発叩き込み、後方へと吹き飛ばす。
蹴りを入れた衝撃で痛む体、腹部を抑えながらアンデッドとの距離を詰める。
235
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:02:56 ID:V/3dKv7c0
そして、再びオープントレイを展開すると、三枚のカードを選択。
アンデッドに反撃の余地を与えてはいけない…一枚ずつ、素早く順番にラウズする。
《-♠5 KICK-》《-♠6 THUNDER-》《-♠9 MACH-》
《-♠LIGHTNING SONIC-》
、, ,
( D ゚皿゚)『フンッ!』
コンボ名が告げられたと同時に、アンデッドが瞬時に飛び起きた。
そして、ブレイドに向かって俊足で襲い掛かろうとした。
( OwO)「その手には乗らないお!」
ブレイラウザーを地面に突き刺し、ブレイドも疾走。
アンデッドより高速で駆けるブレイドは、急襲を避け背後に回り、上空へと蹴り上げる。
瞬時に距離を取り、加速しながら地を蹴り、ジャンプする。
( OwO)「うぇええええええいッッ!!」
空中を飛んだブレイドは、雷纏う右足を突き出した。
加速の勢いが乗った蹴りで、そのまま宙を浮いたアンデッドに強烈なライダーキックを炸裂。
、, ,
( D ゚皿゚)『ウグウゥオオアアアァァッ……』
アンデッドの体中を電撃が蝕み、苦悶の声を上げながら地に倒れた。
腰に備わっているバックルが、真ん中から割れ左右に開いている。
236
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:03:32 ID:V/3dKv7c0
( ; OwO)「何とか、倒したお…!ッぐ……!」
倒したものの、無理を重ねた代償はでかい。
安堵して力がやや抜けてしまったのか、突き刺したブレイラウザーを抜かず、片膝を着いて寧ろ支えにした。
体を休めたまま、カードを取り出し倒れたアンデッドに投擲。
カードの角がアンデッドの体に突き刺さる。
これで、封印される。
後はカードに吸収されていくのを待つだけ――いつもの事だった。
……だが、目の前の光景にブレイドは驚愕する。
カードは突き刺さったまま、封印しようとはしなかった。
それどころか、アンデッドの体内に瞬時にカードが吸い込まれていったのだ。
( ; OwO)「カードが……!何で封印出来ないんだお!?」
アンデッドを、改めて注視した。
姿形は間違いなくアンデッドだが……開けたバックルは、アンデッド特有のバックルではなかった。
まるで、人工的に作られたかのような、青みがかったバックルが機械的に開いていただけ。
カードを吸収すると、開いていたバックルはすぐに閉じられた。
そして……何事もなかったかのように、アンデッドは再び立ち上がった。
( ; OwO)「!?!?僕の攻撃が効いてない…こいつ、アンデッドじゃないのかお…!?」
驚くブレイドを他所に、アンデッドはゆっくりと手を前に翳し、ブレイドを指差す。
237
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:04:18 ID:V/3dKv7c0
、, ,
( D ゚皿゚)『剣藤ホライゾン……オ前ヲ捕獲スル』
( ; OwO)「お前は何なんだお!何で僕を…ッ!?」
、, ,
( D ゚皿゚)『オ前ハ……』
、, ,
( D ゚皿゚)『―――オ前ハ、許サレナイ。許サレテハイケナイ』
238
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:04:57 ID:V/3dKv7c0
( ; OwO)「何……?どういう意味だお!?」
、, ,
( D ゚皿゚)『ウウヴヴゥ"ゥ"ゥッ!!』
唸り声を上げ、再びアンデッドがブレイドに迫った。
先程食らわせた必殺技など、全く効き目がないかのように。素早く。
体に無理を言わせ、必殺技まで用いた。
流石にこれ以上は、体の限界。成す術がない。
( ; OwO)「これは、マジでやばいお…!」
、, ,
( D ゚皿゚)『ブレイド、捕獲スル――!!』
突如、アンデッドの右手に纏う雷。
まるで、さっきまで雷の力を用いていたブレイドの真似をするように、
雷を纏った右腕をブレイドに向け伸長し、蓄えた雷を放出しようとした。
しかし、それは放たれる前に阻止された。
、, ,
( D ゚皿゚)『!?』
銃声音と共にアンデッドの体に被弾し、火花を散らせる銃弾。
ブレイドのもとへと駆け付けた、ギャレンによるものだった。
( OMO)「剣藤!大丈夫か!?」
( ; OwO)「モララーさん…!」
239
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:05:39 ID:V/3dKv7c0
駆け付けたギャレンは、蹲るブレイドを庇うように前に立った。
ギャレンラウザーをアンデッドに向けながら、警戒する。
( OMO)「お前の目的は何だ?何故剣藤を捕えようとする!?」
ギャレンがアンデッドに問い質す。
アンデッドがギャレンを視認した途端……右腕に纏った雷が、消失した。
ゆっくりと右腕を下ろしていく、そして。
、, ,
( D ゚皿゚)『――ギャレン、オ前デハナイ』
アンデッドは、戦闘態勢を解いた。
ついさっきギャレンの前に現れた時も、襲い掛かる事なく消えた。
しかも今は、目の前に立ち塞がるギャレンに対して、説得しているようだった。
( OMO)「黙れ!お前の目的が何であれ、俺の仲間を傷つける奴は許さない!」
、, ,
( D ゚皿゚)『………』
説得を拒み、戦う意思を示す。
アンデッドはそれ以上言葉を発する事はなかった。
すると、アンデッドのバックルからスライムのような液体が発生。
アンデッドの全身が液体に包み込まれる…次の瞬間、アンデッドは崩れるように液体化。
( ; OwO)「!?」
( OMO)「なんだ!?」
ドロドロと地面に溶け出し、バックルを残してアンデッドは消失。
バックルもまた、フッ…と消えてなくなってしまった。
240
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:06:33 ID:V/3dKv7c0
( OMO)「逃げたのか…?」
すぐに消えた場所に近付き、辺りの様子を探るが、気配はない。
いなくなった事を確認すると、二人は変身を解除。
( ; ^ω^)「うっ…!」
( ・∀・)「剣藤!」
変身を解いた瞬間、モララーはブーンのもとに駆け寄り、地に倒れそうになる所をすかさず支える。
( ; ^ω^)「モララーさん、すみません…迷惑ばっかりかけて…」
( ・∀・)「いいんだ、気にするな。でも今日は大人しく家に戻ってくれ。
そんな体で動き回れないだろ?今のままではアンデッドとも戦えない」
( ; ^ω^)「………はい」
それでもクーを……と言いそうになったが、堪えた。
確かに、回復し切ってない体は限界だった。
自分の失態でモララーの力を借りてばかりでは、迷惑をかける。
大人しく、彼の指示に従った。
モララーの支えで立ち上がり、ブルースペイダーの下まで歩く。
( ^ω^)「さっきのアンデッド、一体何だったんだ……」
( ・∀・)「……さっきのアンデッド、アンデッドサーチャーに反応がなかった」
( ^ω^)「え…!?」
241
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:07:13 ID:V/3dKv7c0
モララーはアンデッドの後を追い、此処に到着した。
既に弱っていたブレイドを見れば、アンデッドが積極的に攻撃を行っていた事は火を見るよりも明らかだった。
それだけの戦闘が行われていれば、サーチャーに反応があるはず。
それが、一切なかった。
( ^ω^)「……あいつ、封印できなかったお」
( ・∀・)「何?」
( ^ω^)「カードの力を使って何とか戦いました、確かに必殺技を当てたはずなんです。
あのバックルが開いたから、封印できると思ってカードを投げたら…」
( ^ω^)「カードが、アンデッドの体の中に吸い込まれたんですお!」
( ・∀・)「封印できないアンデッド…」
( ^ω^)「でも、そのバックルもアンデッドのバックルじゃなかった。人工的というか、何というか……」
( ・∀・)「……そもそもアンデッドではない、ということか?」
( ^ω^)「正直そう思いましたお。だって、サーチャーに反応ないなんておかしいですお!
でも、アンデッドか否かの材料がなさ過ぎて、謎ですお…」
( ・∀・)「そうだな……」
アンデッドではないかもしれない"何か"の存在。
それは、アンデッドという不気味な存在以上に、より不気味に感じさせる。
242
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:07:41 ID:V/3dKv7c0
( ^ω^)「ところで、何でモララーさんはサーチャーの反応がないのに此処が?」
( ・∀・)「あのアンデッドが先に俺の前に現れたんだ。そして、お前ではない…と言われた」
( ・∀・)「剣藤を捕獲すると言って、剣藤が向かった方向に走っていったんだ。だから後を追えた」
( ^ω^)「そうなんですかお……何で僕を……あのアンデッドに、許されないって言われましたお」
( ・∀・)「許されない…?」
( ^ω^)「はい…」
( ・∀・)「……とにかく、俺と一緒に家に戻るんだ。あのアンデッドは剣藤を狙ってる、また何かあったら危ない」
( ^ω^)「分かりましたお…」
話を聞けば聞く程、謎が深まるばかり。
何故、ブーンを狙うのか。許されないとは何なのか。
そして何故、モララーには攻撃をしないのか。
そもそもあのアンデッドの正体は何なのか。
命を狙われているかもしれない――ブーンは、不安に駆られた。
二人はメットを被り、それぞれのバイクに乗車する。
疑問を残したままブーンの家へと戻っていった。
243
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:08:06 ID:V/3dKv7c0
―――――。
.
