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222名無しさん:2021/04/20(火) 22:54:30 ID:8lVb0cJU0


窓単木に対する生理的な恐怖は勿論あった。あの夜のことを思い出すたび、過呼吸に陥るほどに。

しかし、今辺尼がどっぷりと浸かっている絶望に比べれば、それは小さな問題だ。
絶望とは、あらゆる事柄を彼女らが蔑ろにしてきたという確信。それに気付いた人間が彼女の他に居ないという孤独。
絶望は窓単木の目からやって来た。しかし彼女の中にいつでもあったのだ。
そしてそれは手視、捻野、母親、関わってきた全ての人間の顔に変形して彼女の脳内に蘇ってくる。

辺尼にとっては脾都だけが、絶望の世界の外側に居た。彼女ただ一人が、自動化の摂理から逸脱していた。
他の道があったか?そんなことは考えても無意味だった。
彼女がいなければ、とうに死んでいただろうから。




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