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Mouth of madness
1
:
◆NqJ/Phe1aU
:2020/04/26(日) 09:41:59 ID:nBC4dCGA0
ラノブンピック参加作品
2
:
◆NqJ/Phe1aU
:2020/04/26(日) 09:42:27 ID:nBC4dCGA0
退屈だった。
ありとあらゆるやり方で人間を弄んでは、父を退屈させないようにした。
いつしか、同じことの繰り返しに僕自身が飽きてしまった。
退屈だ、退屈だ、退屈だ、退屈だ、退屈だ、退屈だ、退屈だ、退屈だ、退屈だ。
自分のことを僕自身だと思い込んだ愚かな人間たちが、
四六時中、毒にも薬にもならない稚拙なアイデアをひっきりなしに僕に送ってくる。
3
:
◆NqJ/Phe1aU
:2020/04/26(日) 09:42:52 ID:nBC4dCGA0
な〜〜〜〜にが “目覚めたら白い部屋でした“ だよ。
僕がやってることは、
命懸けのアトラクションを無料で提供する慈善事業じゃあないんだぞ。
あぁ、そうだ。
ここも沢山あるうちの一つだし、消してしまってもいいのかも知れない。
寧ろ、そういったお話もあった方が、僕も父も退屈しないのかも知れない。
そうだ、そうだ。是非そうしよう。そっちの方が楽しい。
きっと、きっと、楽しい。
4
:
◆NqJ/Phe1aU
:2020/04/26(日) 09:43:55 ID:nBC4dCGA0
川 ゚ -゚)('A`)ξ゚⊿゚)ξ「「「お〜」」」
ω <お〜ん
川 ゚ -゚)「ほんとーに、あったな」
('A`)「だからウソじゃねーっていったろ?」
ξ゚⊿゚)ξ「すごい、なにこれ」
川 ゚ -゚)「みっちり、つまっているな」
('A`)「 “かんおけ” みたいだな」
ξ゚⊿゚)ξ「 “かんおけ” ってなに?」
川 ゚ -゚)「ドクオ、かんおけってなんだ?」
('A`)「しんだひとがはいるものだ」
5
:
◆NqJ/Phe1aU
:2020/04/26(日) 09:44:15 ID:nBC4dCGA0
ξ゚⊿゚)ξ「え? このひと、しんでるの?」
川 ゚ -゚)「かんおけってことは、きっとしんでいるんだろう」
('A`)「いや、しんでねーよ。ないてるしな」
ξ゚⊿゚)ξ「そもそも、いきものなの? これ」
川 ゚ -゚)「わからんな。さわってみよう」
('A`)「わ! バカ! クー、よせ!」
ξ゚⊿゚)ξ「ドキドキ」
https://f.easyuploader.app/eu-prd/upload/20200318141830_474559484379574d676c.jpg
6
:
◆NqJ/Phe1aU
:2020/04/26(日) 09:44:38 ID:nBC4dCGA0
ぐにっ
川 ゚ -゚)つ------< )ω <お〜ん、お〜ん
('A`)「うお……。すげぇ、ないてる」
ξ゚⊿゚)ξ「くー、どんなかんじ?」
川 ゚ -゚)つ------<「なんか、すごく “ぐにぐに” してる」
('A`)「ぐにぐに」
ξ゚⊿゚)ξ「ぐにぐに」
<こら〜!!! そこのガキども〜!!!!
