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('A`)ドクオはアイを愛するアイドルに逢いに行くようです
143
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/28(金) 22:42:35 ID:6oLPL8NE0
『可愛いー!! こっち向いてー!!』
『ミセリー! ドラマ最高だったよー!』
『またイベントやってくれー!』
『ミセリ大好きだー! また会いにくるよー!!』
('A`#)「新城さーん!! 好きだぁぁぁぁぁぁぁ!!」
『ミセリさーん!! 愛してまーす!!』
『ミセリまた名古屋来てねー!!』
ミセ*゚ー゚)リ
('A`)(――――行っちまった)
('A`)(完全に埋もれてたな、俺の声。みんな声でけぇ)
('A`)(一瞥もくれなかったし、気づいてるわけないな。そりゃそうだ)
('A`)(でも、言えた。届かなかったから意味ないかもしれないけど、ようやく言えた)
('A`)(新城さんに好きだってこと、言えたんだ)
144
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/28(金) 22:44:43 ID:6oLPL8NE0
('A`)(心残りがまったくないと言えばウソになる。けど、やれる限りのことはやれたかな)
('A`)(反省はたくさんしないとな。反省して、今後に活かさないと)
('A`)(そんでもって、新城さんのこと、これからもずっと応援しつづけるんだ)
('A`)(もしかしたらまだ、コメントも最初に探してくれてるかもしれない。心の支えにしてくれてるかもしれない)
('A`)(その可能性がある限りは、今までと変わらない応援をしつづけよう。自分のためにも、彼女のためにも)
('A`)「ふー」
('A`)(一応、報告しとくか)
プルルルル プルルルル
( ^ω^)『おいすー。どうだったお?』
('A`)『ダメだった。イベントの受付時間に間に合わなくて』
( ^ω^)『気になって新幹線の運行状況見てたけど、なんか飛来物があったとかで遅延してなかったかお?』
('A`)『あぁ。それがなかったら間に合ってたかもしれないけど、まぁ、元を糺せばあんなギリギリの時間の新幹線に乗ったのが悪いんだよな』
('A`)『もっと早くに会いに行く決意を持ててれば、充分間に合ったはずなんだから、俺のせいだよな』
( ^ω^)『それはもうしょうがないお。でも、一目見ることもできなかったのかお? イベント終わりの出待ちとかは?』
145
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/28(金) 22:46:56 ID:6oLPL8NE0
('A`)『マナー違反かなと思いつつ、出待ちはしたよ。そこで好きだって叫んだけど、届かなかっただろうな。人めっちゃいたし』
( ^ω^)『他にチャンスは? もう逢う手段なさそうかお?』
('A`)『駅の改札で待つのも考えたけど、人めっちゃいるし、改札もたくさんあるし、さすがに厳しいかな」
( ^ω^)『うーん、確かに。仮に会えてもマネージャーとかに制止されそうだお』
('A`)『他のイベントがあれば行きたいけど、フォトエッセイの発売記念イベントはこの名古屋がラスト。今の人気を考えると、もうこんなイベントほぼ望めないだろうな』
( ^ω^)『うーむ。でも、一応好きだって言えたのかお。あのドクオが、大した成長だお』
('A`)『自分が出せる限りの大声で叫んだけど、他に声のデカイやついっぱいいたから、かき消されただろうな』
( ^ω^)『最善を尽くしてもダメだったならしょうがないと思うお。色々反省はあるだろうけど』
('A`)『ありまくりだ。ほんと情けない。でも、今後に活かさないとな』
( ^ω^)『新城美芹のことは、これからも変わらずに応援しつづけるのかお?』
('A`)『あぁ。夢を直向きに追いかける彼女が好きだからな。とりあえず、彼女が夢を叶えて引退するまでは、と思ってるよ』
('A`)『せっかく名古屋に来たんだし、ちょっと観光してからそっち帰るよ』
( ^ω^)『了解だお。この部屋、泊まってっていいかお?』
('A`)『好きにしてくれ。日付が変わる前には帰るけど』
( ^ω^)『把握したお、待ってるお』
プツッ
146
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/28(金) 22:48:52 ID:6oLPL8NE0
('A`)(正直、まだめちゃくちゃ引きずってるけど)
('A`)(ずっと塞ぎ込んでたってしょうがないよな。早く気持ちを切り替えないと)
('A`)(歩き出せばまた転ぶかもしれない。けど、進まなきゃな)
('A`)(そういや観光って言ったけど、名古屋で観光ってどこ行けばいいんだ? 初めて来たし、あんまよく知らないな)
('A`)(スマホで軽く調べてみるか)
('A`)(その前に、ちょっとニュースでもチェックして、っと)
('A`)(ん?)
『茂菜 撮影期間中に5キロ減量』
('A`)(茂菜についての記事か。そういや、主演映画がもうすぐ公開されるんだっけ)
('A`)(今日は試写会があったのか。宣伝を兼ねて記事にしたって感じかな、多分)
『今日、名古屋のミッドランドスクエアで「Starting Over」の完成披露試写会が行われた』
『劇場には主演の茂菜佑輔やヒロイン役の椎名智美、伊藤愛莉らが集まり――――』
('A`;)(って、茂菜も今日名古屋に来てんのかよ!)
('A`;)(仕事が全然違うから、新城さんと同じ日になったのは偶然なんだろうけど)
147
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/28(金) 22:51:27 ID:6oLPL8NE0
('A`)(でも、たまたまでも同じ日に名古屋にいるんだから、会ったりもするんだろうなぁ。付き合ってたらそんなもんだよな)
('A`)(二人でご飯食べにいったりとか、一緒のホテル泊まったりとか)
('A`)
('A`)(ダメだ、これについて考えるのはやめよう。今の俺には研ぎ澄まされたナイフみたいなもんだ。エグすぎる)
('A`)(えーっと、何しようとしてたんだっけ。名古屋で観光について調べようとしてたのか)
('A`)(あ、そうだ。思い出した。名古屋城、前に新城さんが行きたいって言ってたよなぁ)
('A`)(意外と名古屋駅から近いみたいだ。よし、行ってみるか)
・
・
・
('A`)(地図で見た限りだと、地下鉄出てすぐって感じだったけど)
('A`)(おー、あった。あれが名古屋城か。キレイだなー)
('A`)(できれば天守閣入りたいけど、まだ営業してんのかな。調べてみるか)
('A`)(えーっと。あ、もう時間過ぎちまってるな。残念)
('A`)(ま、いっか。外から見てるだけでも。立派なもんだし)
('A`)(軽く周りを散策してみるかな)
148
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/28(金) 22:53:53 ID:6oLPL8NE0
('A`)(にしても、カップルとか親子連れとか多いなぁ)
('A`)(みんな楽しそうだ。いいなぁ)
('A`)(俺も、もっと早く勇気を出せてたら)
('A`)(そしたら、今頃もしかしたら、新城さんと――――)
('A`)
('A`)(――――実際のところ、どうだったんだろうか)
('A`)(大事なファンとして見てもらってた、って思ってたけど)
('A`)(新城さんは俺のこと、実際のところは、どう見てたのかな)
('A`)(一人の男として見てくれてたのかな)
('∀`)(顔も頭も悪い俺のことを? ははは、ないない)
('∀`)(新城さんにはやっぱ茂菜くらいのスペックの男が似合ってるよ。当たり前だ)
('∀`)(俺が隣にいたんじゃ彼女に恥かかせちまうだけだよな)
149
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/28(金) 22:56:32 ID:6oLPL8NE0
('A`)(って、こういう自虐的なところもほんと直さないとな)
('A`)(自分の欠点と向き合うのは大事なことだけど、欠点ばっか気にして立ち止まるんじゃ前に進めない)
('A`)(ブーンに教えてもらったんだ。勇気を持って踏み出すことが大事だって)
('A`)(そうじゃなきゃ一生チャンスなんか掴めないんだってことを)
('A`)(この歳になって気づくんじゃ遅すぎるけど、気づけてよかった。ブーンにはほんと感謝だな)
('A`)(あいつには土産でも買ってってやるとするか)
('A`)(おおっ。遅い時間になると城がライトアップされるのか。キレイだな)
('A`)(新城さんもだいぶ前に名古屋城行ってみたいってブログで書いてたけど、結局行けたんだろうか)
('A`)(もしまだ行けてなかったら、今日たまたま名古屋城に来てたりしないかな)
('A`)(いやでも、イベントの終了が遅かったし、天守閣入れない時間って分かってたらわざわざ来ないか)
('A`)(仮に来てたとしてもマネージャーとか居そうだし、近づけないだろうな。ダメか)
('A`)(ほとんど叶わない望みを持つのも辛いし、そろそろ帰るとするか――――)
('A`)(――――いや、ほんの僅かな希望を持ってみるのも、悪くはないよな)
150
:
名無しさん
:2018/12/28(金) 22:58:52 ID:fGkV9WjI0
wktk支援
151
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/28(金) 22:59:37 ID:6oLPL8NE0
('A`)(昨日までの俺なら、希望を持つ勇気さえなかったけど)
('A`)(もしかしたらいるかも、っていう思いさえなかったら、仮にいてもきっと気づけない)
('A`)(期待するのは怖い。期待どおりの結果が得られなかったら心に傷が残る)
('A`)(だけど、何も期待しないんじゃ何も得られない、って思うべきなんだよな)
(A`='A)
('A`;)(だいぶ暗くなってきたから、遠くからじゃ顔とか全然見えないな)
('A`;)(ってかマネージャーと一緒ならどのみち厳しいんだよな。それだと駅で待つほうがまだ可能性あったかな)
('A`)(いや、観光は一人でしたいってお願いしてる可能性もあるか。希望は捨てないでおこう)
('A`)(不審に思われない程度に、ぐるっと回って探してみるか。例えば、あっちの木のところに居る人とか――――)
('A`)(ん?)
