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|
( ^ω^)ブーンで学ぶ世界史 「近世西洋史のようです」
1
:
◆ImMEukpfHw
:2020/05/10(日) 15:44:23 ID:SQlQ8giY0
/⌒ヽ
/ ´_ゝ`) すいません、投票期間中のようですがちょっとお邪魔しますよ・・・
| /
| /| |
// | |
U .U
270
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/16(木) 23:46:29 ID:S2zhF0GA0
この一方、由緒正しい大貴族の没落に伴って、中小の地主層が徐々に勢力を拡大していた。
へ( ^ω^)ヘ <荒ぶる鷹のポーズ!
ヽ ノへ
/ ┗
┗
(;^ω^) 「仕えていた大貴族が全滅しちゃったお…… とりあえず自分の力で生きていくお!!」
彼らは『ジェントリ』と呼ばれ、
大貴族亡き後のイングランドの中核を占める階級として成長を続けていく。
(※ちなみに、生き残った貴族層と『ジェントリ』(地主層)を合わせて、『ジェントルマン』と呼んでいる)
271
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/16(木) 23:47:03 ID:S2zhF0GA0
ヨ ー マ ン
最後に、『独立自営農民』である。
ゥ,、 ゥ,、
(⌒─⌒)
((;^ω^)) _ っっ
/ つ=O==|__) っっ
しー-J
ゥ,、
(⌒─⌒) スレ
((´^ω^)) 「新時代でスwwwww農民やってまスwwwwww」
彼らは、中世末期に『封建制』が崩壊する中で、徐々に力をつけていった農民層である。
16世紀になると、彼らはジェントリより下位の階級でありながらも農村を支えていたのであった。
272
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/16(木) 23:47:25 ID:S2zhF0GA0
(⌒─⌒) ゥ,、
ξ#゚⊿゚)ξ 8(^ω^)8 (^ω^;) ((^ω^`)) ゥ,、
さて、こうして始まった近世のイングランドであったが……
273
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/16(木) 23:48:19 ID:S2zhF0GA0
そんな中、1517年に『マルティン=ルター』が登場し、宗教改革が始まることになる。
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:| +
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
. | `-=ニ=- ' .:::::::| +
\ `ニニ´ .:::::/ +
/ヽ、ニ__ ーーノ゙\_
.|. ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.| トン
_(,,) (,,)_
.. /. |.. 『95か条の論題』 ..| \
/ .|________ | \
ξ ゚⊿゚)ξ 「……ふーん」
274
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/16(木) 23:49:04 ID:S2zhF0GA0
< ただ信仰によってのみ救いは得られる!
< 聖書を良く読め! ”教会が救済をもたらすわけではない!”
ξ ゚⊿゚)ξ ・・・・・
|
\ __ /
_ (m) _ピコーン
|ミ|
ξ ゚∀゚)ξ 「 ひ ら め い た 」
275
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/16(木) 23:49:59 ID:S2zhF0GA0
ξ ゚⊿゚)ξ 「……そう、そうよ。なんでイングランドの教会がローマ教皇の指示を受けなきゃいけないの?」
ξ ‐⊿‐)ξ 「ルターのおっさん様様ね。大事なことに気が付かされたわ」
ξ ゚⊿゚)ξ 「イングランドで一番偉いのは、国王であるこのあたし」
276
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/16(木) 23:50:45 ID:S2zhF0GA0
ξ ゚⊿゚)ξ 「……そういえば、あたしの嫁がなかなか男子を産まないのよね」
ξ ゚∀゚)ξ 「だから、この嫁とは離婚するわ! ”あたしがそうしたいから”!」
……AAの性別が乱れる!
