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戦わなければ生き残れないようです
1
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/04/25(土) 01:24:05 ID:pZJyNppc0
第一話
閲覧注意?
140
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 13:09:28 ID:ooLGbWQg0
とりあえず缶の栄養ドリンクを出す。
( ´∀`)「これはどうも、ありがとうございますお」
(;^ω^)「おっ。僕の口調が移ってるお」
大乱闘が起こった日。
戦いが終わってまだ昼過ぎだったので
最寄りのファミレスで三人で食事を取り、ブーンのアパートに戻った。
ζ(゚ー゚*ζ「大丈夫?家賃払えてる?」
(;^ω^)「まぁなんとか多分大丈夫お」
ζ(゚ー゚*ζ「それにしてもなんで客に出すのがモンスター〇ナジーなのよ」
(;^ω^)「い、いや記憶なくしてるんなら元気になってもらおうと思って…」
ζ(゚ー゚*ζ「どうせ他の飲み物切れてただけでしょ」
慣れた手付きで冷蔵庫を物色する。
ζ(゚ー゚*ζ「はい買い出し決定!」
ブーンの手を取りアパートの外に出る。
大人しい顔してやる事は活発だ。
高校でも大学でもやりたさで言い寄る男がしつこすぎると殴っていたくらいだ。
契約者時のツンの姿は内面が表面化したものかもしれない。
(;^ω^)「おおおっ!待て待てお!」
(;^ω^)「先生を置いていく気かお!」
ζ(゚ー゚*ζ「別に大人だし。大人しく留守番してもらいましょうよ」
(;^ω^)「彼も契約者だお。一人にさせとくと危ないお」
部屋に戻り、普段は持ち歩かないポーチを取る。
( ´∀`)「僕も行っていいんですか?」
( ^ω^)「もちろんだお!」
ζ(゚ー゚*ζ「チッ…サッセヨバカ」
( ^ω^)「え?」
ζ(゚ー゚*ζ「なんでもない!行きましょう!」
141
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 13:09:48 ID:ooLGbWQg0
川;゚ -゚)「大丈夫か?」
('A`)「うん、だいじょぶ」
あの後急にドクオに頭痛が出て、支えて歩きながら近くのビジネスホテルに入った。
言葉遣いが急に稚拙になった気がする。
記憶喪失の影響だろうか。
川 ゚ -゚)「食えるか?」
デリバリーのピザを手で持って食べさせてやる。
('A`)「おいしいね」
ニコニコしながら食べる。
テレビをつけて適当なニュースやドラマを見る。
('A`)「んー」
つまらなそうだ。
川 ;゚ -゚)「これはどうだ」
スマホで児童向け動画を開いて見せる。
('A`)「キャッキャッ」
川 ゚ -゚)「よかった」
突然、動画が中断され着信表示が出る。
('A`)「?」
センセイからだった。
電話を切るアイコンをタップし、また動画を見せる。
('A`)「…」
動画が途切れたためか、退屈してもう寝ていた。
川 ゚ -゚)「ねんねんころりよ…」
体を横にして寝るドクオを手で軽く叩いてうろ覚えの子守唄を歌う。
川 ゚ -゚)「…昔は母もやってくれていたな」
子供時代を思い出す。後から生まれたヒートにはもっと長い期間やってやっていた。
142
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 13:11:23 ID:ooLGbWQg0
ニュースやセンセイのプロファイルによると、ドクオはろくな教育を受けていなかったようだ。
もしかするとドクオは子供時代に精神をリセットし人生をやり直そうとしているのかもしれない。
('A`)「うーん」
寝言を言いながら、クーの胸に顔をうずめる。
川 ゚ -゚)「よしよし」
受け入れてドクオを抱きしめる。
こいつの母はどんなものだったのだろう。
自分が子供の頃母は詳しくはどんな感じだったか覚えていない。
子供の頃の淡くて強固な思い出がボロボロに朽ちて生まれるのが大人なのかもしれない。
子供は20年経たないと破れない殻なのだ。
143
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 13:11:45 ID:ooLGbWQg0
ζ(゚ー゚*ζ「冷食やレトルトはダメよ!料理は手作りじゃないと」
(;^ω^)「手厳しいお」
ζ(゚ー゚*ζ「ブーン君ロクに料理した事ないもんね。まず火が通りやすい薄い肉で練習しよっか」
焼肉用の豚肉のパックをいくつかカートに入れる。
( ´∀`)「お酒買っていいお?」
ζ(゚ー゚*ζ「安いやつな」
安い缶を何本か放り込む。
(;^ω^)「なんか先生には妙に態度変わってないかお?」
ζ(゚ー゚#ζ「べつに!?」
( ^ω^)「沢ヒップ乙」
その後いくつか野菜も入れ、デレが会計を済ませた。
144
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 13:12:06 ID:ooLGbWQg0
その後ブーンの要望でバスに乗り、街中のショッピングモールのジュエリーショップに来た。
ζ(゚ー゚*ζ「どうしたのこんなところに?」
( ^ω^)「いいからいいから」
( ´∀`)「こういうとこ初めて来たお」
先生は華やかな宝石に目を奪われている。
ζ(゚ー゚*ζ「迂闊に触んなよ」
だが先生には奥さんがいたはずだ。
結婚指輪などは買ってあげなかったのだろうか?
ζ(゚ー゚*ζ「これ綺麗ね」
デレはシンプルな輪に小さなダイヤが乗っている指輪を見つめていた。
(*^ω^)「僕もそう思うお」
曲がったデザインの指輪は不吉な感じがしてブーンも好きじゃなかった。
真っ直ぐな輪を描く指輪なら自分を誠実にしてくれる気がした。
( ^ω^)「税込み20万かお…すいませんこれ二つくださいお」
(*‘ω‘ *)「ありがとうございます。ペアリングですか?」
( ^ω^)「そうですおね。刻印は後からできますかお?」
(*‘ω‘ *)「はい、大丈夫ですよ」
ブーンはポーチの封筒からお金を出して即金で支払った。
(*‘ω‘ *)「ご確認致しました。ありがとうございます」
( ^ω^)つ「指出してお」
ζ(゚ー゚;ζ「え…どういうつもり?」
有無を言わさず左手の薬指をはめる。
(:^ω^)「これは婚約指輪だお。いずれもっといいの買ってあげるお」
( ^ω^)「君には平穏に暮らしてほしかったけど…契約者になってたなら仕方ないお」
( ^ω^)「僕が君を死んでも守るお」
145
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 13:12:26 ID:ooLGbWQg0
( ^ω^)「もし他に誰か好きな人がいたとしても関係ないお。それが僕の願いだお」
ζ(ー*ζ「イルワケナイジャナイ…」
( ^ω^)「これまでずっと付き合ってるか曖昧だったけどようやく言えるお」
( ^ω^)「刻印は戦いが終わってから入れようお」
ζ(;ー;*ζ「馬鹿。死亡フラグみたいな事言わないでよ」
https://res.cloudinary.com/boonnovel2020/image/upload/v1588208784/32_nngnmr.jpg
(*‘ω‘ *人)「おめでとうございます」
( ´∀`人)「おめでとうです」
店員がカウンターから躍り出て、モナーと一緒に拍手をした。
146
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 13:12:46 ID:ooLGbWQg0
(,,゚Д゚)「なんだ。戦いの予約か」
血が滴る腕で、鳴ったスマホを取る。
(;^ω^)『違うお。モナー先生が…』
かくかくしかじか。
(,,゚Д゚)「で?モナーに指輪渡すところまでじっくり見せつけたのか。残酷だな」
(,,;-Д-)「なんでお前は個人的なことまで馬鹿正直に話すんだ。だから契約者にも騙される」
(,,゚Д゚)「何しようが勝手だが、夜の営み報告をいちいち電話しようとしてくるなよ?」
(;^ω^)『そっそんな事しないお!それに僕らはプラトニックな…』
( ^ω^)『ん?残酷ってどういう事だお?』
かくかくしかじか。
(;^ω^)『えっ!先生の奥さんが…』
(,,゚Д゚)「声がでかいんだよ。聞かれてないだろうな?」
(;^ω^)『コンビニのトイレの個室で電話してるから大丈夫だお』
(,,゚Д゚)「それはそれで迷惑な奴だ」
(,,゚Д゚)「いいか?モナーには余計な事を話すな」
(,,゚Д゚)「奴の願いは妻を忘れる事だったらしい。幸か不幸かその願いは叶っている」
(,,゚Д゚)「カードと契約をした以上戦う道しかないが今はそっとしておいてやれ」
