[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
| |
( ・∀・)残念ながらここは異世界ではないようです
1
:
名無しさん
:2018/09/05(水) 09:57:57 ID:HW8ZyJr.0
俺Tueeeeeeeでチートな異世界ものです
読んでください
2
:
('A`;削除)
:('A`;削除)
('A`;削除)
3
:
('A`;削除)
:('A`;削除)
('A`;削除)
4
:
('A`;削除)
:('A`;削除)
('A`;削除)
5
:
('A`;削除)
:('A`;削除)
('A`;削除)
6
:
('A`;削除)
:('A`;削除)
('A`;削除)
7
:
('A`;削除)
:('A`;削除)
('A`;削除)
8
:
('A`;削除)
:('A`;削除)
('A`;削除)
9
:
('A`;削除)
:('A`;削除)
('A`;削除)
10
:
名無しさん
:2018/09/05(水) 10:15:27 ID:HW8ZyJr.0
すいません
某アプリで投稿したら改行が全部吹き飛びましたのであとで再投稿します
11
:
名無しさん
:2018/09/05(水) 10:17:25 ID:HW8ZyJr.0
(;・∀・)ハァハァ……
(;・∀・) ここまで、本当に本当に長い旅路だった……期待に満ちた旅立ち、苦しかった山越え、笑いあった友との束の間の休息、そして仲間との哀しい別れ……
(;・∀・) 俺は、いや俺達はそんな困難を乗り越えて今ここに立っている!魔王よ覚悟するがいい、正義の剣の威力<ちから>、しかと味わえ!!!
?? よく来たな、とでも言ってやるべきなのかもしれがな、我はそこまで暇ではないのだ
?? 正義の剣?フフ……笑わせるわ、所詮別世界から転生してきた貧弱勇者ごときが何を偉そうな口をきいているのだ
?? お前の能力など所詮この世界を守りきれなかった愚かで貧弱な神々から授かったものだ、我の崇高な世界支配の妨げになどならん、その現実に嘆き己の無力さを恥じるがいい
(;・∀・) な、何を……確かにこの力の元はは女神から魔王を倒すために授かったチートだ、でも俺はそれを最大限活かせるように血の滲むような努力を積み重ねてきた、文字通り……
?? は?努力だ?そんなもの結果が伴わないならばタダの自己満足なんだよォ!!!!
?? えーい面倒くさい、我の力にひれ伏さぬと言うのなら容赦はせん、漆黒の世界に散るがよい!!!
( ・∀・) それはさせぬ、我が契約に基づき聖なる力よ、我にご加護を……
( ・∀・) く、喰らえぇぇぇぇぇ!!!我が最終奥義、聖なる一刀両断<セイクリッド・ブレイカー>!!!!
俺の聖剣が目前に座していた魔王の肉体を貫いたと思った次の瞬間、世界は見渡す限りのまばゆい光に包まれ、
そして激しい爆発音と共に魔王であったものと禍々しい魔王城が吹き飛ぶ衝撃を感じた。
俺はその爆風と衝撃波に吹き飛ばされながらも自らの聖なる任務を果たしたことへの喜びと達成感に包まれていた。
( ・∀・) やっと……やっと終わったんだ、長い、とても長い闘いだった……そして世界に再び光が指していくのを見ながら……俺は元いた世界へ戻る為、もう一度眠りにつく……
12
:
名無しさん
:2018/09/05(水) 10:18:11 ID:/nbroBno0
支援
13
:
名無しさん
:2018/09/05(水) 10:18:49 ID:HW8ZyJr.0
「おーい、おーい!!」
「早く起きろ!当てられてるぞお前!」
脇腹を剣のような鋭利なもので突かれているような痛みを感じる。そして耳元で誰かが俺の名前を繰り返し呼ぶ声が聞こえる。
ああ、やっと任務を果たしたと思ったのに今度はまた別の世界を救うのか……自分のそんな数奇な運命を少し恨みながらも頼られることは嫌いではなくつい困っている人がいれば助けてしまう俺の性分が自然とそんな任務を受け入れようとしていた。
「モラくん?モラくん?」
「モララーさん?どうしました、具合でも悪いんですか?」
俺を呼ぶ女の子の声が聞こえる、ああ。また圧政に苦しめられている女子どもがいるのか。
そして彼女達は俺がそんな世界を救ってくれることを待っているのか……仕方ないなぁ……待ってろよ、俺が救ってやるから。
そうだな、こういう時のセリフはやっぱりこんな感じだろう。
( ・∀・) 勇者モララー、ここに見参!!
ミセ*゚ー゚)リ ……え?
( ^ω^)……ん?
(゚、゚トソン ……えっと……モララーさん?
(;・∀・) えっ?
何だこの状況は?魔王を倒し一つの世界を救ったと思ったらまた俺を呼ぶ別の世界からの要請を受け、それに答えて登場したはずなのに何だこいつという冷たい目線を浴びてるこの状況は何?
え?何これ?夢?授業中に寝落ちして、自分が勇者となって異世界で活躍する夢を見ていたということに気付いたのはそれから数秒後。
せめて誰か笑ってくれればよかったのだが、なんとも言えない冷たい目線で俺を見るクラスメート達に気付き、恥ずかしさを感じ穴があったらうんたら状態と化した俺。
そして俺はここが異世界では無いことに落胆するのであった。
14
:
名無しさん
:2018/09/05(水) 10:20:12 ID:HW8ZyJr.0
( ^ω^) なぁモララー、さっきのアレってまた異世界のことを考えてたのかお?
( ・∀・) え、な、なんでそれを?
( ^ω^) だってお前の書いた作文だとかレポートって大体それ絡みだし、休み時間に読んでる本って大体そういう系のラノベだお
( ^ω^) それとモララーがさっき言ってた「勇者」を合わせて考えれば誰でもそういう結論に行き着くと思うお
( ^ω^) 僕から言うのは何だけど、モララーって校内でも「異世界オタク」として有名だし
( ・∀・) ……マジで?
