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(*^Д^)異世界最強チートハーレム?のようです
10
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:04:26 ID:qOUaxCw20
トv'Z -‐z__ノ!_
. ,.'ニ.V _,-─ ,==、、く`
,. /ァ'┴' ゞ !,.-`ニヽ、トl、:. ,
rュ. .:{_ '' ヾ 、_カ-‐'¨ ̄フヽ`'|::: ,.、
、 ,ェr<`iァ'^´ 〃 lヽ ミ ∧!::: .´
ゞ'-''ス. ゛=、、、、 " _/ノf:::: ~
r_;. ::Y ''/_, ゝァナ=ニ、 メノ::: ` ;.
_ ::\,!ィ'TV =ー-、_メ:::: r、
゙ ::,ィl l. レト,ミ _/L `ヽ::: ._´
;. :ゞLレ':: \ `ー’,ィァト.:: ,.
~ ,. ,:ュ. `ヽニj/l |/::
_ .. ,、 :l !レ'::: ,. "
(メ;^Д^)「……や、やった! ははっ……ははははっ!」
(メ^Д^)9m「ザマーミロ糞犬ッ頃! プギャー!」
―――。
11
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:05:06 ID:qOUaxCw20
+ ゚ . + . . .゚ .゚。゚ 。 ,゚.。゚. ゚.。 .。
. . ゚ . o ゚ 。 . , . .o 。 * .゚ + 。☆ ゚。。. .
*- - -* 。 。 *。, + 。. o ゚, 。*, o 。.
゚ o . 。 . . ヽ , . , o 。゚. ,゚ 。 + 。 。,゚.。
゚ , , 。 . + ゚ ヽ 。 。゚ . ゚。, ☆ * 。゚. o.゚ 。 . 。
。 . .。 *- - -*. 。 ゚ ゚ , 。. o 。* 。 . o. 。 . .
。 . ヽ 。 . .゚o 。 *. 。 .. ☆ . +. . .
。 . . . . . ヽ 。 ゚。, ☆ ゚. + 。 ゚ ,。 . 。 , .。
゚ 。 ゚ . +。 *゚ * 。. , 。゚ +. 。*。 ゚. . . . .
。 . . 。 。゚. 。* 。, ヽ´。. ((★))。。. ゚。+ 。 .。 . 。 .
. 。 ゚ ゚。 。, .。o ☆ ヽ+ ,゚。 *。. 。 。 . 。 .
゚ .゚ ゚ 。゚ + 。. +。 * 。゚。゚.,* ,+ 。゚. 。 . . , , .
゚。゚+゚`, o。。.゚*。゚ 。.゚ 。 ☆+。。゚.ヽ ° 。 . , ゚ ゚
。, .゚。 + ☆。,゚. o。 。+ 。゚., . ヽ゚ , 。 。 . .
゚. o * 。゚。゚.。゚。+゚ 。 。 ゚。 ゚ 。 *゚
゚` .゚ .゚. ゚. . ゚ . ゚ . , . . . 。 ゚ .
. . . , 。 . . , .
。 ゚ . 。
, . . , . .
(メ;^Д^)「はぁ、はぁ……む、村はどっちだ……」
強敵イ=ヌに打ち勝った勇者プギャーはしかし、見事に遭難していた。
日もとっぷりと暮れ、森の中では足元も覚束ない。
(メ;^Д^)「くそっ……こんなとこで野宿とか冗談じゃないぞ……」
部屋から出ることすら数か月ぶりの彼に森の中での野宿など、高難易度にもほどがあった。
しかしこの暗闇で進み続けることは困難を極め、体力も限界だった。
―――。
12
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:06:22 ID:qOUaxCw20
―――数日後。
(メ;^Д^)「……おっ? おおおおお?」
あまりに暴虐のネッコォや狡猾なトリッピーに襲われてはチート発ドンザウルス。
猛烈な飢餓感に糞まずい雑草を食み、乾きの限界で運よく川へ至り、
ケツを拭く紙がないことに神を罵りながらも、彼は遂に到達した。
__ _ ;;;;ゝゝ;;;;ヾ;;;;;ヽ
////─\ ;;;;ゝゝ;;;;ヾ;;;;;ヽ;;ヾ
////─── \ ;;ゝ;;;;ゝ;;;;ゞ;;;;ゞ;;;;ゝ;;;
////───‐──\ ゝ;;;;;;;;ゝゝ;;;;ゝ;;;;ゞ;;ゝ
////─ ,.r'.;' " ̄T``ヽ \ ゝ;;;;ゞゞ;;;;ゝ
(__/∥ ̄ /ー/ \ .| /`',! |;il|
∥ ∥ ̄iーi \|/ i::. |;il|
∥ ∥ ̄!一!─ ─ ◇─ ─ l:::. ;,;.. ;,;..|;il| ;,;. ;,;..、 ;,;..、 ;,;..、 ;,;..、 ;,;..、 ;,;..、 ;,;..、 ;,;..、
∥ ∥ ̄lーl /|\ ,':.::.. ;,;..、|;il|,、;,;,`"'"''ー'ー-、, ;,;..、 ;,;..、 ;,;..、 ;,;..、 ;,;..、
´`"'"'''"'"'''、w::::。ゝ/、,. l、 , ヽ。、 , ,´`"'"''`"'"''"'"'''ー、___ ´`"'"''"'"''"'"''"'"''"'"
:.:.:.:.:.:.: 。w 。,。,。, 〜、。, 〜、 , 〜´`"'"''`"'"''"'"'''ー、___ "''ー'ー-、,
:.:.:.:.:.:.: :.:.:.:.:.:.: :.:.:.:.:.:.: "''ー'ー-、,´`"'"''ー'ー-、,
:.:.:.:.:.:.: :.:.:.:.:.:.: :.:.:.:.:.:.: ´`"'"''ー'ー-、,
. .... .. .. . .... .. .. .... .. ..
明らかな人工物!
この先にはきっと村があるに違いない!
そう確信した彼は重かった足取りを急激に軽くして駆けだす。
13
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:06:57 ID:qOUaxCw20
|
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| | .|;:,. /-/-/| /-/-/| .||/__||/||
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| | / 〈三||=〈/〈ニ||=-〈/..|| ||
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|/
(メ;^Д^)「……?」
意気揚々と乗り込んだ水車小屋は無人だった。
ゴリゴリという音と共にある部分から粉が排出されている。
(メ^Д^)「……!」
粉。何の粉かはわからないが、きっと食べ物に違いない。
極度の空腹からただちに結論に至った彼は、その粉に手を伸ばす。
(メ^Д^)「……まっず」
単に挽かれただけの粉は、決して美味ではなかった。
それでも、空腹の彼には最高のご馳走だった。
(メ;Д;)「……まっず」
彼は自らの幸運に感謝した。
それと同時、過去の自分を恥じた。
あれだけうまい食事は一体どれほどの積み重ねの上に至ったものなのだろう。
これほどまずい食事が、今はこんなにもありがたいというのに。
14
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:07:32 ID:qOUaxCw20
(メ^Д^)「……」
一頻り粉を貪った彼は、ようやく違和感に気づいた。
作業中であるはずのこの小屋が無人なのは不自然だ。
更に言えば、これは立派な窃盗。
この状況で人と出くわせば犯罪者となることは必至である。
(メ;^Д^)(とっととずらかろう)
慌てて小屋から飛び出したところで、更なる違和感。
先ほどは気付かなかった……いや、気に留めなかった。
血のような臭いが漂っている。
(メ;^Д^)「……」
彼は直感的に連想した。
小屋の近くでその主が血を流して倒れていると。
この森には凶暴な犬や鳥……恐らくは魔物が生息している。
たぶんそれに襲われたのではないか?
血の臭いで更なる魔物が寄ってくる可能性もあるし、
仮に生きているとしても助ければ盗みがバレそうだ。
そう思った彼は周囲を警戒しながら、小屋から続く一本道を辿った。
小屋の脇に置かれた荷車、その陰に倒れる何かから目を背けながら。
―――。
15
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:08:33 ID:qOUaxCw20
(メ^Д^)(たぶんもうちょっとで人里があるんじゃないか?)
小屋の先の道ではだんだんと樹木の密度が減り、草花の比率が増えてきていた。
魔物とも遭遇せず、以前とは比べ物にならないほど安全だと感じる。
時折ある川への道を辿って水分を補給しつつ、歩を進めていった。
恐らくは半日も歩かずに人里に到達できるだろう。
(メ;^Д^)(しっかし、ここまで思った以上にしんどかったな。
昔のテンプレだけど……どうせならそんなのがない最近のテンプレにして欲しかった)
そのようなことを考えながら歩いていると、分かれ道に辿り着いた。
一本は前方、一本は右方に伸びている。
(メ^Д^)「うーん……どっちに行けばいいんだ?」
暫し逡巡していると、前方から何かが聴こえた。
「――てー!」
(メ^Д^)「ん?」
「誰かー!」
それは少女のような叫び声だった。
16
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:09:10 ID:qOUaxCw20
(メ^Д^)(おっ、テンプレキタコレ。
たぶん魔物に襲われてるんだろうが……俺にはチートがある。
ハーレムメンバー獲得イベントなら逃す手はないってな)
彼は意気揚々とした足取りで駆けだした。
……ただし、連日の無理が祟って足が痛いので小走りである。
「くっ、このっ!」
途中から男の怒声と戦闘音のようなものが聴こえてくる。
声音からして、かなり劣勢のようだ。
(メ^Д^)(よし、ツイてる。この分ならまだ女の子は無事だろ。俺が着くまで粘ってくれよ?)
木々が開け、ため池のような場所に出たところで彼は目撃した。
▼#・ェ・▼
C/ し J
/////し-"
/////
(;カ ル ド)「ぐああああっ!」
(;*゚ー゚)「カルドさんっ!?」
最初に出会ったイ=ヌ……に似た魔物に喉笛を噛み千切られる男と、
傍らでへたり込んでいる少女を。
(メ^Д^)「伏せろっ!」
「!?」
17
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:09:45 ID:qOUaxCw20
__o
. / ―|―" __
/  ̄| ̄ ヤ ツ
(メ^Д^)
/⌒ /
(ぃ9 |
/ ∧
/ ∧_二つ
| \
/ /~\ \
/ / > )
/ ノ / /
/ / / /
`/ / ( ヽ
(_) \_)
ヘ⌒ ⌒ ⌒ へ、 、、
イ "" ⌒ ) ヾ ヾ ─|─ ヽ /
( ( ミ ⌒ ,, ヽ )ヽ) / | \ _/ ,
( イ 、;; ,ノ ヾ ) )
ゞ (. ミ . ノ. .ノノ...
::ゝ、、ゝ....'',,,,,....., , ノソ:::::
―――。
18
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:12:45 ID:qOUaxCw20
(メ^Д^)(なんだろう……思ってたのと違う)
(メ^Д^)
_ | ⊃/(___
/ └-(____/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
プギャーは貸し与えられた布団の中、今日のことを思い返していた。
(メ^Д^)(助けた女の子はお世辞にも美少女じゃないし……
いや、あれでも村では美少女扱いらしいんだが……。
男たちからやたら牽制されたし他の女を見るにたぶん本当なんだろ……)
彼女を助けたということで一応友好的に迎えられはしたが、
もてなしは村長宅でのイマイチな食事と粗末な寝床だけ……いや、それだけでも助かるし、
あんなのでもこの村ではご馳走らしいんだが……。
もしかしてここ、中世ナーロッパじゃなくて近世ヨーロッパだったりしない?
ナーロッパにしちゃ世知辛すぎる)
ちなみに少女の名誉のために言っておくが、少女の顔立ちは十分に整っている。
目の肥え過ぎた現代人から見れば、この世界の文明水準とこの村の経済状況では限界があるということだ。
現代日本でそれなりの身支度をさせればそれだけで彼の評価は180度変わったことだろう。
村長もまた彼に感謝し、可能な範囲でのもてなしをしている。
しかしここは近世ヨーロッパではないが中世ナーロッパでもなく、村レベルの食事はお察しだった。
ただ肉を焼いただけの料理であっても、現代日本とは天と地ほどの差がある。
(メ^Д^)(いや……魔法もあるし冒険者もいる、ヨーロッパではない。
大枠だけ見ればナーロッパなんだけど……重要なディテールがかなり省略されているというか)
彼の推測は正鵠を射ていた。 ・ ・
中世ナーロッパからご都合主義を多少削ぎ落した……ここはそんな世界だった。
19
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:13:26 ID:qOUaxCw20
(メ^Д^)(なんだろう……思ってたのと違う)
(メ^Д^)
_ | ⊃/(___
/ └-(____/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
プギャーは貸し与えられた布団の中、今日のことを思い返していた。
(メ^Д^)(助けた女の子はお世辞にも美少女じゃないし……
いや、あれでも村では美少女扱いらしいんだが……。
男たちからやたら牽制されたし他の女を見るにたぶん本当なんだろ……)
彼女を助けたということで一応友好的に迎えられはしたが、
もてなしは村長宅でのイマイチな食事と粗末な寝床だけ……いや、それだけでも助かるし、
あんなのでもこの村ではご馳走らしいんだが……。
もしかしてここ、中世ナーロッパじゃなくて近世ヨーロッパだったりしない?
ナーロッパにしちゃ世知辛すぎる)
ちなみに少女の名誉のために言っておくが、少女の顔立ちは十分に整っている。
目の肥え過ぎた現代人から見れば、この世界の文明水準とこの村の経済状況では限界があるということだ。
現代日本でそれなりの身支度をさせればそれだけで彼の評価は180度変わったことだろう。
村長もまた彼に感謝し、可能な範囲でのもてなしをしている。
しかしここは近世ヨーロッパではないが中世ナーロッパでもなく、村レベルの食事はお察しだった。
ただ肉を焼いただけの料理であっても、現代日本とは天と地ほどの差がある。
(メ^Д^)(いや……魔法もあるし冒険者もいる、ヨーロッパではない。
大枠だけ見ればナーロッパなんだけど……重要なディテールがかなり省略されているというか)
彼の推測は正鵠を射ていた。 ・ ・
中世ナーロッパからご都合主義を多少削ぎ落した……ここはそんな世界だった。
20
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:14:02 ID:qOUaxCw20
(メ^Д^)(あの子髪型とかがアレなだけで結構良い気はするんだけど、
童貞卒業の相手としては流石になー……せめて5段階で4は欲しい)
自分のことは棚に上げて酷評する彼にしょぼくれはコーラを吹き出して爆笑していた。
4と2。
賢明なる読者諸兄であればこの数字だけで理解が及ぶだろう。
実に滑稽な男である。
(メ^Д^)(とりあえず、街に行こう。
街にさえ行けば、俺に惚れる美少女もきっといるはず……)
(´・ω・`)(いるといいね……ぷぷっ!)