(;^ω^)『そうかもしれないお』
(,,゚Д゚)「俺は明日丸々一日用事がある。かけてくるなよ」
(,,゚Д゚)「もし契約者が現れたらモナーと二人で相手してやれ。お前にできるのはそれくらいだろ」
電話を一方的に切る。
一方的に電話してきたのだからこっちが一方的に切るのは当然の権利だ。
(,,゚Д゚)「ああそうだ」
ギコは店長に明日も休みたい旨を伝えた。
割と好きに休めるのと店長が優しいのがあの店のいいところだ。
147
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 13:13:59 ID:ooLGbWQg0
感動の告白をしてから三人でバスで帰った。
それからブーンは買い忘れたものがあるといい近場のコンビニのトイレで電話をかけた。
( ´∀`)「ほう。僕もその戦い合う契約者って奴なんですか」
缶のチューハイを煽りながらモナーは話を聞く。
つまみはブーンの野菜炒めだ。
(;^ω^)「そうだお。でも先生はその願いが叶ってしまっているんだお」
(;^ω^)「僕もよくわからないけど自分の体を治したいとかで…」
デレにはギコとの電話後、SNSで先生の事情を伝えておいた。
他人の携帯を覗き見る人間性ではないからバレないだろう。
( ´∀`)「そうでしたか。なんにせよ健康でいられるのはいい頃ですね」
(;^ω^)「で…よかったら僕と一緒に戦いを止めて欲しいんですお」
( ´∀`)「いいですよ」
(;^ω^)「即答!?」
( ´∀`)「お二人には色々お世話になってますから」
( ^ω^)「今の時点でも死んでしまった契約者がたくさんいるお。これ以上増やしたくないお」
( ´∀`)「僕も誰かが傷付いたり死ぬのは嫌だから」
二人は握手を交わす。
148
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 23:31:38 ID:ooLGbWQg0
最終話
翌日。
( ´)Д(`) 「早々にてめぇに会えるとはなぁ?いやてめぇらか?」
( ´_>`)「豚がなんか喚いているね」
(´く_` )「失礼だぞ弟者。あの格好は多分お相撲さんだ、どすこいどすこい」
失礼な弟の頭をはたく兄。
( ´_>`)「ごめんなさい」
(#´)Д(`) 「漫才やってんじゃねえぞクソども!!昨日の借りを返してやる」
開幕で突っ込んで張り手をかます。
バチン。
( ´_>`)「いったい」
人形のようにふっとぶ。
(´く_` )「おとじゃー」
( ´)Д(`) 「昨日のあんなトラック、俺様が本気出せば一人でつぶせたんだよ!!」
弟者が召喚した禍々しい鎌に追撃の張り手が当たる。
手が鎌を貫通する。血は出ないが鋭い痛みを感じ手を下げる。
(;´)Д(`) 「いてて・・・少しはやるじゃねえか」
(´く_` )「大丈夫か弟者」
( ´_>`)「うん」
鎌の柄を使い立ち上がる弟者。
(´く_` )「アレを試してみるか」
( ´_>`)「わかった」
弟者は思いッきり死神の鎌を振りかぶると投げ捨てた。
弧を描いてぐるぐると回る。
( ´)Д(`) 「上等だぁこのホモカップル!」
ブーはこの兄弟の深い闇と絆を知らなかった。
149
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 23:39:24 ID:ooLGbWQg0
https://res.cloudinary.com/boonnovel2020/image/upload/v1588208777/11_rauisa.jpg
兄弟が幼い頃に父者、母者が事故で死んだ。
だから両親の顔はあまり覚えていない。
両親の多額の保険金で暮らしには困らなかった。
姉者は何考えているかよく読めなく、弟者は内気。
兄者と妹者は明るくひょうきんに育った。
よく世界征服の組織ごっこをして遊んだ。
中学生でナイーブな多感な時期だった弟者は嫌がりつつ妹者が駄々をこねると付き合った。
姉者大学生、兄者高校生、妹者が小学生の頃だった。
ゴールデンウィークに姉者の運転で旅行に行く途中、正面衝突が起こった。
レディーファーストを主張し運転席と助手席に座っていた姉者と妹者は即死だった。
姉者の死に顔はやっぱり何を考えているかわからない顔だった。・
高速道路で衝突してきた飲酒運転の土砂運びのおっさんは車から出てきて姉者の死体を強姦しようとした。
兄者が必死に食い止め、そのうちパトカーがきた。
カラクリはわからないが加害者は免許剥奪と執行猶予がついただけだった。
弟者は裁判所帰りの男のあとを根気よくつけ、人気がまったくなくなったところで喉を掻き切ろうとした。
その更に後につけていた兄が薬液つきのハンカチを嗅がせて男を昏倒させた。
ドラム缶に人権弁護士と男を裸で抱き合わせ、コンクリートを詰めて小さな島の海に落とした。
やがてクルーザーを買い、ドラム缶が浮かびあがってこないか海を監視するようになった。
食料が底をつき、兄者と一緒に手を繋いで買い出しに行くのが一番楽しかった。
どれくらい年数が経っていたかわからないが、美府町に遊びに来てたまたま見た小さなリサイクルショップを衝動的に買い取った。
古物商の資格を持っている人を代理に立てた。
弟者は戦隊もののグッズは高値で買い取った。
買い取ったその日の終わりに首をもいで壊すのが好きだった。
ある日、買い取った古い戦隊ものの本を読みながらページを破っていた時だ。
一般人が悪の組織にさらわれて改造された女患部のページに死神と恋人のカードが挟んであった。
これも破ろうと手に取ると、頭の中に声が聞こえた。
事務所で寝ていた兄者を起こしカードを見せる。
お互いに笑いながら世界征服と二人で勝ち残る願いを書いた。
150
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 23:39:47 ID:ooLGbWQg0
川 ゚ -゚)つ「ちょっと出かけてくるから、じゃあこれ」
https://res.cloudinary.com/boonnovel2020/image/upload/v1588208779/15-2_c5resd.jpg
クーのビジネスホテル暮らしは続いていた。
ドクオには色々と知育ようの玩具を与えていた。
成長ぶりが目覚ましく、二日目には小学校入学程度の学力があった。
クーが用事があって出かける時に、ハートのついた便箋を渡した。
(*'A`)「これは…ラブレター?」
クーと一緒に見たドラマかアニメかなにかに出てきた。
おんなのこがおとこのこに好きって言う時に渡すものだ。
言葉でつたえればいいのにと思った。
ドキドキしながら開けると、クーオリジナルのさんすうの問題が入っていた。
(;'A`)「まぁべんきょうは楽しいけど…」
クーの「見たか」という勝ち誇った顔が見えるようだった。
スマホに喋りかけるクー。
川 ゚ -゚)「だから私はもう足を洗う」
『アホかお前!?センセイの恩を忘れたか!?』
川 ゚ -゚)「罪なきものを殺して何が清浄なる世界だ」
川 ゚ -゚)「ハイン。お前のアホ面はもう見飽きた。かけてくるな」
電話を切り、ハインの番号を着信拒否する。
川 ^-^)「帰ったぞ。勉強は捗っているか?」
(*'A`)「できた!」
半分間違っていた。それもまた微笑ましかった。
151
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 23:40:08 ID:ooLGbWQg0
( ;´)Д(`) 「畜生!」
ブーは焦っていた。
気味の悪い男の投げた鎌が何度も襲ってくる。
必死にかがんだり身をかわして避けているが、これでは攻撃に移れない。
(;´)Д(`) 「男は黙って!!」
肉体を硬化させ、タックルの姿勢で突撃する。
(´く_` )「フリーズ」
兄者が手をかざして呟くと、猛加速中の力士の体がピタッと止まる。
( ;´)Д(`) 「」
声も出せなかった。眼球だけがギロギロと動く。
弟者が戻ってくる鎌をキャッチする。
( ´_>`)「今回もつまらなかったね兄者」
歩いてブーに近づき、胸と腹を縦に切り裂く。
(´く_` )「ああ。こいつも俺達を阻むヒーローではなかった」
ブーは首を切り取られたが、血は出なかった。
152
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 23:40:30 ID:ooLGbWQg0
次の日。
(,,゚Д゚)「…」
ギコが詫びの言葉と一緒に喫茶に出勤すると異臭がした。
从リ ゚д゚ノリ
店長の左胸に穴が開いている。
(・∀ ・)「よう。遅かったじゃねえか」
爪'ー`)y‐「禁煙じゃないよな?勝手にやらせてもらってるぜ」
またんきの前には一杯のコーヒーが置かれている。
(,,゚Д゚)「誰がやった。いつ」
