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( ^ω^)文戟のブーンのようです[6ページ目]
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【このスレについて】
●このスレは何か
→ブーン系の品評会企画です。
作品による競い合いと、それによる作者同士の研鑽を目的としています。
●品評会はどう行うのか→>>2参照
●どうすれば参加できる?→>>3参照
●スレタイにある『文戟』って何?→>>4参照
【その他のルール、細則>>5】
【生徒名簿>>6】
【まとめ】
https://bungeki.jimdofree.com/
【過去スレ】
テストスレ
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( ゚д゚ )「……」
(´<_`;)「こんちわ、いい天気ですネ。ハハ……」
(; ゚д゚ )「動くな!こちらP5、暴行事件発生、男性二名が──」
(;、;トソン「きゃー!いやーっ!!」
( ;_ゝ;)「あーっ!もういやーっ!」
俺は運転席にすっとんでアクセルを踏みつけた!
エンジンが唸り車は踊るように走り出す!
……ランジア警察の場合、逃げた方が安くつく。
聞く耳持たないどころか、薬物や銃の無断携帯の嘘の罰金までついてくるからな。あいつらはいつもそう。
それにありがたい事に最近は、イキの良い町のダニよりも、海外赴任者とかの太ったカモから賄賂をせびるのが、彼らのトレンドなのだ。
ところがだ。そんなランジア警察が、今日はなかなかしつこかった。
路地から路地へ……おんぼろビルの谷間を縫う。
穴だらけのアスファルトでタイヤが跳ねるたびに、どこかで何か壊れる音がした。
やがて雨はスコールになった。
……サイレンが方々から湧き、波のように押し寄せてくるのがわかる。
(´<_` )「……しつこ過ぎないか?」
(#´_ゝ`)「しつこ過ぎるぜこのクソアマ!」
(<_`#)「おい兄者何してる?こっち手伝え!」
ソン⊂(# ´_ゝ`)「何してると思う?このシットな声が聞こえる?」
(゚、゚;トソン⊂「大丈夫です!私が警察の人とお話しします!任せてくださいきっとうまくいきますよっ!」
防護衣の視認性バツグンなイエローカラーと、背中に印字された、ド派手な企業ロゴが目に入る。
さて、どうしたものかな……
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右手から新しいパトカー。
クラクションを叩きながらシラーバストリートへ抜ける。
ストリートは人質兼目眩ましみたいなもんだな。
俺はケリをつけたかったんだ。ところが……
どうしてこうなった?
(>、<;トソン⊂「お〜〜い警察官のみなさ〜〜ん!勘違いですよ〜〜!本当の悪者はビツ工場にいますよ〜〜〜!!」
トソン⊂(;´_ゝ)「おい弟者ブーンの店が吹っ飛んだぞ!マジで最悪。デブ警官め突っ込むならそこのくそ不味い飯屋にしろ!そこだ!ヤー!」
(´<_` )「ポジティブに考えよう、これでしばらくツケの心配をしなくていい……」
本当にどうしたものか……いや、どうしてやろうか。
物騒な作戦に思いを馳せてカーブを曲がる……瞬間!巨大な何かが脇を掠め、車がギリギリと振動した!
突然の事だった……幸い、俺の手は脳ミソより早く動いていた。
サイドミラーはもげてしまったが。
(;゚_ゝ゚)「Pag-32……」
兄者が呻く。カンペキな異常事態だ。
連中の目的は女の保護でも、俺達の確保でもない。
決まりだな。
(゚、゚トソン「Pag-32……って何ですか?」
(´<_` )「この国でもっぱら人を押し潰す時に使われる乗り物」
( ´_ゝ`)「な?言った通りだろ?説明したって無駄だって!完全にアホなんだよ、そして今、アホの第二段階に入った」
(゚、゚;トソン「そんな……どうして?」
(´<_` )「知らん。知らんが連中の狙いはアンタだ」
( ´_ゝ`)「そして警察は、俺達と君が大親友だと思ってるみたい」
(´<_` )「どうやらこの数時間で、取り返しのつかない何かが進んでしまったらしい」
( ´_ゝ`)「例えばここで、君を捨てて逃げたとしよう。それでも君は蒸発、俺達は後頭部に2発の銃痕のある自殺をするハメになるだろう」
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(゚、゚;トソン「……どうしたら、いいですか?」
( ´_ゝ`)「協力するんだよ」(´<_` )
(´<_` )「困ってる人を放っておけないだろ〜?」
( ´_ゝ`)「大丈夫、礼は必ず貰う。正義のヒーローじゃないんでね」
(´<_` )「な?悪い話じゃないだろ?」
(゚、゚トソン「でも……警察の狙いは私です」
( ´_ゝ`)「でも君を暴行して誘拐して暴走してるのは俺達だろ?」
食い下がる女だが、ついに兄者がシートベルトで固定してしまった。
緩んだスコールの向こう、目前の交差点をのっそりと塞ぎ、Pagが行進しているのが見える。
……サイレンが近い。
火事場で肝心なのは、馬鹿力でもお祈りでもマトモな思考でもない!己のセンスだ!
(´<_` )「ケツをまくるぜ〜〜〜っ!」
テールランプをたなびかせ、スピンターンでパトカーを滑らかにいなす。
Pagが何かを粉砕した音と、女とタイヤの絶叫は煙が出そうな激しさだ。
( ´_ゝ`)「なぁ、そこのトタンと生け垣、どっちが薄いと思う?」
(゚、゚";トソン「ラッツ?」
喜ばしくも土建屋が、この辺りだけ工事をサボったらしく、土手からバイパス道路へ降りられるようになっていた。
しかも住民の涙ぐましい防音対策のおかげで、この近道を知っているヤツは殆どいない。
(゚、゚";トソン「ハオ、ハオ、ハオ……ラッツ?」
( ´_ゝ`)「おっ生け垣の方か!俺もそう思っていたんだ!ヨシ行こう!」
(゚Д ゚";トソン「ぬわーーーーーーーっ!!!」
俺はスカルチノフ爺さんの生け垣の、一番薄そうなとこを目指した。
生け垣はけっこう固かったよ。
ありふれた景色がちらりと目に入る……ガスボンベと鍋、大量の風邪薬の空き箱……
間もなく、車はライトを飛ばして土手を駆けた。
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(;、;トソン「……」
( ´_ゝ)「……」
俺達を弾丸とヘリから守ってくれたスコールは消えてしまった。
なんとか合流したバイパス道路は広大で、長距離トラックが像の群れのようにぞろぞろ進んでいる。
トラックのタイヤ磨きを翻し、東方面の車線へにじり寄る……もう少し………あとちょい!
(´<_`#)「あーっクソ!」
( ´_ゝ`)「なぁ、あそこのヴァンなんだけどさ……」
この不気味な一報を聞き終える事はできなかった。
二台のパトカーが詰めて来たからだ。嬉しくない事に前方にはダンプカーのケツ!
ズドンと伝う衝撃に体が弾んだ、シートベルトが骨を軋ませる。なすすべもない。
暴れるハンドルにしがみき、時速100㎞超のつばぜり合いが始まった。
車体は火花と煙を上げてガタガタもがいたが、ダンプのタイヤは着実に迫っている……もう、鼻の先まで……
危機一髪!力の矛先がズレた。
喜ぶ間もなく爆炎にあおられ、隣のパトカーは横転。
俺達の車は待避所の防音壁へ突っ込んだ。
気を失うほどではないが、それでも頭がクラクラする……
発砲音と、男の怒号と悲鳴……文句の内容から察するに、兄者がパトカーに…………ってアレッ?
身をよじって確認すると、複数の影が炎に伸びあがる中、兄者がコンテナを飛ばして応戦していた。
ハチの巣にされかねないこの状況で、簡易保冷庫は素晴らしく役に立っているようだ。
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(;゚_ゝ´)「おい!?お前いつの間にシートベルトに絡まったんだよ!?」
(;、;トソン「ひどいよ〜!あなたが縛ったんでしょ〜〜!」
イカンイカン!
車を急発進させ照準を奪う。
待ち構えていた兄者が飛びかかり、次々と外へ殴り飛ばしていく。
(;>_ゝ<)「うわ!」
_
( ゚∀゚)「よく逃げたなぁ〜トムラ。死とi3の用意はできたか?あとお友だちへのあいさつはすませたか?ナンマイダ〜って」
( 、 ;トソン「ナスタルーデ!グラッヅィ!グラッヅィ!」
_
( ゚∀゚)「真の男たるもの、命乞いなど気にもかけん!なぜなら同情したって、すてきなストーリーは始まらないからだ!」
ケンカにはけっこう自信があるのだが、驚くべき事に、兄者は押されているようだった。
嫌な音が休む間もなく聞こえてくる。
(´<_`;)「私の兄さんを倒したようだな……しかしヤツはこの中で最弱。俺は強い……すんげぇ強いぞ、逃げた方がいいぞ」
_
( ゚∀゚)「いや、そういうとき大抵2人目が雑魚」
バックミラーの中で、兄者の首を離した男の燃えるような金髪が輝いた。
こっちまで来られたらマジでオシマイだ!
ゆっくりと汗を拭って、ハンドルを握り直す。
_
(;゚∀゚)「!」
エンジンが吠える!タイヤがおどり、遠心力が車内を叩きのめす。
一人がやすやすと、一人が無惨に跳ね回る。
( _ゝ )「今だ捕まえろ!」
すかさずスピンをかけ、敵を左のドアへ押し付ける!DC炊飯器の砕ける音と、遠ざかるうめき声が最後だった。
高架橋を風のように、一気に駆けのぼるボロボロの車。
( 、 トソン「」
(#)´_ゝ`)「ヤツがあれで死ぬとは思えん!急げ!お前も、いつまで、寝てんだ、よっ!人が保冷庫で寝て大丈夫なのは10分までだ!!」
(´<_` )「あのさ!てかさ!道空いてねっ?!」
_, ,_
(#)´_ゝ`)「……」(´<_` )
……なんか、イヤな予感が…………
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予感は的中した。
Pagが、カブトムシみたいな装甲を嫌らしく並べて道を封鎖している。
完全包囲、充分なサインだ。
これで引き返すヤツは三流のマヌケ。
降参してチャンスをうかがうのが二流。
一流はそもそもこんな事にならない。
俺達は流石だった。
アクセル全開でPagに突進。
捨てられる物はすべて捨て、きたる瞬間に備える。
体が震える、匂いが焦げる……最後に俺達は、連中の驚いた顔と迫る死の壁を見た……
そして連中も見たハズだ!一直線に突っ込んできた車が、ほんの手前で右に逸れ、スコール対策の斜面と縁石によって飛び上がるのを!
ガードレールをかすめ、約2000kgのボディが誇らしげに宙を舞う。
内臓は重力を失い、血液がスッと冷える。
フェルナンブコのこずえに着地すると、車は地面へ落下した。
当然地面にはアスファルトが敷いてあり、それは高架下を通って東へと続いている。
振り返らなかったのでわからないが、ヤツら唖然としてるに違いない。してたらかなり嬉しい。
捜索は夜を徹して行われ、やがてハラサ埠頭で俺達の車を見つけるだろう。
もちろん車は海の底さ、しかし死体は見つからない。
それじゃ俺達はどこへ行ってしまったのか?