( ^ω^) マジだお
なんということだろう。確かに俺は小さい頃からファンタジー世界に憧れ様々なファンタジー小説を読んでは妄想を膨らませてきた。
古城に囚われたかつての王国の姫を助ける小さな国の剣士(姫と結ばれる運命)だとか体長うん十米の大きさの巨大モンスターを操る魔術師だとか。
そしてそんな妄想に拍車をかけたのがここ近年話題となっている通称「なろう系」の小説であった。
俺のような冴えない普通の高校生だとか社会に疲れたおっさんだとかが何らかのチート能力や武器を手に入れて異世界で無双する。そんな話が山のように作られている状況は俺にとっては天国だった。
毎日のように更新される莫大な作品を読む。そしてそれらを読むだけでは満足せずに自分でも書き始める。
そんなこんなで俺はいつの間にか学校でも知られるような異世界オタクとなってしまっていたのだ。それ故に俺は大きな悩みを抱えている。ここが異世界ではないと言うことに。異世界では無いこの世界は退屈で、平凡で、そして理不尽だ。
モンスターも魔術も霊力も勇者も魔王も居ない。あるのは繰り返される平凡な日常。
そう、残念ながらここは異世界では無いのだ。
15
:
名無しさん
:2018/09/05(水) 10:20:36 ID:HW8ZyJr.0
-残念ながらここは異世界では無いようです-
16
:
名無しさん
:2018/09/05(水) 10:22:36 ID:HW8ZyJr.0
(;・∀・) あぁぁぁぁぁぁ……何で人前であんな妄想しちゃったんだろ……
( ・∀・) 幾ら何でも授業中に当てられて「勇者モララー見参!」は痛すぎるだろ
( ・∀・) オタクに見られることは別に苦じゃないしたいして気にしてないけど痛いやつって見られるのは流石に避けたかったんだけど
( ・∀・) こんなのまるで「キモオタが電車に乗って来た」コピペみたいだな
(;・∀・) 本当穴があったら入りたい、トラックが走ってきたら突っ込んでいって転生したいってこの発想自体が駄目なのか
ξ゚⊿゚)ξ ねえ、ちょっと
( ・∀・) まあ人生切り替えが大事だよな、明日は明日の風が吹くって言うし
ξ゚⊿゚)ξ ねえ、聞こえてるんでしょ?
( ・∀・) そういえば今日って新刊発売日だったし駅前の書店に行かねば
ξ゚⊿゚)ξ ねえってば!そうよ、あんた!そこのあんた!
( ・∀・) ……へ?俺?
ξ゚⊿゚)ξ そうよ!さっきから何度も声掛けてるのに返事してくれないんだから!
( ・∀・) は、はぁ……
ξ゚⊿゚)ξ これだからほんっと自分の殻に閉じこもっているようなオタクって駄目なのよね、せっかくこんなかわいい女の子が話しかけてあげてるってのに
(#・∀・)イラッ
(#・∀・) で要件は何?三行で
(#・∀・) あのさ、俺これからちょっと用事あるんよ(売り切れたらどうしてくれんだよ)
ξ゚⊿゚)ξ はぁ?この私が話しかけてあげてるのにその態度?ま、まあいいわ
ξ゚⊿゚)ξ それよりあんた、「異世界」に興味あるんでしょ?四六時中そんなことばっか考えてるって聞いたけど
( ・∀・) え?ま、まあ否定はしないがそれがどうした?あー、さては俺のことを笑いに来たのか?
( ・∀・) まあ馬鹿にするなら勝手にどうぞ、そんなこと俺の知ったことじゃない
17
:
名無しさん
:2018/09/05(水) 10:22:58 ID:HW8ZyJr.0
ξ゚⊿゚)ξ だからーそういうことじゃなくって!そんな異世界オタクなあんたにしか頼めないことがあるからわざわざ話しかけてるの!
( ・∀・) 俺にしか頼めないこと?
ξ゚⊿゚)ξ そう、あんたにしかね
高圧的な態度で俺に話しかけてきた女子は手を前で合わせて真っ直ぐな目で俺の顔を見つめた。どこかで見たことがあるような……
貧弱な俺の脳内女子データベースで照合すること約一秒。やっべ、分かんね。
ただ彼女の着ている白をベースに爽やかな水色のストライプが入った制服はどうやら俺の通う高校の制服だから、彼女は俺と同じ高校に通っているのか。
そして立派な金髪のツインドリル。俺の苦手なタイプの女子だが仕方ない、頼られたら断れないのが俺って人間だしな。
18
:
名無しさん
:2018/09/05(水) 10:24:01 ID:HW8ZyJr.0
( ・∀・) 仕方ないなぁ……話だけなら聞いてやるよ
ξ゚⊿゚)ξ 当たり前でしょ?私の頼みが聞けないなんてことある筈無いんだから!
ξ゚⊿゚)ξ まあこんな道のド真ん中で立ち話ってのも何だし……あそこのカフェにでも行くわよ
( ・∀・) 手短に頼むぞ、今日はこれから用事があるんだから
ξ゚⊿゚)ξ はいはい、分かったからさっさと動く!
( ・∀・) へー、雰囲気いい店だな
ξ゚⊿゚)ξ 私が選んだ店よ、そんなの当たり前じゃない
( ・∀・) はいはい、じゃあ注文いい?
ξ゚⊿゚)ξ それもそうね。あんたからでいいわ
( ・∀・) じゃあ俺はマウンテンパフェで
ξ゚⊿゚)ξ じゃあ私もマウンテン……って何でや!忙しいオーラ出しておいて何ちゃっかりパフェなんか頼んでんねん!
た。
19
:
名無しさん
:2018/09/05(水) 10:24:51 ID:HW8ZyJr.0
( ・∀・) いや、こういうのってさ、大体相談してきた相手に奢ってもらえること多い気がするから……
折角の機会だし、前から気になってたパフェを……
ξ゚⊿゚)ξ 女の子に奢らせようなんてあんた最低ね!……まあ私も同じマウンテンパフェで
( ・∀・) ありがとう、店の前を通る度に広告を見て気になってたんだよ。規格外の量のクリームで出来た山に十種以上のフルーツ、そして三種のシロップ……
ξ゚⊿゚)ξ それなら一人で入って頼めばいいじゃない
( ・∀・)でもこんなお洒落な店に俺が一人で入っていいと思う?何だか場違い感半端ないし……
ξ゚⊿゚)ξ それもそうね、って今パフェの話はどうでもいいわ!!
ξ゚⊿゚)ξ それより私の相談よ!