/⌒/ヽ-、___
/__/____/
―――。
21
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:15:09 ID:qOUaxCw20
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: ...... : .. . .. : .... : ....... :: ~~ .....:
(メ^Д^)「で、冒険者になったわけだが」
青年は村長の依頼で街へと至り、依頼料にて冒険者登録を済ませた。
一昔前のテンプレのように絡まれることも特になく、今夜の寝床のために安宿に向かっている。
冒険者ギルドの仕組みについては概ね彼の想定の範囲内だったが、
国の組織であるというのは想定外であった。
そんな超国家的組織が存在しないのは当たり前と言えば当たり前なのだが、
やはりここはナーロッパではないということを改めて感じさせた。
(メ^Д^)(まずはランクを上げないとな。最低Bランクは欲しい)
冒険者はCランクでいっぱしと認められる。
D以下の専業は現代日本で言えばフリーターのような扱いだ。
Bランクであれば建前上は騎士階級となり、王侯貴族以外から軽く見られることはまずない。
(メ^Д^)(あとは金を貯めて……)
22
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:15:45 ID:qOUaxCw20
道中、彼には気になったことが3つあった。
一つは、ギルドの受付嬢。
ギルド職員は男女問わずいかにも歴戦で屈強な人物ばかりだったが、
今日応対してくれた受付嬢は彼からしても惹かれる容姿をしていた。
二つ目は、娼館だ。
彼の色眼鏡に適う女性はここまで殆ど目にしていないが、
その道のプロであれば可能性はある。
最後に、性奴隷だ。
正直容姿は期待できないが、自慰替わりに使えるというのは彼にとって革命的に思えた。
見事に下半身に振り切っているが、これは彼が悪いわけではない。
現代日本と比べれば碌な娯楽もなく、飯も酒もまずく、他の楽しみもないとなれば、
全てがそこに帰結してしまうのもやむを得ないことであった。
(メ^Д^)(まずは依頼をこなしまくろう。
チートで敵を吹っ飛ばすのは結構楽しいし、マンガもゲームも動画もないんじゃな。
それで金貯めて女だな。ランクはついでに上がるだろ)
―――。
23
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:16:21 ID:qOUaxCw20
―――閑話 壊滅的非モテ男プギャー 受付嬢編
( ^Д^)「あのー」
(゚、゚トソン「? はい?」
(;^Д^)「……仕事の後暇だったら、食事でもどうすか?」
(゚、゚トソン「あっ(察し) そういうのは結構です」
(;^Д^)「あっはい」
―――。
(゚、゚トソン「流石ですねプギャーさん。ゴブリンジェネラルの討伐なんてCランクでもそうそうできませんよ」
(*^Д^)「あ、そう? やっぱり?」
(゚、゚トソン(……うわっ、うざ)
(*^Д^)「あ、そうだこれ! 君に似合うかと思って買ってきたんだけどどうかな?」
(゚、゚トソン(……うわっ、何これ? ダッサ……)
(゚、゚トソン「プギャーさん、困ります。こういうのは受け取れません」
(*^Д^)「そんな照れなくてもいいじゃん」
(゚、゚トソン(死ね)
―――。
24
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:16:57 ID:qOUaxCw20
( ^Д^)「あの」
(゚、゚トソン「……何ですか?」
(;^Д^)「もしかして、何か怒ってます……?」
(゚、゚トソン「はい」
(;^Д^)「……」
(゚、゚トソン「ですが職務とは関係ありません。ご用件は?」
(;^Д^)「……やっぱり何でもないです」
(゚、゚トソン(じゃあ話しかけてくるな糞が)
(;^Д^)「えっ?」
(゚、゚トソン「何でもありません、用がないなら出てってください」
(;^Д^)「……」
―――。
25
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:17:34 ID:qOUaxCw20
―――閑話 壊滅的非モテ男プギャー 新人編
ミセ*;゚ー゚)リ「た、助けてっ!」
( ^Д^)9m「おっしゃ任せろ!」
ヘ⌒ ⌒ ⌒ へ、 、、
イ "" ⌒ ) ヾ ヾ ─|─ ヽ /
( ( ミ ⌒ ,, ヽ )ヽ) / | \ _/ ,
( イ 、;; ,ノ ヾ ) )
ゞ (. ミ . ノ. .ノノ...
::ゝ、、ゝ....'',,,,,....., , ノソ:::::
ミセ*;゚ー゚)リ「あ、ありがとうございます……!」
( ^Д^)「おう。間に合ってよかった」
ミセ*;゚ー゚)リ「あの……仲間とはぐれてしまって。
すみませんけど、一緒に探して貰えませんか?」
( ^Д^)「ふむ……(嘗め回す視線) まあいいよ、暫く付き合うわ」
ミセ*;゚ー゚)リ(うっ……やな感じ。でも一人じゃまた危なくなりそうだし……)
―――。
( ^Д^)つ「ミセリちゃん彼氏いんの?」チラッ
ミセ*#゚ー゚)リ(慣れ慣れしい触んな胸見んなキモい)「はい、まあ……」
(;^Д^)「えーマジかー。同じパーティの人?」チラッ
ミセ*#゚ー゚)リ「そうです」
( ^Д^)「そいつ俺より強いの?」チラッ
ミセ*;゚ー゚)リ「ん……。どうでしょう?」
( ^Д^)「俺ドラゴン倒したことあるし俺だったらミセリちゃんとはぐれたりしないけどなー」チラッ
ミセ*#゚ー゚)リ(うぜぇ)
―――。
26
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:18:36 ID:qOUaxCw20
―――数ヶ月後。
(゚、゚トソン「こちらが新しいカードです。今後もご健闘ください」
(゚、゚トソン
___________ ,'⊂l
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
―─────―――――――
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
( ^Д^)「……ああ、ありがとう」
青年はようやく冒険者として一人前と言えるCランクへと昇格した。
彼自身は漸くと感じていたが、周囲からしてみれば異例のスピード昇格であった。
ここに至るまでは様々な困難があったがしかし、チート能力がその全てを文字通り吹き飛ばしていた。
彼自身は努力の賜物であると信じて疑わないが、全てはチートのおかげであった。
その昇格の速さを妬み襲撃したCランク冒険者を爆散させた。
以後彼に近づくまともな冒険者はいなくなった、ギルドにも睨まれた。
犯罪組織の頭目を幹部諸共爆散させた。
以後彼を侮って盾突く犯罪者はいなくなった。
いつの間にか破落戸どもが集い、アニキと慕うようになった。
彼に好意的な一般人は最早おらず、ただただ恐怖の対象となっていた。
( ^Д^)(……なんか思ってたのと違う)
27
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:19:12 ID:qOUaxCw20
(メ・3・)「アニキ! やったな!」
( ^Д^)「……おう、ありがとな」
万年Dランク冒険者でもある屈強な破落戸に大声で祝福され、内心びびっている彼である。
強大な力を手に入れ些か気が大きくなっていても、小心者の性根は変わっていなかった。
(メ・3・)「宴の準備はできてる、とっととアジト行こうぜ!」
彼らはスラムの一角にある先述の犯罪組織のアジトを根城としていた。
スラムの住人はかの犯罪組織を潰した彼らを恐れ、決して近づこうとはしなかった。
青年は宴を面倒に思いながらも屈強な破落戸……ボルジョアに続く。
この屈強な破落戸との付き合いはCランク冒険者を爆散させた時からだ。
その冒険者は数名の破落戸を従えており、この男もその中の一人だった。
彼らは様々な犯罪行為に手を染め、件の冒険者がその上前を撥ねていた。
Cランク冒険者の実力は確かなもので、彼の威光により他の破落戸を牽制でき、
実際に争いになればその力で相手を捻じ伏せた。
元衛兵の彼は衛兵にも顔が利き、ある程度の犯罪であれば金を掴ませてもみ消すこともできた。
スラムの犯罪組織とも馴染みで、お互いに良い取引相手と認識していた。
そんな彼が新人冒険者に剣を向け一撃で爆散させられたのは、ボルジョアにとって衝撃だった。
(メ・3・)(いやーあれは震えたね。恐怖もあったが圧倒的な力に痺れた。
今を考えると他の奴らみたいに逃げなくて正解だったわ。
おかげでナンバーツーとしてうまい汁を吸えてるわけだ)
28
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:19:48 ID:qOUaxCw20
ボルジョアはプギャーの圧倒的な力を利用して破落戸の組織化を実行していった。
脅しつけて傘下に入れては、上納金を巻き上げる。
決定的な揉め事が起こればプギャーの力を見せつけて黙らせた。
プギャーとしてもボルジョアには色々な常識を教わった恩もあり、
冒険者の相棒としても頼れること、上納金も懐の寒い状況では助かっており、
破落戸に一々盾突かれるのも面倒だったため否はなかった。
( ^Д^)(何かヤンキーのリーダーとか、そんな感じ?
どうしてこうなった感が半端ないが……まあしゃあないな)
彼は勇者とか英雄とか、あくまでそっち方向を目指していた筈であった。
いや、今でも輝かしい功績を上げてちやほやされることを望んでいる。
今は今でちやほやされていると言えなくもないが……やはり何かが違った。
(メ・3・)「アニキ、着いたぜ」
___
_i_ _/:::|_ i |::::: i __ /ヽ\ ____________
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| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| :|王||王i |ニi ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |三三三|
ゞ;ミゞ |王|王| . || |王|王| . | |ニi |王|王| . || |王|王|. |三ノヽミゞ;;;
ソミゝ:ミゞ!LLLi .|| .'LLLLLLi. .| |ニi :.LLLLLLi || LLLLLLi |三;;;ミ;;ヽミゞ;;
;ノ:;:ヽミ;:;ミゞ;;; || i=======i====i . . . . || . . .|:ニノミヽミゞ;;;
ソ;ノ:;ミ;;ゝミ;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|| ̄ ̄ ̄|| ̄ ̄:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ソミヽミゞ;;;ミゞゞ
ソミゝミゞ;;;; .. .i^^ii .i^^ii ;ノノii;;;ヽミゞ;::;;
i ̄i ̄i ̄i ̄i ̄i ̄i ̄|: |i |: |i ̄i ̄i ̄i ̄i ̄i ̄i ̄i ̄i ̄i ̄i ̄i ̄i ̄i ̄i ̄i ̄i ̄
.~i ̄i ̄i ̄i ̄i ̄i ̄i~i: |i'''''''''''''''''''''''''''''''''|: |'~i ̄i ̄i ̄i ̄i ̄i ̄i ̄i ̄i ̄i ̄i ̄i ̄i ̄i ̄i ̄i ̄i ̄
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'" '':'.' . . :: : '' " ' .'' " : ' ."'
29
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:20:24 ID:qOUaxCw20
 ゙̄''ー-、.._ _,,-―'" ̄
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二.二二二二i===||________,| | | |
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/
(・∀ ・)「あっ、旦那! お勤めご苦労様っす!」
(ゴ゜ロ゜))))「お「お「お「お勤めご苦労様っす!」っす!」っす!」っす!」
(;^Д^)(うるせぇ)
広間に集まっていた破落戸たちが一斉に声をあげたため非常に煩い。
プギャーが苦笑していると、左眼に眼帯をした女が歩み寄ってくる。
('、メ*川「プギャちゃんおかえり」
( ^Д^)「あ、おう」
(・∀ ・)「旦那! ささ、こちらへ!」
太鼓持ちのマタンキに促されるまま上座に着く。
右側にはボルジョアが、左側には眼帯をした女が座る。
('、メ*川「プギャちゃん昇格おめでと♪」
( ^Д^)「ん、ありがとな」
彼女・ペニサスはこの組織のナンバースリーだった。
元々は王都で暗殺者をやっていたらしいが、色々あってこの街のスラムに流れ着いたのだという。
左眼のことを置いておけば目の肥えた彼から見ても容姿は悪くなく、
単に侍らせておく分には悪い気分ではなかった。
30
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:21:21 ID:qOUaxCw20
(;^Д^)(だが、重すぎて抱けねえ)
・ ・
ここに至るまでの色々を聞いてしまった彼には、重すぎて手が出せなかった。
彼女、ペニサス自身はあっけらかんと語っていたが、あまりに壮絶だった。
('、メ*川「ん? どしたん?」
(;^Д^)「いや? 飯はまだかt――」
(・∀ ・)「旦那、お待たせしました!」
(;^Д^)「お、おう」
_ . _
,. '"´ ̄ .  ̄`゙ヾ´ ̄ . ̄`゙ヽ、
/ . . . .. ..:.:.:::;:;:;;;:.:.. . . .:.:;:ヽ、
/ . . . ...:.:.::::;:;:;;;;,:.:.. . . ..:.::;:;、
i . . ...:.:..:;:;;;;;;:.:.. .. ..:.::;:;;i
;'⌒ヾ__( . . ..:.:.::::;:;:;;;;;;;:.:.. . . ..:.::;:;;!'⌒ヽ
'、 .::`; . . ..:.::::;:;:;;;;;;;;:.:. . . .:.::;:;;i . .::;i
;' ..:.:.:::;ノ⌒ . ..:.:.::::::;:;:;;;;;;;;:.:.. . . ...::;:;;;! `!
、_ ,.イ ̄ ̄( .. ..:.:.::::;:;:;;;;;;;;:.:.. ..:.:.:;:;;i、 _;:ノ
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'、 . . ...:.:.:.:.:::::.:;;;;;;;;:.:.. .. ..:.:.:.;:;;;/
ヽ. .. ..:.:.:.::::.:;:;:;;;;;;;;;;;;;;::.:.... .:.:.:.:::;:;:;;;〆
ヽ、::::;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;:.'"、:;;;;;;;;;;;;;;;;;;: '
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄
プギャー達の前に食事が配膳される。
焼いた肉の塊と炊いた雑穀、野菜の入った塩スープだ。
特段珍しい献立ではないが、肉の大きさと質が違った。
( ^Д^)「オーク肉か? それもかなりいいやつ」
(・∀ ・)「へい、旦那の好物っすよね?
今日は旦那の昇格祝いっすから奮発したっす」
( ^Д^)「そうか、ありがとな」
(*・∀ ・)「へへっ」
マタンキは照れ臭そうにしながら自分の席へと着く。
ペニサスがプギャーとボルジョアに酌をし、宴の準備は整った。
31
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:22:04 ID:qOUaxCw20
(メ・3・)「改めてアニキ、昇格おめでとうございます!」
(ゴ゜ロ゜))))「お「お「お「おめでとうございます!」す!」す!」す!」
(;^Д^)(うるせぇ)
('、メ*川「おめでとー」パチパチ
(メ・3・)「アニキはAランクを目指すんだろ?
これまで通り冒険者活動の邪魔はしないようにするんで、
必要な時に力を貸して欲しい」
(;^Д^)(正直不本意なんだが、ボルジョアにそう言われちまうとなあ……)
色々と世話になっている手前、断りづらい。
ボルジョアはそこまで見越してプギャーの世話を焼いていた。
('、メ*川「うんうん、プギャちゃんが昇格してくれた方が私らもやりやすいしね」
(*・∀ ・)「旦那なら行けますよ、Aランク!」
(メ・3・)「じゃ、一言頼むわアニキ」
(;^Д^)「えっ?」
急に水を向けられたプギャーは一瞬焦るも、すぐに気を取り直す。
( ^Д^)「……お前ら、ありがとな。
ボルジョアの言った通り俺はこれからも冒険者で上を目指す。
お前らをほったらかしにすることも多いと思うが、必要な時には力を貸す。
だから……これからもよろしく頼む」
(*・∀ ・)「旦那……!」
(*^Д^)「……よっしゃ、今日は存分に呑もうぜ! 乾杯だ!」
―――。
32
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:22:45 ID:qOUaxCw20
―――数日後。
(*^Д^)(よっしゃ、良い感じに報酬入ったから……娼館行ってみるか)
偶然行き当たった山賊のアジトを文字通り壊滅させた彼は、
思わぬ臨時報酬を得た勢いのまま、ボルジョアに紹介された娼館に向かっていた。
(*^Д^)(良い感じの娘いるといいなあ……)
期待を胸にニヤケ面で娼館に向かう彼の様子は、率直に言って不気味だった。
道行く一般人は彼を避け、荒くれ達は「あっ(察し)」という顔で同じく道を開けた。
そして遂に辿り着く。
|__| |__||__| |__||__| |__||__|::::::| |/
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,,____|_BOURBON .HOUSE_|______,, | /
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛::::|/
三|| |::|| | ||::::| ;;三| |
三|| |::|| | ||::::| ;;三| |
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三|| |::|| | ||::::| ;;三| |/
33
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:23:20 ID:qOUaxCw20
(´・ω・`)ノシ「やあ」
ガチャン!
(;^Д^)「……」
ガチャッ!