新しいマンホールは犯罪防止用の錠がついているんだが、最近閉鎖されたハラサ埠頭では旧式のままだ。
……二番倉庫と三番倉庫の間のマンホール。
はた目では気づかない、小さな、新しい引っ掻き傷が……ついてるハズだ。
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(´<_` )「おい──」
(; ´_ゝ`)「くっさ!頼むから今話しかけないでくれ!ゲロ吐きそう!」
(´<_`#)「その言い方だと俺が臭いみたいに聞こえないか?」
(; ´_ゝ`)「事実だろ…しかしお前よく平気だな」
(´<_` )「ほっとけ、なぁ、それよりどう思う?」
( ´_ゝ`)「そうだな……凄まじき便臭だ。もう耐えられない。月日を微塵も感じさせない、まるでついさっき──」
(゚<_ ゚ #)「クソから離れろクソ野郎!これからどうすんだって事だよ!」
( 、 トソン「……けほ!はぁ……」
下水道と言えばあまり良い話は聞かないが、ここは特に不愉快だった。
寒い、本当に寒い、寒すぎる。鼻水が止まらなくなるくらい。
悪臭がわからないのも、鼻が詰まっているせいだ。
本当にまいった。
さんざん痛め付けられて、体のふしぶしがズキズキするし、喉もおかしい。
オマケに頭痛がずーっと治らない。実はまだフラついてる。
これからその頭痛の種と向き合わなくちゃならないってのに……
(iii ´_ゝ`)「どうにもならんだろ、放送聞いたか?俺達、暴行暴走誘拐に加えて、なんか工場まで爆破した事になってんだぞ。当分お天道さまの下歩けないぞ、ここは、ルビコン川の向こう岸だ」
(´<_`iii)「だからさ……ってキモ!顔真っ青だぞ!は?なんで?お前酷い下痢でもしてるんじゃないのか?」
(iii ´_ゝ`)「ン?んー……あれ、てかお前もだぞ」
( 、 ;トソン「みなさん、本当にごめんなさい」
( 、 ;トソン「私が、これからの事についてお話しします」
(iii ´_ゝ`)(´<_`iii)
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(´<_`iii)「言っておくが、そのキズやらタンコブやらに対するクレームは一切受け付けないからな」
(iii ´_ゝ`)「感謝御礼なればいくらでも、さぁどうぞ」
( 、 ;トソン「……やっぱりもう少し、私に協力してください」
(iii ´_ゝ`)「うん?」(´<_`iii)
(゚、゚iiiトソン「死にたくなければ!どうか!」
驚いたドブネズミ達が、キーキーと足の上を走っていったが、俺達は氷のようにひたすらたたずみ、誰も何も言わなかった。
女は防護衣を脱ぐと、しょっていたメディカルポーチを開いて見せる。
覗けば小さなチューブ容器が、シケたサンドイッチの具のように挟まっているだけだ。
(゚、゚iiiトソン「これはウイルス特別輸送用培地。保存されていたのは、i3というウイルスを加工した物です」
シリコン製のチューブ容器。
スマイリーフェイスが3つ刻印されたゴム栓は、ミッチリ接着されているが……
(゚、゚iiiトソン「ご覧のようにすべて気化しています。目視では確認できませんが、おそらく、逃げる際にどこか破損したのでしょう」
(゚、゚iiiトソン「このウイルスは急激な熱性疾患として発症し、悪心、頭痛、関節痛、上気道炎症症状、呼吸器症状、めまい、発汗、まれに猩紅熱様発──」
(; ´_ゝ`)「おいおい俺は弁当売りだぞ?もっとバカみたいに教えてくれ!」
(゚、゚iiiトソン「私達は"すごくひどい風邪"にかかっています、それを治療する為に会社の研究センターへ来て下さい」
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(´<_`iii)「……めんどくさ、そこらで寝てりゃ治るだろ」
(゚、゚iiiトソン「たしかに普通のi3ウイルスなら、症状が出る方がまれなんです。でもこの合成したi3ウイルスは……」
(´<_`iii)「なんか……マズいの?」
(゚、゚iiiトソン「潜伏期間が非常に短く、しかも重症化しやすい……適切な治療を行わなければ致死率もはね上がります」
(´<_`iii)「ヤバくね、俺達西から東へ大移動してきたんだぞ……?」
(゚、゚iiiトソン「そう!そこなのです!そこがこのウイルスの一番の特徴で"トロイアワクチン接種者のみ"に特殊な症状が出るのです!」
(iii ´_ゝ`)「……」
(´<_`iii)「えーっと……つまりだな……俺達の感染したウイルスってのは普段は無害だけど、トロイア病の予防接種を受けたヤツには有害って事だ……OK?」
(゚、゚iiiトソン「間違いありません」
(iii ´_ゝ`)「こういう時、頭良いと便利だよな〜」
(゚、゚トソン「まさか警察から追われる事になるなんて……トラブルに巻き込んでしまって、本当にごめんなさい……」
(´<_` )「いや、警察に関しては俺達、自業自得な部分あるから」
(゚、゚トソン「助けていただいた事は本当に感謝しています。センターに行けばハイン先生と連絡が取れるので、もう少し協力して貰えないでしょうか」
( ´_ゝ`)b「ウンウン!困ってる人を放っておけないしな!」
d(´<_` )「そうそう!その代わり、隠し事はナシだゾ!」
(^ー^*トソン「もちろんです!ほんとうにありがとう!」
目的を見つけた俺達は、再び歩き出した。
そうさ、目的はいつだって堪え忍ぶ力となり、歴史を動かしてきたんだ。たとえそれがどんな内容でもな。
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──女はトソン・トムラと名乗った。
ランジアの製薬会社、ハイド製薬に勤めている薬剤師なんだと。
ぶっちゃけ、それは途中から知ってた。防護衣にでかでかと印字してあったからな。
( ´_ゝ`)「試験ウイルス?」
(゚、゚トソン「ハインリッヒ先生からのリクエストです。私はワクチンを開発していました。i3は培養細胞での保存・増殖性に問題があり、プラント工場を使用していました。受精卵だと問題ないのですが……」
俺達が感染したのは、ハイド製薬が秘密裏に開発していた試験ウイルスで、曰く、増殖機構の解明や、ワクチンの開発に使用するらしい……いいねいいね、キナくせぇ臭いがプンプンする。
それはまことにけっこうだが、ヤベーもんは持ち歩くなよ……迷惑な……
(゚、゚iiiトソン「それでビツ工場を視察する予定だったのです。でもヘンな女性に襲われて……私とっさに──」
(´<_`;)「……その女……ゴホゴホ」
(iii ´_ゝ`)「それだけ持って逃げたんだ、よく無事だったね」
⊂(゚、゚iiiトソン「無事じゃないですよ!すっごく怖かったです!親指を下にして、こう!手を後ろに……でも途中で煙がボワーーーってなって、女の人がいなくなって……」
(iii ´_ゝ`)「う〜わ〜、ひどい目にあったね」
(゚、゚iiiトソン「そうなんです!でも工場は……残ったサンプルはこれだけです」
……じめじめした悪寒が背中に張り付いて離れない……喉を、少し動かすだけで、熱い痛みが頭に響く……
つーかよくコイツら元気に喋れるな、俺みたいな繊細な人間は無力だ。
見たところ、知能指数が高いほど効果があるような……悲劇的だ。
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イ从゚ ー゚ノi、 支援
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やがて旧下水道は都市水道に合流した。汚水がかくはんされ、こうこうと流れていく。
目的地まではまだまだかかりそうだ。
せっかく暇なので状況を整理しよう。……悪寒を忘れる為にも。
よーし考えるぞ。
トソン・トムラは薬剤師で、殺人ウイルスの生産工場にいたら、謎の女に襲撃されて、どういう訳か警察からも追われている。
そして我々は生活を失い、命を狙われ、健康を脅かされている……と。
ムチャクチャだ。
ぶん殴る理由があっても、お行儀よくおててつなぐ理由なんてない。
特にi3ウイルス。
これ承知できるバカは、そもそも生きるのに向いてないだろ。
トソンと俺達を繋ぎ止めているのは、彼女の恩師だ。
ハイド製薬のトップ、ハインリッヒ・ハインヒル……
ハイド社は、あの世界を揺るがしたオワタ事件後、急成長した貧困諸国の象徴的存在だ。
医療品のみならず、市販薬まで売りさばき、ランジアの経済規模を9位まで押し上げたとも言われるハインヒル氏は、世界で雄飛している。
そんなハイド製薬の黒い噂は絶えない。
俺達がi3ウイルスの話を知って、ニヤッとするくらいには。
病気はドル箱だ。金をもてあました人間は、笑えるくらい金払いが良いし、誰かを殺したい人に売ってもいい。
……ハイド製薬は、俺達がターゲットにしている会社だった。
トソンはハインヒルと繋がりがある。
ハイドはぜったい攻略したい……でなきゃ大赤字だ。
ここはルビコン川の向こう岸、賽は投げられた。
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(゚、゚トソン「女の人は、ハイン先生の居場所を知りたがってました、警察の人はi3とあと……」
( ´_ゝ`)「女の人はわからないけど、警察は密告があったんだろうね」
(゚、゚iiiトソン「密告?」
(iii ´_ゝ`)「そう、心当たりない?バレたらマズい話」
(゚、゚iiiトソン「……ウイルスは企業秘密であって違法性はないですよ」
( ´_ゝ`)「ランジアではね。他に何か、恨みを買うような……」
煎じるように話を聞いていた兄者の、声の響きが変わったように思う。
そうとも、ここからが問題なんだよ。
憎悪と羨望と嫉妬に焦がされる、ハイド社の秘密を、誰よりも早く嗅ぎつけた存在がいる
ランジア警察をけしかけたのはソイツだ。
しかもソイツは、恐ろしくリッチで必死らしい。
基本、賄賂でなんでもやってくれるランジア警察だが、それでもPagまで使わせてるのは初めて見た……
しかも、最初にトソンを襲った女と、そこにケムリを放った人物もいる。
会社が襲撃されるのは、そこまで珍しい事じゃない……
だからあんまり気にしてなかったが、ハインヒル氏の居場所を知りたがっていたのなら、話は別。間違いなく関係者だろう。
警察サイドに関して、ひとつラッキーなのは、怨恨の可能性が低い事。
国際警察にチクらない辺り、相手はあくまでウイルス狙いらしい。
同業者かマフィアか宗教か……もしかしたらヨソの国かもな。
どうだこれ?中々いい線いってるんじゃないか?
(゚ ゚トソン「ハイン先生は良い人です」
(゚ ゚トソン「先生は、私たちにお金と未来と、チャンスをくれました。ヴァルデューリ、誰もくれなかったチャンスを……」
(゚ ゚トソン「ハイン先生は、どんな国よりすばらしい方です」
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(゚ー゚トソン「あなた達も、本当にすばらしいですね」
(; ´_ゝ`)「ど、ども……」
猫がヘビをもてあそぶみたいに、あれこれ聞きほじっていた兄者がひるんだ。
どうもこの女、ハインヒル氏の事になると不気味ほど熱心になるようだ。
ただでさえ悪い調子が、ますます悪くなっちまう……誰かに似てる気がするんだが……思い出せない。
(゚、゚トソン「だって、ちゃんとトロイアの予防接種をしています。せっかくトロイアのワクチンができたのに、この国の人達、誰も受けません。あんな恐ろしい寄生虫症……」
(iii ´_ゝ`)「………………予防接種はランジア衛生協会から貰った。なぁ弟者?でも詳しい事はわからないな。俺は忘れっぽいタチだから」
………………俺は正直、この女が、あの悪名高いハイド製薬に勤務する人間だとは、今でもちょっと信じがたい。なぜなら──
(゚、゚iiiトソン「それに、下水にも詳しいです」
(iii ´_ゝ`)「うん、前に何回か来た事があるんだ」
(゚、゚iiiトソン「ランジアのお弁当屋さんって、思ったよりずーっと色んな所に配達するんですね」
(iii ´_ゝ`)「エヘヘ」
──なぜなら世間知らずが過ぎるからだ!
