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Ammo→Re!!のようです

995名無しさん:2021/09/19(日) 08:56:10 ID:ctbjoZXk0
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同日 PM11:59

イーディン・S・ジョーンズは防寒着を着込んだ状態で、その場に腕を組んで立っていた。
彼の耳にはイヤーマフが装着され、視線は星空に向けられている。
正確には星空ではなく、その下。
修復が完了した規格外の巨大さを誇る“対都市攻略用強化外骨格”棺桶、ハート・ロッカー。

約240メートルの巨体がこうして空の下に姿を晒すのは、恐らく、開発されてから初めてのことだろう。
とは言え、地下に作られた施設の天井が開いただけであり、その全貌を地上に出しているわけではない。
今から行う実験に伴い、一時的にその姿を見せるだけなのだ。
右肩に装着された巨大な砲門は、狭い場所での運用を可能にするために折り畳み式の砲身を採用した。

折りたたんだままでの使用も可能だが、今回の実験では展開して長距離精密砲撃を行う必要があった。
ジョーンズは無線機に向かって声をかけた。

(’e’)「よーし、用意はいいかな?」

彼らには時間がなかった。
世界を変えるという大義を実現するためには、圧倒的に時間が不足している。
今現在、ラヴニカから部品の到着を待っている段階だが、いつまでも待つことが出来ない。
彼らに今必要なのは、超長距離精密砲撃が可能であるという事実と実績だった。

(’e’)「よし、位置につきたまえ」

再び無線機に声をかける。
しかし返事はない。

996名無しさん:2021/09/19(日) 08:56:34 ID:ctbjoZXk0
(’e’)「コードの入力だ」

その言葉に対して、返事とは言えないが、反応があった。

『そして、大好きだった物も忘れていく。 私には一つだけ残っている』

淡々とした女性の声が無線機から聞こえてきた。
その直後、ハート・ロッカーの全身が僅かな軋みをあげて動き始めた。
やや前傾姿勢を取り、折り畳まれていた砲身を動かす。
長大な砲身を上空に向けたまま、ゆっくりと無限軌道が後退する。

地響きのような音が響き渡る前に、ジョーンズはイヤーマフを装着していた。

(’e’)「うんうん、いいぞ。
   さて、後は微調整だな。
   砲身をもうちょっと下にしてくれ」

細かな指示はそれから2分ほど続き、ようやく砲身が固定された。

(’e’)「じゃあ、撃ってみよう」

直後、爆音が施設中に響き渡った。
閉鎖的な空間の空気全てを震わせるほどの音は、イヤーマフを貫通し、ジョーンズの耳の機能を一時的に奪った。
夜空に向けて放たれた巨大な砲弾は弧を描き、南に位置するブーオに向けて進んでいく。
3分ほどして、ジョーンズの持つ無線機に反応があった。

『……ちらスカイアイ。 繰り返す、こちらスカイアイ。
聞こえるか?』

(’e’)「あぁ、聞こえるよ。
   で、どうだった?
   修正はどれくらい必要かね?」

『着弾先は市長邸宅。
市街地への被害は見られません』

(’e’)「ひとまずは命中か。
   よし、次は焼夷弾とフレシェット弾を連続で撃ってみよう」

大型クレーンによってハート・ロッカーから巨大な薬莢が取り除かれ、すぐさま別の砲弾が装填される。
その間、ジョーンズは腕時計の秒針に目を向けていた。

(’e’)「装填完了に15秒だ!! 次はもっと短縮してくれたまえ!!
    ようし、座標の修正を完了したかな?
    では二発目、いってみよう!!」

再びの爆音。
しかし、先ほどとは違い、クレーンの作業員はすぐさま薬莢を取り除き、装填作業を行う。
お互いの聴力がまだ完全でない中、ジョーンズは聞こえていないことを前提に声を荒げた。

997名無しさん:2021/09/19(日) 08:56:54 ID:ctbjoZXk0
(’e’)「12秒!! いいぞ!!
   着弾点はどうだ?!」

『市街地に着弾、山にも引火しました。
消防隊が動き出しています』

(’e’)「うんうん、いい判断だ。
   フレシェット弾、いってみよう!!」

災害的なまでの音が、三度施設を揺らした。
放たれたのは数万の鋼鉄製の雨を降らせるフレシェット弾。
木造の家屋程度であれば、容易に貫通し得るものだ。
そしてその圧倒的な数、起爆するように設計された高度。

鉄の驟雨は容赦なく住宅地に降り注ぎ、地上に血の海を作り出す。

『……着弾を確認。
まだ生存者がいる模様』

(’e’)「うーん、そうなると後は……
   毒でもまいてみようか。
   よし、装填作業開始!! 今度はベストタイムを頼むよ!!」

排莢と装填。
射撃と成果の確認。
修正と実行。
そして再び排莢と装填を行い、砲撃精度の確認がされる。

全ては訓練通りに行われ、ブーオは一夜にして死で溢れ返った。
対岸でその爆音と炎を確認した人間は大勢いたが、その原因を知る者はいなかった。
翌日、一部のラジオと新聞ではブーオが秘密裏に開発していた兵器が暴走、爆発を起こした結果の悲劇であることを報じた。
だがどの報道関係者も、ブーオに取材に行こうとはしなかった。

海には依然として機雷があり、命がけで取材をしなければならないからだ。
そこまでして中立の街を取材する価値が見いだせない以上、誰も真実を探ろうとは思わない。
それよりも記者たちの関心事は、クラフト山脈で発生した雪崩と轟音の関係性についての方に向けられていたが、それもごく僅かだ。
しかし――

――イルトリアとジュスティアだけは、ブーオに起きた一連の事件に関する精確な情報を得ていた。

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Ammo→Re!!のようです
Ammo for Rebalance!!編

第二章 【roar of dreamers-夢見る者達の咆哮-】 了

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998名無しさん:2021/09/19(日) 08:58:42 ID:ctbjoZXk0
これにて今回の投下は終了です

質問、指摘、感想など有れば幸いですが、
次スレにお願いします

Ammo→Re!!のようです
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