244
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:09:05 ID:V/3dKv7c0
ブーン達が未知なる敵に遭遇していた頃。
モナーがアジトとしている歓楽街にあるビルの、とある一室にて。
川 - -)「………」
川 ゚ -゚)「――はっ!」
モナーの手によって攫われていたクー。
意識を失っていたが、目を覚ました。
しかし、手首が背中の後ろで縛られていて、思うように動けない。
上体を起こして、すぐに周囲を見渡す。
意識を失う前、最後に何があったかは覚えている。
カテゴリーQを封印した後…カテゴリーK、それが操るカテゴリー10にしてやられた。
そして、その張本人達が……目の前にいた。
( ´∀`)「ぐっすり寝られたかい?」
川 ゚ -゚)「貴様…!」
モナーは、椅子に座りながらスマホを片手にアプリゲームを嗜んでいる。
意識が戻った事に気付くが、画面から目を離しはしなかった。
クーはすぐに立ち上がり、カリスに変身しようとした。
カードさえ使えれば、この手首も力ずくで引き千切れる――。
だが、
( ´∀`)「無駄だよ」
そう言って、片手間でカードを見せつける。
クーが意識を失っている間に奪った、"♥A CHANGE"のカードを。
245
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:09:44 ID:V/3dKv7c0
川 ゚ -゚)「……!!」
『ヌウ………』
カリスのカードを目にしたクーは、目を見開き戸惑いの色を見せた。
スカラベアンデッドが、クーの前に立ちはだかる。
クーが暴れた時に対処させる為だろう。
川 ゚ -゚)「……そうか、あくまで有利に立ちたいということか」
( ´∀`)「勘違いしないで、僕は別に戦いたい訳じゃないんだ。
それに無暗に暴れると、お友達のみんなが助けに来ちゃうからね」
( ´∀`)「ただ、君にお願いがあるんだよ」
川 ゚ -゚)「何だと?」
( ´∀`)「お願いは、たったのひとつ!すごく簡単なことさ――」
( ´∀`)「――見せてくれよ、君の"本来の姿"を。ジョーカーの姿をね」
246
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:10:42 ID:V/3dKv7c0
川 ゚ -゚)「……」
( ´∀`)「見たいんだよ、君の姿を。そんな仮初の姿になんて興味ない。
無差別に攻撃して、全てを滅茶苦茶にする…あの素晴らしい君をもう一度この世界で見たいんだよ!」
( ´∀`)「そうすれば……フフフ、面白いことになるじゃないか」
川 ゚ -゚)「それが、貴様が言っていた計画とやらか?くだらない」
( ´∀`)「フン、何とでも言えよ。僕から言わせれば君達の方がくだらないね」
椅子から立ち上がり、ブルーシートに覆われた窓の下へと歩く。
シートを指先で軽く捲って、外の景色を覗く。
捲った隙間から、太陽の光が少しだけ差し込みモナーの目を照らす。
照らされたモナーの目は、虚ろな目をしていた。
( ´∀`)「君ら、この時代でも馬鹿みたいに戦おうとしてるけど…このバトルファイトを信用してるの?」
川 ゚ -゚)「そんな事は関係ない。アンデッドとして選ばれた以上、戦いは必然だ」
( ´∀`)「やれやれ……だから馬鹿だって言ってるんだよ。
僕から言わせれば、君も、レンゲルなんか作ったクジャク野郎もその他の連中も、みんな馬鹿さ」
窓から外を見下ろす。
地上では、様々な人間が行き交っていた。
スーツを着たサラリーマン。買い出し中の主婦。荷物を運ぶ業者。チャラチャラした若者――。
人間が支配するこの世界で、様々な人間が何も知らずに暮らしている。
連中を冷たい目で見下ろすモナー。
ブルーシートから指を離し、部屋に差し込む光を遮断した。
( ´∀`)「人間が支配した世界、この時代に僕達は解き放たれた。
この世界で、アンデッド同士がまた戦いを始めた……」
( ´∀`)「……で、どうなった?」
川 ゚ -゚)「何が言いたい?」
247
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:11:13 ID:V/3dKv7c0
( ´∀`)「この世界でアンデッド同士が戦い、血を流し、どうなったのかって言ってるんだよ。
アンデッド同士の戦いは勝者が勝ち残り、敗者は統制者によって封印されてきたはずだ」
( ´∀`)「……この時代で、それが起きてきた??普通じゃないんだよこの戦いは、何かが起きてる」
川 ゚ -゚)「…それがどうした」
( ´∀`)「ハハハ…ま、君は戦闘狂だもんね。こんな事言っても無駄か」
スカラベアンデッドを押し退け、クーの目の前に腰を下ろす。
クーを見ては不敵に笑みを浮かべるが…その表情は、すぐに殺意に満ち溢れた表情になった。
( ゚∀゚ )「滅茶苦茶にしたいんだよ…!この戦いも、世界も、全部全部何もかも滅茶苦茶に…!!」
川 ゚ -゚)「滅茶苦茶に…だと?」
( ´∀`)「僕達が戦っても意味のない戦い…外を覗けば、人間共が何も知らずのうのうと暮らしてる。
馬鹿馬鹿しいじゃないか、戦っても報われやしないのに、僕達だけが戦いの運命を背負っているなんて」
川 ゚ -゚)「なら、貴様も♣のカテゴリーKと同じように人間として生きればよかっただろう」
( ´∀`)「それは無理な話でしょ、アンデッドである以上はね。
その答えは……僕より君の方が分かってるんじゃないの??」
川 ゚ -゚)「……」
( ´∀`)「だからブチ壊してやるんだよ…ジョーカー、その力があればこんな世界あっという破壊できる!
キレイは汚い、汚いはキレイ……全部全部、何もかもブチ壊してやるのさ!!」
( ´∀`)「その方が、面白いだろ…!?」
モナーは以前から、戦いを滅茶苦茶にしたいと常々口にしてきた。
その理由は、彼曰く…"この戦いに意味がない"からだった。
距離を置いたところで避けられない戦い。
運命からは逃れられない。
なら……運命ごと滅茶苦茶に破壊してやればいい。
それが、モナーの目的だった。
248
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:11:48 ID:V/3dKv7c0
川 ゚ -゚)「……貴様の話は概ね理解した」
( ´∀`)「本当に?嬉しいなぁ。じゃあ、君の本当の姿を――」
川 ゚ -゚)「だが、貴様のくだらん趣に沿ってやる筋合いはない。
せいぜいアンデッドとしての使命に怯えながら、この私に封印される時を待つんだな…!」
( ´∀`)「………ククク」
両膝を着きながら、クーは上目遣い気味に睨みながら挑発。
挑発的な言葉に、モナーは口元だけ笑みを見せた。
「あー、焦れってぇな…!」
すると、男の声と共に扉が開かれる。
コツ、コツと床を叩く靴の音。暗闇から出てきた人影。
その姿は徐々に明らかになり、クーの視界に明確に映り込んだ。
('A`)「さっさと痛めつけて、力づくでジョーカーにさせればいいだろ?」
その正体は、ドクオだった。
クーが最後にドクオを見た記憶では、気弱で地味な印象だったが…。
しかし、今目の前に立っているドクオは、まるで変わっていた。
上下共に黒の、ダブルのライダースジャケットに細身のパンツ。黒いレザーシューズ。
ジャケットの中には白いタンクトップ。
耳や指、首元には、蜘蛛や蜘蛛の巣のアクセサリーが身につけられていた。
怠そうに部屋の中にやってきては、クーを見下ろしながらモナーに話しかけている。
249
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:12:20 ID:V/3dKv7c0
川 ゚ -゚)「貴様……あの男の友人ではなかったのか」
('A`)「ああ、ブーンのことか?そうだったな、"前までは"な」
川 ゚ -゚)「…どうやら、心境の変化があったみたいだな?」
('A`)「そう深く聞こうとしないでくれよ、俺だって心が痛いんだ」
川 ゚ -゚)「馬鹿な事を…」
('A`)「おい、早くジョーカーの姿にさせろよ。お前が面白いものを見せてやるって此処に呼んだんだろ?」
( ´∀`)「まぁまぁ焦らないで、それじゃ面白くないじゃないか。
それに…痛めつける程度じゃ彼女はジョーカーにはならないよ」
('A`)「何…!?話が違うじゃねぇか!」
( ´∀`)「おいおい、逸るなって。こういうのは時間をかけるもんさ」
(#'A`)「ジョーカーを封印して、そのカードを俺に渡すって約束だろ!?」
( ´∀`)「だから、今やってるだろ?約束は破ってないはずだけど」
(#'A`)「ふざけんな!お前の遊びになんか付き合ってられるか!!