見知らぬ男(しかも二人組)と行動したり、ランジア警察を説得しようとしたり、……トロイア病の予防接種を"やらない"だとか……少なくとも俺の知り合いには、好きでトロイアに罹患したヤツはいないぞ。
それに……ちとしゃべりすぎだ。
他人だからありがたいが、味方だったらゾッとする。
どうなってんだ世界の教育水準。大丈夫かハイド製薬。
……彼女の中の、透明で暗うつな何かがそうさせているのかもしれない……頭が、痛い。
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便秘症の腸みたいな管をクネクネと追いかけ、俺達はついに廃ビルのボイラー室に出た。
二人と違って、底なし便所から抜け出せてサイコー!とはいかなかったけどな。なにせ俺の鼻はずーっと詰まっている。
それでもやっとたどり着いた研究センターは、宮殿みたいに感じたと思う。
俺達は職員玄関から侵入したらしい。今はメインホールにいるようだった。思い出せないのだ。後部座席でまどろんでいるみたいに、ぽとり、ぽとりと意識が戻ってくる。
(゚、゚トソン「私の家は臨床検査機器を開発をしていました。バイオ医薬品や、薬剤充てん用シリンジや……」
( ´_ゝ`)「継がないの?」
(゚、゚トソン「継げないのです。会社はオワタ社の倒産事件の余波に巻き込まれました」
(; ´_ゝ`)「あっ……ホント……」
(゚、゚トソン「両親は努力していますけど……見通しは立っていません。きっと疲れがたまってるんです、すぐ良くなります」
( ´_ゝ`)「そっか……でも君の活躍を見たら、ご両親も安心するんじゃない?」
(゚、゚iiiトソン「両親は私がハイドに務める事を承知しないです。絶対に」
(`ー゚iiiトソン「二人は自国の産業を守ろうとしているんですね。自分達の暮らしは自分達で支えるべきだと」
乾いた休日の朝日が窓からさし込み、無人の廊下を導いている。
壁のボードマップには、ハイド社が海外に置いている製造事業体が、写真つきで説明されていた。
写真には、必ず一人の中年女性が写っている。
優しさのきざまれたほほえみ。
冬に挑むキダチダリアのように、しゃんと伸びた背。
ランジア人に多い赤毛も、やはり上品な年の重ね方をしている。
そんな、広告とまったく変わらないハインヒル氏の隣に、トソンがいた。
(iii ´_ゝ`)「君はナルジェーから?」
(-、-iiiトソン「ナルジェーは良い国です。ランジアも、良い国です。オワタ社も、良い会社でした……」
(゚、゚iiiトソン「しかしオワタ事件をきっかけに、ナルジェーの有名な大手企業が次々と倒産しているのは事実です。国の医療システムも、不十分です」
(^ー^*トソン「当社は、ランジアを貧困から救いました。私は、この働きが世界を導くと信じています。ランジアだけじゃなく、ナルジェーも」
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( ´_ゝ`)「はは……そうだな、ランジアはよくやった……本当に、よく持ち直した……でもここより西は酷かった」
(゚、゚iiiトソン「ランジアより西というと、ミカオとかキューチャとかですか?」
(iii ´_ゝ)「というかリーベシアと戦った国だな、おい弟者、パテくれ」
(´<_`iii)「……あ?あぁ……」
俺達は、とある部屋にたどり着いていた。
トソンが、カードかざしてもビクともしない。
中で、恐ろしい怪物を封じ込めている、とでも言わんばかりだ。
タバコ缶を投げる。
兄者は、尻ポケットをまさぐりながらタバコ缶を受けとると、トソンを押し退けドアノブに覆い被さった。
丸めた背中から、火薬の匂いが漂い始める。
( )「地下にいるんだ、アナウサギみたいにな。そんで、通路は狭くて子供しか出入りできない。すばしこいヤツが穴から出て、必要なものをとってくる」
( )「大人は言う。リーベシア兵は狂暴冷血、遊び殺してくるから、けして見つかるな。捕まる前に死ねってね」
( )「でも、優しいんだよ?キャンディーとかくれてな、それを親にやると喜ぶんだ。もちろん出所は誰にも言わない」
( )「裏切り者が、兄弟や友達に隠れてお菓子を貰いに行く。次に空気洗浄剤とか、虫よけとかも貰えるようになる……まぁ虫よけじゃなかったんだけどさ」
(iii ´_ゝ)「そして帰ってきた子供達は地獄を見る。こうして、リーベシア兵はアリの巣をせん滅させていきましたとさ……ほい、開いたぞ」
……なんか、兄者の具合もそうとう悪そうだ。
焦げたノブを掴んで中に入る。
壊れてしまったので、鍵はもう締められなかった。
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トソンの研究室は嘆かわしい惨状だった。
室というか、巣だ、巣。
ハエの大群みたいにくっついてる資料や論文が、コンクリートに敷かれた寝袋にまで侵食している。
そこの使い込まれた社食のトレイとか……部屋と部屋しか移動してないんじゃないか?って感じだ。せっかく外国に来たってのに。
なんか俺は、朝一の電車に乗るって理由で、トウキョーのサラリーマンたちがホームレスの隣で寝てたのを思い出した。
デスクに写真が伏せられている。手にとってホコリを拭くと、まるまっちい感じの夫婦が三人娘と共に笑っていた。
その横に、ナルジェ語で書かれた治療内容報告書と、手術の同意書が山積みにされている。
両親に宛てた手紙が、ゴミ箱に詰まっているのをぼんやり眺めていると、背を叩かれた。
(iii ´_ゝ`)「ほれ弟者、お前一番最初にやれ、血管に気をつけろよ」
写真をもとに戻し、注射器を受け取る。
……全てがうまくいってるように見えるなら、絶対に何かを見落としているハズなんだ。
最後に兄者が抗ウイルス剤を使おうとした、その時だった。
ドドンと、脳天にカミナリでも落ちたような爆音がとどろいた!
すさまじい衝撃波が木材とモルタルと、ガラス片と俺達を巻きあげる!
1080度の高速スピンが体に起き、全く方向がわからなくなり、半分しか残っていない壁が見えた。
ガレキの嵐を縫って、パトカーのサイレンが躍りあがらんばかりに鳴りだすと、やはり自分はバカだと知った。
── ──────── ──
──── ────
-
──── ────
── ──────── ──
────── ──
……波打つ砂塵のむこうで、ガラスを踏む音が聞こえる
足から胸まで、薬品棚の下だ
足音は何回か通りすぎたが、ついに俺を引きずり出し、ボディバッグに乗せた
二人はすでにそこにいた
どちらもピクリとも動かない
腕に違和感がある
ずいぶんこまごまと、体を調べられている
一人が覗きこむ
防護衣越しでもわかる、燃えるような金……終わりだと思った
-
―22
── ──────── ──
────── ──
ノパ⊿゚)「……」
寒い。
身体の感覚が戻ってきた……が、動かない。
腕が背中にくっついている。
目に、映るものに色はついている。音は鼓膜まで届いている。臭いがわかる。唇をそっと�筋んでみると、痛かった。
(´<_` )「……おっと」
ノパ⊿゚)「おはよう」
(´<_` )「ども」
後ろには手錠とコンクリ壁、横でトソンが死んだ犬みたいにぐったりしている。そんで前には……赤毛の女。
短く切り揃えた髪の下で、目をナイフのように光らせている。
ちなみに下は、錆びたガス缶がゴロゴロ散らかっていた。
ったく、昼さがりの空家のもの寂しさったらない。
過去の人影が、あちこちにたたずんでいる気がして、天井から光がさしてるのに、冷気がさむざむとこたえて来る。
ノパ⊿゚)「さ、協力してくれる?まずは名前から教えて」
(´<_` )「ウゥゥ……女の部屋にしちゃ清潔だな。アンタ刑務所にいたことない?」
俺は口笛を吹いて挑発したが、ガラスみたいに無視された。
状況がわからん。
だが、たしかな事もある。この女は警察関係者だ。
この、親指を下にして腕をまわすやり方は、ランジア警察の由緒ある逮捕術なんだ。
いや、嫌味じゃなくてマジで。
ノパ⊿゚)「どちらか知らないが、兄者弟者、なんて名乗らないで欲しい。おふざけできる状況じゃないのはわかるだろう?知ってる事をすべて話しなさい」
(´<_` )「イヤだな、俺より俺の事知ってるみたいじゃないか。俺がうかれて話したくなるような事、何か知らないのか?」
女は表情を動かさないまま、眼光をゆっくりと俺に突きつけた。
ノパ ゚)「何から知りたい?」
-
(´<_` )「アンタの名前」
軽はずみな話題が飛びそうになったが、ギリギリで飲み込んで、くそつまらない質問で返した。
こういう時、口がうまいと便利なんだがなぁ……まったく、兄者はどこ行っちまったんだ?
ノパ⊿゚)「ヒルトルート」
(´<_` )「ヒルトルート……ヒルトルートさんって、あのギャングを殺しまくってるヒルトルートさん?」
ノパ⊿゚)「そうだね、ヒートでいい」
(´<_` )「俺達なんでここにいるの?」
ノパ⊿゚)「私が助けたから。警察はあなた達を、こなごなにしようとしていた。センターごとね」
(´<_` )「どのくらい寝てた?」
ノパ⊿゚)「3時間くらい……いや、あなたの回復力には恐れ入ったよ」
(´<_` )「そりゃどうも、アンタの質問に答えたら俺はどうなるんだ?どうしたら自由にしてくれるんだ?」
ノパ⊿゚)「もちろん解放する、命の有無は返答しだい。さぁ次は私の番……ハインヒルの居場所はどこだ」
(´<_` )「社長は知らんが、社員ならここにいるぞ」
俺は質問の切っ先をやんわりとスライドさせた。
相手の動機が見えない以上、嘘をつくのは危険だ。
ヒートはため息をつくと、トソンを起こした。
( 、 トソン「うう……」
ノパ⊿゚)「やぁ、また会ったな。トムラ」
(゚Д ゚"トソン「ヒッ!ラッツ!?ラゲリータ!」
トソンはヒートと強烈に目が合うと、ミミズみたいに暴れだした。
思ったより元気そうだ。
ノパ⊿゚)「落ち着けよ」
(´<_` )「よっトソン、知り合いか?」
ノパ⊿゚)「ビツ工場で、トムラに話を聞いてたんだ。今みたいにね、あの時は邪魔が入ったが……おい、いい加減にしろ!ハインヒルの居場所を言え!」
-
(゚、゚#トソン「知らないっ!知ってたって、言うもんかっ!」
ノパ⊿゚)「いい気なもんだよまったく……邪悪な女め」
(´<_` )「そりゃ言いすぎだ、トソンはな、アホなんだ。ちょっぴりな」
ノパ⊿゚)「私が言ったのはハインヒルの方だよ」
(゚、゚#トソン「バラッツェ!ハイン先生を悪く言う!やめろ!」
(゚、゚#トソン「ハイン先生、約束してくれた!オワタ事件でボロボロのナルジェー、雇用も医療も支えるって言ってた!恩返しって!」
ノパ⊿゚)「素敵なご挨拶をどうも。だが挨拶以外ではたいてい最低な女だ」
( 、 #トソン「────!」
(´<_` )「どこら辺が?俺にはすんばらすぃー女性に思えるんだが?」
ヒートがほほえんだ。
興奮を口元ににじませて、眉根をじっとゆがめた。
ノハ ー )「あのね、あなた達を殺そうとしたのはハインヒルだ……ハイエナ警察をけしかけたのは、ハインリッヒ・ハインヒルなんだよ」
-
(゚、゚#トソン「ルックリュー!うそ!」
(´<_`;)「馬鹿馬鹿、相手はサンプルをご所望だ。ハインヒルが開発してたんだぞ?」
ノハ ゚ー゚)「そりゃあ欲しがるだろうね!偽装していたウイルスのプラント工場を、私が焼いてしまったのだから!」
(´<_`;)「次々と工場が爆発してたのはお前のせいかよ……」
ノハ ゚ー゚)「あの女は犯人探しに、警察を買った……今のマヌケデブな警察が、この私を捕らえられる訳がないのにな……」
(´<_` )「……トソン。ヒートから逃げるときにケムリが出たと言っていたな?何色だった?」
(゚、゚トソン「だから黄色ですってば!ボワーーーッて!」
(´<_`;)「あっ……そう……」
ノパ⊿゚)「あの女は今、新しい拠点を巨大貨物船に作っている……内部にネズミがいると思ったのか、ジョルジュという男を雇って、関係者の始末も着々と進めている……」
ノハ#゚⊿゚)「あいつは!ウイルスを増やしてばらまこうとしてるんだ!」
(´<_` )「その話。信じる証拠は?」
ノパ⊿゚)「ない。信じてくれとしか言えないね」
(´<_`;)「う〜〜む……」
信憑性はさておき、リッチで殺意満々の人間がハインヒルだけなら嬉しい話だ。
敵は少ない方がいい!絶対いい!