( ・∀・) あ、はい、相談ね
ξ゚⊿゚)ξ えっとね、、、
この女、意外とノリがいい。そんなことを思いながら彼女が相談の内容を話し始めるのを待つ。その直後、妙に深刻な表情で彼女は口を開いた。
20
:
名無しさん
:2018/09/05(水) 10:26:31 ID:HW8ZyJr.0
ξ゚⊿゚)ξ 異世界だとかファンタジーが好きなあんたにだから言えるんだけどさ……
実はこの街に異世界と繋がるダンジョンがあるらしいの
( ・∀・)ブフォwwwwwwww
( ・∀・)真面目な顔して何を言い出すかと思えばダンジョンwwwww
( ・∀・) 何だよお前wwwてっきり俺とは対極のザ・Jkかと思ってたけどwww
ξ#゚⊿゚)ξ ちょ……何よ!そんなに笑うことでも無いでしょ!
ξ#゚⊿゚)ξ この街の歴史を辿れば分かると思うけどこの地を制した領主や武将は代々謎の力を持って天下を制しているのよ!
しかも彼らが使った兵器や戦術は当時にはありえないレベルの高度なものばかり!
これは異世界から渡ってきた人種がそれらを伝えたとしか思えないじゃない!
彼女が深刻そうに語った内容とその表情のギャップに思わず笑ってしまったものの、俺は彼女に対して大きな勘違いをしていたことに気付き少し申し訳無く感じた。
そして俺は彼女は俺と対極の存在なんかではなくむしろ同類だったということに気付きつい嬉しくなった。無論それを表に出すことは無いが。
21
:
名無しさん
:2018/09/05(水) 10:27:38 ID:HW8ZyJr.0
( ・∀・) えっと……さっきは笑って済まなかった
( ・∀・) 俺に対しての態度からしててっきりクラスの中心とかでワイワイしてるスイーツ(笑)と勘違いしてた
( ・∀・) それだけ調べてるとはなかなかじゃないか
ξ゚⊿゚)ξ あんな奴らと一緒にしないでよ!別に私はそんなクラスの中心で騒ぐようなタイプじゃないし……もっと言うならクラスの端っこで妄想してるほうだし……
( ・∀・)……
ξ゚⊿゚)ξ と、とにかくあんたみたいな奴にしか話せないと思ったから今日はあんたに声を掛けたの、分かった?
( ・∀・) あぁ、言いたいことは分かった。つまりはこういうことだな
( ・∀・) 私も俺と同じように異世界やらそういうのに興味があっていろいろと調べたり妄想したりしているんだけどこの街に何か秘密があるのでは無いかと思うようになった。
そしてこの街に異世界と繋がるダンジョンがあるという結論を得た。でもこんなことは私の周りの人に話しても理解されるどころか馬鹿にされるだけだ。
そんな時に隣のクラスに自分と同じようなことを考えているオタクがいるって気付き、接触しようとした。こんなところだろ?
ξ゚⊿゚)ξ まあ大体そんな所ね……ってあんた私が隣のクラスの人って知ってたの!?
( ・∀・) ああ、残念ながらさっき思い出してしまった
ξ゚⊿゚)ξ ざ、残念って何よ!
( ・∀・) 二年A組津出玲子、容姿に関しては学年上位入賞間違いなしだが性格が難ありな他、日常の行動に理解不能なものが多く含まれる為ミスコン出場を止められるような残念な子。俺が聞いたのだとこんな感じ
ξ゚⊿゚)ξ ……
ξ#゚⊿゚)ξ ど、どこが性格に難有りよ!どの行動が理解不能なのよ!私にとってはお前らの行動の方が理解不能だわ!
ξ゚⊿゚)ξ いちいちトイレ如きに行くだけでもタイミング合わせて!面白くもなんともない自撮りにいいねしあって!ちょっと趣味が合わないとすぐハブって!
ξ゚⊿゚)ξ そんなお前らの方が一般的にはどう考えてもおかしいだろ!
( ・∀・) ま、まあ気持ちは分かるけど落ち着いて……ほら、パフェも来るんだし
ξ゚⊿゚)ξ パフェ……仕方ないわね、パフェに免じて我慢してあげるわ
ξ゚⊿゚)ξ このパフェ絶品ね!甘さ控えめなクリームとシロップの組み合わせは最高よ!あんた凄いじゃない
( ・∀・) いや、俺も初めて頼んだから少し不安ではあったんだけど……これは美味い
ξ゚⊿゚)ξ うんうん……これは幸せね
22
:
名無しさん
:2018/09/05(水) 10:28:52 ID:HW8ZyJr.0
( ・∀・) 幸せに浸っている所悪いが一個聞いておきたいことがあるんだけどいいかな?
ξ゚⊿゚*)ξ え?何?わ、分かったわ
( ・∀・)あのさ、俺の名前って知ってる?
ξ゚⊿゚*)ξ 美府盛羅夫、すごい名前よね
( ・∀・) !?どこでその名前を?確かに俺の存在は多少知られているかもしれないけど残念な女子ランキング一位の津出さんほどじゃないと思ったんだけどなぁ
ξ゚⊿゚*)ξ だから残念って言うなぁ!!しかも私一位なの!?
( ・∀・) ごめんごめん、でもほら、今顔にクリーム着いているしそういう所も含めて残念って言うのかも
ξ゚⊿゚*)ξ !?
ξ゚⊿゚)ξ ちょ……気付いてたなら早く言いなさいよこのアホ!
(;・∀・)どうせ言っても言わなくても怒られるかなと思ってたし自分で気づくかなと期待してたんだけどなぁ……
ξ゚⊿゚)ξ とにかくね、あんたも校内じゃ有名なのよ。特にその名前でね
ξ゚⊿゚)ξ あんたの名前は校内のどう考えても当て字っぽい難読な名前ランキングの二位よ
( ・∀・) そんなこと言われてもどうしようもないじゃないか……まあ知り合いは大体モララーって呼ぶから支障はそんなにないのだけどね
23
:
名無しさん
:2018/09/05(水) 10:30:27 ID:HW8ZyJr.0
ξ゚⊿゚)ξ ふーん、じゃあモララー、話の続きをお願いしてもいいかしら
( ・∀・)!?
ξ゚⊿゚)ξ 何よ突然固まって
( ・∀・) いや、その……君もその名前で俺を呼ぶのかって
ξ゚⊿゚)ξ は?何?駄目なの?
( ・∀・) いや、そんなことは無いけど……
( ・∀・) そ、そうだね、じゃあ話のまとめをしようか
ξ゚⊿゚)ξ うん
( ・∀・)名誉か不名誉かは分からないが君は俺のことを知っていて俺も君のことを知っていた。
そして二人共この世界とは異なる「異世界」に興味を持ち日々妄想を膨らませていた。
そしてこの街のダンジョンを捜索しないかということで君は僕に声を掛けた、そういうことでいい?
