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巴妖姦椿事(ともえあやかしかしましちんじ)のようです
11
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 20:21:58 ID:ASf7GVS60
*(‘‘)*「ということで鈴木、シャネルに化けなさい」
/ ゚、。 ;/
/ ゚、。 /
鈴木 衣織(すずき いおり) 【一反木綿】
/ ゚、。 ;/「デキナイ……」
*(;‘‘)*「なんで!?いつもの道着とか化けてくれるじゃん!」
/ ゚、。 ;/「ニアワナイ フク ムリヤリ バケル デキナイ……」
*(‘‘)*
*(‘‘)*「似合わ……とにかく一回やってみて、出来なくても怒ったりしないから」
/ ゚、。 /「……ワカッタ」
――着蛇穴(キサラギ)―――
*(‘‘)*「さぁ来なさいシャネル鈴木!!」
(゜3゜)「振付師の芸名みたいだな」
12
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 20:23:25 ID:ASf7GVS60
ボワン ボワン
*(‘‘)* ←鈴木装着済み
从´ヮ`;从ト「おお……」
*(‘‘)*「どう!? シャネルの女になった!?」
川д;川「ええと……」
( ^^ω)
(゜3゜)「俺はブランドってのには詳しくないからわからないんだが」
(゜3゜)「シャネルってのはランドセルやスクール水着も売ってるのか?」
*(‘‘)*
*(#‘‘)*「鈴木ーーーッ!!」
川д川「怒らないって言ったのに……」
13
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 20:24:23 ID:ASf7GVS60
*(#‘‘)*「次よ次!」
*(‘‘)*「貞子って相手に憑依したら体格も自分のものに変えられたわよね」
川д;川「え? ま、まぁ……できますけど」
川д川
月城 貞子(つきしろ さだこ) 【幽霊】
*(‘‘)*「あたしにそのナイスバディを寄越しなさい」
川д;川「えぇ〜、体格変えるの結構痛いらしいんですよ? 泣きません?」
*(‘‘)*「滅茶苦茶泣くし文句も言う」
川д川「じゃあ嫌です」
*(‘‘)*「ウソウソ、冗談だって、」
「えー、じゃあ入りますよ」川д*(‘‘)*「よっしゃばっちこい!」
川д;川「あー狭い、きつい、ああー!」
*(;‘‘)*「あだッ! いだだだ……! ひぎぃ!! さけるぅ! さけちゃう!」
/ ゚、。 /「ウルサイ」
14
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 20:25:05 ID:ASf7GVS60
ジャジャ―― 川д川 ――――ン
(゜3゜)
/ ゚、。 ;/
( ^^ω) ?
川д川『えっ、これあたしの要素なくない?』
川д;川「はい、だって私の身体の形に変えてますから……」
从´ヮ`;从ト「これじゃあただの実体化した貞子だべ……」
川д川『マジで?本当にあたしの要素ゼロなわけ?』
【+ 】ゞ゚)「肉の付いた貞子、とても素敵じゃあないか」
川д;川「あ、ありがとう」
川д川『これあたしもういらないんじゃないかな……』
川д;川「あっ、お体返します! すぐに返しますから拗ねないでください!」
15
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 20:25:32 ID:ASf7GVS60
*(‘‘)*「よし」
*(‘‘)*「狸子の幻術で化けよう、大人のあたしに」
从´ヮ`从ト「え」
从´ヮ`从ト
狸子(りこ) 【化け狸】
川д川「どんどん手抜きになってませんか?」
*(‘‘)*「妖術師であるあたしが契約してる妖の力を借りて椿様の目を誤魔化すのだから、
それは最早あたし自身が大人になることと相違ないのよ。きっとそうよ」
(゜3゜)「自分に言い聞かせ始めたぞ」
从´ヮ`;从ト「だ、だどもウチの家は代々茶釜狸(ちゃがまだぬき)の家系だもんで、
水術は得意な代わりに、化けたり化かしたりはべらぼう苦手なんだって、
理香様もよくご存じのはずだべ……?」
*(#‘‘)*「そんなんやってみないとわかんないでしょうが!
やる前から諦めてたら勝負にならないのよ!」
川д川「自分で大人っぽくなることを早々に諦めておいてそんな」
16
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 20:26:12 ID:ASf7GVS60
【+ 】ゞ゚)「でも、狸子の親父さん、見た目は普通の古狸なのに、一瞬で美女や大男に
変身できたそうじゃないか」
从´ヮ`;从ト「あ、あれは自分を化かす術だし、とーさまはちゃんと対価を以って
化けてたんだべ……」
【+ 】ゞ゚)「対価?」
从´ヮ`;从ト「自分以外のものを化かすときは、その物自体に、化かしたものに匹敵する
素質がないとダメなんだべ……」
【+ 】ゞ゚)「つまり、小さな石ころを泰山に化かすことはできないということか」
*(#‘‘)*「誰の胸が小さな石ころですって?」
从´ヮ`;从ト「だから、あの、とーさまは、ふぐりが大きかったんだべ……」
*(‘‘)*
(゜3゜)「一応聞いておくが、あるのか? 大きなふぐり」
*(#‘‘)*「あるわけないでしょ、ぶっ飛ばすわよ!!」
( ^^ω) ?
17
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 20:27:06 ID:ASf7GVS60
【+ 】ゞ゚)「よし、外見から変えるのが無理だというのなら、だ」
【+ 】ゞ゚)「女の吸血鬼は若さを保つために若い娘の血を啜るという話がある」
【+ 】ゞ゚)
柩 収(ひつぎ おさむ) 【吸血鬼】
【+ 】ゞ゚)「これを逆に利用し、大人の女の血を吸い、身体の内部から大人に変えるというのはどうだろうか」
*(‘‘)*「ほう」
【+ 】ゞ゚)「いわば、アンチ・アンチエイジングだな」
*(‘‘)*「よし、じゃあ早速町に繰り出して片っ端からババアの血を抜き取っ……」
川д;川「通り魔にでもなる気ですか!」
*(#‘‘)*「じゃあどうしろって言うのよ!」
(゜3゜)「オサム、お前予備の女の血持ってるんじゃないのか、それ使えよ」
【+ 】ゞ゚)「無理だ、今回ばかりは使えない」
从´ヮ`从ト「どうしてだべ?」
【+ 】ゞ゚)「私が吸うのは10代前半の娘の血だけだからだ」
/ ゚、。 /「ロリコン」
18
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 20:27:37 ID:ASf7GVS60
*(‘‘)*「あれ」
*(‘‘)*「私16歳なんですけど。この前力借りたときも時も吸わなかったっけ?」
【+ 】ゞ゚)「リーダーの血は何故か幼い味がするからな、あと10年は飲める」
*(‘‘)*
*(#‘‘)*「誰が脱法ロリータブラッドじゃい!」
川д;川「言ってない言ってない」
*(‘‘)*
*(#‘‘)*「ちょっと、これじゃ全滅じゃないの!!」
(゜3゜)「俺はまだ案を出してないが?」
*(;‘‘)*「えっ、田中アンタ何か思いついたの!?」
(゜3゜)「いや、何も?」
*(‘‘)*
*(‘‘)*「じゃあ黙ってなさいよ……」
19
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 20:28:21 ID:ASf7GVS60
*(‘‘)*「1つ確認しておきたいんだけど」
*(‘‘)*「このまま勝負して私が理梨に勝てる可能性ってどれくらい?」
*(‘‘)*ノ「勝てると思う人」
/ ゚、。 /ノヾ 川д川ノ ヾ( ^^ω)ノ
*(‘‘)*ノ「勝てないと思う人」
【+ 】ゞ゚)ノ (゜3゜) c从´ヮ`;从ト
*(‘‘)*「よし、勝てると思った根拠は!?」
川д*川「ほら、理梨さん、素直で穢れとか知らなさそうだし……」
*(‘‘)*
/ ゚、。 /「アノコ ハダ キレイ」
*(‘‘)*
*(‘‘)*「なにこれ、実質1対5でぼろ負けの気分なんだけど」
(*^^ω) ホマホマ
*(;;)*「わたしの味方はあんただけよハセガワ〜」
20
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 20:28:56 ID:ASf7GVS60
*(‘‘)*
*(‘‘)*「はぁ〜……」
*(‘‘)*「正直なところね、しきたりだとか当主だとかはどうでもいいのよ」
*(#‘‘)*「でもあのすかした態度の理梨に負けるのは絶対にイヤ!」
*(#‘‘)*「絶対勝つ方法を考えてやるんだから……」
川д;川「こういう負けず嫌いなところ、大人かと言われると結構不利な気がするんですよね……」
从´ヮ`;从ト「不安だべ……」
*(#‘‘)*「とにかく審儀までの時間でなんとか理梨を出し抜ける作戦考えるから!」
*(#‘‘)*「みんなも良い案が浮かんだらすぐ言ってよね!!」
【+ 】ゞ゚)「だが、あのがむしゃらさがリーダーの魅力だろう?」
(゜3゜)「……そういうことにしておくか」
( ^^ω) ホマホマ
21
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 20:30:59 ID:ASf7GVS60
【蛇斬・立幸神社】
(´・_・`)「名前と年齢、職業を教えてもらおうかな」
⌒*リ´・-・リ「名前は理梨、年齢は16。職業は……退魔師」
(´・_・`)「へぇー退魔師やってるんだ? 友達から珍しいねーとか言われたりしない?」
⌒*リ´・-・リ「友達いないから言われない」
(´・_・`)
⌒*リ´・-・リ
(´・_・`)「じゃあ、経験人数のほう言っちゃおうか?」
⌒*リ´・-・リ「50人から数えてない、斬った後死んだかどうかを確認しない仕事もあるから」
(´・_・`)「JKで50人はヤバいでしょ、やっぱり一人でするのも好きなの?」
⌒*リ´・-・リ「一人だとどうしてもトレーニングの域を出ないから対人稽古はやった方がいい」
イ从゚ ー゚ノi、
イ从゚ ー゚ノi、「なぁお前さん、これはなんじゃ?」
⌒*リ´・-・リ
⌒*リ´・-・リ「いかがわしいビデオ風自己紹介だけど」
22
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 20:32:55 ID:ASf7GVS60
イ从;゚ ー゚ノi、「それはわかっとる、千年生きた妖狐を舐めるでないぞ」
イ从゚ ー゚ノi、
理狐(りこ) 【妖刀(狐憑き)】
⌒*リ´・-・リ「千年生きたくせに阿呆みたいな知識自慢して恥ずかしくないの」
イ从゚ ー゚ノi、「阿呆みたいなことするよりは恥ずかしくないわい」
⌒*リ´・-・リ「大人の女になる方法を兄貴に聞いたらこうしろって言われたからやってみただけ」
イ从゚ ー゚ノi、「……信じたのか?」
⌒*リ´・-・リ「まさか、ちゃんと経験人数聞かれたあたりで嘘だって気付いた」
イ从;゚ ー゚ノi、「もっと手前で気付かんかい」
⌒*リ´・-・リ「それじゃあ出かけてくるから。杵運さん、そのビデオは燃やしといて」
(´・_・`)「御意。お気をつけて」
