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美
39
:
名無しさん
:2021/03/24(水) 21:03:07 ID:TpDVya8A0
雨は、より一層強さを増していた。
あたしは、傘もささずにその場を後にして、帰路についた。
この行為は、あたしが濡れるための手段で、目的は、水を持ち帰ることだった。
雨があたしから奪った体温を、あたしは彼女から奪おうと思った。
今晩の出会いで、あたしは、自分の意思に気付いた。何も見えていなかった。だから、水に踊らされるのだ。あたしは水を従えようとした。
診競を、あたしは変えられる。変えなければいけない。
あたしは彼女に覆い被さり、冷え切ったその身体を、彼女の身体に密着させた。
全身から、冷たい雨が槍のように彼女に突き刺さった。あたしの身体は彼女の熱で焼けただれていった。
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