('A`)(あれ? あの人――――)
ミセ* ー )リ
152
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/28(金) 23:01:45 ID:6oLPL8NE0
(゚A゚)
(゚A゚)
(゚A゚)
(゚A゚)(暗くてよく見えないしマスクしてるし帽子かぶってるけど)
(゚A゚)(あの背丈、スタイル、髪の長さ――――)
(゚A゚)(――――ネイビーの、ラマダのカバン)
(゚A゚)(ま、間違いない! 新城さんだ!!)
(゚A゚)(いた! ほんとにここにいた!)
(゚A゚)(帰っちまうところだった! 危なかった!)
(゚A゚)(希望を捨てなくてよかった! 正真正銘のラストチャンスが、来たんだ!)
(゚A゚;)(って、うん?)
153
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/28(金) 23:03:52 ID:6oLPL8NE0
ミセ*゚ー゚)リ「そうなんです、いま名古屋城に来てて」
ミセ*゚ー゚)リ「すっごいキレイですよー。一緒に見たいなぁって思っちゃいました」
('A`;)(誰かと、電話してる)
('A`;)(一緒に見たい、って)
ミセ*゚ー゚)リ「はい、そうですね。こっちはもうお仕事終わったので」
ミセ*゚ー゚)リ「映画の試写会どうでした? 盛り上がってましたか?」
('A`)(あっ――――)
ミセ*^ー゚)リ「そうなんですね。名古屋まで来た甲斐がありましたね、良かったです♪」
('A`)(――――そっか)
('A`)(電話の相手、は)
154
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/28(金) 23:06:54 ID:6oLPL8NE0
ミセ*゚ー゚)リ「えーっと、時間は21時くらいで良かったですか?」
ミセ*゚ー゚)リ「あ、全然大丈夫ですよー。適当に時間潰して待ってるので」
ミセ*^ー゚)リ「あはは、ダメですよー、そんなこと言っちゃ。茂菜さん、主役なんですから」
ミセ*゚ー゚)リ「いえいえ。久々に会えるのが嬉しいので、いくらでも待てます!」
ミセ*゚ー゚)リ「一緒にお泊りも久々ですし、すっごく楽しみなんです!」
ミセ*^ー゚)リ「ふふ。私も、大好きですよー♪」
ミセ*゚ー゚)リ「はい。待ってますね。がんばってください!」
ミセ*゚ー゚)リ「それじゃあ、またあとで!」
('A`)
('A`)
('A`)
('A`)(そっか、やっぱそうだよな)
155
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/28(金) 23:09:59 ID:6oLPL8NE0
('A`)(偶然でもお互い名古屋にいるんだから、やっぱ会ったりもするよな)
('A`)(待ち合わせの時間まで暇だから時間潰しに来たのか。そっか、なるほどな)
('A`)(新城さん、すっごく楽しそうな声だったなぁ)
('A`)(マネージャーとか居ないみたいだし、周りの人は新城さんに気づいてないし)
('A`)(声をかけようと思えば、いくらでもかけられるんだけど)
('A`)(ダメだな。そんなに図太い心は持ってねーや)
('A`)(これから恋人に会って楽しい夜を過ごそうとしてる人に、告白なんてできるかよ)
('A`)(勇気の問題じゃなかった。悔いのないようにって思ってたけど、今ここで声をかけたら絶対後悔する)
('A`)(自分が満たされるためだけに彼女の楽しい時間を壊すのは勇気でもなんでもないな。ただのエゴだ)
('A`)(ラストチャンスなんかじゃなかったんだ。とっくに、チャンスは潰えてたんだ)
('A`)(とっくに、全部終わってたんだな)
('A`)(――――ラストといえば、多分、彼女を生で見れるのがラストだな)
('A`)(よく目に焼き付けとこう。もう二度とないんだろうから)
ミセ*゚ー゚)リ
156
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/28(金) 23:12:55 ID:6oLPL8NE0
('A`)(あんまり顔ちゃんと見えないけど、やっぱ実物はほんと可愛い。テレビや写真でも可愛いけど、軽く超越してる)
('A`)(彼女と天守閣の間にいなくてよかった。見つかるとこだった、あぶねぇ)
('A`)(こっち側には何もないから、彼女の視線が向くこともないだろうしな)
('A`)(それにしても、ここほんとカップル多いな。デートスポットなんだな)
('A`)(彼女もそっちに目が行っちゃってる。一緒に見たいって、茂菜に言ってたしなぁ)
('A`)(俺だって、本当は、新城さんと一緒に――――)
('A`;)(――――えっ?)
ミセ*; -;)リ
('A`;)(えっ!? な、泣いてる!?)
('A`;)(なんで!? 突然、そんな、どうしたんだ!?)
ミセ*; -;)リ「うぅ、う、ぐすん」
('A`;)(茂菜と会うの、あんなに楽しみにしてたのに! なんで!? 何があった!?)
ミセ*; -;)リ「ひぐ、う、ぐ、うう」
ミセ*; -;)リ「分かんない、分かんないよ」
ミセ*; -;)リ「なんで、なんで」
157
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/28(金) 23:15:06 ID:6oLPL8NE0
('A`;)
('A`;)(分かんねぇのは俺のほうだ。なんで泣いてるのか、まったく分かんねぇ)
('A`;)(茂菜との間に何かあったのか、それとも他に悩みがあるのか。色々考えられるけど)
('A`;)(確実に言えるのは、今、茂菜と会うことだけを楽しみにしてる、ってわけじゃないっつーことだ)
('A`;)(思わず泣きだしてしまうような何かが、あるってことだ)
('A`;)(どうする。俺が声かけにいってもいいのか?)
('A`;)(俺なんかじゃどうしようもない問題かもしれない。連絡取れないようにされたんだし、声かけた瞬間に逃げ出されるかもしれない)
('A`)(でも、彼女の助けになれる可能性だって、ゼロじゃないんだ)
('A`;)(場合によっちゃ更に彼女を困らせることになるかもしれないから、難しいところだけど、でも――――)
('A`;)(ん?)
( ・∀・)「お、彼女どうしたのー? なんで泣いてんのー?」
_
( ゚∀゚)「彼氏にフラれたんか?」
('A`;)(なんだ、あいつら?)
158
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/28(金) 23:17:12 ID:6oLPL8NE0
ミセ*; -;)リ「あっ、いえ。なんでもないんです」
( ・∀・)「いやいや、そんな風に落ち込んでたら気になっちゃうっしょー」
_
( ゚∀゚)「そうそう。こんな可愛い女の子が一人でさ――――」
_
( ゚∀゚)「って、あれ? もしかして」
( ・∀・)「ん?」
_
( ゚∀゚)「この子、新城美芹じゃね?」
ミセ*; -;)リ「!」
('A`;)(気づかれた!)