ξ゚⊿゚)ξ 何だか妙に説明っぽいけどまあいいわ。それでモララー、あんたは今週の土曜日空いてる?
( ・∀・) 土曜か……多分大丈夫だ。つまり土曜が作戦の実行日という事だな
ξ゚⊿゚)ξ そうよ、じゃあ土曜日の九時に駅前の時計台前に集合ね
ξ゚⊿゚)ξ まぁ、今日は楽しかったわ、ありがとう
( ・∀・//)まあ、俺も別に……悪くは無かったかな
ξ゚⊿゚)ξ じゃあ!
彼女はそういうと勢い良く席を立つと手を振りながら走って出ていった。おい!結局俺がパフェ代払うんかい!しかも二人前!今度会ったときには倍返ししてもらうからなあのツイン巻きグソドリル!!!!
24
:
名無しさん
:2018/09/05(水) 10:31:22 ID:HW8ZyJr.0
今回はここまで
二重投稿になってしまい申し訳ありません
本編は
>>11
からとなります
25
:
名無しさん
:2018/09/05(水) 12:18:19 ID:/nbroBno0
乙!
26
:
名無しさん
:2018/09/05(水) 17:05:00 ID:TS.N43sc0
面白そう
無いと分かっててもダンジョン探索
厨二心をくすぐられますな
27
:
名無しさん
:2018/09/06(木) 19:42:54 ID:p/DpjO520
乙!
28
:
名無しさん
:2018/09/22(土) 16:28:08 ID:sSQioHio0
残念ながらここは異世界では無いようです 第2話
この素晴らしくない世界には祝福なんて存在しない
29
:
名無しさん
:2018/09/22(土) 16:30:29 ID:sSQioHio0
( ・∀・) 行ってきます
土曜日の朝。ここ数日の間雨が降ったり止んだりの微妙な天気が続いていたのだが、
今日は珍しく朝から太陽が顔を出し久々の好天に恵まれたようだ。
今日も両親は早朝出勤らしく誰も居なくなった家に挨拶をして鍵を締めて俺は家を出た。
今日は彼女との約束の日、とは言っても世間一般のデートのような甘っちょろいものでは無い。
この世界と別の世界を繋ぐ扉として機能しているとされるダンジョンの攻略だ。
そんなわけで俺の装備はと言うと鞄に懐中電灯や食料、そしていざという時のためのサバイバルナイフ。
そして格好も動きやすいほうがいいと言うことでしま○らで買ったシャツとズボン、そしてチャリ通用に使っていたヘルメット。
これならダンジョンという危険な場所に足を踏み入れても大丈夫だろう。(そう思うことにした)
五分前行動厳守がマイルールな俺が約束時間の五分前に約束していた駅前の時計台前についた時、彼女はもうそこに居た。
30
:
名無しさん
:2018/09/22(土) 16:31:43 ID:sSQioHio0
ξ゚⊿゚)ξ ちょっと!遅かったじゃない、待ったわよ!
( ・∀・) あっ……えっと、すまん
ξ゚⊿゚)ξ 普通こういう時って男は数十分前に来て待っているものよ、それで相手が現れて「待った?」と聞かれたら「今来たとこ」って言うものよ!
( ・∀・) そのやり取りがしたかっただけだろ、さては
ξ゚⊿゚)ξ ……ま、まあ?
俺は五分前に着いた、何ら文句を言われる筋合いはないぞ、そう思いながら彼女の方を見る。
上着の上に迷彩柄のジャケットを羽織り、迷彩柄のヘルメットを着用している彼女の姿はファッション街に隣接した駅前の風景には全く馴染まないものであった。
無論男女が一緒に出歩く時の格好には見えないのだがこれはデートでは無く異界への冒険だから仕方ないね。
( ・∀・) なぁ、その格好……似合ってるなw
ξ゚⊿゚)ξ でしょでしょ!
( ・∀・)ミリオタファッションが似合うと言われて喜ぶのってどうなんだろな
ξ゚⊿゚)ξ うるさいわね、肌丸出しで防御力のない服だとかスケスケレースで材料費安そうなのにぼったくってる服より実用性があっていいじゃない!
あぁ、この子はこういう感性なんだなと俺はある意味尊敬の眼差しで満面の笑みを浮かべる彼女を見る。
まあ俺がとやかく言う資格は無いしどちらかと言わずとも俺と彼女のファッション感は近いものがあるらしい。
ξ゚⊿゚)ξ さぁ、行きましょ!
( ・∀・) お、おう
そう言って彼女は駅の方へ向かって荷物を片手に軽快に走り出した。
えぇ……その格好で電車乗るのかよという俺の中の常識的意識が一応動いたけど黙殺。
31
:
名無しさん
:2018/09/22(土) 16:32:51 ID:sSQioHio0
ξ゚⊿゚)ξ えっとね、今日の目的地は街の外れにあるしたらば鉱山跡地ね。ここから電車で三駅乗ってあとは徒歩で移動、多分昼前には着くわ
ξ゚⊿゚)ξ 少し強行軍になるけどへこたれるんじゃないわよ
( ・∀・) したらば鉱山ね……太古から金銀銅鉄初め様々な鉱物が取れこの地の支配者の財力の源となった鉱山の一つで戦中は特殊兵器開発にも使われていたとか
ξ゚⊿゚)ξ そうよ、戦後のどさくさに紛れて関連する資料の殆どが焼却され残っていたものも紛失、戦後すぐに廃山になり今では滅多に人が訪れないところよ
( ・∀・) でも最近心霊スポットとしても人気が出てるって話を聞いたけど
ξ゚⊿゚)ξ 心霊スポット?ああ、あの話ね。かつて働いていた鉱夫の霊が出るって話。でもアレはガセに近いし彼らが言っても鉱山の入り口にある施設跡までよ
( ・∀・) そういう系強いのか……少し意外だな
ξ゚⊿゚)ξ へ?だ、だってそんなことに怖がってたらやってけないじゃない?それに数あるデータから信憑性があるものを取り出すってのは重要よ
( ・∀・) それはそうだけど……でもしかして俺らが行くのはその鉱山の奥深くなワケ?