7
:
◆NqJ/Phe1aU
:2020/04/26(日) 09:45:18 ID:nBC4dCGA0
川 ゚ -゚)('A`)ξ゚⊿゚)ξ「「「誰かくる!」」」
(#^^ω)「一体何やってるホマ!!!」
爪'ー`)「これはこれは、可愛い子供たちだねえ」
川 ゚ -゚)「なんだこいつら」
('A`)「うにゅうにゅした、ちいさくて、きもい、いきものと」
ξ゚⊿゚)ξ「キレーなかおの、おにいさん」
8
:
◆NqJ/Phe1aU
:2020/04/26(日) 09:45:39 ID:nBC4dCGA0
(#^^ω)「キモイ生き物は余計ホマ!!!」
川 ゚ -゚)「てにもっているものは、なんだ?」
('A`)「なんだかキラキラしてる」
ξ゚⊿゚)ξ「とてもきれい」
( ^^ω)「これは、僕の大切な笛だホマ」
川 ゚ -゚)つ「たいせつなもの」
('A`)「たいせつなもの」
ξ゚⊿゚)ξ「たいせつなもの」
9
:
◆NqJ/Phe1aU
:2020/04/26(日) 09:46:06 ID:nBC4dCGA0
( ^^ω)「そうホマ、こいつに何かあったら、大変なことになっちまうホマ」
川 ゚ -゚)つ「ふーん……」
('A`)「そうなんだ……」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
(#^^ω)「ほら!! 用がないならとっとと帰るホマ!! ここはお前らみたいなガキが来ていい場所じゃないホマ!!」
川 ゚ -゚)('A`)ξ゚⊿゚)ξ「「「……」」」
10
:
◆NqJ/Phe1aU
:2020/04/26(日) 09:46:26 ID:nBC4dCGA0
( ^^ω)「……なんだホマ?」
川 ゚ -゚)('A`)ξ゚⊿゚)ξ「「「は〜い」」」
川 ゚ -゚)つ「かえるか……」
('A`)「なんか、さめたし……」
ξ゚⊿゚)ξ「おなかすいたし……」
( ^^ω)「ふん、分かればいいホマ」
川 ゚ -゚)つ「じゃあね」
('A`)「きもい、いきもの」
ξ゚⊿゚)ξ「キレ―なかおのおにいさん」
(#^^ω)「だからキモイは余計ホマ!!!」
11
:
◆NqJ/Phe1aU
:2020/04/26(日) 09:47:00 ID:nBC4dCGA0
<じゃ〜ね〜
(#^^ω)「……」
( ^^ω)「やっと行ってくれたホマ」
爪'ー`)「お疲れさん」
( ^^ω)「全く、こっちの気も知らないで、これが一体何なのか分かって悪戯しているホマか」
爪'ー`)「まぁまぁ、そう言わずに。彼らも子供だからね。知らないに決まっているよ」
( ^^ω)「はぁ……。一体なんでこんなことになっちまったホマ」
爪'ー`)「さぁね。恐らく、どこぞの狂信者が招来のやり方を間違えて、変な形で顕現させられちゃったんだろうね」
( ^^ω)「何と罰当たりな」
12
:
◆NqJ/Phe1aU
:2020/04/26(日) 09:47:42 ID:nBC4dCGA0
爪'ー`)「若しくは、何かしらの儀式を構築するための装置の一部分に過ぎないのか」
( ^^ω)「そっちの方がもっと罰当たりホマ」
爪'ー`)「まぁ、どっちでもいいんだけどね。我が父ながら、間抜けな姿にさせられちゃったもんだなぁ」
( ^^ω)「狂信者ってヤツは本当に身の程知らずが多いホマ。神様を自分の思い通りにしようだなんて、気が狂っとるホマ」
爪'ー`)「そうだねえ。ほら、従者くん。さっさと終わらせよう。これは世界中に散らばって、ここだけじゃないんだから」
( ^^ω)「分かったホマ。さっさと退散させて次の箱に移るホマ」
「「「せ〜の」」」
( ^^ω)「……ん?」
13
:
◆NqJ/Phe1aU
:2020/04/26(日) 09:48:02 ID:nBC4dCGA0
川 ゚ -゚)('A`)ξ゚⊿゚)ξ「「「えい!!!!!」」」
つつつ(大きな石) ガッ!!!!