( ・∀・)「いやいや、そんなわけねーって」
_
( ゚∀゚)「いや、よく見ろって。どう見ても本人だろ」
( ・∀・)「んー? そう言われてみれば確かに、かなり似てるな」
ミセ*; -;)リ「あ、あの」
_
( ゚∀゚)「俺ファンだからさ、たまにブログ見てんだよ。確か今日は名古屋でイベントって書いてたぞ」
( ・∀・)「おお。じゃあ間違いないな。本物じゃん! すげー!」
159
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/28(金) 23:19:28 ID:6oLPL8NE0
_
( ゚∀゚)「やっべ、ペンとか持ってねーや。せっかくサインもらえるチャンスなのに」
( ・∀・)「っつーかさ、一緒に飯でも食いに行こうぜ。それくらいよくね?」
_
( ゚∀゚)「お、確かに。軽くご飯くらい、いいよな」
ミセ*; -;)リ「いえ、あの、困ります」
( ・∀・)「いやいや、そんなこと言われたらこっちが困るって。ハナシ聞いてあげるしさ」
_
( ゚∀゚)「そうそう。行かないってんならさ、ファンサービス最悪ってネットで拡散しちゃうぜ?」
( ・∀・)「おいおい、脅すなよ。可哀想だろ」
_
( ゚∀゚)「でも事実だろ? ファンを冷たくあしらうってんならさ」
ミセ*; -;)リ「そんな、そんなつもりじゃ」
_
( ゚∀゚)「別に変なことしねーって。ちょっとお話しようぜってだけだしさ」
( ・∀・)「だな。断る理由が分かんねーよ」
_
( ゚∀゚)「とにかく行こうぜ。あんま人目につくと困るだろ?」
( ・∀・)「あっちに個室の居酒屋あったよな。あそこ行こうぜ」
_
( ゚∀゚)「お、いいな。そうすっか」
160
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/28(金) 23:21:47 ID:6oLPL8NE0
ミセ*; -;)リ(どうしよう、どうしよう)
ミセ*; -;)リ(断らなきゃいけないのに、こんな無理やり、どうしたら――――)
スッ
ミセ*; -;)リ「――――えっ?」
('A`)「あの、すみません」
( ・∀・)「ん?」
_
( ゚∀゚)「なんだ、お前」
ミセ;゚ -゚)リ「えっ――――!?」
('A`)
ミセ;゚ -゚)リ「え、え、え、え!?」
161
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/28(金) 23:24:24 ID:6oLPL8NE0
('A`)「新城のマネージャーです」
('A`)「申し訳ありません。新城はこれから仕事が入っておりまして」
( ・∀・)「えー、そうなんすか?」
_
( ゚∀゚)「おいおい、ほんとにマネージャーかぁ? やたら若いけど」
('A`)「証明できるものを持ち合わせておらず、申し訳ありませんが」
('A`)「彼女に聞いてもらえれば、お分かりいただけると思います」
( ・∀・)「んー?」
('A`)「新城さん」
ミセ;゚ -゚)リ「あ、は、はい!」
ミセ;゚ -゚)リ「そうです! 私のマネージャーさんです!」
( ・∀・)「テキトーに話合わせてるだけじゃねーの?」
_
( ゚∀゚)「ホントにマネージャーならさ、今日ミセリが何で名古屋にいるのか言ってみろよ。ほら」
('A`)「フォトエッセイの発売記念イベントです。全国八か所で実施しており、今日が最後の名古屋開催です」
('A`)「ちなみに昨日はバラエティ番組の撮影で東京に。その前日は休暇で、その前は」
( ・∀・)「あー、もういいっすよ。分かったから」
162
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/28(金) 23:27:27 ID:6oLPL8NE0
( ゚∀゚)「これマジっぽいな。つまんねー」
( ・∀・)「しゃーねーよ。あんまりしつこくしてトラブルになってもメンドイしさ」
_
( ゚∀゚)「まぁな。諦めるしかねーか」
( ・∀・)「ミセリちゃんバイバーイ」
_
( ゚∀゚)「じゃーなー」
ミセ;゚ -゚)リ「あっ、はい。すみませんでした」
ミセ;゚ -゚)リ
('A`;)
ミセ;゚ -゚)リ
('A`;)
ミセ;゚ -゚)リ「ドクオ、さん」
('A`;)「う、うん」
ミセ;゚ -゚)リ「あの、頭の中が、ぐちゃぐちゃです」
('A`;)「うん、俺も」
ミセ*゚ -゚)リ「でも――――」
ギュッ
163
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/28(金) 23:29:18 ID:6oLPL8NE0
(゚A゚;)「う、うわ!」
ミセ*゚ -゚)リ「ありがとうございます、本当に。すごくすごく、助かりました」
(゚A゚;)(だ、抱き付き!)
ミセ*゚ -゚)リ「布佐さんのときも、今回も、なんでそんな困ってるとこヒーローみたいに助けてくれるんですか?」
ミセ*゚ -゚)リ「ずるいです。ずるすぎます。そんなとこ見せられたほうの気持ち考えてください」
(゚A゚;)「ご、ごめん」
ミセ*゚ -゚)リ「謝らないでください。いや、やっぱり謝ってください」
(゚A゚;)「ど、どっち」
ミセ*゚ -゚)リ「もうほんとにわけが分からないんです。たぶん私いま、ものすごく混乱しちゃってます」
(゚A゚;)(俺も全然落ち着かない、やばい。心臓バックバクだ)
ミセ*゚ -゚)リ「ドクオさん、あっちのベンチでお話できませんか? あそこなら多分、人目につきにくいと思うので」
(゚A゚;)「う、うん」
・
・
・
164
:
名無しさん
:2018/12/28(金) 23:30:37 ID:Rb2xuYPk0
アラマキ「記念パピコ」
165
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/28(金) 23:31:27 ID:6oLPL8NE0
ミセ*゚ -゚)リ「ドクオさんに聞きたいこと、たくさんです。一つずつ聞いていってもいいですか?」
('A`;)「ど、どうぞ」
ミセ*゚ -゚)リ「まず今日、私がイベントから帰ろうとしたとき、出待ちしてる人たちの中にいました?」
('A`;)「いた。気づいてたの?」
ミセ*゚ -゚)リ「声が聞こえた気がしたんです。何て言ってるかは分からなかったですけど」
ミセ*゚ -゚)リ「でも、そんなわけないとも思ってたんです。関東のイベントで逢えなかったのに、名古屋のイベントで逢えるわけないなって」
ミセ*゚ -゚)リ「このイベント、事務所にはかなり無理を言ってしまって。スケジュールも会場も警備も、全部調整が大変だから、もう今後は無理だと思ってくれ、って言われてて」
ミセ*゚ -゚)リ「きっとこのイベントがラストチャンスだ、って思ってたんです。だから、ずっと期待してて。そのせいで幻聴が聞こえちゃったのかなって思ってたんですけど」
('A`;)「え、期待?」
ミセ*゚ -゚)リ「二つ目の質問です。なんで横浜とか千葉とかのイベントじゃなくて、名古屋のイベントに来てくれたんですか?」
('A`;)「えっと、それは。思い立ってというか、逢いに行こうと決意できたのが今日だったから」
ミセ*゚ -゚)リ「でも、サイン会にはいませんでしたよね」
('A`;)「あ、最初はそっちに行こうとしたんだけど。新幹線が遅れたとか、そもそも思い立つのが遅かったとか」
('A`;)「まぁ、色々あって、イベントの受け付け時間に間に合わなくて」
ミセ*゚ -゚)リ「この名古屋が最後なのに、結局最後まで来てもらえないんだって思って、すごくガッカリしてたんです」
('A`;)「ご、ごめん」
166
:
名無しさん
:2018/12/28(金) 23:34:01 ID:XboYJAU60
sienn
167
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/28(金) 23:34:11 ID:6oLPL8NE0
ミセ*゚ -゚)リ「でも、わざわざ名古屋まで来てもらえたことは、すごく嬉しいです。ありがとうございます」
ミセ*゚ -゚)リ「文句みたいなことばかり言って、ごめんなさい」
('A`;)「いや、いや、そんなの全然」
ミセ*゚ -゚)リ「名古屋城に来たのは? たまたまですか?」
('A`;)「えっと、新城さんが前に名古屋城行きたいって書いてたの思い出して。俺も行ってみようかなって」
('A`;)「覚えててよかった。おかげで、新城さんを助けられた」
ミセ*゚ -゚)リ「覚えててもらえて、本当によかったです」
ギュッ
('A`;)(ま、また抱き付き!)