もういい、俺にも用事があるんでな。帰らせてもらうぜ」
いがみ合いの後、ドクオは怒りのまま部屋を出て行ってしまった。
二人の間でどんなやりとりがあったかは知る由もないが、意見の相違があったようだ。
( ´∀`)「……あーあ、やだやだ。これだからアンデッドに飲まれた奴は嫌だよ」
( ´∀`)「ま、いいや。それより……ジョーカーになる気はないんだね?」
川 ゚ -゚)「二度も言わせるな」
250
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:12:46 ID:V/3dKv7c0
( ´∀`)「そっか……じゃあ、仕方がない」
モナーは腰を上げ、クーを見下ろす。
そして、横にいるアンデッドに名を下した。
( ´∀`)「止めろ」
『―――!』
クーの時間が止まる。
モナーは、クーを蹴り上げる構えを取った。
( ´∀`)「動かせ」
クーの時間が動いた瞬間、モナーは側頭部に思いきり蹴りを叩き込んだ。
川 ;゚ -゚)「うっ…!」
蹴られた衝撃で、床に倒れてしまう。
すると、弱った隙を見てモナーがクーに向け手を伸ばす。
伸ばした瞬間――クーの懐から、カードが一枚浮遊。
それは、モナーの手に渡った。
( ´∀`)「……はい、カードもう一枚っと」
手にしたカードを見せつける。
今度は、"♥8 REFLECT"――モスの封印されたカードだった。
251
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:13:21 ID:V/3dKv7c0
( ´∀`)「どうしてあの戦闘狂が自我を抑え込めてたのか、理由は分かってるよ。
君が封印してきたこのアンデッド達の力によるものだろ?」
川 ;゚ -゚)「……」
( ´∀`)「カテゴリー2…そいつが一番その力が強いみたいだけど、最後まで取っといてあげるよ。
カテゴリーAとカテゴリー8、この二枚がその次に強いみたいだからね」
( ´∀`)「クククク……さぁジョーカー、ゲームを楽しもうよ。
僕が君の我慢強さに耐えかねて先に降参するか、それとも――」
( ´∀`)「――君が、ジョーカーとしての姿を見せるのが先か」
川 ;゚ -゚)「貴様……!」
床に転がりながら、モナーを睨みつけるクー。
彼女に、僅かな焦りが見え始めた。
それが手に取るように分かったモナーは、両手を広げ楽しそうに声を上げて笑った。
( ´∀`)「アハハハハ!さぁ、ゲームの始まりだ……!!」
―――――。
252
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:13:55 ID:V/3dKv7c0
―――――。
.
253
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:14:29 ID:V/3dKv7c0
――ブーンを家に送り届けたモララーは、一人ドクオ探しを続けていた。
探すと言っても、まったく宛てはない。
もう心当たりのある場所は、全て回ってしまった。
思いのままに、レッドランバスを走らせているだけ。
それに、あまり遠くに行きすぎてもブーンの事が心配だった。
また、いつあの正体不明のアンデッドが現れるかもしれない。
( ・∀・)(こんな時にドクオの手があれば心強いんだがな…)
モララー一人では、なかなか手の負えない状況。
ドクオを探しつつ、その存在の重要性を改めて噛みしめていた。
.
254
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:15:02 ID:V/3dKv7c0
ブーンに比べればダメージが少ないとは言え、モララーもアンデッドとの戦いを済ませたばかり。
まだ体調的には、快癒とは言えない調子だった。
走り疲れたのか、モララーは見掛けたコンビニに立ち寄る。
コンビニで小さいボトルの水を購入し、水分補給。少しばかりの休憩を挟んだ。
淡い期待を込めてスマホを見ても、何の通知もない。
( ・∀・)(……さ、行くか)
長居もしてられない。
水を一気に飲み干し、ゴミを捨てると気を入れ直す。
レッドランバスのもとまで歩き、メットを手に取ろうとした。
その時だった。
( ・∀・)「……ん?」
メットに付着している、小さな虫。
虫を払い退けようとしたが……違和感を感じる。
その虫は、金色の蜘蛛。
よく見てみると、蜘蛛の体には……♣のマークが刻印されていた。
( ・∀・)「これは…カテゴリーAの…!!」
この蜘蛛には見覚えがある。
過去、府坂に操られて♣のカテゴリーAを追っていた時に散々目にしていたからだ。
255
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:15:33 ID:V/3dKv7c0
メットの上の蜘蛛は、モララーのグローブをした左手に移動する。
蜘蛛がモララーに触れた瞬間――頭の中で、明確にある場所が浮かんできた。
それは、見た事のない場所。
一見、クラブにも見える外観だが……何故か、そこに至る道も分かる。
( ・∀・)「まさか…!?」
蜘蛛が頭の中に流し込んでくるこの場所。
もしかしたら、此処にドクオがいるのかもしれない…。
いや、寧ろドクオが、呼んでいるのかもしれない。
( ・∀・)「とやかく言ってられない、早く行かなくては…!」
今は、信じるしかなかった。
急いでレッドランバスに乗車すると、モララーはこの場所に向かって走った。
―――――。
256
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:15:59 ID:V/3dKv7c0
―――――
―――
―
レッドランバスを走らせて数十分。
蜘蛛が掲示する場所にモララーは到着した。
まだ開店前の、華やかな外装をしたクラブ。全く縁のない場所だ。
店の前に停車し、降車。
メットを外し店舗を確認する。
……間違いない、蜘蛛が導いた場所と同じだ。
( ・∀・)「…本当にこんな所にいるのか?」
そもそも、勝手に入っていいのか。
もしミスリードであれば、それはそれで面倒な事になりそうだ。
しかし、今はドクオに繋がる点と点を繋げていく必要がある。
腹を括り、内部の見えない重厚感のある扉に手を掛け開いた。
店内に入ると、派手な色のライトが煌々と店内をライトアップしていた。
音のしない店内を慎重に歩き進めると、広々とした空間に出た。
酒を楽しむ所だろうか…アルコールやグラスが並べられたカウンターがある。
( ・∀・)「ドクオ!いるのか!?」
モララーの声が空間に響き渡る。
すると、カウンターの奥から、一人の男が姿を現した。
257
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:16:35 ID:V/3dKv7c0
('A`)「――いらっしゃい、モララーさん」
( ・∀・)「ドクオ…!!」
それは、紛れもなくドクオだった。
探し続けていたドクオにようやく会えた事で、モララーは一気に力が抜けるのを感じた。
ドクオの元に駆け寄り、肩に手をポンと乗せる。
( ・∀・)「こんな所で何をしているんだ…!心配していたんだぞ?」
('A`)「……着いてきてください」
肩に置かれた手をパシッと払い除け、愛想悪く言い放つ。
隅に配置されたテーブルの下へ移動すると、ソファに腰を掛けた。
ドクオとの温度差に違和感を感じながらも、モララーは素直にドクオに座るテーブルのもとへと移動する。
('A`)「どうぞ座ってください」
( ・∀・)「待て、その前に…何で此処にいるんだ?」
('A`)「此処は今の俺の住処ですよ、ちょっと挨拶したらすぐに譲ってくれました。
だから好きなように出入りしていいんです」
( ・∀・)「挨拶だと…?……お前、何をした」
('A`)「いいじゃないですか、細かいことは。そんな事より…」
ドクオはポケットからトランプを取り出す。
テーブルの上に裏向きに置くと、それを横にスライドさせ起用に並べ広げる。
端のカードを掬い上げるように表へ返すと、ドミノ倒しのように全てのカードが表へと返されていく。
そして、カードの中から、数字の7のカードを四枚抜き出し、縦に並べた。
('A`)「七並べしませんか?」
258
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:17:04 ID:V/3dKv7c0
( ・∀・)「は…?」
('A`)「やったことないですか?面白いですよ」
カードを再び纏め上げ、シャッフルする。
デッキを二つに分けて、一つをモララーの前に置いた。
('A`)「7を中心に、カードを配置していくゲームです」
ルールを説明しながら、ドクオは7に隣接するカードを配置していく。
( ・∀・)「そんなことより、此処で何をしているんだ…?」
('A`)「52枚のカードをこうやって順に並べていくんですよ。どのカードも、置く場所は一ヶ所だけ……」
( ・∀・)「……おい」
モララーの言葉を無視して、一人でひたすらカードを並べていくドクオ。
ドクオが何をしたいのか分からず困惑するが…。
困惑より、こちらの話も聞かず一人で七並べを進めていく姿に、不気味さも感じていた。
ドクオはまた一枚のカードを選択すると、それを置かずに自身の顔の横に翳す。
('A`)「でも、このカードだけは……どこにでも置くことができます」
そう言って、カードを置いた。
そのカードは―――、
259
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:17:28 ID:V/3dKv7c0
( ・∀・)「ジョーカー?」
置かれたのは、ジョーカーのカード。
ドクオは手札をテーブルの上に置くと、ソファの背もたれに背を預け、腕を組んだ。
('A`)「知ってますか?モララーさん、愛川クーの正体を」
( ・∀・)「愛川クーだと?………まさか」
ドクオの出したヒント。それを理解するまで、時間はかからなかった。
七並べにおいて、ジョーカーはどこでも配置する事が出来る。
つまり、どの数字の代わりにもなれるカードだ。
ドクオは再びジョーカーのカードを手に取ると、それをモララーに見せつけた。
('A`)「そう……ジョーカーがどのカードの代わりにもなるように、どのアンデッドの姿にもなれるアンデッドがいます」
( ・∀・)「それが、愛川クーの正体か……」
('A`)「そうです。奴の正体はジョーカー……忌み嫌われる、53番目の存在」
( ・∀・)「何故それをお前が知っている?」
('A`)「カテゴリーAが教えてくれたんですよ、あいつは危険な存在だって。
とにかくこれで分かったでしょ、愛川クーの存在が」
('A`)「ジョーカーの手によって封印されたカードは、そのままジョーカーの力になる。
放っておけば全てのアンデッドの力を統べて、最悪のアンデッドになるでしょうね」
( ・∀・)「最悪の、敵……」
260
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:17:54 ID:V/3dKv7c0
('A`)「ご安心を、その前にジョーカーは俺の力になる」
ジョーカーのカードを破り捨て、紙屑となったカードを放り投げた。
ソファから立ち上がると、そのままモララーを置き去りに店を後にしようとした。
( ・∀・)「待てドクオ!お前、カテゴリーAとはどうなった?」
('A`)「ああ……お陰様で、今のあいつと俺は一心同体ですよ。前よりお互いをコントロール出来て、心地が良い」
( ・∀・)「何…!?」
('A`)「あのヒッキーとかいう奴のお陰ですよ、こいつのお陰で俺はカテゴリーAと一つになれた…」
('A`)「感謝してますよ、こいつにはね」
ヒッキーが封印されたカテゴリーK――"♣K EVOLUTION"のカードを見せつける。
( ; ・∀・)「……」
言葉が出ない。
ヒッキーが自分を犠牲にしてまで取った"危険な賭け"は、外れてしまった…。
そして、ドクオがカテゴリーAに取り込まれる最悪の事態へと繋いでしまった。
( ; ・∀・)「待て!」
茫然とするモララーを他所に、ドクオは再び歩き始める。
モララーは反射的に立ち上がると、走ってドクオに追いつき後ろから肩を掴んだ。
261
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:18:42 ID:V/3dKv7c0
('A`)「離せッ!」
強引にモララーの手を振り解く。
振り向き、モララーに対し鋭い眼つきで睨みをきかせた。
('A`)「カテゴリーQを封印してジャックフォームを手に入れたそうですね?よかったですね、力を得られて」
('A`)「その力を使って、俺と戦いますか?」
( ・∀・)「ドクオ……!」
('A`)「今の俺に迷いはない。モララーさん、貴方よりも…そしてブーンよりも強い!」
レンゲルバックルを取り出し、モララーに見せつける。
装着こそしなかったが…これは、ドクオなりの戦う意思表明だった。
(#'A`)「最強のライダーは、この俺だ…!」
( ; ・∀・)「ぐっ…!?」
バックルをしまうと、ドクオはモララーの頬を右拳で殴った。
手を出されるとは思っておらず、殴られた衝撃で倒れそうになった。
ドクオはそんなモララーを見もせず、今度こそ店を出てしまう。
取り残されたモララーは、ドクオの後を追うことも、引き留める事も出来なかった。
( ・∀・)「ドクオ……クソ!」
悔やんでも悔やみきれない。
あの時、ヒッキーを止めれていたら…もっと無理矢理にでも寄り添っていれば…。
たらればが、無限に脳内に湧き出てくる。
口の中に滲む鉄の味が、悔しさをより実感させた。
262
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:19:09 ID:V/3dKv7c0
―――――。
.