( ゜゜ω)「……!!!!!!」
川 ゚ -゚)「だいせいこうだな」
('A`)「かんぺきな、しのびあるきだったな」
ξ゚⊿゚)ξ「きもいヤツ、あたま、ぺっちゃんこだね」
( ゜゜ω)「お前たち、何をしたか分かっているホマ……?」
川 ゚ -゚)「ツンがどうしても、そのふえをほしがっていたからな」
('A`)「まぁ、にんげんじゃねえし」
ξ゚⊿゚)ξ「わたしたちがもっていたほうが、ふえもよろこぶよね」
爪'ー`)「……」
14
:
◆NqJ/Phe1aU
:2020/04/26(日) 09:48:24 ID:nBC4dCGA0
( ゜゜ω)「おい、何を黙って見ているホマ。さっさと助けるホマ。僕がここで死んじゃったら、マジで世界がやばいことに」
爪'ー`)「えいっ」
( ゜゜ω)「あぐっ……!!…………!!!!」
爪'ー`)「……」
( ゜゜ω)「やっぱり、お前……」
爪'ー`)「今までありがとうね」
( ゜゜ω)「もう……どうなっても……知らんホマ……何もかも……終わりホマ……」
( ω)「」
15
:
◆NqJ/Phe1aU
:2020/04/26(日) 09:48:48 ID:nBC4dCGA0
川 ゚ -゚)「あらら、きもいいきものが」
('A`)「おにいさんに、ふみつぶされて」
ξ゚⊿゚)ξ「ぺちゃんこになっちゃった」
爪'ー`)「……」
爪'ー`)「さて、君達」
爪'ー`)「素直クールちゃんと」
爪'ー`)「鬱田ドクオくんと」
爪'ー`)「津出ツンちゃん」
爪'ー`)「だったね?」
川 ゚ -゚)「そうだよ」
16
:
◆NqJ/Phe1aU
:2020/04/26(日) 09:49:10 ID:nBC4dCGA0
('A`)「おにいさん、なんでおれたちのなまえしってるんだ?」
爪'ー`)「それは僕が神様だからさ」
ξ゚⊿゚)ξ「かっこいい〜〜」
爪'ー`)「ふふ……ありがとう」
爪'ー`)「さて、ツンちゃん。君にこの笛をあげよう」
爪'ー`)「君は選ばれたんだ」
爪'ー`)「この箱に向かって演奏してごらん?」
川 ゚ -゚)「おぉ〜、ツンすごいな」
('A`)「やってみろよツン」
ξ゚⊿゚)ξ「う、うん。やってみるね」
爪'ー`)「うん、うん。じゃあ僕が教えた通りに吹いてみてね」
17
:
◆NqJ/Phe1aU
:2020/04/26(日) 09:49:35 ID:nBC4dCGA0
津出ツンは、素直クールと鬱田ドクオに見守られながら、
やたらと顔の綺麗な男性に促されるままに、その歪に輝く横笛を箱に向かって奏でた。
津出ツンは、横笛を吹いたことなど今まで一度もなかった。
しかし、その指の動きと息遣いは完璧そのもので、
この場にいる誰もが、その音色に聞き惚れた。
それは、産まれた時からその体の奥深くに刻まれた
原初の混沌を再現するかの如く音色だった。
津出ツンは、覚えていた。
知らなかったが、覚えていた。
18
:
◆NqJ/Phe1aU
:2020/04/26(日) 09:49:58 ID:nBC4dCGA0
瞬間、箱はその箱の形であることが耐えられなくなったかのようにぼこぼこと膨れ上がり、
この森を、素直クールを、鬱田ドクオを、津出ツンを呆気なくぺちゃんこにした。
箱は、地球を潰し、太陽系を潰し、銀河を潰し、宇宙の隅々までみっちりと広がった。
今や、宇宙の形をした箱と言える。
生きとし生けるあらゆる全てが、その存在を根底から否定され、ぷちぷちと潰されて死んだ。
それでも尚、箱は膨れ上がることを我慢できない。
みちみちと広がり、宇宙の果てにある見えない壁に罅を入れて、壊してしまった。
宇宙が、悲鳴を上げる。
宇宙が、形を失う。
宇宙が、潰れる。
そして、真新しい無が目覚めた。
了
19
:
◆NqJ/Phe1aU
:2020/04/26(日) 09:56:45 ID:nBC4dCGA0
>>5
これは画像表示されていない状態なのですかね?
使用させて頂いたイラストはNo.1でございます。
20
:
名無しさん
:2020/04/26(日) 10:09:39 ID:UjM8RWdM0
イラスト見れたぞ(アイフョンから) 乙
21
:
◆S/V.fhvKrE
:2020/05/07(木) 00:06:47 ID:gsW3abC60
【投下期間終了のお知らせ】
主催より業務連絡です。
只今をもって、こちらの作品の投下を締め切ります。
このレス以降に続きを書いた場合
◆投票開始前の場合:遅刻作品扱い(全票が半分)
◆投票期間中の場合:失格(全票が0点)
となるのでご注意ください。
(投票期間後に続きを投下するのは、問題ありません)
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