277
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/16(木) 23:52:23 ID:S2zhF0GA0
ルターの改革が始まってしばらくした頃、
イングランド国王の『ヘンリ8世』は、政略結婚していた王妃と離婚をするために暗躍していた。
しかし、いちど教会に認められた結婚を覆すなど至難の業である。
特に、ヘンリ8世の結婚を仲介したローマ教皇は、この動きに対して激おこであった。
±
/=ヽ
┏(;^o^)┓ 「ヘ、ヘンリーちゃん! 勝手に離婚なんてしないで! 破門しますよ!」
ξ#゚⊿゚)ξ 「破門破門って、うるさいですね……」
278
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/16(木) 23:52:55 ID:S2zhF0GA0
±
/=ヽ
\(;^o^)/ 「あ、あぁ〜ッ!」
◎
◎ ◎
◎
◎ ◎ ◎ ◎ ティウンティウン
◎
◎ ◎
◎
ξ#゚⊿゚)ξ 「はい、今日で国王至上法の発布は終わり。お疲れさまでした」
何とかして王妃と離婚したい。
そんなヘンリ8世は、ついには国王がイングランドの教会の最高統治者であることを宣言する法律――『国王至上法』を作り上げ、
これを否定する聖職者を処刑する権限を手に入れたのであった。
279
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/16(木) 23:53:26 ID:S2zhF0GA0
この結果、イングランド国内の教会に対するローマ教皇の影響力は排除され……
ξ#゚⊿゚)ξ 「まーた嫁が跡継ぎを産まないわね……」
ξ ゚∀゚)ξ 「あたしはあたしがやりたいようにするわ! また離婚よ!」
8(;^ω^)8 o0(国王教会嫌悪…… 仮反対、我処刑命尽……)
イングランドの教会が、ヘンリ8世の離婚を認めることになった。
このためヘンリ8世はその後も離婚と再婚を繰り返し、生涯で6人の王妃を持つことになる。
280
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/16(木) 23:54:17 ID:S2zhF0GA0
こうして始まったのが、イングランドにおける宗教改革なのである。
lXlノソヘ
ξ ゚⊿゚)
( ∽
| |
し`J
『イギリス国教会』
つまり、イングランドの宗教改革は、
神学的な論争は1ミリも関係なく、全く政治的な理由によって始められたものであった。
そしてこれは、
>>178
でも触れたとおり、
「その土地の領主が、その領土における宗教を選ぶ」思想の典型的な事例である。
281
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/16(木) 23:55:06 ID:S2zhF0GA0
さて、ヘンリ8世のやりたい放題はさらに続くことになる。
8(;^ω^)8 「嗚、嗚呼〜ッ!」
◎
◎ ◎
◎
◎ ◎ ◎ ◎ ティウンティウン
◎
◎ ◎
◎
ξ#゚⊿゚)ξ 「はい、今日の財産没収は終わり。お疲れさまでした」
例えば目障りな修道院を解散させ、その財産を没収するなどしている。
さらに、
>>269
のように修道院が徴収していた『十分の一税』は、
国王のもとに納められるようになったことから、イングランドの財政状況は一気に強化されることになった。
282
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/16(木) 23:55:37 ID:S2zhF0GA0
さらに……
8(;^ω^)8 英国王唯一最高首長、之誤! 羅馬教皇偉大! 英国王格下!
ξ#゚⊿゚)ξ 「はい死刑」
_/⌒_/8(゚ε。)8_
筋金入りのカトリック信者であった『トマス=モア』という思想家が、
王妃との離婚に反対したことから、彼を処刑していたりする。
283
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/16(木) 23:56:18 ID:S2zhF0GA0
こうしてヘンリ8世の横暴が続く一方、
実は、そのおこぼれに預かっていた人々もいた。
/⌒ヽ
\ ⊂[(_ ^ω^) < その修道院! 買収を申し込む!