ξ゚⊿゚)ξ まあそうなるわね、ダンジョンなんて奥深く潜らないと雑魚しか倒せず宝は手に入らないわよ
( ・∀・) お、おう……
32
:
名無しさん
:2018/09/22(土) 16:35:25 ID:sSQioHio0
俺の想像していた以上に、いや多分第一印象と彼女の容姿がそうさせるんだろうけど彼女は「濃い」人らしい。
普通であれば廃鉱山にダンジョンがあるだなんて突拍子もない話を考えつくはずがないし、そこへ実際に行って確かめようとは思わないだろう。
それに一度決めたら周りの目線など気にしない、例えば今車内の目線はほぼ彼女を向いているし小さい子供が
「ママ〜あの人凄いよ!自衛隊の服着てるー!でももうひとりはただのし○むらにヘルメットだよー!」といって「見ちゃいけません!」となりそうな予感が
ビンビンしている。まあそんな彼女と同行している俺も残念ながら同じ目線で見られているのだが。あと結局痛いのは俺の服装かよって、しま○らの何が悪い!
ξ゚⊿゚)ξ ほら、あれよあれ!
静かに車窓の流れ行く景色を眺めていた彼女が突然歓声をあげて俺の手を引く。
( ・∀・) えっ、どうした?
ξ゚⊿゚)ξ どうしたもこうしたも無いわ!あれが今日の目的地よ!
彼女が指差す先に見えたものはそう、今にも何かが出そうな廃墟、そして少し木々が生えてはいるもののどこか恐ろしさを感じる禿山の風景だった。
( ・∀・) あれが、したらば鉱山……
ξ゚⊿゚)ξ そうよ、産業遺産に認定されるだ、されないだで基本的に現状維持が必要とされていることもあって比較的当時の状況が残っているのよ!
まるでおもちゃを買ってもらったことを無邪気に喜ぶ子供のような笑顔を浮かべる彼女とは逆に俺は何故か不安を感じていた。
何故と聞かれても答えることは難しいのだが、敢えて言うなら野生の勘だろうか。
何か触れてはいけない、そんな近寄りがたさをその荒涼とした山肌に感じたのだ。
33
:
名無しさん
:2018/09/22(土) 16:38:21 ID:sSQioHio0
ξ゚⊿゚)ξ さぁ、ここからは歩きよ!
( ・∀・) なぁ、何でそんなに元気なん?
ξ゚⊿゚)ξ えっ?これぐらい普通でしょ?あー、モララーってどう見てもインドア派だし運動不足なんじゃない?これから毎朝ランニングでもしたら?
( ・∀・) 絶対に拒否する。何で心地よく布団に包まっていられる貴重な時間を削ってまで運動なんてしようと思うのか、俺には全く理解できない
ξ゚⊿゚)ξ これだから……早起きは三文の得って言うでしょ?
( ・∀・) 逆にこうは考えられないか?
ξ゚⊿゚)ξ え?
( ・∀・) わざわざ肉体に鞭打って朝はやく起きても”たった”三文、つまり36円の価値しかないってことだぞ?その後のパフォーマンスの事を考慮すれば36円分なんてすぐチャラだ
( ・∀・) つまり早起きしてもたった三文しか得しない!ドヤ
ξ゚⊿゚)ξ はぁ……そんなのドヤ顔していうことでも無いしそれってただのことわざにマジレスしてるだけじゃん
(;・∀・) はい、、その通りです……
そんなくだらない会話をしながら歩くこと約一時間。俺に取っては今週分の残りのエネルギーの殆どを使い果たしたと思ったが、彼女は汗一つかかず何食わぬ顔でスマホをかざしている。
ξ゚⊿゚)ξ これが旧鉱山管理事務所跡地かー、何か思ったより平凡……
( ・∀・) へ、平凡ねぇ……
彼女はその光景を見て「平凡」と称したが、俺にはとてもそうは思えなかった。
不良やら浮浪者やらに荒らされたのか鉱山の現場道具や様々な書類、生活用品が無造作に散らばった古びた木造建築。
レトロ、昔懐かしと言ったきれいな言葉では言い表すことは出来ないなんとも言えない雰囲気がそこにはあった。
良く言えば産業遺産、悪く言えばかつての日本の黒い歴史の闇か。いや悪い意味ではないし彼の地で働いていた工員がどう思っていたかなどしるよしもない。
ただこの雰囲気は良かった歴史には似つかわしくない感じがするのだ。
そんな空間に立ち入るのを躊躇して周りを見回すだけの俺を置いてさっさと足を踏み入れる彼女。
こんなところに一人置いて置かれるわけには行かないししょうがないので俺も彼女のそんな背を追って足を踏み入れる。ミシッと古い木造の床のきしむ音でビクッとする俺。
34
:
名無しさん
:2018/09/22(土) 16:38:48 ID:sSQioHio0
ξ゚⊿゚)ξ 何そんな音でびっくりしてるのよ!たかが木の軋む音じゃない!
( ・∀・) とはいえびっくりするのはしょうがないことじゃないか……よく君はそんなにどんどん進めるね
ξ゚⊿゚)ξ まあ全く怖くないって訳では無いんだけど……これぐらいで怖がってたらやっていけないでしょ?
( ・∀・) ……それはそうだけど、、、何か納得がいかないな
ξ゚⊿゚)ξ そんなことよりほら!ここが坑道の入り口よ!
( ・∀・) ここが、ね……
彼女が指差す先にあったのは禍々しい雰囲気を漂わせる今にも崩れそうな坑道の入り口だった。
ここに足を踏み入れるのか……右は近道だけど危険、左は少し遠回りになるけど安全というような二択があれば後者を迷わず選択する俺には
目に見えた危険に後を顧みず突っ込んでいくのは少し避けたい。
とはいえ彼女は今か今かと俺の後ろで足踏みしている。
35
:
名無しさん
:2018/09/22(土) 16:39:23 ID:sSQioHio0
( ・∀・) あー、もう仕方ないな……じゃあ俺が最初に入るよ
ξ゚⊿゚)ξ 楽しみね!
( ・∀・) あ、ああ
そうはいったもののこの中に入るのか……死亡フラグビンビンやん……
そんなことを考えながら一歩、足を前に進める。ザクッと瓦礫が靴に踏み潰され音をたてる。
ビクッとなんてしてないよ、うん。
おずおずと進む俺にしびれを切らしたのだろう。ツンは俺の前へと躍り出てこう言う。
ξ゚⊿゚)ξ 何チンタラ歩いてるのよ!ダンジョン攻略には速さも重要なのよ!