(・∀ ・)「臭いでわかんねぇ?俺が昨日の朝やった」
既に冷めている拳銃の銃口にフゥーと息をやる。
(,,゚Д゚)「何故ここがわかった。そこの男にも話してなかったはずだ」
(・∀ ・)「俺のツテさ。尋問して殺した親父からそこそこの金をもらってね」
(・∀ ・)「ついでに親父は顔も分からん兄貴の会社を乗っ取ってたからね」
(・∀ ・)「会社の顧問の探し屋に調べさせた」
(・∀ ・)「まぁーでもリアルで殺すとペナルティあるってマジだったのね」
(・∀ ・)「隠者のカードは確保したが親父が本来持ってた吊られた男のカードはどっか行っちゃった」
(,,゚Д゚)「この人は契約者ではない。関係ない人を巻き込むな」
爪'ー`)y‐「女性に危害を加えるのは俺の方針じゃなかったが雇い主様がね」
(,,゚Д゚)「男と組むとはな。趣旨替えか」
爪'ー`)y‐「こっちにも色々あんのよ」
(,,゚Д゚)「俺に化けて誠一をやるとはな」
手の甲にペンを刺して痛みを感じる。
(・∀ ・)「隠者の力だよ?親父より上手く使ってるだろ?」
(,,゚Д゚)「もうくだらん策のだまし討ちはしないのか?」
153
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 23:40:51 ID:ooLGbWQg0
(・∀ ・)「契約者も随分減ってきたことだしね、もうまだるっこしい真似しなくてもと思って」
(,,゚Д゚)「何が言いたい」
(・∀ ・)「あのブーンって奴いるだろ。これ以上茶々入れられる前に潰しとこうと思ってな」
(,,゚Д゚)「お前と手は組まん」
(・∀ ・)「あれれ?もしかして運命の奴殺されて怒ってるの?馬鹿だねぇ〜」
(・∀ ・)「お仲間意識持って戦いたいならゲームでもやってろよ」
(・∀ ・)「お前もあいつと同じじゃんか。契約者もどきのゴミがヨォ」
(,,゚Д゚)「俺は違う…願いを叶える為に」
爪'ー`)y‐「願いを叶える為にどうすんの?組むの?組まないの?」
フォックスが肩に手をかける。
(・∀ ・)「ククク、なかなかかわいいじゃねぇか」
またんきがスマホから眠っているしぃの写真を見せる。
(,,;゚Д゚)「まさかお前が情報を…!」
拳をフォックスが受け止める。
爪'ー`)y‐「さて、どうかねぇ」
(・∀ ・)「安心しろ。ブーンを始末したら忘れてやるよ」
154
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 23:41:11 ID:ooLGbWQg0
ギコから一人で来いとの呼び出しの電話を受け、隙間空間に吸い込まれたブーンは不意打ちを食らった。
(;^ω^)「うわっ」
(・∀ ・)「クククク」
次々と違う場所から弾丸が襲い来る。
(;^ω^)つ「どこにいるお!」
棍棒で弾丸が通ってきた場所をひたすら叩く。
(・∀ ・)「契約者もぐら叩きかい。狩られるもぐらはテメーだがな」
(,,゚Д゚)「…」
(;^ω^)「ギコ…!」
(,,゚Д゚)「悪く思うな」
(・∀ ・)「よそ見してんじゃねぇ!」
背後からキックを食らい吹き飛ぶ。
(;^ω^)「うぅ…」
(・∀ ・)「お前は邪魔なんだよ!」
爪'ー`)y‐「遅くなった」
(;^ω^)「フォックスさんまで…!」
(・∀ ・)「どこ行ってやがったヘボ傭兵」
爪'ー`)y‐「トイレに」
(・∀ ・)「まぁいいけどな。女に会いに行ってたんだろうどうせ」
爪'ー`)y‐「関係ないだろ」
(・∀ ・)「それもそうか」
(・∀ ・)「レーヴァテイン!!」
またんきが姿を現し、巨大化したサーベルでブーンを突く。
咄嗟に棍棒を盾にするが、勢いに弾かれて吹き飛ぶ。
(,,゚Д゚)「名前負けだな」
155
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 23:41:31 ID:ooLGbWQg0
(・∀ ・)「さて。軽口叩いてないでお前がやれよ」
(,,゚Д゚)「なに?」
(;^ω^)「うぐぐ」
蹲ったブーンを見る。
(・∀ ・)「ここまで御膳立てしてやったんだ。ガキじゃねえんだできるよなぁ?」
(,,;゚Д゚)「…」
剣を顕現し、ブーンを蹴飛ばし喉元に向ける。
(;^ω^)「ギコ…」
(,,;゚Д゚)「…」
(・∀ ・)「おやおやまさか友情タイムか?」
振りむいてまたんきに斬りかかる。
サーベルで受け止める。
(,,゚Д゚)「こいつを倒すのにお前の手は借りん!」
(・∀ ・)「言い訳ばっかしてんなよ。最初からできないくせにさぁ」
サーベルを巨大化させ弾き飛ばす。
(,,;゚Д゚)「ぐっ」
( ^ω^)「ギコ!」
ブーンが抱きついてくる。
(*^ω^)「ギコ僕は嬉しいお!やっとわかってくれたんだおね」
(,,;゚Д゚)「離せ!散々弱らせられた獲物を狩っても楽しくないだけだ」
(・∀ ・)「はいはい勝手に友情ごっこやってろ。お前が二人をやれよ」
爪'ー`)y‐「言われなくとも。一人だがな」
一瞬でリボルバーを取り出しまたんきの虚を突いて撃つ。
(#・∀ ・)「てめぇ!」
またんきも応戦して拳銃を腕に命中させる。
(#・∀ ・)「やっぱりそんな予感はしてたんだよ」
156
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 23:41:52 ID:ooLGbWQg0
爪;'ー`)y‐「ぐっ。契約者は騙し合い、お前が言ってたことだぜ」
爪'ー`)y‐「それに脅されてタダで契約させられてホイホイ従う馬鹿がいるか?」
柔道でまたんきを組み伏せ額に銃を密着させる。
爪'ー`)y‐「娑婆僧だろお前。全然怖くなかったぜ」
(,,゚Д゚)「よせ!」
(,,゚Д゚)「奴は俺がやる」
爪'ー`)y‐「わかった」
(;・∀ ・)「わ、わかってんのかてめえ?俺に楯突けば」
爪'ー`)y‐「そいつが雇ったチンピラは全員排除した。心置きなく戦え」
(#・∀ ・)「てんめ…」
怒りでサーベルを叩きつけて暴れるがフォックスは身軽に避ける。
爪'ー`)y‐「勘違いするな。女を人質に取るのは好きじゃないだけだ」
爪'ー`)y‐「女に会ってたっていうヘボ推理、ある意味当たってたな」
ブーンは棍棒を拾い立ち上がる。
( ^ω^)「僕は契約者の戦いを止めたい…でも」
( ^ω^)「あんたが殺してきた罪はきっと現実じゃ裁けないお」
(#^ω^)「だからあんただけは許せない!戦わなきゃいけないと思うお!」
と(,,゚Д゚)「お前には無理だ」
(;^ω^)「ギコ!でも僕は…」
(,,゚Д゚)「そいつが許せないから戦うんじゃない。契約者だから、願いに邪魔だから戦うんだ」
(・∀ ・)「てめぇにできんのか?おもしれぇ、タイマンだ」
(,,゚Д゚)「くらえ!」
剣を三本射出する。即座に透明化して避ける。
(・∀ ・)「忘れたか。俺には無敵の隠者がついてんだよ」
(・∀ ・)「それに運命がよく見える。お前ら三人の死もな!」
157
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 23:42:12 ID:ooLGbWQg0
お返しにと続け様に三発放つ。胸のアーマーで受ける。
(,,゚Д゚)「口だけならなんとでも言える」
(・∀ ・)「ぬかせ!」
(,,゚Д゚)「お前の親父と一緒だな」
(・∀ ・)「なに?」
(,,゚Д゚)「お前はあの時運命を取得した時に見えたんじゃないか?逃げずに戦い自分が俺にやられて死ぬ運命を」
(・∀ ・)「適当を…」
(,,゚Д゚)「勝利の運命が見えるくせにカメレオンみたいにコソコソ隠れて戦うのはお似合いだな」
(,,゚Д゚)「お前の親父も何度も透明化で不意打ちで襲い掛かっては逃げていたしな」
(,,゚Д゚)「汚い親父様が嫌いらしいが血は争えないってこった」
(#・∀ ・)「てめぇッ!」
透明化を解き現れる。
(#・∀ ・)つ「証明してやる!こんなもん使わなくても俺は勝つ!」
超強化された銃弾をストレートに撃ち込む。
(,,;゚Д゚)「うおおおおお!!」
双剣を構え銃弾を待ち構える。
一本目にひびが入る。
(,,;゚Д゚)「いちかばちか!!」
一瞬銃弾を弾き飛ばし、再び向かってくる銃弾を剣先でひたすら削っていく。
(,,;゚Д゚)「おらおらおらおらぁ!」
小さな銃弾はあっという間に削り落とされて鉄の鰹節になる。
(・∀ ・)「よくやったが集中しすぎなんだよ!!」
いつの間にか近づくまたんきが巨大剣レーヴァテインで袈裟斬りをする。
ギコの肩と胸の鎧が砕け散る。
後ろにステップをして残りの剣を全て射出する。
(,,゚Д゚)「よくやるのはここからだ!」
158
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 23:42:32 ID:ooLGbWQg0