(´・ω・`)つ|「ひどいじゃないか」
(;^Д^)「何でいんだよ! てめぇ!」
(´・ω・`)b「ふふふ、君が今日アレを卒業でアレだと聞いてね」
(;^Д^)「こ、こいつ……!」
(´・ω・`)「安心してほしい、僕はただの観測者であって仕込みなど何もない」
(;^Д^)「できるかっ!!」
(´・ω・`)「まあまあ、どうせ君の卒業を僕が観測して爆笑するのは今日であっても10年後であっても変わらない。
どうせなら思い立った今日にしておいた方が利口というものだよ?」
(;^Д^)「ぐぬぬぬ」
34
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:23:55 ID:qOUaxCw20
( -Д-)「……毒を食らわば皿まで、か」
(´・ω・`)「ん?」
( ^Д^)「いいだろう、勝手に一人寂しく爆笑してろよショボクレ。
そのかわり最高の娘紹介しろよ? できないとは言わせねーぞ?」
(´・ω・`)「ふむ……まあその無礼な態度はトイレに流すとして。
最高の娘ね……君もわかってるだろ?」
( ^Д^)「どうせ俺の好みは把握してんだろ? 一番マシなのよこせ」
(´・ω・`)つ□「良いだろう、ほれ」
( ^Д^)「あん?」
(´・ω・`)「この番号の部屋で待ってろ。すぐに向かわせる」
( ^Д^)「おう。ちょっとは期待しとくぜ?」
(´・ω・`)「……まあ、君には圧倒的に不相応なレベルだとだけは言っておこう」
(#^Д^)「いちいち癇に障る野郎だ……!」
(´・ω・`)「うるせぇ早く行け」
(#^Д^)「言われねーでも行くよ糞がっ!」
―――。
35
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:24:30 ID:qOUaxCw20
(*^Д^)ドキドキ
ガチャッ
(;*゚ー゚)「お、お待たせしました」
(*^Д^)「……えっ?」
(;*゚ー゚)「あっ……?」
(;^Д^)「き、君は……」
(;*゚ー゚)「あ、なたは……」
(;^Д^)(;*゚ー゚)「「あの時の……!?」」
(;^Д^)(うっわ……こないだ助けた娘じゃん、気まずっ)
(;*゚ー゚)(この人は……私を助けてくれた……!)
―――。
36
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:25:06 ID:qOUaxCw20
(;^Д^)「えっ? 粉挽きの人を殺して粉を盗んだ犯人にされた?」
(;*゚ー゚)「は、はい……それで私は犯罪奴隷としてここへ……」
(;^Д^)(更に気まずい! たぶんこの子が奴隷になったの粉食って死体スルーした俺のせいだぞ!」
(*゚ー゚)「……でも、よかったです」
( ^Д^)「あん?」
(*゚ー゚)「……初めてのお客さんが、あなたで」
(#^Д^)(あんの、糞ヤロー! 後味悪すぎるだろうがッ……!)
(*゚ー゚)スッ
(;^Д^)ドキッ!
(*゚ー゚)「……嫌ですか? 私なんかでは……」
(;^Д^)「……」
(*-ー-)「そうですよね……」
(*;ー;)「そうですよね……」
(;^Д^)(ウ"ッ!)
(*;ー;)「いいんです、わかってます」
(;^Д^)(どっ、どうしろってんだコンニャロ〜!)
(´^ω^`)ニヨニヨ
37
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:25:41 ID:qOUaxCw20
(*;ー;)「……他の人と替わりますね。すみませんでした」
ダッ!
ガシッ!
(*;ー;)「!?」
( Д )「……」
―――。
38
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:26:16 ID:qOUaxCw20
「……大丈夫か?」
「はい……グスッ!」
「ああもう、これで涙拭けよ」
「す、すみませ――」
「謝んな! 俺が好きでやってんだから!」
「ぅ……は、はい……ありがとうございまグスッ!」
「……いくらだ」
「はい……?」
「お前の値段」
「……そ、それって……?」
「……あーもう! 金溜まったら買ってやるって言ってんの!」
「そ、そんな……どうして……?」
「うるせぇ! 黙って従え!」
「ウッ! グスッ! ふええ……!」
「だぁー! 泣くんじゃねぇ!」
cl(´^ω^`)b
―――。
39
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:26:51 ID:qOUaxCw20
―――数日後。
(;^Д^)「ふう、何とか集まったな」
彼は組織の皆に頭を下げて資金を集めていた。
日頃の行い……彼らに頼らなかったことが功を奏して、驚くほど順調に金が集まった。
向かうは先日の娼館。
バンッ!
(;^Д^)「おい、ちょっといいか」
そこには先日のショボクレはおらず、丸鼻で小太りの男が掃除をしていた。
( )・〇・)「ん? なんだいあんたは、営業は夜からだよ」
(;^Д^)「ちょっとこれを見てくれ」
ドンッ!
(;)・〇・)「んおっ!?」
(;^Д^)「これでしぃって娘を買いたいんだが……」
男はそれを聞いて唸った。
袋に詰まった金は明らかに買い値の倍以上はある。
しかし。
( )・〇・)「……一足遅かったな。もう売れちまったよ」
(;^Д^)「……は??」
40
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:27:30 ID:qOUaxCw20
(;^Д^)「そ、そんなことあるか!? 奴隷商じゃねーんだぞ!」
( )・〇・)「この界隈では有名な話だが……敢えて娼館で奴隷を物色する物好きがいてな。
特にああいった純朴そうな娘が好みで、サービスの後に時折買っていくんだ」
(;^Д^)「何なんだそいつは!? そんなに何人も買ってるってのかよ!」
( )・〇・)「大貴族の三男坊で、金は持ってるからな。
ちょいと放蕩が過ぎて家では問題児扱いらしいが……」
プギャーの頭に嫌な想像が浮かんだ。
動悸が激しくなり、冷や汗が流れる。
(;^Д^)「……買われた娘はどうなるんだ?」
・. ・ ・ ・ ・ .・ .・ .・ ・ ・. ・ ・ ・ ・
( )・〇・)「さあ? まともな状態のまま出られないとはよく聞くが」
(#^Д^)「クッソがぁー!」
バンッ!
( )・〇・)つ「あ、おい」
( )・〇・)「……」
( )-〇-)(……親族か何かか? 気の毒だが相手が悪い)
―――。
41
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:28:05 ID:qOUaxCw20
(#^Д^)「ボルジョア、ちょっと来い!」
(メ;・3・)「ん? 何だ何だ?」
(#^Д^)「ペニサスもだ!」
('、メ*川「ん? 怖い顔してどしたん?」
―――。
(メ;・3・)「あー、アニキ。流石に相手が悪いぞ?」
(#^Д^)「知るか! 貴族だろうが何だろうが吹き飛ばしてやる!」
(メ;・3・)「あーいや、確かにアニキならできるだろうが……」
('、メ*川「問題はその後。名うての騎士がダースで来ると思うよ?」
(#^Д^)9m「そいつらも吹き飛ばす!」
\('、メ*川/「だめだこりゃ」
(メ;・3・)(クソッ、特大の厄介ごとだ。何とか説得しなければ……)
(((⊂('、メ*川「えいっ」 トンッ!
パタリ
(メ;・3・)「……えっ?」
―――。
42
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:30:59 ID:qOUaxCw20
(メ;・3・)「で、どうする? 目が覚めたらすっ飛んで行きかねないぞ?」
('、メ*川「うーん……どうしよっか? なんかもうめんどいし見捨てる?」
(メ;・3・)「馬鹿か、そんな大それたことやっちまったら俺らもついでに消されるぞ」
('、メ*川「じゃあ今のうちに始末する?」
(メ;・3・)「……お前がそれを言うとは思わなかった」
('、メ*川「まあね。プギャちゃんのことは気に入ってるし……でも相手が悪すぎ」
(メ;・3・)「だな。大貴族に喧嘩売ろうとするとかある意味流石だと思うわ
とはいえ、な……」
('、メ*川「ね。どうしたもんか……」
(メ;・3・)「……目が覚めたら落ち着いてることを祈るしかないか」
('、メ*川「あーあ。何でこうなるのかなー」
(メ・3・)「……良いのか?」
('、メ*川「そっちこそ、いいのかな?」
(メ・3・)「……ま、いいんじゃねーか?」
('、メ*川「ふふっ、そうね」
―――。
43
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:31:35 ID:qOUaxCw20
(;^Д^)「うっ……」
('、メ*川「あ、起きた」
(;^Д^)「ペニサス……?」
('、メ*川「落ち着いた?」
( ^Д^)「……ああ、流石にどうかしてたわ、すまん」
('、メ*川「ならよかった」
( ^Д^)「しっかしムカツクなあ貴族」
('、メ*川「まあ、ね」
( ^Д^)「決めたわ、とっととAランクまで上げる。
この組織ももっとでかくして貴族ぶち殺せるくらいにするわ」
('、メ*;川「おっ、おう」
(#^Д^)「俺をマジにさせたことを後悔させてやる」
('、メ*;川(うーん大丈夫かなこれ)
―――。
44
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:32:11 ID:qOUaxCw20
―――数日後。
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(*^Д^)「やっぱストレス解消はモンスターの巣爆破に限るな!」
(メ・3・)「いやー何度見てもえげつねーわ。オーガに同情するね」
プギャーは感情のぶつけどころを求めるかのように高ランク依頼に精を出していた。
今回の依頼は本来ならCランクパーティ複数合同で挑む必要のある規模であった。
( ^Д^)「ハッ! 全くひでーやつもいたもんだ」
(メ・3・)「ははは、そのひでーやつが味方でよかったですわ」
( ^Д^)「おう、俺も自分が敵だったらと思うと――ん??」
勝手知ったる路地裏を歩く彼らの視界に二人の男が目に入った。
そのスーツに似た黒服は、貴族街の裏を取り仕切るハインリッヒ組のものだ。
(メ・3・)「ありゃハインリッヒ組の連中か? こんな所に珍しいな……」
( ^Д^)「ああ、貴族街で幅効かせてるって奴らか」
(メ・3・)「アニキ、すまんがちょっと隠れてくれ、絡まれても面倒だ」
( ^Д^)「あん? まあいいけど……」
45
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:32:46 ID:qOUaxCw20
|
|3・)
|Д^)
( ■o■)「ったく、何で俺らがこんなこと……」ズル...
( ■u■)「スラムの方の組織がなくなっちまったんだから仕方ねーだろ」ズル...
( ■o■)「プギャー党だっけ? 潰しちまえばいいだろ」ズル...
( ■u■)「リーダーは宮廷魔術師並みの戦略兵器で、凄腕の暗殺者もいるらしいぞ」ズル...
( ■o■)「そんでビビっちまったってか? ハッ! 組長もヤキが回ったか?」ズル...
(;■u■)「おいやめろ、ボスは地獄耳だ」ズル...
(;■o■)「おっと、組長の深い考えもわからない下っ端の戯言ですよ、っと」ズル...
|
|3・)
|Д^)
(メ・3・)(ズタ袋? 死体でも運んでるのか?)
( ■o■)「しっかし結構上玉だったのに勿体ないことするもんだ」ズル...
( ■u■)「あの男の嗜虐趣味は相当だな。全く理解できん」ズル...
( ■o■)「しぃって言ったっけ? あいつに目を着けられたのは気の毒だが運ぶ俺らの身にもなって欲しいぜ」ズル...
三( ^Д^)スッ
(メ;・3・)つ「あっ、ちょ!」
( ■u■)「ん?」
46
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:33:22 ID:qOUaxCw20
(#^Д^)
(⌒`:::: ⌒ヽ
ヽ:::: ~~⌒γ⌒)
ヽー―'^ー-'
〉 │
/ ̄/ココ / ̄/ココ / ̄/ココ ./ ̄/ココ / ̄/ココ / ̄/ココ ./ ̄/ココ
/ ゙ー-; / ゙ー-; / ゙ー-; / ゙ー-; / ゙ー-; / ゙ー-; / ゙ー-;
/ /ー--'゙ / /ー--'゙ / /ー--'゙ / /ー--'゙ / /ー--'゙ / /ー--'゙ / /ー--'゙
/_/ /_/ /_/ /_/ /_/ /_/ /_/
(;■o■)「な、なんだお前は!」
(;■u■)「お、お前はまさかプ―――」
47
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:33:58 ID:qOUaxCw20
__o
. / ―|―" __
/  ̄| ̄ ヤ ツ
(#^Д^)
/⌒ /
(ぃ9 |
/ ∧
/ ∧_二つ
| \
/ /~\ \
/ / > )
/ ノ / /
/ / / /
`/ / ( ヽ
(_) \_)
ヘ⌒ ⌒ ⌒ へ、 、、
イ "" ⌒ ) ヾ ヾ ─|─ ヽ /
( ( ミ ⌒ ,, ヽ )ヽ) / | \ _/ ,
( イ 、;; ,ノ ヾ ) )
ゞ (. ミ . ノ. .ノノ...
::ゝ、、ゝ....'',,,,,....., , ノソ:::::
(メ;・3・)「おいおい、急にどうしたってんだアニキ?」
(#^Д^)「……くそっ! おい、生きてるか!?」
(メ ;;- )「……」
48
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:34:33 ID:qOUaxCw20
(;^Д^)「っ! まだ息がある!」
ズタ袋の中から現れた少女は凄惨な有様であったが、まだ生きていた。
ここでボルジョアはこれが件の少女なのだと気付く。
(メ;・3・)(クソッタレ! なんてこった!)
ボルジョアから見れば少女は疫病神以外の何者でもなく、
プギャーが一緒にいなければこっそりと始末したいくらいだった。
(;^Д^)「おいボルジョア! 教会に運ぶから手伝ってくれ! 頼む!」
(メ;・3・)「……わ、わかった、先導する」
自分たちのような破落戸がズタ袋を運んでいては衛兵が集まりかねない。
ボルジョアは人気のない道を先導し、時には人払いをして道を確保した。
プギャーはズタ袋を大事に抱えて後に続く。
やがて教会が見えてくる。
教会では高額なお布施と引き換えに回復魔法による治療を行っていた。
プギャーの見立てでは少女は医者には治療できない状態であり、教会を頼る必要があると考えていた。
一つ問題があるとするなら、彼らのような破落戸は教会から睨まれているということであった。
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49
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:35:08 ID:qOUaxCw20
(;^Д^)「すみません、誰か! 急患です!」
/ ,' 3「何ですか、騒々しい……おや?」
仕立ての良いローブを身に纏った、一目で高位の僧侶であるとわかる老人であった。
老人は二人の顔を見ると眉を顰める。
/ ,' 3「……ここはあなた方のような者が来るところではありません。
すぐに出ていきなさい」
(#^Д^)「急患だって言ってんだろうが! 頼む、この子を治してやってくれ!」
/ ,' 3「これは……」
ズタ袋から出された少女の身体は熾烈な拷問を受けたと一目でわかるものであり、
老人は更に顔を竦める。
/ ,' 3「お仲間ですか? 可哀想ですが、自業自得というものでは?」
(#^Д^)「ちげーよ! 俺たちとこの子は何の関係もない! ただの村娘だ!」
/ ,' 3「ふむ……? あなた方のような破落戸が人助けを? そんなことが……」
(#^Д^)「昔世話になったんだよ! マジで無関係だから頼む!」
老人はプギャーとボルジョアの顔を見ると、一つ頷いた。
/ ,' 3「いいでしょう。助かるかどうかはわかりませんが、引き受けます」
(;^Д^)「マジか!? すまねえ、恩に着る! おいボルジョア、金だ!」
(メ;・3・)「お、おう」
ボルジョアが差し出した袋をむしり取って老人に渡す。
プギャーは相場がわからないため、手持ち全てを渡す形になった。
50
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:35:43 ID:qOUaxCw20
/ ,' 3「よろしい、ではあなた達は立ち去りなさい」
(;^Д^)「え?」
/ ,' 3「この子があなたの言うように普通の村娘だとするなら、
あなた方のような破落戸と関わるべきではない、違いますか?