ミセ* - )リ「ずっと怖かったんです。私のこと、ちょっとずつ忘れられちゃうんじゃないかって」
ミセ* - )リ「もう逢わないほうがいいって言われたこと、私なりにちゃんと理解してるつもりでした。私も、逢わないほうがいいって思いました」
ミセ* - )リ「でも、アイドルとして活躍することをドクオさんは応援してくれてたのに、最近は全然アイドルらしい活動ができてなくて」
ミセ* - )リ「このままアイドルじゃなくなったら、きっとドクオさんに応援してもらえなくなっちゃう、って。すごく不安だったんです」
168
:
名無しさん
:2018/12/28(金) 23:36:17 ID:3bRSeVWE0
(´・ω・`)ミセリかわヨ
169
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/28(金) 23:37:01 ID:6oLPL8NE0
ミセ* - )リ「またDVDとかも出したいって事務所にお願いしてたんですけど、ドラマとか映画とかのオファーが幾つもあるからダメだって言われて」
ミセ* - )リ「演技のお仕事するのも好きですけど、ここ最近はずっと、ドクオさんに見てもらいたくてお仕事してたので」
ミセ* - )リ「応援してもらえそうにない方向に向かうくらいなら、いっそ、お仕事もやめちゃおうかなって。そう考えることもあったんです」
('A`;)「そ、そうだったの!?」
ミセ* - )リ「はい。でも引退したらドクオさんをガッカリさせちゃうかもしれないって思うと、また怖くて」
ミセ* - )リ「ドクオさんのこと考えすぎて前に進めなくなるくらいなら、いっそ忘れちゃったほうがいいのかとも思って、心の拠り所にしてたドクオさんの電話番号も削除して」
ミセ* - )リ「私の電話番号も変えて、繋がりをほとんど断ち切って、お仕事に専念しようって思ったりもしたんです」
ミセ* - )リ「でもずっとドクオさんのために頑張ってきたから、他にモチベーションがなくて。どうしようって悩みつづけて、結局答えは出なかったんですけど」
ミセ*゚ー゚)リ「でも、やめなくてよかったです。こうして、またお逢いすることができました」
ミセ*゚ー゚)リ「ブログへのコメントも、惰性で続けてくれてるんじゃないかって疑っちゃってたんです」
ミセ*゚ー゚)リ「心から信じられなくてすみませんでした。でも、もう迷う必要なんてないんですよね」
ミセ*゚ー゚)リ「ドクオさん、こんな遠いところまで逢いに来てくれたんですもんね。興味なかったらそんなことしませんもんね」
('A`;)「も、もちろん! ずっと応援するって言ったのは本心からだから」
ミセ*^ー゚)リ「本当に良かったです。アイドルとして活動できてなくても、応援してくれてたんですね」
170
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/28(金) 23:40:19 ID:6oLPL8NE0
ミセ*゚ー゚)リ「そうそう、あと二個だけ教えてください」
('A`;)「うん?」
ミセ*゚ー゚)リ「今日名古屋に来ることを思い立ったって言ってましたけど、なんで逢いに行こうって思ってくれたんですか?」
('A`;)(うっ)
ミセ*゚ー゚)リ「あと、出待ちのとき、私になんて言ってくれたんですか? 教えてほしいです!」
('A`;)(や、やばい。どうしよう)
('A`;)(言っていいのかな。気持ちとしては、言っちゃいたいけど)
('A`;)(彼氏がいる相手に言うのってやっぱ、自己満足だよな。迷惑かけるだけだよな)
('A`;)(でも、一度くらいは自己満足を爆発させても、いいのかな)
ミセ;゚ー゚)リ「あっ、言いたくないことだったら、無理にとは言いません」
('A`;)「あ、えっと」
ミセ*゚ー゚)リ「じゃあ、その代わりに私の話、聞いてもらってもいいですか?」
('A`;)「あ、うん。もちろん」
171
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/28(金) 23:43:13 ID:6oLPL8NE0
ミセ*゚ー゚)リ「多分、分かりきってることだと思うんですけど。こんなこと言っても、迷惑かけちゃうだけかもなんですけど」
ミセ*゚ー゚)リ「でももう言っちゃいたいんです。半年前に言わなかったこと、散々後悔したので」
('A`;)「え?」
ミセ*゚ー゚)リ「私、ドクオさんのことが好きです」
('A`)
(゚A゚)
(゚A゚;)
( ゚ A ゚ ; )
ミセ*゚ー゚)リ「ファンの方としてじゃなくて、一人の男性として」
ミセ*゚ー゚)リ「ずっと好きでした。諦めようと思ったときもありましたけど、もう全然無理でした」
172
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/28(金) 23:45:16 ID:6oLPL8NE0
ミセ*゚ー゚)リ「私が全然売れてなくて心が折れそうだったとき、毎日欠かさずにコメントしてくれるドクオさんだけが頼りでした」
ミセ*゚ー゚)リ「最初は、凄く熱心に応援してくれる人だなぁ、くらいにしか思ってませんでした。でも、コメントで個人的な話もするようになってきて、気持ちが変わってきて」
ミセ*゚ー゚)リ「いつも優しく気遣ってくれるし、偉そうなことは全然言わないし、返しも上手で面白くて、頭のいい人なんだってことも分かって」
ミセ*゚ー゚)リ「コメント見るたびにドキドキしちゃって、いつか逢ってみたいって気持ちがずっとありました」
ミセ*゚ー゚)リ「実際にお逢いしたら、想像以上にすごく紳士的で優しい人で。私の理想以上の人で、もう完全に好きになっちゃったんです」
ミセ*゚ー゚)リ「ごめんなさい。アイドルとしての私が好きなだけって、分かってたんですけど」
ミセ*゚ー゚)リ「きっとドクオさんは、家族とか、親友とかを応援するような気持ちしかなくて、一人の女としては見られてないんだろうなーってこと」
ミセ*゚ー゚)リ「分かってたから、言わないほうがいいって思ってたんですけど、ダメですね。言っちゃいました」
(゚A゚;)
(゚A゚;)
ミセ;゚ー゚)リ「あっ、やっぱり困らせちゃってますね、ごめんなさい」
ミセ*゚ー゚)リ「でもでも、もう言っちゃったので開き直ります。私、絶対諦めません」
173
:
名無しさん
:2018/12/28(金) 23:46:25 ID:Fld.YFEM0
ミセリかわいい…
174
:
名無しさん
:2018/12/28(金) 23:47:41 ID:H.g4rQYQ0
これはアイドルミセ*゚ー゚)リ
175
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/28(金) 23:48:04 ID:6oLPL8NE0
ミセ*゚ー゚)リ「アイドルとして好きになってもらえたのに、なんで一人の女としては見てもらえなかったのか。今でも分からないままですけど」
ミセ*゚ー゚)リ「好きになってもらえるように頑張ります。だから、もう逢わないって言われても拒否します」
ミセ*゚ー゚)リ「何度でも逢いに行きます。電話だってかけちゃいます。全力です」
ミセ*゚ー゚)リ「一生好きでいつづけるって決めたんです。私、相当しつこいので、覚悟しててください」
(゚A゚;)
(゚A゚;)「えっ」
(゚A゚;)「ちょ、ちょっと待って」
ミセ*゚ー゚)リ「はい?」
(゚A゚;)「あの、上手く言葉が出てこないけど」
(゚A゚;)「めちゃくちゃ嬉しい。嬉しすぎて、現実かどうか分からなくなってるけど」
(゚A゚;)「でも、茂菜佑輔は?」
ミセ*゚ー゚)リ「え?」
(゚A゚;)「付き合ってるんでしょ? 俳優の茂菜と」
ミセ*゚ー゚)リ
ミセ;゚ー゚)リ「付き合ってないですよ?」
(゚A゚;)「ええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
176
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/28(金) 23:50:39 ID:6oLPL8NE0
ミセ;゚ー゚)リ「あっ、確かに熱愛報道みたいなの出ましたけど。ちゃんと否定しましたよね?」
(゚A゚;)「し、してたけど、茂菜のマンションの部屋に二人で入ってったでしょ?」
(゚A゚;)「あんなの、好きな相手じゃなきゃそうそうできないでしょ?」
ミセ*゚ー゚)リ「あ、そうなんですけど、あのときも部屋の中は二人きりじゃなかったですし」
(゚A゚;)「えっ、そうなの?」
ミセ*゚ー゚)リ「確か全部で五人です。他の三人は前の日からそこに泊まってたみたいで、週刊誌の人も気づかなかったらしくて」
ミセ*゚ー゚)リ「その三人の中に事務所の先輩の椎名智美さんがいて、誘われたんです。一緒に遊ぼうって」
ミセ*゚ー゚)リ「みんなで夜遅くまでゲームとかして、一晩泊まらせてもらいましたけど、別に何もなかったですよ?」
(゚A゚;)「え、でもじゃあ、さっきの電話は」
ミセ;゚ー゚)リ「あれ、電話も聞いてたんですか」
(゚A゚;)「ご、ごめん!」
ミセ*゚ー゚)リ「あ、全然大丈夫なんですけどね。あの電話の相手も椎名さんです」
ミセ*゚ー゚)リ「昔からすごく良くしてくれる先輩で、今日たまたま仕事で椎名さんも名古屋に来てて」
ミセ;゚ー゚)リ「なんか私のこと本当に気に入ってくれてるんです。しょっちゅうご飯とか遊びとか誘われるし、いつも『大好き』って言われるし」