ヒートが嘘をついてなければありがたい……
トソンがなんの交渉価値もない、ハズレくじだったのは、なかなか残念だが。
重要人物かと思ってたのに……ハイド社の切り捨て対象だったなんてな。
悪巧みってのはやっぱ、色んな方面で危険が伴う、技術も費用も時間もかかる……ヘタすりゃ大損だ。
ランジアだとウイルスの合成は合法。
しかもクソみたいな治安だから、事故に見せかけて関係者を自由に殺せる。
培養細胞と相性の悪いi3ウイルス……
俺は今、兄者がどこにいるかわかる気がした。
(゚、゚#トソン「リウジー!でたらめ!暮らしなんとかする、みんな言う、ナルジェ政府も言ってる!でも行動してるのハイン先生だけ!」
ノハ#゚⊿゚)「暮らし?暮らしだって!?アイツのせいでランジアはメチャクチャだ!」
-
ノハ#゚⊿゚)「ランジアは確かに豊かになったな、でもそれはデータ上の話だ!ランジアの惨めな人間は職を失い、ハインヒルと、腐れ警察と、あんたらみたいな外人が富を握っただけだ!」
ノパ⊿゚)「効きもしない薬を安く売ったせいで、麻薬の抽出まで流行りだして……ハイドが飢餓状態のトロイア病患者を、一人でも減らしたかって話だ」
(゚、゚#トソン「トロイアワクチン、作った!」
ノハ# ⊿ )「あんなモン使えるのは金持ちだけだろうが!!定価くらい知っておけ!」
(´<_` )「しかたないだろ。近年のナルジェーは自国の技術力を取り戻すのに忙しかったんだから。ランジアに渡ってからトソンはカンヅメだったし……適当な常識を育むヒマなんて無かったんだ。うむ」
ノパ⊿゚)「それじゃ、ハイドを失ったらあの女には今何も残らないって事?ひっでー事言うなぁ」
(゚、゚#トソン「私信じない!あなたみたいな知らない人より、知ってる人信じる!さ、協力して逃げましょ!えーと……」
(´<_` )「弟者ね」
(゚、゚#トソン「逃げましょう、弟者さん!」
ノハ#゚⊿゚)「名前も知らない男を信じるってふざけてんのか、お前は。都合の良い事だけを信じたいだけだろ」
(´<_`;)「偉そうに……俺がどっちかわからんクセに……」
ノパ⊿゚)「弟者ねぇ……クヴァルダ・ビャチ・ザヴィ?あなた・の・名前・は?」
(´<_` )「双子は母親のオマンコに先に入った方が弟、先に出てきた方が兄になるんだぜ、知らなかった?詳しくは市役所に聞け」
ノパ⊿゚)「ブルーダー兄弟の日替り配食……ハイド社での売上は?はす向かいの印刷会社の方がよっぽど儲かりそうなのに、なぜハイド支社に新サービスを持ちかけたんだ?」
(´<_` )「ハイド社は金持ち。アル印刷はボチボチ。それだけ。宣伝しとくと、昨日兄者と試食したのはスンゲェうまかった。超オススメ」
ノパ⊿゚)「墜落事故をきっかけに倒産したオワタ社の事件……謎が多いよな?」
ノパ⊿゚)「なんで最新鋭の運送機が墜落したんだろう?しかも運送機なのに、何も積んでなかったんだ。多くの社員の、シークレットカードが消えていたのも不気味だね」
-
(´<_` )「なるほどそれは興味深い……でも何の役にも立たちそうにないな」
ノハ ゚ー゚)「……今はね」
また、ヒートがほほえんだ。
今度はどこか幼いような、夢見るような笑みだった。
ノパ⊿゚)「私はね、警察官だったんだ。まだランジア警察が誇り高かった頃」
ノパ⊿゚)「疑問だった……どんなに邪悪でも、どんなに苦労して捕まえても、お金を払えば出てこれる。払えなくても50年我慢すれば良い……何度も何度も、何度も何度も、同じ事件の繰り返し……」
(´<_` )「ハインヒルを殺すのか」
ノパ⊿゚)「伝えたでしょう?あなたの命は返答しだい……奪いたいのも、奪ったのも一人じゃない。さあ、教えて?他に仲間はいないの?あなたのバックは誰なの?」
( へ トソン「……」
(´<_`;)「アンタは何か、俺達をかんちがいしてるらしい。オワタ事件だかなんだか知らないが、本当に無関係なんだ。これも、信じてくれとしか言えないが……」
(´<_`;)「ハイド社の事も、アンタの事も俺には信じがたい。だからハインヒルがどんな人間なのか、実際に会って確かめに行こう」
ノパ⊿゚)「場所がわからない。船の動きが掴めないんだ。あの女は船にプラント拠点を移そうとしている……完全に移されたら、本当に手も足もでなくなる!」
(´<_` )「乗り込もうぜ?協力する。それで俺の活躍を見て、殺すかどうか決めてほしい」
ノハ#゚⊿゚)「だからその居場所がわからんって話だろうが!」
(´<_` )「ところがどっこい……ちょい、靴底はずしてみ?」
血で固まった制服をバリバリ鳴らしながら、足を持ち上げると、ヒートはあからさまに嫌そうな顔をした。
,_
(´<_` )「確かに、このにおいはちとキツいな……だが文句は下水監理局に言ってくれ。自由にしてくれたら自分でやるんだが……安心しろ、俺は逃げん。ハインヒル氏に預けものがある」
_,
ノパ⊿゚)「……」
はー、しんどかった!ヒートの前でこれ見よがしに肩をまわしてやる。覚えてろよこの野郎。
そんで靴底の中は……ヨシヨシ壊れてないな。
_,
ノパ⊿゚)「……ナニソレ」
(´<_` )「ブルーダー兄弟の日替り配食の新メニュー、おひとついかが?」
日が落ちてすっかり暗くなった室内に、ただそれだけ。発信器の受信画面だけが、ひとつ灯った。
-
ノパ⊿゚)「決まりだな」
話がまとまってからの行動は早かった。
本当に時間がないからな。発信器のバッテリーが持つのは、48時間……俺達が発信器を試飲したのは昨日の朝。まだ大丈夫だろう、たぶん。胃洗浄とかしてなければ。
( 、 トソン「……私も行きます」
(´<_` )「そんな必要ない、俺が見てきてやるから。ナルジェー行きの船でコウモリみたいにじっとしとけ。このおっかない女の気が変わる前にな……」
ノパ⊿゚)「いやいやいや、なんでこいつも解放される事になってるの?」
(´<_` )「あれま!トソン、残念だがここでお別れみたいだ……ま、タイミングの問題だ。予定なら、もう2回は死んでる……運命なんてそんなモンさ」
(゚、゚トソン「ウイルス系のセキュリティは厳重です。指紋認証の他に、光彩認証があります。指紋認証は指を切り取れば良いでしょうが、光彩認証は難しいですよ」
ノパ⊿゚)「削除されてるでしょ」
(゚、゚トソン「私は殺された人間です。殺した人間の心配はしていないと思います」
ノパ⊿゚)「目的は?」
(゚、゚トソン「ハイン先生がどんな人間なのか、もう一度会って確かめたい」
(´<_` )「どう思います?ボス?俺は反対」
ノパ⊿゚)「誰がボスだブッ殺すぞ。後ろにヴァンが止めてある、早く行け」
(´<_`;)「えーっ!」
ノパ⊿゚)「私が運転する、あなたは助手S──」
(´<_` )「いや、後ろで見張りをやる。最悪、戦闘になった時にやりやすい」
ノパ⊿゚)「わかった、後ろに乗れ」
d(´<_` )「まかせろ」
-
窓から差す軽快な朝日を顔いっぱいに浴びる……
いやぁ、実によく寝た!ほとんど全快だ!
見ると、どこかの駐車場にいるらしい、こまやかな砂に海の気配を感じる、運転席の方からはおいしそうな匂い……上々!
(´<_` )「諸君!いいもん食ってるな?ベイクドビーンズとトーストの組み合わせは冷えてても最高!で、俺の分はどこだ?」
ノパ⊿゚)「……」(゚、゚トソン
(´<_` )「腹ペコなんだが」
ノパ⊿゚)「……」(゚、゚トソン
(´<_` )「……」
俺は内ポケットに残っていたクッキーでがまんすることにした。
二人はクッキーを、まるでゴキブリか何かの様に凝視している。とーってもおいしいのに。
脳ミソに栄養補給したら作戦会議といこう!
で、できあがった作戦がコレだ。
1、適当な人を襲撃し、成りすまし、侵入し
2、抗ウイルス剤を回収し、兄者を回収し、ハインヒル氏と面談する
(´<_` )「以上だ!」
ノパ⊿゚)「バカじゃないのか」
(´<_` )「そう思うだろ?しかしバカにすることなかれ……いいから見てろ」
コンテナの影でストレッチをしながら答える。
それから俺はコンテナをよじ登り、毒蛇のように伏せて最初のチャンスを待った。
1台目の車……ボンベ運搬車。よそう、三人も乗れないし、後がめんどくさそうだ
2台目の車……機材のトラック。オッケー!行くぞ!……と思ったら後ろからもう1台来てた、ちぇっ。
3、4台目も同じような感じ。……二人の視線が痛くなってくる……せっかちめ。
5台目……冷蔵車。もうこれでいいや。
血と、ヘドロでどろどろの男がルーフに飛びうつり、膝を固めてドアガラスをぶち破った!……トラックはしばらく蛇行し……停車する。
やがてコンテナのところまでバックしてくると、中から作業着姿の男が手招きした。
ノパ⊿゚)「スマートじゃない」
(´<_` )「……」
-
助手席にトソンを、冷蔵庫にはヒートとドライバーを入れた。
ヒートにはドライバーが目を覚ました時の、万が一だと力説しておいた……
トラックは、いつも通りに貨物船へ乗り込んだと思う。
待機場みたいなとこに通されると、バインダーを持った誘導員が眠たそうに近づいてきた。
( ´ー`)「えーっと、はい、誘導番号は?」
(´<_` )「はいはい、ちょいとお待ちを……えっーと、34っすね」
( ´ー`)「34……34……はいよ。品目は……見てもわからないし、めんどくさいし口頭で教えてください」
(´<_`;)「品目っすか……いっぱいあるんで、ちょっと覚えてないっす」
( ´ー`)「ですよねー、はぁ……じゃ、ちょっと確認させてもらいますね」
(´<_`;)「あの──」
(゚、゚トソン「私が覚えてます。製剤用血液バッグ856個、400mL血液バッグ216個、600mL血液バッグ156個、2単位バッグ900個、採血チューブ66……」
(;´ー`)「あーえー、もう大丈夫です。オッケーです」
誘導員はバインダーに挟んだ紙にチェックをつけると、トラックを搬入エリアへ誘導した。
(´<_`;)「ナイスだ!よくごまかした!」
(゚、゚トソン「暗記するのは得意なんです」
(´<_` )「バカいえ、見たのは一瞬だろ」
ちょっと奥まったところで、壁に隠れるように駐車する。冷蔵庫を開けると、中でヒートが鼻水たらして震えていた。
ヘヘ、ざまぁみろ。
冷蔵搬入室に次々と積み重ねていく……製剤用血液バッグ100個入りの箱が8、400mL血液バッグ200個の箱、600mL血液バッグ50個入りの箱が3個、バラ品56、バラ品16個、バラ品6個……採血チューブ……
物品をしげしげ数えながら次のチャンスを待つ。
やがて、搬入室の扉の向こうからペチャクチャとおしゃべりする声が近づいてきた。
現れたのは防護服を纏った職員だ。
防護服は頭から爪先まですっぽりとおおっている。人数は二人……いいぞ、悪くない。
-
( [ ])「……ん?おい君、そこで何してる」
( [ ])「早く次の仕事に行きなさい」
(´<_`;)「すんません……近くのコンビニのトイレが壊れてて……ちょっと貸してもらえませんかね?」
俺がトイレに案内してもらってから、15分後くらいかな……扉から防護服を着た人物が、ダストカートを押して現れ、冷蔵トラックに乗り込んだ。
そして冷蔵トラックの中で、防護服を着た人物は二人に増え、ダストカートはずっしりと重くなった。
ドライバーを引きずり出し、一番重そうな金属タンクを、少しへこませてトラックとドライバーの間に寝かせておく。
([ ] )「これぞ、まさしく、事故なのだ」
【 】「……本当にこれで大丈夫なんですか?」
([ ] )「突然の事だったし、夢みたいなもんさ」
船内には独特の暗さが漂っていた。長い廊下がしらじらと照らされ、新しい施設なのにも関わらず、古い病院のような無情さがある。
強い消毒液のにおいが、生き物の気配を消してしまったようだ。
天井には監視カメラが、まるまるしたクモみたいにくっついている。
( [ ])「で、どうする?」
([ ] )「言っただろ、兄者か抗ウイルス剤が先だ。ケンカしにきた以上、味方は多い方が良い。ハインヒルと面談して、ハグして手土産もらって、エントランスまで見送ってもらうつもりなら別だが」
( [ ])「わかったよ、抗ウイルス剤から行きましょう。トムラ、心当たりはないの?」
【 】「ウイルス剤は冷所保存になりますので、ヒントにしてください。i3ウイルスは危ないので、下層に隔離されているのでは?」
( [ ])「冷所、下層ねぇ……手分けしましょうか?」
([ ] )「ダメ、絶対ダメ」
( [ ])「なんで?」
([ ] )「連絡手段がないのに無謀すぎる、発信器なんてまだ──」
('、`#川「ちょっとあなた達!何してるの?」
( ; [ ])「はぃぃぃ!」([ ] ;)
-
俺達に声をかけたのは、背の高い女だった。
小鳥のクチバシみたいな、とがったマスクをつけている。
えっ嘘だろもうバレたのか?不吉な感情が渦を巻く。
('、`#川「あなた達はそれを持って、散歩してるのかしら?調剤室のダストボックスを早く何とかして、もう溢れそうなのよ!」
([ ]; )「申し訳ありません……」
('、`;川「そ、そんなに怯えなくたって良いじゃない……ごめんなさいね。運ばれた検体患者につきっきりで、ちょっと疲れてて……タカラ、フサ、こっちよ」
……どうやらバレてないらしい。
もし困ったら、この女もダストカートに入れよう。
俺達は慎重に女の後をついて行った。
('、`*川「いやぁ、それにしてもすごい規模よね〜!迷子になるのもわかる!わかる!」
( [ ])「はぁ……」
('、`*川「てか、一昨日の事件の真相聞いた?ビツ工場に押し入った二人組の男が、ウチの社員を誘拐して、身代金を交渉しようしたやつ!知ってる?」
( [ ])「まぁ……」
('、`*川「私聞いちゃったんだぁ〜!実はもう一人共犯がいたんだって、女の!んで、今度はセンターに侵入した時に仲間割れして、殺しちゃったんだって。それがまだ捕まってないの、怖いね〜」
世間ではそうなっているのか、知らなかった。
この感じだと、すべてを知っているのはほんの一部の人間らしいな。
([ ] )「なんで工場たたんで、船に移したんでしょうね」
('、`*川「そんなの私達の考える事じゃないでしょう〜?私達は自分たちの仕事だけしてればいいのよ!」
-
俺達はついに調剤室へとたどり着いてしまった。
どうすんだコレ……
ヒートと女はダストカートに、ヤバそうなゴミを次々と放り込んでいる……大丈夫かアレ。
そろそろこの女もダストカートに入れようかと、考え始めたその時、俺は!見つけてしまったのだ……サーモスタットが入ったり切れたりしている冷蔵庫の、透明なガラスの向こうに、"i3ウイルス抗剤"とバッチリかかれたシリンジが鎮座しているのを!