(・∀ ・)「それも見えてんだよ!運命反転!」
またんきに向かう剣は魔法陣を通じて裏切り、ギコの体に刺さる。
(,,Д)「ぐほ」
四本の剣が両肩、胸に刺さり血を吐く。
(,,Д)「使ったな…」
(・∀ ・)「やっぱこの力ある限り俺は無敵だ。俺の勝ちだな」
剣を巨大化させてゆっくり近づく。
(;^ω^)「ギコ!!」
手で制する。
爪'ー`)y‐「これがあいつの戦いだ。見届けよう」
(・∀ ・)「死、ねぇ!」
倒れたままのギコの首が叩き潰される寸前。
(メ∀ ・)「え?」
右目に透明感のある剣が刺さった。
栓をなくした水が奔流するように、次々と無数の剣が突き刺さる。
(∀)「おごおおおおおおおおおおお」
数秒後、またんきは骨格と垂れ下がる内蔵のオブジェと化していた。
(∀)「ひきょ…」
ギコが立ち上がる。
(,,゚Д゚)「契約者バトルは騙し合いだろ?」
まるで納得したかのように、直立不動のボロキレは倒れる。
(,,-Д-)(誠一…やったよ)
(,,゚Д゚)「このカードはお前にやる。あんな野郎が愛用していたと思うと反吐がでるからな 」
ギコはブーンに正義のカードを手渡した。
爪'ー`)y‐「じゃあこのカードは俺の働きの報酬だ」
フォックスがのギコの手から隠者のカードを抜く。
159
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 23:42:53 ID:ooLGbWQg0
誠一がバトルに敗れ死ぬ数日前、ギコに話していた。
( ^V^)「剣の小アルカナを見つけるんだ。それで運命は変わるかもしれない」
(,,゚Д゚)「お前がブーンにやったものと同じものか」
( ^V^)「君の契約時の話を聞く限り、不良たちを襲ったのは剣のアルカナの力だろう」
( ^V^)「一時的に触れて力が使えるようになったんだろう」
( ^V^)「今剣を呼び出せる能力はその残滓だろう」
(,,゚Д゚)「目星はついてるのか?」
( ^V^)「君が通っていた学校の周辺にあるという事以外は」
そしてモナーと出会った日、学校探索をした。
モナーと話をした後、運命による探査をして校舎を探したが見つからなかった。
誠一の断末魔の叫びは、裏山だった。
ギコは一日かけてようやく剣の書かれたカードを手に入れ取り込んだ。
誠一は運命のアルカナの弱点を教えていた。
運命が全て透き通るように見えるわけではない事、
運命反転は強力だが一度の戦闘で一度しか使えない事を。
160
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 23:43:24 ID:ooLGbWQg0
翌日。
ギコは仕事もなく町に繰り出していた。
(´・_ゝ・`)「やあ」
(,,゚Д゚)「お前は…」
デミタス。
ブーンと仲良くしていたらしいがギコにはあまり面識がない
(´・_ゝ・`)「私の家の話を覗き聞きしていた時以来かな?」
(,,゚Д゚)「いや先日の大規模な戦い以来だろう。よくお互い生き残った」
(´・_ゝ・`)「君は剣使いだろう。どうせなら君と戦いたい」
(,,゚Д゚)「別に剣が本分じゃないがな。契約者バトルなら大歓迎だ」
(´・_ゝ・`)「ただその代わり頼み事をしたい」
(,,゚Д゚)「断る」
(´・_ゝ・`)「簡単な事さ。審判の女の子、デミタスを倒してほしい」
(,,゚Д゚)「何故だ?」
(´・_ゝ・`)「彼女は私のかつての妹だ。だが母に連れられて都会に行って変わってしまった」
(´・_ゝ・`)「今の私の妹に敵意を抱いている。襲うかもしれない」
(´;・_ゝ・`)「今の妹は手術後の休養中なんだ。強襲されて隙間空間に連れ去られたら…」
(,,゚Д゚)「確かに体が接してさえいれば一般人でも隙間空間に引き込めるはずだな」
ヤクの顧客の死体を隙間空間に隠したのを思い出す。遥か昔の事のようだ。
(,,゚Д゚)「大事なものは自分で守れ。これ以上背負ってられるか」
(´・_ゝ・`)「分かった。病院に向かうよ」
(,,-Д-)「ちょっと待ってろ。おあつらえ向きな暇人がいる。どこ病院だ」
ギコは電話をかける。
161
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 23:43:44 ID:ooLGbWQg0
二人は戦い始めた。
思い出の竹林が再現されている。
(,,゚Д゚)「終わりだ」
開幕で半透明剣を投射する。
剣のアルカナを得て、ギコは気力続く限り無限の幻影剣を出す事ができるようになった。
(´・_ゝ・`)「ほう」
刀で叩き折り、他は避ける。
(´・_ゝ・`)「だが脆いな。数で補おうとしているだけだ」
(,,゚Д゚)「ほざけ。いずれ倒れるのはお前だ」
(´・_ゝ・`)「三本の矢を知っているかい?」
(,,゚Д゚)「ああ」
手に実剣を持ち躍りかかる。
(´・_ゝ・`)「三本の矢を物理的に一本に纏める。今の君ならできるはずだ」
(,,゚Д゚)「意味が分からんな」
剣がはじかれる。
古くてぼろぼろの刀なのに力強い。
(´・_ゝ・`)「私は一本の刀に懸けて戦っている」
(´・_ゝ・`)「君のように力が底をつくまで数で戦っていてはいずれな」
(,,゚Д゚)「…」
ギコは運命を開眼する。頭が痛い。
割ともうすぐ決着の時はつく。
(´・_ゝ・`)「いくら数多くの剣を投げても当たらなければ意味はない」
(,,゚Д゚)「牽制の意味はあるだろう」
(,,゚Д゚)「こうか!」
幻影剣を多く出し、一本の実剣に重ね合わせる。
またんきの剣のように巨大化する。
(,,゚Д゚)「うおおおおおお!!」
疾走する。
162
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 23:44:14 ID:ooLGbWQg0
(´・_ゝ・`)「飲み込みが早いな。はやり決意のあるものは─」
刀で受ける。あっさり折れる。
切っ先が飛んでいく。
小さなタケノコに刺さりそうになるので思わず飛んで行って拳ではじいて地面に落とす。
(,,゚Д゚)「もう勝負はついた」
(´・_ゝ・`)「まださ。私の魂はまだ残っている。」
デミタスが折れた刀を手に走ってくる。
(,,゚Д゚)「諦めが悪いぞ」
デミタスの脚が宙に浮く。
剣のアルカナを得た事で緩和され、本来の月の力が発揮できる。
身動きの取れないデミタスを巨剣で奥深くまで引き裂く。
臓物はあまり出てこなかった。
(,,゚Д゚)「手を抜いたな?」
(´_ゝ`)「いや、本気だったさ」
(´_ゝ`)「ただ内蔵をいくつかなくしただけさ。契約者の治癒にも限度があるんだね」
(,,゚Д゚)「当たり前だ」
(´_ゝ`)「私の節制は私の戦い方とはあまりにも合わなかった」
(´_ゝ`)「ハズレというか他のアルカナのサブと組み合わせてこそだな」
(´_ゝ`)「妹は見事に私と同じ血になっていて拒絶反応もなかった」
(´_ゝ`)「私の願いは既に叶っていたんだ」
デミタスの喉に肉厚の剣が差し込まれた。
163
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 23:44:35 ID:ooLGbWQg0
(#^ω^)「ギコ!どこ行ってたお!」
( ´∀`)「初めまして」
(,,゚Д゚)「どうも」
(;^ω^)「この病院に来たらいきなり引き込まれて大変だったんだお!!」
(,,゚Д゚)「で、撃退したのか?」
(;^ω^)「モナーさんが倒しちゃったお」
( ´∀`)「ごめんなさい…」
(,,゚Д゚)「気にするな。契約者とはそういうものだ」
デミタスの言っていた部屋のドアを開ける。
(,,゚Д゚)「お兄ちゃんの友達だよ」
花束と菓子折りを手渡す。
('、`*川「ありがとー!初めまして!」
(,,゚Д゚)「調子はどうだ?」
('、`*川「だんだん体が楽になってきたよ!学校にも行けるようになるって!」
(,,゚Д゚)「そうか。よかったな」
('、`*川「そうだ!お兄ちゃんは?」
(,,゚Д゚)「…」
ギコは床に目を落とした。
164
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 23:45:03 ID:ooLGbWQg0
翌日。
( ゚д゚ )「勝手に出撃して勝手にやられるとは…」
从`゚∀从「仕方ねーっすよ。アイツ兄貴の事めっちゃ恨んでたし」
( ゚д゚ )「クー君は勝手にどこかいなくなりますし…」
( ゚д゚ )「君は大丈夫ですか?」
从`゚∀从「当たり前っすよ!恩を忘れてません!」
( ゚д゚ )「君を大学まで行かせて職まで斡旋したのはこの聖戦の為だったのかもしれない」
( ゚∀゚)(何が聖戦だよ馬鹿らしい)
( ゚д゚ )「この世界は腐りすぎている。人の命をいとも簡単に奪う疫病、崩壊する秩序」
( ゚∀゚)(まーた始まった。暴れられればそれでいいんだよ)
165