177
:
名無しさん
:2018/12/28(金) 23:51:53 ID:ltklijHA0
(´・ω・`)ほうほう
178
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/28(金) 23:53:29 ID:6oLPL8NE0
ミセ*゚ー゚)リ「さっき電話でも、『茂菜さんに誘われてご飯行くとこだけどすっぽかしてそっち行きたい』とか言われて。相手は主役だし、関係大事だから、ダメですよーって言ったんですけど」
ミセ;゚ー゚)リ「あと一緒にお泊りがとにかく好きみたいで、今日もなんかお高めのホテル取ってくれたらしくて。気合入ってるなぁって」
ミセ*゚ー゚)リ「もちろん私も椎名さんのこと大好きなので、お泊りで一緒に過ごせるのは嬉しいんですけどね」
(゚A゚;)
(゚A゚;)「そ、そうだったんだ」
ミセ*゚ー゚)リ「はい」
ミセ*゚ー゚)リ「でも、正直に言うと、茂菜さんには『付き合わないか』って言われました」
(゚A゚;)「えっ!」
ミセ*゚ー゚)リ「何度かご飯誘われたりしてたので、もしかしたら言われるかなーと思ってたら、やっぱりで」
ミセ*゚ー゚)リ「私、茂菜さんには最初からちゃんと言ってたんですけどね。何年も前から好きな人がいて、遠ざけられたけど諦められないって」
ミセ*゚ー゚)リ「俺が忘れさせてあげる、みたいなことも言われたんですけど、ガッカリしちゃいました。そんなに軽い気持ちだと思われたのかなって」
ミセ*゚ー゚)リ「もう逢わないとか言われても諦められなかったのに、何回かご飯行ったくらいで気持ちが傾くと思ったら大間違いですよね」
(゚A゚;)
(゚A゚;)「そ、そうだね」
ミセ*゚ー゚)リ「はい」
179
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/28(金) 23:55:14 ID:6oLPL8NE0
ミセ;゚ー゚)リ「っていうか、電話を聞かれてたってことは、あれですよね」
ミセ;゚ー゚)リ「私がそのへんを歩いてる恋人たちを見て泣いちゃったところも、見てたんですよね」
(゚A゚;)「あっ、あれは恋人たちを見たからなの?」
ミセ;゚ー゚)リ「なんか寂しくなっちゃって。私も半年前に告白して頑張ってれば、ドクオさんとああやって歩けたんじゃないかって」
ミセ*゚ー゚)リ「なんで一人の女として好きになってもらえなかったのかな、どのへんがダメだったのかな、分からないなって、改めて考えちゃったんです」
ミセ*゚ー゚)リ「諦めたくないけど、諦めずに想いつづけることも本当に苦しいなって。そういうこと色々考えてたら、勝手に涙が出てきちゃって」
ミセ*゚ー゚)リ「そのせいでなんか、よく分からない二人に絡まれちゃいましたけど、そのおかげでまたドクオさんと逢えたから、ある意味感謝ですね」
(゚A゚;)
(゚A゚;)「そ、そうとも言えるかな」
ミセ*゚ー゚)リ「はい」
ミセ*゚ー゚)リ「それにしても、今日は本当にいい日でした。ドクオさんにまた逢えて、告白もできました」
ミセ*゚ー゚)リ「しかもさっき、嬉しいって言ってくれましたよね。ってことは、チャンスあるってことですよね」
ミセ*゚ー゚)リ「頑張っちゃってもいいってことで、いいですね? 休みの日とか、しょっちゅう遊びに誘っちゃいますから!」
180
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/28(金) 23:58:02 ID:6oLPL8NE0
ミセ*゚ー゚)リ「ドクオさん彼女とかいるのかなぁって思ったりもしましたけど、そういうことでもないんですもんね。ほんとに安心しました」
ミセ*゚ー゚)リ「他の人に取られる前に何とかしないと、ですよね。えーっと、次の休みは」
(゚A゚;)「いや、あの」
ミセ*゚ー゚)リ「はい?」
(゚A゚;)「俺も、新城さんのこと、好きなんだけど」
ミセ*゚ー゚)リ
ミセ*゚ー゚)リ
ミセ*゚ー゚)リ「あ、知ってます。でも、そうじゃなくて」
ミセ*゚ー゚)リ「アイドルとしてじゃなくて、一人の女の子として。新城美芹として、好きに」
(゚A゚;)「いや、まさにそうなんだ」
(゚A゚;)「一人の女の子として、君のことが、好きだ」
181
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/29(土) 00:00:44 ID:VOUzVxYI0
ミセ*゚ー゚)リ
ミセ*゚ー゚)リ
ミセ;゚ー゚)リ「えっ」
ミセ;゚ー゚)リ「え、え?」
ミセ;゚ー゚)リ「ええええええええぇぇぇぇぇぇぇ――――――――!!」
('A`;)「ちょっ! 声大きいって!」
ミセ;゚ー゚)リ「えっ、だってだって、えっ?」
ミセ;゚ー゚)リ「なんで!? いつからですか!?」
('A`;)「はっきりとは分かんないけど、多分、最初から」
ミセ;゚ー゚)リ「えっ、それはウソです! ありえません! じゃあなんですぐ告白してくれなかったんですか!?」
ミセ;゚ー゚)リ「初めて会ったときにすぐ告白してくれてたら、私もすぐ『こちらこそ』って返事したのに! どうして!?」
('A`;)「それは、本当に申し訳ないけど――――」
('A`)「――――多分オレは、いいファンを演じようとしてたんだと思う」
ミセ*゚ -゚)リ「!」
182
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/29(土) 00:02:37 ID:VOUzVxYI0
('A`)「新城さんにもそれを望まれてるって思い込んでたし、いいファンでありつづければ傷つくこともないから」
('A`)「勇気を出して、フラれる覚悟で『付き合って下さい』と言えてればよかったんだろうけど、そんな勇気は一欠片も持ってなかった」
('A`)「いいファンであろうとする意識が強すぎて、告白することなんて考えもしなかったんだ」
('A`)「でも、今日友達に言われて、気づけたんだよ。勇気を失うことは全てを失うことだ、って」
('A`)「俺は傷つくことを恐れて、何も得ようとしてなかった。それって結局、何もかも失うことと一緒だったんだ」
('A`)「だから新城さんのことも失いかけた。でも、勇気を持って踏み出せたおかげで、今日また、新城さんに出逢えたんだ」
ミセ* - )リ
('A`;)「ごめん、そっちから言わせてしまって。俺から先に言うべきだったのに」
ミセ* - )リ「ほんとです。ドクオさんにはガッカリです」
('A`;)「ほんとに、ごめん。許してもらえないかもしれないけど」
ミセ* - )リ「すごく、すごく怖かったんです。ずっと想いつづけることも、自分から想いを伝えることも」
ミセ* - )リ「あんなに優しくて紳士的で、いつも私をすごく気遣ってくれるドクオさんが」
ミセ* - )リ「私に、こんな怖い思いさせるなんて」
('A`;)「ごめん、本当に申し訳ないと思ってる。そのせいでもしかしたら、嫌われたかもしれないけど」
183
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/29(土) 00:04:27 ID:VOUzVxYI0
('A`)「もし嫌われたんだとしても、俺は諦めない。もう、逃げない」
('A`)「何度傷ついたっていい。新城さんをずっと、想いつづけるから」
ミセ* - )リ
ギューッ
('A`;)「新城さん?」
ミセ* - )リ「嫌いになんて、なるわけないです」
ミセ*゚ -゚)リ「こんなに怖い思いするくらい好きなんだってこと、伝えたかったんです」
('A`)「!!」
ミセ*゚ -゚)リ「ちゃんと、伝わりましたか?」
('A`;)
('A`;)「は、はい」
ミセ*゚ー゚)リ「それなら、良かったです♪」
184
:
名無しさん
:2018/12/29(土) 00:06:19 ID:z6t9malA0
ドクオ…良かったな
185
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/29(土) 00:06:24 ID:VOUzVxYI0
ミセ*゚ー゚)リ「っていうか、ドクオさん気づいてなかったんですね。私がドクオさんのこと好きだって」
ミセ*゚ー゚)リ「ずっとバレバレだと思ってました。全然隠せてない自信あったので」
('A`;)「凄く大事なファンと思ってくれてるのかな、って感じで。期待しすぎるのも怖かったし」
('A`;)「最初に部屋来たときの書き置きにも、『突然手を出してきたりすることは絶対ないって確信してた』って書いてあったし」
ミセ;゚ー゚)リ「いや、あの。それはそうですけど」
ミセ;゚ー゚)リ「好きでもなきゃ、突然手を出される覚悟がなきゃ、いくら大事なファンの人でも、部屋で二人きりなんてさすがに無理です!」
ミセ;゚ー゚)リ「同じ部屋で寝ることだって、できるわけないです!」
('A`;)「そ、そうかもしれないけど。純粋なファンだと思ってるからこその信用なのかなって」
ミセ;゚ー゚)リ「鈍すぎます! はっきり言いますけど、致命的なほど鈍感です!」
ミセ;゚ー゚)リ「電話もらってすっごく喜んだりとか、プレゼント貰うために無理やり逢おうとしたりとか、私のそういうところを考えたら」
ミセ;゚ー゚)リ「普通は気づきます! こいつ俺のこと好きなんだろうなーって!」
('A`;)「お、恐れ多い。そんな上から目線で見れない」