イ从゚ ー゚ノi、「どこへ行くんじゃ?」
⌒*リ´・-・リ「聞き取り調査をする。私を含めて、蛇斬の家の者には一般的な常識を期待できない」
イ从゚ ー゚ノi、「自覚はあったんじゃな」
23
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 20:34:02 ID:ASf7GVS60
⌒*リ´・-・リ「だから、町で私が大人の女だと思った人に直接話を聞く」
イ从;゚ ー゚ノi、「上手くいくかのぅ。わっちにはそのやり方も十分常識はずれな気がするが」
⌒*リ´・-・リ「奥の手はある。だからとりあえず、やってみる」
⌒*リ´・-・リ「あの、少し話を」
∬´_ゝ`)「ごめんなさい、今忙しいの」
⌒*リ´・-・リ「少し話を」
( ‘∀‘)「時間ないで〜す、ごめんなさ〜い」
⌒*リ´・-・リ「あの」
lw´‐ _‐ノv「今の私は田園を駆ける風、だれにも止められない」
⌒*リ´・-・リ
24
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 20:34:47 ID:ASf7GVS60
⌒*リ´・-・リ「……誰も話を聞いてくれない」
イ从゚ ー゚ノi、「お前さん怪しすぎるんじゃ、そりゃ誰でもヒくぞ」
⌒*リ´・-・リ「諦めない、絶対に話を聞いてみせる」
⌒*リ;´・-・リ「あ、あのっ! 少しお話を伺いたいんでs」
从;'ー'从「ふぇ、ごめんなさい〜、いまはちょっと〜」
⌒*リ´・-・リ
イ从゚ ー゚ノi、
⌒*リ´・-・リ「大丈夫、とにかくまずは立ち止まらせれば良いだけの話」
⌒*リ´- -リ スッ
イ从゚ ー゚ノi、
イ从;゚ ー゚ノi、「ちょっと待て、お前さんまさかここで抜刀するつもりじゃ―――」
⌒*リ´- -リ「蛇斬流――――」
25
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 20:35:25 ID:ASf7GVS60
从;'ー'从「きゃっ……風〜?」
⌒*リ´・-・リっ╂――「―――赤晴(あかばれ)」
从;'ー'从 パサッ
从;'ー'从「あ、スカートが……!」
( ^^)「おい、あの子スカート穿いてないぞ」
( ・3・)「マジじゃん、写真撮っとこ」
从;'ー'从「ふぇぇ……な、なんでぇ……?」
⌒*リ´・-・リっ「こっち、その格好のまま警察に捕まりたくなかったらついてきて」
从;'ー'从「ふぇぇ〜……!?」
イ从゚ ー゚ノi、
イ从;゚ ー゚ノi、「やくざ者にもほどがあるじゃろ……」
26
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 20:36:07 ID:ASf7GVS60
【蛇斬・立幸神社】
(´・_・`)「服はお体に合いましたか」
从'ー'从「あ、はい。ありがとうございます〜」
(´・_・`)「いえいえ、お嬢がご迷惑をお掛けしました」
从'ー'从「……ふぅ」
⌒*リ´・-・リ「ごめんなさい、どうしても話を聞いてもらいたくて」
从'ー'从「怒ってないよ〜、ちょっとびっくりしたし、恥ずかしかったけど」
⌒*リ´・-・リ「でも、忙しそうだったから」
从'ー'从「ええとねぇ、実は今日は、会社の就職説明会があったの」
イ从゚ ー゚ノi、「お、わっちそれ知っとるぞ。シューカツってやつじゃな」
从'ー'从「でも、行きたくないところだったから、別にいいの」
⌒*リ´・-・リ「行きたくないところなのに、説明会に行くんですか」
从'ー'从「うん、だってそうしないと、どこにも行けなくなっちゃうかもしれないから」
⌒*リ´・-・リ「そうなんですか」
27
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 20:36:45 ID:ASf7GVS60
从'ー'从「それで、私に聞きたいことってなぁに?」
⌒*リ´・-・リ「……」
⌒*リ´・-・リ「貴女みたいな大人の女性になりたいんです」
从'ー'从
从;'ー'从「え、えぇ〜? わたしぃ? わたし、全然大人じゃないよ〜?」
⌒*リ´・-・リ「だってスーツ着てたし……」
イ从゚ ー゚ノi、「そりゃ着るじゃろ、シューカツなんじゃから」
从;'ー'从「あのスーツは、就活用に買っただけだよ〜」
从'ー'从「何回着ても着慣れないの、今は脱げてすっきりしてる。うふふ」
⌒*リ´・-・リ「胸、大きいし」
イ从゚ ー゚ノi、「お前さん、大人の基準が小学生あたりで止まっとりゃせんか?」
从;'ー'从「ふぇぇ、それは中学生の頃からのコンプレックスなんだよぉ……」
⌒*リ;´・-・リ「あ、ごめんなさい……」
从'ー'从「大丈夫だよぉ、実際これがなかったら高校生って言われるもん」
28
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 20:37:54 ID:ASf7GVS60
⌒*リ;´・-・リ
⌒*リ;´・-・リ「なんか、上手く言えないけど、大人のお姉さんって感じがしたから」
从;'ー'从「そうかなぁ……わたし、よく頼りないって言われるほうなんだけど……」
⌒*リ´・-・リ
⌒*リ´・-・リ「頼りないのは、まぁ……」
从;'ー'从「ががーん」
从'ー'从
从'ー'从「大人、大人かぁ……わたしもなりたいなぁ、早く」
⌒*リ´・-・リ「……渡辺さんは、自分のこと大人だって思ってないんですか?」
从'ー'从「んー……子供ではないのかもしれないけど、大人ではない、のかも」
⌒*リ´・-・リ「……そうなんですか」
29
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 20:38:32 ID:ASf7GVS60
从'ー'从「ええと、リリちゃんだっけ。リリちゃんはどうして大人になりたいの?」
⌒*リ´・-・リ
⌒*リ´・-・リ「……ならないと、勝てないから、です」
从'ー'从「うーん? そっかー……」
从'ー'从
⌒*リ´・-・リ
从*'ー'从「こういうところでかっこいいアドバイスができる人になりたいよねぇ」
⌒*リ´・-・リ
イ从゚ ー゚ノi、「わっちらで散々迷惑かけておいて言うのもなんじゃが、この娘もずいぶんなポンコツじゃな」
从'ー'从「……それじゃあ、そろそろお暇しますね」
⌒*リ´・-・リ「あの、スカートと説明会、ダメにしてしまってごめんなさい」
从'ー'从「全然気にしてないよぉ、お金だって本当はいらなかったのに」
(´・_・`)「そういうわけにはいきません、蛇斬の者としてけじめがつきませんので」
从'ー'从「こっちこそ、為になるようなアドバイス、出来なくてごめんね?」
⌒*リ´・-・リ「ううん……」
30
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 20:39:23 ID:ASf7GVS60
⌒*リ´・-・リ
⌒*リ´・-・リ「……きっと私、貴女だから、ああしてでも話を聞きたかったんだと、思う」
从'ー'从「……ホント?」
⌒*リ´・-・リ「うん。渡辺さんは、素敵な人だから」
从'ー'从「うれしい、なんだか自信ついちゃうなぁ」
⌒*リ´・-・リ「……あ」
从'ー'从「ん?」
⌒*リ´・-・リ「やっぱり……牛乳ってよく飲むの?」
从'ー'从
从'ー'从 クス
从'ー'从「わたし牛乳苦手なんだぁ……コーヒーもブラックで飲んじゃう」
⌒*リ´・-・リ「そう、じゃあ今度からはブラックで飲んでみる」
从*'ー'从「おいしいよぉ、きっと」
31
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 20:44:56 ID:ASf7GVS60
【拝鳴駅 駅前】
( ><)
( ^Д^)「きみ、どうしたの?」
( ><)
( ><)「……ボク、ですか?」
( ^Д^)「そうそう、ずっとそこに立って憂鬱そうにしてたから」
( ><)「ああ……人を、友達を待ってたんですけど。ドタキャンされちゃって」
( ^Д^)「そっか、そりゃ災難。悪いこと聞いちゃったかな」
( ><)「いいえ、そんなことは」
( ^Д^)
(;^Д^)「あ、いや、別にナンパ目的でずっと付け回してたとかじゃなくて、
たまたま向かいのカフェ、ほらあそこに……でコーヒーを飲んでたら、
目に付いちゃったっていうか、心配というか、そんな感じで……」
(*><)「ふふ、別にそんな。疑ってませんよ?」
(;^Д^)「あ、あはは……」
32
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 20:45:54 ID:ASf7GVS60
(;^Д^)
(;^Д^)「じゃ、じゃあ、俺はこれで……」 ソソクサー
( ><)
( ><)「あ、じゃあせっかく声かてもらったついでに、ひとつお願いしてもいいですか?」
( ^Д^)
( ^Д^)「な、何かな……?」
( ><)「ボクと一緒に遊んでくれませんか?」
( ^Д^)
(*^Д^)「い、いいよ、どこに行こうか」
(*><)「まずはカラオケが良いんです!」 グイッ
https://res.cloudinary.com/boonnovel2020/image/upload/v1588208778/49_yaxsud.png
33
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 20:47:02 ID:ASf7GVS60
(*><)( ^Д^)
つ・(エ)・)
( ><)「クレーンゲーム、お上手なんですね」
( ^Д^)「あはは。今日は調子が良かった、ギャラリーも居たしね」
( ><)「今日は楽しかったです、ありがとうございました」
( ^Д^)「いやいや、俺も楽しかった。あのとき、声をかけてよかったよ」
( ><)
( ><)「……あと、ひとつだけ付き合ってもらってもいいですか?」
( ^Д^)「もちろん。ここまで来たら最後まで付き合うよ」
( ><)
( ><)「最後まで……ね」
( ^Д^)「ん? どうしたの?」
( ><)「何でもないんです!」
34
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 20:47:58 ID:ASf7GVS60
https://res.cloudinary.com/boonnovel2020/image/upload/v1588208778/50_laxoe9.png
(;^Д^)(*><)
(;^Д^)「ねぇ……ここ、墓地じゃ……」
( ><)
( ><)「知っていますか? ここには一つ、素敵な噂があるんですよ」
(;^Д^)「噂……?」
( ><)「女遊びの激しい男に、手ひどく振られて自ら命を絶った少女の霊が、
時折町に繰り出しては、同じように軟派な男を捕まえて自分が眠る墓に
連れ込もうとするという、そんな噂なんです」
(;^Д^)
(;^Д^)「……君は」
( ><)
35
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 20:49:19 ID:ASf7GVS60
( ><)「今日は楽しかったですね、ボクとずっと一緒にいたいと思いませんか?」
(;^Д^)(か、身体が……動かない……!?)