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 23:45:24 ID:ooLGbWQg0
(*;゚∀゚)「ぎ、やるじゃないか」
(,,゚Д゚)「うおおおおおおおおおおおおお!!」
いくつかの勝利を得て病院の見舞いに行く途中、待ち構えていたつーの殺意で戦闘に発展した。
力を経てある程度拮抗に近づいたとはいえ、つーの力は絶大だった。
迫りくる幻影剣を全て潰し、鬼神は暴れる。
爪;'ー`)y‐「お姉さん俺を傭兵として雇わな…アッー!」
(*;゚∀゚)「邪魔だ」
一蹴され吹き飛ぶフォックス。
戦況が変わったのは、切り刻まれギコが窮地に立った時だった。
突如全身のアーマーが毛皮に変わり、瞬足で腕を一本もっていく。
奇しくも今日は満月が明るく輝いていた。
力が強くても反応できない攻撃を受ければ意味はない。
ドゥンを呼び出すも、ものの数秒でボロ雑巾に変わり捨てられた。
幻影剣の力を爪に込めて引き裂く。
(#゚∀゚)「調子に乗るな!!」
残り三本の腕を雑に振るう。
一本が腹を切りギコは正気に戻った。
(,,゚Д゚)「ハッ…つーさん!?」
(*゚∀゚)「どうやら罪を受け入れて大人しく死ぬ気はないようだな…」
(#゚∀゚)「そうでなきゃしぃも浮かばれない!!」
ボロボロのドゥンを酷使し、渾身の突撃体制に入る。
(,,;゚Д゚)「しぃはまだ死んでない!!オレが生き返らせる!!」
(;^ω^)「運命反転を使えお!!ギコが死んじゃうお!!」
(,,゚Д゚)「黙れ!!」
狼毛の残る顔で叫ぶ。
またんきを倒して得た銃を握る。
(,,;゚Д゚)「超強化幻影弾!!」
正義のアルカナの力と、幻影剣の力を上乗せして引き金を引く。
166
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 23:45:48 ID:ooLGbWQg0
(*゚∀゚)「たかが銃で何ができるって─!」
つーは余裕げに胸で受ける。
心臓を狙って銃が執拗に回転し、肉と脂肪が引き裂かれる。
(*;゚∀゚)「!?」
とっさに両腕で左胸を庇う。乗っていたドゥンからどさりと落ちる。
両手がズタボロに使い物にならなくなってようやく弾丸と相殺できた。
(,,;゚Д゚)「手荒で済まないが降参してくれ。俺はあんたを殺したくない」
(*;゚∀゚)「アンタ、あたしが両腕でガードするのを予測して…?」
運命の力だった。
(*゚∀゚)「ククク…とことんコケにしてくれるね」
のそのそとボロボロの体で近づく。
(,,;゚Д゚)「来ないでくれ!」
(*゚∀゚)「ククク、なめんじゃねぇよ」
つーは素早い動きでギコの握った剣を自分の喉に当てる。
https://res.cloudinary.com/boonnovel2020/image/upload/v1588208787/99_emdrbf.png
喉から左胸にかけて切っ先を引く。
喋るたびにゴボゴボという音と泡が混じる。
(*゚∀゚)「復讐対象にボロ負けして情けを受けた時点で復讐は失敗なんだよ」
(,,;゚Д゚)「あんた…しぃはどうする!?」
(*゚∀゚)「まだしぃを救えると思ってるのかい?おめでたいねぇ」
ドゥンが駆け寄りつーを貪り食う。
(,,#゚Д゚)「貴様!やめろ!」
(*∀)「ククク…戦意を投げ捨てた主人を食い滅ぼしにきたのさ」
(*∀)「アタシの呪いを受けな・・・次はあんたが乗る番だ」
(*∀)「地獄でまた憎しみの…殺し合いを…」
火虎が女帝の誇りを失ったものを食いつくして消えた後、狼男は赤ん坊のように寝転がって泣き叫んだ。
(,,;Д;)「 」
https://res.cloudinary.com/boonnovel2020/image/upload/v1588211389/133_lfbz4z.png
167
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 23:46:08 ID:ooLGbWQg0
(;^ω^)「ここかお!」
ブーンはつーの末路を見やり、ギコを気遣って別の隙間空間に来ていた。
審判達が契約者を襲っている。
(;^ω^)「すまん、借りるお!」
ブーンはこっそり持ってきていた女帝を握る。手に汗がつく。
ミ ゚Д゚彡「がる」
(;^ω^)「力を貸してくれお!」
何も答えずドゥンは審判に突っ込む?
( ФωФ)「ライオンとは面白いな!」
ミルナを裏拳でふっとばしながら口笛を吹く。
光弾はミセリに吸収されていた。
( ФωФ)「一度会ったであるな。次はお前が相手か?」
拳を突き出す。ブーンは棍棒で防御する。
腕がビリビリと痺れる。
( ФωФ)「こいつらワンパターンでつまらなかったのである」
(;^ω^)「違うお!僕は戦いを止めに…」
突如超スピードでミルナがブーンを殴り飛ばす。
( ゚д゚ )「流星群!!」
(;^ω^)「しまっ…」
168
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 23:46:29 ID:ooLGbWQg0
https://res.cloudinary.com/boonnovel2020/image/upload/v1588208786/91_mzmswv.png
クーは久々の戦いに来ていた。
ドクオがうっかり外に出てしまい、探しているうちに捕まったのだ。
( ^Д^)「へへへ。まだ残ってる契約者がいたか」
プギャーは無抵抗のドクオを殴っている。
( ^Д^)「最初見た時はビビったがよ。なんだこいつてんでよえーじゃねーか」
川 ゚ -゚)「やめろっ!」
開幕で銃を撃つ。
( ^Д^)「炎!」
弾丸がむなしく溶ける。
クーはプギャーからドクオを引き離す。
川 ゚ -゚)「彼は私が守る!」
( ^Д^)「ずいぶん契約者が減ったようだが、弱い奴を狩っていけばまだ俺の時代は来る」
川 ゚ -゚)「最低だな。弱い者いじめとは」
( ^Д^)「何言ってんだよ今更。そういうの好きが集まったのが契約者だろ?」
川 ゚ -゚)「私は違う!彼に会って変わった!汚い世界でもいい、彼と生きていきたい!」
('A`)「ありがとう、クー」
川*゚ -゚)「ドクオ…」
('A`)「俺の中で生きてくれ」
塔がクーの腹を潰す。
川 -)「え…」血を吐く。
('A`)「昔の妻並に好きになったぜ。その献身的態度」
('W`)「いただきます」
潰れた内蔵から食い始める。
(;^Д^)「ウワアアアアアアア!!」
逃げるプギャー。
169
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 23:46:49 ID:ooLGbWQg0
( ;゚д゚ )「あぐあああああああああああああ!!」
いきなり頭を押さえて呻き始める。
从`゚∀从「センセイ!?」
(,,゚Д゚)「今だ!疾風斬!」
( ;゚д゚ )「くそっ!」
とっさにハインを押し付けて盾にする。
从`;゚∀从「また俺かよぉぉぉぉ!」
幻影剣を全身にまとった体当たりを食らい爆死する。
(;^ω^)「ギコ」
(,,゚Д゚)「逃げ足が早いな。時間の無駄だ、帰るぞ」
( ФωФ)「…」
( ;゚д゚ )「ハァ…ハァ…」
(;゚∀゚)「急にどうしたんですか?センセイ」
( ゚д゚ )「急に星の力が使えなくなった…奪われた?」
( ゚∀゚)「誰に?」
( ゚д゚ )「この状況下だと悪魔の彼でしょうか…」
( ゚д゚ )「しかし誰が接触を?」
170
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 23:47:09 ID:ooLGbWQg0
(,,゚Д゚)「…」
(;^ω^)「ギコ…」
(,,゚Д゚)「最後にもう一度だけ言っておく。契約者をやめろ」
(;^ω^)「でも僕は・・・」
(,,゚Д゚)「俺は守るべき人の身内を手にかけた。もういよいよ戻れない」
(,,゚Д゚)「潰してきた者達の死でつぶされて俺はきっともう死人だ」
(,,゚Д゚)「だがお前は生きている。さっさと生者の道へ戻れ」
(;^ω^)「ギコだって生きてるお!」
(,,゚Д゚)「デミタスを見かけないだろう。やったのは俺だ」
(;^ω^)「ッ…!」
(,,゚Д゚)「いい奴だったよな。どうだ、もう俺に愛想が尽きたろう」
(,,゚Д゚)「まだ踏ん切りがつかんか。じゃあ俺の最大の秘密を教えてやる」
(,,゚Д゚)「俺はな、あんたの妹なんだよ」
(;^ω^)「は!?」
ブン子の生徒手帳を見せる。
(;^ω^)「これをどこで…!?」
(,,゚Д゚)「阿呆か。失踪した本人以外誰が持ってるっていうんだ」
(,,゚Д゚)「前にしぃ先生がレイプされかけて目覚めたって言ったな。俺も一緒にレイプされかけてたんだよ」
(,,゚Д゚)「その時点でもう俺は死んでたのかもな」