ミセ;゚ー゚)リ「気づかれてるんだろうなって思ってたからこそ、最初にもう逢わないって言われたときは本当にショックだったんです」
ミセ;゚ー゚)リ「女として興味持たれてない現実を突き付けられた、って思って」
('A`;)「ごめん。あれこそまさに、いいファンであろうとしちゃったからだ」
186
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/29(土) 00:08:30 ID:VOUzVxYI0
ミセ*゚ー゚)リ「あ、でもそれも嬉しいんですけどね。本当に私のこと心から応援してくれてるんだなーって思いましたし」
ミセ*゚ー゚)リ「今にして思えば、そういう実直な人だってあのとき分かったからこそ、もっと好きになっちゃったのかもです」
('A`)「そっか、それならあのとき告白とか何もしなかったことも、悪いことばっかじゃなかったのかな」
ミセ*゚ー゚)リ「でも! 告白してほしかったです! それが一番よかったです!」
('A`;)「はい、すみません。そのとおりです」
ブーッ ブーッ ブーッ
ミセ*゚ー゚)リ「あっ、電話。出ても大丈夫ですか?」
('A`)「あ、もちろん」
ミセ*゚ー゚)リ「もしもし。椎名さん? 茂菜さんとのご飯終わったんですか?」
ミセ*゚ー゚)リ「そうなんですね、分かりました! 私もこれからホテル向かいます!」
ミセ*゚ー゚)リ「あ、嬉しそうにしちゃってるの分かっちゃいましたか。えへへ、実はすごくいいことがあったんです。人生で一番素敵な日になりました」
ミセ;゚ー゚)リ「えっ、なんで分かるんですか? そうです、前に話してた人と偶然ここで逢えて」
('A`;)(うおっ、俺の話か)
187
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/29(土) 00:10:48 ID:VOUzVxYI0
ミセ*゚ー゚)リ「はい。告白もしちゃいました。もう勢いに任せちゃいました」
ミセ;゚ー゚)リ「前に告白しなかったのを椎名さんに叱られたことも思い出しました。やっぱり、本気で好きなら自分から言っちゃったほうがいいですね」
ミセ*゚ー゚)リ「そうなんです、相手の人にも好きって言ってもらえたんです! だからさっきからずっとフワフワしてて! 落ち着かなくて!」
ミセ*゚ー゚)リ「あっ、そうですよね。後でゆっくりお話したいです! じゃあ、また!」
プツッ
ミセ;゚ー゚)リ「あ、勝手に報告しちゃいました。ごめんなさい」
('A`;)「いや、全然いいんだけど」
ミセ*゚ー゚)リ「椎名さんには何度も相談に乗ってもらってたんです。茂菜さんの告白を断ったときに、理由とか色々聞かれて、全部喋っちゃって」
ミセ*゚ー゚)リ「本気で好きになって、その人のために頑張ってきたんなら、簡単に諦めないほうがいいって。そう言ってくれたのが椎名さんなんです」
ミセ*゚ー゚)リ「そう言ってもらえなかったら、もしかしたら、どこかで心が折れてたかもしれません」
('A`)「じゃあ、椎名さんにも感謝しなきゃ。どうにかしてお礼を伝えられたらいいんだけど」
ミセ*゚ー゚)リ「あ、私の方から伝えておきますね。ドクオさんも凄く感謝してたって」
('A`)「うん、ありがとう。そうしてくれると嬉しい」
ミセ*゚ー゚)リ「私からもお願いしていいですか?」
('A`)「え?」
188
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/29(土) 00:12:43 ID:VOUzVxYI0
ミセ*゚ー゚)リ「ドクオさんに勇気を持たせてくれた、お友達の方に。本当にありがとうございますって」
ミセ*゚ー゚)リ「いつか直接お礼を言わせてください、ってことも。伝えてもらえたら嬉しいです」
('A`)「うん、わかった。ちゃんと伝える」
ミセ*゚ー゚)リ「ドクオさん、これから東京に戻るんですか?」
('A`)「うん。友達が部屋で待ってるしね」
ミセ*゚ー゚)リ「私は明日も名古屋で仕事なんです。途中で大阪に移動して、東京に戻るのは明後日の予定です」
ミセ;゚ー゚)リ「ほんとは明後日にまた逢えたらいいんですけど、スケジュール的にちょっと難しいかもしれなくて」
('A`;)「明後日は俺もバイト入ってるしなぁ。中々予定合わせるのが難しいかも」
ミセ;゚ー゚)リ「ごめんなさい。でも、時間が合う限りたくさん逢いたいです!」
('A`)「もちろん俺も。短い時間だとしても、新城さんに逢えるなら貴重な時間だ」
ミセ*゚ー゚)リ「ありがとうございます! これから、ちょっとずつでもたくさん、楽しいことしたいです!」
('A`*)「うん。楽しみにしてる」
ミセ*゚ー゚)リ「はい!」
189
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/29(土) 00:14:36 ID:VOUzVxYI0
ミセ*゚ー゚)リ「じゃあ、私そろそろ行きますね。ちなみにホテルはあれらしいです」
('A`)「あっ、すぐそこだ。だから名古屋城に来たって理由もあったんだ」
ミセ*゚ー゚)リ「はい。ドクオさんは名古屋駅に戻るんですよね」
('A`)「だね。ブーンに土産買ってってやらないと」
ミセ*゚ー゚)リ「お友達の方ですね。私も大阪土産、二人に買っていきます!」
('A`;)「いやいや、そんなに気を遣ってもらわなくても」
ミセ*゚ー゚)リ「私が買いたいから買うんです。勝手ですみません。受け取ってもらえたら嬉しいですけど」
('A`;)「うーん、なるほど。そういうことなら」
ミセ*゚ー゚)リ「良かったです!」
('A`)「じゃあ、また東京で」
ミセ*゚ー゚)リ「はい。こんな私ですけど、これから今まで以上によろしくお願いします!」
('A`*)「うん、こちらこそ。こんな俺だけど、よろしくお願いします」
('A`;)「ん?」
グッ
190
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/29(土) 00:16:25 ID:VOUzVxYI0
(゚A゚;)「!」
ミセ*゚ー゚)リ「えへへ」
(゚A゚;)(マ、マスク越しに!)
ミセ*^ー゚)リ「じゃあ、また♪」
・
・
・
('∀`*)
('∀`*)
('∀`*)
('∀`*)(名古屋に向かうときは色んな気持ちでグチャグチャだった、この新幹線)
('∀`*)(今はこんなに晴れやかで幸せな気持ちでいられる。景色も全然別物みたいだ)
('∀`*)(ああ、素晴らしい。人生って素晴らしいな)
('∀`*)(ブーンへの土産もついついどっさり買っちまった。普段はなかなか手が出ないスタバのコーヒーもつい『ベンティで』って言っちまったし)
('∀`*)(これくらい浮かれても、いいよな。色々あったけど、新城さんが俺の彼女になってくれたんだし)
191
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/29(土) 00:18:07 ID:VOUzVxYI0
('∀`*)(あ、そうだ。新城さんにお礼のメールしよっと。改めてこれからよろしくってことも伝えないと)
('∀`*)(えーっと、新城さんの番号、番号――――)
(゚A゚;)(あっ!!)
(゚A゚;)(やべぇ! 新城さん電話番号変えたんだった!)
(゚A゚;)(相手も俺の番号消したって言ってたよな。これって、連絡のしようがなくなったってことじゃねーか!?)
(゚A゚;)(俺も引っ越したし相手も引っ越した。いま住んでるところをお互い把握してねぇ)
(゚A゚;)(やばっ! 逢う手段なくなっちまった! マジでやばいぞ!!)
(゚A゚;)(ブログへのコメントに番号を書き込むか? でもスタッフが事前にチェックしてるから消される可能性が高いよな)
(゚A゚;)(ど、どうする。今からじゃもう名古屋に戻る新幹線はないし)
(゚A゚;)(明日の朝に戻って名古屋駅で待つか? でも、たくさんある改札のどれを使うのか分かんないし、広いホームで逢えるとも限らないし)
(゚A゚;)(やべぇ、このままじゃ二度と逢えないまま――――)
ブーッ
192
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/29(土) 00:20:36 ID:VOUzVxYI0
('A`;)(ん? メール? ブーンからか?)
(゚A゚)(って、新城さんだ!)
ミセ*゚ー゚)リ『ドクオさん、今日は本当にありがとうございました。やっとドクオさんの彼女になれて嬉しいです!』
ミセ*゚ー゚)リ『仕事の都合とかで逢える時間が少なくて、ご迷惑をおかけするかもしれません。でも、好きでいてもらえるように頑張ります!』
(゚A゚;)(え? 番号消したはずなのに、なんでメールできたんだ?)
(゚A゚;)(ちょ、ちょっと確認してみよう)
(゚A゚;)『こちらこそありがとう! メールしてくれてホっとした! ちょっと聞きたいんだけど、俺の連絡先消したって言ってなかったっけ?』
ブーッ
ミセ;゚ー゚)リ『あっ、消したんですけど。でも、電話かけようか迷ってた時期に毎日見てたから、もう覚えちゃってました』
ミセ*゚ー゚)リ『電話番号そのままで良かったです。私の部屋の住所も書いておきますね、引っ越しちゃったので。また今度遊びに来てください!』
('A`;)(な、なんだ。そういうことだったのか。よかった。マジで焦った)
('∀`)(ってか何気に住所教えてもらった! やった!)
