したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

ミセ*゚ー゚)リ確かに恋だった ようです(゚、゚トソン

1※同性愛要素あり:2018/10/05(金) 18:30:43 ID:T5X6BH0M0




『特に少女同士においての同性愛とは、思春期にありがちな思い違いだ』




.

122名無しさん:2018/10/05(金) 21:09:32 ID:T5X6BH0M0

マシュマロみたいな頬から指を離して数秒。
ひぃひぃ痛がっていたミセリがふいに笑いだした。


ミセ*゚ー゚)リ「トソンってば、意外に可愛いとこあるじゃーん」

(゚、゚トソン「意外って……」

ミセ*゚ー゚)リ「うそうそ! いつも可愛いよ」

(゚、゚トソン「…………」

ミセ;*゚ー゚)リ「ちょっとー! なんでまたつねろうとするわけ!?」


照れ隠しってことくらい、わかってほしい。
馬鹿ミセリ。

123名無しさん:2018/10/05(金) 21:10:46 ID:T5X6BH0M0

視線を合わせたのはどちらからとか、そんなことどうでもよかった。
だってきっと、それは同時だったから。
どちらともなく。なんて便利な言葉だろう。

惹かれ合うように、私たちはお互いに手を伸ばして、頬に触れた。
本能が理性を食い潰していた。ふたりとも。

だから、気付けなかった。


从;'ー'从「……ミセリちゃん……?」


渡辺さんがいたことに。

124名無しさん:2018/10/05(金) 21:11:44 ID:T5X6BH0M0


(゚、゚ ;トソン「!」

ミセ;*゚ -゚)リ「ナベちゃん!?」

从;'ー'从「あ、あのね、かばんにCD入ってたから、都村さんに渡そうと思って……」

从;'ー'从「都村さん、ミセリちゃんを待つって言ってたから、まだいるかもって」

从;'ー'从「……ご、ごめんね……」

ミセ;*゚ -゚)リ「待って! ナベちゃん!」


ミセリに呼び止められた渡辺さんは、半歩進んだ状態のまま振り返った。
眼鏡を外している視力でもわかる、渡辺さんの表情。
恐れとか嫌悪とか、その類のもの。

125名無しさん:2018/10/05(金) 21:12:39 ID:T5X6BH0M0


从;'ー'从「あの、私見てないから……誰にも言わないよ……あはは……」

ミセ;*゚ -゚)リ「ナベちゃん! 違うんだってば!」

从;'ー'从「……だって、今の、キスだよね?」

从;'ー'从「ミセリちゃんと都村さん、そういう関係なの……?」


いつか誰かに投げかけられるの覚悟していた質問。
なのに、震えが止まらない。
声が出ない。

私とミセリは吐息が触れそうな距離まで顔を近付けていた。
どう見てもキスシーンだ。反論の余地がない。
反論もなにも、実際にしようとしていたのだから。

126名無しさん:2018/10/05(金) 21:14:13 ID:T5X6BH0M0


ミセ; - )リ「…………」

ミセリは私と渡辺さんの間に立っている。
遊園地で男たちと対峙したときのように


ミセ; - )リ「…………違うよ」


だから、期待してしまったのかもしれない。
またあのときのようにミセリが救ってくれるかもなんて。


ミセ; - )リ「違うよ……女同士でキスとか、するわけないじゃん……」


そんなこと無理だって、わかっていたのに。

127名無しさん:2018/10/05(金) 21:16:12 ID:T5X6BH0M0


ミセ* - )リ「なんか……ゴミが入ったのかな、目が痛くてさ。見てもらってたの」

从;'ー'从「え、えぇ〜……距離近くなかった〜……?」

ミセ* - )リ「ほら、トソンは近眼だから、近くないと見えないんだよ」

从'ー'从「あ、そっかぁ……目は大丈夫〜?」

ミセ* - )リ「うん……もう大丈夫」


渡辺さんが素直な人でよかった。
こんな即席の、へたくそな嘘でも信じてくれるから。

128名無しさん:2018/10/05(金) 21:17:30 ID:T5X6BH0M0


从'ー'从「もぉ〜、びっくりしたよ〜! 教室入ったらふたりがくっついてるんだもん!」

ミセ* ー )リ「あはは……ごめんごめん」

从'ー'从「最近そういうの流行ってるし〜、ふたりもそうなのかなって……」

从'ー'从「でも違うんだねぇ、よかった〜」


渡辺さんの無邪気な笑顔が、まっすぐ見れない。


ミセ* ー )リ「……あはは、違うよ」

ミセ* ー )リ「レズとか……ありえないでしょ」


私は最後まで、なにも言えないままだった。

129名無しさん:2018/10/05(金) 21:19:05 ID:T5X6BH0M0


渡辺さんに悪気がないのはわかっている。
女同士で付き合うことを気持ち悪いと貶されたわけじゃない。
友達がそういう立場だったらどうフォローしていいのかわからない、くらいの意味だと思う。

