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(´・ω・`)は偽りの亡霊を捕まえるようです
1
:
◆wPvTfIHSQ6
:2018/08/23(木) 01:38:11 ID:qgB33Ij20
▼シリーズ過去作
(´・ω・`)は偽りの香りを見抜くようです+α
http://boonsoldier.web.fc2.com/ituwari.htm
(´・ω・`)は偽りの根城を突き止めるようです+α
http://boonsoldier.web.fc2.com/ituwariII.htm
(´・ω・`)は偽りの絆をつなぐようです
http://boonsoldier.web.fc2.com/ituwariIII.htm
逃亡しないことを祈ってる
あと作中に過去作に登場した人物の名前が出たりしますけど
特に描写がなければまったくの別人物だと思ってください(スターシステム)
シリーズに複数回登場したAAがかぶることはないです
2
:
名無しさん
:2018/08/23(木) 01:41:05 ID:qgB33Ij20
┏━─
四月二十五日 午前〇時三分 市営地下鉄
─━┛
( 、 'トソン 「……」
生まれて初めて、飲みというものを経験した。
お酒を飲んだことはおろか、アルコール検査すらしたことがない。
もとより男子と話すことはあまりなかった人生、
多少浮かれていたのは認めるが、やはり自分には似合わないと痛感した。
・
(゚、゚'トソン ’
地下鉄が揺れるたびに、吐き気がこみあげてくる。
執拗にキュウケイ、キュウケイとつぶやいてくる男子は、
腹の底からの憎悪を吐しゃ物と一緒にぶちまけることで撒くことができた。
(゚、゚'トソン 「……」
大学って、怖いところだ。
入学して一ヶ月、私は闇を見た。
.
3
:
名無しさん
:2018/08/23(木) 01:41:34 ID:qgB33Ij20
地下鉄、それも終電だ。
ひとがいなければソファーに座りたい、などと思っていたのが、
なんと街の地下は日をまたいでも人でいっぱいのようである。
派手な見てくれの人も多い。
きっと、夜の街を楽しんだ帰りなのだろう。
目を逸らすなトソン、自分も同類なんだ。
(゚、゚'トソン 「…」
スマホをいじれば、多少は吐き気が収まる。
明日は一限からだ。
トソン、人生初のサボタージュを実行に移そうと思う。
(゚、゚'トソン 「…」
服に煙草の臭いが染みついている。
待て、そういえばおかしい。
私は、度重なる浪人時代を経て成人しているものの。
飲みにきた男子は皆、十八のはずだ。
もう忘れよう。
次の駅で、見慣れた景色が目に飛び込んでくるのである。
.
4
:
名無しさん
:2018/08/23(木) 01:42:37 ID:qgB33Ij20
いや、まだ引っ越して一ヶ月だった。
男子はおろか、友人すら呼んだことがないアパート。
日頃は張り切って自炊をしているはずなのに、
今日の日に限って私は、料理を作り置きしていない。
明日朝起きたら、なるったけ健康にいいブレイクファーストを作るのだ。
そうしたら、ああ、昨日は疲れた。
しばらく酒は見たくもない。
そういえば、一緒に授業を受けている友人一向にサボリを告げなければ。
こんなにも疲れているというのに、続々と明日の予定が浮かんでくる。
(゚、 'トソン 「…」
かくん、かくんと首が座らない。
視界の端では、つり革を握っていた乗客がひとり、膝からくずおれた。
少しノイズが聞こえると、女性の、文字にならない悲鳴が響き渡った。
(゚、 'トソン 「…」
車両の、先頭のほうだ。
人ごみに溢れているため、詳細には見えない。
ただ、ある点を中心に不自然な空間がつくられていっているのはわかった。
人が、倒れたようだ。
.
5
:
名無しさん
:2018/08/23(木) 01:43:03 ID:qgB33Ij20
私もつられて、倒れそうになった。
腹の底にたまった憎悪を吐しゃ物と一緒にぶちまけたいのだ。
しかし、どうにも事情が違った。
酔っているはずの私の脳が、少しずつ冴えわたっていくのがわかる。
冴えわたっているのではない。
血の気が引いていっているのだ。
そのくずおれた乗客を中心に、赤い円が広がっていくのだ。
(゚、 'トソン
(゚、゚'トソン
吐しゃ物から逃れるかのように、
周囲の人はその円から逃れようとする。
ほどなくして、私の近くにいた泥酔していない乗客たちも皆、視線をそちらに向けた。
立ち上がったり、スマホを構えたり、周囲の初対面の人と話したりしている。
(゚、゚'トソン
(゚、゚トソン
香りは、しない。
ただ、見覚えのある色合いはしていた。
あれは血だ。
.
6
:
名無しさん
:2018/08/23(木) 01:43:33 ID:qgB33Ij20
(゚、゚トソン
事件だ。
そう思った直後に、扉は開かれた。
私の目的地に着いた。
しかし、当分帰れそうにはなかった。
冴えわたった脳裏を、ちらり。
懐かしい面影が、顔を出した。
.
7
:
名無しさん
:2018/08/23(木) 01:43:55 ID:qgB33Ij20
.
8
:
名無しさん
:2018/08/23(木) 01:44:15 ID:qgB33Ij20
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ̄
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9
:
名無しさん
:2018/08/23(木) 01:44:37 ID:qgB33Ij20
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
イツワリ警部の事件簿
 ̄
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10
:
名無しさん
:2018/08/23(木) 01:44:59 ID:qgB33Ij20
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
イツワリ警部の事件簿 File.4
 ̄
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.