('∀`)(そんなに気軽には遊びに行けないんだろうけど、いつかは行けるよな。楽しみだ!)
193
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/29(土) 00:22:24 ID:VOUzVxYI0
('A`)(でもほんと、新城さんは今すげー忙しいし、俺も就活とかバイトとかあるから中々予定が合わなさそうだ)
('A`)(逢えない時間が長くて、気持ちがすれ違っちゃったりとか。そういうこともあるのかなぁ)
('A`)(分かんねぇや。でも、もう絶対に離れたくない。その気持ちだけは確かだ)
('A`)(二人がその思いを持ち続けられる限りは、大丈夫だよな。きっと)
('A`)(彼女を一生幸せにしたい。そんな困難に立ち向かう勇気だって、今はあるんだから)
・
・
・
・
・
('A`)「おーっすブーン」
( ^ω^)「おっ、もう来たのかお。そっちの約束の時間は11時のはずだお?」
('A`)「朝から会うときはいつも相手が早めに来てくれるからな。俺も遅刻したことはないんだけど」
( ^ω^)「それにしても、たまたま待ち合わせ場所が同じなんて、びっくりな偶然だお」
('A`)「中々ない偶然だよな。しかし、ツンさんは早く来てくれたりしないんだな」
194
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/29(土) 00:24:39 ID:VOUzVxYI0
( ^ω^)「約束は10時半だからあと5分くらいあるけど、どうせまた遅刻だお。そのくせ僕が遅刻すると大激怒するんだお」
('A`)「はは。付き合って一年だっけ、そろそろ緊張は薄れてくる頃かもな」
( ^ω^)「大学生のときはほぼ毎日逢ってたからそれも当然だお。ドクオは二年経ってもまだ緊張してるお」
('A`;)「そうなんだよなぁ。滅多に逢えないからってのもあるんだけど、まだ昔の距離感が残ってて。向こうも敬語のままだし」
( ^ω^)「今日も久々かお?」
('A`)「一ヶ月ぶり。俺も社会人になって自由な時間が減っちまったしな」
( ^ω^)「っつーか相手が忙しすぎだお。こないだはどっかの映画祭で海外行ってたお?」
('A`)「あぁ。ちなみに明日から映画の撮影でまた海外だ」
( ^ω^)「マジかお。逢えない時間が長くて辛かったりしないのかお?」
('A`)「そりゃ正直言えばキツイよ。でもそれは最初から覚悟してたことだしな」
('A`)「俺以上に彼女がいつも寂しくて辛そうにしてる。仕事やめたいって漏らしたこともあった」
('A`)「だけど二人で話したんだ。逢えなくて辛いからって仕事を投げ出したりしたら、二人の関係だってきっと長く続かない」
('A`)「人生、辛いことがあって当然。それでも逃げ出さずに立ち向かえるようにならなきゃ、俺たちだってどうなるか分からない、って」
195
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/29(土) 00:26:22 ID:VOUzVxYI0
( ^ω^)
( ^ω^)「なんか、ドクオにしてはえらく立派なことを言ってるお。達観しちゃったのかお」
('A`)「別に大したことじゃねーって。こうやって思えるようになったのも元はといえばお前のおかげだしな」
( ^ω^)「おっおっ。ま、確かにあのとき僕が背中を押さなきゃ、今ごろドクオは家に引きこもって彼女のDVDを眺めるくらいしかできなかったはずだお」
('A`;)「まぁ、そうかもな」
( ^ω^)「今の二人があるのもきっと僕のおかげだお。そう考えたら僕もおこぼれをあずかる権利くらいはあってもいいんじゃないかお?」
壁|゚)リ
壁|ー゚)リ
( ^ω^)「あの素敵ボディをドクオが独り占めなんて贅沢すぎるお。僕にもちょっとよこせお」
壁|;゚ー゚)リ
('A`;)
( ^ω^)「軽く一サワ、いや二サワくらいは許されるんじゃないかお? それくらいの貢献はしたはずだお?」
ミセ;゚ー゚)リ「あの」
( ^ω^)「なんならドクオなんかほっといて僕と一緒に――――って、あれ?」
196
:
名無しさん
:2018/12/29(土) 00:27:24 ID:p4uZV/L60
ブーンがイケメンすぎて辛い
神かな?
197
:
名無しさん
:2018/12/29(土) 00:27:48 ID:1pLzYhaQ0
ブーン様ありがとう
198
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/29(土) 00:28:13 ID:VOUzVxYI0
ミセ;゚ー゚)リ
(;゚ω゚)「!!」
(;゚ω゚)「し、新城美芹、さん」
ミセ;゚ー゚)リ「あの、初めまして。ブーンさん、ですよね」
(;゚ω゚)「あっ、そ、そうだお!」
(;゚ω゚)「えっと、聞いてなかったと思うけど、さっきの僕の軽妙なギャグは」
ミセ;゚ー゚)リ「あ、えーっと」
ミセ;゚ー゚)リ「一サワ、二サワさせろっていう」
(;゚ω゚)「ぎゃあああああああああ!!!! き、聞いちゃったのかおおおおぉぉぉ!!!!」
ミセ;゚ー゚)リ「ドクオさん、そういう要望らしいですけど、どうしましょう?」
('A`;)「いやいや、どうしましょうも何も」
( ;ω;)「か、軽い冗談なんだお。どうしようもないド変態野郎だと思わないでほしいお」
ミセ*゚ー゚)リ「あっ、それは全然大丈夫ですよ。ドクオさんからブーンさんの話はたくさん聞いてるので」
( ;ω;)「お?」
199
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/29(土) 00:30:37 ID:VOUzVxYI0
ミセ*゚ー゚)リ「さっき仰ってたとおりだと私も思っています。今の私たちがあるのはブーンさんのおかげです」
ミセ*゚ー゚)リ「ずっと直接お礼が言いたかったのにタイミングが合わなくて、二年も経ってしまって、ごめんなさい」
ミセ*゚ー゚)リ「あのとき、ドクオさんに勇気を与えてくれて、本当にありがとうございました」
( ^ω^)「いやいや、そんなこと気にしなくていいんだお。地方へ行くたびに僕にもお土産買ってきてくれて、それだけで充分すぎるくらいだお」
ミセ*゚ー゚)リ「それくらいしかできなくて」
( ^ω^)「それに、さっきは恩着せがましいこと言っちゃったけど、本当は僕なんてあんまり関係ないんだお」
ミセ*゚ー゚)リ「?」
('A`)「?」
( ^ω^)「ドクオはずっと意気地なしで自信もなくて足を踏み出せてなかったけど、最後は勇気を持って踏み出せた」
( ^ω^)「新城さんはもう逢わないって言われたりしても挫けず、諦めないという選択肢を選ぶ勇気を持っていた」
( ^ω^)「結局は、二人が勇気を持てたからこそなんだお。それは、二人自身の力なんだお」
( ^ω^)「今更すぎるけど、二人とも、本当におめでとうだお」
(*'A`)
ミセ*゚ー゚)リ
200
:
名無しさん
:2018/12/29(土) 00:32:25 ID:EJ/0oLc20
ブーーーーーーーーーン!