ξ゚⊿゚)ξ 足を踏みいれた時からカウンターは動き出してるんだからゆっくり歩いていたらRTA失敗よ!
( ・∀・) そ、そうだけど……
ピチャッ
(;・∀・) うわっ!?
ξ゚⊿゚)ξ 何よそんな女々しい声あげて!幽霊でも出たって?
( ・∀・) いや、そうじゃないけど何か背中に冷たいものが……
背中に何か冷たいものが触れた感触、それはとても不気味で不快。声を上げてしまったのも仕方ないだろう。
無論それが亡霊のせいであるだなんては思っていないけど。
ξ゚⊿゚)ξ あほくさ、そんなのただの坑道内で滴っている水滴でしょ?
ξ゚⊿゚)ξ ほら
彼女がライトで照らした狭く薄暗い坑道の壁面には黒々とした水の跡、そして時々一定の大きさに成長し滴り落ちる水滴。
ξ゚⊿゚)ξ 全く……思ったよりあんたってだらしないのね、せっかく私と釣り合う男かと思ったのに
( ・∀・) へ?
ξ゚⊿゚)ξ だから、あんたが思ったより女々しい弱っちい野郎だって言いたいの!
36
:
名無しさん
:2018/09/22(土) 16:41:27 ID:sSQioHio0
( ・∀・)イラッ
( ・∀・) そこまで言わなくてもいいだろ……俺はこの世界ではリスクをあまり取りたくないだけだ
( ・∀・) この世界には回復魔法も回復ポーションも無い。女神から授けられた聖剣も聖帝から授けられる魔法も無い
( ・∀・) 所詮人の命なんて軽い存在、刃物で切りつけられたらすぐ死ぬし野生動物にさえ力及ばない、そんな世界なんだ
俺は少しカッとなったあまり早口で俺の持論を彼女に投げつけるかのように言った。
彼女は俺が話終わるか終わらないかのうちに首を大きく横に振ってこう言う。
ξ゚⊿゚)ξ 何しみったれたこと言ってるのよ、たしかにこの世界はそんなに素晴らしいものじゃないし祝福は無いわ
ξ゚⊿゚)ξ トラックに轢かれれば内臓が跡形もなく潰れて死ぬし一度死ねばもう生き返れない、転生なんて出来る世界じゃない
ξ゚⊿゚)ξ 無論自分が「選ばれた存在」でないことも分かってるしね……でもさ、そんな世界だからこそ人は夢見てそれを実現する為に前へ進むんじゃない?
ξ゚⊿゚)ξ 初めて空を目指した兄弟も、未知の航路を目指して航海に出た乗組員達も、遠い宇宙(そら)を目指した科学者達も
ξ゚⊿゚)ξ それがリスキーだって分かってる。命を失うかもしれない、でもそれを恐れず進んだから今がある
ξ゚⊿゚)ξ そう考えるとなんだか安全策を取って逃げてばかりの人生ってつまらないものじゃない?
ξ゚⊿゚)ξ だから私はそんな世界とは違う世界に憧れたし、この世界でも自分の思ったように行動したいと思った
ξ゚⊿゚)ξ そんな訳で私は今ここにいるのよ
ξ゚⊿゚)ξ あんたも私と同じ人種だったと思ったんだけど所詮御都合主義の異世界で望むような展開を楽して手に入れたいだけのクソオタクだったのね
ξ゚⊿゚)ξ 私の目も少し見誤ったのかしら
37
:
名無しさん
:2018/09/22(土) 16:42:14 ID:sSQioHio0
胸を張りそう熱弁をふるう彼女。ヘッドライトの光が彼女が体を動かす度に上下左右に動く。
彼女の熱い言葉の一字一句が無防備で脆い俺の胸にぐさぐさと突き刺さる。
最初は何故彼女は俺に対してそんなにキツい言葉を掛けるのか、何が気に食わないのかと思った。
でもそうじゃないのだ。俺が彼女のような存在をこの世界で求めていたように彼女は俺のと、いやそれより遥かに大きな意思を胸に抱いて
異世界に憧れ、そしてこの世界との差異に直面した。
所詮俺は自分が好きなように生きられないのをこの世界のせいにして、別世界で自分が活躍出来るという妄想をするだけだった。
クラスでは冴えない中の下、話しかけられたら返事をするけどそうでも無い限り日常的会話はほぼ0。
趣味は世に言うサブカル系、でも所詮それは逃げだったのかもしれない。
それに比べて彼女はどうだろうか。彼女は異世界で俺TUEEEをしている小説を読んで異世界に興味を持った、みたいな薄いものじゃない。
どちらかといえば恵まれているような環境、でもその世界は彼女の求める「楽しみ」は無く生きる意味はどこにあるのかさまよっている、そんな時に
ファンタジー世界、そう、こことは違う世界に出会い憧れを抱いたのだろう。
そして俺と彼女の決定的な違いはそこから現実世界に視点をもう一度戻し、この世界を自分の望むように作っていく、そんな生き方を選んだのだろう。
先程まで隣りにいた、同好の士だと思っていた彼女と俺の間には大きな差があるのではと俺はこの瞬間思ってしまった。
38
:
名無しさん
:2018/09/22(土) 16:42:45 ID:sSQioHio0
(:・∀・) ……
ξ゚⊿゚)ξ ちょっと、何か言いなさいよ!
ξ゚⊿゚)ξ ねぇ!
(;・∀・) 津出さん……ごめん
ξ゚⊿゚)ξ え?
(;・∀・) 俺は君と一緒に行動する資格がないんだ……ごめん
俺はそう告げると彼女に背を向けて坑道の入り口へと走った。
女子の前で弱っちい事を言って、それに対してどうしようもない自分の信条で言い訳して。
彼女は彼女の本心を打ち明けてくれたのに、それが眩しすぎて、俺には直視出来なくて。
なんて俺はかっこ悪いんだろう。
所詮俺はどんな世界に行っても世界を救うことどころか目の前で泣く少女一人を笑顔にすることすら出来ない大馬鹿者だ。
ξ゚⊿゚)ξ 待ちなさいよ!モララー!