( >∩)「ねぇ、もう寂しいのはイヤなんです。どうしたらいいかわからないんです」
(;^Д^)(こ、殺される……)
::( >∩)::「だから……だから……」
(;^Д^)っ「あ゛……が、お、おれは……き、きみを……」
( ><○>)「ねぇ―――――」 ギンッ
*(‘‘)*「はいストップ」
36
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 20:50:47 ID:ASf7GVS60
(;^Д^)( ><) *(‘‘ )*
( ><)「誰なんです……?」
*(‘‘)*「それはこっちのセリフだっての」
*(‘‘)*「勝手にウチの寺に変な噂立てないでくれる?」
(♯><)「チッ……!!」
(♯>∩)「この……!」 ググッ
*(‘‘)*「瞳術、使うつもりなら止めときなさい。その程度じゃ効かないから」
(;><)「ッ!」
( ><)
若手 陽露見(わかて ひろみ) 【瞳術師】
*(‘‘)*「ほら、早く逃げなさいよ。殺されるわよ」
(;^Д^)「あ……」
(;^Д^) (>< )
*(‘‘)*「それとも、あたしが殺る方がいい?」
(;^Д^)「ッ!」
ε= (;^Д^)
( ><)「余計なことを……」
37
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 20:51:25 ID:ASf7GVS60
【龍呑寺】
*(‘‘)*「自分でいうのも癪なんだけど、こんなボロ寺でなにしてんのよ」
( ><)「……ほっといてもらえますか、アナタには関係ないんだから」
*(‘‘)*「人ん家に勝手に上がり込んでおいてほっといてくれはないでしょ」
(;><)「うぐ」
( ><)「……別に」
( ><)「……毎日暇だから、町で軽そうな男に声かけて、ああやって暗がりで脅かして遊んでたんですよ」
*(‘‘)*「へぇー、良い趣味してるわね」
( ><)「ああやって連れてくるの大変なんですからね、昼間から油断させるために人懐こく……」
*(‘‘)*「じゃあ、昼間は普通に遊んでたってこと? 何してたの?」
( ><)「え……普通にゲーセン行ったり、カラオケ行ったり、映画見たりとか……」
*(‘‘)*「ふーん、楽しそうね」
( ><)
( ><)「別に楽しくなんかなかったですよ、一番の楽しみはアナタに邪魔されちゃいましたし」
38
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 20:52:18 ID:ASf7GVS60
( ><)「小さい頃は童顔はコンプレックスでしたけど、今では便利でありがたいです」
( ><)「まあ、ここまで上手くやれるのは瞳術のおかげでもあるんですけどね」
*(‘‘)*「……一応聞いておきたいんだけど、歳いくつ?」
( ><)「16……高校生ですけど」
*(;‘‘)*「高校生!? マセた中学生くらいに思ってた……」
( ><)「その言葉、そっくりそのままお返しするんです」
*(#‘‘)*「このセクシーJKフェイスのどこが小学生なのよ」
( ><)「小学生とは言ってませんけど……」
*(‘‘)*
*(‘‘)*「ねぇ、アンタは大人っぽくなりたいとか思わないの」
( ><)
( ><)「……どうせボクにはまともな将来なんて期待できないんです」
( ><)「だからボクはずっとこのまま馬鹿な大人を誑かす子供でいいんです」
*(‘‘)*「はぁ〜、自由なことで。こちとらこれから急ピッチで大人にならなきゃいけないってのに」
39
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 20:54:18 ID:ASf7GVS60
( ><)「……大人にって、どうやってなるつもりなんですか?」
*(‘‘)*「ん〜……やっぱり欲しいのは胸かなぁ〜、あとは身長とか」
*(‘‘)*「こう、フェロモンっていうの? そういうのが欲しいよね、年頃の娘としては」
( ><)「身体だけ? 大人ってもっと内面的なものなんじゃないんです?」
*(‘‘)*「あーん? 内面の変化なんて子供にだってあるでしょ」
*(‘‘)*「心が広くなったり、冷静な対処ができるようになったり、そういうの」
*(‘‘)*「でも、そういうのはそいつが個人的にそういうヤツになったってだけでしょ、大人かどうかとは関係ない」
( ><)「それは……身体の変化だって一緒じゃないんですか?」
*(‘‘)*「かもね。でもあたしは中身今のまんま大人になりたいから。
大人になるにあたって変えたいのは外見だけ。
既に中身は素敵なあたしがこの胸と尻さえバーンと出たら、もう無敵なわけ」
( ><)「……子供っぽいんです」
*(‘‘)*「うるさいわね、じゃあアンタはどんな大人になりたいっていうのよ」
40
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 20:55:49 ID:ASf7GVS60
( ><)
『家の瞳を持つ者としての自覚を持ちなさい』
『私の身に何かあったときは、貴女がこの家を支えるのです』
『強くありなさい』
( ><)
( ><)「……だから、ボクは大人になんかなりたくないんですって」
*(‘‘)*
*(‘‘)*「ああ、そーいやそーだったわね」
*(‘‘)*「私だってこんなことにならなかったら、別に大人になんかなろうとしないんだけどねー」
41
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 20:57:35 ID:ASf7GVS60
( ><)「……こんなことって?」
*(‘‘)*ゞ「あー? たぶん言ってもわかんないだろうけど、腐れ縁の奴となんか勝負することになって」
*(‘‘)*「そこで大人の女になった方が勝ちーってことになっちゃったのよ」
( ><)
( ><)「絶望的じゃないですか」
*(#‘‘)*「誰が全自動ロリコン収集フェイスよ」
( ><)「だからそこまでは言ってないですけど……」
*(‘‘)*「とりあえず、この擇撰の審儀で理梨の阿呆をコテンパンに……」
( ><)
*(‘‘)*´
*(*‘‘)*「コテンパン!? そうか、その手があったか!」
( ><)
*(#‘‘)*「ってアンタなにぼーっとしてんのよ!? アンタが聞いてきたんでしょうが!!」
( ><)
(;><)「ちょっ、暴力反対なんです!」
42
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 20:58:08 ID:ASf7GVS60
( ><)「そろそろお暇するんです。これ以上長居すると線香の匂いが服に染みてしまうんです」
*(‘‘)*「かーっ、分かってないわね、これが大人の香りなのよ」
( ><)「老人の匂いの間違いでは?」
*(^ ^)*「ふふ、お墓が傍にあるからって死に急ぐことないのよ」
( ><)「こわっ」
*(‘‘)*「かわいい顔して男誑かすのは構わないけど、もうここでおっぱじめるのはやめてよね」
( ><)「はいはい、覚えとくんです」
( ><)
*(‘‘)*「なによ?」
(*><)「外見から大人になりたいなら、その子供っぽい下着はやめたほうがいいんです」 クスクス
*(‘‘)*
*(;#‘‘)*「あ、ど、瞳術かッ! 乙女の秘密を盗み見やがったな!!」
( ><)ノシ「バイバイなんです〜」
*(#‘‘)*「待てこらクソ!! あーもう二度と来るな!!」
43
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 21:00:10 ID:ASf7GVS60
―――――
イ从゚ ー゚ノi、「それで、あの娘との問答で大人の女になる方法はわかったのかえ?」
⌒*リ´・-・リ
⌒*リ´・-・リ「……全然」
イ从゚ ー゚ノi、
イ从゚ ー゚ノi、「じゃあなんじゃお前さんは。町で年上の娘相手に痴漢行為を働いただけではないか」
⌒*リ´・-・リ「……素敵な人だった」
イ从゚ ー゚ノi、
イ从゚ ー゚ノi、「それで、今度はどこに行くんじゃ」
⌒*リ´・-・リ「すぐそこ……呼ばれたから」
「リリ様、お待ちしておりました」
⌒*リ´・-・リ
⌒*リ´・-・リ「あの……何の用ですか」
44
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 21:01:00 ID:ASf7GVS60
⌒*リ´・-・リ「富井相談役」
( ,,^Д^)
( ,,^Д^)
富井 財(とみい たから) 【超能力者】
ミセ*゚ー゚)リ (゚、゚トソン
( ,,^Д^)「ああ、彼女たちは僕の部下です。どうぞお気になさらず」
ミセ*゚ワ゚)リゞ「部下です! よろしくね!」
(゚、゚トソン
⌒*リ´・-・リ「……そうですか」
( ,,^Д^)「いやぁ、突然お呼び立てしてすいません。実はリリ様に折り入ってご相談がありまして」
⌒*リ´・-・リ「相談……?」
( ,,^Д^)「単刀直入に申し上げましょう」
( ,,^Д^)「今回の擇撰の儀について、勝利の条件を満たす方法を僕達は知っています」
⌒*リ´・-・リ
45
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 21:03:32 ID:ASf7GVS60
( ,,^Д^)「僕達は、リリ様に協力したいのです」
⌒*リ´・-・リ「私……?」
( ,,^Д^)「リカ様もリリ様も、この椿堂において瑞々しく可憐な花であることには変わりないと思っています」
( ,,^Д^)「しかしながら、当主の継承となると話は別です」
( ,,^Д^)「リカ様はどうにも血の気の多い……お転婆なお方でいらっしゃる」
⌒*リ´・-・リ
⌒*リ´・-・リ「まあ、確かに」
( ,,^Д^)「僕達は、聡明なリリ様に当主を継承してほしいと考えています」
( ,,^Д^)「ですので、この方法はリリ様だけにお教えしたいのです」
(゚、゚トソン