超ラッキー!これがi3ウイルス抗剤じゃなかったら一体何だって言うんだ?
ようやく運が回ってきたな。俺は素早く冷蔵庫に手を伸ばし──
……全てがうまくいってるように見えるなら、絶対に何かを見落としているハズなんだ。
_
(;゚∀゚)「あ〜、ここに侵入者がいるらしいんだが……誰かいるか?」
あの男が入り口にいた。
後ろに大勢の警備員、ちゃんと銃を持っている。
調剤室の時が止まる。
続けてパンイチの男達が部屋に駆け込んできた。
ミ,,゚Д゚彡σ「あっ、アイツです!あの防護服、間違いないです!」
( ,,^Д^)「ペニさーん!危ないですよー!」
('、`*川「あれ、タカラ、フサ……えっ……あらっ……」
( # [ ])「てんめぇ!あいつら出て来てんじゃねぇか!何が大丈夫だ!ふざけやがって」
([ ] )「あの縛りを抜けるとは、見事なり!敵ながらあっぱれ!」
( # [ ])「笑ってる場合か?少しは弁護しろ」
_
( ゚∀゚)「俺が見つけて解いてやったんだ……おい、顔を見せな」
もう、カッコつけてる場合じゃなかった。
俺はリクエストに答えて、防護服の頭部プロテクタを外した……
-
(゚、゚*川「いやぁぁぁぁぁぁっ!!」
(´<_`;)「うわっ、びっくりした……」
(゚、゚*川「やだ!近よらないで!」
(゚、゚*川「こいつ!昨日運ばれてきたウイルス患者よ!みんな逃げて!感染するわよ!」
そういや兄者と同じ顔だったな、こりゃうっかり。
リクエストの思わぬ効果で大パニックが起こり、その場にいた人間のほとんどが、驚いたノウサギみたいに飛び出して行ってしまった。
ノパ⊿゚)「我々も続こう」
さて、ここから駆け足だ。
俺はダストカートに腕を突っ込むと、目を白黒させているトソンを掴み、出口へ突進した!
廊下へ出る、右か左か……
ノパ⊿゚)「右だ「」左だ」(´<_` )
ノハ#゚⊿゚)「いや右だろ」
(´<_`#)「右はもと来た道だろが、このマヌケ」
ノハ#゚⊿゚)「マヌケはそっち、あの男達は左から来た」
(゚、゚;トソン「後ろ!後ろ!」
俺は衝撃を腹で受けてふっ飛び、コントロールを失ったまま硬い床につっこんだ。
何が起こったのか、しばらく理解できなかったが、逃げ出す人に踏みつぶされていた金髪の男が、パンチを放ってきたのだった。
_
( ゚∀゚)「すっげぇ!」
-
_
( ゚∀゚)「お前、寝てる方の野郎じゃないな?トムラも、生きてたんだ!」
銃声二発。
ノパ⊿゚)「嬉しいか?なら私に感謝するんだな、ジョルジュ!」
_
( ゚∀゚)「ヒルトルートか!なんてこった!ここは地獄にちがいない!」
( <_ )「右だヒート!」
重心を低くして金髪に突進する!相手が構え、銀の閃光を辛くもかわす!それでも俺は追撃の為に視界から逃がさないようにしているのになんかバタフライナイフが肉を割り裂く感覚が……
ノハ ⊿ ):;「って……てめぇ……」
(゚<_ ゚#)「右だってったろ!左右もわかんねのか!」
ノハ ⊿ ):;「避けるんじゃ……ないのかよ……」
確認する間もなく、アゴに一発良いのを喰らった……ちくしょう、いてぇ。
にじむ光の中に、カカトを振り下ろす影を見つけ、やみくもに床を転がって逃れようとする。
ノハ ⊿ )「右だッ!」
筋肉でふんばり、思い切り右へ飛ぶ!
どこかで放たれた弾丸が、俺の脇腹を鋭く切り裂いて壁をえぐった。
( <_ ;)「……この部屋で武器使うの禁止な」
(゚、゚;トソン「もしかして当たりました?……ごめんなさい」
_
(; ゚∀゚)「バカと銃……いいねぇ、この世で最もデンジャラスなコンビネーションだ」
どっちの弾かは知らないが、金髪の足元に血が滴っていた。顔色は良いので、あんまり期待はできなさそうだが。
-
_
( ゚∀゚)「俺はさ、殺しがしたくてハイドで仕事してるんだ、天職だよね」
_
( ゚∀゚)「でも、ランジア来てさぁ警察官も悪くないよな〜ってさ」
ノハ#゚⊿゚)「覚悟おぉぉぉぉぉ!!!」
ヒートと金髪がやりあっている間、俺は床でナメクジのように移動していた、細かな振動が大勢の人間が近づいてくるのを伝えている。
(´<_`;)「よせ、トソン」
(゚、゚;トソン「弟者さん、でも……」
トソンは、ヒートからもらったらしい銃で、金髪の男を狙っていた。
二人のケンカは隣の部屋までもつれ込み、ステップを目まぐるしく入れ替えている。
ここに素人が発砲するとなると、悲劇の予感が。
(´<_` )「ヒートはつよい。アイツの相手は任せよう」
間もなく増援が到着したらしい。
弾丸が、スコールのように激しく撃ちつける音が聞こえてくる。
トソンをひっ掴み、階段の手すりを飛び降りる俺の背を、催涙ガスが追ってきた。
目指すは船底だ。
……船底でいいんだろうか?
-
受信端末を確認する。発信器のバッテリーはきれてしまったようだ。
この階段が、船底まで続いていれば良かったのだろうが中途半端なところで、行き止まってしまっている。
(゚、゚;トソン「他の、階段を探しましょう……こっちです……たぶん」
(´<_` )「来たことあるのか?」
(゚、゚;トソン「血液バッグを運びいれる時、搬入口の壁のマップを確認できました……あんまり自信ないですけど」
階段の吹き抜けからは銃声が弾け、催涙ガスが景気よく吹き出している。
それが船全体に響き渡り、ポップコーンみたいな賑やかさだ。
円い窓の向うでは、大きな波のしぶきが飛んでいる。
まだ小さいが、遠くでランジア警察のヘリコプターがハゲワシのように旋回しているのが見えた。
背後の階段から、ケムリの臭いが近づいてくる……俺は消火器を蹴って転がした。
(´<_` )「ハインヒルは逃げると思うか?」
(゚、゚トソン「えっ?」
(´<_` )「真っ先に逃げ出す人間だと思うか?富に対する執着は?情を感じる人間か?俺は会ったことがないからわからん」
( 、 トソン「私だって……もうわからないです」
(´<_` )「真実じゃなくて、感想の話だ。気軽に答えてくれ」
( 、 トソン「……」
(゚、゚トソン「逃げません」
(´<_` )「がめついんだな……了解」
(´<_` )「甲板まで行くのに使われそうなルートを教えてくれ」
俺は、エントランスホールを目指す事にした。
-
俺達が廊下を抜けきると、階段からわっと人が押し寄せてきた!
俺はほとんどまともに振り返らなかったが、角を曲がりきる、ほんの一瞬だけヤツらを睨んだ。
転がした消火器を撃ち抜くのには、その一瞬でこと足りる。
破裂音と、そこそこ手応えのある悲鳴が俺達を追い抜いて、防火シャッターを閉めるまでついてきた。
シャッターの向こうは居住系のエリアのようだが、あんなにいた関係者は一人も見当たらない。
エントランスホールに続く道を疾走していると、突然轟音がとどろいた、炸裂弾なんて比じゃない!
合金が大きく軋み、肺の中の空気までビリビリと振動している。
船体がちぎれたんじゃないかと思った。
しかし俺は、船体が揺れているにも関わらず、気づかないフリを貫き通し、通路をまっすぐ突っ走った。
最後の扉は自動ドアだった。
センサーなんか待ってられるか!弾を二発使い、最後の扉を突破して、俺達はついにエントランスホールへ躍り出る。
間に合ったか……?どうだ?
-
……誰もいない。遅かったか?
(゚、゚;トソン「あの〜、もしもし?」
それとも読みが外れたのか……
(゚、゚;トソン「弟者さ〜ん?あの、後ろの……」
チンと、間のぬけた音がきこえる。
驚いた俺は、しっぽを踏まれた猫のようにぶざまに転げてしまった。
なんだ、エレベーターか、驚かせやがって……
俺も大概だが、エレベーターの方も相当驚いていたらしい。
台車に乗せていた、棺おけみたいにばかでかい医療ポッドが、床に落っこちてけたたましい音を立てている。
しかし、ちょっと失礼じゃないか?人の顔を、まるで幽霊でも見たように……ん?
(´<_,` )「おい、アンタらは運がいい……ソイツを置いていけば、命だけは助けてやらんでもないぜ」
銃身を懐から覗かせる。効果はてきめんだった。
ポッドの中身を、おそるおそる確認する……オッシャー!アタリだ!
俺と同じ顔がもうひとつ、ヨダレをたらしてガーガー寝ていた。
(゚、゚トソン「なんか……大丈夫そうですね」
(´<_` )「ヨーシ!後は面接だけだ!とっとと開けるぞ!そーれ!あヨイショ!」
ところがこれが、ウンともスンとも言わない。
見ると鍵がかかっているらしい……
変にこじ開けて開かなくなっても困る、こんなん持って歩くのは絶対にゴメンだ。
なんてこった!ここまで来といて……!
-
次の手を考えようとしたその頭に、強烈な一撃がはじけた!
俺の体は手すりから叩き落とされ、今はエントランスの一階に無惨に伸びている……
このせいで耳がおかしくなってしまった、トソンの声と、サイテーな声がボヤけて聞こえる。
_
(メ゚∀゚)ノシ「よっ兄ちゃん!探したぜ!会いたかったんだぜ〜?」
( <_ ;)「アンタの感想って、なんでいっつもアホの詩みたいなの?」
_
(メ゚∀゚)「俺詩人になれるかな?」
ジョルジュが手すりから飛んだ。
ダガーナイフを手の中で、どう猛に光らせて落ちてくる。
体はまだしびれている……俺はバタフライナイフと足と、まんしんの力を使って、彼を弾き返した。
(´<_`キ)「ヒルトルートはどうした?」
_
(メ゚∀゚)「途中でフラれちゃってさぁ〜、もう身も心もぼろぼろボローニャよ」
(´<_`キ)「……アンタ、リーベシア人?最近のリーベシアは、お粗末だよなあ……」
_
(メ゚∀゚)「なんだ?俺の事が知りたいのか?だったら殺せ!殺してみてくれ!」
嫌な予感が頭にひらめいたが、今は現実の方が大切だ!
汗を拭って気合いを入れると、ジョルジュの懐に飛び込んだ!
-
銃は攻める時は恐ろしい武器だが、守りではまったく頼りにならない、これは距離の問題じゃない。
今の俺は……まことに残念だが、追い詰められていた。
ジョルジュは、素早く、しなやかで、強かった。
どうしようもないことだ。
刃を交えればすぐにわかる、彼は生まれつきの、殺人鬼なんだ。
のど元に迫る迫銀を切り返すが、ダガーナイフは必ずどこかを裂いていく。耳、首筋、腕……
差し込まれた刃を柄で絡めとると、今度は拳が内臓を打った。
ついにナイフは俺の手を離れ、かん高い音をたて床に伏した……
( <_ ;)「まいった……降参だ……もう、あきらめたよ……」
_
(メ゚∀゚)「なんかさぁ……恨みや憎しみで戦場に来る奴って強いけど、すぐ死ぬよな。以上!じゃ!」
( <_ ;)「最期に……ひとつだけ教えてくれないか」
_
(メ゚∀゚)「えーっ!しょうがねぇなぁ〜?プライベートな事は聞くなよ?」
( <_ ;)「医療ポッドの鍵は……どこにある?」
ジョルジュはおもむろに懐に手を突っ込み、鍵を取り出した。
あけすけな笑顔が眩しい。
_
(メ^∀^)つP「これな!俺、貴重品は持ち歩く主義でなぁ」
俺は飢えたカラスよりも素早く鍵をもぎ取ると、待っていたトソンに投げつけた。
(´<_`キ)「なんだぁ……持ってたのなら黙って掠めとれば良かったぜ」
_
(;゚∀゚)つ「ちょっ!おま……人の親切を……」
-
医療ポッドのフタが景気よくぶっ飛んだ!
兄者が、一番固そうな観葉植物をもぎ取り、嵐の様に突進してくる!
俺だってしっかりと、折れた机の足を握っていた。
(iii ´_ゝ`)「行くぜ〜〜〜!」
俺達は、意地悪なつむじ風のようにジョルジュへまとわりついた!