\/ (⌒マ´
(⌒ヽrヘJつ
> _)、
し' \_) ヽヾ\
丶
⑩ (
⌒Y⌒
そう、中小の地主層である『ジェントリ』である。
ヘンリ8世が没収した修道院の領地は、ジェントリに対して払い下げられていったのだ。
284
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/16(木) 23:57:03 ID:S2zhF0GA0
そして、大量の土地を得たジェントリは何をしていたかというと……
( ^ω^) 「おっおっ、うちの王様は太っ腹だお! これで僕の所領も増えたお!」
( ^ω^) 「そしてこのワタクシはビジネスマン! 今日も稼ぎになる事業を手掛けていくお!」
( ^ω゚) 「と、いうことで………」
今日もヒツジを育てるお!
/⌒ヽ
( ^ω^)
/,,二つ,,二つ ,,,,,,∠Y"´゙ァッ
( ヽノ ヾ,;' ゝ‘,,ェ)
ノ>ノ ;' 、,,,,,,, ;; ,,:'
三 レレ |_j l_j |_j゙l_j
285
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/16(木) 23:57:30 ID:S2zhF0GA0
中世のイングランドでは、
>>213
で触れたとおり、
『毛織物産業』が発達していた『フランドル地方』に羊毛を供給するため、
農村でのヒツジの飼育が広まっていた。
ヾ>;;::;;;'ァ:::::::::::::::::::::::::::::....、
゙;‘/ ’))::;::::;:::;::::::;:::;::::;:::;:::::';
,,,,,,∠Y"´゙ァッ (エ_,ノ:::;;;::::;;::::;:::::;:::;:::::;;::::;;::';
ヾ,;' ゝ‘,,ェ) ヾ:;::;:;:;:;;;:::;:;:;:;;;::;::;;;;:;;:;;::;::;'
;' 、,,,,,,, ;; ,,:' ゙、::i::::,'゙'''''''''ヾ;:' ;;'';;''';'
|_j l_j |_j゙l_j 'L|_j |_j |_j
そして中世末期にもなると、羊毛を生産するだけでなく、
徐々に自前で毛織物を製造するようになっていったのである。
286
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/16(木) 23:58:15 ID:S2zhF0GA0
しかし、このようにイングランドでも毛織物産業が勃興してくると、
原料となる羊毛を大量に生産する必要が出てきた。
(⌒─⌒)
((´^ω^)) ノノノ
/ つ___ ザック
し'⌒∪ ̄M ザック
(;^ω^) 「うーん、農民に耕させてもあんまり儲からねぇお……」
この結果、中世以来引き継がれてきた『三圃制』の農法に対し、
ヒツジを飼育した方が儲かるという事態になってしまい………
287
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/16(木) 23:59:15 ID:S2zhF0GA0
,;"´"´"´ ⌒ヽ
,;"´"´"´⌒ヽ ( ,, ..6ΦェΦ)
( ,, ..6ΦェΦ) ,;"´"´"´ ⌒ヽ . ( _ ._ . _~_ _..ノ
( _ ._ . _~_ _..ノ ( ,, ..6ΦェΦ) ... ..U~U~~U~U~
U~U~~U~U~ .. ( _ ._ . _~_ _..ノ " ""''. "'..'""""''"" "'' ''""
"".''"."''""".."''"""''"" ''". U~U~~U~U~ "...""''"" "" " """"''" "" "
.. "" ''"" ""''"" """''""."''""'' " """
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃
┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃
╋┻╋┻╋┻╋┻╋┻╋┻╋┻╋┻╋┻╋┻╋┻╋┻╋┻╋┻╋┻╋
(⌒─⌒) ゥ,、....
((゙゚'ω゚'))
/ つと)
しー-J
ついには農民を追い出して、農地を牧場に変える動きが活発になってしまう。
これを、『第一次囲い込み』(エンクロージャー)という。
288
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/16(木) 23:59:45 ID:S2zhF0GA0
これはとどのつまり…… ヒツジの命は農民よりも重いということ……!