vミセ*゚ー゚)リv
46
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 21:04:55 ID:ASf7GVS60
⌒*リ´・-・リ「もちろん、タダというわけではないんですよね」
( ,,^Д^)「あ、はい。まぁ、その代わりと言ってはなんですが、椿を継いだ後、
少しだけ、我々“星掌会”にお力添えをいただきたいのです」
ミセ*^ヮ^)リ「なにとぞ!」
(;,,^Д^)「僕達は別事業で稼いだ資金の上納により、椿堂の相談役の地位をいただきました。
しかし、それだけでは外様である我々の地位は不安定であると言わざるを得ません」
( ,,^Д^)「僕達はこの世で自らの能力に苦しむ、新しい存在達の盾にならなければならない。
そのために、強く聡明な次期椿の誕生を何よりも強く望んでいるのです」
⌒*リ´・-・リ
⌒*リ´・-・リ「方法の内容を……詳しく聞いてもいいですか?」
47
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 21:08:11 ID:ASf7GVS60
( ,,^Д^)「勿論です。芹沢君、説明を」
ミセ*゚ヮ゚)リ「はーい!えっ(゚、゚トソン「簡単に言いますと、身体の改造手術を受けてもらいます」
ミセ*゚ヮ゚)リ
(゚、゚トソン「この黄緑馬鹿の所有する船には、身体の改造を行える設備が整っています」
(゚、゚トソン「その設備を用いて、リリ様には成人女性に相応しい体格を手に入れてもらいます」
(゚、゚トソン「勿論、手術の最中や術後において痛みや副作用が全くないことを約束します」
ミセ*゚ヮ゚)リ
⌒*リ´・-・リ「……船?」
( ,,^Д^)「ああ、これのことです」
ミセ*゚ヮ゚)リ
ミセ*゚ヮ゚)リゞ「あ、はい! かもん、まいすぺーすしっぷ!」 ピピッ
⌒*リ;´・-・リ「!?」
48
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 21:10:57 ID:ASf7GVS60
( ,,^Д^)「彼女はね、宇宙人なんですよ」
ミセ*゚ヮ゚)リゞ「びびーむ!!いまはステルスモードだよー!」
( ,,^Д^)「椿堂のリストにはただの超能力者として登録されていますがね」
⌒*リ´・-・リ「……正体を偽っているということですか?」
( ,,^Д^)「不義に思いますか?」
⌒*リ´・-・リ「……」
( ,,^Д^)「僕達はこの国の超能力者を取りまとめる組織の一端として椿堂に名を連ねています」
( ,,^Д^)「その中に、特別な事情を持つ者がいることは、椿様ともあろう方が存じ上げぬはずがありません」
⌒*リ´・-・リ
( ,,^Д^)「そしてそれは今回の件にはなんら関わりのないことです」
( ,,^Д^)「大事なことは、今、僕達が貴女を椿にすることができる力を持っていて」
( ,,^Д^)「貴女はそれを使うことができるということ、ただそれだけです」
⌒*リ´・-・リ「……」
https://res.cloudinary.com/boonnovel2020/image/upload/v1588208780/56_dpaaqd.jpg
49
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 21:12:15 ID:ASf7GVS60
⌒*リ´・-・リ
⌒*リ´・-・リ「……せっかくのお話ですが、お断りします」
( ,,^Д^)「……理由をお伺いしても?」
⌒*リ´・-・リ「三つ、あります」
⌒*リ´・-・リ「一つは、副作用の有無については客観的な保証がない」
( ,,^Д^)「それなら今ここで芹沢君を改造して」
ミセ*゚д゚)リ「ひぇっ」
⌒*リ´・-・リ「いえ、ここで証明してほしい、というわけではありません。断る理由の一つに過ぎませんから」
⌒*リ´・-・リ「もう一つは、この擇撰の審儀、どこまでがフェアである勝負かわからない以上」
⌒*リ´・-・リ「せめて自分が狡いと思う方法はとりたくないと思ったからです」
( ,,^Д^)「なるほど……流石、篤義な方だ」
( ,,^Д^)「それで……三つめは?」
50
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 21:14:10 ID:ASf7GVS60
⌒*リ´・-・リ
⌒*リ´・-・リ「大人になる方法とされるものは、少なくとも大人になる方法ではない」
( ,,^Д^)
ミセ*゚-゚)リ
(゚、゚トソン
⌒*リ´・-・リ「……という自論、です」
⌒*リ´・-・リ「……なにぶんまだ、子供なもので」
( ,,^Д^)
( ,,^Д^)「……そうですか、よく考えていらっしゃるんですね」
51
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 21:17:10 ID:ASf7GVS60
( ,,^Д^)「仰りたいことはわかりました。残念ですが、しかたありません」
⌒*リ´・-・リ「ごめんなさい、わざわざお話していただいたのに」
( ,,^Д^)「いえいえ、僕達はリリ様を応援しておりますから」
( ,,^Д^)「それでは僕たちは失礼します、“擇撰の審儀”頑張ってくださいね」
ミセ*゚ワ゚)リノシ「ばいばーい!!」
⌒*リ´・-・リ「はい、ありがとうございます」
イ从゚ ー゚ノi、「……なんとも胡散臭い話じゃったな」
⌒*リ´・-・リ「それでも、一つの方法であることには違いない」
イ从゚ ー゚ノi、「なんじゃ、きっぱり断ったわりには肩を持つのう」
⌒*リ´・-・リ「少し前の私なら、きっと承諾していたかもしれないから」
イ从゚ ー゚ノi、「……あの娘の話かえ?」
⌒*リ´・-・リ
⌒*リ´・-・リ「……かもしれない」
イ从゚ ー゚ノi、「わっちは元から、お主をあの程度の誘いに乗る娘じゃないと思うとったけどな」
⌒*リ´・-・リ
⌒*リ´・-・リ「ありがとう」
52
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 21:18:46 ID:ASf7GVS60
ミセ*゚ー゚)リ「フられちゃいましたね〜」
( ,,^Д^)「構いませんよ。本命は蛇延の方ですから」
(゚、゚トソン「……ではなぜ蛇斬の方にこの話を?」
( ,,^Д^)「この前に会った時点ではまだこちらに傾きそうな“願望”を感じ取れていたんですが……」
(゚、゚トソン「この数日で、何か変化があった、と」
( ,,^Д^)「両方落とせば良い駒になると思ったんですが、そう簡単にはいきませんねぇ」
( ,,^Д^)「……?」
”( ><)
( ,,^Д^)
( ,,^Д^)「ほほー……」
(゚、゚トソン「富井さん?」
( ,,^Д^)「……面白いことを思いつきました」
53
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 21:20:27 ID:ASf7GVS60
( ><)
( ,,^Д^)「こんばんは、瞳の綺麗なお嬢さん」
ミセ*゚ー゚)リ (゚、゚トソン
(;><)
(;><)「な……なんですか、貴方たち」
( ,,^Д^)「貴女の願いを叶える者ですよ」
(;><)「願い……?」
( ,,^Д^)「―――ステキな大人に、なってみたくはありませんか?」
(;><)
54
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 22:20:45 ID:ASf7GVS60
【翌日・脱兎の森】
*(‘‘)*
*(‘‘)*「……遅かったじゃない、逃げたかと思った」
*(‘‘)*「覚えてる? この森……」
⌒*リ´・-・リ「嫌な思い出は……忘れるようにしてる」
*(‘‘)*
*(‘‘)*「ふん、あっそう」
⌒*リ´・-・リ「……誘いに乗るかどうか、結構迷った」
⌒*リ´・-・リ「擇撰の審儀の前に、一対一で勝手に決着を付けようだなんて、ね」
*(‘‘)*「あたしもアンタも、今回の擇撰の審儀の題には向いてない」
*(‘‘)*「だからせめて、あたしらの得意なことで先に決着をつけようってワケよ」
⌒*リ´・-・リ「そんなことに何の意味があるかは、正直まだ納得いってない」
⌒*リ´・-・リ「でも、相手の我儘に付き合ってあげるのも、大人の女の役目」
55
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 22:21:44 ID:ASf7GVS60
*(‘‘)*「ふーん、それじゃあ大人のリリちゃんにもう一つ役目をあげるわ」
⌒*リ´・-・リ「……?」
*(#‘‘)*「今日ここであたしにコテンパンに負けて、擇撰の審儀を棄権するっていう役目よ!!」
c*(#‘‘)*っ「水術・一潮一汐!!」 バシュン バシュン
⌒*リ´- -リ 〇三 〇三
⌒*リ´- -リ ╂╂゛ `/ バシャ バシャ
⌒*リ´・-・リ「そういうのは、前も見た」
*(;‘‘)*(前も見たって、これそんときの最低五倍は出力上げてんのよ……)
56
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 22:22:44 ID:ASf7GVS60
*(‘‘)*「……へぇ、強くなったんだ。じゃあ、もう手加減しなくても良さそうね」
⌒*リ´・-・リ
⌒*リ´・-・リ「私はまだ、あなたに手加減したほうがいいか迷ってるけど?」
*(‘‘)* ブチィ
*(#‘‘)*「鈴木!」
、
/ ゚、。 / !
⌒*リ´・-・リ(妖布で威力の底上げか……?)
イ从#゚ ー゚ノi、「否、来るぞ理梨、構えよ!」
57
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 22:24:52 ID:ASf7GVS60
*(‘‘)*「それならこれでも―――」
⌒*リ;´・-・リ(違う、あれは高吸水性のポリマーに化けたんだ!!)