それでも最後の言葉が頭から離れない。
CDの入った鞄が、嫌気がさすほどに重い。


ミセ* - )リ「……ごめんね」


学校を出て歩き出して数分、沈黙を破ったのはミセリだった。

130名無しさん:2018/10/05(金) 21:20:02 ID:T5X6BH0M0


ミセ* - )リ「あのときはああ言うしかなくて」


わかってる。


ミセ* - )リ「ありえないとか、そんなの思ってないから」


わかってる。

131名無しさん:2018/10/05(金) 21:21:25 ID:T5X6BH0M0


ミセ*;д;)リ「……じゃあなんでずっとそんな顔してんの!?」

ミセ*;д;)リ「あたしだって嫌だったよ! あんなこと言うの!」

ミセ*;д;)リ「でも仕方ないじゃん! ナベちゃんに本当のこと言えるわけないじゃん!」

( 、 トソン「それは、ちゃんとわかってます……ミセリを責めてるつもりは……」

ミセ*;д;)リ「トソンがそんな顔するからじゃん!」

ミセ*;д;)リ「やだ! もうやだ!」

132名無しさん:2018/10/05(金) 21:22:33 ID:T5X6BH0M0


ふたりでみっともなく泣いた。
いつかと同じ光景。でもあのときよりずっと悲しくて、苦しくて、胸の中がドロドロしてる。


ミセ - )リ「……ごめん」

( 、 トソン「……私こそ、ごめんなさい」


ようやく涙が止まって、泣き疲れた体を引きずってまた歩き始めた。
ミセリは私に背を向けるように数歩先を歩いている。


ミセ - )リ「あたしたち、さ」

ミセ - )リ「友達でいたほうが、よかったのかな」

133名無しさん:2018/10/05(金) 21:23:59 ID:T5X6BH0M0


背中越しに投げられた言葉を無視して歩く。無言のまま。

いつものアイスクリームも買わず、駅のホームも背中合わせの椅子に座って。
ミセリの乗る電車がきても、私は振り返らなかった。

134名無しさん:2018/10/05(金) 21:24:57 ID:T5X6BH0M0


恋愛と友情の線引きはどこからだろう。
私はミセリが好き。ミセリも私が好き。
でも、恋人になる必要はあったのかな。

夕食を食べてすぐ横になった。
眠ろう。そうすれば嫌なことを考えずに済む。


( 、 トソン(私が男だったら、あるいはミセリが男だったら)

( 、 トソン(こんなびくびくせずに、堂々と付き合えたのかな)

( 、 トソン(みんなに許してもらえたのかな)

135名無しさん:2018/10/05(金) 21:25:59 ID:T5X6BH0M0



ありえないことを夢想する。
私とミセリがみんなに祝福される、そんな未来を。


( 、 。トソン


せめて夢の中では、そうでありますように。



.

136名無しさん:2018/10/05(金) 21:26:56 ID:T5X6BH0M0

ミセリとはすぐお互いに謝罪したものの、どこかぎこちなくて。
登下校を一緒にすることも、週末に遊ぶことも、少しずつ減ってきた。

これはすれ違いというものなんだろうか。
それとも、距離を置かれている?


(゚、゚トソン「ごちそうさまでした」


今日は母の帰りが深夜になるらしく、ひとりきりでの夕食だった。
食器を片付けたあと部屋に向かう。
数学の宿題が残ってるはずだ。

137名無しさん:2018/10/05(金) 21:28:04 ID:T5X6BH0M0


(゚、゚トソン(……ミセリにLINEしてみようかな)


ふとミセリの顔が浮かぶと、今なにをしているのか無性に気になった。
食事中か、宿題に悪戦苦闘中か、お風呂――は時間的にまだ早いかな。
LINEなら誰に見られるわけでもないし、大丈夫なはず。

そう思いスマホを手に取ると、パ、と画面が明るくなった。

デフォルトの着信音が鳴り始める。
発信者は。


(゚、゚トソン(……ミセリ?)