(;^Д^)「うっ……それは……」
/ ,' 3「いいえ、金輪際関わらせませんとも。この私が」
老人の鋭い眼光にボルジョアは身を震わせ、思わず一歩後ずさった。
プギャーは頭が茹っていて感じていないようだが、これは……。
(メ;・3・)(……スカルチノフには関わるな、か。
この爺さん、元アニキの言ってた通りヤバそうだぜ……)
プギャーは暫し逡巡した後、答えを返す。
(;^Д^)「……わかった、それでいい。だから、頼む」
/ ,' 3「よろしい。それでは、お引き取りを」
―――。
51
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:36:53 ID:qOUaxCw20
―――数年後。
::: ::: :: :: : : :: : : : :: : :: : :: : : : :: : : . . . .: . . .: : . .. . . . .. . . .
.:... .. : .. : :: . .: : : . . .. .: : : . :. : :. :: . : . :: . : :. : : :: . : :: .: . .: : : . :.:. . :: . . :: .. . . .. . :. . . ....
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三三三三三三三三三I○ ...,,;::.::;..;.;.;;;..;;::;:;;:;:::::::::. .,.(壬三三三三三三三三三三三
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三三三三三三三三三I○ 、., .,,,:.: (壬三三三三三三三三三三三
.. ,, ||!| ''"' .,.. 、,. ||!| 、., "'''゙ 、.,. |i|| "'' .,_, "'' 、.,. |i|| :::::::::;;;;;;;;
(;^Д^)9m「くっそ、キリがねえ!」
(メ;・3・)「アニキ、頑張ってくれ! 今はあんただけが頼りだ!」
(;・∀ ・)「ボルジョアのアニキ! このままじゃ……再出撃しますか!?」
(メ;・3・)「馬鹿言ってる暇あったら弓矢撃て! 再出撃は最後の手段だ!」
彼らは今、森に隣接する砦の中で魔物の軍勢に取り囲まれていた。
戦況は悪く、敵のあまりの物量にプギャーのチート能力を以てしても劣勢であった。
―――。
プギャーは破竹の勢いで昇格し、魔王軍幹部を偶然討ち取った功績でAランク冒険者となっていた。
Aランク冒険者は下級貴族と同等の権利を持っているが、領地は与えられない。
その代わりに、魔物の支配領域の開拓権がある。
プギャーの場合は近辺の魔の森……彼が最初に出現した森の開拓権、
開拓した部分の領有を認められていた。
国としては魔物の支配領域を減らせるなら喜ばしく、
他の貴族としても基本的に懐は痛まないためこのような処遇となっている。
プギャーは破落戸の組織をそのまま召し抱え、力を蓄えるために開拓を行っていた。
そして今戦場となっているここは、開拓の最前線に建てられた砦である。
52
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:37:29 ID:qOUaxCw20
(;^Д^)9m(どうなってやがる、こんなの初めてだ。何故か素通りせずに取り囲んできやがるし……)
('、メ*川三≡「プギャちゃん!」
息もつかさずにチート発動を続けていると、ペニサスが飛び込んできた。
彼女はある重大な任務を託され、単身街へと赴いていたのだ。
(;^Д^)9m「ペニサス! 首尾は!?」
d('、メ*川「勇者ちゃん達連れて来たよ!!」
(;^Д^)9m「ナイス!!!!」
53
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:38:08 ID:qOUaxCw20
__
――==三三三三三三三三三三三三三三三三三三三⊂二二二( ^ω^)二⊃| |二二二二>
~
__
<二二二二| |⊂二(^ω^ )二二二⊃三三三三三三三三三三三三三三三三三三三==――
~
予言されし勇者、ホライゾン。
低空を舞いながら魔物の群れを紙屑のように引きちぎっていく様に誰しもが言葉を失う。
_ ∩
( ゚∀゚)彡 おぱおぱおぱおぱおぱおぱおぱおぱおぱおぱおぱおぱおぱおぱおぱおぱ
( ⊂彡. おぱおぱおぱおぱおぱおぱおぱおぱおぱおぱおぱおぱおぱおぱおぱおぱ
| | おぱおぱおぱおぱおぱおぱおぱおぱおぱおぱおぱおぱおぱおぱおぱおぱ
し ⌒J. おぱおぱおぱおぱおぱおぱおぱおぱおぱおぱおぱおぱ――おっぱい!!」
ヽ`
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´.
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...‐''゙ . ` ´ ´、 ゝ ''‐...
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゙゙゙゙i;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;l゙゙゙゙゙
ノi|lli; i . .;, 、 .,, ` ; 、 .; ´ ;,il||iγ
/゙||lii|li||,;,.il|i;, ; . ., ,li ' ; .` .; il,.;;.:||i .i| :;il|l||;(゙
`;;i|l|li||lll|||il;i:ii,..,.i||l´i,,.;,.. .il `, ,i|;.,l;;:`ii||iil||il||il||l||i|lii゙ゝ
゙゙´`´゙-;il||||il|||li||i||iiii;ilii;lili;||i;;;,,|i;,:,i|liil||ill|||ilill|||ii||lli゙/`゙
´゙`゙⌒ゞ;iill|||lli|llii:;゙|lii|||||l||ilil||i|llii;|;_゙ι´゚゙´`゙
´゙゙´`゙``´゙`゙´``´゙`゙゙´´
勇者の相棒、大魔法使いのジョルジョ。
本人はスタンド使いだと毎度訂正しているが、誰も聞く耳を持たない。
54
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:38:44 ID:qOUaxCw20
ミセ*;゚ー゚)リ(私、このパーティにいてもいいのかな……?)
ジョルジョの婚約者、ミセリ。
戦場ではいつもジョルジョを後ろから見守るだけの彼女だが、侮ってはいけない。
彼女の存在こそが勇者パーティの活躍を支えているのだ。
具体的には金勘定や交渉などが絶望的な他のメンバーに代わり、
全ての管理や対外折衝を彼女が引き受けていた。
\
\ ∧,,
ゞ ⌒ヽξ゚⊿゚)ξ 「むん」
<( >> ⊂ )
//,, ノ\/> >
/ ,/ | |_)\__)
カァッ!
「はっ!」
\ | / / ド キ ュ ソ!!
ξ゚⊿゚)ξ ゞ ⌒ヾ∠_____________-ニ ̄ ̄ ヽ
( _ ̄つ⊃( =- )
/ />" > //_ く ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄--=____ノ
(_ノ (__)/ / ∨N \
聖女ツン。
彼女は高位の僧侶であり聖女の称号を持ちながら、脳筋揃いの勇者パーティでも随一の脳筋であった。
上記は彼女の必殺技、気合い砲である。
「気合いは全てを解決する」が彼女の信条であるが、
まさかそれを形にしてしまうとは王国軍師であり目に定評のあるウミノ氏ですら見抜けなかった。
ちなみにこの技は味方に命中すると気合いが注入されて回復・パワーアップするが、暫く脳筋になる。
55
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:40:10 ID:qOUaxCw20
(;^Д^)(流石だ……俺のチート能力が霞んで見えるぜ)
プギャーとて並大抵の能力ではない。
戦いの心得もなく、人並みの体力もなく、魔法の知識もゼロ、碌な知識・知略もなく、
それのみでAランク冒険者にまで至っているのだから。
しかしそのプギャーから見ても、勇者パーティの三人の力は圧倒的であった。
うち二名がショボクレ・プレゼンツのチート能力者であることは知っているが、それでも、である。
彼は思わず、過去を振り返った。
与えられたチート能力に頼り切り、チート能力を鍛える、使い方を極める、なんてことは全くもってしてこなかったな、と。
与えられたチート能力のレベルにそもそも差があるのか、努力の差なのか。
誰にもわからないがしかし、彼には後者であると思えた。
( ^Д^)(……ま、しゃあない。じゃなきゃクズなんてやってませんよってね)
異世界転生(編注:どうでもいいが転移では?)してから数年。
以前の彼からはおよそ考えられないことであるが、彼は自分の問題点を概ね理解するに至っていた。
問題があることを自覚し、改善すべきと考え、しかし行動しない。
人として一歩前進といったところであるが、大きな一歩であった。
( ^Д^)9m「よし! みんな、もうひと踏ん張りだ! 頼むぜ!」
(*・∀ ・)「旦那……!」
('、メ*川「ふふ、優勢になった途端にかっこつけちゃって」
(メ#・3・)「撃て―!」
―――。
56
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:41:39 ID:qOUaxCw20
 ゙̄''ー-、.._ _,,-―'" ̄
|| ゙̄''ー-、______________,,-―'" ̄
二.二二二二i===||________,| | | |
|| ||;; | | | ̄ ̄__i__ ̄ ̄| |―┬―┬―┬―| | |\
|| ||;; | | | | |: | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | | \
|| ||;; | | | | |: | |. i i | | | |
|| ||;; |_| | |_|: | | (_;;). | | | |
|| ||/ /| | | | ̄ ̄ ̄| ̄''''――| | | |
|| ||/ /三.三.三.三三|_|―――|゚____,|_| \ |
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|| ||' \
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//|| /
//
/
( ^ω^)「おっおっ。お疲れ様だお」
(*^Д^)「いやーマジで助かった! 勇者様には足向けて寝られんなこれ」
(;^ω^)「勇者様とかやめてくれお。ブーンでいいお」
ξ゚⊿゚)ξ「ちょっとブーン! こんなクズと仲良くするなって言ってるでしょ!」
('、メ*川「んん?? 喧嘩大安売り?? 買うよ??」
ξ゚⊿゚)ξ「あん?」スッ
('、メ*川「おう?」チャキッ!
(メ;・3・)「待って待って待って、マジで待って」
_
( ゚∀゚)ノシ「おう、やれやれー!」
ミセ*;゚ー゚)リ「聖女様、おやめください!」
_
( ゚∀゚)キリッ「そうだぞ、やめるんだ二人とも!」
('、メ*川ξ゚⊿゚)ξ((うぜぇ))
ξ゚⊿゚)ξ「……はぁ。ミセリ、ここは任せた。ブーン、行くわよ」
(;^ω^)「あ、ちょ待――おっおっおっ」
ズルズル...
('、メ*川「全く、失礼しちゃう」
ミセ*;゚ー゚)リ「す、すみません、うちの聖女様がシツレイを……」
57
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:42:18 ID:qOUaxCw20
―――数年後。
(;^Д^)「……は? ごめんもっかい言って」
('、メ*川「勇者ちゃん達、魔王に負けたって」
(;^Д^)「……マジかよ」
('、メ*川「マジ。調子に乗った魔王がハッスルしてるらしいから、ここにも軍が来るかも……」
ξメ゚メ゚)ξ「その通りよ」
(;^Д^)「!? お、お前は……」
ξメ゚メ゚)ξ「何よ? ぶっとばされたいの?」
(;^Д^)「いや……どうしてここに?」
ξメ゚メ゚)ξ「……ジョルジョとスカルチノフが死んだわ」
(;^Д^)「!!」
ξメ゚メ゚)ξ「ブーンは今、聖剣の強化のために飛龍山脈に行ってる。
ミセリは……連れてったのが間違いだった、振り返ると魔王を舐めすぎてたわね。
で、転送魔法の枠が3人分空くわけなんだけど」
('、メ*川「あっそ、それで?」
(メ;・3・)「ま、まさか……」
ξメ゚メ゚)ξ「……こんなこと言えた立場じゃないのはわかってるけど、力を貸してくれない?」
58
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:42:54 ID:qOUaxCw20
(メ;・3・)「馬鹿な! 何で俺たちが……」
ξメ゚メ゚)ξ「あんた達、ずっとこの辺に引き籠ってるから自覚ないかもしれないけど強いのよ。
最近じゃ普通に私たちに次ぐレベルね」
(メ;・3・)「だからって他に騎士とかAランク冒険者とかいるだろ!」
ξメ゚メ゚)ξ「騎士は駄目。単純な強さはあんたより多少上かもしれないけど、変な拘りがありすぎる、いるだけで普通に邪魔。
他のAランク冒険者は……先走ってやられそうな奴とか、勿体ぶってるうちにやられそうな奴とか。
あとは普通にピーキーすぎたり、後ろから撃ちそうな奴までより取り見取りね。
実力は劣ってもあんたの方が数倍マシだわ」
('、メ*川「私達が協力する義理がないんだけど?」
ξメ゚メ゚)ξ「あら、数年前助けてあげたの忘れた? 流石は破落戸、恩知らずね」
('、メ*川「悪いけど弾避けになって死ぬほどの恩じゃないかな。他を当たって」
(;^Д^)「いや待て、そうは言っても。魔王軍ここにも来るよな?」
ξメ゚メ゚)ξ「そうね」
(;^Д^)「……勝ち目あると思う?」
ξメ゚メ゚)ξ「仮に私とブーンが加わったとしても物量に負けるわね。
眷属強化こそが魔王の力の真骨頂だから」
(;^Д^)「……なるほど? だから勇者専用転移魔法なんていう凡そ勇者らしくない魔法が存在してらっしゃる?」
ξメ゚メ゚)ξ「その通り。魔王がいる限り対軍では勝ち目ないのよ」
(;^Д^)「ではなぜ魔王氏は今まで軍で押しつぶしに来なかったんですかね?」
ξメ゚メ゚)ξ「今までは王国軍で十分対抗できるレベルだったのよね……。
あくまで私の感覚だけど、勇者に勝ったことで枷が外れた、って感じね。
そういう封印が魂に刻まれていたのかも……」
(;^Д^)「え、じゃあ何。魔王クンさんお前らが負けた時より強いわけ? 勝ち目なくね?」
ξメ゚メ゚)ξ「そうだったら逃げ切れなかったわね。本人の強さは変わってないと思うわ」
(;^Д^)「ふむ……」
59
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:43:30 ID:qOUaxCw20
プギャーは暫し黙考した。
決戦に参加すれば恐らく死、参加を逃れても勇者パーティが負ければ確実に死。
……全く検討の余地がなかった。
問題は自分が参加した方が勝率が高いか、否かだ。
チート能力のおかげで火力だけはあるが、果たして役に立てるのだろうか?
しっかり経験を積んだ他のAランク冒険者に頼むべきなのではと思う。
(;^Д^)「なあ正直俺、お前らが負けたような奴相手に役に立つとは思えないんだけど?」
ξメ゚メ゚)ξ「私も正直ちょっと疑問ね」
(;^Д^)「おい」
ξメ゚メ゚)ξ「……でもブーンは、あんたしかいないって言った」
(;^Д^)「!?」
ブーンが、自分を?
プギャーにはわけがわからなかった。
彼らは転生者同士多少の交流はあったが、それほどのものではない。
何故ブーンがそんなことを言うのか、全くわからない。
ξメ゚メ゚)ξ「……芯、かな」
(;^Д^)「あん?」
ξメ゚メ゚)ξ「あんたとブーン、根っこの部分がちょっと似てるのかも」
(;^Д^)「なんだそりゃ、わけがわかんねー」
ξメ^メ^)ξ「かっこよくみんなを守って、いい気になりたいんだお!」
(;^Д^)「……」
ξメ゚メ゚)ξ「プッ、今思い出しても笑えるわ。
普通嘘でもみんなを守りたいって言うところをあいつ、かっこよく守っていい気になりたいって……プククッ。
しかもその後にそれ以外の理由なんて全くないお! なんて続けるんだもの、もうおかしくって」
なるほどな、と思う。
確かにそれは大いに共感できる理由であるし、彼が今ここにいる理由でもある。
だがそれを堂々と口にする勇気は……流石は勇者だと妙に感心してしまったプギャーである。
60
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:44:05 ID:qOUaxCw20
ξメ゚メ゚)ξ「私は、そんなブーンだからこそ支えたい」
(;^Д^)「……なんかいい話風にしてるけど全く根拠がないんだが」
ξメ゚メ゚)9m「そこの二人だってそうなんじゃないの? そんなこいつだから、支えてあげたい」
('、メ*川「……」
(メ・3・)「……」
(;^Д^)(えっ、そうなの!?)