後ろで彼女が俺を呼ぶ声がする。でもここで振り返っったら負けな気がする。
何が負けなのか、それすら分からないけどここで振り返ることは何故か俺には出来ず、ただ走った。
39
:
名無しさん
:2018/09/22(土) 16:44:26 ID:sSQioHio0
坑道の外に出ると着いた時の好天はそこには無く、灰色の雲が空を覆い尽くし今にも雨が振ってきそうな天気だった。
俺は一度坑道の中を振り返り、そこに光が見えないことに気付きその場を去った。
初めて同じ趣味を持った(ように俺が思っていただけかもしれない)女子と楽しい時間を過ごした電車の車内。
そんな車内も帰りはただ静かだった。寿命が近いのか蛍光灯がせわしく付いたり消えたりを繰り返していた。
この世界はやはり退屈で、つまらなく、不条理で、そして辛い。
残念ながらやはりここは異世界ではないのだ。
今 回 は こ こ ま で
*
作者も予想してなかった展開になってまいりましたが、この二人、そして異世界探索はどうなるのか?
次回をお楽しみに
*
40
:
名無しさん
:2018/09/22(土) 18:36:15 ID:zaLWR4iA0
ツンがガチ過ぎて酷い
41
:
名無しさん
:2018/10/07(日) 21:49:48 ID:M7JKVxFE0
久々の投下です
今更ですけど展開早すぎましたね……ストーリー構成とかもっと勉強しないと
42
:
名無しさん
:2018/10/07(日) 21:51:28 ID:M7JKVxFE0
残念ながらここは異世界では無いようです 第3話
RE:多分ゼロから始まる異世界探索
43
:
名無しさん
:2018/10/07(日) 21:52:09 ID:M7JKVxFE0
( ・∀・) ハァ……
( ・∀・) 今日の更新分はこれだけか……どれもパッとしないなぁ……
実質的な喧嘩別れをしたその日の夜、俺は自分の部屋でお気に入り登録している作品を消化する作業に取り掛かったがどの作品を
読んでも「面白い」だとか「わくわく」といった感情を持てない。
それどころか「こんなところで主人公が助かるのは御都合主義な展開だ」とか「は?硬派ぶっておいて結局テンプレかよ」などと
批判的な目でしか見れなくなっていた。その理由は無論今日彼女に言われた言葉、そしてそれを受けて揺らぎ始めつつある俺の心だった。
想像の世界で翼を幾ら広げた所で所詮俺は現実世界では冴えない男子高校生。
イケメン主人公でもサポート役の有能な友人でも無くそこらの町を歩くモブ的存在。
そんな奴が生意気な妄想を膨らませて……もはや自分が何で悩んでいるのか、どうすれば良かったのかすら分からない。
ただ敢えて言うなら期待を膨らませて入学し過ごしてきた高校生活が思ったよりも面白いものではなく、そしてその原因が自分自身にあるのではと思い、
なんとも言えない憂鬱感に苛まれていたことが幾らかあるのではと思う。
そして俺はそんな閉塞感を打開するものとして別世界に憧れ、そこで活躍する対極的な自分を追い求めていたのだと。
( ・∀・) ハァ……
気が重い夜はそうして過ぎ、朝が来た。
44
:
名無しさん
:2018/10/07(日) 21:52:33 ID:M7JKVxFE0
( ・∀・) 日曜日か……って言っても特にやることも無いし行く所も無いし暇だな
( ・∀・) 撮り貯めて置いたアニメでも消化するか
いつもにまして無気力な俺はそんな塩梅で立ち上がるとリビングに行きテレビの電源を入れた。
机を見ると母からの手紙がファーストフードの袋を文鎮代わりにして置かれていた。
「モララーへ
おはよう。ママとパパはちょっと手が離せない仕事ができちゃったので今日も出勤です。
マクロナルドのセット買ってきたので食べていてね
ps:本当はこんな高カロリー、高脂質なのは食べ過ぎちゃ駄目よ!
」
( ・∀・) また仕事かぁ……
( ・∀・) しかも食べ過ぎちゃ駄目よって言っておきながら買ってくるのってねぇ?
( ・∀・) まあ好きだし偶に食べたくなる味だってことは否定しないけどさ
袋をガサゴソ言わせて中からハンバーガーを取り出し、口にする。
ザ・ジャンクフードな味が口いっぱいに広がるがそれがなんとも言えない幸福感を感じさせる。
そんな感じでハンバーガーを食しながら何気なくチャンネルを移動しているととあるニュース番組が俺の手を止めた。
45
:
名無しさん
:2018/10/07(日) 21:53:09 ID:M7JKVxFE0
「したらば鉱山で崩落事故!行政の管理に不手際あり、専門家に聞く!」
( ・∀・) !?
( ・∀・) ……したらば鉱山……
( ・∀・)……ハハッ……まさかね……
そんなニュースに手元のハンバーガーを落としそうになった。俺が驚くのも無理はない。
話題に上がっているしたらば鉱山とはまさに俺と彼女が昨日行ったあの廃鉱山跡。
そこで崩落事故……。
俺はその突然入ってきたニュースにヒヤリとし、そして最後に見た彼女の表情を思い浮かべた。
まさか……ツンは大丈夫だよな?そうだよな?
( ^ω^) こちら現場のしたらば鉱山跡ですお!ご覧の通り坑道の入り口周辺の岩盤が突如崩落したことで
坑道の内部の状態はまだ分かりませんが相当の規模の崩落だと言うことですお
( ^ω^) 崩落が起こったのは昨日の昼過ぎ、地元住民から異様な音がすると通報を受け警察が駆けつけた所、崩落を確認、
周辺を立入禁止とする対応策を取ったとのことですお
( ^ω^) したらば鉱山はかつてこの街の経済を支えていた貴金属等を産出する鉱山であり戦後に閉山、現在は廃坑として放置されていたらしいですお
( ^ω^) 県や警察はこの鉱山の所有者であるしたらば土建(株)の維持管理に問題は無かったか調査をするとのことですお
( ・∀・) 昨日の昼過ぎ……
( ・∀・) 嘘だろ……?