-
..ゞヾ:''ソ"'"''""''ソ:'ソッ,
.ヾ''゙ . "''ソμ,
ッヾ´ ノ `..彡
、ゞ ⌒) ミ
.................;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ミ´ -<´ 彡:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.................
.......;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙ ヾ 、_) ミ ――――――――――――――
;;;;;;゙゙゙゙゙ ミ ノ ミ ――――――――――――――
゙゙゙゙゙;;;;;;;;............ ミ ミ .............;;;;;;;;゙゙゙゙゙
゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;....彡........................... ...............................ミ.......;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙
゙/゙ゾ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙ヾ ゙゙゙゙゙
ノi|lli; i . .;, 、 .,, ` ; 、 .; ´ ;,il||iγ
/゙||lii|li||,;,.il|i;, ; . ., ,li ' ; .` .; il,.;;.:||i .i| :;il|l||;(゙
`;;i|l|li||lll|||il;i:ii,..,.i||l´i,,.;,.. .il `, ,i|;.,l;;:`ii||iil||il||il||l||i|lii゙ゝ
゙゙´`´゙-;il||||il|||li||i||iiii;ilii;lili;||i;;;,,|i;,:,i|liil||ill|||ilill|||ii||lli゙/
´゙`゙⌒ゞ;iill|||lli|llii:;゙|lii|||||l||ilil||i|llii;|;_゙ι
-
【了】
ξ゚⊿゚)ξ「……」
ξ゚⊿゚)ξ「……間に合わなかったわ」
ξ゚⊿゚)ξ「……間に合わなかったの」
ξ ⊿ )ξ「ぐぬぬぬぬ」
-
ξ゚⊿゚)ξ「駆け込みで長々とごめんなさいね……」
ξ゚⊿゚)ξ「タイトルは、無題で……」
ξ´-⊿-)ξ「でもこれでやっと他の作品が読めるわ……」
ξ´-⊿-)ξ「おやすみなさい……」
-
( ・`ー・´)おツンツン!
( ・`ー・´)僕もぱっとやってさっと寝るぞ!最近の胃薬みたいに!
-
三連休の終わり、日付は火曜に変わり、時刻は午前1時。明かりひとつない真っ暗な部屋。
明かりが無いってのは時間帯を鑑みればまぁそんなに不自然なことではないけども、そこの住人の意識はむしろハッキリしていて、なんなら仮眠を取ってこの時間にわざわざ起きたぐらいだった。
それでも彼が部屋に灯りを点けようとしないのは、電気代を滞納してなんちゃら電力から送電をストップされているからで、何故そうなったかと言えば詳細は省くけどそれら凡そ全て、彼が自業が自得マンであった故に起きたことだったんだ。
ついでに、真っ暗で不明瞭ではあるけど、部屋のあちらこちらにはやれ電気代だやれ水道だガスだなんかを払いなさいよ払わないとアータ酷いわよと脅す紙切れが散乱していた。
そんな中。男はひとつ。
( ゚∀゚ )「っしゃ!」
と気合いを入れたよ。丑三つ時に差し掛かろうという時間に近隣に響くそれは、とても爽やかなものだったとさ。
-
なんか良く分からん内に大学を中退してなんとなく上京してとりあえずバイトをして気がついたら辞めていて、それでも都会に留まって。当たり前だけどお金は減っていくもので。
しかし日々の食事を業務スーパーの一袋19円のうどんとモヤシで賄っていた彼は。
( ゚∀゚ )y-~「まぁ」
( ゚∀゚ )y-~「なんとかなるだろ」
と構えていた。悠長に。お馬鹿!
-
始めにガスが止まった。季節は初夏であったのでシャワーが冷たいけどまぁ別に、うん、と彼は思っていた。次に電気が止まった。照明以外で彼が必要とする電気はケトルとスマホの充電ぐらいで、それは隣接する部屋の外にあるコンセント差し込み口に延長コードをぶっさして事なきをえた。
いよいよ水道が止まったとき、流石の彼もちょっぴり困った。水が出なければお湯を沸かせないしシャワーも浴びることが出来ない。そして何よりトイレが使えないし。
( ゚∀゚ )「うんこの上にうんこをするのは嫌だなァ」
五日ぶりに発した言葉だった。
( ゚∀゚ )「……よし、うん、よし」
( ゚∀゚ )「盗も」
彼は決意した。
-
( ゚∀゚ )素人の犯行のようです
.
-
まず某大手動画投稿サイトにて『防犯 窓』で検索。そこで彼はこじ破りというテクニックを知る。
必要なものはマイナスドライバーもしくはバールのようなもの。窓ガラスの縁にエイってやるとひびが入って静かにガラスを割れるらしいけど悪用すんなよ。
( ゚∀゚ )「マイナスドライバーは、あるね」
( ゚∀゚ )「バールは、まぁ、あそこ(徒歩2分の土方屋さん)にあるだろ」
必要なものは全て揃った!!!!
-
場面は最初らへんに戻る。具体的には彼が気合いを入れたらへん。
彼が獲物と定めたのは、以前に勤めていた飲食店。電車バスで20分ぐらいのとこ。そこで五年間働いた彼にとってどこに監視カメラがあってどこに金を保管しているかなんていった店舗構造はもうバッチリカッチリシャッキリポリンキーだった。
だけども時刻は草木もなんたら丑三つなんちゃらに近付こうとしているので勿論電車及びバスといった公共交通機関は使えません。残念。
であれば彼は跨がるしかなかった。
( ・`ー・´)
( o┬o
三◎J┴◎
楽天市場で買ったいい感じのシティサイクルに跨がるしかなかったんだ。
-
その背中のリュックサックには彼なり考えた3種の神器が納められていた。
・自前のマイナスドライバー
・近所の工務店から黙って借りたバールめいたサムシング
・道中の監視カメラを撹乱するための着替え
・あ、あと手袋があったわ
・ごめんそれとLEDライトね、つまり五種だ
・五種の神器って収まり悪いね、五王って呼ぼう
家を発って50分。目的地付近に到着。彼は道沿いに自転車を停めて徒歩に切り替える。徒歩を昔のひとは「かち」って読んでいたんだって。変なの。
歩いて3分、かつて彼が20代の半分を過ごした上手くて速くて安いお店にたどり着いた。店はとうにその日の営業を終了して無人である。それを半年ぶりに目にした彼は。
( ゚∀゚ )「……」
( ゚∀゚ )「緊張するわぁ」
いっちょまえに緊張していた。
-
この店舗が閉店時間中に監視カメラや契約した警備会社の他に防犯対策として取り入れていたのは二点。
店舗裏の従業員出入り口に設置されたセンサーライト。
彼はここのドアから店舗に侵入するつもりでいて、それについては手元が明るくなってまぁいんじゃね、と考えていたよ。事実、光で照らされはするものの、裏口周囲はプレハブ倉庫やなんやで囲まれていて、その光が外に漏れたりだとか彼の姿が外から認められるといった心配は無かった。
二つ目は閉店中であろうと煌々と照らされた店内。
「うわ、明かり点いてるやん。人がおるかも分からん。ここはやめとこ」と泥棒に思わせて盗みを未然に防ぐ為のテク。田舎のJkがスカートの下にジャージをはいてるようなもん。そんな子のパンツ覗こなんて思わんでしょ?
でもまぁ、これについても事情を知っていた彼には一切が関係なかった。
つまりはドアをこじ開けて金庫を破る以外は男にとって何ひとつ障害とならなかったのさベイベ。
( ゚∀゚ )「いくぜ俺のベイベ達」
出入り口の前。センサーライトに照らされた彼はマイナスドライバーに口づけをひとつ。鉄の味がした。
-
( ゚∀゚ )ヨイショ
ガラスの右端、ドアノブ上部のガラスの右端にマイナスドライバーを突き立ててぐいっと力を込めれば一発でピキリとひびが走る。ほんと引くほど簡単にピキッていって少し笑う。
( ゚∀゚ )グイグイ
彼はそのままグイグイ力を込めていく。グイグイピキリ。グイグイパキリ。それに合わせて静かに、あくまで一般論的なガラスの割れる音と比べれば静かにガラスのひびは広がっていく。
( ゚∀゚ )オッ
( ゚∀゚ )コレ トレルネ
ガラスの綻びは彼の手で剥がせるほどに大きくなり、肘まで入るほどの穴が出来た。尚、半角で喋っているのは小声感を出したいから。それが世界の全てだったんだ。
-
( ゚∀゚ )オハヨゴザァース
なんなく店舗内に侵入した男。LEDライト越しに半年ぶりに見る景色にちょっぴり感傷的な気分になる。
金庫の場所は知っている。この調子でとっととぶち破ってさっさと帰ろ。のほほんと考えていた。
そんな時けたたましい電子音、しかも二種類のそれが店内に鳴り響く。
ピリリリリリリリリ(; ゚∀゚ )!! ジリリリリリリリ
ピリリリリリリリリ(; ゚∀゚ )ハッ エッ ナニ ジリリリリリリリ
彼は知らなかったんだ。指定の時間外にドア開けると警備会社に通知されてあちらさんから電話がきちゃうセンサー。最近になって導入されたやつ。明智光秀もこれに殺された。
-
(; ゚∀゚ )エッ イヤッ ハァッ?
ゆとり教育の弊害で彼は想定外のトラブルにすこぶる弱かった。教育が悪い。いまだ鳴り響く電子音が焦燥を煽る。
(; ゚∀゚ )(どうする!?バレた!?)
(; ゚∀゚ )(逃げる!?もう!?いやでも!)
めっちゃ焦る。のんべんだらりと過ごしてきた彼の人生におけるめっちゃ焦ったランキングが容易く更新された。ちなみに今までの一位は車内で女の子とエッチなことをしていたときに警察に窓をノックされたときだよ。心臓止まるかと思った。
速やかにこの場から離れるか、それとも警備員が到着するまでの時間で犯行を済ませるか。選択する為の時間なら辛うじてあった。
-
そして絶賛パニック中でついには幼児退行が進んじゃった彼は
(; ゚∀゚ )(あぁもう!)
(; ゚∀゚ )(もうちやない!)
(; ゚∀゚ )(ちーやない!おうちかえう!)
逃走を選んだ。折角準備しといた着替えを使うこともなくスタコラサッサだった。途中でパトカーとすれ違ったときは生きた心地がしなかったとさ。
-
その後、無事に帰り着いた彼に現状を打破出来るわけもなく四日ぐらい公園の水でしのいでいたところを連絡の着かないことを不審に思って様子を見にきた父親に強制連行され実家へと帰った。
( ゚∀゚ )「お金は真っ当にコンスタントに稼ごうね!」
( ゚∀゚ )「お兄さんとの約束さ!」
【了】
-
( ・`ー・´)もちろんフィクションさ!もちろんね!
( ・`ー・´)ただし『こじやぶり』なんかは実際にある悪いことだからね!悪用するなよな!
( ・`ー・´)+キリッ
-
【第8回品評会テーマ】『悪人』
【作品提出期間】『2019年1月1日〜2019年1月20日』
【投票・感想期間】『2019年1月21〜2019年1月25日』
>>15
>>34
( <●><●>) ◆CNITCpldAs
【幸せの作り方のようです】
>>70
>>76
(´・ω・`) ◆4fW30b.lZU
【( ^ω^)は真の悪人を目指すようです】
>>91
>>114
川 ゚ -゚) ◆c.qQuXxMoQ
【( ^ω^)贄の涙のようです】
>>137
>>158
イ从゚ ー゚ノi、[文戟中] ◆U.Ze.JZ4Hs
【クリスマス大作戦!!】
>>163
>>206
ξ゚⊿゚)ξ[文戟中] ◆IU1nsGpajk
【無題】
>>210
>>222
( ・`ー・´) ◆BIc1.HXbFU
【( ゚∀゚ )素人の犯行のようです】
-
ξ゚⊿゚)ξ「もし抜けてたりおかしなところがあったらお願いね!」
ξ゚⊿゚)ξ「じゃ、行ってきま〜す」
-
(´・ω・`) とりあえずみんな乙
(´・ω・`) 仕事があるから帰ったら読んで
(´・ω・`) 感想を書き殴ってやるぜい
(´・ω・`) ドックンのレスにも返さなきゃいけないし
-
長々と読んだのに爆発オチ、完成版を読みたいなぁ……
-
ツンとまさしのやつ良いね
-
( ・`ー・´)投票する!密かに!しかし雄々しく!
1位
( <●><●>) ◆CNITCpldAs【幸せの作り方のようです】
僕もこんな悪い女に自覚ないまま囲われたいね!無知は幸せなのさ!楽天市場に悪女売ってるかな!?
2位
(´・ω・`) ◆4fW30b.lZU【( ^ω^)は真の悪人を目指すようです】
地球を切断する斬鉄剣を動かすロケットが爆発したんだ!きっとケツ毛が焦げる程度の被害じゃ済まなかっただろうさ!そんなおっそろしい事態を招いたブーンこそ今回の品評会において一番悪いことしてると思ったね!