138名無しさん:2018/10/05(金) 21:29:10 ID:T5X6BH0M0


奇妙なタイミングもあるものだ。
彼女がいきなり電話をしてくるのは、そんなに珍しいことではないけれど。


『あ、ごめん。いま大丈夫?』

(゚、゚トソン「大丈夫ですよ。どうかしたんですか?」

『あのさ。いまからトソンの家、行きたいんだけど』

(゚、゚トソン「え? 私の家?」

『いきなりでごめん。無理?』

(゚、゚トソン「いえ、あの……今日は母がいないし、大丈夫ですけど……」

『あー、よかった。実はもう家の前にいるんだ』

(゚、゚ ;トソン「え!?」

139名無しさん:2018/10/05(金) 21:30:24 ID:T5X6BH0M0


急いで窓に駆け寄る。

マンションの下に人間が立っていた。
帽子にマスク、パーカーというらしくない出で立ちだけれど、あれは確かにミセリだ。

いつの間にか通話が切れていたスマホを握り締めて、玄関から飛び出した。
エレベーターの遅さがもどかしい。


(゚、゚ ;トソン「ミセリ!」

自分の足を見つめるように俯いていたミセリは、私の呼び掛けで正面を向いた。
白いマスクがゆっくり外されていく。


ミセ#)゚ー゚)リ「お母さんに、バレちゃった」

140名無しさん:2018/10/05(金) 21:31:54 ID:T5X6BH0M0

・ ・ ・ ・ ・ ・


(゚、゚トソン「これ……氷のう持ってきました」

ミセ#)゚ー゚)リ「ありがと」

(゚、゚トソン「……一体どうしたんですか。バレたって」

ミセ#)゚ー゚)リ「だから、バレたの。トソンと……女の子と付き合ってること」

(゚、゚ ;トソン「…………どうして……」

ミセ#)゚ー゚)リ「遊園地でプリ撮ったじゃん。あれ見られてさ」

(゚、゚ ;トソン「! あれ、隠したんじゃ……」

ミセ#)゚ー゚)リ「ちゃんと隠してたよ。日記に挟んでた」

ミセ#)゚ー゚)リ「……掃除の最中に見つけたとか言ってたけど、絶対嘘だと思う」

(゚、゚ ;トソン「…………」

141名無しさん:2018/10/05(金) 21:33:21 ID:T5X6BH0M0

腫れた頬に氷のうを当てたまま、ミセリは淡々と語り続ける。
表情に色はなかった。怖いくらいに。


ミセ*゚ー゚)リ「うちの親さ、多分もともとそういうの嫌いだったの。ニュース見ても嫌そうな顔してたし」

ミセ*゚ー゚)リ「でも部屋漁ったのは、勘付かれてたとかじゃないと思う」

ミセ*゚ー゚)リ「あたし、最近よく寄り道して遅くなってたし、家でもほとんど喋らなかったから、変な友達との付き合いとか心配したのかも」

ミセ*゚ー゚)リ「……で、キスプリ見られて、問い詰められた。どういうことなのかって」

142名無しさん:2018/10/05(金) 21:35:41 ID:T5X6BH0M0


ミセ*゚ー゚)リ「ふざけて撮ったって言い訳しようか迷ったけど……それは嫌だって思った」

ミセ*゚ー゚)リ「ナベちゃんのときみたいに逃げたくなかった」

ミセ*゚ー゚)リ「胸を張って、好きな人を好きだって言いたかった」

ミセ*゚ー゚)リ「そしたらこれだよ。あのババア、本気でビンタしてきてさ」

(゚、゚トソン「ミセリ……」

ミセ* ー )リ「はは……うまくいかないね……正々堂々戦ったつもり、だったけどな……」

143名無しさん:2018/10/05(金) 21:36:32 ID:T5X6BH0M0



ミセリの手から氷のうが滑り落ちる。
大きくて丸い目がくしゃくしゃになって、涙がこぼれて。
さっきまでの声の平坦さが嘘みたいに、ミセリは子供のように泣き出した。

どうして、なにもかもうまくいかないの。
私たちはお互いを好きになっただけなのに。


( 、 トソン「ミセリ」

144名無しさん:2018/10/05(金) 21:37:33 ID:T5X6BH0M0


もうなにもかもが嫌だった。
ミセリといられるなら、他にはなにもいらないと思った。


( 、 トソン「逃げましょう」


ミセリはしゃくりあげながら頷いてくれた。

145名無しさん:2018/10/05(金) 21:38:58 ID:T5X6BH0M0

・ ・ ・ ・ ・ ・


どんなに足掻いたところで、結局のところ私たちは子供だった。

私もミセリもバイトをしていないし、お小遣いをたくさんもらっているわけでもない。
お互いの持っているお金を合わせたところで、ビジネスホテルのシングルを借りられるかすら怪しいところだ。