(,,゚Д゚)「俺は剣のアルカナに密かに願っていたらしい。剣は男らしさの象徴、だから男にしてくれと」
(,,゚Д゚)「そして月のアルカナには女の象徴をなくしてくれと」
(,,゚Д゚)「なんだその顔は。こんな土壇場で大嘘言ってどうする」
(,,゚Д゚)「とにもかくにもここから先は能力を凝縮された能力者同士の食い合いになる」
(,,゚Д゚)「明日までに考えておけ。命を粗末にするな」
衝撃を越えた衝撃を残して立ち去るギコの前に、ブーンは何も言えなかった。
171
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 23:47:29 ID:ooLGbWQg0
翌日。
(;^ω^)「あれ?モナー先生は?」
ζ(゚ー゚*ζ「気付かなかったの?昨日の夜からいなかったわよ」
ζ(゚ー゚*ζ「急に記憶が戻ってきたから出ていくって。世話になった、ありがとうって」
(;^ω^)「そうかお…ってえぇ!?」
電話をした。つながらなかった。
(;^ω^)「ちょっと行ってくらぁお!」
ζ(゚ー゚;ζ「どこに!?」
(;^ω^)「家とか先生が行きそうな場所だお!!」
( ^ω^)「先生の願いは、奥さんの事を忘れる事だったんだお!!」
(;^ω^)「記憶が戻ったらまた戦いを続けるかもしれないお!!」
ζ(゚ー゚*ζ「ちょっと待って。ここ最近あなたが家を空けてたから話しておきたい事があるの」
(;^ω^)「なんだおこんな時に!?」
ζ(゚ー゚*ζ「あなたは死んでるのよ」
(;^ω^)「昨日のギコもそうだけどみんな突飛のない話しすぎだお!!」
ζ(;ー;*ζ「お願いだから聞いて!!」
(;^ω^)「お…」
172
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 23:48:10 ID:ooLGbWQg0
( ´∀`)
モナーは全てを思い出した。
昨日の夜、急に激痛と共に戻ってきた。
あの体に代わりに入ったものが悪事を働いている。
きっとまた人を食ったのだろう。
人を食うのは本来いけない事なのだとこの体が教えてくれた。
財布に入ったお金でコンビニのおにぎりをいくつか買う。
この体がお金の払い方も教えてくれる。
( ;゚д゚ )「…」
('A`)「…」
( ゚д゚ )「あなたが悪魔でしたね」
('A`)「そうだ」
( ゚д゚ )「昨日、黒髪の女性を食しましたか?」
('A`)「クーの事か。引き締まってて細身でだったがうまかったね」
川・_ゝ・`)「お前!」
('∀`)「お前らにとっちゃ、ただの女の子でしかなかったんだろうけどさ」
https://res.cloudinary.com/boonnovel2020/image/upload/v1588208779/14_fkwdqr.jpg
('∀`)「俺にとっては大事な先生で、しかも命までくれた恩人だぜ」
唇が血で濡れている。
(;゚∀゚)「どうします?まだハインの再生が…」
( ゚д゚ )「出会ってしまった以上、やるしかないでしょう」
( ´∀`)「お前ら下がってろ。こいつは俺のものだ」
('A`)「嘗ての俺のボディか。よく来た」
173
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 23:48:33 ID:ooLGbWQg0
ζ(゚ー゚*ζ「前の戦いであなたは死んだわ」
(;^ω^)「前ってなんなんだお?」
ζ(゚ー゚*ζ「前にあった契約者バトルの事よ」
(;^ω^)「前にもこんなことが…?」
ζ(゚ー゚*ζ「前の戦いでは私は最強のアルカナ、世界で始まったの」
(;^ω^)「世界…」
ζ(゚ー゚*ζ「文字通り世界を支配できる力。使い方によってはね」
ζ(゚ー゚*ζ「あなたは一般人だったけど巻き込まれて死んじゃった」
(;^ω^)「お…」
ζ(゚ー゚*ζ「私はあなたを蘇らせる願いを書いて世界と正式契約したわ」
ζ(゚ー゚*ζ「でも最後の戦いで審判と相討ちになって私も死んだ」
ζ(゚ー゚*ζ「私の願いと審判の男の願いは同時に叶えられたの」
(;^ω^)「審判の願い?」
ζ(゚ー゚*ζ「今回の戦いは前回と顔ぶれが違うけど私と審判は同じだったわね」
ζ(゚ー゚*ζ「恐らく最終勝利者特権で記憶保持ができるからまた選ばれた、いや自分から選んだ」
ζ(゚ー゚*ζ「前の世界は所謂ディストピア。清浄で退屈な世界ね」
ζ(゚ー゚*ζ「それで退屈じゃない世界みたいな願いにして、今の世界ができた」
ζ(゚ー゚*ζ「今度は自分で望んだ世界に絶望して、また清浄な世界を作り替えるつもりでしょう」
(;^ω^)「なんてこったお」
ζ(゚ー゚*ζ「まさかあなたが今度は契約者になるなんてね。」
ζ(゚ー゚*ζ「私は陰でブーン君を守ろうと思ったけど今回は回復しかできない女教皇だから大したことはできなかった」
(;^ω^)「なんてこったお…」
174
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 23:49:01 ID:ooLGbWQg0
戦いは熾烈を極めた。
あらゆる契約者を食ってきたドクオは隙間世界では醜いキメラと化していた。
体のところどころに犠牲者の顔が浮かんでいる。
( ´∀`)「終わりだ!」
モナーは皇帝の兵士達を最終突撃させて勝負を決めようとしていた。
兵士を派遣してチクチク切って翻弄してもあまり効果がない。
頸動脈を切ろうとしても、首に装甲を貼られて届かない。
('∀`)「死ね」
ドクオの腹に巨大な口が生成された。
突撃した兵士達をとてつもない吸引力で口に入れていく。
兵士達が咀嚼される。
(;´∀`)「グハッ」
体中から血が噴き出る。急激に力が抜けていく。
(;´∀`)「まさか…こんな力まで手に入れていたとは…」
ドクオの悪魔の力は契約者を食う事で能力を吸収する能力。
術者に似せてよく作られた兵士達も効果を受けるようだった。
('A`)「かつての俺の肉体を余さず食う事で、よくやく俺は完全になれる気がする」
('∀`)「ククク、ちなみに皇帝にはとっておきの能力があるんだがな」
(;´∀`)「知ってる」
錫杖のスイッチを入れる。
('A`)「なにッ!」
腹部が大爆発する。
('A`)「ぉぉぉ・・・」
('A`)
ドクオは沈黙して動かない
(;´∀`)「これでもう食えなくなったな」
(;´∀`)「本当はもっと生きていたかったがこれも自分の業か…相討ちできて上等かな」
うつ伏せのモナーの体から、最後の足掻きのように血がどっと噴き出る。
175
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 23:49:28 ID:ooLGbWQg0
戦いは熾烈を極めた。
あらゆる契約者を食ってきたドクオは隙間世界では醜いキメラと化していた。
体のところどころに犠牲者の顔が浮かんでいる。
( ´∀`)「終わりだ!」
モナーは皇帝の兵士達を最終突撃させて勝負を決めようとしていた。
兵士を派遣してチクチク切って翻弄してもあまり効果がない。
頸動脈を切ろうとしても、首に装甲を貼られて届かない。
('∀`)「死ね」
ドクオの腹に巨大な口が生成された。
突撃した兵士達をとてつもない吸引力で口に入れていく。
兵士達が咀嚼される。
(;´∀`)「グハッ」
体中から血が噴き出る。急激に力が抜けていく。
(;´∀`)「まさか…こんな力まで手に入れていたとは…」
ドクオの悪魔の力は契約者を食う事で能力を吸収する能力。
術者に似せてよく作られた兵士達も効果を受けるようだった。
('A`)「かつての俺の肉体を余さず食う事で、よくやく俺は完全になれる気がする」
('∀`)「ククク、ちなみに皇帝にはとっておきの能力があるんだがな」
(;´∀`)「知ってる」
錫杖のスイッチを入れる。
('A`)「なにッ!」
腹部が大爆発する。
('A`)「ぉぉぉ・・・」
('A`)
ドクオは沈黙して動かない
(;´∀`)「これでもう食えなくなったな」
(;´∀`)「本当はもっと生きていたかったがこれも自分の業か…相討ちできて上等かな」
うつ伏せのモナーの体から、最後の足掻きのように血がどっと噴き出る。
176
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 23:49:48 ID:ooLGbWQg0
(;^ω^)「ギコ!」
(,,;゚Д゚)「お前か。答えは出たのか」
( ^ω^)「僕の答えはこれだお!」
棍棒を召喚しギコに加勢し、流石兄弟に相対する。
弟者の鎌はたやすくギコのアーマーを無視した。
(,,;゚Д゚)「うっ」
(´く_` )「弟者の死神の鎌はあらゆる防御を貫通する」
( ´_>`)「ネタバレやめろ」
( ^ω^)つ「うおお!」
ブーンが棍棒で殴る。
弟者の体は鋼のように硬くなる。
