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川 ゚ 々゚)素直クルウは狂わないようです
54
:
名無しさん
:2018/12/13(木) 16:05:33 ID:ZgZnuFSU0
そして月に何回か。
ランダムではあるがそれでも何度かは『運命に完璧に見放されて、ツキが完全に無くなる日』が訪れるのだ。
その日の僕の不幸っぷりは半端ではない。
無神論者の僕だがその日だけは天に召しますクソ神様に中指立ててクソ爆弾喰らわせたくなるくらいだ。
『カレンダー』や『天気予報』である程度の予測が立てられるのがまだ救いではあるが、それでも僕が運命から嫌われているという事実は変わる事が無い。
そうでも無ければこんな関わりたくも無い異星人共のサバトに強制連行される筈も無いからな‼︎
川; ゚ 々゚)「こういう所、来るの初めてだからさ。何を歌えばいいか分からないんだ」
ζ(゚ー゚*;ζ「あ、そうなんだ。何だか強引に誘っちゃったみたいでゴメンね?」
川; ^々^)「ハハハ。気にしないでよデレさん。元々、興味はあったからね。誘ってくれて嬉しいよ」
嬉しい訳あるかこのピンクエイリアンがあああああぁぁぁ‼︎
この素直クルウの時間を奪われた時点で剛腹ものだが何よりもこのメンツが最悪なんだよ‼︎
55
:
名無しさん
:2018/12/13(木) 16:08:37 ID:ZgZnuFSU0
全員がクラスメートで異星人及びその関係者ばかりじゃないか⁉︎
何故だ‼︎ 平凡で平穏な生活を望んでいるだけの無害な僕に何故こんな試練ばかり訪れるのだああああああぁぁぁぉ⁉︎
川 ゚ -゚)「まあ最初は私も戸惑ったがな。案外慣れれば楽しいものだよ、素直クルウ君」
川 ゚ 々゚)「そうなんだ。えーと、委員長さん」
川 ゚ -゚)「ここは学校ではない。私の事は空承 クールで構わないよ」
川 ゚ 々゚)「あ、ゴメン。宜しくね、空条さん」
('A`)「そーいや俺もちゃんと自己紹介してなかったよな。宇都田 ドクオだ。 ミリタリー同好会に入ってんだ、宜しくな」
( ^ω^)「お? 自己紹介の流れかお? 僕は内藤 ホライゾン。あだ名はブーン。陸上部で短距離やってるお」
川^ 々^)「丁寧にありがとう。素直クルウだよ、宜しくね」
この地獄のカラオケボックスにいるメンツは照咲姉妹、それにサムライ委員長の空条 クール。
ガリガリの宇都田 ドクオに、ブタバナの内藤 ホライゾン。
言うまでも無いがこいつらは異星人とその関係者だ。
56
:
名無しさん
:2018/12/13(木) 16:12:17 ID:ZgZnuFSU0
クラスでの会話を耳に挟んだ程度だが宇都田は空条と。
内藤は照咲姉と恋人の関係だそうだ。
全くもってどうでもいい話だが、誰が誰と付き合っているという話は意外と重要だったりする。
ちょっと喋っただけで人の女に色目使ったとか難癖つけてくるバカもいるからな。
トラブルを避けるために学内の情報はなるべく多く握っているに越した事は無いのだ。
しかし、照咲姉妹は今更だがこの面々で特に注意すべきはもう一人の異星人だな。
多少、脚が速いだけの内藤と可哀想な顔面の宇都田はともかく。空条 クール。
こいつは危険だ。
川 ゚ -゚)
空条 クール。
1年B組の学級委員長にして女子剣道部の超有望株。
腰まで伸ばした黒髪は烏の濡れ羽色。
作り物みてーな美貌に無駄にデカくてキラキラした瞳。
やや堅苦しい喋り方に一寸の隙も見せない程にしっかりと着こなしたセーラー服、シャンと胸を張ったその姿勢はまさにサムライガールの名前がピッタリだ。
アレだ。なんつーかハーレム物のラノベに絶対一人はいる大和撫子枠だな。
古き良き日本女子を具現化したようなその美貌と性格はまさに男の理想って奴なんだろう。
最も、僕からしたら関わりたく無い異星人の一人でしか無いがね。
57
:
名無しさん
:2018/12/13(木) 16:13:48 ID:ZgZnuFSU0
しかし此処までの美貌を持っているのに何故、宇都田のようなグロテスクな顔面の男と付き合っているのだ?