('、メ*川「んー……癪だけどだいたいあってるかなぁ。出来の悪い弟みたいというか……」
(メ・3・)(確かに俺にしちゃ必要以上に肩入れしてきたよな……もっと使い倒すこともできたのによ)
ξメ゚メ゚)ξ「だから私は、そんなあんた達なら背中を任せてもいいかな、とは思ってる。きっとブーンもそう」
('、メ*川「なるほどね……」
( ^Д^)「……」
プギャーはあることに気付いた。気付いてしまった。
この二人やプギャー党との関係はもっとビジネスライクなものだと思っていた。
だが、そうではない……そうではなかった。
( ^Д^)(下っ端のユンケルが死んだ時、サムソンが死んだ時、俺はどうした?)
怒り狂って敵を爆散させた。
夜には死を悼んでボルジョアと飲んだ。悲しかった。そうだ、悲しかったんだ。
一度気付いてしまえば流れるように繋がっていく。
61
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:44:41 ID:qOUaxCw20
( ^Д^)(ボルジョアはいつだって俺を支えてくれた。
俺が何かやらかしても仕方ねえなあって……どっちが兄貴だよ、全く)
( ^Д^)(ペニサスの気遣いに何度助けられたか。
そういや酔って泣きついちまったこともあったな……姉貴がいたらこんな感じだったのかな)
( ^Д^)(マタンキは……うん、あいつもうざいけど良い奴……うん、うざいけど。
何だろう、馬鹿な子ほど可愛い? うざいけど)
( ^Д^)(それと……彼女は……)
巡る思い出、吹き出す感情。
ふふっ、という笑い声が自然と零れる。
( ^Д^)(そうか、これが家族って奴なのかもな……)
更に振り返ってみれば、糞ニートになるよりずっと前……似たような感情を覚えたことがあった気がした。
ニート時代が長すぎて摩耗してしまっているが、それは確かに家族愛というものなのだろう。
( ^Д^)「ククッ」
(メ・3・)「アニキ……?」
( ^Д^)「いやー……何だよ、馬鹿すぎるな俺」
ξメ゚メ゚)ξ「あら? 今頃気付いたの?」
( ^Д^)「うるせー。けど、ありがとよ。おかげで大事なことに気付いた」
ξメ゚メ゚)ξ「?」
( ^Д^)(どうでもいい奴守ったってあんま良い気にはなれんわな。
大切なみんなを無事に守って感謝と称賛を受ける俺……うん、いいな、凄くいい。
そういうことだよな、ブーン?)
―――。
62
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:45:16 ID:qOUaxCw20
―――。
「どうして……ですか」
「どうしてもこうしてもあるかよ。俺がそうしたいってだけだ」
「私、もうこんな体になって……ご迷惑しか……」
「……そんなことは、ねーよ」
「ぅぅ……」
「遅くなって、ごめんな」
「うっ……ぐすっ……でも、助けてくれました」
「……」
「だから、十分です。だからもう……ぐすっ、いいんです、放り出してくだされば……」
「いいや足りないね。全然足りない」
「ぐすっ……あっ」
「頼むから、もっと抱きしめさせてくれよ……」
―――。
(´(・)ω^`)b
63
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:46:12 ID:qOUaxCw20
( ^Д^)「おっしゃ理解、あと2週間は存分に修行できるってわけだ」
( メω^)「だおだお」
(メ・3・)「あくまで希望的観測らしいが……」
ξメ゚メ゚)「希望的観測でしか勝機がないんだから考えるだけ無駄ね」
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
('、メ*川「ま、そうね。ボルちゃん、私達はどうせ死ぬ。
そこんとこ勘違いしちゃ駄目だからね? 最高の死に方、考えとくといいかな」
(メ;・3・)「……」
(#^Д^)「だまらっしゃい、俺が死なさねえ! おいブーン! 修業はよ!」
(;メω^)「おっ、おう。えらく気合い入ってるお」
(#^Д^)「一生分どころか抱え落ちした二生分ここで全賭けしたるわ!」
( メω^)b「……そうだおね、やってやろうお!」
(#^Д^)b「おうよ!!」
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ .・ ・ ・ .・ ・ .・ ・
('、メ*川(プギャちゃん……やる気なのは良いけど私達を守れるなんて奢らないでね?
たぶん、そこを間違ったら勝機は完全にゼロになる)
m9(#^Д^)9m「やってやる、やってやるぞ!(CV.島田)」
(´・ω・`)ノシ(踏み込みが甘い)
―――。
64
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:46:47 ID:qOUaxCw20
ー┴ー[__] ─┴||─┴─:[__]─┴─┴─┴[__] ─┴||─┴─:[__]─┴
 ̄ ̄ ̄||: | :|l  ̄ ̄ || ̄ ̄ ̄ ||: | :||:: ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||: | :|l  ̄ ̄ || ̄ ̄ ̄ ||: | :||:: ̄ ̄
||: | :||: {}={}个{}.={} ||: | :||::.: . ||: | :||: {}={}个{}.={} ||: | :||::.
||: | :||: `{}={}={}´ ||: | :||::.: . ||: | :||: `{}={}={}´ ||: | :||::.
||: | :||::. ||: | :||::.: . ||: | :||::. :. ||: | :||::.
||: | :||::. ||: | :||::.: . ||: | :||::. :. ||: | :||::.
||: | :||::. ||: | :||::.: . ||: | :||::. :. ||: | :||::.
||: | :||::. ||: | :||::.: . ||: | :||::. :. ||: | :||::.
||: | :||::. ||: | :||::.: . ||: | :||::. :. ||: | :||::.
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ΤΤΤ||: | :||::ΤΤΤΤΤΤ||: | :||::ΤΤΤΤΤΤ||: | :||::ΤΤΤΤΤΤ||: | :||::.ΤΤ
|||||: | :||::||||||||: | :||::||||||||: | :||::||||||||: | :||::.||
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──‐l二二二l:─────l二二二l:─────l二二二l:─────l二二二l──
__/___/___/___/___/___/___/___/___/___/
___/___/___/___/___/___/___/___/___/__
/___/___/___/___/___/___/___/___/___/__
_/___/___/___/___/___/___/___/___/___/__
('A`)「魔王様」
( ФωФ)「む?」
( ゚∋゚)「王国軍は壊滅寸前、今こそ引導を渡す時です」
( ФωФ)「で、あるか」
( ∵)「逃げ出した勇者どもは今頃震えあがっていることでしょう」
( ФωФ)「ふむ、そのような者とも思えんがな」
(=゚ω゚)ノ「攻め込んで来ると言うならば是非もなし。我ら四天王、雪辱を果たして御覧に入れましょう」
( ФωФ)「そうか。ならばやってみるがよい」
65
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:47:22 ID:qOUaxCw20
('A`)「はっ。しかしあれほどの敗北を喫して再び立ち上がるとは――」
( ФωФ)「もう来ておる」
(;'A`)「はっ!?」
\\
. \\
,. \\从/
. そ て
ゝ, そ
"`/'^r \
. \\
. \\
\\
\\キンッ
\\
..\\
\\从/
そ て
ゝ, そ
"`/'^r .\
\\
\\
\\
\\
三(メ;'A`)「くうっ!?」
('、メ*川三「ちっ!」
66
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:47:58 ID:qOUaxCw20
ミ//
(メ#・3・)//「はあっ!」
(;゚∋゚)「!?」
(#^Д^)9m「プギャー!」
ヘ⌒ ⌒ ⌒ へ、 、、
イ "" ⌒ ) ヾ ヾ ─|─ ヽ /
( ( ミ ⌒ ,, ヽ )ヽ) / | \ _/ ,
( イ 、;; ,ノ ヾ ) )
ゞ (. ミ . ノ. .ノノ... ヘ⌒ ⌒ ⌒ へ、 、、
::ゝ、、ゝ....'',,,,,....., , ノソ::::: イ "" ⌒ ) ヾ ヾ ─|─ ヽ /
( ( ミ ⌒ ,, ヽ )ヽ) / | \ _/ ,
ヘ⌒ ⌒ ⌒ へ、 、、 ( イ 、;; ,ノ ヾ ) )
イ "" ⌒ ) ヾ ヾ ─|─ ヽ / ゞ (. ミ . ノ. .ノノ...
( ( ミ ⌒ ,, ヽ )ヽ) / | \ _/ , ::ゝ、、ゝ....'',,,,,....., , ノソ:::::
( イ 、;; ,ノ ヾ ) )
ゞ (. ミ . ノ. .ノノ...
::ゝ、、ゝ....'',,,,,....., , ノソ:::::
(;=゚ω゚)ノ「くうっ!?」
\
\ ∧,,
ゞ ⌒ヽξ゚⊿゚)ξ 「むん」
<( >> ⊂ )
//,, ノ\/> >
/ ,/ | |_)\__)
カァッ!
「はっ!」
\ | / / ド キ ュ ソ!!
ξ゚⊿゚)ξ ゞ ⌒ヾ∠_____________-ニ ̄ ̄ ヽ
( _ ̄つ⊃( =- )
/ />" > //_ く ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄--=____ノ
(_ノ (__)/ / ∨N \
(;∵)「……っ!!」
67
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:48:33 ID:qOUaxCw20
( ФωФ)「……待っていた」
( メω^)「……」
( ФωФ)「貴様ほどの漢を失うのは本当に惜しい……故にもう一度聞いておく。
本当にその選択で良いのか?
貴様はあの邪神に良いように使われているだけなのだぞ……?」
( メω^)「……僕には難しいことはわからないお。
だけど! 大切な人達の暮らしを脅かすお前を許すわけにはいかないお……!」
( ФωФ)「で、あるか。ならば是非もなし」
,
./(
/ .:l.
∧_∧ .:ノ \_,,ィ
⊂(ФωФ)_∠二;;;;;;/
ゝ О'
( i⌒i
 ゙̄ー'
( ФωФ)「いざ尋常に、勝負である!」
―――。
68
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:49:09 ID:qOUaxCw20
ミ/>
(#゚∋゚)//「ふんっ!!」
(メ;・3・)「くっ!?」
(#^Д^)9m三9m「プギャー!」
ヘ⌒ ⌒ ⌒ へ、 、、
イ "" ⌒ ) ヾ ヾ ─|─ ヽ /
( ( ミ ⌒ ,, ヽ )ヽ) / | \ _/ ,
( イ 、;; ,ノ ヾ ) )
ゞ (. ミ . ノ. .ノノ... ヘ⌒ ⌒ ⌒ へ、 、、
::ゝ、、ゝ....'',,,,,....., , ノソ::::: イ "" ⌒ ) ヾ ヾ ─|─ ヽ /
( ( ミ ⌒ ,, ヽ )ヽ) / | \ _/ ,
ヘ⌒ ⌒ ⌒ へ、 、、 ( イ 、;; ,ノ ヾ ) )
イ "" ⌒ ) ヾ ヾ ─|─ ヽ / ゞ (. ミ . ノ. .ノノ...
( ( ミ ⌒ ,, ヽ )ヽ) / | \ _/ , ::ゝ、、ゝ....'',,,,,....., , ノソ:::::
( イ 、;; ,ノ ヾ ) )
ゞ (. ミ . ノ. .ノノ...
::ゝ、、ゝ....'',,,,,....., , ノソ:::::
(メ;゚∋゚)「ぐおっ!!」
(;=゚ω゚)ノ「くそっ、なんて弾幕だ!」
(メメ∵)「まさかあんな隠し玉がいたとは――」
ξメ゚メ゚)ξ<フンッッ!!
__〃`ヽ 〈_
γ´⌒´--ヾvーヽ⌒ヽ モキュッ
/⌒ ィ `i´ ); `ヽ
/ ノ^ 、___¥__人 |
! ,,,ノ爻\_ _人 ノr;^ > )
( <_ \ヘ、,, __,+、__rノ/ /
ヽ_ \ )ゝ、__,+、_ア〃 /
ヽ、___ ヽ.=┬─┬〈 ソ、
〈J .〉、| |, |ヽ-´
/"" | |: |
レ :|: | リ
/ ノ|__| |
| ,, ソ ヽ )
.,ゝ ) イ ヽ ノ
y `レl 〈´ リ
/ ノ | |
l / l;; |
〉 〈 〉 |
/ ::| (_ヽ \、
(。mnノ `ヽnm
(メ;゚∋゚)(;=゚ω゚)ノ(メメ∵)「はっ?」
69
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:49:45 ID:qOUaxCw20
―二三三三三三三三ξ#メ゚メ゚)ξ「ぬおおおおおおぉぉぉおおぉおぉおぉおぉおぉぉぉぉぉおおおおおおおおおッッ!!!!」
(メ;゚∋゚)つ「なっ、舐めるなぁっ!!」
(;=゚ω゚)ノ「馬鹿ッ、避けろぉっ!!」
グチャッ!
(メメ;∵)「なんというパワーだ……魔王様のお力で強化されたクックルが一撃で……!」
(;=゚ω゚)ノ「あいつにあんなパワーはなかったはず……」
(メ;・3・)(ありゃあたぶん、盛大に寿命削ってんな……よくやるぜ)
(#^Д^)9m「プギャー!」
三(;=゚ω゚)ノ「ちっ!」ボンッ!
(メメ;∵)三「くそっ!」ボンッ!
―二三三三三三三三ξ#メ゚メ゚)ξ(早くザコども片付けないと……ブーン一人じゃ……!)
(メ'A`)r=-「おっと、させねえよ」
バンバンバン!
ξ#メ゚メ゚)ξ「っ!!」
('、メ*;川(こいつ、格別……! 私をあしらいながらそんな余力があるなんて。
不意打ちで決められなかったのは痛かったかな……)
二三(#=゚ω゚)ミ「隙ありだッ!!」
二三ξ#メ゚メ゚)つ「見せてんのよッ!!」
70
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:50:21 ID:qOUaxCw20
(#^ω^)「おおおおおおおおぉぉぉぉおおぉぉぉぉぉおぉぉ!!!!!!」
(#ФωФ)「覚悟ッ!!」
4三三三三三三三三三三三三三三三==――
∥三三三三三三三三三三三三三三三三==――
∥三三三三三三三三三三三三三三三三三==――
.__ ∥三三三三三三三三三三三三三三三三三三==――
――==三三⊂二二二(#^ω^)二⊃| |二二二二> (ФωФ#)つ三三三三三三三三三三三三三三三三三三三==――
~
l .| /
\ ! } //
_______ / ̄/.\\ .,, / │ .,i / /
/ / / / \ \ i、 巛 ! , '/./ /
/ / /レ/ / ̄/......\ `.-、 l`、| !/ 〃 ,/
.. /_____ / / /. \ `'-.ゝ ./ //
. / / iY/. ッ \ / /
/ /. ____Z  ̄'''―--z__
.. _____/ /.. ──==二二二__ 、. r────────
/ / _.;;彡-ッ '、.ヽ, .,,,,、 \
./_______/ '"´ / ,.. / ヽ .ヽ. ..\¨''ーニ;;、、
_从 ,.;;ン‐″./ ., l .゙!l>、. \ ´
/ / _从__ ,..广 ./.,v /! .i'i.|.l ヽ`'-、. `'-,
. /,.,// // /. " .,i./ |./ ,! l゙ リ ! ヽ. `'-、\
. " /,、/'´ / 〃 i}′| l .l .ヽ `'''ゝ
゙ // ,i″ ! ,! .l .ヽ
l′ │ / l ヽ
| / .} .ヽ
|/ l l,
|′ ! l,
,! l
! l
(メ;・3・)(糞ッ、わかっちゃいたが俺の実力じゃアニキの護衛くらいしかできんな)
71
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:50:57 ID:qOUaxCw20
('、メ*川「随分なめた真似してくれるじゃない?」
(メ'A`)「ふん。暗殺者が真っ向勝負とか馬鹿丸出しだからな」
('、メ*川「そう言うあんただって、軍師がサシの勝負とか恥ずかしくないの?」
\(メ'A`)ノシ「正直めっちゃ恥ずかしい。もうなんなの。色々考えてたのに結局こうなっちまうとか俺ダサすぎ」
('、メ*川「あ、うん」
(メ'A`)r=-「だもんで、まあ。柄じゃないが討ち取らせて貰うぜ」
('、メ*川「こっちも柄じゃないけど……楽に殺れると思わないでね?」
―――。
ξメ゚メ゚)ξ「死ねぃッ!!」
( ∵(((「ぐはぁっ!!」
(#=゚ω゚)ノ「ビコーズ! 貴様ぁッ!!」
ξメ゚メ゚)ξ「今ッ!!」
(#^Д^)9m「プギャー!」
ヘ⌒ ⌒ ⌒ へ、 、、
イ "" ⌒ ) ヾ ヾ ─|─ ヽ /
( ( ミ ⌒ ,, ヽ )ヽ) / | \ _/ ,
( イ 、;; ,ノ ヾ ) )
ゞ (. ミ . ノ. .ノノ...