それでもダメージは多少与えた。
兄者の「恋人」は、自分の持つサポート能力をパートナーに与える。
これも単体では役にたたないものだ。
ブーを撃破し手に入れた戦車の硬化を存分に発揮していた。
いくつかの攻防を繰り返し、しびれをきらした弟者が言う。
( ´_>`)「兄者。そろそろ決めよう」
(´く_` )「おう。あれを試してみるか」
兄者が弟者を肩車し、弟者が鎌を構える。
そして兄者が加速を始める。
(,,;゚Д゚)「まさか…戦車アルカナのアレか!」
(,,;゚Д゚)「ブーン、ドゥンを出せ。対抗するぞ」
( ^ω^)つ「おうお!」
ミ ゚Д゚彡「がう」
二人を乗せてドゥンも加速する。
(´く_` )「フリーズ!」
兄者の攻撃を受け、ドゥンが凍り付く。
( ´_>`)「おわったな」
177
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 23:50:09 ID:ooLGbWQg0
(,,゚Д゚)「お前がな」
(´く_` ;)「ぐあっ!」
無数の幻影剣に囲まれ貫かれる兄者。
咄嗟に戦車の硬化を自分に戻して致命傷を避ける。
(#^ω^)「うおおおおおおー!」
ドゥンの背中からジャンプしたブーンが、硬化の切れた弟者を棍棒で殴り落とす。
( ´_>`)「ぐっ」
(´く_` )「やられたな!だが弟者、弱点を補ってもう一度やれば…」
兄者の腹には死を告げる鎌が食い込んでいた。
(´く_` ;)「…えっ?」
https://res.cloudinary.com/boonnovel2020/image/upload/v1588208786/89_ru3cz8.jpg
( ´_>`)「ごめん、兄者。二人でやるからつなぎ目がほどけると思うんだ」
( ´_>`)「二人で勝てなくても力を二つに集約したらきっと─」
ああ、そうか。
(´く_` )(ごめんな、弟者)
首を落とされて心の中で兄者は自分の弱さを謝罪する。
(;^ω^)「な…」
(,,;゚Д゚)「正気か?」
( ´_>`)「さあ第二ラウンドだ」
カードを食べ終わった弟者は、二人に近づく。
( ФωФ)「旋」
不意打ちで二連続の空中回し蹴りを受け、弟者が吹っ飛ぶ。
( ´_>`)「なんだ…お前」
( ФωФ)「戦車をやったのはお主らか?やらせてもらうぞ」
178
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 23:50:41 ID:ooLGbWQg0
( ´_>`)「なんの事かわからないなぁ」
( ФωФ)「龍王波」
右足を瞬足で振り、弟者の顔面を捉える。
( ´_>`)「迂闊だったな」
右足に死神の鎌を当てる。
すかさず逆方向に回転し鎌を避け、もう一撃浴びせる。
( ´_>`)「なんでだ…僕の鎌は肉も骨もすり抜ける無敵の…」
( ФωФ)「当たらなければいいだけである。岩砕」
狼狽する弟者の顔面を肘で捉え、そのまま地に沈める。
( ´_>`)「馬鹿な…なんだお前」
( ФωФ)「二人分の力なのだろう?もっとやってみせろ」
( ´_>`)「言われなくとも」
鎌を大振りに投げ、ブーメラン戦法を使う。
( ФωФ)「武器をて手放したか。愚かな」
ひたすら来るロマネスクのインファイトを受ける。
( ´_>`)(今だ!)
帰ってくる鎌をロマネスクはしゃがんで避け、弟者の腕を貫通する。
( ´_>`)「な…なんでわかった」
( ФωФ)「音が大きすぎるのである」
( ФωФ)「さて案外つまらんな。武器頼りはこんなものか」
スッと一歩下がる。
( ´_>`)「僕は世界征服をするんだ…負けるわけがないんだ…」
戦車の硬化を発動する。
( ФωФ)「気空波」
弟者の胴に寸止めで拳を当て、硬化が解除される。
気空波は肉体を内側から侵す技だ。表面を鋼にしても仕方ない。
179
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 23:51:02 ID:ooLGbWQg0
( ФωФ)「虎威」
すかさず懐に入り弟者を垂直に投げ、胸を脚で突きあげる。
アバラがいくつも折れる音がした。
( ´>`)「…」
( ФωФ)「さて魔術師よ。強くなりたければお前がトドメをさせ」
(;^Д^)「え!?いいんですか!?」
( ФωФ)「ああ、その代わり吾輩を愉しませてくれよ」
( ^Д^)「ヒャッハー!」
生成した氷の剣で弟者の胸や喉をめった刺しにする。
カードを三枚奪い取る。
( ^Д^)「今日がテメェの最期だな!うおお、力がみなぎって…」
( ^Д^)ニア「行きやがれ!」
死神を模した使い魔が通り過ぎる。
一瞬しびれを感じ、鎌がかする。
( ФωФ)「ほう、遂に自分の真価が使い魔だと理解したか」
(*^Д^)「ああ、今ならわかるぜ…」
爽やかな顔のプギャーが近づいてくる。
ロマネスクが正拳突きを放つ。
弾かれる。戦車の力だ。
背後には音もなく死神の使い魔が鎌を振り落とす。
( ФωФ)「ぐっ」
背中を切られた。
筋線維がすこしやられた。
( ФωФ)「気空波」
拳を当てる。大量のコウモリが飛び去る。
180
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 23:51:23 ID:ooLGbWQg0
死神の体内からプギャーが出てきて、鎌を振る。
左腕をまともに切られる。動かせない。
風呂敷を広げ、プギャーが消える。
一瞬だけ巨大なゴーレムが現れ、腹パンチをかます。
金剛が間に合わない。まともにくらい、ゴーレムの自爆にも巻き込まれる。
頭から血を流し、フラフラの状態でロマネスクは笑う。
( ФωФ)「感謝するぞ。吾輩は 吾輩は 少し恐怖している」
( ^Д^)「ああ。テメェに泡を吹かせて今初めて契約者バトルで楽しいぜ」
プギャーがトドメとばかりに大鎌を解体し、大量の小さい鎌として飛ばす。
鎌の嵐でロマネスクの全身が切り裂かれる。
( ФωФ)「ふふふ…ふふ」
( ^Д^)「終わりだ!」
一瞬で大鎌に戻し、縦一閃で振るう。
( ФωФ)「邪斬」
曲げた腕で肘を露にし、肘突きで鎌の柄をへし折る。
(;^Д^)「な…死神の鎌だぜ。物理攻撃なんかじゃ壊れ…」
( ФωФ)「吾輩の分身である。虚ろな存在ならこの世でないものを折るのも道理」
いつの間にかプギャーを四人のロマネスクが取り囲んでいる。
人のリミッターを越えた速度で、残像が発生しているのだ。
あっけにとられた一瞬で、背後のロマネスクが宙に浮き両足で抱きかかえる。
(*^Д^)「フリーズ!!」
魔術師と恋人のフリーズを合わせて背後の本物に放つ。
ロマネスクの勢いは止まらない。腰を挟んで背後に回転する。
速度を利用し地獄車をかます。何度も何度も。
勢い余って二人とも投げ飛ばされ、足の裏を合わせて地面に激突する。
頭から轟音とともに突っ込んだプギャーの首は贔屓目にも折れている。
とん、と着地するロマネスク。
( Д)
( ФωФ)「契約者のの耐久ならまだ頭かに息があるだろう。最後の力で魔法を撃ってくれ」
プギャーは今までにない特大の炎でロマネスクを包んだ。上げた指が魂が抜けたように落ちる。
181
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 23:51:44 ID:ooLGbWQg0
( ФωФ)「ふふふ、久々に血沸き肉躍ったわ」
歩き出そうとするがふらつく。
ミセ*゚ー゚)リ「大丈夫?」
https://res.cloudinary.com/boonnovel2020/image/upload/v1588208779/51_mn27s3.jpg
魔力と闘気を吸って急成長したミセリが自分の足で立つ。
いつの間にか四枚のカードを手に取っている。
( ФωФ)「抜け目ない奴だ。破廉恥な格好は卒業か?」
ミセ*゚ー゚)リ「とりあえずね。家に帰ろう?」
( ФωФ)「ああ」
二人は支え合って隙間空間から脱した。
182
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 23:52:05 ID:ooLGbWQg0
JUDGEMENT DAY
最後に残った契約者達が集まる。
( ^ω^)(,,゚Д゚)
( ゚д゚ )( ゚∀゚) 川・_ゝ・`)从`゚∀从
(,,゚Д゚)「あの女好きはくたばったか?」
( ^ω^)「さあお」
ギコは双剣を、ブーンは棍棒を手にしドゥンを召喚した。
(,,゚Д゚)「…契約したのかお前?」
( ^ω^)「ああお」
(,,゚Д゚)「悲しいような、期待してたような」
もはや多くのアルカナを得たブーン達には、ミニオンの拳銃は効果がほぼない。
ミルナの武器、パニッシュオブデスは未だに脅威とはなっていた。
ギコがミルナの相手をし、ブーンとドゥンがミニオンを蹴散らした。