201
:
名無しさん
:2018/12/29(土) 00:32:58 ID:m1nYEZhY0
アルファさんのブーンほんと好き
202
:
名無しさん
:2018/12/29(土) 00:33:06 ID:p4uZV/L60
イケブーン
203
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/29(土) 00:33:15 ID:VOUzVxYI0
ピコピコ
( ^ω^)「おっ、ツンから連絡が来たお。そろそろ駅に着くみたいだお」
ミセ*゚ー゚)リ「あ、そうなんですね。じゃあ、私たちもそろそろ行きましょうか、ドクオさん」
('A`)「うん。ブーン、ほんとにありがとな」
ミセ*゚ー゚)リ「ありがとうございました! 行ってきます!」
( ^ω^)「人にバレないように気を付けるんだおー」
ミセ*゚ー゚)リ「ブーンさん、やっぱり思ったとおりの人でした。ドクオさんのお友達は本当に素敵です」
('A`)「ほんと、あいつには感謝してもしきれないくらいだ」
ミセ*゚ー゚)リ「はい。海外のお土産、またブーンさんにも買ってきます!」
('A`)「うん、ありがとう。きっと喜ぶと思うよ」
('A`)「そういえば、さ」
ミセ*゚ー゚)リ「はい?」
('A`)「さっきブーンが、諦めない勇気って言ってたのを聞いて、思い出したことがあって」
204
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/29(土) 00:36:09 ID:VOUzVxYI0
('A`)「新城さん、アイドルになった当初からずっと、アイドルとして活躍することが昔からの夢だったって言ってたけど」
ミセ*゚ー゚)リ「はい」
('A`)「俺が布佐に殴られて、手当てのために部屋に来たときにさ、書き置き残してったでしょ。あそこに書いてあったことを思い出したんだ」
('A`)「『今の夢が叶わないとしても』っていう一文」
ミセ*゚ー゚)リ「あっ」
('A`)「あれはどういう意味だったの? 今の、って書いてあったから、昔からの夢とは何かが変わったのかなって」
ミセ*゚ー゚)リ
ミセ*゚ー゚)リ
ミセ*゚ー゚)リ「ふ、ふふ」
('A`;)「え? なにその笑みは」
ミセ*゚ー゚)リ「ふふふふふ」
('A`;)「な、なになに? どういうこと?」
205
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/29(土) 00:38:15 ID:VOUzVxYI0
ミセ*゚ー゚)リ「その夢は、いま順調に育ってる最中なんです」
ミセ*゚ー゚)リ「ずっと問題なく育っていくのかどうかは、正直分かりません。だけど私はずっとわくわくしてます」
ミセ*゚ー゚)リ「いつか夢が叶いますようにって、ずっと思ってます」
('A`;)
('A`;)「ど、どういうこと? 全然分かんない」
ミセ*゚ー゚)リ「分からなくてもいいんです。今は言わないほうが良さそうですし」
ミセ*゚ー゚)リ「だけどいつか、答え合わせしてもらえる日を待ってます」
ミセ*゚ー゚)リ「それが私の夢でした、って言える日を――――ずっと、待ってます」
('A`;)「???」
ミセ*^ー゚)リ「ふふふ。楽しみにしてますね♪」
('A`;)「よ、よく分かんないけど、分かった」
ミセ*゚ー゚)リ「ありがとうございます♪ じゃあ、今日も一日楽しみましょう!」
('A`*)「う、うん!」
206
:
名無しさん
:2018/12/29(土) 00:39:23 ID:p4uZV/L60
ずるい! その複線はずるい!
207
:
名無しさん
:2018/12/29(土) 00:40:06 ID:nlcPpCuc0
畜生……報われるなと心の中で思ってたけどやっぱりかわええ畜生……畜生爆発しろ
208
:
後編
◆azwd/t2EpE
:2018/12/29(土) 00:40:25 ID:VOUzVxYI0
( ^ω^)
( ^ω^)
( ^ω^)「二人とも、末永くお幸せに、だお」
(*^ω^)
(*^ω^)ノシ
【('A`)ドクオはアイを愛するアイドルに逢いに行くようです】
.*・゜゚・*:.。..。.:*・゜ The End ・*:.。. .。.:*・゜゚・*
209
:
名無しさん
:2018/12/29(土) 00:41:03 ID:p4uZV/L60
完璧! 乙!
210
:
名無しさん
:2018/12/29(土) 00:41:44 ID:OCS7WdTE0
乙です!!!
本当に面白かったです!
ハッピーエンド最高!
211
:
名無しさん
:2018/12/29(土) 00:41:51 ID:SDXOyIqs0
ハッピーエンドでよかった!!乙!
212
:
名無しさん
:2018/12/29(土) 00:42:19 ID:hRkSpSt.0
乙!見てて心がすっきりした
213
:
名無しさん
:2018/12/29(土) 00:42:25 ID:nlcPpCuc0
こんな可愛い娘に好かれてぇ畜生……乙
214
:
名無しさん
:2018/12/29(土) 00:43:31 ID:p4uZV/L60
>>213
天津飯「お前には無理だ……」
215
:
◆azwd/t2EpE
:2018/12/29(土) 00:43:32 ID:VOUzVxYI0
「('A`)ドクオはアイを愛するアイドルに逢いに行くようです」、投下完了です。
お付き合いいただいた方、ありがとうございました!
久々の投下、とっても楽しかったです。
216
:
名無しさん
:2018/12/29(土) 00:43:52 ID:7evrZGMs0
なんか時計の針と似たような話だったな
前にギコ編書きたいって言ってたし今回のがそれなのか?
217
:
名無しさん
:2018/12/29(土) 00:45:22 ID:X7d5rvPg0
ミセリがかわいらしかった
おつおつ
218
:
名無しさん
:2018/12/29(土) 00:46:04 ID:Gq8iUxis0
>>215
お疲れ様でした、そしておかえりなさい!
めちゃくちゃ楽しかったです!
いい話をありがとう!!
219
:
名無しさん
:2018/12/29(土) 00:50:24 ID:0ifIwT1I0
乙
久しぶりのブーン系だけどやっぱりいいものだわ
220
:
名無しさん
:2018/12/29(土) 02:01:55 ID:VgTBJHDU0
乙でした!
年の瀬に素晴らしい作品をありがとう!
221
:
名無しさん
:2018/12/29(土) 02:03:04 ID:ScJ/fsps0
乙です!
ほっこりした気分になれました
222
:
名無しさん
:2018/12/29(土) 03:04:10 ID:K3bRroMs0
乙です!
同じく時計の針を思い出しました
223
:
名無しさん
:2018/12/29(土) 03:14:07 ID:dbYoJHPE0
乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙
224
:
名無しさん
:2018/12/29(土) 07:50:28 ID:kmBR63s.0
乙乙乙
なんだよこの話は…最高じゃないかっ!?
225
:
名無しさん
:2018/12/29(土) 12:37:17 ID:.06KMpEs0
乙!
年の終わりにこんな面白いもん読めて良かった!
226
:
名無しさん
:2018/12/29(土) 14:09:33 ID:R3vs7CKM0
乙〜〜〜〜
227
:
名無しさん
:2018/12/29(土) 16:30:41 ID:VWe4Km3M0
乙
228
:
名無しさん
:2018/12/29(土) 18:49:05 ID:2lgNNzVk0
乙でした
ハッピーエンドで良かった
229
:
名無しさん
:2018/12/29(土) 19:17:56 ID:MDh.Hi4c0
まちがいなくこのドクオはオルルッド
230
:
名無しさん
:2018/12/29(土) 19:54:05 ID:Sewv0c4I0
ミセリに裏があるんじゃないかとか悪いこと考えてすみませんでした…
最高でした!
231
:
名無しさん
:2018/12/29(土) 23:11:02 ID:83.2wPlo0
>>153-154
で何故かグッときた君。喜べ、NTR適性大いに有り、だ。
232
:
名無しさん
:2018/12/30(日) 00:38:55 ID:GAStgMUQ0
乙
233
:
名無しさん
:2019/01/02(水) 22:42:35 ID:zckVrSqc0
まさかアルファの作者が生存していたとは…
おもしろかったです乙でした
234
:
名無しさん
:2019/01/03(木) 13:57:18 ID:zdapqYLI0
アルファさん生きてたの!まさかあなたの作品が新年一発目から読めるなんて・・・
アイドルとファンが題材と言う事で「天使はライブハウスにいるようです」を思い出してしまった。あれも面白かったなぁ
偽りといい、復帰してくれたのはすんごくうれしい゚+.゚(*´∀`)b゚+.゚
文戟スレが立ってから良作が増えたと思う。アルファさんも時間がとれるようなら作品投下を期待してるよ!!
遅くなりましたが、新年明けましておめでとうございます
235
:
名無しさん
:2019/01/04(金) 23:22:48 ID:F8ZCEFLE0
ピュアすぎて胸が苦しい乙
236
:
名無しさん
:2019/01/12(土) 01:17:27 ID:4n9QT34A0
君の心に流れる星は
もいいぞ!
なーんかどこにも纏められてないんだけど。以前どっかで読んだ気がするんだけど思い出せず記憶を便りに頑張ってたいとる思い出した。
237
:
名無しさん
:2019/01/13(日) 12:36:29 ID:j.od3V..0
乙ーーー!!!!!!!
238
:
名無しさん
:2022/06/07(火) 02:36:21 ID:F/5j.pfg0
〇〇できるのも本人だけだから
謝れるのも本人だけだから
その分かまし続けて行くしかないんだ
239
:
名無しさん
:2022/08/07(日) 17:44:26 ID:zwp.WYNQ0
ボール追いかける
意味を問いかけ
拾うのならば土より勝ち星♪
240
:
名無しさん
:2022/10/05(水) 09:12:33 ID:clQv6g8k0
髪伸びたから切らずに
人生で初めて髪結んでみたら
意外と奥が深くてのびしろしかない从^ω^从
自分なりに試行錯誤して
セカンドヘアスタイルを可愛くキメる
my担当たちにあらためて実感
(^ω^トソン
241
:
名無しさん
:2023/02/18(土) 21:28:15 ID:Ci4Y0Zqs0
どんなに夜が暗くても
エミリーと可奈なら
俺の見たことない景色を見せてくれる
242
:
名無しさん
:2024/08/11(日) 23:12:20 ID:YcccsmPE0
エミリーと可奈の可愛さで稼動き
エミリーと可奈だけが
操縦の仕方を知っているのが
このアカウントでございます
他の誰かでなくこのふたり
🚀⊂二二( ^ω^)二⊃🚀
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