11
:
名無しさん
:2018/08/23(木) 01:45:20 ID:qgB33Ij20
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
イツワリ警部の事件簿 File.4
 ̄
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
.
12
:
名無しさん
:2018/08/23(木) 01:45:41 ID:qgB33Ij20
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
イツワリ警部の事件簿 File.4
(´・ω・`)は偽りの香りを
 ̄
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.
13
:
名無しさん
:2018/08/23(木) 01:46:16 ID:qgB33Ij20
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
イツワリ警部の事件簿 File.4
(´・ω・`)は偽りの
 ̄
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.
14
:
名無しさん
:2018/08/23(木) 01:46:37 ID:qgB33Ij20
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
イツワリ警部の事件簿 File.4
(´・ω・`)は偽りの亡霊を捕まえるようです
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15
:
名無しさん
:2018/08/23(木) 01:47:33 ID:qgB33Ij20
|`ヽ /|
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| ヽ / ノ
! `ー‐- '、
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イツワリ警部の事件簿 File.4 `,_::::::::::::::::::::`ヽ, ノ,´αm
く l lへ、:::::::::::::::`'ー、r ||\
(´・ω・`)は偽りの亡霊を捕まえるようです ' '、-_l ヽ、::::::::::::::::::`>;;::;;:|
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→ttps://www.youtube.com/watch?v=nz6TD2i-9ko
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16
:
>>15訂正
:2018/08/23(木) 01:48:52 ID:qgB33Ij20
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→ttps://www.youtube.com/watch?v=nz6TD2i-9ko
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17
:
名無しさん
:2018/08/23(木) 01:49:19 ID:qgB33Ij20
◆
かつての喧騒はどこへやら、
旧都ヴィップは郊外同然の田舎模様へと姿を変えた。
データで見ても明らかなように、
ヴィップからソーサク、やがてファイナルへと人は栄華を求め居住地を移していった。
.
18
:
名無しさん
:2018/08/23(木) 01:49:39 ID:qgB33Ij20
(´・ω・`) 「殺人?」
女将 「××駅でよ」
(´・ω・`) 「やーーめてくれよ」
(´・ω・`) 「最近、やっと休み取れてきたのに」
当然、人が多いところには犯罪も集まる。
連日、痴漢や強盗、殺人が巻き起こる。
女将 「なんでい」
女将 「ボンちゃん、聞いてないのかい」
相対的に、田舎と化したヴィップの犯罪件数は減少の一途を辿っていった。
しかし、人のいるところに犯罪は起こる。
いくら罰則を強めても、やる者はやるのが世の常だった。
.
19
:
名無しさん
:2018/08/23(木) 01:50:21 ID:qgB33Ij20
(´・ω・`) 「ボンちゃん聞いてなーい!」
女将 「なんでい、ヴィップでコロシよ?」
(´・ω・`) 「だいたいのヤマは、所轄がすべて済ましちまうんだよ」
(´・ω・`) 「最近の僕らの仕事はね、情報提供くらいだね」
ただ、僕は正義を目指して刑事になったのではない。
まして、仕事が大好きなタチでもなかった。
女将 「あたしも、いい情報やろうか。 いま三十で、ホテル勤めなんさけどさ」
( ;´・ω・) 「いーから!」
女将 「サトミちゃんとはうまく行ったの?」
(´・ω・`) 「はん!」
酒と煙草、それと軽口をぶつける相手。
僕の大切なものベストスリーに、仕事が付け入る隙はない。
.
20
:
名無しさん
:2018/08/23(木) 01:50:49 ID:qgB33Ij20
(´・ω・`) 「仕事より酒を優先する僕だけどね」
(´・ω・`) 「女よりは仕事をとるのさ」
女将 「でも、次の子はいいよ」
女将 「マ、三十まで独身なんだから言うまでもないんだけど、この子も仕事がダイジで…」
( ;´・ω・) 「あい、勘定!」
殺人があった。
オフにそんな話を聞かされて、僕が興味を持つわけがない。
更なる話を聞かまいと財布を出すと、女将が止めた。
もっとも、事件の話を掘り下げるわけではないようだが、
なんにせよ、あまり聞きたくない話には違いない。
女将 「待ちな、財布しまいなよ。 堅物な人がタイプっていうからさ、」
女将 「ほら、ボンちゃんのこと警部ッたら、ちょっと揺らいだみたいで、」
(´・ω・`) 「堅物? 僕が?」
(´;ω;`) 「ぶひゃひゃ! そいつァ面白い!」
.
21
:
名無しさん
:2018/08/23(木) 01:51:26 ID:qgB33Ij20
(´・ω・`) 「勘定!」
女将 「写真だけ! 写真だけ見てごらんって!」
なんにせよ、なんにせよ。
僕の長財布と女将のフォトブックを閉じて、僕は店の戸を閉めた。
出た瞬間に、忘れかけていた冷たい風に頬を撫でられた。
高ぶっていた酔いが、一瞬で醒める。
(´・ω・`) 「僕を何歳だと思ってんだ…」
胸元に手を伸ばす。
夜風には煙草が相場なのだが、あいにく煙草は切らしたばかり。
代わりのキャンディーを口に放り、トレンチに手を突っ込んで帰路につく。
ここ数日の、僕のライフスタイルだった。
胸元には煙草、右ポケットには煙草代わりのキャンディー。
携帯するのは、ジッポと警察手帳。
まだ忙しかった数年前と比べて、いやに堕落した毎日を送っているなと自分を毒づく日々。
これでもまだ、僕は刑事を続けていた。
.
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