ムシャムシャ
,,,,,,∠Y"´゙ァッ
ヾ,;' ゝ‘,,ェ)─⌒)
;' 、,,,,,,, ;; ,,:'((´゚'ω゙゚') ゥ,、....
|_j l_j |_j゙l_j / つと)
しー-J
(;゚ω゚) 「……羊が人を食べてるお!!!」
『第一次囲い込み』の結果、『ジェントリ』や『独立自営農民』の上位層は大きく成長したものの、
独立自営農民の大多数は農地を奪われて、農村を追い出されることになった。
289
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/17(金) 00:00:30 ID:D0qvMhGU0
人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人
Σ て
Σ びっくりするほどユートピア! て人__人_
Σ びっくりするほどユートピア! て
⌒Y⌒Y⌒Y) て
Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒
_______
|__ ヽ(^ω^ )ノ
|\_〃´ ̄ ̄ ヽ..ヘ( )ミ
| |\,.-〜´ ̄ ̄ ω > (ω^ )ノ
\|∫\ _,. - 、_,. - 、 \ ( ヘ)
\ \______ _\<
\ || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |
\||_______ |
( ^ω^) 「ま、こっちの方が儲かるから仕方ねぇお!」
..,,.,─⌒)
((゙゚'ω゚')) ゥ,、...ゥ,、....
こんな状況を、『トマス=モア』(
>>282
で処刑された思想家)は、
その著書『ユートピア』の中で「羊が人を食べている」と表現して批判したのであった。
290
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/17(金) 00:01:27 ID:D0qvMhGU0
さて、イングランドにおける宗教改革の話に戻ろう。
こうして『ヘンリ8世』が始めた『イギリス国教会』であったが、
神学的な”改革”は全くなかったことから、この後しばらくの間迷走を続けることになる。
ξ ゚⊿゚)ξ 「……え、カトリックと教義が同じだって?」
ξ ゚⊿゚)ξ 「仕方ないわね、ちょっと宗教改革っぽいことをしようかしら」
291
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/17(金) 00:02:01 ID:D0qvMhGU0
カトリック イギリス国教会 プロテスタント
┝━━━━━━━┿━━━━━━━┥
lXlノソヘn
ξ ゚⊿゚)ノ イマココ!!
と |
| |
U^U
『エドワード6世』
例えば、イギリス国教会の教義や儀式は、成立当初は形式的にカトリックとほとんど変わりがなかった。
これを解決するために、ヘンリ8世の次の国王『エドワード6世』はカルヴァン派の教義を一部で取り入れ、
『一般祈祷書』と呼ばれる礼拝手順を定めている。
292
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/17(金) 00:02:47 ID:D0qvMhGU0
この一方、イングランド国内にはカトリックに戻ろうとする勢力も未だ存在しており、
国王が変わるたびに信仰が揺れ動くことになった。
カトリック イギリス国教会 プロテスタント
┝━━━━━━━┿━━━━━━━┥
lXlノソヘn
ξ;゚⊿゚)ノ チョットモトニ
と | モドソウカシラ
| |
U^U
『メアリ1世』
エドワード6世の後に女王となった『メアリ1世』は、
晩年にスペインの『フェリペ2世』と結婚するなど、敬虔なカトリック信者であった。
この結果、16世紀中ごろ(=カール5世引退のころ)、一時的にイングランドにはカトリックが復活することになる。
293
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/17(金) 00:03:24 ID:D0qvMhGU0
このカクテルはあたしのおごりよ
lXlノソヘ
ξ ゚⊿゚)ξ シュッ
(つ と彡 /
/ ./
/ ./
/// /
/ 旦 /
/ /
:/⌒ヽ:
:(;゙゚'ω゚'): ピクピク
:/ つとl:
:しー-J : .__
(__()、;.o:。
゚*・:.。
また、『メアリ1世』は徹底的にプロテスタントを弾圧し、多数の”異端”を処刑した。
このため彼女は、後世においてもブラッディ・メアリー(血まみれメアリ)と呼ばれることになる。
294
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/17(金) 00:03:56 ID:D0qvMhGU0
さて、女王『メアリ1世』の死後に登場するのが『エリザベス1世』であった。
カトリック イギリス国教会 プロテスタント
┝━━━━━━━┿━━━━━━━┥
lXlノソヘn
ξ ゚⊿゚)ノ マタ 改革スルワヨ!!