263
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:19:40 ID:V/3dKv7c0
その日の夜。
あの後、ブーンの家に戻ったモララーはブーン達に全てを話した。
ドクオの事、そしてクーの正体の事。
全員がテーブルを囲うようにソファに座り、モララーの話にのめり込んでいた。
( ・∀・)「……ドクオについては、そんな感じだ」
_
( ゚∀゚)「あの野郎…!」
ξ゚⊿゚)ξ「結局、ヒッキーさんの犠牲は無駄になってしまったのね…」
( ・∀・)「そういう事になる。ヒッキーは、カテゴリーAに負けてしまった…」
( ^ω^)「……」
ツンもジョルジュも、ドクオの状況にショックを受けている。
それ以上に、ブーンは言葉も発せぬ程、酷く落ち込んでいた。
親友であるドクオが闇に飲まれてしまった上に、職場の可愛がってた後輩をただ失ってしまった。
ドクオとモララー、三人で共闘したちょっと前を思い出す。
あの頃、もう仲間同士で争う事なんて無いと思ってた…ずっとこれが続けばいいと思ってたのに。
あの時の平和は、あっという間に崩れてしまった。
ブーンの落ち込みを見かねたツンは、隣に寄り添いそっと肩に手を置いた。
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン……」
( ^ω^)「……大丈夫だお。どの道、ドクオがクーを狙ってるなら止めないと…」
264
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:20:11 ID:V/3dKv7c0
( ・∀・)「それと、ドクオがジョーカーについて教えてくれた事がある」
_
( ゚∀゚)「ジョーカーについて?」
( ・∀・)「ジョーカーは、封印したアンデッドの姿と力を使うことができる特殊な個体らしい。
そして……愛川クーはその能力を保有している」
ブーンには、この話に心当たりがあった。
カリスに変身する時は勿論だが、ミルナと対峙してカリスのカードを奪われた時だ。
あの時、クーはモスの姿に変身しミルナと戦っていた…。
ブーンはその場でそれについて問い質したが、クーは答えようとはしなかった。
( ^ω^)「確かにクーはカードを使って、カリスだけじゃなくて別のアンデッドに変身してた…」
( ・∀・)「それこそ奴がジョーカーである証拠だ。そして、愛川クーの姿になる時もカードを使っている。
あの人間の姿も、カリスの姿も、全て仮の姿だ」
( ・∀・)「愛川クーの正体は、53番目のアンデッド・ジョーカー。アンデッドからも"忌み嫌われる"存在」
( ^ω^)「"忌み嫌われる"存在…カテゴリーQも同じ事言ってました。
それにカテゴリーKも言ってた…クーの真の姿を、恐ろしさを、絶望を見せてやる、って…」
ξ゚⊿゚)ξ「クーさんの真の姿……てことは、あのクーさんの姿って…!」
_
( ゚∀゚)「あの姿も、本来はアンデッドって事か…!?あのカードには、人間が封印されてるって事かよ…!」
ゾッとした。まさか、人間のアンデッドがいただなんて。
アンデッドが戦う理由を考えれば、一万年前の戦いで人間のアンデッドが勝ち残ったとすると、人間のアンデッドがいた事にも筋は通る。
ただ、ジョルジュ達も人間だ。
人間がクーに封印され、その姿を利用している事を考えると…少し、恐ろしくも感じた。
( ^ω^)「それはそれだお、確かに人間が封印されてるかもしれないけど…。
アンデッドという存在が誕生した事までは、僕らではどうする事も出来ない。雲の上のような話だお」
( ^ω^)「それに、クーが封印したとも限らないし、あの姿が仮の姿であれクーは――」
265
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:20:44 ID:V/3dKv7c0
( ・∀・)「剣藤」
ブーンの話を、やや強めの語気でモララーが遮った。
( ・∀・)「言いたい事は理解できる、ただ…ジョーカーという存在が人間にとって危険かもしれない可能性があるんだ」
( ・∀・)「酷く残酷な事かもしれない、信じたいかもしれない…だが、彼女はあくまでアンデッドだ。
カテゴリーKも言っていたんだろう、ジョーカーの真の恐ろしさを、絶望を見せてやる…と」
( ・∀・)「今は良くても、いつかは戦わないといけない。何の為にか…君は忘れてはないだろう?」
( ・∀・)「そう……人間の為に、この世界の平和の為に。だ」
モララーの言う事に間違いはない。
仮面ライダーは、アンデッドを封印する為に作られた。
元を言えば、不測の事態に備えてのもの。
人間を守る為とは言っているが、悪く言えばBOARDの失態の尻拭いだ。
しかし、ライダーとして戦う事は、すなわち人間の平和を保つ為に行っている事。
だからこそ、BOARD亡き後の仮面ライダーは、人間を守る為のものであらねばならない。
モララーは、先の診療所での戦いでそれをより強く感じていた。
人を守る為に戦う事が、仮面ライダーとしての役目だと。
正論に、ブーンは言葉を返す事が出来ない。
266
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:21:30 ID:V/3dKv7c0
( ^ω^)
分かってる。
そんな事は分かってる、百も承知なんだ。
人間を守る為に、人を愛しているからこそ戦う道を選んだのだから。
でも、でも……その人間を、クーは愛してるじゃないか。
あまねちゃんやショボンさん、でぃちゃんを、愛してるじゃないか。
クーは身を挺して護ってきたじゃないか。
あまねちゃんがアンデッドによって命を奪われそうになった時、クーは真っ先に動いた。
ショボンさんとあまねちゃんが攫われた時、クーはすぐに助けに向かった。
ショボンさんがミルナに攫われた時も、カリスとして戦えないのに…助けに向かったじゃないか。
それに、人間を襲った事なんてなかったじゃないか。
そんなクーを、ジョーカーだからという理由で…!
じゃあ、ドクオの為に犠牲になったヒッキーは封印されるべきだったのか?
でぃちゃんを守ったモスは、封印されるべきだったのか?
ジョーカーじゃない、というだけで許されるのであれば、そんなものは差別だ。
自分達の理解が及ぶ範囲内で、安全か否かを決めつけているだけだ。
戦いを嫌うアンデッドがいる事を知るからこそ、そんなのは浅はかだ。
でも……多くの人間の平和の為には、なるのかもしれない。
.