やはり異星人だから美醜の感覚が人間と違うのだろうか?
まあ、彼氏持ちなら照咲妹みたいにこっちにくっ付いてきたりはしないだろう。
そう考えると多少は安心できるな。
('A`)「そーいや素直は歌わねーの? ワリカンなんだから金が勿体ねーぜ?」
川 ゚ -゚)「カラオケに来るの初めてだそうだ」
('A`)b「ああ、なーる。ダイジョブダイジョブ、下手でも笑うような人間は此処にはいねーから、楽しもうぜ!」
川^ 々^)「ハハハ。ありがとう宇都田君」
その顔で近づくなブサイクが。
別に僕も人様の事をどうこう言えるルックスでは無いが、人に不快感を与える程では無いぞ。
それに何だかドクダミ草みたいな体臭がして非常に不愉快なんだ。
ああ、もう早く帰りたい。僕がこんな受難を味わってるのも全てピンクエイリアンのせいだ‼︎
58
:
名無しさん
:2018/12/13(木) 16:15:20 ID:ZgZnuFSU0
ξ゚⊿゚)ξ「ふう、歌い終わった。そういやクルウ、あんた歌わないの?」
('A`)「今ちょーどその話をしてたんだわ。初カラオケらしいぜ」
ξ゚⊿゚)ξ「ふぅん。クルウ、あんたって普段はどんな曲聴いてるのよ?」
ぐっ……此処で歌わずに帰るという選択肢は取れないか。
忌々しくもこいつらはクラス内のスクールカーストで最上位のグループだ。
白けた空気を作って目の敵にでもされたら僕のスクールライフも終わりだ。
しかし弱ったな。僕は今時の音楽に全くと言っていいほど興味が無いんだが。
川 ゚ 々゚)「うーん、父さんがよく古い洋楽を聴いてたから。そこら辺ならちょっと分かるくらいかな」
('A`)「おーいいじゃん洋楽。俺も好きだぜ、江南スタイルとか」
(;^ω^)「あれを洋楽のジャンルに入れていいのかお?」
.
59
:
名無しさん
:2018/12/13(木) 16:16:45 ID:KAWaa8Kg0
ζ(゚ー゚*ζ「わあっ‼︎ 私、クルウ君の歌聴いてみたいな」
川; ゚ 々゚)「いや、精々口ずさむくらいだから下手だし。発音とかも適当だから」
ξ゚⊿゚)ξ「気にし過ぎよ、とりあえず歌う事。はい、決定。ほらデンモク」
全員が注目している中で歌わねばならないとは。どんな拷問なんだ畜生‼︎
こんな事なら流行りの曲を何曲か暗記しておくべきだった‼︎
川; ゚ 々゚)(し、仕方ない。歌うか。とは言え、しっかりと覚えてる曲は二曲だけなんだが)
僕にとって想い出深い曲は二つある。
もともと父さんが洋楽を好んでいたのは本当の話だ。
だが正直な話、僕は全く興味が無かった。
ろくすっぽ英語も喋れ無い癖して洋楽聴いてる奴なんて、唯のカッコつけ野郎にしか見えなかったからな。
川 ゚ 々゚)(だけど、あの日)
そう。運命の日だった。
僕が『彼女』と出逢ったあの日。
60
:
名無しさん
:2018/12/13(木) 16:18:27 ID:GzxqS3RE0
父さんがつけっぱなしにしていたCDラジカセから続けざまに流れていた二つの曲。
それだけはしっかりと覚えているんだ。
両方とも『彼女』の名前に、相応しい曲名だったから、ね。
今でも、思い出す。あの時を。
暗闇の中。
窓から照らす月明り。
僕は真っ赤に染まり。
彼女は聖母のように僕を見下ろす。
流れる音楽。
それは、この出逢いを。
祝福するようで。
慣れない機械に戸惑いながらも、悩みに悩んだ僕は、結局『彼女』の名前に『捧げなかった方』の曲を入力した。
こっちの曲だって、とても好きな曲ではあるし、『彼女』の『力』に相応しい曲名でもあるとは思う。
だが結局、僕はもう一つの。
あの、陰湿で、憂鬱で。
それでも妖しく、美しくて、艶かしい。
あの曲の名を彼女に捧げたのだった。
川 ゚ 々゚)(思えば、あの時から)
僕の人生が、ほんの少しだけ狂ってしまったようにも思える。
それでも、僕は。
彼女との出逢いだけは、決して。決して。
61
:
名無しさん
:2018/12/13(木) 16:19:49 ID:snend6hs0
川 々 )(後悔だけはしていない)
.