と |
| |
U^U
『エリザベス1世』
16世紀半ばに登場した彼女は非常に長生きで、
この後17世紀に至るまで、イングランドにはエリザベス1世が君臨することになる。
295
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/17(金) 00:04:45 ID:D0qvMhGU0
そしてこの間、ふたたび国教会派が巻き返すことになる。
ξ ゚⊿゚)ξ 「カトリックとかプロテスタントとか、そんなのにこだわるから揉め事が起こるのよ」
ξ ^⊿^)ξ 「都合のいい所だけつまみ食いすれば良いでしょ。あたしのためのイギリス国教会なんだから!」
エリザベス1世は、即位後すぐに『統一法』を発布して、
エドワード6世の時に策定した『一般祈祷書』の使用を義務付けたのであった。
296
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/17(金) 00:05:48 ID:D0qvMhGU0
だが、『エリザベス1世』はなぜイギリス国教会に回帰したのか?
,,-、く~~ヽ、 っ ヽ, /~~ (
( __ノ ヽ-, | ) /´
_/ | _ ,ノ ヽ `) ~|
\___ノ )(;^ω^)| __ ,) レ〜、
,-´、_ ´つ /~~~´
,,-〜ξ ゚⊿゚)ξ /
´〜〜〜〜、_ノ ,〜-´∧_∧
、-、 ,,-ノ (・∀- )
|~~~~`ツ
`ヽ,
~ヽ ∧,,∧
) ミ゚Д゚#彡
,,、,,-、 |
| `‐- 、, ノ ∧,,∧ ,--,
/ ~`〜〜´ ミ;>∀<ミ __ ) ヽ
/ ,〜、__ _〜´ `丶 ヽ `ヽ
/ | `-´ _、 `| `|, \
/ ∧∧ ,__,-´ ( ! \ \ ~~~`ヽ,,_
`/ (#゚Д゚) ./ 、二, `ヽ_,,  ̄く |
/, ( _ 、‐、 ο ´i | `-、 ,~_\ i
~ `´ヽ, /´ ~ `´ ) ,,_| `i ヽ, `´ ヽ
|__,,-‐‐-、,, ,,-‐` `´ ) ,-! )
,,-‐、 ~ i~~`-‐フi_/
_,,/ ` ‐-´i_ - ‐ ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`‐ ´`‐`―´~ヽ,っ `\_ )
これを理解するためには、16世紀後半のヨーロッパ情勢を復習する必要がある。
297
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/17(金) 00:06:28 ID:D0qvMhGU0
まず大前提として、
>>263
で触れたとおり、
当時のイングランドは西ヨーロッパの弱小勢力であった。
∧,,∧ ∧∧
,,ミ;゚Д゚彡 (゚Д゚#)
とミ ツつ (^ー ヽ /
ミ ミ `7´ У
U''''ヽ) 〈_/、_l
当時の大国と言えば、『フェリペ2世』率いるスペイン(=ハプスブルク家)か、
『ユグノー戦争』に突入しつつあったフランスの2国であり、
双方イングランドとは比べ物にならないほど強大だったのである。
298
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/17(金) 00:06:55 ID:D0qvMhGU0
そして、先代の『メアリ1世』はカトリックの信者であり、
スペインの『フェリペ2世』と結婚していたことを思い出してほしい。
∧∧
(#゚Д゚) 「なっ!何をするだァー!」
∧∧
(#゚Д゚) 「カトリックの教えに背くなどゆるせん! このフェリペが成敗してくれる!!」
ξ ゚⊿゚)ξ 「チッ、面倒なことになったわね……」
カトリックの盟主であったスペインは、当然『エリザベス1世』の宗教政策に反発し、
大国スペインと弱小イングランドは敵対するようになっていった。
299
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/17(金) 00:07:30 ID:D0qvMhGU0
そして……
ξ ‐⊿‐)ξ 「まともにやりあってもキツイわね。搦め手を使っていきましょ」
ξ ゚⊿゚)ξ 「イングランド外交の鉄則その1! まずは敵の敵を支援する!」
・・・・・
・・・
・
∧_∧
(; ・∀・) 「………って漏れかYO!」
まず、イングランドはスペインから独立しようとしていたネーデルラントを支援し、
スペインの内憂を最大限煽ることにしたのであった。
(※ついでにユグノーも支援してフランスに嫌がらせしている)
300
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/17(金) 00:08:41 ID:D0qvMhGU0
これに続き……
ξ ゚⊿゚)ξ 「イングランド外交の鉄則その2! 敵の補給路を寸断する!」
ξ ゚⊿゚)ξ 「ということで海賊部隊、出撃せよ!」
ヘ/ニヽ
<フ≦三|
(メ●ω^) 「あいあいさー!」
301
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/17(金) 00:09:28 ID:D0qvMhGU0
/∧∧ 貿易船を狙うのは卑怯だぞ!!