::ゝ、、ゝ....'',,,,,....., , ノソ:::::
(#=゚ω゚)ノ「ぐおあぁぁぁッ!?」
ξメ゚メ゚)ξ「貰った!」
ボン! .∴' _ ・ ; |
シュイン! ∴' ', ・,' ;*;∵;:|
二=ξメ゚メ゚)ξ二≡つ+・.;,;ヾ∵., |
三≡三=二 *; ・∵, |
≡三二=≡二≡ ( ) |
三≡≡三=二三 | || | |
≡三二=≡二≡ (_)(_) |
(*^Д^)「やった!」
≡三ξメ゚メ゚)ξ「あと一人!」
72
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:51:32 ID:qOUaxCw20
(メ'A`)「あーこりゃもう駄目だな」
('、メ*川「観念した?」
(メ'A`)r=-「はいそうですかってわけにもいかん。せめて一人くらい道連れにせんとな」
('、メ*川「お生憎、付き合ってあげる義理は――ッ!?」
(メ'A`)r=-「残りの魔力全部つぎ込む、ぜッ!!」
ガァン!
('、メ*;川「プギャちゃ――」
(;^Д^)「!?」
二三(メ#・3・)つ));^Д^)「うおっ!?」
ヘ⌒ ⌒ ⌒ へ、 、、
イ "" ⌒ ) ヾ ヾ ─|─ ヽ /
( ( ミ ⌒ ,, ヽ )ヽ) / | \ _/ ,
( イ 、;; ,ノ ヾ ) )
ゞ (. ミ . ノ. .ノノ...
::ゝ、、ゝ....'',,,,,....., , ノソ:::::
(;^Д^)「ボルジョア!?」
('、メ*#川「くっ! 死ね!」
\\
. \\
,. \\从/
. そ て
ゝ, そ
"`/'^r \
. \\
. \\
\\
\\キンッ
\\
..\\
\\从/
そ て
ゝ, そ
"`/'^r .\
\\
\\
\\
\\
73
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:52:07 ID:qOUaxCw20
(;^Д^)「ボルジョア……嘘だろ、おい!」
(メ 3 )……
('、メ*川「プギャちゃん! 無事!?」
(;^Д^)「ボ、ボルジョアが……」
('、メ*川「ごめん、私が仕留められてれば……」
(;^Д^)「いや、俺が……クソッ!」
( ;Д;)「かっこつけやがて……」
―――。
74
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:52:43 ID:qOUaxCw20
( ФωФ)「……四天王がやられたか」
(;メω^)「はあっ、はあっ」
ξメ゚メ゚)ξ「ブーン!」
( ФωФ)「ここまでよくぞ凌いだといったところか」
(;メω^)(まずいお……無事に凌げたのが奇跡だお。これじゃみんなが加わっても……)
ξメ゚メ゚)ξ「ブーン」
(;メω^)「おっ?」
ξメ゚メ゚)ξ「私が隙を作るから……でかいの一発お願い」
(;メω^)「む、無理だお。いくらツンでも……」
ξメ゚メ゚)ξ「他に方法はないわ」
(;メω^)「……わかったお」
―――。
75
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:53:48 ID:qOUaxCw20
―=≡≡三三三三三三三三三ξ#メ゚メ゚)ξ「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
(;ФωФ)「ぬうっ!? 何という気迫……!」
ξ#メ゚メ゚)ξ「はああああああああああ!!!」
(;ФωФ)「舐める、なぁッ!!」
ξメ゚メ゚)ξ「あっ」
ξメ゚メ゚)ξ
⊂ニ゙i,.,.,.,,.,゙i⊃
'゛:;¨∵・;∴
|~~||~~|
(_)(_)
ξメ゚メ゚)ξ(あーこれ、死んだわ)
ξメ-メ-)ξ(ごめんね、ブーン……返事……でき、な……)
76
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:55:49 ID:qOUaxCw20
.__
――==三三三三三三三三三⊂二二二(#メω;)二⊃| |二二二二>
~
(#メω;)「うっおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
(;ФωФ)(ギリギリ、躱せ――何ッ!?)
m9(#^Д^)9m
ヘ⌒ ⌒ ⌒ へ、 、、
イ "" ⌒ ) ヾ ヾ ─|─ ヽ /
( ( ミ ⌒ ,, ヽ )ヽ) / | \ _/ ,
( イ 、;; ,ノ ヾ ) )
ゞ (. ミ . ノ. .ノノ... ヘ⌒ ⌒ ⌒ へ、 、、
::ゝ、、ゝ....'',,,,,....., , ノソ::::: イ "" ⌒ ) ヾ ヾ ─|─ ヽ /
( ( ミ ⌒ ,, ヽ )ヽ) / | \ _/ ,
ヘ⌒ ⌒ ⌒ へ、 、、 ( イ 、;; ,ノ ヾ ) )
イ "" ⌒ ) ヾ ヾ ─|─ ヽ / ゞ (. ミ . ノ. .ノノ...
( ( ミ ⌒ ,, ヽ )ヽ) / | \ _/ , ::ゝ、、ゝ....'',,,,,....., , ノソ:::::
( イ 、;; ,ノ ヾ ) )
ゞ (. ミ . ノ. .ノノ...
::ゝ、、ゝ....'',,,,,....., , ノソ:::::
(;ФωФ)三二「くうっ!?」
二三(#メω;)「うわああああああああああああああああああああああああああ!!!」
77
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:56:24 ID:qOUaxCw20
,/ ! l .`゙''ー ,,. `゙''ー、、 `'-、`'-ヽ、
./ _.. -‐ l | `'ヽ、 `'-、ミ;;、、 .\ `'テ、,
./ .,..r‐´ l l ゙'-、 `'巛|iッ、 .\. ゛
../ ,-./ l, l \ `lミ.l∧ \
/ ./ / i.li l!、.-⊂ニ冖ー-..,,、 .ヽ ゙'∧`、, ."
/ / l[ l!l゙  ̄>,, `'-、 ヽ \
,i/ ! _ l| .|| `''-、 ゙>、 ..l : '、 ヽ
,!l′ ! .,,イ゛ .__;;==' ̄/ リ || ヽ, '.l.l、 .l ., ..l l
,l゙ 」/" ! ,./ / ..-'" ,/´ │ l ゙'li l,'!i ] ..l. ゙l. ゛
. |,! |ll l .,/゛ / / ,/ 、│ ! ,, .;;=ii、、 .゙ll l、 .l .l .゙、
..!.| コ.「 .| / ! ./ .,ノ’ |.|′ 1l゙ `'ミ''!リii、、 .リ、.′" l .l
l| .l .l゙ | / l / .../ l} l.! `'、 ` \ │.l │ !
" !.l ! .! l./ / .,..ィ─ ! .l′ .ヽ .゙゙l、 亅 .l ., ! .! '.
l} ! ! ゙ ./ / / .! .l゙.ii..,,_ ..l, .ヽ │ .! |i │ !
゙ | .! l ! .,i /../ .,、 l ! \`'-、 .! .l. ! .! .|.! ! │
| .U l l i' l|l゙ ! ,,<ゞ |、 ! l \'i、 | |.,ゝ ! l | .! .l
.! .゙li '. │i] .l ゙,! .! ./ / / .、l! ネ, 、.l lリ、 | .|″ .,! l゙ i!l′ /
! ` │ .l !.! |.!.l .! .i| l l .|.! : |.! . lZ l!..l| |./ .l″ l
.l .l 'l! .!.l !| ! .l゙テ ! .,i .'l! ,l| ゙ト、 |゙! ! .「 .ア ,i′ ./ /
.l l .l .|| .〉 .'仆 ! |l | . ! l;;. !.l ./ .ノ / ./
. l, ヽ . l .! , ゙ヽ .ヽ、l l i、 l‐ .i! | l「.ゞ / /
、 .ヽ . l ヽ .ヽ ヽ `彳!八 | / ." ′ ! ., / ,i' ./
.ヽ ヽ ヽ 、 \ \ : -、 ./ / / ,ノ゛ ./
ヽ .ヽ .ヽ \ \ \、 .\、 _/ ,./ ./ ,. ./ ./ ./
ヽ ヽ ヽ .\、 .\、 .`''ー..,、 ` ´_,, ‐" .,/ . / / ./ ,./
(;ФωФ)「……見事、である。ぐふっ……」
78
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:57:01 ID:qOUaxCw20
( メω;)「……ツン……やったお……」
ξメ-メ-)ξ……
( メω;)「……全部君のお陰だお……」
ξメ-メ-)ξ……
( メω;)「……あの時の返事、聞かせてくれお……」
ξメ-メ-)ξ……
('、メ*;川「二人とも、早く撤収! 敵が集まってくるわ!」
(;^Д^)「あ、ああ。すまんボルジョア、絶対に迎えに来るからな……!」
( メω;)「……わかったお。ツン、またね、だお……」
―――。
79
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:57:27 ID:qOUaxCw20
その後。
転移魔法で王都に帰還した彼らは、盛大な歓待を受けた。
魔王を失った魔王軍は脆く、一気に形勢が逆転していた。
各国軍は魔族を殲滅せんと進軍し、魔王城まで攻め寄せる。
その先頭には彼らの姿があった。
魔族を殲滅した周辺諸国は喜びに湧く。
しかし魔物や魔族との戦いだけが取り柄だった冒険者達は仕事を失い、
次々と単なる破落戸や山賊と化していく。
そんな彼らをプギャー党は受け入れていった。
犯罪者を受け入れるプギャー党を民衆は犯罪組織として見ていたし、
教会からも敵視され、貴族達はその戦力を危険視するようになっていった。
だから、それは必然だったのだろう。
80
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:58:03 ID:qOUaxCw20
( ^Д^)「よう、遅かったじゃないか」
( メω^)「……正直、来たくなかったお」
( ^Д^)「だわな」
( メω^)「引き渡しの要求に応える気はないのかお?」
( ^Д^)「俺含めて殆ど犯罪者だしな。一部だけ引き渡すってのは筋が通らん。
それに……よりにもよって相手があのクソッタレ公爵だ」
( メω^)「……しぃさんのことは聞いたお。確かに許せることではないお」
( ^Д^)「だろ? 手を貸せとまでは言わんから、放っといてくんないか?」
( メω^)「でも、そんなことをしたらプギャーは……」
( ^Д^)「ここで従ったって一緒さ。次々と無理難題ふっかけられるだけだな」
( メω^)「……世の中、間違ってるお」
( ^Д^)「そんなに間違ってねーだろ。結局俺らはクズの集まりだし。
あのクソッタレがのうのうと息してるのだけは間違ってると思うが……」
( メω^)「プギャーはクズなんかじゃないお」
( ^Д^)「……見解の相違だな」
( メω^)「ブーンが転移魔法で逃がしてやるって言ってもたぶん聞きやしねーお。
クズなら喜んで乗ってくるはずだお」
( ^Д^)「そいつは魅力的な提案だが……俺たちは家族みたいなもんだ。
流石に世帯主だけ逃げるってわけにもいかんわ」
( メω^)「そういうとこだお」
( ^Д^)「で? お前はどうすんの?」
(;メω^)「正直どうしたもんかお? 気持ちとしては公爵をぶった斬ってやりたいけど……」
( ^Д^)「やめとけやめとけ。お前の家族と秤にかけるような相手か? 俺は」
(;メω^)「何か方法が……あっ!」
( ^Д^)「ん……?」
81
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:58:38 ID:qOUaxCw20
ブーンの提案は「向かってくる貴族を全員暗殺する」であった。
正気を疑ったプギャーだが、ブーンの転移魔法があれば難しくない、むしろ容易い。
何か重大な問題を見落としているような気はしたが、プギャーはその提案に乗った。
憎き公爵を手始めに、向かってくる軍の責任者を次々と抹殺した。
目的は犯罪者の引き渡しからプギャー党討伐に切り替わっていたが、
やがて討伐に手を上げる貴族はいなくなった。
プギャー党は貴族からも恐れられる犯罪組織となった。
組織は元冒険者を吸収して巨大化していき、コントロール不能に陥っていく。
最初は、小さな村の略奪だった。
暴走した者達は全員爆散させたが、徐々に同じようなことが増えていく。
やがて街までも落ちた。
これには流石にブーンも黙っていられず、プギャー党討伐軍の司令官を引き受けることになる。
82
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 00:59:22 ID:qOUaxCw20
( メω^)「……世の中ままならんお」
( ^Д^)「そうだな……」
( メω^)「……転生する前は、チート能力さえあればどうにかなると思ってたお」
( ^Д^)「ああ……俺もだ」
( メω^)「全然、どうにもならないおね」
( ^Д^)「だな。でもまあ……よかったよ」
( メω^)「おっ?」
( ^Д^)「ただのクズだった俺にも大切な人ができた。
今回は一応ちゃんと人生やれたなって気がする」
( メω^)「……そうかお」
( ^Д^)「しぃのこと、頼むわ」
( メω )「……任されたお」
プギャーとペニサスは投降し、王都へと連行された。
その他の人間は抵抗しない者……昔からの構成員達はブーンが勇者の名の下に保護し、
ブーンの監督の許、開拓民として働くことになる。
連行された二人は火あぶりになることが決定し、
公開処刑には多くの民衆が詰めかけた。
83
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 01:00:12 ID:qOUaxCw20
__ __
| | | |
__( ^Д^)___ ___('、メ*川___
| ⊂l l⊃| | ⊂l( l⊃|
 ̄ ̄|.|. .|| ̄ ̄'  ̄ ̄|.|. .|| ̄ ̄
|.|=.=.|| |.|=.=.||
|∪∪| |∪∪|
| | | |
| | | |
~~~~~~~~ ~~~~~~~~
( ^Д^)(火あぶりかぁ……正直一思いに殺してくれって感じだ)
( ^Д^)(あーあ。もうちょっとうまくやれればな……)
( ^Д^)(しかしこいつ……ブーンに頼めば逃げられたろうに、何で断るかな)
( ^Д^)(俺に惚れてんのか? いや、うーん……正直そんな感じでもないよな)
( ^Д^)(俺がこいつの立場だったら……ああうん、わかった。俺もそうするわ)
( ^Д^)(……残されるのきついよな。しぃには悪いことしたか……いや、でも。
やっぱあいつには死んで欲しくない……これでいい)
('、メ*川(結局こうなるのかぁ。まあ仕方ないよね)
('、メ*川(最期は気心の知れた人と一緒なんて、家族全員殺して暗殺者になった私には過ぎたもんだわ)
('、メ*川(しぃちゃん大丈夫かな? それだけが心残りだね……)
('、メ*川(あ、もう一つ……いや、もう二つあった。意外と欲張りだなー私)
('、メ*川(ま、どうせ無理だったからいいけどね)
('、メ*川(ボルちゃん、私は地獄の底の方に落ちるから会えないと思うけど。
プギャちゃんはたぶん同じようなとこに行くと思うから後はよろしくね?)