62
:
名無しさん
:2018/12/13(木) 16:24:13 ID:NT5ObSp60
〜〜〜♪
ξ゚⊿゚)ξ「あ、この曲知ってるわ」
(;'A`)「何だこのタイトル。英語あんま分かんねーけど、また物騒な曲名だなー」
川 ゚ -゚)「恐らくだがドクオが想像しているような意味のタイトルでは無いぞ。パッと見て勘違いするのは分かるがな」
( ^ω^)「おー! 名曲だおー‼︎」
周りの連中が何だかガヤガヤと騒いでいるようだったが、この時の僕は不思議なくらいに奴等の騒音がどうでもいいものに感じていた。
きっと、僕の心はその時、彼女との想い出に満たされていたからだろうな。
川 ゚ 々゚)「」
.
63
:
名無しさん
:2018/12/13(木) 16:25:11 ID:S1u.hAjU0
彼女は可愛いキャビネットに
モエ・エ・シャンドンを常に忍ばせている
みんなでケーキを食べません?
だなんてマリーアントワネットみたいなセリフを口ずさむ。
生まれつきのカリスマで
フルシチョフもケネディーだってなだめちまう
彼女からのお誘いは何時だって
断れる訳がないのさ
最高級のキャビアにシガーがお似合いで
礼儀作法も完璧で
彼女はまさに最上で最高の女性なのさ
.
64
:
名無しさん
:2018/12/13(木) 16:30:38 ID:D.jVVAiI0
川 ゚ 々゚)「She´s a Killer Queen」
彼女は『キラー・クイーン』
火薬かニトログリセリンか
レーザー付きのダイナマイトか
君の心なんか軽く爆破されちまうのさ
何時だってね?
その価値は充分にあるんだ
飽くことの無い欲望ってやつを
御賞味あれ?
.
65
:
名無しさん
:2018/12/13(木) 16:36:00 ID:D.jVVAiI0
すっかりと日が沈んだ帰り道。
僕の心は不思議なくらいに軽かった。
あの異星人共に付き合わされたのは癪だが、歌うという行為は想像以上に心地良いものだった。
休日に一人でカラオケに行ってみるのもいいかも知れない。
川 ゚ 々゚)(いや、『彼女』と二人きりで。だな)
僕は後ろを振り返る。
常日頃から人気の少ないこの裏道だ。勿論そこには誰もいなかった。
だが僕には分かるのだ。彼女が僕の事をしっかりと見守ってくれている事が。
川 ゚ 々゚)「〜♪」
気がついた時には僕は『あの歌』を口ずさんでいた。
ついさっき人前で歌わされた方じゃあ、無い。
彼女の『名前に捧げた』曲の方だ。
66
:
名無しさん
:2018/12/13(木) 16:39:13 ID:.zw/rAs20
川 ゚ 々゚)「……ッド……オー……ッド……♪」
『運命』から嫌われ、とことん不幸な目にあった今日という一日。
帰宅の時間はいつもよりずっと遅れ、両親にだって文句を言われた。
だが、不思議と穏やかな心で一日を終えられた気がする。
川 々 )(例えどんな狂った世界でも、『彼女』さえ居れば)
僕はいつもの習慣通り。
温かいミルクを飲んで、ストレッチを済ませる。
そして『彼女』に見守られながら、赤ん坊のように朝までぐっすり熟睡した。
67
:
名無しさん
:2018/12/13(木) 16:40:50 ID:fUp9rO7o0
続くと信じている。
68
:
名無しさん
:2018/12/13(木) 19:31:42 ID:NMEZKSPw0
たのむ
69
:
名無しさん
:2018/12/14(金) 23:12:47 ID:GK0lpjCc0
乙!
徐々にくるうの狂気?の片鱗が出てきたな
70
:
名無しさん
:2019/02/02(土) 21:00:25 ID:MlytWSNg0
続きが気になるな…
71
:
名無しさん
:2019/03/12(火) 16:04:22 ID:1OlyvDQE0
青春ギャグかと思ってたけどちょっと違うか
続き期待
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