*(#‘‘)*「―――――喰らってろ!!」
*(#‘‘)*「 水術・一衣大水!! 」 / ゚、。#/
イ从#゚ ー゚ノi、「怯むな、理梨!」
⌒*リ#´・-・リ「怯んでなんか―――無い!」
⌒*リ#´・-・リっ╂── 「 蛇斬一刀流・千取(ちどり)!! 」 バチバチバチ
58
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 22:25:27 ID:ASf7GVS60
ポタ… ポタ…
⌒*リ;´・-・リ *(‘‘;)*
⌒*リ;´・-・リ
*(;‘‘)*
*(‘‘)*「ははっ、水が滴ってるわよ。少しはいい女になったんじゃない?」
⌒*リ´・-・リ「そっちは随分優しいんだね、まだ手加減が止められないなんて」
*(‘‘)*
⌒*リ´・-・リ
⌒*リ#´・-・リ「次は斬る(没める)」*(‘‘#)*
59
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 22:26:59 ID:ASf7GVS60
――――――
―――――――――
―――――――――――――
「蛇斬の家と蛇延の家の子は名前の一文字目を揃えたそうだぞ」
「おお、あれらは元は同じ家。二つの家を繋ぐ存在に、なってくれればよいなぁ」
「えーん、えーん!」
「……」
「リリちゃんなんか嫌い! 大っ嫌い!」
「……」
60
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 22:27:26 ID:ASf7GVS60
⌒゜(・ω・)゜⌒「どうしたんだい、我が愛しの妹であるリカよ」
⌒゜(・ω・)゜⌒「この偉大なる姉であるサバスチャン小林に話してみなさい」
「リリちゃんが……リカのだいじなぬいぐるみこわしたの……」
⌒゜(・ω・)゜⌒「そうか、それは辛かっただろう」
「おともだちに、なろうとおもってたのに……」
「リカのおうちには、たくさんのおともだちが、いるから」
「リリちゃんにも、わたしのすごいところ、みせたかったのに……」
(´・ω・`)「どうしてリカちゃんのぬいぐるみを壊したんだい?」
「……わるいものが、ついていたから」
(´-ω-`)「リカちゃんの為を思ってやったことなんだね、それなら……」
「……ちがう」
(´・ω・`)「違うのかい?」
「わたしは、わたしのいえが、たいましだから……」
「たいましだから、リカちゃんのぬいぐるみをこわしたの」
「リカちゃんのことなんて、なにもかんがえてあげられてなかったの……」
61
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 22:28:46 ID:ASf7GVS60
―――――――――――――
―――――――――
――――――
*(‘‘)*
*(‘‘)*「なんかクソみたいな夢を見た気がする」
*(‘‘)*「しかしそれ以上にクソなことが一つある」
⌒*リ´・-・リ
c *(‘‘)*っ
*(#‘‘)*「あたしが今、お前の眼下にて倒れ伏してることだああああああ!」
⌒*リ´・-・リ「叫ぶ元気があるようでなにより」
62
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 22:29:48 ID:ASf7GVS60
*(;‘‘)*「クソッ、普通に負けた……めっちゃ悔しい……」
从´ヮ`;从ト「理香様、大丈夫だべか……?」
*(‘‘)*
*(;;)*「なぜ闘いの手を止めたんだ貴様ら……」
*(;;)*「主なしとて命あるかぎり敵の喉笛に喰らいつくつもりで戦場に出ろと教えたのに……」
川д川「そんな物騒な教え受けてないですし、理香様が顔からぶっ倒れたせいで皆ドン引きだったんですから」
イ从*゚ ー゚ノi、「はっはっは! 修行が足りんなぁ、小娘に小狸どもよ!」
【+ 】ゞ゚)「……おそらくだが、“意識だけを斬る”だとかそういう類の技だろうな」
イ从*゚ ー゚ノi、「ご名答、寝落(ねおとし)は対象の意識を強制的に遮断する経絡を……」
⌒*リ´・-・リ「理狐……喋り過ぎ」
イ从゚ ー゚ノi、「おお、すまんすまん。わっちとしたことが」
63
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 22:30:27 ID:ASf7GVS60
*(‘‘)*「あーあ、仕方ないわ。今回の勝負はアンタの勝ちってことで……」
*(‘‘)*
*(;‘‘)*b「でもちょっと待って、擇撰の審儀まで日はあるんだから明日もやれば良くない?」
从´ヮ`;从ト「理香様……それは流石にダサいべ……」
*(#‘‘)*「うるさいわね! こういう大事な勝負は一本勝負じゃダメなのよ!」
⌒*リ´・-・リ
イ从;゚ ー゚ノi、「理梨よ、何か来るぞ!」
⌒*リ;´・-・リ「ッ!?」
「理香、危ない――――ッ!」ドンッ ⌒*リ;´・-・リっ *(‘‘)* 「え」
ビシャーン!! Σ ;;⌒*リ;´ д リ;; Z
64
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 22:32:09 ID:ASf7GVS60
*(‘‘)*
*(‘‘)*「なに、なんで……?」
⌒*リ;´;;; -リ
*(;‘‘)*「何してんのよアンタ……」
⌒*リ;´;;; -リ
*(#‘‘)*「す、鈴木! 早く理梨に手当を!」
/ ゚、。 ;/ コクコク
【+ 】ゞ゚)「大きな妖力反応が来ている、これはもう一発くるぞ!」
从´ヮ`;从ト「田中! 早く護法貼るべ!」
(゜3゜)「分かってるっての!」
ズガーンッ
从´ヮ`;从ト「ひ、ひぃえ〜!」
65
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 22:32:45 ID:ASf7GVS60
;;;; (#><○>)ザッ ;;;;
*(‘‘)*「ちょ」
*(;‘‘)*「ちょっと、アンタがなんでこんなところに……!」
(#><○>)「ァ……」
川д;川「ほとんど意識を失っている状態のようです……!」
【+ 】ゞ゚)「……見ろ、瞳の娘の腰の辺りだ。何かが延びている」
*(;‘‘)*「あれは……触手?」
*(#‘‘)*「狸子! 触手の続いてる先の方に水弾飛ばして!」
c从´ヮ`#从トっ「がってん!!」 バシュッ バシュッ
66
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 22:36:13 ID:ASf7GVS60
( ,,^Д^) ズッ
( ,,^Д^)「おやおや、流石に気が付きますか」
*(‘‘)*「アンタは……富井相談役」
( ,,^Д^)「おお、覚えていただけていたとは。光栄ですね」
*(#‘‘)*「それで……? アンタがなんでその子を操ってるの?」
( ,,^Д^)「……僕ら宇宙人ってのはねぇ、暗躍するのが大好きなんです」
;;(#;;;>∩);;「――――!」
*(#‘‘)*「宇宙人……? つーか暗躍にしては、随分派手じゃないかしらね」
( ,,^Д^)「まぁ、裏方仕事ばかりじゃ退屈してしまいますから」
67
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 22:37:51 ID:ASf7GVS60
( ,,^Д^)「実は僕、様々な星を支配して回っている一族なのですよ」
( ,,^Д^)「今回この星で活動するための基盤にこの椿堂を選んだんですが……」
( ,,^Д^)「これが思った以上にチンケな組織でしてねぇ」
( ,,^Д^)「そろそろ、トップを変わってあげようかと思っていたんですよね」
*(#‘‘)*
⌒*リ;´;;; -リ
( ,,^Д^)「最初は椿候補のお二人を操って、穏便に操ろうかなともあ思ったんですけど」
( ,,^Д^)「たまたま面白いおもちゃを見つけてしまったので、こちらを使うことにしたんです」
( ,,^Д^)「どうですか? リカ様も一緒に素敵な大人になりませんか?」
(#><○>)
*(#‘‘)*「断る、って言ったらどうなるのかしらね」
( ,,^Д^)「そうですねぇ、味方の居ない椿堂に帰るのは、少々息苦しいかと思われますよ」
*(‘‘)*
*(#‘‘)*「まさか富井、アンタ……」
( ,,^Д^)「はい、本部の方にも僕の部下が既に襲撃を開始しています」
( ,,^Д^)「新しく物事を興すときには、まず掃除から始めないといけませんからねぇ」
68
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 22:38:43 ID:ASf7GVS60
【椿堂本部・大理堂】
ドカーン ドカーン
ミセ*;д;)リ「助けてー! たすけてぇ!」
「なんだなんだ?爆発音!?」
「何が起こった?敵襲か?」
/ ,' 3 「おお、お前さんは富井のところの。どうしたんじゃ一体」
ミセ*;д;)リ「殺されちゃう……殺されちゃうよぉ……」 ギュー
/; ,' 3 「落ち着かんかい、誰が殺されるっちゅうんじゃ」
ミセ* ー )リ
/ ,' 3「……?」
/ 。゚ 3 「ごふっ……」
ミセ* ヮ )リ「お前だよ、クソジジイ」
( ゚д゚ ;)「……!」
69
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 22:41:58 ID:ASf7GVS60
/ 。゚ 3
ミセ*゚ワ゚)リ「はっはっはーっ!! やっちゃったー!! やっちゃったー!!」
ミセ*^ヮ^)リっ╂─「これミセリのおたから257!! 常夜通し(ミセリコルデ・ダインスレフ)だよーっ!!」
ミセ*゚ー゚)リ
ミセリ・コーデリア 【宇宙人】
ズガーン ドカーン
「今度は何だ……!?」
「堂の正門が爆破された!!」
φ(゚、-トソン ブンッ ブンッ
(゚、-トソン「ああ、喧しい。だから嫌なんですよ、共存も共栄も」
(゚、-トソン
(゚、゚トソン「……ホント、クソくらえだと思いませんか?」
(゚、゚トソン
都村 トソン 【魔法少女】
https://res.cloudinary.com/boonnovel2020/image/upload/v1588208779/16_x9gxmd.jpg
70
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 22:43:36 ID:ASf7GVS60
―――――
( ,,^Д^)「助けに行きたいのなら、早くその娘をぶっ殺したほうがいいですよ」
( ,,^Д^)「まあ、同じところに逝くだけで良いなら……」
( ,,^Д^)「大人しくその娘にぶっ殺されることですねぇ!!」
(#;;><○>)「あ゛あ゛あ゛ああああああァッ!」 バチバチッ
*(;‘‘)*「どぁたたたたっ!!」
【+ 】ゞ゚)「ぼさっとするな、ちゃんと避けろ!」
*(;‘‘)*「これでも精一杯!」
川д;川「私もある程度までは護法を張りますから耐えてください!」
从´ヮ`;从ト「理香様、狸子のしっぽ焦げたべ……」
*(;‘‘)*「我慢して!」
71
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 22:45:42 ID:ASf7GVS60
*(;‘‘)*「というか瞳術ってあんな力尽くの攻撃方法あったっけ!?」
川д川「おそらく触手により寄生し、妖力を流し込むことで強制的に覚醒させています」