ピッカァプ(native)
イ从゚ ー゚ノi、[文戟中] ◆U.Ze.JZ4Hs【クリスマス大作戦!!】
やりたいことは分かるんだなすごく!ただなんだろうね、二転三転する状況に対して描写が追い付いてなかったと南九州地方を統べる僕は思うんだよ!九州統一頭からっぽマンでもある僕には少しばかり理解が足らないとこが多かったかな!
でもなんていうかな、分岐点だよね!狐ちゃんの作風の岐路だと思うんだこれは!
「飛ばす、しっかりついてきな」なライダースーツのチャンネーになるか補助輪つき自転車を押してくれる幼妻になるかってことさ!伝わらないだと?うるせぇ爪切りぶちこむぞ!
-
( ・`ー・´)そして感想だ!しなやかに!伸びやかに!
( ・`ー・´)といっても感想書いてないのはツンちゃんのだけだな!省スペースにも配慮出来る男だったのな僕って!
ξ゚⊿゚)ξ[文戟中] ◆IU1nsGpajk【無題】
終始「ひぇ~」ってなったね!あちらこちらに散りばめられた皮肉たっぷりの文のセンスさ!
今から僕が全力センスで例えるけど、まるで、そう、まるでマスタードたっぷりのホットドッグみたいだ!よし!伝わったなこれは!
『俺達は黙って相談した。俺はチョキで勝った。』
のっけからこれて!じゃんけんのこと普通相談って例えるかな!?!?!?!?すごくない!?!?!?!?
秀逸なギャグ作品の感想でよく見る「全てのレスで笑かしにきてる」ってやつのカッチョいいバージョンだと思ったね!
出来ることなら最後まで読みたかったな!スーパー銭湯で湯上がりに使ったマッサージチェアが途中で停止して『あ゛ぁ゛ぁ゛ぁぁぁ……あ?』ってなったときと同じ気持ちになったね!
爆発で終わらせたのはまさにギルティ!ヴィラン!ブーン系におけるハーレクイン!ジーサンとスクワット!ともあれ!ともあれ乙だ!
( ・`ー・´)省スペース!時遊空間!
-
( ・`ー・´)寸評を完全に忘れていた!何故なら帰宅してから飲むストロングゼロがおいしいから!メメントモリ!
【寸評】
テーマに最も沿っていたのは刑法第130条 住居侵入罪及び刑法第261条 器物損壊罪を犯した( ゚∀゚ )じゃねーかな、と思いました。不法侵入罪って罪状はないらしいぞ。
「ふふん、良いか悪いか決めるのは君ら自身さ(前髪ファッサァーー!)」みたいなのばっかだなぁ、て。わっかりづれーなぁ結局悪人は誰だよっつーのが多かった。
あと1月はしんどい。今はなきモララーと同じにはなるまいと奮起しましたがしんどかったです。書き上げた人たちみんなしんどかったと思います。なんならもう全員優勝でいいんじゃないでしょうか。いつだかの運動会の徒競走みたいにさ。
-
( ・`ー・´)素が出てしまったよ!これも年始に忙殺されたせいさ!
( ・`ー・´)いやでもだがしかしハウエバーだがね、ptリセットは1月じゃなくて2月の方が良かったんじゃないかなとは思うよマジで!
( ・`ー・´)マジで!
( ・`ー・´)『ククク……1月はみんな忙しくて執筆なんて出来る訳がない……そこに取り敢えず作品という名の文字列をぶっこめばポイントを得るのは容易い……赤子の手をグリンッ……!』
( ・`ー・´)なんて考える輩が出てきてもおかしくはない……!インパラに食らいつくライオンさん……!自然の摂理……!サバンナの掟……!ざわざわ!
( ・`ー・´)4ヶ月周期でポイントをいい感じにリセットしたいのは分からんでもないけどね!
( ・`ー・´)誇り高きブーン系民にニートはいないんだ。単位に追われる学生であれノルマに追われる社蓄であれ。みーんな何かしら組織に属している。そして年末年始、それらは忙しい。
( ・`ー・´)繁忙期を考慮してリセットインジャニュアリはフェブラリにチェンジすべきだと切実にシンキン!
( ・`ー・´)アーイム シンキン シリアスリィ!
( ・`ー・´)+キリッ
-
( ・`ー・´)ドクオさんはニートですか!?!?!?
-
( ・`ー・´)ああっ!
( ・`ー・´)感想に記述漏れがありました!
( ・`ー・´)「つまりツンちゃんのセンスの切れ味ヤバい。さながら抜き身。触れるもの全てを穿つ抜き身のドリル!」
( ・`ー・´)まとめには『~バージョンだと思ったね!』の次にこれを追加して下さい!渾身の賛辞なんです!
-
なんなの
馬刺しのキャラ好きだわ
-
赤子の手をグリンッ!すき
-
(´^ω^`) It's been a hard day's night…
(´・ω・`) …
(´゚ω゚`) morning !?!?
-
作中に致命的な不具合がありました。
>>215で本来( ゚∀゚ )が跨がるべきシティバイクに( ・`ー・´)が跨がる不具合を確認しております。
現場には「ストロングゼロゆずレモンほんとおいしい」と書かれた謎のメッセージが発見されております。原因につきましては目下解明を急いでおります。
お忙しい中、恐縮ではございますが各自( ゚∀゚ )に脳内変換して頂きますようよろしくお願い申し上げます。
開発スタッフ一同、今後は再発防止に努めて参りますので何卒ご容赦願います。今日はストロングゼロビターオレンジを飲みます。なぜならおいしいからです。
-
【クリスマス大作戦!!】
さあ、作品が完成したら最初から読んでみよう。…読者の気分になって、先入観を入れずにね…
読者の気分になってみると、作品の粗が見えてくる筈だ。そこを片っ端から修正していく。少しでも違和感があれば、即修正。
さあ、もう一回読み直してみよう。書きすぎてしまった部分が出てきただろう?今度はそこを削っていこう。
これをくりかえしくりかえしくりかえしていく。
今回の銀ちゃんの作品は、正直話の展開がわかりづらかった。そして、色々と中途半端。突き抜けた何かが欲しい。
実を言うと、銀ちゃんの作品は添削前の僕の作品の雰囲気に酷似している。案はあるんだけども、それがイイ具合にまとまってくれない…。そんなところがね。銀ちゃんは、もっと“はっちゃけて”いいと思う。
せっかくの文戟スレなんだ、色々と冒険したりキチガイになったりして、お互いに上達していきましょうや。
-
【無題】
地の文といいAAの使い方といい、上級者の“それ”。本当にブーン系歴半年ちょいなんですかね?
多少の荒さは感じなくもないが、期間が短いことやそれを補って余りある魅力のおかげで、全然気になりはしない。
イチャモンをつけるとするならば、「作品の最初から最後まで文章の“濃さ”が同じに感じるので、もっと“文章での”起伏が欲しい」とか?
惜しむらくはただ一つ、完結しなかったこと。是非とも完成版を読んでみたい。
貶す箇所が全然ないですます。恐れ入りました!
-
【素人の犯行のようです】
地の文がいい味出してるなあ。ギャグってブーン系の原点にして頂点だと僕は思うんだよね。何も考えずに読めて、ガハハハハと笑える作品。僕が目指しているものもそんな作品なんだけど、見事にそんな作品を書ききったまさし君、ステキ!
や ら な い か
通常、僕は感想文に“何かしら”の指摘を入れることにしてるんだけど(それでツン君作品に対してもイチャモンをつけた)、君の作品は完成されきってるんだよね。
てな訳で、僕と一夜を共にするか考えといてくれたまえ。
-
いつでもいいよ!
-
投票Vote投票Vote投票Vote
【第一位】
( <●><●>) ◆CNITCpldAs
【幸せの作り方のようです】
洗練されている話って読みやすくていいよね。
感想を書いてから色々考えたけど、やっぱミセリは“悪人”に当てはまると僕は思った。
あわよくばオムライスさんにまとめて貰おうとする野心が見え隠れしているのも高評価。
【第二位】
( ・`ー・´) ◆BIc1.HXbFU
【( ゚∀゚ )素人の犯行のようです】
好きだから。以上。
-
【Pick up】
川 ゚ -゚) ◆c.qQuXxMoQ
【( ^ω^)贄の涙のようです】
一番テーマに寄り添った作品ではないだろうか。クール君の解説を聞きたいような聞きたくないような。
イ从゚ ー゚ノi、◆U.Ze.JZ4Hs
【クリスマス大作戦!!】
断言しよう。彼女は近い将来に素晴らしい作品を書くと。
このショボーン様が言うんだから間違いない。
さあ銀ちゃん、自分を解き放って殻から抜け出すんだ!!
ξ゚⊿゚)ξ[文戟中] ◆IU1nsGpajk
【無題】
完結していたら僕の中での順位は変わっていたかもしれない。
次回作を楽しみにしています。
-
( ・`ー・´)
( ・`ー・´)
( ・`ー・´)←まさかのポイント獲得に正直ちょっぴり困惑している
( ・`ー・´)
( ・`ー・´)←ともあれお礼は述べるべきだし、謙虚さは見せておくべきだろうと考えた
( ・`ー・´)
( ・`ー・´)ぁっす!
( ・`ー・´)ありっ!ありがっさ!
-
【寸評】
”悪人”というテーマは、私含め他の生徒の皆様も「書きにくいなあ」と感じたのではないでしょうか。しかし、その分いい意味での“バラツキ”が出て、それはそれで面白かったなあと思ったりもします。
自作品を書き終えた時点で「どうも俺の作品は前座になりそうだぞ」と思っていたら、案の定前座になりました。
ところで、今回の6作品のうち3作品は今年の入学者の作品。残りの3作品も新参者の作品です。新人戦みたいなことが出来て楽しかったです(小並感)。
-
>>245
(´・ω・`) なあに、堂々としてればいいのさ堂々と
(´・ω・`) 「ポイント?しゃーねーな貰っといてやるよ」くらいにね
(´//ω//`) そ、それに、一夜をともにした仲じゃないか。水くさいなあ。
-
( ・`ー・´)まだヴァージンを捧げたつもりはないなぁ!
( ・`ー・´)取り急ぎケツ毛の処理はしているがね!
-
無花果の艦長を忘れるなよ
-
>>249
( ・`ー・´)???
( ・`ー・´)意味はもはや読み方すらよく分からんがとりあえず今は亡きモララーをこき下ろせばいいのかな!
( ・`ー・´)やーい!
( ・`ー・´)この((下手すれば次回の品評会に影響しかねない罵倒ゆえミュート))!!!!!
( ・`ー・´)すっきり!!!!
-
( ・`ー・´)嘘です!
( ・`ー・´)割りとモヤモヤしています!
-
無花果=イチジク
艦長=浣腸
ケツ毛処理するなら中もしっかり綺麗にしとけ、つまり首を洗って待ってろ的なアレでしょ
-
ξ゚⊿゚)ξ「ヘイ!ツンデレの投票タイムが一丁あがり!」
●第一位
( <●><●>) ◆CNITCpldAs
【幸せの作り方のようです】
大切な事を、簡潔に、タイミング良く……
この物語を人に伝える上で、一体何が重要なのかをしっかりと抜き出して、それを美しく並べてあると思う
テレビドラマを見ている気分だったわよ
なんか、全部の人の視点で見たくなる!はじめからね!
ミセリのターンが物語ではなくて、解説になっていたのが口惜しいわ
前半がカラリとした美しい仕上がりだったから、裏からどんな腐臭がしてくるものかと……
は、何?ゴールにたどり着けなかった私に言われたくないですって?ぎゃふん!