267
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:22:22 ID:V/3dKv7c0
言葉を詰まらせる。
頭と心の中で、ブーンは酷く葛藤した。
人間を守るという理性と、クーを信じたい本音の狭間で、大きく揺れ動く。
( ・∀・)「とにかく、愛川クーの行方を探すのは一旦止めておいた方がいい。
今は体が回復するのを待って、それからでも遅くはない」
( ・∀・)「人間の平和の為だ……心を鬼にしてくれ、剣藤」
( ω )「……ッ!」
ξ゚⊿゚)ξ「あっ、ブーン!?」
ブーンがリビングを飛び出して、自分の部屋へと戻ってしまう。
結局、モララーに言葉を返さなかったが、衝動的に部屋を飛び出した事が答えなのだろう。
それしか、溢れ出る自分を制御出来る方法が見当たらなかった。
…人間の平和の為に、心を鬼にするという答えの為に。
残されたツンとジョルジュは心配そうにブーンの影を見つめる。
モララーだけは目で追う事なく、複雑な表情だった。
険悪な空気が、リビングに重苦しく流れる。
ξ゚⊿゚)ξ「モララーさん…ブーンはきっと、モララーさんの言った事を全て理解してるわ。
でも、それ以上に自分の目で見てきた事や感じた事があるのよ…」
( ・∀・)「俺もそう思うよ、ただ…俺達は仮面ライダーなんだ。
アンデッドが存在する以上、いつかは戦う未来が待っている」
( ・∀・)「人間を守る為に戦うのなら、この悲しみは乗り越えないといけない」
ξ゚⊿゚)ξ「……人間って、そんなに器用じゃないと思う」
( ・∀・)「そうかもしれないな…」
_
( ゚∀゚)「……」
268
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:23:20 ID:V/3dKv7c0
―――――。
.
269
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:23:52 ID:V/3dKv7c0
暗い夜が明ける。
外は太陽の光で明るく照らされ、闇が端に追いやられていた。
ブーン家の朝の食卓には、食パン、ベーコンエッグにサラダ、ポトフといった洋風の朝食が四人分並べられていた。
しかし、着席して食事をしているのは、ブーンを除いた三人。
あれからブーンが部屋から出てくる事はなく、ブーンの家では未だ重苦しい空気が漂う。
朝の食卓に呼んでも、"食べたくない"の一点張りだった。
モララーはしっかりと朝食を食べ進めていたが、ツンとジョルジュは箸の動きが鈍っていた。
ξ゚⊿゚)ξ「……」
( ・∀・)「そうだ、この後ちょっとBOARDに行ってくるよ」
ξ゚⊿゚)ξ「BOARDに?何しに行くの?」
( ・∀・)「ジョーカーについて調べようかと思ってるんだ。
ツンもBOARDから持ち出したデータにジョーカーのデータなんてなかっただろ?」
ξ゚⊿゚)ξ「うん…全部コピーしたのよ?なのに…」
( ・∀・)「恐らくコピーし損ねたか、本当にないのか、もしくは…厳重に管理されているか。
BOARDである俺達でさえ知らないアンデッドの情報なんて、怪しいからね」
ξ゚⊿゚)ξ「確かに、私達が知らないアンデッドの情報があるのは変よね…疑いたくはないけど。
でも、今更あそこに調べられそうな設備が整ってるかしら…」
( ・∀・)「どうだろうね、分からないけど行ってみるよ。
もし出来れば、所長達にもジョーカーについて聞いてみてくれ」
ξ゚⊿゚)ξ「…了解」
270
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:24:25 ID:V/3dKv7c0
( ・∀・)「ごちそうさま」
自分の分のご飯を全て平らげ、水を飲み干し、手を合わせる。
席を立ち、自分の分のお皿を台所へと運ぶ。
蛇口から水をひねり出し、お皿を洗い始めた。
( ・∀・)「剣藤の事、頼むよ」
ξ゚⊿゚)ξ「うん、お腹空いて降りてきてくれるといいけど…」
( ・∀・)「それか、俺が剣藤の部屋までご飯持って――」
_
( ゚∀゚)「ブーンの事は俺達に任せて、モララーさんは行ってこいよ」
口数が減っていたジョルジュが、モララーの言葉を遮る。
ジョルジュは完全に箸を置き、食べ進めようともしていない。
機嫌が良いのか悪いのか、よく分からない顔色だ。
いつもの様子とは違うのは、ツンもモララーも察した。
( ・∀・)「……分かった、お願いするよ」
お皿を洗い終えたモララーは、ジョルジュの提案に大人しく首を縦に振る。
ノートPC等が入ったリュックを手に取ると、リビングを出て外へと出て行った。
玄関の閉じる音がすると、見計らっていたかのようにツンがジョルジュに話しかける。
ξ゚⊿゚)ξ「あんた、どうしたの?昨日から口数少ないけど」
271
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:25:01 ID:V/3dKv7c0
_
( ゚∀゚)「別に」
ξ゚⊿゚)ξ「別に、って…ご飯もろくに食べてないじゃない」
_
( ゚∀゚)「お前だって食べてないだろ?」
ξ゚⊿゚)ξ「え……まぁ……」
ジョルジュは腕を組み、背凭れに体をだらしなく預ける。
そして、上の方を見上げながら深く溜息を吐いた。
_
( ゚∀゚)「……難しいよな、色々と」
ξ゚⊿゚)ξ「色々?」
_
( ゚∀゚)「ああ、俺達はアンデッドを封印する為にがむしゃらにやってきただろ?
なのに……今になって、アンデッドにも良い奴がいるかも、なんて思わなかったよな」
ξ゚⊿゚)ξ「そうね…人を襲わない、平和を愛するアンデッドもいたなんて前までは想像も出来なかった。
でも、実在するのよね。それも、とても近いところに…」
_
( ゚∀゚)「ヒッキーはそうだったけど、クーさんはどうだかな。あの親子を愛してるだけかもな。
だとしても、人間を愛するアンデッドって事は事実だし…普通にあの店で働いてたんだよな」
ξ゚⊿゚)ξ「よくよく考えると、すごく不思議ね」
_
( ゚∀゚)「不思議だよなぁ……でも」
_
( ゚∀゚)「俺達以外の、戦いなんて関係ないところで生きてる人間からすれば…アンデッドは全員怖いよな」
いつになく真面目に語るジョルジュの話。
聞き入ってしまった事は確かだが、妙におかしく感じてきてしまう。
ξ゚⊿゚)ξ「……何か、あんたも色々考えてるのね。見直した」
_
( ;゚∀゚)「おいおい、俺だって考える事くらいあるだろ」
272
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:25:36 ID:V/3dKv7c0
ξ゚⊿゚)ξ「……ねぇ、ブーンの事どうする?」
_
( ゚∀゚)「今はまだ様子見でいいんじゃないか」
ξ゚⊿゚)ξ「様子見……それでいいのかしら……」
_
( ゚∀゚)「逆に、今の俺達がどんな言葉をかけてやれる?あいつはあいつなりに、自分の中で色々考えてるだろ。
あいつが何かしたそうだったら背中を押すし、聞いて欲しい事があった時に聞いてやる」
_
( ゚∀゚)「今はそんなもんでいいだろ、今はな」
ξ゚⊿゚)ξ「そうよね、下手に色々言っても余計混乱させるだけよね」
_
( ゚∀゚)「ああ、その為には…」
ジョルジュがだらけた姿勢を直し、きちんと椅子に座る。
皿の上に置いた箸を右手で取り、目の前のサラダを頬張り始めた。
_
( ゚∀゚)「ムシャムシャ…俺達が元気出して、あいつの支えにならないとな」
ξ゚⊿゚)ξ「……ふふ、そうね」
失せていたはずの食欲が戻ってきた。
それは、ライダーをサポートする自分達の役目に改めて気付き、前向きになれた瞬間。
飯にはがっつく、いつものジョルジュの調子が戻ってきた。
そんな様子を見て、ツンは思わず笑みが零れる。
ξ゚⊿゚)ξ「でも、口に含みながらベラベラ喋るのはやめてね」
_
( ゚∀゚)" コク
―――――。
273
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:26:14 ID:V/3dKv7c0
一方、ジョーカーの手がかりを求めるモララーはBOARD跡地へと来ていた。
此処に来るのは、以前にレンゲルとなったギコと戦った時以来。
アンデッドによって施設を破壊され、尊敬していた先輩と戦い、失った場所……良い思い出はない。
心なしか、あの時より更に施設の劣化が進んでいるように見える。
人が管理しないと、やはり老朽化は早いのだろう。
( ・∀・)「また此処に来るとはな…」
辛い過去がフラッシュバックする。
そんな思い出を振り切るように、頭を横に軽く振る。
朽ちかけた扉に手を掛け、崩れないように慎重に開く。
この扉も、以前までは生体認証によって厳重に管理されていたが、今となってはただの瓦礫。
扉を開け、スマホのライトで中を照らす。
部分的に日の光が差していたが、それでも足元には不安が残っていた。
かなり崩壊が進んでおり、一体どこがどこだか分からない。
それでも、記憶とスマホの光を片手に施設の中を進んでいった。
274
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:26:45 ID:V/3dKv7c0
施設の中を進むこと、数分が経過。
距離は然程進んでおらず、瓦礫によって道が塞がれていたりで、全く分からない。
( ・∀・)「参ったな、今はどの辺りなんだ…」
眩い光を放つスマホが、突如鳴り響く。
一件の着信が入った。
スマホの画面を見ると、「非通知」だった。
( ・∀・)(非通知…まさか!)