【+ 】ゞ゚)「流し込んだエネルギーをそのまま目から放出させてるのか」
川д;川「はい……おそらく。あのまま放置すると彼女の身体にも深刻な後遺症が……」
【+ 】ゞ゚)「どうする。一度体制を立て直しに戻るか?」
从´ヮ`;从ト「そ、そうしたほうがいいべ……」
*(‘‘)*「何言ってんの、今貞子が言ってたでしょ、今助けないとマズいって」
从´ヮ`;从ト「で、でも……理香様とあの子は一度会って話をしただけだべ……?」
*(‘‘)*「あたしは狸子と初めて会ったときから、アンタのことを友達だと思ってたわよ」
从´〜`;从ト「う、うぐ……」
(;^^ω) ホマホマ
72
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 22:46:50 ID:ASf7GVS60
【椿堂本部】
(゚、゚トソン「ミセリ、作戦は上々ですか」
ミセ*゚ワ゚)リ「うん! 一番厄介なジジイはミセリちゃ(゚、゚トソン「わかりました、では他も殲滅しますよ」
ミセ*゚ワ゚)リ
ミセ*゚ー゚)リ「うん」
(゚、゚トソン「外は富井さんの雇ったバカアイドル達がやってくれてます」
ミセ*゚ヮ゚)リ「早く片付けてタカラさんにごほーびもらおーね!」
(゚、-トソン「……」
(#´ー`)「チッ、だから気に入らなかったんだよ、俺は……!」
爪゚ー゚)「ほらオジサン、かわいいアイドルを前にそんな怒った顔したらダメだよ?」
瓜゚∀゚)「ライブ! ライブ!」
爪゚A゚)「契約ナノデ……売レナイアイドル契約最優先ナノデ……」
(#´ー`)「ああああうるせぇ! 最近の若者の趣味はわからん!! 全員纏めて叩き直してやる!」
73
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 22:48:12 ID:ASf7GVS60
/ 。゚ 3 ゴフッ
(゚、゚トソン「!」
/ 。゚ 3 「小娘だらけで椿堂に反逆とは面白い、舐めてくれおる」
( ゚д゚ )「そうですね」
ミセ*゚ワ゚)リ「あれ、まだ生きてるんだぁ〜、すごーい」
/ 。゚ 3
・・
/ 。゚ 3 「生きてる? たわけが」
/ 。゚ 3 「神の前に生も死もあるわけなかろうが」
/ 。゚ 3
荒巻 素戔夫(あらまき すさのお) 【荒神】
( ゚д゚ )「そうですね」
/ 。゚ 3 「高知、しばしこやつらの相手をせい。儂は外の砂利を先に片づける」
/ 。゚ 3 「他の者には茶でも淹れさせておけば良いわ」
( ゚д゚ )「そうですね」
74
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 22:50:45 ID:ASf7GVS60
――――
( ,,^Д^)「どうしましたか? 心配で心ここにあらずといった感じでしょうか?」
*(‘‘)*
*(‘‘)*「いや、少なくとも本部に関しては何の心配もしてないよ」
*(‘‘)*「荒巻のジジイとかセクハラが許されるだけの力持ってるし」
*(‘‘)*「白根のおっさんも、高知の兄貴もたぶんアンタよりは強いから」
*(‘‘)*「たぶん今から本部に逃げ帰れば、少なくともあたしは助かる自信がある」
*(‘‘)*σ「だけどアンタはあたしが今潰す」
*(‘‘)*p「理由は邪魔で、ムカつくから」
( ,,^Д^)
( ,,^Д^)「そうですか、若いってのは良いですね。身の程を弁えずに戦うことができるのですから」
(#,,^Д^)「強さの証明は、生き残った者が行うことにしましょう!!」
75
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 22:52:48 ID:ASf7GVS60
(#;;><○>) *(‘‘ )*
*(‘‘)*「あのさ、なんでアンタがこうなってるかについては正直どうでもいいんだ」
*(‘‘)*「騙されたのかもしんないし、自分から手を染めたのかもしれない」
(#;;><○>)
*(‘‘)*「でもね、よくわかんないけど。たぶんそれは間違ってるよ」
*(‘‘)*「だってアンタ、大人になりたくないって言った時と同じ目をしてる」
*(#‘‘)*「早く目ェ醒ましなよ、せっかく綺麗な目してんのに!!」
(#;;><○>)「―――――――!!」
(#;;><○>)「―――――SHOCK眼(ショックガン)ッ!!」 バチバチバチィッ
【+ 】ゞ゚)っ「―――煽り過ぎだ、ちゃんと避けろッ!」グイッ
*(;‘‘)*「どわっわわわわ!!」
76
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 22:54:12 ID:ASf7GVS60
*(‘‘)*
【+ 】ゞ゚)「おい、啖呵を切ったのはいいが、今の実力で敵う相手ではないだろう」
*(‘‘)*「……そうね、今のあたしだったらまず勝てない」
【+ 】ゞ゚)「ならばどうする。やはり田中を盾にドロンと行くか?」
*(‘‘)*「そうなったらここに残した理梨もアイツの人形にされるか殺されて終わりじゃない」
*(#‘‘)*「勝ち逃げなんて許さない、絶対に」
*(‘‘)*「だから、プランAでいく」
川д;川
从´ヮ`;从ト「や、やるんだべか、アレを……」
(;^^ω)
77
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 22:56:27 ID:ASf7GVS60
―――昨日・夜中
*(‘‘)*
*(‘‘)*「ねぇ。たとえば、たとえばの話なんだけど」
*(‘‘)*「貞子があたしに憑依して体格を貞子ベースにするじゃない?」
*(‘‘)*「そのベースを使って狸子が、“大人のあたし”にあたしを化かす」
*(‘‘)*「最後に鈴木が大人のあたしに合う術着に変身する」
*(‘‘)*「これなら問題なく大人のあたしになれるんじゃないの?」
(゜3゜)「無理だな。身体が三匹分の妖怪を身に宿すことに耐えられない」
*(‘‘)*「それもそっか……」
*(‘‘)*
*(‘‘)*「ねぇ、オサム。アンタは若い娘の血以外飲まないのよね?」
【+ 】ゞ゚)「ああ、そうだが」
*(‘‘)*「逆に、あたしがアンタの血を飲んで身体の強度を上げることはできるの?」
【+ 】ゞ゚)
【+ 】ゞ゚)「……やはり君は面白いな」
78
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 22:57:41 ID:ASf7GVS60
―――――
*(‘‘)*「吸血鬼の血で強化した体に二重三重と変化妖術をかける……」
*(#‘‘)*「擇撰の審儀向けに理論上で開発した作戦、プランA(ADULT)!!」
*(#‘‘)*「ついに形にするときが来たのよ!」
【+ 】ゞ゚)「本来は操っている宇宙人の方を直接的に狙えるのがベスト……だが」
【+ 】ゞ゚)「貞子の分析によれば、あの二人は今妖力で繋がっている共生関係にある」
川д川「的は傀儡状態の瞳の子ですが、妖力での攻撃が通ればあの宇宙人の方に大きなダメージが行くはずです」
【+ 】ゞ゚)「つまり、奴との単純な妖力比べになるわけだ」
【+ 】ゞ゚)「だが、全員の力が合わせられるプランAの有効時間がタイムリミット」
【+ 】ゞ゚)「どこかで奴の隙を見つけて、そのタイミングで全力をぶつけなければ勝てない」
79
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 22:59:14 ID:ASf7GVS60
【+ 】ゞ゚)「それに俺の血をそのまま飲むんだ。吸血鬼化までの時間はあまりない」
*(‘‘)*「分かってる、それまでにケリをつける」
*(‘‘)*「それに最悪……吸血鬼になってでもアイツはぶっ飛ばす。舐められたままじゃ終われない」
【+ 】ゞ゚)「フッ……それでこそリーダーだな」
(゜3゜)「おい、ところで俺たちはどうするんだ」
ヽ( ^^ω)ノ
*(‘‘)*
*(‘‘)*
*(;‘‘)*「アンタ達は遊撃隊よ!! 作戦の要だと言ってもいい!! 自由にしなさい!!」
(゜3゜)
(゜3゜)「そういうことにしておくか」
( ^^ω) ?
*(#‘‘)*「……それじゃあプランA、開始!」
80
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 23:01:56 ID:ASf7GVS60
*(#‘‘)*「うおおおおおおおおおっ!」 バッ
( ,,^Д^)「ついに自棄になりましたか、若さゆえの過ちですね」
*(#‘‘)*「オサム、血!」
【+ 】ゞ゚)っ「すぐに返せよ、吸血鬼になった人間の血は不味いからな」 ブシュッ
*(#‘‘)*「わかってる! ぐあぁ! やっぱりクソ不味い!」
*(#‘‘)*「つぎ貞子! 狸子! 鈴木!」
川д;川「はい、失礼します!」 ギュン
从´ヮ`#从ト「……絶対成功させる、絶対成功させるべ!」 ドロン
、
/ ゚、。 / グルグル
(;,,^Д^)「何をする気だ……!?」
81
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 23:03:09 ID:ASf7GVS60
*(#‘‘)*「見とけよクソ宇宙人」
*(#‘‘)*「これが次期椿確定最強妖術師、蛇延理香の――――」
\ ヽ ! | /
\ ヽ ヽ / / /
「――――大人モードじゃああああああああ!!」
\ | / /
,イ
 ̄ -- = _ / | --'''''''
,,, ,r‐、λノ ゙i、_,、ノゝ -  ̄
゙l ゙、_
.j´ . (.
─ _ ─ { ⌒*(‘‘#)*⌒ /─ _ ─
). c/y (,つ ,l~
´y く{ ,、 {ゞ <
ゝ lノ ヽ,) ,
( ,,^Д^)
(;,,^Д^)「ははは、今更クソガキがマセガキになったところで……」
(#,,^Д^)「ガキの足掻きには変わりませんよ!! やれ!! ぶっ潰せ!!」
(#;;><○>)「―――――――!!」
82
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 23:04:46 ID:ASf7GVS60
ヾ( ^^ω)ノ ホマホマ
(゜3゜)「なんだハセガワ、俺は今なんとか全員無傷で離脱する方法を……」
( ``ω) マホマ!
(;゜3゜)「なッ―――!」
(;゜3゜)「どうしてそれを最初から言わないんだよ!?」
( ``ω) ママホ!
(;゜3゜)「ええい分かった分かった、説教はあとだ!」
(゜3゜)
(#゜3゜)「やるぞ、遊撃隊出動だ!!」
( ``ω) ホマ!
83
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 23:07:22 ID:ASf7GVS60
⌒*(#‘‘)*⌒「オラオラオラオラオラオラァ!!」バシュン バシュン
(#;;><○>)「ア゛―――ア゛ァ――――!!」バチバチッ バチバチッ
⌒*(;#‘‘)*⌒「うおおおおおおおおおっ!」バシュン バシュン
⌒*(;#‘‘)*⌒「クソッ! これでも圧倒されるのか! 化け物かあの宇宙人は!」
(#;;><○>)「―――――――!!」バチバチッ
(#;;><○>)「―――――――!!」 バチッ
;;(#;;><○>);; ガクンッ
⌒*(#‘‘)*⌒(……なんだ!? 急に相手の攻撃が軽くなった!?)
⌒*(#‘‘)*⌒(しかし好機! このまま押し切る!!)