(,,゚Д゚)「聞いた話なんだが。嫌気が差して消した世界をまた復活させるのか?」
( ゚д゚ )「人聞きが悪い。私は学んだのですよ。私は愚者と賢者の両方を経験したのです」
(,,゚Д゚)「勝手な話だな。世界は箱庭じゃないんだし住む人間はレ〇ブロックじゃないんだぞ」
( ゚д゚ )「利己的な契約者にしては道理を弁えていますね」
ミルナの光剣がギコを突く。ギコは幻影剣でガードする。
川 ;゚ -゚)「間に合ったか!」
川 ゚ -゚)「邪魔だ!」
信じられない膂力の蹴りでギコとブーンを場外へ蹴り飛ばす。
( ゚д゚ )「クー君。生きていたのですか」
川 ^-^)「ええ、勇者が悪魔を倒して吐き出されましたwご心配おかけしましたね」
183
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 23:52:25 ID:ooLGbWQg0
川 ゚ -゚)「そして心配のない世界に逝きな。監獄でダメなら地獄にな」
一瞬で全ての重武装を取り出し、間髪入れずにフルバーストする。
川 ゚ -゚)「エンドオブザワールド!!」
弾幕の塊がジョルジュとデミタスを消し飛ばす。
(#゚д゚ )「清浄な世界の邪魔を…するなァァァァ!!」
パニッシュメント。
不可避の玉を食らい、致命傷を負って擬態が解ける。
爪;'ー`)y‐「ぐはっ…」
(;^ω^)「フォックスさん!!」
从`;∀从「あああああああ!!」
(;゚д゚ )「な、なにをする!」
从`;∀从「あんたぁ知らねぇだろうが!!何度も何度も死ぬのはなぁ!」
从`;∀从「職の斡旋如きでここまで死を強いるんじゃねぇぇぇけ!!!!!」
(#゚д゚ )「うるさい!」
光剣で腹を刺す。
爪;'ー`)y‐「この期に及んで仲間割れかい。みっともないねぇ」
爪'ー`)y‐「やるよ!」
玩具がたくさん入った袋をブーンに投げつける。
ミルナに抱きつく。
(;゚д゚ )「何を!やめろ!」
爪'ー`)y‐「こっちこそ野郎とハグる趣味はねぇんだよ!」
最後の一息を吸い終えると、体中に巻いた手榴弾のうち一つのピンを抜く。
爪'ー`)「ヒーちゃん…」
https://res.cloudinary.com/boonnovel2020/image/upload/v1588208812/129_p6ysd0.jpg
大爆発で二人は消し飛んだ。
184
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 23:52:55 ID:ooLGbWQg0
从`;∀从「死にたくねぇ!あひいいいいいいいいいい」
残るハインは腰が抜けてへこへこと逃げていく。
(,,゚Д゚)「疾風斬」
体に纏った幻影剣との突撃でハインも葬られる。
(,,゚Д゚)「さて」
( ^ω^)「ああお」
(,,゚Д゚)「俺には願いをまだ諦められない。戦ってくれ」
( ^ω^)「もちろんお」
ブーンの許諾を合図に、いがみあっていた二人の戦いが始まった。
(,,゚Д゚)「幻影剣ストーム!!」
無数の幻影剣をパニッシュオブデスで弾き、打ち砕くブーン。
だがドゥンにはあたり、少しづつダメージが蓄積していく。
(,,゚Д゚)「エクストリームソード!!」
幻影剣を飲んで強化された剣を振るう。
( ^ω^)「ミョルニル!!」
ブーンの棍棒がハンマーに変化し鍔競り合う。
(,,゚Д゚)「フン、また神話の名前か。お前実はまたんきの野郎じゃないのか?」
(;^ω^)「ただ名前借りただけだお」
力で勝るブーンは地面にハンマーを叩きつけ、大地震が起きる。
(,,;゚Д゚)「おっ」
( ^ω^)「エンドオブザワールド!!」
フォックスから譲り受けた武器を巨大化し一斉放射する。
法王の能力は、武器をミニチュア化し戦闘時に元のサイズに戻すものだった。
フォックスは元法曹の人間の為、現実世界で武器をおおっぴらに持っているのが嫌だったのだ。
185
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 23:53:17 ID:ooLGbWQg0
(,,#゚Д゚)「幻影界!!」
持てる力を使い、ありったけの幻影剣を飛ばす。
デミタスの節制の力で、消費する力は,節約される。
弾薬と剣が飛び交い地獄絵図になる。
ほぼ互角だったが、ギコは数発くらってしまった。
(#^ω^)「うおおおおお!!!!!」
(,,#゚Д゚)「ああああああああああああ!!!!!」
砂煙が消えないうちに二人は走り出す。
(,,゚Д゚)「ファイナルエクストリームソード!!」
出せる実剣と幻影剣を注ぎ込み濃縮し、惜しみない横薙ぎをする。
(#^ω^)「うおおおおおお!!」
十字架銃を腹に構え防御する。
一瞬で砕け散る。
一瞬が勝負の分かれ目だ。
とっさに十字架を持っていた手を添え両手にし
ミョルニルの渾身の力でギコの全てを砕いた。
(,,゚Д゚)「ああ…やられたな」
( ^ω^)「すまないお」
(,,゚Д゚)「泣くなよ?お互い悔いなく全てをぶつけただろうよ」
(,,゚Д゚)「最後にお前とやりあえてよかった」
(,,゚Д゚)「俺が妹だからって加減してないようでよかった」
(,,゚Д゚)「なぁ…俺はあんたの妹か?お前の友達か?」
(*^ω^)「どっちもだお!」
(,,-Д-)「そっか…お前の願い、叶えろよ」
川-ω-)
ギコ=ブン子は、いとしい人との幻影を夢みて目を閉じた。
https://res.cloudinary.com/boonnovel2020/image/upload/v1588208784/37_nbmi9n.jpg
186
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 23:53:38 ID:ooLGbWQg0
( ^ω^)「来てくれたかお」
ξ゚⊿゚)ξ「終わったの?」
(;^ω^)「多分」
( ФωФ)「まだ吾輩がいるぞ」
ξ゚⊿゚)ξ「!」
(#^ω^)「おおおおおおッ!」
( ФωФ)「待て。吾輩は戦う気などない」
(;^ω^)「え?」
( ФωФ)「吾輩はもうこの戦いでも最強だった。お主が万全でも勝つだろう」
( ФωФ)「神聖なる決闘を邪魔しようとするヒトクイの悪魔は吾輩が始末した」
残りのカードをすべてばら撒く。力のタロットも。
( ФωФ)「素晴らしい命の決闘を見せてもらった例だ」
ξ゚⊿゚)ξ「…貴方全く契約してないの?」
( ФωФ)「いや、一人だけ契約した」
ミセ*゚ー゚)リ「やっほ」
( ФωФ)「吾輩は今からこいつの世界に旅立ってもっと恐怖を探しに行く」
( ФωФ)「もう一人前だからできるな?」
ミセ*゚ー゚)リ「大丈夫だよ♪」
二人の姿が薄くなる。
( ФωФ)「恐怖とは人を克服で成長させてくれる」
( ФωФ)「ではさらばだ」
二人の姿は完全に消えた。
187
:
◆6OaoGiy1zI
:2020/05/06(水) 23:55:15 ID:ooLGbWQg0
( ^ω^)「最後に僕を殺して欲しいんだお、自殺はできないから」
ξ゚⊿゚)ξ「うん」
( ^ω^)「次の世界でも会おうお」
ξ゚⊿゚)ξ「うん」
ξ;⊿;)ξ
https://res.cloudinary.com/boonnovel2020/image/upload/v1588208811/127_vsojec.jpg
ツンは抱擁してからブーンの頭を砕いた。
カードを回収しブーンの指輪を左薬指にはめた。
最後の世界との戦いはあっさりだった。
ツンは前の世界で使い手だったので攻略法は知っていた。
世界は概念の擬人化だった。
世界が時を止めてパンチで腹に風穴をあけてくるのを見越し
無数の剣を射出体制にして一瞬で穴だらけにした。
https://res.cloudinary.com/boonnovel2020/image/upload/v1588208775/39_qydtit.jpg
ツンは「契約者のいない正常な世界」の願いを書き、カードを隙間空間の空にばら撒いた。
現実世界も塗り替わっていく。
正常な世界なんて誰の基準の正常かはわからない。
ただ、また愛するものと出会うだろう。
完
188
:
◆S/V.fhvKrE
:2020/05/07(木) 00:28:05 ID:.EuT441I0
【投下期間終了のお知らせ】
主催より業務連絡です。
只今をもって、こちらの作品の投下を締め切ります。
このレス以降に続きを書いた場合
◆投票開始前の場合:遅刻作品扱い(全票が半分)
◆投票期間中の場合:失格(全票が0点)
となるのでご注意ください。
(投票期間後に続きを投下するのは、問題ありません)
189
:
名無しさん
:2020/05/07(木) 10:11:46 ID:ANi1RXOU0
乙
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