どこにも逃げられないことなんて、本当は最初からわかっていた。
それでもここではないどこかに行きたくて、私たちは駅まで来た。
乗れもしない新幹線をいくつか見送ったあと、ふたりで運賃表を眺める。


ミセ*゚ー゚)リ「あそこに行こう」


ミセリが指差したのは隣の駅だった。
料金は百三十円。

146名無しさん:2018/10/05(金) 21:40:12 ID:T5X6BH0M0


(゚、゚トソン「どうして」


そんなところに、と言いかけてやめた。
ここと隣の駅を繋ぐのは、環状線だ。


ミセ*゚ー゚)リ「これならグルグル回っていられるでしょ」


ずっと乗っていられる。私たちの気が済むまで、ずっと。
いつかは降りなければいけないけれど。

147名無しさん:2018/10/05(金) 21:41:30 ID:T5X6BH0M0


ミセ*゚ー゚)リ「人、意外に少ないね」


帰宅ラッシュは過ぎていたらしく、車内はそこまで混んでない。
まばらに立っている人がいる中、ちょうどふたり分空いた座席を見つけた。
私たちはそこに座った。


規則正しい音と振動が眠気を誘ってくる。
隣に座っているサラリーマンがうつらうつら首を上下させていた。

中学生らしき女の子たちの笑い声。
誰かが持ち込んだマックのポテトの匂い。
平凡な日常を切り取ったような、優しい空間。


ミセ;*゚ー゚)リ「ごめん……もうちょっとそっち行っていい?」

(゚、゚トソン「え?」

ミセ;*゚ー゚)リ「隣の人が……」

148名無しさん:2018/10/05(金) 21:42:45 ID:T5X6BH0M0

ミセリが困ったように横――私のふたつ隣の座席に目を向ける。
そこでも眠気に勝てなかったおじさんが船をこいでいた。
しかもだいぶ恰幅のいい人だ。横幅のぶん、ミセリのスペースが圧迫されている。


(゚、゚トソン「もう少し詰めますね」

ミセ;*゚ー゚)リ「ごめん。ありがと」


隣の人を起こさない程度にスペースを詰めた。
空いた空間にミセリが滑り込む。
密着する肩と太ももから、熱が伝わってくる。

149名無しさん:2018/10/05(金) 21:43:21 ID:T5X6BH0M0


ミセ*゚ー゚)リ「トソン、あったかい」

(゚、゚トソン「ミセリも」


沈みかけた太陽に後ろ髪を焼かれる。
それでも私たちは動かずに、じっと身を寄せ合っていた。


ひとが一生に脈打つ心臓の数は、おおよそ30億回。
触れ合った指先の脈はいつもより早い。
だったら、このままずっとこうしていれば、早く死ねるのだろうか。


行きつく先がふたりでいることを許される世界なら、死んでしまってもいいと思えた。



.

150名無しさん:2018/10/05(金) 21:44:59 ID:T5X6BH0M0



ミセ* ー )リ「疲れたね」


音を立てて電車が揺れる。
それに合わせて、私の肩に乗せられたミセリの頭も跳ねる。
骨に当たって痛くないか、そんな心配ばかりしていた。

触れ合っていた指先が、ゆるく絡み合う。


ミセ* ー )リ「電車、グルグル回るんじゃなくて、このままどっかに運んでくれたらいいのにね」

ミセ* ー )リ「一緒に行けたらいいのにね」



.

151名無しさん:2018/10/05(金) 21:46:17 ID:T5X6BH0M0


私とミセリはずっと一緒だった。

登下校は一緒、LINEは毎日、週末は遊びに行くか、最低でも電話。
「恋人のようだ」と揶揄されても、笑って誤魔化すしかないくらいに。


だからわかっていた。
私はミセリの気持ちが、痛いほどに。
ミセリは私の気持ちが、痛いほどに。


お互いが疲れ切ってしまったことも。



.

152名無しさん:2018/10/05(金) 21:47:44 ID:T5X6BH0M0




ミセ* ー )リ「ねえ」

ミセ* ー )リ「別れよっか」



だから、ミセリがそう言ったとき、私は頷くことしかできなかった。



.