84
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 23:09:45 ID:ASf7GVS60
;;(#;;><○>);; ガクンッ
(;,,^Д^)「!?……馬鹿な、目玉のガキの力だけならまだしも、俺のエネルギーを注いでいるんだぞ!?」
(;,,^Д^)「こんな簡単に押し返されるはずが―――」
ホママーッ ヾ( ``ω)ノヽ√ヽ____(#;;><○>)
(;,,^Д^)「なんだあの触手は……なんだアイツは……ッ!!」
(;,,^Д^)「俺が注いでいるエネルギーが……吸われている!?」
(゜3゜)「知らないのか、なら教えてやる。あいつはハセガワって言うんだ」 ニュッ
(;,,^Д^)「!? 何だお前……」
(゜3゜)「簡単な話だぜ、ハセガワは化け海月で、理香の契約妖怪で、俺のダチで――――」
(゜3゜)「――――お前と同じ宇宙人ってことだ」
ヾ( ``ω)ノ
( ^^ω)
ハセガワ・マルタスニム 【宇宙人】
(;,,^Д^)「――――多重寄生かッ!!あのガキの体を二重に乗っ取りやがったってのか!!」
85
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 23:15:14 ID:ASf7GVS60
(;,,^Д^)「おい、早くそのクソクラゲをぶっ殺せ!!」
c(#;;><○>)っ「―――――――!!」 バリバリッ
《 ヾ( ``ω)ノ 》 ピカーン
(;,,^Д^)「ッ!? 弾いただと!?」
(゜3゜)「無駄だぜ、俺みたいなのが敵前にのこのこやってきた時点で気が付かないのか?」
(゜3゜)「俺が小柄なせいでドーム型はあのサイズが精一杯だが……」
(゜3゜)「俺の鼈甲(バリア)は神耐久なんだぜ?」
(゜3゜)
田中 海神(たなか ぽせいどん) 【金剛霊亀(アダマンタイマイ)】
(゜3゜)「それによぉ」
(゜3゜)「そっちに集中を割いても良いのか? お前の相手はハセガワじゃなくて―――」
(;,,^Д^)「!?」
(゜3゜)「ウチのリーダーだぜ」
86
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 23:16:27 ID:ASf7GVS60
⌒*(#‘‘)*⌒「っしゃああああ!! ここが全力の出し処じゃあああああああ!!」
⌒*(#‘‘)*⌒「水妖秘術――――
_/⌒ ̄⌒`´ ̄`〜ヽ'ー--、
_/ ιυっ ̄~つyへつ
/ /フっι。´ / /つυ^っへ っっ.
//つつ。o/ / / / ^つっへυっつ
/ o.°o。 。 / / /°>つっ
/`⌒ ̄'" \γ、。 o 。 /o。/ /っつっ rユj
__ / `⌒ヽっ/ 。/ / っつ){ェェIュっつ
==/ っっ τ-っつつっ、。 | つ っつつつ
 ̄ ̄ っ)。;,、、,,_ っつつつ .。じ___[ェェl つつっウ
つつつっιつ) \^.;;,.,、`"''―――――――‐っつっつ__,,rュ―'ニニコュ
渦々大海嘯(かかだいかいしょう)!!!」
(#;;><○>)「―――――――!!」
(#;,,^Д^)「ぐっ、がぁ……」
(#;,,^Д^)「あ゛ああああああああああああああああッ!!」
87
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 23:20:00 ID:ASf7GVS60
――――――
⌒*リ;´- -リ
⌒*リ;´・-・リ
*(‘‘)*「お、目が覚めたわね」
⌒*リ;´・-・リ「……富井、相談役、は……?」
*(‘‘)*「安心しなさい、あたしがぶっ飛ばしといたから。まあ、たぶん逃げられたけど」
⌒*リ;´・-・リ「瞳術の子は……」
(#;;><) スー スー
*(‘‘)*「だいぶ消耗してるけど、息は普通にしてたしたぶん大丈夫よ」
⌒*リ´・-・リ「そう……」
⌒*リ´・-・リ「……」
*(‘‘)*「何よ」
88
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 23:21:09 ID:ASf7GVS60
⌒*リ´ - リ
⌒*リ´ - リ「なんで……あなた、私に負けたくせに……私より、弱いくせに……
あのまま私が死ねば……審儀……勝てたのに……」
*(;‘‘)*「なんでって……え?」
*(;‘‘)*「んー……」
*(;‘‘)*ゞ「いや、まぁ、普通に死んでほしくなかったからだけど?」
⌒*リ´ - リ
*(‘‘)*「はぁー……ずいぶんと薄情に思われたものだわね」
⌒*リ´・-・リ´
⌒*リ;´・-・リ「……あ、ありがt*(#‘‘)*「ありがとうね!! さっきは助けてくれて!!」
⌒*リ;´・-・リ
*(‘‘)*「ふふ、あたしの方が早かったわね」
⌒*リ´・-・リ
⌒*リ´・ー・リ「馬鹿じゃないの……」
89
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 23:21:38 ID:ASf7GVS60
(;,,^Д^)「クソッ、クソッ……こんなところで駒を手放すことになるとは……!」ガサガサ
trrrrr trrrrr
(;,,^Д^)「ああ、貴女達ですか。丁度良い、そちらの制圧が済んだのならもう一仕事……」
『馬鹿言ってんじゃないわよ!!あんな化け物の相手二度とごめんだから!!
アイドルの顔に傷がついたらどうすんのよ!報酬も要らない!!あんたとは金輪際手を切る!!』
『ばーか! ばーか!』
(;,,^Д^)
(;,,^Д^)「は?」
『作戦失敗デス、タダイマ逃亡中ニツキ、折リ返シノオ電話ハオ控エクダサイ――――』 ブチッ
(;,,^Д^)
(;,,^Д^)
90
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 23:22:07 ID:ASf7GVS60
【椿堂本部】
ミセ*;д;)リ「ぎゃあんっ!」 バチーン
ミセ*;д;)リ「や゛ぁぁん!!ごめんなさい!ごめんなさいっ!!もうゆるしてよぉ!!」 バチーン
/ ,' 3 「なんじゃもう根をあげるのか、まだ900発は仕置きが残っておるというのに……」 バチーン
ミセ*;-;)リ「ひっく……もうお尻叩かないで……あやまるから……ごめんなさいするから゛ぁぃいだぁっ!!」 バチーン
/ ,' 3 「本当に悪いと思っておるなら数を数えて神妙にしておれ!ほれ、数えんと一からやり直しじゃぞ!」 バチーン
ミセ*;д;)リ「やだやだやだやだいたいのやだーーーっ!!」 バチーン
(;´ー`)「あーあ、ありゃ長くなるぞ」
('、`*;川「ここに出入りする子たちは悪さしたらたいがいアレやられてますもんね」
(;´ー`)「俺のときは三日くらい何も穿けなかったからな……」
91
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 23:22:48 ID:ASf7GVS60
(゚、゚トソン「では、お茶はここにある物を淹れたら良いのですね」
( ゚д゚ )「そうですね」
ミセ*;д;)リ「あ゛ー! トソンちゃんだけずるい!!ミセリだっておちゃくらいだせるもん!!」
(゚、゚トソン
(゚、゚トソン「私はあのあと即時降伏したので」
( ゚д゚ )「そうですね」
/ 。゚ 3 「やかましい!!また文句を言いよったな!!仕置き100回追加じゃ!」
ミセ*;д;)リ
ミセ*;д;)リ「やだ、やだぁ……タカラさんたすけて……トソンちゃん……誰か……」
/ 。゚ 3 「はい一ィ!!」バチーン
ミセ*;д;)リ「ぎゃあっ!いだい!いだいよーっ!か、かぞえます!かぞえますからせめて10回くらいにしtあ゛あ゛ーーーッ!」バチーン
92
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 23:23:34 ID:ASf7GVS60
――――
(;,,^Д^)「こ、この……」
(#,,^Д^)「役立たずどもがァ……!!」 ガンッ
( <●><●>)「謀叛した負け犬の処分に来ましたが、どうやらまだ随分元気があるようですね」
( <●><●>)「富井相談役」
(;,,^Д^)
(;,,^Д^)「ふ、ふふ……ずいぶん遊ばせてもらいましたよ、貴女の妹さんでね……」
(;,,^Д^)「素敵な教育方針のおかげで、ずいぶん手駒にするのが楽だった……」
( <●><●>)「ええ、この度は私の妹が大変お世話になりました」
( <○><○>)「それで、最後の言葉はそれでよいのですか?」 ギンッ
(;,,^Д^)「最後の言葉、ですか」
(;,,^Д^)「ああ、では、皆さんにこうお伝えください」
(,,^Д;;;; ;; 「―――――また、お会いしましょう、と」
(;<●><●>)「消えた……くそ、転移分の妖力を残していたのか……」
( <-><->)
( <-><->)「……私も、少し頭を冷やさねばならないようですね」
93
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 23:23:58 ID:ASf7GVS60
*(*‘‘)*「でもなんかアレよね、最終的にあたしの大勝利って感じよね!」
*(*‘‘)*「これはもう大人の女としての格を一段と上げたに違いないわ!」
川д;川
川д;川「……あの、お体は大丈夫ですか?」
*(‘‘)*「ん、何が?」
川д;川「いえあの、結構無茶して憑依を維持していたので、理香様の身体、
相当ボロボロのはずなんですが……」
*(‘‘)*
*(‘‘)*「はっはっは!あたしをそこいらの妖術師と一緒にしないでくれる?