/ ∩(#゚Д゚)
/ \/ ⊃))
/\ \ // ∧∧
\ \ \⊂(゚Д゚;)
\ \ \⊂ \ ∩∧∧∩アプププ
''"""~~""'''"~"''''"~~"'''"~"''''"~"''''"~~"''''"~"'''''"~~"''''''"~"'''"
エリザベス1世は、民間の船舶……というか海賊をけしかけて、
新大陸とスペイン間の貿易船を襲撃したのであった。
302
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/17(金) 00:10:00 ID:D0qvMhGU0
こんな状況であったので、スペインにとってはウザいことこの上ない状況である。
ξ ^⊿^)ξ 「オーッホッホッホッ!! 島国からチクチク攻撃されるのはいかがかしら?www」
∧∧
(# Д) 「ゆ、ゆるさん! ロンドンを焼野原にしてくれる!!」
この時、カトリックを信仰していたスコットランドの元女王が処刑されたこともあって、
『フェリペ2世』はイングランドの討伐軍を組織するが……
303
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/17(金) 00:10:24 ID:D0qvMhGU0
∧∧
(,,゚Д゚) 「オスマン帝国も沈めた最強の艦隊が出撃するぞ!」
∧∧
(,,^Д^) 「Vやねん!スペイン王国! 強すぎてたまりません! 勝った、勝った!ばく進Vロード!」
↓
/j^i ち〜ん(笑)
./ ;!
/ /__,,..
/ `(_t_,__〕
/ '(_t_,__〕
/ {_i_,__〕
/ ノ {_i__〉
/ _,..-'"
/ /
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
アルマダ
強国スペインの海軍――通称『無敵艦隊』は、
折からの暴風雨もあって、半数以上が沈没する歴史的V逸を喫することになってしまった。
304
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/17(金) 00:10:58 ID:D0qvMhGU0
∧∧
(#゚Д゚) (⊿^#ξ
カトリック イギリス国教会 プロテスタント
┝━━━━━━━┿━━━━━━━┥
このように、エリザベス1世はカトリックを信じるスペインと対峙するために、
イギリス国教会を強制して、国内を固める必要があったのである。
305
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/17(金) 00:11:27 ID:D0qvMhGU0
ただし、イギリス国教会を強制すれば国内は盤石という訳でもなかったりする。
..,,.,─⌒) ゥ,、....