―――。
84
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 01:01:02 ID:qOUaxCw20
( メω )
(;メ゚;;-メ)
(メ;;;-メ)
( メω;)
(;∀ ;)
ミセ*;゚ー゚)リ
(メ;;;-メ)
( メω;)
(;∀ ;)
(ゴ;ロ;)
リ(゚ー゚;*セミ
ミセ*;゚ー゚)リ
―――。
85
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 01:03:11 ID:qOUaxCw20
∧_∧ やあ
(´・ω・`) / ようこそ、バーボンハウスへ。
/∇y:::::::\ [ ̄ ̄] このテキーラはサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい。
|:::⊃:|:::::::::::::| |──|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| うん、「また」なんだ。済まない。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ 仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/|
∇ ∇ ∇ ∇ /./| でも、この転生をしたとき、君は、きっと言葉では言い表せない
┴ ┴ ┴ ┴ / / .| 「ときめき」みたいなものを感じてくれたと思う。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/ | 殺伐とした世の中で、そういう気持ちを忘れないで欲しい
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そう思って、転生させたんだ。
(⊆⊇) (⊆⊇) (⊆⊇) |
|| || .|| | じゃあ、注文を聞こうか。
( ^Д^)「……言いたいことは山ほどあるが、まずは礼を言っておく」
(´・ω・`)「ほう?」
( ^Д^)「確かに最高の女だったぜ」
(´・ω・`)「なるほどなるほど、それはよかった」
( ^Д^)「で、これはどういうことだ? また転生すんの?」
(´・ω・`)「うん、「また」なんだ。済まない。
とはいえ今回は記憶を引き継がない通常の転生だがね」
( ^Д^)「はぁ、なるほど。いよいよ最後ってわけか。
ってか通常のってことは転生すんのが普通なのか……」
(´・ω・`)「まあね。何事も循環させなければ崩壊してしまうからな」
( ^Д^)「魂のリサイクルってわけだ」
(´・ω・`)「ま、そんなところさ。ところで……」
( ^Д^)「ん?」
(´・ω・`)「君の大切な人があんなことになったのは概ね僕のせいなんだけどどう思う?」
( ^Д^)「……は?」
86
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 01:03:46 ID:qOUaxCw20
(´・ω・`)「魔物を嗾けたのは僕だし、粉挽きを殺したのも僕だし、罪を彼女に被せたのも僕だし、
娼館で買い取ったのも僕だし、なんなら糞野郎に教えてやったのも僕なんだよね」
( ^Д^)「……おい。何を言ってる?」
(´゚ω゚`)「いやあ本当に滑稽だったなあ。お互いに運命の人だって信じちゃったりして。
君なんか僕に感謝までしてたんだもんなあ。ははは」
(#^Д^)「……てめぇ」
(´゚ω゚`)「あの世界は僕んちの庭みたいなもんでね? 色々な悲喜劇を生みだして鑑賞してるのさ。
理不尽に絶滅させられる魔族とかよかったなぁ」
(´゚ω゚`)「あ、そうそう。ブーン君が決戦前に告白なんてしてたもんだからね?
見事にフラグ成立させてあげました! 残念!」
(´゚ω゚`)「ジョルジョ君はちょっと失敗したなあ。寝取り展開を考えてたんだけど……。
ロマネスク君が張り切り過ぎるから……まあブーン君が面白かったからいいか」
(´゚ω゚`)「ロマネスク君も面白かったよね! あの世界の仕組みに気付くなんて凄いよ彼!
彼自身は立派に正義の味方してたのに悪の魔王として討伐されちゃうし……いやあ楽しかった」
(# Д )「……」
(´゚ω゚`)「あれ、どしたの? 怒った?」
(#^Д^)9m「……」
(´゚ω゚`)「プッwwww僕が与えたチートで僕に逆らおうとかwwwwww無理ポwwwwwうぇwwwww」
(#^Д^)9m「……ああそうかよ」
(´゚ω゚`)「君は、きっと言葉では言い表せない「義憤」みたいなものを感じてくれたと思う。
いやあ、只のクズだった君が人間的に成長しちゃってるのほんとウケるわwwwwwww」
(#^Д^)9m「……クソ邪神が」
(´゚ω゚`)「そうです、私が邪神です! 見事正解したロマネスク君には豪華異世界の旅をプレゼント!
君はネタバラシしてからなので時間切れ! 残念!!」
87
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 01:04:21 ID:qOUaxCw20
(#^Д^)「もういい、早く転生させろ」
(´゚ω゚`)「テキーラはサービスだよ?」
(#^Д^)「うるせー黙れ! 絶対に後悔させてやる……!」
(´゚ω゚`)「後悔ってどうやって? 君記憶なくなっちゃうのに?
ねえどうやって? ねえ? 聞かせて聞かせて?」
(#^Д^)「気合い」
(´゚ω゚`)「なるほどwwww確かにツンちゃんがあれ編み出した時は流石の僕も驚愕したけどwwwwww
あんなシステム僕組んでないしwwwwww完全にバグwwwwww
うんうん気合いか、気合いね、いいんじゃない? 良いと思うよ?」
(#^Д^)「いいから早くしろ」
(´゚ω゚`)「あーはいはい、またのご利用をお待ちしております」
(())
(((())))
((((((()))))))
(((((((((()))))))))))
(((((((((((((()))))))))))))
((((((((((((((((()))))))))))))))))
((((((((((((((((|((())))))))))))))))))
((((((((m9(´゚ω゚`)9m)))))))) ブワッ
(((((((((((((()))))))))))))
(((((((((()))))))))))
((((((()))))))
(((())))
(())
―――。
88
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 01:05:30 ID:qOUaxCw20
―――数十年後。
, .. . + 。 ’‘ :: . .. :::: : . ・ . ; :
, ,:‘. く> 。 / ̄|\ . + ,.. <7 _: . '
’‘ + ,.. . ..; ',.../ /\| .:::::::’’ 。...::::’’.. . +.../ レ:ヘ:. :
::::: : 〈∠_/ + :::. / /::::::lノ
:: , .・ . ; . : '. _ + ,...ー'──' .... ..; '
: , ' . :,rへ、 , ..「\\ /\
: . ' : .; /:| く__. | \〉 | ̄\〉 .....:,ィ=-、 ..;....
∠フ ; ' ヾ! _/..L_/ L_/ ......ィ'´'´,;゚心 ..... 。...::::’’.. . +
__ \厂.., .. . +. ゞ‐゚、,;.:ノ. .’。 .......::.. 。 + :::
,∧::::/く .,.,,.、 ., .,.,,、+ 。 , .. . + . : :.... + , .., .・ _,,,
.......∟∨/.:‘.......,,.、 .,. ,.. 《〉 ..... .... .. ..; ', . . :::.. ; . : ' .,....::: ' ,:‘,. ,,,,,, ,,/~ \,,,
, ,:‘.. ' . :,rへ、 , . ’.. : . / , ,,
,:‘. 。 .. . .... ,, , /Υ] ' : .; /:| く__ ; ' / ,ノl⌒ ̄'' '
:::::::’’ 。...::::’’ / ̄ ̄7\::!< , ,:‘. ' ヾ! _/ .. / }
...... 〈: __/ .:〉 く> ....... \厂......::::’y‐、. :|li /ii ゝ,
..::: V___/ . : . ・ . ; :.... <´`> く>': :ヽ. //ll
; ', . . :.../ヽ. 、.,.,,. 、.,.,, .<7 _: . ' ....`~...'.。 ..:::......{:.:': : ゚. ): :‘....,|r /i. |
.. ,ノ⌒7 }> / レ:ヘ:. :.... .., ,:‘. :‘......ゞ、_.,;'イ ;|| ll | ノ/ /
.. } ,ゝ、 /ツ\ / /::::::lノ .... .. ..; ', . .. 。 .. .. { / ll| |ll l
..r{ ネ ミ≡=彡' } ー'──' .. .... / ̄ ̄ ゙\..::’’ 。...:::: ヽ_人;;,ノ ノ_ノ
<ヾへrf´ ヾ Xy' ’’,,/´\:: /\ . ,,、.,.,,..... 'ヽ'''i /^/ ii /ii
..L ゙ミ ヾ_ ィ ノ ,:‘. 。 .. ∧ .:>――-< ∧ .ヽ|~ _|ll ll|
.. ゝ-、_∠f_オ′ 〈 .:》―-く 》 ⌒ ヽ,,l
( ^Д^)「あっちが奴の「家」……根本としている世界。
で、こっちが奴の「庭」……俺たちが転生した世界だな」
( ФωФ)「で、あるか」
(;^ω^)「……突然夢枕に女神様が現れて、前世の記憶が蘇るとか……流石にびっくりだお」
('A`)「やっぱあいつ他の神様からも嫌われてるのな」
( ^Д^)「だったら自分でやれよって話だな。あの女神も俺たちで遊んでやがるだろ」
( ФωФ)「だが、チャンスである。少々不愉快だが仕方あるまい」
( ^ω^)「まずは「庭」でツンの転生体を探すお」
89
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 01:06:07 ID:qOUaxCw20
( ^Д^)「お前、愛しのツンに会いたいだけじゃねーの?」
( ^ω^)「んなっ!? 心外だお、そりゃ会いたいけどお……」
('A`)「そうでなくたってあの女は鍵だ。どっちでもいいだろ」
( ФωФ)「その通りである。独力で世界の「理」を超えし者……神の討伐には不可欠であるな」
( ^Д^)(しぃは、あれからどうしたんだろう。ちゃんと幸せになれたのか?)
( ^ω^)「……プギャーこそ、しぃさんに会いたいって顔してるお」
( ^Д^)「黙れ童貞」
( ^ω^)「んなっ!?」
('A`)「はいはい、じゃれるのはそれくらいにしてくれ。行きましょう、魔お――ロマネスク様」
( ФωФ)「うむ。皆の者、参ろうぞ」
( ^Д^)( ^ω^)('A`)「「「おう!」」」
90
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 01:06:43 ID:qOUaxCw20
( ^Д^)「待ってろよショボクレ……絶対に後悔させてやる……!」
プギャー達の勇気が邪神を打ち砕くと信じて!
ご愛読ありがとうございました!
(*^Д^)異世界最強チートハーレム……と、思っていたのか?のようです 完?
91
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 01:07:50 ID:qOUaxCw20
<ロスタイムという名の蛇足>
( ФωФ)
ゞ:ヽV/:<('A`)
ノ::::::::::::ヽ./
ノ:::::::::::::::::i
――==三三三三三三三三三三三三三三三三三三三⊂二二二(;^ω^)二⊃
////
(;^Д^)/
/ /
一二三_/
(;^ω^)「あのー、やっぱりこれおかしくないかお?」
('A`)「そうか? 気のせいだろ」
( ФωФ)「何も問題はないのである」
三(;^Д^)「うわぁぁぁ! 助けてくれぇ!」
(;^ω^)ノシ「あっ、いたお! おーい!!」
ξ;゚⊿゚)ξ「!?」
('A`)「おん? 何か構えてるぞ」
(;^ω^)「あっ! あれはまさか!」
\
\ ∧,,
ゞ ⌒ヽξ゚⊿゚)ξ 「むん」
<( >> ⊂ )
//,, ノ\/> >
/ ,/ | |_)\__)
カァッ!
「はっ!」
\ | / / ド キ ュ ソ!!
ξ゚⊿゚)ξ ゞ ⌒ヾ∠_____________-ニ ̄ ̄ ヽ
( _ ̄つ⊃( =- )
/ />" > //_ く ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄--=____ノ
(_ノ (__)/ / ∨N \
92
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 01:08:25 ID:qOUaxCw20
\ /
\ \ 丶 / / /
\ \ 丶 i | ./ / /
ヽ \ \ 丶 i | / / / /
ヽ \ \ 丶 i. | ./ / / /
ヽ \ \ ヽ i. .| / / / /
ヽ \ \ ヽ i | / / / /
ヽ \ /
\ /! ,,.rァ
/ l゙ ,,、r'´ / ---‐‐‐
‐‐‐‐--- | l_,.r''´ /
| ,.、r'! / -----‐‐‐‐‐
ー―――――――― ,,l ,,r'’ l /
____________ ./ .l゙ l ./ -----------
二二二 / ./! l! l゙/ _,,.rァ === 二二二
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ r'´ ./ .| | r''´! ./゙ /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
--------‐‐‐‐‐‐‐‐ | ./ | | /| .| ,l / ./ ‐‐‐‐‐‐‐‐-----
| ./ | | | | |/./ . /
---‐‐‐‐‐ レ' | / .| ./ ./ ./ ‐‐‐‐---
|./ l/ / ./
/ / ;'_/
/ / / \
/ / / 丶 \ \
/ / / / | i, 丶 \ \
/ / / / | i, 丶 \ \
/ / / / | i, 丶 \ \
/ / / | i, 丶 \ \
/ / / | i, 丶 \
(;::)ω(::)「い、痛いお……」
(::)A(::)「解せぬ」
(;::)Д(::)「前が見えねぇ」
( ФωФ)「で、あるか」
ξ#゚⊿゚)ξ「怪しいやつらめ! この私が成敗してくれるわ!」
(;::)Д(::)(何か脳筋に磨きがかかってねーか?)
(;::)ω(::)(どうしてこうなった?)
(::)A(::)「解せぬ」
( ФωФ)「で、あるか」
―――。
93
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 01:09:01 ID:qOUaxCw20
ξ;゚⊿゚)ξ「……」
( ^ω^)「……ということなんだお」
ξ;゚⊿゚)ξ「いや、言ってること完全に狂人なんだけど……」
('A`)「せやな」
( ^ω^)つ「……これを見て欲しいんだお」
*C *C
ξ;゚⊿゚)つ「これ、は……」
( ^ω^)「……あの日の返事、聞かせてほしいお……」
ξ;゚⊿゚)つ「ブー……ン……?」
(;^ω^)「っ!!」
三ξ*゚⊿゚)ξ「……ブーン!!」
(;^ω^)「ツン!!」
ξ;゚⊿゚)ξ「あっ、でも私もう結婚してるんだけど……」
(;^ω^)「なんですとッ!?」
(;^Д^)「うわー……どうなるんだこれ? 昼ドラ開始?」
('A`)「おもろ」
???「おい、貴様ら」
(;^ω^)「何奴ッ!?」
94
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 01:09:37 ID:qOUaxCw20
\ \ ,Y´\ ヽ. }
\ \ i´ \ ヽ ノ,!
\ \ ヽ、 ヽ ノ,〃!