本気を出せばこれくらい余裕なんだかrってあだっだだだだだだ!!」
川д;川
*(;‘‘)*
94
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 23:24:33 ID:ASf7GVS60
*(;‘‘)*「いたい!!え、なにこれ身体めっちゃ痛いんだけど!?死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!!」
从´ヮ`;从ト/ ゚、。 ;/
;;*(;;)*;;「ああごめんなさいごめんなさい調子に乗りました痛い痛い痛い痛い!!」
【+ 】ゞ゚)(゜3゜)
;*(#;;)*「ぎゃあああああああ!!こんなのおからだちぎれりゅう!!ちぎれちゃう!!」
⌒*リ´・-・リ クス
*(;;)*「ひぇ〜! もう大人になるのはコリゴリだよ〜っ!!」
(;^^ω) ホマ〜…
95
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 23:27:10 ID:ASf7GVS60
【数日後・椿堂本部・謁見の間】
(*‘ω‘ *)
(*‘ω‘ *)「色々と、ご苦労だったね」
⌒*リ´・-・リ「恐れ入ります」
*(‘‘)*
(*‘ω‘ *)「さぁ、これから“擇撰の審儀”に入るわけだが」
(*‘ω‘ *)「二人とも、覚悟は良いね?」
⌒*リ´・-・リ「……はい」
*(‘‘)*
*(‘‘)*「えー、椿様。ひとつよろしいでしょうか」
(*‘ω‘ *)「どうしたんだい?」
*(‘‘)*「いや、ひとつお耳に入れておきたいことがありまして……」
(*‘ω‘ *)「含みのある言い方だねえ。いいよ、言ってごらん」
*(‘‘)*「わたしこの前、理梨に負けました」
⌒*リ´・-・リ
(*‘ω‘ *)
96
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 23:28:05 ID:ASf7GVS60
*(‘‘)*「証人はうちの妖怪たちです。ん?人じゃないから証人じゃないのか?」
⌒*リ´・-・リ「……」
*(‘‘)*「とにかくこの子、現時点ではわたしより強いです、はい」
(*‘ω‘ *)「……理香は、当主の座を理梨に譲りたいのかい?」
*(‘‘)*「まさか。違いますよ」
*(‘‘)*「このまま審儀に入ってしまったら、わたしが大人の魅力で圧勝してしまうので」
*(‘‘)*「少しは張り合いのある勝負にしたいと思っただけです」
(*‘ω‘ *)「ふむ」
⌒*リ´・-・リ「それなら私からも一つ、よろしいでしょうか」
(*‘ω‘ *)「勿論構わないよ、言ってごらん」
97
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 23:29:49 ID:ASf7GVS60
⌒*リ´・-・リ「理香はこのとおり不遜で、無鉄砲で、おまけに馬鹿です」
*(‘‘)*「ぶっ殺すわよ」
⌒*リ´・-・リ「しかし、当主というものは、大きな力に媚びず、行動を惜しまず、情に厚い者がなるべきだと私は思います」
⌒*リ´・-・リ「理香は、その素質を持つ者です」
*(‘‘)*「……」
⌒*リ´・-・リ「勿論、私は自分が当主に最も相応しいとも、考えています」
(*‘ω‘ *)「わかったよ。二人が嘘をついていないことも、そしてこの審儀に真剣に向き合ったこともね」
(*‘ω‘ *)「じゃあ、ついておいで」
(*‘ω‘ *)「どちらが椿に相応しい大人の女か、この椿 蜜柑が直々に見定めてやろう」
*(‘‘)*
⌒*リ´・-・リ
⌒*リ´・-・リ「はい!」 *(‘‘)*
98
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 23:31:25 ID:ASf7GVS60
【椿堂本部・擇撰の間】
「やぁっ♥♥ やっ♥♥ だめっ♥♥ だめ♥♥」
「いつもの威勢はどうしたんだい、さっきからかわいらしい声ばかりあげてるけど」
「ふう゛う゛ーっ♥♥ う゛っ♥♥ こんなの♥♥ ちがう♥♥ちがうぅ〜♥♥」
「はいはい、悔しいねえ」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あっ♥♥♥♥だずけでっ♥♥りこぉ♥♥さだこぉ♥♥」
「良いのかい?主人のこんな無様な姿見せても」
「やだやだみないでみないでに゛ゃあ゛あ゛ぁ♥♥ あぁんっ♥♥ ふぁぁん♥♥」
「〜ッ!♥♥ ん゛ッ♥♥ 〜♥♥」
「我慢してるけどこっちも大概だねぇ、腰が震えていて悦びが隠せてないよ」
「ふーっ♥♥ふーっ♥♥だ だめ♥♥ イ゛♥♥ ひッ♥♥」
「ダメじゃないだろう、ちゃんと正直に言いなさい」
「ゆ ゆび♥♥と……めて♥♥とめて……ください♥♥ゆびッ♥♥」
「イヤならもう少し締まりのある顔をしなさいな、ほらほら」
「ひぃっ!?♥♥ あ゛っ♥♥ まって♥♥くださっ♥♥つよくしたら」
「あ゛♥♥またくる♥♥きちゃう♥♥ たえられなくなる゛ぅ♥♥ お゛っ♥♥」
99
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 23:32:06 ID:ASf7GVS60
(;<●><●>) (*‘ω‘ *0゚)” │ ll │
(*‘ω‘ *)「ふぅ、疲れた。年甲斐もなくはしゃぐといけないね」
(;<●><●>)「え……えぇーと、それで椿様。審儀の結果は……」
(*‘ω‘ *)
(*‘ω‘ *)「ん、ああ……」
(*‘ω‘ *)「どっちもまだまだひよっこだね、とりあえずもうしばらく私が当主を続けるよ」
(;<●><●>)
(;<●><●>)「え、ああ、そうですか……」
(*‘ω‘ *)「無論いずれは二人のうちから椿を選ぶことになるだろうがね、奴の吉兆占(あれ)はそういうもんだから」
(;<●><●>)「は、はぁ……」
100
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 23:35:30 ID:ASf7GVS60
(*‘ω‘ *)「そもそもね、こんなものは、もはや古い時代の覚悟の示し方の一つに過ぎない」
(*‘ω‘ *)「今回は両方に負けてもらおうと思ってああしただけだよ」
( <●><●>)
(*‘ω‘ *)「なんだいその目は」
( <●><●>)「なんでもありません」
(*‘ω‘ *)「まぁ二人にはもう少し、楽しく子供でいてもらおうよ」
( <●><●>)「……承知致しました」
(*‘ω‘ *)
(*‘ω‘ *)「あ、いや……三人かな。ね?」
( <●><●>)
( <-><->)「……妹が顔を出すことがあれば、ちゃんと言って聞かせますので」
(*‘ω‘ *)
( <-><->)「……世間知らずのまま老いた姉にも、外での遊び方を教えるように、と」
(*‘ω‘ *)
(*^ω^*)「それがいいよ」
*(; )*(だめだ……これ、ぜったいクセになるやつだ……♥)
⌒*リ;´ - リ(帰ったら……復習……しないと……♥)
101
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 23:37:36 ID:ASf7GVS60
【翌日・椿堂本部】
ミセ*゚ワ゚)リ「おじいさまぁ〜♥ お茶の用意ができましたぁ〜♥」
/ ,' 3 「おお、すまんのう! おお、儂のプレゼントしたその服、よく似おうておるぞ」
ミセ*^ー^)リ「えへへうれしい! ミセリもおじいさまと一緒にお茶してもいいですかぁ?」
/ ,' 3 「勿論じゃ、爺の横に来なさい」
ミセ*^ワ^)リ「やったぁー!」
/ ,' 3 「トソン君も良かったら儂の隣がもう一つ空いとるぞ?」
(゚、゚トソン「いえ、私は結構です」
ミセ*゚ぺ)リ「もー、トソンちゃんノリ悪いよ〜? はいおじいさま、あーん♥」
/ ,' 3 「あーん♥」
(゚、゚トソン
( ゚д゚ )
( ゚д゚ )「そうですね」
( ´ー`)「結局、富井の行方は不明のまま、か」
('、`*川「良いじゃないですか。私たちも風で飛んだ紙屑の行方を追うほど暇じゃないのですし」
(;´ー`)「それにしても……あの宇宙人娘、ちょっと懐き過ぎじゃないかね」
('、`*川「あの後も荒巻様が直々に躾けたみたいですからねぇ、少し同情しますよ」
102
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 23:38:58 ID:ASf7GVS60
( ´ー`)「そういや、蛇延と蛇斬の娘達はどうしてるんだ?」
('、`*川「ああ、擇撰の審儀がああいう結果だったもんだから、今はかなり修行に熱を入れているらしいですよ」
( ´ー`)「勝者無しで当主は椿様が続投されるんだろ? ならもう二人は当分お役御免じゃないのか?」
('、`*川「そうはいってもあの二人のことだから――――」
「今日も姦しく小競り合っていると思いますよ」
*(‘‘)*「今日は手加減しないから、覚悟しなさいよ」
⌒*リ´・-・リ「それ先週も聞いた、それで先週は私が勝った」
*(‘‘)*
*(#‘‘)*「だぁーっ、うるさい! 先週は先週の本気、今週は今週の本気よ!!」
*(‘‘)*σ「来週からは三人で戦るんだし、その前にタイマンは勝ち逃げさせてもらうから」
⌒*リ´・-・リ「……今日は来ないの?」
*(‘‘)*「なーんか用事あるんだってさ」
103
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 23:40:03 ID:ASf7GVS60
( ^Д^)│ (・(エ)・) < >”│ウィーン ウィーン
( ^Д^)│ <(・(エ)・)> │
( ^Д^)│ < >│ ガコン
「やっぱり得意なんですね、クレーンゲーム」
( ^Д^)
(^Д^*)「……どれが欲しい? 取ってあげるよ」
( ><)
(*><)「ええと、それじゃあ――――」
104
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 23:40:56 ID:ASf7GVS60
⌒*リ´・-・リ巴妖姦椿事(ともえあやかしかしましちんじ)のようです*(‘‘)* 完
,
105
:
◆nDFfu96xM.
:2020/05/06(水) 23:56:45 ID:ASf7GVS60
以上になります。
>>9
のタイトル部分にイラスト番号58と60を入れるつもりでした。
まとめの際に入れていただければ幸いです。
58
https://res.cloudinary.com/boonnovel2020/image/upload/v1588208780/58_c7jbph.jpg
60
https://res.cloudinary.com/boonnovel2020/image/upload/v1588208780/60_nbm63o.jpg
投下報告のところにも書かせていただきましたが、
イラスト番号109は作中のキャラクターデザインの
参考にさせていただきました。
素敵なイラストと素敵な作品、そして円滑な運営を
皆様どうもありがとうございました。
106
:
◆S/V.fhvKrE
:2020/05/07(木) 00:26:17 ID:JAEcGMpg0
【投下期間終了のお知らせ】
主催より業務連絡です。
只今をもって、こちらの作品の投下を締め切ります。
このレス以降に続きを書いた場合
◆投票開始前の場合:遅刻作品扱い(全票が半分)
◆投票期間中の場合:失格(全票が0点)
となるのでご注意ください。
(投票期間後に続きを投下するのは、問題ありません)
107
:
名無しさん
:2020/05/07(木) 13:18:19 ID:PniI/vFU0
乙津
108
:
名無しさん
:2020/05/07(木) 14:50:48 ID:Ho5LC9OE0
おつ
最後急にえろくなって笑った
109
:
名無しさん
:2020/05/12(火) 20:00:25 ID:utLEdG120
かわいかった
おつ
110
:
名無しさん
:2020/05/25(月) 12:43:34 ID:.EpBR4Tw0
おつ
和洋折衷なドタバタ劇で面白かったよ
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