──
●第二位
( ・`ー・´) ◆BIc1.HXbFU
【( ゚∀゚ )素人の犯行のようです】
まず語り口とAAの入れ方が好きよ、あとテンポね
だらだらに語っているのに、あれよあれよと話は流れていく、作品全体のバランスが見事
シメも良かった
完成度で評価するならぶっちぎりでこちら、超好き
ただ、( ゚∀゚ )が法を犯したのは"悪人だから"ではなく、"ダメ人間だから"なのだと思う
たとえギャグでもね
-
●Pick up
川 ゚ -゚) ◆c.qQuXxMoQ
【( ^ω^)贄の涙のようです】
ストーリーがしっかりしている……というか、話を進めていく上で必ず通過しなければならない点は、しっかりと押さえてあるって感じたわ
個人的にツボだったのは、ブーンがツンを守るために殺人を選んだ展開と
>昔ツンとした勇者ごっこを思い出す。僕が勇者で、ツンがお姫様。
>悪者に連れ去られたツンを救うべく、僕は怪獣や魔物を倒して進む。
この文
ブーンはほんとにツンの事が好きだったのかしら?ってね
内容を語れる作品っていいわよね
ちなみに私は、例のシーンまで神様を信じて読んでいたのよ、トホホ
-
イ从゚ ー゚ノi、[文戟中] ◆U.Ze.JZ4Hs
【クリスマス大作戦!!】
かわいらしさと、どことなく感じる不穏な空気が特徴的な作品
でも今回はAAと地の文の割合が、あなたが大切にしている勢いと相性が悪かったのかもしれないわね
自分の書きたいものを追及する事
最後まで書ききる事……大事なことよね
銀ちゃん支援ありがとね
──
(´・ω・`) ◆4fW30b.lZU
【( ^ω^)は真の悪人を目指すようです】
この手の作品は卑怯よ!理由もわからないまま笑える
……っていうか考えさせてくれないわ
でも、サッと読ませる事ができるのは、基本的ができているからこそ
頭を使わせず、心にまかせてくれる、かたじけない作品
-
●寸評
絶対にミステリーを書く生徒がいると思ってたんだけど……ハズレたわね
今回のテーマは"悪"ではなくて、"悪人"なのがミソ
人の数だけ悪があると思うから、今回は"人"に焦点をしぼっての見解にしてみたの
それでもなんか、哲学的な話を覚悟していたのに、爽快感を多く感じたのは意外だったわ
……タイムマシンに乗れるなら、三週間前に戻るわ
そしてこう言うのよ
「作品を"ツンがブーンのから揚げにレモンをかけるようです"に変えろ、今すぐにだ」
ってね……
-
>>135
(´・ω・`) シャキンの発言を引用してみよう
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(`・ω・´)「……ああ、泣いたよ。辛かったなああの時は
(`・ω・´)「だってさ」
(`・ω・´)「俺はその時まだ子どもで、その子を抱けなかったからね」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(`・ω・´)「そうか。すまなかったよブーン」
(`・ω・´)「お前もツンちゃんを抱きたかったのか。仲間はずれにしたから怒ってるんだろう」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(´・ω・`) 僕はこれらの発言が、単なる“立場の違い”だけで出たものとは到底思えない。
(´・ω・`) 少なくともシャキンとブーンの間では、価値観や倫理観が根本的に違っていると感じたのが僕だ。
(´・ω・`) 正義云々については単なる僕の好みなので、ここでは言及しないというかする必要がない。
(´・ω・`) そして、こんな作品の場合は解釈がいくつもあって然るべきなので、ドクオ君の意見を全面的に否定するつもりは毛頭ないことをここに宣言します。
(´・ω・`) 僕はハゲではない。
(´・ω・`) 以上。
-
( <●><●>)「投票します」
【第一位】
( ・`ー・´) ◆BIc1.HXbFU
【( ゚∀゚ )素人の犯行のようです】
【感想】
軽快な地の文から繰り出される表現の豊富さに驚きました。
足りないものは盗むという短絡さと計画性の無い場当たり的な行動が上手く書かれていると思います。
深く考えずに、すんなりと入ってくる良作でした。
【第二位】
川 ゚ -゚) ◆c.qQuXxMoQ
【( ^ω^)贄の涙のようです】
【感想】
作り込みは甘いと思いましたが、面白かったです。
生贄の成り立ちやそこからの遷移をもう少し掘り下げていると、
物語の世界に入り込みやすかったかと思います。
展開の作り方とその早さが良かったです。
ブーンの思う悪人を裁いて終わり、とならなかったのが好みでした。
(´・ω・`) ◆4fW30b.lZU
【( ^ω^)は真の悪人を目指すようです】
【感想】
思い切りの良いギャグ作品といった印象でした。
結末までの段階をすっ飛ばしていく早さが気持ち良かったです。
イ从゚ ー゚ノi、[文戟中] ◆U.Ze.JZ4Hs
【クリスマス大作戦!!】
【感想】
導入の文をスパッと切り捨ててから書かれる内容に唸りました。
導入で掴まれましたが、置いて行かれた気分です。
それが持ち味だと思いますので、上手くバランスを取って貰えればと思います。
>>142
たとえ失意のずんどこにあったとしても、の部分でクスッと来ました。
ξ゚⊿゚)ξ[文戟中] ◆IU1nsGpajk
【無題】
【感想】
言葉選びがオシャレです。
トソンが襲われた時の煙→黄色かった=催涙弾=襲ってきたのは警察関係等の、
伏線と回収が多く含まれていて読んでいて飽きない作品でした。
登場人物は分かっているが、読者には分からない単語が多く出てくるので、
作品を読んでいる楽しさはあるのですが、説明が足りない為置いて行かれました。
場面場面の描写が丁寧でしたので、完結していればまた違った印象だったと思います。
二回、三回と読み直す度にあぁ、なるほどといった感想が出る作品でした。
【寸評】
テーマ的に終始シリアスな作品が多いかと思いましたが、そうならず意外でした。
様々な悪人像といいますか、悪人というものに対する捉え方が見れたので勉強になりました。
-
イ从゚ ー゚ノi、 皆、投下お疲れ様。
イ从゚ ー゚ノi、 感想投下していくね。
《投票》
【第一位】( ・`ー・´) ◆BIc1.HXbFU【( ゚∀゚ )素人の犯行のようです】
今回の作品は、まさしくんのワードセンスが光っていたなと思います。
顔文字ミスはアヒャの決意が、キリリとした表情に現れているのかなと思ってました。
最後の終わり方があっさりしていたので、もう一味欲しかった気もします。
次回作が楽しみです。
【第二位】川 ゚ -゚) ◆c.qQuXxMoQ【( ^ω^)贄の涙のようです】
神様の存在を信じながら読んでいたら……まさかの展開でした。
無駄な描写を削ぎ落した地の文は、一種の機能美のようなものが感じられて好きでした。
話しのスピード感が、読者を置いてけぼりにしないちょうどいい具合だったと思います。
退いた人影が横を向いた。僕の父親だった。さっき別れた父さんだった。父さんも裸だった。
こんな感じでたまに描写の被りがあるのは、たぶん投下慣れしてないからかもしれない。
誤字脱字が多いのは、ボクも一緒だから、直してこうね。
【pickup】
(´・ω・`) ◆4fW30b.lZU【( ^ω^)は真の悪人を目指すようです】
前回の作品を見たことで、勝手にボクの中でハードルを上げてしまったようです。
古き良きブーン系の雰囲気を感じられてよかったです。
でも、笑いどころがわかりませんでした。
ξ゚⊿゚)ξ[文戟中] ◆IU1nsGpajk【無題】
始めの数行を読んだ時点で、面白いと確信が持てるような文章でした。
前回の和製ファンタジーから今回のような世界観まで、書くことができる技術の高さはこのスレでも屈指の存在だと思います。
正直、挑むのが早すぎたと感じました。
惜しむらくは爆破オチだったこと。そうでなければ一位でした。
( <●><●>) ◆CNITCpldAs【幸せの作り方のようです】
綺麗な文章で、非常に読みやすかったです。
人間関係とその雰囲気の描写が、非常に上手くて感情移入しやすかったです。
タイトルの回収もしっかりとできていて良かったと思います。
【寸評】
色々な『悪人』が見られて非常に楽しかったです。
今回の文戟では、作者としての力量不足を強く感じました。
せっかく文戟を受けてくれたツンちゃんに失礼な気がして、投下するのを躊躇ったぐらいです。
時間の無さや多忙さは言い訳でしかありません。これまでの文戟の中で一番悔しいです。
いつかきっとリベンジさせていただきます。
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川 ゚ -゚)「投票だ」
1位
( <●><●>) ◆CNITCpldAs
【幸せの作り方のようです】
最初はデミタスが悪人なのかなと思った。実際ワカッテマスからしたらデミタスはそうだったと思う。
でも後ろにもっとすごいのが控えていた。ミセリの独白という形でそれが露になるのが良い。
自分の欲のために他人…好きな人までも操り傷つけるミセリ。こういう女すごい好き。
面白かったです。
二位
( ・`ー・´) ◆BIc1.HXbFU
【( ゚∀゚ )素人の犯行のようです】
地の文と主人公のダメ人間さがマッチして面白かった。
途中まさしがチャリ乗ってたの見てゲラゲラ笑ってしまった。
多分私はこの先一生、この作品は本当にフィクションだったのかを疑って過ごすのだと思う。
pick up
(´・ω・`) ◆4fW30b.lZU
【( ^ω^)は真の悪人を目指すようです】
何もかもを可にしてしまうこのノリ、まさにブーン系という感じ。
唐突な悪人路線を目指すブーンも、それを応援しちゃうドクオも、30分でできちゃう斬鉄剣も…
ブーン系なら何でも可能にできる。でも&=携帯は納得できない!
イ从゚ ー゚ノi、[文戟中] ◆U.Ze.JZ4Hs
【クリスマス大作戦!!】
悪人と少女のほんわかストーリーだと思ったら、終盤でのあの展開。
冒頭でどシリアスな地の文を入れていたあとのあのゆるい雰囲気への転換を見ていたから余計に。
どんでん返しといえば良いのか、こういう実は……系の話すごく好き。
ξ゚⊿゚)ξ[文戟中] ◆IU1nsGpajk
【無題】
センスで殴り殺された。1レス目から引き込まれていた。それくらい面白かった。
正直票を入れるか本当に悩んだ。それくらい好きな作品です。
続き……見れないのか?なあ。同じ王道ヒロイン枠だろ?
寸評
参加して分かる、他の人達のレベルの高さよ。
一つのテーマで書くというこのシステム、すごく良いね。
少しでも皆に近づきたいなと思う。
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( ・`ー・´)ふと、ね
( ・`ー・´)ふと思ったんだけどね
( ・`ー・´)pt同率一位もしくは二位の場合ってどう処理すんだっけって
( ・`ー・´)既に話題に挙がっていてかつ解決済みの問題だったらすまないね、テンプレには見当たらなかったからさ
( ・`ー・´)もしまだ決まっていなかったのなら話し合っておいた方がベターなんじゃないかと昭和生まれ代表たる僕は思うんだよ
( ・`ー・´)あっ、全国のまさしファンの皆には悪いけど眠たくてね、エクスクラメーションマークをつけるようなテンションじゃないんだ
( ・`ー・´)きりっ(←溌剌ではない)
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全員から票貰ってんじゃん
愛されてるなぁ、まさし
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(・∀ ・)「ぶんげきのはなしならひきわけでいいんじゃね」
(・∀ ・)「ひんぴょーかいのはなしなら、
二人とも一位あつかいでいいとおもうぞ」
(・∀ ・)「だいいっかいがそうだったしな」
(・∀ ・)「そのときはおだいがふたつ出て、りょうほう、もしくはすきなほうをえらんでよかった」
-
ショボーンの最後の爆発は地球が破壊されたのかなと思ってた
まさし君の言ったロケット爆発説とどっちが正しいんだろう
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【1位】
( ^ω^)贄の涙のようです
>( ;ω;)「このっ!このっ!このっ!馬鹿野郎っ! 」
馬鹿野郎って言葉のチョイスが良かった。このシーンは迫真だと思う。
遣る瀬無い思いと自分を罵る適当な常葉に詰まってそれしか出てこない気持ち、よく分かる。
「踊る」この言葉チョイスも良い。
理解できない、意味が分からないと言う。
しかし「でもこれは、これじゃあまるで───……」の一文から行為自体は理解している。
その理解を認めたくないからこそ許容できる範囲の言葉でしか表現したくない、という感情が見える。これが良い。
>退いた人影が横を向いた。僕の父親だった。さっき別れた父さんだった。父さんも裸だった。
この文も良かったと思う。
目の前の状況が飲み込めない、なんで?どうして?が延々と反芻する。
遅延する脳みそは情報を一つ一つ確定させながら吐き出すことしかできない。
それがこの重複に表れていると感じた。
「踊る」も合わせて、認めたくない現実を思考の遅延によってほんの僅かでも先延ばしにしたいという悪あがきが、
幼さに見合わない絶望の色をより黒くさせる、とても出来た演出だと感じた。
描写被りが散見されるが、演出の如何によって見方が違ってくる良い作品だ。
ただ説明しすぎ、もしくは説明が丁寧すぎるが故にクドくなっている箇所が出ているのが惜しいところ。
この作品は読んだ後の読者に何を考えさせるかってのが肝だと思う。
今回のお題は「悪人」だったわけだが。
誰が悪人かってのは人それぞれ違うよね、っていう着地を語らせるには何かこう……フワフワしてる。
ブーンのやった殺人が悪っていうのなら、ツンが目玉を潰したのも悪になるし、
しかしそれを大人たちがツンにした悪と並べるのはフェアじゃない気がする……。
三人とも自分のエゴを通しただけって見方だと今度は悪とは何か?って感じになっちゃう……。
そして悪とは何か?を語らせるにはこの着地の仕方ではちょっと無理がある。
そもそも「悪人」の括りにツンを含むことを想定しているのか?
含んでいるのだとしたら、ツンの悪人要素が弱すぎると感じるし、
含んでいないなら、下手したら喧嘩両成敗で片付いてしまう話になっちゃう。
投げかけられた問いかけに、答える以前に考える事柄に悩んでしまうことになってしまったのが悔しい。
以上
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('A`) 2位は?
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