昨日も非通知で、女性から電話があった。
女性の声は、今でも鮮明に覚えている。あの声には強い心当たりがあった。
横にある扉まで寄り、スマホの着信に出るモララー。
あの声の主は、もしかして……。
電話を出ると、モララーはスマホをゆっくりと耳に当てる。
すると、やはり女性の声が聞こえてきた。
( ・∀・)「もしもし」
[菱谷モララー?]
( ・∀・)「……デレさん、ですね?」
[……ええ]
275
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:27:10 ID:V/3dKv7c0
モララーの予想通りだった。
電話の相手は、"デレ"と名乗る女性。
モララーは、このデレという女性を知っている。
( ・∀・)「やはり…!生きていたんですね、デレさん!」
[菱谷くん、今BOARDにいるでしょう?]
( ・∀・)「え……どうしてそれを……」
[待ってて]
女性はそう言うと、電話を切ってしまった。
( ・∀・)「え、デレさん…?もしもし!?」
電話が切れた事で焦るモララー。
かけ直そうにも、非通知でかけ直しようがない。
待っててと言われても、こんな所で待つ訳にもいかない…。
どうしようか考えていた、その時だった。
モララーの真横にある扉が、ガチャ…という音と共に開く。
( ; ・∀・)「!?」
突然開いた扉に驚く。
すかさず距離を取り、警戒しながら扉から出てくる人物を見る。
ζ(゚ー゚*ζ「――久しぶりね、菱谷くん」
276
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:27:47 ID:V/3dKv7c0
扉から出てきたのは、一人の女性。
驚くモララーを他所に、声を掛けては優しい笑顔を見せる。
( ; ・∀・)「デレさん!?何でこんな所に…!」
彼女こそ、非通知で電話をかけていた"デレ"という女性だった。
思わぬ登場に吃驚するが、先程までの警戒は瞬時になくなった。
ζ(゚ー゚*ζ「丁度よかった、貴方に此処に来て欲しかったから」
( ・∀・)「俺に…?」
ζ(゚ー゚*ζ「着いてきて」
デレは再び、出てきた部屋に戻っていく。
モララーは彼女の言うままに後を追い、部屋へと入った。
入った部屋は、モララーが探していたロマネスクの所長室だった。
所長室も大分崩壊しており、本棚やデスクなどが無造作に散らかっている。
デレは、瓦礫の上に置かれているノートPCを操作し始めた。
( ・∀・)「今まで何をしていたんですか?ツンは…妹さんはずっと心配しています。
どうしてこれまで連絡してくれなかったんですか?」
ζ(゚ー゚*ζ「……」
( ・∀・)「妹さんに会ってあげてください、デレさんの姿を見れば安心するはずです」
デレは、ツンの実姉だった。
これまで音信不通だったデレは、アンデッドが解放された半年前に消息不明となった。
あの騒動で亡くなった研究員が多く、デレもそれに巻き込まれてしまったと思われていた。
しかし、生きていた。
当時、彼女は第一線で研究に熱を入れていて、BOARD研究員の中でもアンデッドの知識量は随一だった。
デレとの再会はとても嬉しく、とても心強い。
今すぐにこの事実を、ツン達に届けてあげたかった。
だが…、
.
277
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:28:26 ID:V/3dKv7c0
ζ(゚ー゚*ζ「今はツンに会うつもりはないわ」
薄暗い中、液晶の光に照らされるデレの表情は……無。
ノートPCから視線を外す事無く、冷静に答える。
まるで、実の妹との再会を望んでいないかのように。
( ・∀・)「どうしてですか!」
ζ(゚ー゚*ζ「今の私には、最も優先すべき事があるから」
( ・∀・)「……アンデッドの不死の謎、ですか」
ζ(゚ー゚*ζ「そうよ、これは私の使命なの」
( ・∀・)「でも、もうBOARDは……それに妹さんに会ってからでも遅くないのでは?」
ζ(゚ー゚*ζ「集中したいの、この解明に。BOARDの有無も私には関係ないわ。
それに、今すぐにやるべき事もある。ツンに会うタイミングは私が決めるわ」
( ・∀・)「……」
アンデッドの不死の謎――彼女が没頭していた研究だ。
BOARD亡き後も、その研究に夢中になっている姿は、モララーにはやや恐ろしく見えていた。
ζ(゚ー゚*ζ「それより菱谷くん。今はギャレンとしてアンデッドを封印してるのよね?」
( ・∀・)「はい、そうですが…」
ζ(゚ー゚*ζ「ブレイドは、剣藤ホライゾンくん…で、間違いない?」
( ・∀・)「間違いはないですが、何故剣藤の名を?」
ζ(゚ー゚*ζ「ライダーの戦闘は、ライダーシステムにアクセスすれば私も確認出来るから」
( ・∀・)「そうだったんですか…」
278
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:29:04 ID:V/3dKv7c0
ζ(゚ー゚*ζ「……なら、もうジョーカーには辿り着いた?」
( ・∀・)「ジョーカー?何か知ってるんですか!?」
ζ(゚ー゚*ζ「その様子だと、辿り着いたようね。なら話は早いわ」
デレの口から紡がれた、"ジョーカー"の名。
その名を口にするデレにモララーは驚いたが、翌々考えれば驚く事でもない。
彼女であれば、アンデッドについてかなり詳しいはずだ。
ジョーカー、その正体についての情報が得られる…。
モララーの探し求めている答えは、思いの外早く見つかりそうだった。
デレは、ノートPCに差し込んであるUSBメモリを抜き取ると、それをモララーに差し出す。
ζ(゚ー゚*ζ「貴方の知りたがってる答えは、このUSBの中にある。
さっき、私含めBOARD上層部しか閲覧できない研究記録をコピーしたわ」
( ・∀・)「……」
差し出されたUSBメモリを受け取り、それをじっと見つめる。
ζ(゚ー゚*ζ「菱谷くん、ジョーカーは危険よ」
先程より、やや低いトーンでデレは言う。
その声色と言葉に、モララーは思わず顔を上げた。
( ・∀・)「やはり、そうなんですか…?」
ζ(゚ー゚*ζ「ええ、そして――」
ζ(゚ー゚*ζ「――剣藤くんは、そのジョーカーに飲み込まれつつある」
279
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:29:34 ID:V/3dKv7c0
( ・∀・)「剣藤が、ジョーカーに…!?どういう事ですか!?」
デレの衝撃的な言葉。言っている意味も分からず、驚きと共に困惑する。
ζ(゚ー゚*ζ「近いうちに順を追って説明するわ。それより今は、そのUSBに入ってるデータを見て」
そう言いながら、デレはノートPCを片付け始めた。
立てかけてあるトートバッグに収納し、持ち手を肩に掛ける。デレは、一足先に帰ろうとしていた。
部屋を出る前に、モララーの前に立つ。
ζ(゚ー゚*ζ「貴方の力が必要なの。ジョーカーを阻止する為に…剣藤くんを救う為に」
ζ(゚ー゚*ζ「お願い、力を貸して」
( ・∀・)「……」
ζ(゚ー゚*ζ「また連絡するね」
困惑するモララーをよそに、デレは部屋から出て行ってしまった。
( ・∀・)(剣藤がジョーカーに飲み込まれつつある…?)
言葉の意味は理解できないが、とても強い嫌な予感を孕んでいる。
不吉な想像をするには、十分事足りる言葉だった。
それに、このUSBの中の情報がとても気になる。
デレを追う事はせず、モララーはその場にリュックを下ろしノートPCを取り出す。
同じように瓦礫の上に置き、USBメモリを挿し込む。
280
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:30:11 ID:V/3dKv7c0
薄明りが、怪訝なモララーの顔を照らす。
USBドライブを開くと、そこには二つのファイルが存在した。
( ・∀・)「"非公開レポート"…?」
"非公開レポート"という名のファイルを開く。
そこには、ライダーシステムが作られるまでの過程が事細かに記録されていた。
その中でも、一際目を引く文章が目に入る。
( ・∀・)「"ライダーシステムは、ジョーカーを分析しそのデータから作られた"…」
ライダーシステムは、ジョーカーの能力を基に作られた物であると記されていた。
他のアンデッドの姿を借りる事が出来る能力を保有するジョーカー。
その仕組みや力を分析し、各アンデッドの持つ力を再現出来るように作られたのがライダーシステム。
モララー達は知らずのうちに、ジョーカーの能力を再現したシステムを用いていた。
ただ、これに関してはひとつの疑問があった。
( ・∀・)「これが何故、秘密にされないといけないんだ…?」
疑問を抱きながら、次なるファイル名に目を通す。
( ・∀・)「"バトルファイトについて"……」
バトルファイトとは、現代におけるアンデッド同士の戦いの事。
アンデッド達が口々にバトルファイトについては語っていたが、改めて資料に目を通した事はなかった。
そこには、アンデッド達が過去に繰り広げたであろう予測や、バトルファイトの目的が記録されている。
( ・∀・)「各種族の代表がアンデッドとして選抜され、己が種族の為に戦いを繰り広げる…」
( ・∀・)「前回のバトルファイトに勝ち残ったのは……ヒューマンアンデッド……!?」
281
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:30:38 ID:V/3dKv7c0
やはり、人間のアンデッドが存在していた。
ジョーカーが"愛川クー"と呼ばれる人間に扮している、確たる証拠だった。
( ・∀・)「という事は、現世でジョーカーが人間のアンデッドを封印して、あの姿を利用しているのか…」
遠いような、近いような、何とも言えない感覚の話だった。
アンデッドである以上、自分達が敵対してきたアンデッドと存在は同じ。
だが、その正体は人間だった。
言い表しがたい、複雑な感情がモララーに植え付けられる。
ファイルには続きがあった。
( ・∀・)「"ジョーカーが勝ち残った場合"…!!」
ジョーカーが、バトルファイトに勝ち残った場合の記録。
一文一文、丁寧に目を通す。
そこに書かれていたのは……、
( ; ・∀・)「―――!!!」
282
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:31:04 ID:V/3dKv7c0
声が出ない。
全身に、悪寒が走る。
開いた口が塞がらず、思わずノートPCから距離を置いた。
( ; ・∀・)(そうだったのか……)
驚愕の事実に、モララーは急いでノートPCを閉じ、リュックへと収納する。
そして、慌てて部屋を出て施設を後にした。
( ; ・∀・)(ジョーカーが最後までこの戦いに残れば……!!)