46
:
名無しさん
:2018/10/07(日) 21:53:41 ID:M7JKVxFE0
信じたくない、ありえない、そんなことがあるはずがない。
脳内に様々な文字が浮かび上がっては消え、そんなことが繰り返される。
維持管理?そんなことはどうだっていい。それより彼女は無事なのか、それが俺の知りたいことの第一だった。
連絡先?実は知らない、というか流れで意気投合して集合とかいうテキトーなことをしたせいでお互いの連絡先交換をしてなかったのだ。
それに今思えば俺は彼女のことを殆ど知らない。どこに住んでいるか、どんな暮らしをしているのか、そしてどんな人なのか。
今冷静になって考えてみればあの時俺が勝手に抱いた彼女の人間像も正しいとは限らない、いや俺が彼女の僅かな言動から勝手に
推測したもの、僅かな交流で人の内面を思い知ろうなんて思い上がりなのかもしれない。
そんな自責の念を懐きながらも、何とか彼女の安否を知れないか俺は頭をフル回転させていた。
彼女の友達?残念ながら女子の友人がほぼ居ない俺にはその選択肢は無い。
じゃあクラスの男子にRINEで聞くか?でも変な推測されるし不確実だよな……
そして俺が取った手段、それは一番単純で一番愚直な方法、つまり現地に行くということだった。
47
:
名無しさん
:2018/10/07(日) 21:54:05 ID:M7JKVxFE0
昨日と同じようにしたらば方面へ向かう電車に飛び乗る。
俺が乗り込むまで妙に賑やかだった車内は何故か静かだった。移り変わる車窓も味気ないものに感じた。
そんな時間を過ごすこと数十分、窓の外には例の鉱山が見えてきた。
相変わらずのおどろおどろしい山肌、そして禿山。
俺は駅に着いてからひたすら走った。もし、いや本当にもしだけど彼女が巻き込まれていたとしたら……一秒でも早く見つけないと、と。
鉱山事務所は昨日と同じようにそこにあった、だがその入り口には黄色いKEEPOUTのテープが貼られ物々しい雰囲気。
そして二次災害やトラブルを防ぐために数人の警察官が辺りを見張っていた。
( ・∀・) 警官に言うべきか……?でも信じてもらえないだろうしな……
( ・∀・) でも押し入ることは出来ないし……
焦る俺はそんな感じでテープで囲まれた出入り口の周りをぐるぐる回りながら考えに耽っていた。
もし別の入り口があるならそこから入る?いや、でも繋がっているとは限らないし彼女と合流出来る保証なんて無い。
それにまた崩落があったらどうするんだ……?
48
:
名無しさん
:2018/10/07(日) 21:54:42 ID:M7JKVxFE0
ξ゚⊿゚)ξ ねぇ
( ・∀・) !?
( ・∀・) あ、あの俺は怪しいものじゃなくて……えっとニュースであの……
ξ゚⊿゚)ξ 何テンパってんのよw
( ・∀・) え……つ、津出さん!?
ξ゚⊿゚)ξ そりゃ私は津出だけどどうしてあんたまでここにいるのよ
( ・∀・) そりゃあの……君が心配で……
ξ゚⊿゚)ξ そ、そう
ξ゚⊿゚)ξ 私がこの事故に巻き込まれたと思って心配してここまで来たって感じかしら?
( ・∀・) そうだけど……無事だったんだ……
ξ゚⊿゚)ξ 私がそう簡単に死ぬと思う?まだこの世界でやり残したことが山程あるのよ?
( ・∀・) よ、良かった……
ξ゚⊿゚)ξ ちょ、突然何倒れかけてるの!
( ・∀・) 安心して腰が抜けた……ハハ……
ξ゚⊿゚)ξ 全く……モララーも馬鹿ね
ξ゚⊿゚)ξ まぁ少し意外だったけど
( ・∀・) ん?
ξ゚⊿゚)ξ 何でもないわよ
ξ゚⊿゚)ξ それよりほら、これ
( ・∀・) ん?
49
:
名無しさん
:2018/10/07(日) 21:55:30 ID:M7JKVxFE0
ξ゚⊿゚)ξ 結局途中で行き止まりになってて時間も時間だから出たんだけどその後崩落が起こったのよ
ξ゚⊿゚)ξ それでいろいろ調べてたらこれ……
そう言って彼女は腰を下ろした俺にスマホの画面を見せる。
そこにはしたらば鉱山についての様々な伝承やら噂がまとめられていた。
そしてそのページの最新の書き込みにとある一文のコメントが寄せられていた。
「今回の崩壊は真実が暴かれることを機関が恐れたため崩落させてGATEを封印した」と。
( ・∀・) まさか……ね
ξ゚⊿゚)ξ でも十分ありえる話だわ、せっかくここまで迫っていたのに残念ね
( ・∀・) あ、あぁ
馬鹿らしい、普通はそう思うだろう。
でも何故か俺には嘘には見えなかった。何か出来すぎているような、そんな気がしたからだ。
ξ゚⊿゚)ξ それより前から思ってたんだけど、その津出さんっての何か気持ち悪いからツンって呼んでくれない
( ・∀・)!?
ξ゚⊿゚)ξ 何びっくりしてるのよ、皆私のことそう呼んでるんだしあんたもそうしたら?ってだけよ
( ・∀・) う、うん
( ・∀・) ツン……
50
:
名無しさん
:2018/10/07(日) 21:56:13 ID:M7JKVxFE0
( ・∀・) それよりあのさ……昨日のことなんだけど
ξ゚⊿゚)ξ ごめん!
( ・∀・) え
ξ゚⊿゚)ξ 私、つい言い過ぎたんけど許してくれるかしら
( ・∀・) そ、それは俺もそうだし……
ξ゚⊿゚)ξ 同士、話が合う人って初めてだったからつい自分の価値観を押し付けちゃって……
( ・∀・) いや、ツンの言うことはもっともだよ
( ・∀・) そして俺は勝手にいろいろ考えて……
( ・∀・) あのさ……良かったらなんだけどさ
ξ゚⊿゚)ξ え?
( ・∀・)君と一緒に「この世界」で生きていきたいなって
ξ*゚⊿゚)ξ ちょ、それって……どういう意味で
(*・∀・)(自分でも分かるほどの恥ずかしいこと言ってるうううううう)
( ・∀・) えっと、だから……これからも一緒に探索とかいろいろしたいなって
ξ゚⊿゚)ξ なんだ、そんなことね
ξ゚⊿゚)ξ 当たり前でしょ、あんたのことを知った時からもう決まってたわ
ξ゚⊿゚)ξ ちょっと弱っちいところはあるけど貴重な同士だわ、これからも付き合ってもらうわよ
( ・∀・) 弱っちいは余計だろ……でもありがとう
ξ゚⊿゚)ξ さぁ、そうと決まればまずは作戦会議ね!こんなとこじゃなんだし駅前のスタヴァ行くわよ
( ・∀・) あぁ……
( ・∀・) スタヴァで思い出したけどパフェ代返して貰ってねーぞ!!
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板