((゙゚'ω゚'))
/ つと)
しー-J
まず、
>>288
で触れたとおり『第一次囲い込み』が進展していたことから、
イングランド国内には農村を追い出された元農民がウヨウヨしていた。
306
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/17(金) 00:12:29 ID:D0qvMhGU0
、Х
〈`
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| .:|...:|/:/...:.:|..: : : : : :.:`L..r─┬i .//| |.: :.: :.:.:.:.:..::|
\ | └┴┬i::::|==========|: : ://__. rr┴' | |.:.::.[]:.:: : : :|
:::...>、 |[]..::[]. 〈〈::::|::::::[]::::.:.:[]..r、]: :.[_[;;::::.} ]:]:: : | | :.:: ::..::.::.:::.|. ┌::、 /〉
‐く.:〈 ,、 |. : : : :.: :\:|:::::::::::::::::::::/. : : : : :〉〉 //:: : :| | : :.::.::.:::..::.:|-┘:::L、r‐//┐ ,、
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そして、このような貧困な元農民は、従来であれば『修道院』で世話をしていたものだが、
イングランドの修道院は『ヘンリ8世』がすべて解散させていたのである。
つまり、イングランドでは貧民を保護するセーフティーネットが崩壊していたのであった。
307
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/17(金) 00:12:59 ID:D0qvMhGU0
このためエリザベス1世の治世において、『救貧法』という法律が制定されている。
ξ ゚⊿゚)ξ 「浮浪者を放っておくと治安が悪化するわね……」
ξ ゚⊿゚)ξ 「とりあえず、働けるやつは強制的に働かせておきましょう。サボる奴が悪いのよ」
ゥ,、...
..,,.,─⌒)
((;´゚ω゚)) 。・゚・⌒)
/ o━ヽニニフ))
しー-J
これは、働けない貧民に対して金銭を支給する一方で、
働ける失業者には強制的に労働させる法律であった。
308
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/17(金) 00:13:23 ID:D0qvMhGU0
そして……
(⌒⌒⌒)::) .(⌒⌒⌒)::) ____
| |:::| /⌒| |:::| | 100円 |
|____|__(^ω^|____|;;;|  ̄~||~ ̄
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄|
|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::::|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(;^ω^) 「え!? 労働しているほど救われるキリスト教ってあるんですかお!?」
実は16世紀後半になると、
イングランドやスコットランドでも『カルヴァン派』が広まりつつあったのである。
309
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/17(金) 00:14:06 ID:D0qvMhGU0
( ^ω^) 「カルヴァンの教えは素晴らしいお! 事業で儲けたのは救われている証拠だお!」
( ^ω^) 「こんな素晴らしい教えがあるにも関わらず……」
ξ ^⊿^)ξ 「イギリス国教会はあたしのためのもの! 好きに解釈させてもらうわよ!」
( `ω´) 「うちの女王は何なんだお! キリスト教を何だと思ってんだお!?」
ご存じのとおり、『カルヴァン派』は商工業者に人気のプロテスタントである。
このためイングランドにおいては、ビジネスを手掛ける『ジェントリ』や、
『独立自営農民』の上層部を中心に信者が増加していった。
310
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/17(金) 00:14:37 ID:D0qvMhGU0
( `ω´) 「イングランドの宗教改革は! もっと純粋に! 徹底的にやるべきだお!」
そして、イングランドで増加した『カルヴァン派』は、
イギリス国教会の中途半端さに反発し、より”ピュア”にやっていこうと主張するようになった。
この結果、イングランドのカルヴァン派は『ピューリタン』(清教徒)と呼ばれるようになっていく。
311
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/17(金) 00:15:08 ID:D0qvMhGU0
こうしてイングランド国内では、
∧∧
(;゚Д゚) ξ#゚⊿゚)ξ (`ω´#)
カトリック イギリス国教会 プロテスタント
┝━━━━━━━┿━━━━━━━┥
・外国勢力に近しく、国教会を恨んでいる『ローマ=カトリック』
・イギリス国教会の改革が不十分だと叫ぶ『ピューリタン』
・それらの中道を進み、国内の安定を求める『イギリス国教会』
の3勢力がうごめくことになった。
『エリザベス1世』の治世は華やかなイメージで語られることが多いが、
国内には失業者も溢れており、また宗教対立の芽が育ちつつあったのである。
312
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/17(金) 00:15:39 ID:D0qvMhGU0
そして17世紀初頭、ついにエリザベス1世はこの世を去ることになる。
彼女は後継者を指名しないまま死んだので、『テューダー朝』はここに断絶することになった。
「力が欲しいか……」
(;゚ω゚) 「な、なんだお!?」
そして、残されたイングランドには………しばらくして、革命の嵐が吹き荒れることになる。
313
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/17(金) 00:16:09 ID:D0qvMhGU0
●16世紀の終わりに
ξ#゚⊿゚)ξ (`ω´ ) ζ(゚ー゚*ζ
∧_∧ _ (・∀ ・)
(・∀・ ) (;゚∀゚)
.,,..,,,,_
/ ,' 3
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 ('A`;)
λ∧ ∧∧ \(^o^)/ (^、^*川
(;;)T;o゙) (゚Д゚#)
さて、ここまで宗教改革を中心に16世紀のヨーロッパを概観してきた。
1517年に『マルティン=ルター』が始めた神学的な論争は、
ヨーロッパ諸国に大きな混乱をもたらしたのである。
314
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/17(金) 00:16:50 ID:D0qvMhGU0
では、宗教改革に振り回された16世紀が終わるとどうなるのだろうか?