―――――。
283
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:31:32 ID:V/3dKv7c0
同時刻。
"ジョーカー"としての正体が明かされたクー。
モナーに捕らわれたまま、結局日を跨いでしまった。
世界は朝を迎えているが、クーが囚われている部屋には未だ光が差さず、闇に包まれている。
川 ;゚ -゚)「う……く……」
未だ手首の拘束は取れぬまま、苦しそうに床に横たわっている。
顔には殴打された痛々しい痕。傷つけられ、服は汚れボロボロになっている。
倒れたクーを、スカラベアンデッドが見下ろしていた。
恐らくモナーの指示で、ずっとクーを痛めつけていたのだろう。
その様子を、モナーは椅子に座って見ていた。
( ´∀`)「……さぁ、残すは最後の一枚だ」
肘掛けの上でトントン、と弄ぶカード。
カードは束となっていて、あれからじわじわと時間をかけてカードを奪っていた。
モナーの掌中には、十枚のカード。
クーの手元には、カテゴリー2――ヒューマンアンデッドのカードのみとなっていた。
川 ;゚ -゚)「……」
( ´∀`)「抗ったって無駄だよ、そのカードを奪う事なんて簡単なんだから。
最後くらい、素直に自分から渡してくれてもいいんだよ?」
284
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:31:57 ID:V/3dKv7c0
川 ;゚ -゚)「フッ……誰が、貴様の言いなりになんて……」
( ´∀`)「やれ」
『――グウッ!』
川 ;゚ -゚)「ぐふっ…!」
モナーの指示で、スカラベアンデッドがクーの腹部を思い切り蹴り上げる。
無抵抗で受ける蹴りに、クーは悶絶する。
長い時間、一方的に殴られ続けた。痛みには慣れているが、苦しいのも事実。
それでも、モナーに従う事だけは絶対にしなかった。
( ´∀`)「分からないかなぁ…そんなに抵抗しても、結局無駄なのに」
( ´∀`)「このカード達が君の手元から無くなる事が何を意味するか、自分がよく分かってるだろ?」
川 ;゚ -゚)「……」
( ´∀`)「君は、ジョーカーにならざるを得なくなるって事をさ…!」
横たわるクーに、十枚のカードを扇状に広げ、ひらひらと見せつける。
見下ろしてくるその目付きは、まるで卑下されている気分。
クーは歯を食いしばり、その目をきつく睨み返した。
( ´∀`)「でも、カードを取ってもどうせすぐにジョーカーになってくれそうにもないなぁ」
( ´∀`)「……そうだ!良い事思いついちゃった!」
閃いたと言わんばかりに、両の掌をパンッと合わせる。
( ´∀`)「君が大事にしてる人間に、君の正体をバラそう!」
285
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:32:30 ID:V/3dKv7c0
川 ;゚ -゚)「……!!」
モナーの非道な提案に、先程まで怒りの様相を見せていたクーが、途端に焦り始める。
ショボンにはカリスである事は知られている。
……だが、自分が醜いアンデッドである事までは、ショボンもあまねちゃんも、でぃも知らない。
これまで、正体を知られる事を避けてきたのだから。
クーの焦りは、モナーにすぐ伝わった。
モナーはそれに気付き、下卑た笑みを浮かべる。
( ´∀`)「良いねぇ、その顔…!あんなに強がってたのに、急に弱みを握られて焦ってるんでしょ?」
川 ;゚ -゚)「貴様…!!」
( ´∀`)「ショボン、だっけ?あの人間は物分かりが良さそうだから、信じたくなくても疑っちゃうだろうねぇ。
あまねちゃんとかいう子供も、でぃとかいう子供も、君の正体を知ったらどうなるか…」
川 ;゚ -゚)「やめろ!!」
( ´∀`)「やめないよ、だって君がジョーカーにならないから。
こいつの力で君の時間を止めて、その間に言いふらしに行こうかなぁ」
川 ;゚ -゚)「ッ…それだけはやめてくれ!」
( ´∀`)「フフフ…護るものがあると、こんなに変わっちゃうんだね。ジョーカー」
分かっていた展開とは言え、ジョーカーの弱々しい姿には感じるものがあった。
あれだけ恐れられていた存在が、弱みを握られただけで、こうも情けなくなるとは…。
( ´∀`)「バーボンハウスだよね?あの店。今から行かなきゃ。
おい、ジョーカーが逃げ出そうとしたらすぐに止めといてね」
『……』
アンデッドに指示すると、モナーは身を翻し扉を出ようとした。
その時だった。
286
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:33:12 ID:V/3dKv7c0
「貴様アアアァァッ!!」
( ´∀`)「ん…?」
クーの怒号が響く。
ただの怒号ではない。強い殺気を感じる。
振り返ると、そこには…、
川#゚ 皿゚)「ウウウウゥゥゥッ!!!」
これまでの冷静沈着な静かな怒りとは違い、野獣のように怒り狂うクー。
歯をむき出しにし、両目を見開き、威嚇する。
腕を縛られたまま、膝を立てながらその場に両足で立つ。
脚を広く開き立、低く腰を構えるその姿は、まるで獣そのもの。
クーの様子の変化に、モナーもアンデッドも目を奪われる。
すると、クーの腰にカリスのベルトが召喚された。
バックルとなるカリスラウザーが赤い光を放つ。
赤い光は、やがて緑の光へと変わる。
カリスラウザーの赤も、緑へと変色していた。
まるで、アンデッドの緑血に塗り替えられたように。
緑の眩い光が、闇に包まれた部屋を照らす。
( ´∀`)「……!」
『グ、グウ…!?』
川#゚ 皿゚)『グウ"ウ"ゥゥアア"ア"ア"ァ"ァァァッ!!』
クーが怒りの咆哮を上げた瞬間、緑の光に部屋全体が包まれた。
ブルーシートの隙間から、外に緑の光が漏れる。
辺りは光で視界が眩まされ、部屋の中で何か起きているか分からない。
崩壊するような轟音。獣の呻き声。
やがて光が落ち着くと、そこには―――。
―――――。
287
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:33:42 ID:V/3dKv7c0
ξ゚⊿゚)ξ「――アンデッド!」
アンデッドサーチャーが、一つの反応をキャッチする。
ツンは、ソファから立ち上がり急いでPCの前に着席。サーチャーの反応を確認する。
_
( ゚∀゚)「場所は?」
ツンが座る椅子の背もたれに手をつき、同じようにPCの画面を見るジョルジュ。
ジョルジュの問いかけに答える様に、ツンは反応のある場所を特定しようとした。
だが、次の瞬間、
ξ゚⊿゚)ξ「……あれ?」
_
( ゚∀゚)「ん?」
特定をしようとした瞬間、サーチャーの反応が途絶えた。
画面に表示されていたアンデッドの反応も、すぐに消失。
_
( ゚∀゚)「おい、何だ今の?こんな早く反応が切れる事あるか?」
ξ゚⊿゚)ξ「ううん、そんな事あるわけないわ」
_
( ゚∀゚)「もしかして、受信機が壊れたとかか?」
ξ゚⊿゚)ξ「そんな事もないはずなんだけど…」
288
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:34:16 ID:V/3dKv7c0
すると、廊下の方からドタドタと階段を下りる足音が聞こえてきた。
二階の自室に閉じ篭っていたブーンが、サーチャーの音を聞きつけて降りてきたようだ。
リビングの扉を勢い良く開け、慌てた様子でツン達の前に現れた。
( ^ω^)「アンデッドかお!?」
ξ゚⊿゚)ξ「そうなんだけど、今一瞬で反応が消えたの。確かに受信したはずなのに」
( ^ω^)「反応が消えた?」
_
( ゚∀゚)「ああ、場所を特定しようとしたら消えたんだ。こんな事初めてだぜ。
俺ちょっと受信機の様子見てくるわ」
ξ゚⊿゚)ξ「うん、お願い」
ジョルジュは、二階に設置しているサーチャーの受信機の確認に向かった。
それと同時に、ツンのスマホに着信が入る。
モララーからだった。
ξ゚⊿゚)ξ「もしもし」
[ツン、今アンデッドサーチャーに反応なかったか?]