153名無しさん:2018/10/05(金) 21:50:00 ID:T5X6BH0M0


私が精神的に強ければ、冷たい視線や言葉からミセリを守れたんだろうか。
あるいは親の庇護を受ける必要のない大人であれば、思うように振舞えたんだろうか。
あるいはどちらかが男であれば。
あるいは同性間での恋愛がありふれたものであれば。

どんなに考えてもそれはIFでしかなくて、考えれば考えるほど虚しい。


一周した電車は、無事元の場所に私たちを下した。
無言で歩く。手も繋がないまま。

駅から出ればすべて終わりだとわかっているのに、足はそっちに向かっていく。

154名無しさん:2018/10/05(金) 21:51:12 ID:T5X6BH0M0


ミセリに何か言わなければ。
「付き合ってくれてありがとう」でも「振り回してごめんなさい」でもいい。

どんなにつらくても、心が引き裂かれそうでも、悲劇的な結末だったとしても。
せめて最後を笑顔で飾れたら。


( 、 トソン「ミセ――」

ミセ* ー )リ「トソン」

155名無しさん:2018/10/05(金) 21:51:45 ID:T5X6BH0M0


秒にも満たない一瞬。
雑踏の中、私たちの周りだけ音が消えた。

ミセリの前髪が私の額をくすぐる。
顔が離れてようやく見えたのは、目に涙をいっぱい溜めたミセリの顔。


くしゃり、ミセリが笑う。
その拍子に涙がこぼれて、頬に光の筋ができた。



ミセ* ー )リ「ありがとう。ばいばい」



.

156名無しさん:2018/10/05(金) 21:53:00 ID:T5X6BH0M0


私が声をかけるより早く、ミセリの顔が見えなくなった。
背中を向けられたと気づいて腕を伸ばす。

走り出したミセリには指先すら掠らず、ただ宙を掻いた。


( 、 トソン


ミセリは人混みに紛れてしまって、もう背中すら見えない。
通行人に怪訝そうな視線を向けられて、やっと自分が泣いていることに気付いた。

157名無しさん:2018/10/05(金) 21:54:36 ID:T5X6BH0M0



『特に少女同士においての同性愛とは、思春期にありがちな思い違いだ』


あのとき読んだ小説の一文に「それは違う」と叫びたい。


脳に焼き付いた日々も。
目尻に溜まった涙も。
唇に残った熱も。
胸に燻った思いも。

私に残っているもの、これはすべて、きっと、



.

158名無しさん:2018/10/05(金) 21:55:07 ID:T5X6BH0M0





ミセ*゚ー゚)リ確かに恋だった ようです(゚、゚トソン





.

159名無しさん:2018/10/05(金) 21:55:59 ID:T5X6BH0M0
以上で投下終了です。
ありがとうございました。

160名無しさん:2018/10/05(金) 22:09:34 ID:ELNWUdo20
おつ
素晴らしい

161名無しさん:2018/10/05(金) 22:20:48 ID:UxaANvtI0

ただただ切実な表現だった

162名無しさん:2018/10/05(金) 23:19:58 ID:7WRgl/X.0
面白かった。ありがとう

163名無しさん:2018/10/05(金) 23:32:46 ID:VE7e2llU0

現実はそうなるよなぁと思ってしまった

164名無しさん:2018/10/06(土) 06:01:43 ID:5Ub.V/k60

虚無しかない……

165名無しさん:2018/10/06(土) 12:50:35 ID:P7.qBkc20
同性愛とか気持ち悪い

166名無しさん:2018/10/06(土) 17:24:23 ID:tLNLyr.Q0
( ^ω^)乙
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_2538.jpg

167名無しさん:2018/10/06(土) 20:00:52 ID:ItTNy2VY0
乙乙
切ないなぁ

168名無しさん:2018/10/06(土) 21:01:32 ID:Xyx09LWk0
>>166
二人の幸せそうな表情が切ない……
イラストの可愛さはもちろん、ベンチや鞄のディティールの丁寧さも素敵ですね!
支援絵いただけると思わなかったのでとても嬉しいです、ありがとうございます!

169名無しさん:2018/10/14(日) 02:45:09 ID:LrsgTKMA0

良かった…
最近の時事問題も入れられてて引き込まれた

170名無しさん:2018/10/26(金) 08:11:57 ID:T4YBr1tk0

あまりにも切なすぎる…

http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_2542.jpg

171名無しさん:2018/10/26(金) 19:43:07 ID:WxgPjpkU0
>>170
ラストシーンだ!自分の想像そのままで驚きました……!
青みがかった色合いがとても好みです。
切なすぎるというお言葉も嬉しいです。ありがとうございます!


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板