∧_∧
( ・∀・) 「16世紀が終わるとどうなる?」
( ^ω^) 「知らんのか」
( ^ω^) 「17世紀が始まるお」
∧_∧
(; ・∀・) 「いやそうじゃなくて……」
315
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/17(金) 00:17:17 ID:D0qvMhGU0
* ∧ ∧ +
+ (,,^Д^)
⊂ T ⊃ +
〜| |
し`J
混乱した16世紀が終わると、実はさらに混乱した『危機の17世紀』が訪れる。
17世紀に入ると地球環境が寒冷化したことから、
農業が不振となり、人口も減少し、経済的に不況となっていったのであった。
316
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/17(金) 00:17:50 ID:D0qvMhGU0
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄」
―――――――――――――‐┬┘
|
____.____ | いらない
| | | | 国王顧問官を
| | ∧_∧ | | 窓から
| |( ´∀`)つ ミ | 投げ捨てろ
| |/ ⊃ ノ | |
 ̄ ̄ ̄ ̄' ̄ ̄ ̄ ̄ | ∧_∧
(´Д` )
⊂ ⊂ )
⊂ ⊂ ,ノo
こうした危機的な状況を、17世紀のヨーロッパ諸国はどのように乗り越えたのか?
また、追い詰められた民衆はどのようにこの先生きのこっていったのか?
これについては、また次回以降お話していくものとしたい。
317
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/17(金) 00:18:49 ID:D0qvMhGU0
∧ ∧ ニュ
(,,^Д^)
__〃`ヽ 〈_
γ´⌒´--ヾvーヽ⌒ヽ
/⌒ ィ `i´ ); `ヽ
/ ノ^ 、___.T___人 |
! ,,,ノ爻\_ _人 ノr;^ > )
( <_ \ヘ、,, __,+、__rノ/ /
ヽ_ \ )ゝ、__,+、_ア〃 /
ヽ、___ ヽ.=┬─┬〈 ソ、
〈J .〉、| |, |ヽ-´
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レ :|: | リ
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| ,, ソ ヽ )
.,ゝ ) イ ヽ ノ
y `レl 〈´ リ
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〉 〈 〉 |
/ ::| (_ヽ \、
(。mnノ `ヽnm
つ づ く
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制作・著作 VIP
318
:
◆ImMEukpfHw
:2022/06/17(金) 00:19:34 ID:D0qvMhGU0
ということで足掛け2年くらいかかりましたが、ここでいったん一区切りです。
異様に長くなっちゃったので、途中から「ギコとドクオで近世西洋史 中編」って感じでしたね。。。
しばらく忙しくなりそうなので、次回以降はまたごゆるりとお待ちください。
319
:
名無しさん
:2022/06/17(金) 09:41:34 ID:wqW8ZmII0
乙乙乙
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