ξ゚⊿゚)ξ「あったわ、でもすぐ消えたの」
[やはりそうなのか……俺のサーチャーもすぐに消えたんだ]
ξ゚⊿゚)ξ「モララーさんのも??」
[ああ、場所が特定出来ず仕舞いだ……とにかく、俺は何かあった時の為に巡回する。
俺もサーチャーは持っているが、反応があったらツンの方からも念の為に教えてくれ]
ξ゚⊿゚)ξ「了解、気を付けて!」
289
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:34:45 ID:V/3dKv7c0
( ^ω^)「モララーさんかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「ええ、モララーさんのアンデッドサーチャーも同じように反応がすぐ切れたみたい。
モララーさんの小型サーチャーは、この家の受信機とは別のはずなのに…」
謎の現象に怪しむ二人。
そこに、受信機の確認に向かったジョルジュがすぐに戻ってきた。
_
( ゚∀゚)「見てきたけど、故障の様子なんて全くないぜ。異常ナシだ」
ξ゚⊿゚)ξ「じゃあ、本当にアンデッドの反応が一瞬で切れたってこと?そんな事あるのかしら…」
( ^ω^)「………まさか、クーかお」
これまでにない不思議な現象。
前例のない事態にツンとジョルジュは戸惑うが、ブーンは嫌な予感がしていた。
ξ゚⊿゚)ξ「クーさん?」
_
( ゚∀゚)「何でクーさんなんだ?」
( ^ω^)「クーはジョーカーだお。今のがもし、ジョーカーの反応だったとしたら…」
ξ゚⊿゚)ξ「だとしても、すぐに消える理由としては不十分じゃない…?」
_
( ゚∀゚)「そうだぜ、それは考え過ぎじゃねぇか?」
( ^ω^)「嫌な予感がするんだお……」
言葉では言い表しがたい、嫌な予感。
全ては妄想かもしれない。寧ろ、妄想である方がありがたい。
―――――。
290
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:35:15 ID:V/3dKv7c0
――とある公園。
誰もいない広々とした静かな公園に一人、ブランコに乗る少女。
器用にブランコを漕いでいると、突如その動きを止めた。
o川*゚ー゚)o「―――!!」
突然、ある方向を見つめる。
急に興味を失ったようにブランコから立ち上がる少女。
その表情は、まるで何かを恐れているような……。
o川;*゚ー゚)o「……だめ」
焦る少女。
首を静かに、何度も左右に振り続ける。
o川;*゚ー゚)o「その力を使ったら……」
o川;*゚ー゚)o「その姿になったら、だめ……!!」
―――――。
291
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:35:50 ID:V/3dKv7c0
クーのいなくなった部屋。
闇に包まれていたはずのこの部屋には、今では光が眩いほどに差している。
ブルーシートは、相変わらず窓を覆っている。
だが、外観から見ると、部屋には驚く程にでかい風穴が不自然にこじ開けられ、外と繋がっていた。
ビルの壁が破られた時に崩れ落ちた瓦礫が、地上に零れ落ちている。
『……』
スカラベアンデッドは、風穴を見ながら呆気に取られている様子だった。
常におちゃらけた様な態度を取っていたモナーも、真顔で風穴を見つめる。
( ´∀`)「………フ」
( ´∀`)「フフフフ……!」
だが、モナーの表情からはすぐに笑顔が溢れた。
待ち焦がれた姿を見れたことに、満足している。
( ´∀`)「久しぶりに見させてもらったよ……ジョーカー、やっぱり君は素晴らしいよ!」
( ´∀`)「さぁ…その力を使って、この馬鹿げた運命を滅茶苦茶にするんだ…!」
―――――。
292
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:36:16 ID:V/3dKv7c0
歓楽街から離れた場所。
狭いトンネルの歩道を、ひとり歩くクーの姿。
車が通る度、狭いトンネルの中に車の通過音が喧しく反響する。
川 ;゚ -゚)「……」
全身痛めつけられ、歩みを進める足がおぼつかない。
顔には擦り傷が出来ていて、滲む傷から流れ始めた緑血を拭った。
拭った血を見て、クーは自分に強く言い聞かせる。
川 ;゚ -゚)(二度となるな……あの姿に……)
川 ;゚ -゚)「く……うっ……!」
緑血に馳せたのは――己の醜い姿。
足のバランスが崩れ、トンネルの壁に寄りかかる。
ずるずると崩れ落ち、その場に座り込んだ。
川 ;゚ -゚)(帰るんだ……バーボンハウスに、私の居場所に……!)
片手を壁につきながら、必死に起き上がる。
そのまま自身の体を支えながら、クーは狭いトンネルをゆっくりと歩き続ける。
私の居場所は、ただひとつ。
帰りを待ってくれる、あのバーボンハウスに。
―――――。
293
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:36:54 ID:V/3dKv7c0
( ^ω^)「……」
ソファに座り、両膝に肘をつき前屈みになる。
両手を結ぶと、そこに額を乗せうずくまった。
ξ゚⊿゚)ξ
_
( ゚∀゚)
ツンもジョルジュも、その小さくなった背中に声をかける事が出来ない。
今すぐにでも飛んでいきたい…そんな気持ちを抑え込んでいるように見えたから。
( ^ω^)(クー……)
二人の心配をよそに、ブーンはクーを気にかけ続ける。
何だか、嫌な予感がする。
まるで、何かが始まってしまうような……何かが狂い始めてしまうような……。
この嫌な予感は何なんだろう。
根拠なんてないのに、この落ち着かない感じはなんだろう。
これから巻き起こる事、全て僕の妄想だったらいい。
妄想であってほしい。
考え過ぎだと笑ってほしいくらいだ。
でも、何かが起こる気がする―――。
そんな気がして、ならなかった。
294
:
30話
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:37:21 ID:V/3dKv7c0
【 第30話 〜53番目の存在〜 】 終
.
295
:
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:38:13 ID:V/3dKv7c0
==========
【 次回予告 】
(´・ω・`)「……ひとつ、変な事を聞いてもいいかな」
ξ゚⊿゚)ξ「はい?」
(´・ω・`)「クーは……ずっと此処に居てくれると思う?」
ξ゚⊿゚)ξ「え…」
( ^ω^)「……」
(´・ω・`)「クーが仮面ライダーと共にアンデッドと戦っているのを知ってから…ずっと不安なんだよ」
(´・ω・`)「クーが戦いに行って、このまま帰って来ないんじゃないか?って思うようになった。
もしかしたら何も言わず、どこかに行ってしまうんじゃないかって…」
(´・ω・`)「……怖いんだよ、クーを失うのが」
バーボンハウスに訪れるブーンとツンに、ショボンは心の内を打ち明ける。
この世界で数少ない、クーの帰りを待つ者の不安の声。
296
:
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:38:37 ID:V/3dKv7c0
川 ;゚ -゚)「貴様……」
('A`)「やぁ、クーさん」
モナーの下から逃亡したクーの目の前に、ドクオが現れた。
('A`)「よくあのアンデッドから逃げられたな、ボロボロだけど…まぁ大丈夫そうだ」
('A`)「でも俺からは逃げられないぜ。クーさん……いや」
トランプの束をクーに投げつけるドクオ。
パラパラと落ちるトランプは全て、ジョーカーの絵が。
('A`)「ジョーカー……!」
川 ゚ -゚)「どうやら、完全にカテゴリーAに取り込まれたようだな…」
('A`)「ああ、良い気分だよ…俺は今、闇の中にいる」
('A`)「そして……最強の名をいただくのは、俺だ」
297
:
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:39:13 ID:V/3dKv7c0
( ^ω^)「僕は、君の正体なんてどうでもいいんだお!ジョーカーでも何でも良い!
僕にとってクーは、愛川クー……それ以外の何者でもないお」
川 ゚ -゚)「……!」
クーの下に辿り着くブーン。
( ^ω^)「ただ、ひとつだけ知りたいことがあるお。
クーが持ってるカテゴリー2…そのカードに封印されてるアンデッドは、どんなアンデッドなんだお?」
川 ゚ -゚)「……」
川 ゚ -゚)「あのカードに封印されているのは、一万年前のバトルファイトの勝利者」
川 ゚ -゚)「ヒューマンアンデッド……お前達人間の、始祖だ」
( ^ω^)「僕達の始祖、人間のアンデッド……」
人間のアンデッドが実在していたことが明らかにされる。
298
:
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:39:58 ID:V/3dKv7c0
遂に、ジョーカーとしての正体が明らかになったクーに、運命の時が訪れる。
( ・∀・)「まだ俺の役目は終わってない。俺の敵は……そこにいる」
( ・∀・)「そこにいるのは……ジョーカーだ」
( ; ^ω^)「ちょ、ちょっと待ってくださいモララーさん!誤解なんですお、クーの話を――」
( ・∀・)「聞け、剣藤!ジョーカーの正体が…ジョーカーの存在意義が分かった」
( ^ω^)「え…?」
川 ;゚ -゚)「ッ……!」
語られるジョーカーの真実。
ジョーカーとは一体、何者なのか?
( ・∀・)「ジョーカー…今此処で封印する!」
( ^ω^)「モララーさん…!!」
ギャレンに変身するモララー。
そして、クーに銃口を向ける。
クーはこのまま、封印されてしまうのか?
ブーン達の運命は一体、どうなるのか!?
次回、【 第31話 〜破壊者の真実〜 】
――運命の切り札を、掴み取れ!
==========
299
:
◆7MnOV.oq7w
:2023/12/30(土) 13:42:19 ID:V/3dKv7c0
しおり
>>8
第27話
>>72
第28話
>>134
第29話
>>224
第30話
( ^ω^)< また次回
300
:
名無しさん
:2023/12/30(土) 19:28:18 ID:PK7n.yKI0
おつ!
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