\ \/\/:::)、 ノ 〃 人
\ \ >x/{ゝ 〃 /.イ
\ \ .仆===≦ = ヽ>┐
/ ヽ ヾ.:`:.:‐=ニ三三}7∧
ハハゝゝゝ/ /\ \:.:.:.:.:.:.:.:. ̄ ̄/
、ノ``::::::::::::::/ /(_ノ,, \:/ /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.=/
、シ.:::::::::::::::::/ /:::::::::彡 / /.:.:.:.:.:.:.:.; -‐=く
_ミ::::::::::::::::/ /.:::::::::::::::ミノ\ \::. -‐く \
ミ:::::::::::/ /.::::::::::::::::::::::{:.:}.:}:.:`く/ ヽ )
_)__:/ /.:::::::{i:::i::::;::::::::::Y:.:.:.:.:.:/ / `ヽ___/
__(/ .<:::::::::_:::::}乢ムィ:::;:斗┐:.:/ / /`ヽ
....::´:::::/ /ヽ`ヾ( ,)-‐( >':.:.:/`ヽ} / }、
..::´:::::::::/ /ーミミヾ`` `ニ彡::'".:.:.:.:.〃 ,/ノ 人 ノ / 〉
/.::::::::::/ /.:.:.:.:.:.:.:>ー=ニ´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.{{/{{ { 、 ノ ∧
. /.::::::::::/ /.:::::::::≠´.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::{{ 八ハ ノヽ、 ´ .イ /〉
/.:::::::∠ ..イ.:::::::::::::/.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::{{ \\ ノ / `¨
(;^ω^)「スカルチノフさん!?」
ξ;゚⊿゚)ξ「あなた!?」
(;^ω^)「えっ!?」
/ ,' 3「間男くん、そこに直りなさい。神の御許に送って差し上げましょう」
('A`)「おもろ」
ξ;゚⊿゚)ξ「待って! かくかくしかじか……」
―――。
/ ,' 3「わかりました、今日からあなたも家族です」
(;^Д^)「何故そうなった!?」
/ ,' 3「……妻はいつも、私ではない誰かの影を追っていました。
それがブーン君、あなただったのですね。
しかし私にはツンが必要です、あなたもそうでしょう。
一妻多夫となりますが……神もお許しくださるでしょう」
('A`)「お許しどころか爆笑すると思うぞ」
95
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 01:10:41 ID:qOUaxCw20
( ФωФ)「すまぬが話を進めさせて貰って良いだろうか?」
(;^ω^)「あっはい」
―――。
(´・ω・`)「さて、今日も召喚した彼の様子を……ん?」
(´・ω・`)「あれ? 何かエラー出てる……またツンちゃんかな?」
(´・ω・`)「……? ツンちゃんの魂が見つからない……まさか新しいバグ技見つけた?」
(´・ω・`)「ちょっと気になるな……おーい!」
('、メ*川「はい」
(´・ω・`)「このエラーちょっと調べといて」
('、メ*川「承知しマシた」
―――。
(;^Д^)「いや実際凄いわ。気合い凄い」
ξ゚⊿゚)ξ「ふふん。気合いがあれば何でもできるのよ」
('A`)「いやその理屈はおかしいというかお前絶対おかしいよ何なのほんとにもう」
( ФωФ)「だがこれで気兼ねせず力を蓄えられるというもの」
(;^Д^)「確かに願ったり叶ったりって感じだがなぁ」
( ^ω^)(……今度こそ、ツンを守護り切ってみせるお……!)
―――。
(´・ω・`)「さて、今日も召喚した彼の様子を……ん?」
(´・ω・`)「あれ? 何かエラー出てる……またツンちゃんかな?」
(´・ω・`)「……ってこれ家の方じゃん。珍しいな」
(´・ω・`)「……? 魔力反応? どこかの神の干渉か?」
(´・ω・`)「いや……これは……」
96
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 01:11:18 ID:qOUaxCw20
つ三)))ω・`)「ふごっ!?」
ξ゚⊿゚)ξ<ちっ、堅い
__〃`ヽ 〈_
γ´⌒´--ヾvーヽ⌒ヽ モキュッ
/⌒ ィ `i´ ); `ヽ
/ ノ^ 、___¥__人 |
! ,,,ノ爻\_ _人 ノr;^ > )
( <_ \ヘ、,, __,+、__rノ/ /
ヽ_ \ )ゝ、__,+、_ア〃 /
ヽ、___ ヽ.=┬─┬〈 ソ、
〈J .〉、| |, |ヽ-´
/"" | |: |
レ :|: | リ
/ ノ|__| |
| ,, ソ ヽ )
.,ゝ ) イ ヽ ノ
y `レl 〈´ リ
/ ノ | |
l / l;; |
〉 〈 〉 |
/ ::| (_ヽ \、
(。mnノ `ヽnm
(´・ω・`)「!?」
,
./(
/ .:l.
∧_∧ .:ノ \_,,ィ
⊂(ФωФ)_∠二;;;;;;/
ゝ О' <ユクゾッ!
( i⌒i
 ゙̄ー'
(´゜ω゜`)「アッー!!」
――==三三⊂二二二(#゜ω゜)二⊃| |二二二二>
ズバッ!
(´゜ω゜`)「ハアッオ”!!」
97
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 01:11:53 ID:qOUaxCw20
('A`)「よっしゃ俺も……ん?」
('、メ*川「排除しマス」
(メ・3・)「あ、あ、あ、あるぇ〜?」
('A`)「あっ(察し) だがちょっと待ってほしい」
('、メ*川「排除しマス」
(メ・3・)「あるぇ〜?」
('A`)ノシ「おーいプギャー氏! こっちこっち!」
(;^Д^)「ペニサス!? ボルジョア!?」
(´・ω・`)「おやおや、誰かと思ったら君たちかぁ」
(´・ω・`)「せっかく開放されたのに今度はどこぞの神の鉄砲玉にでもなったのかい?」
=三(#^ω^)「問答無用ッ!」
=三(#ФωФ)「覚悟ッ!!」
―――。
98
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 01:12:29 ID:qOUaxCw20
(ヽ、 _ヽ、 )\ ヽヽ
_ヽ、 ⌒ ヽ、 \\
\ ̄ __ )ノ ヽヽ
∠⌒ / ) ⌒ヽ | |
) / ゙̄- く \ ノノ
/ /ノ^)___)ノl ヽ_//
/ //(/ !_|_| ヽ三ヽ
レヘ |j(/l_/ |ノヽ |──)
ノ (/l_/ /⌒| | | | ! |二 二ヽ
/ |_/__| | | -| | ノノ ノ── 、)
/ `───| | ノ -| | |/(()) ヽ ←>>プギャー
/⌒) ∧ ヽ/_// /j()ノ_ (()) i
// ノ |_// / ̄ ̄`\ (()) j
(ヘ  ̄ | ヽ \ /
)/(/) / ⌒ |⌒ヽ |\ /i\ /| )ヽ
|/ | ! / | ノ | ( (
)ヽ | / / ( ((| ) ヽ
( ) | / / ヽ| ( )
) ( 、 / ) |ヽ、_ __ ノ ) (
( ヽ (( / /-、| ( ヽ
( ) ) )ヽ ヽ_ノ | | ヽ ノ )
) ( ( ノ ) | | ( ( ( (
(_ ノ )( ( ( / /^) ) ) )
) / / / ( ( _ノ
(/__/ )
.ト、. /ヽ |\ /ヽ /”゙ォv' .// // /
|. ヽ./ | ヽ! .`、/ ヽ,/ ' /_ _
: --! ,,,,, ,,,,,  ̄./
\ ,illllli,,,,,,,,, lllll llll /
_ヽ ,llllllllllllllll!' ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,  ̄ ̄ ̄''_,-
\ ,illll!' ,illll!' !!!!lllll!!!!l゙` ,,, ,,, ,r-'''゙ ̄
> ゙゙゙゙' .,illlll゙ lllll| llllllllll!!!!! llll !ll! iiii,, <_.
/_ .,illlll' ,,,,,,,llllll,,,,,,,,,, ,,,iillll!!゙ >
 ̄/ ,llll!!' lllllllllllllllll!!!l_ :ll!!!゙゙゜ <_
(´・ω・`)「ふふふ、ちょっとバグ技使ったくらいで神に勝てるものか」
(; Д )「ちく……しょう……」
(´・ω・`)「まあ安心したまえ、あのお堅いビッチ長からのゲームのお誘いだって言うなら是非もない。
このまま強くてニューゲームさせてあげるよ、よかったね?」
(; Д )「殺……す……」
(´・ω・`)「ははは、やってみるがいい! いやーまさかあのビッチ長と遊べるなんて楽しいなあ!
せいぜい長く楽しませておくれよ、勇者ご一行!」
99
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/10/17(日) 01:13:05 ID:qOUaxCw20
(# Д )(……絶対に……後悔させてやる……!)
プギャー達の勇気が邪神を打ち砕くと信じて!
ご愛読ありがとうございました!
(*^Д^)異世界最強チートハーレム?のようです 完
100
:
名無しさん
:2021/10/17(日) 08:56:49 ID:eika2SJ60
乙、こういうの好き
打ちきりエンドが悔やまれる・・・
101
:
名無しさん
:2021/10/17(日) 12:05:25 ID:RvznnVD20
乙!!
102
:
名無しさん
:2021/10/17(日) 12:36:17 ID:jZC277Pk0
ロマネスクのポーズ格好良くてフィギュア欲しい
103
:
名無しさん
:2021/10/18(月) 00:33:11 ID:Y8OSr00Q0
乙
こういう展開早くてアツい話、好きだわ
104
:
名無しさん
:2021/10/29(金) 18:12:46 ID:SEGvZtC20
乙!
面白かった
105
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/11/14(日) 17:09:38 ID:M52ZEI4M0
開票も終わったので設定など書いてく。
■チャート
改めて見返すと5を阻止したボルジョアが鬱ルート入れなかった戦犯やな……。
結果的に元チャートより面白くなった気がするからいいけども、RTA走者は気を付けてな。
1.糞ニートがPCの前で管を巻いているところに神降臨、そして異世界へ
2.チート能力で魔物撃退、水車小屋から窃盗
3.村娘を助けるがあんまり好みじゃなくてがっかりするなど
4.なんやかや冒険者になってランク上げ
5.タチの悪い冒険者に目を着けられ、詐欺にも引っかかり、仲間にも裏切られる
プランA
6.犯罪組織に拾われ人間兵器としてこき使われる
7.顔に傷のある暗殺者の女と良い仲になる
8.ある日組織に国の手入れが入る
9.迎撃に出ようとした時、良い仲と思っていた女に首を斬られて死亡
10.神(のふりをした邪神)のド正論SEKKYOUにあんまりだーとなって終了
プランB
6.ひぃひぃ言いながら何とか金をためて少女奴隷(村娘)を購入
7.少しずつ仲を深めていく二人
8.DTらしくすっかり少女に惚れてしまい、奴隷から解放しようと決心
9.奴隷から解放された少女がはい俺(ショボン)
10.邪神にそんな人間は存在しませんでしたプギャーされてマジ泣き終了
106
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/11/14(日) 17:11:03 ID:M52ZEI4M0
■登場人物1
ショボン
愉快犯(だいたいこいつのせい)
しょうもない奴を自分が管轄する世界に異世界チート転生させて観察するのが趣味
所謂邪神であり神々の嫌われ者であるが、多次元世界規模で見ればしょうもないことばかりやっているので放置されている
プギャー
糞ニート(若干ゃ糞過ぎてなろう主人公にはなれな……待て、ルーなんとか氏とかおったな……)
色々とクズだが意外にも性根は腐ってない、観劇の魔女(♂)であるショボクレ好みの男である
容姿も能力も平凡だが、向上心が全くないため著しく劣って見える
カルド
腕のいい狩人
普通の魔物程度なら問題なく狩れるほどの腕前だったが……?
しぃ
美少女(村娘基準)
純朴な少女だからこそ圧倒的な金や力には滅法弱い
プギャーの鮮烈なチート能力に惚れてしまう
村長
敏腕でありながらも情に厚く、村人から信頼されている
非常にバランス感覚に優れた人物
トソン
貧乏貴族家の令嬢
沈着冷静もとい冷徹な性格から縁談が破談になり続け、冒険者ギルドに務める
頭の回転が速いためギルドでは重宝されている
ボルジョア
万年Dランク冒険者の破落戸
元は騎士家の次男であったが、実家が没落し冒険者に
持ち前のスペックでだらだらと過ごしているところにプギャーと出会った
ペニサス
元は凄腕の暗殺者
任務に失敗し凄惨な拷問を受けるが、機を見て脱走
辺境の街で盗賊紛いの活動をしているところにボルジョアが声をかけた
マタンキ
絵に描いたような下っ端
うざいが憎めないキャラでムードメーカー
107
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/11/14(日) 17:13:13 ID:M52ZEI4M0
■登場人物2
スカルチノフ
辺境の教会の僧侶
悟りを開いたかのような穏やかな性格で、住人の信頼は篤い
かつては目に付いた悪人を情け容赦なく斬殺する伝説の辻斬りをしていた
ミセリ
幼馴染であり婚約者でもあったジョルジュを追い、実家の騎士家を飛び出して冒険者になった
後にジョルジュとともに勇者パーティに加わり、敏腕マネージャーとして活躍を支えた
ジョルジュとは良い仲であり、最終決戦の後に忘れ形見の存在が判明する
ジョルジュ
本名ジョルジュ、自称ジョルジョ、通称ジョジョ(自称)
ショボンの送り込んだ転生者でありスタンド能力(自称)「ヴィップ・スター」の使い手
幼馴染のミセリに心底惚れこんでおり、軽薄そうな見た目に反して最後まで彼女一筋だった
ピザデブ
娼館のオーナー
意外にも普通にいい人なのでめっちゃ苦労している
クソーキ
ゾーク公爵家の三男坊、純朴な少女を嬲り殺すのが趣味の糞貴族。
父親と兄が(ショボクレの見えざる手で)相次いで死に、まかり間違って公爵家の当主になってしまった。
作中未登場
ハインリッヒ
貴族街の裏を取り仕切っている性別不詳の怪人物。
クソーキの行動の後始末が面倒すぎて早く死んで欲しいと思っている。
作中未登場
ブーン
勇者ホライゾンとして異世界転生し、王都の教会で育てられる
最初はチート能力で俺TUEEEEEしたいとだけ思っていたが、師匠であるスカルチノフや聖女ツンとの出会いを経て変わっていく
ジョルジュ達と出会ってパーティを組み、魔王との戦いに身を投じた
ツン
元は孤児として辺境の教会で育ったが、ある時に聖女と認定される
勇者と共に修行を積んだ彼女はすっかり武闘派になり、気合で解決するという驚異の技法を編み出すことになる
ブーンのことは憎からず想っている
ロマネスク
ショボクレに召喚された転生者であり魔王
正義感溢れる熱血漢であり、苦難の運命を課される魔族たちを助けるため、手を血に染める。
と言うとまともな人間のようだが、現代日本では正義感に任せて思い込みで善人を殺してしまったというヤベー奴である。
ドクオ
ショボクレに召喚された転生者であり魔王軍四天王の軍師。
現代日本では日陰者による革命を本気で企て、反社会的組織を率いていたというヤベー奴である。
ロマネスクのカリスマ性に胸を打たれ、経験を活かして彼を支えている。
108
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/11/14(日) 17:14:17 ID:M52ZEI4M0
■登場人物3
ビコーズ
魔王軍四天王の魔法使い。
強力な幻惑魔法の使い手で、条件さえ揃えば一人で大軍を全滅させることもできる。
反面真っ向勝負は不得意で、補いあうようにイヨウとセットで行動している。
イヨウ
魔王軍四天王の拳法家。
近接戦闘能力では魔王に次ぎ、その武人然とした態度で四天王の中でも特に尊敬を集めている。
そんな彼だが、実は相棒のビコーズのことが……? いやそんなはずは……という専らの噂。
クックル
魔王軍四天王の重戦士。
四天王の盾役であり、どんな攻撃でも真っ向から受け止めてしまう。
動きが鈍いことをコンプレックスとしていたが、それを「山のようなどっしりした構え」と絶賛した魔王に心を奪われた。
女神
曲がったことが大嫌いな上位の女神様、神界隈の風紀委員長
性根のねじ曲がったショボクレを捕えてはぶちのめすこと幾度
まるで更生する気配のないショボクレにすっかり辟易しており、今回は派遣社員を使うようだ
目に定評のあるウミノ氏
どうでもいいがウミノリ伯にすべきだったと今になって後悔
作中未登場
109
:
◆bfsfj9Nb7I
:2021/11/14(日) 17:15:26 ID:M52ZEI4M0
以上、読んでくれた人も投票してくれた人もありがとやで
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