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( ^ω^)達はアインクラッドをいきるようです。

1 ◆dKWWLKB7io:2017/10/24(火) 21:34:03 ID:Y.9qViVM0

どーも作者です。

こちらでは初めまして。

創作版から引っ越して、新しく作らせてもらいました。
最終回までもう少しの間、お付き合いいただければ幸いです。


この話は
川原礫著
『ソードアート・オンライン』シリーズのアインクラッド編を基に書かせていただいています。
基本的に電撃文庫版の設定を順守しているつもりですが、
設定の拡大解釈やプログレッシブ・コミカライズでの設定、
まだ書かれていない設定に関しては想像で書いているので、
その旨ご容赦の上、お楽しみいただけますようお願い申し上げます。


お世話になっているまとめ様

ブーン芸VIP様
http://boonsoldier.web.fc2.com/


簡単な今までの話の流れ

・ゲームで死ぬとリアルでも死ぬVRの世界に囚われた。
・みんな精一杯生きてます。
・こっちの主人公はブーンなんです。


第二十四話

http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/13029/1464354084/854

2 ◆dKWWLKB7io:2017/10/24(火) 21:38:19 ID:Y.9qViVM0

年表と話の関係

2022年
11月「十八話 はじまりの日」
≪11月6日『ソードアートオンライン』サービス開始≫
「十九話 はじまりの日」
「二十話 はじまりの日」
2023年
01月
02月「五話 ここでも雨は冷たいから」
03月「十四話 双頭の鷹の旗の下で」
04月「九話 君への手紙」
05月「三話 それから」 
06月「四話 緑の手」
07月
08月
09月「十三話 ダイヤモンドだね」
10月
11月
12月「一話 ギルド「V.I.P.」へようこそ」
「二話 聖なる夜のキャロル」
2024年
01月「六話 数え歌がきこえる 前編 〜あんたがたどこさ〜」
   「七話 数え歌が聞こえる 後編 〜かごめかごめ〜」
02月「八話 それぞれのチカラ」
03月
04月「十話 迷走」
「十一話 疾走」
「十二話 錯走」
05月「十五話 表とウラと」
06月「十六話 思いと決意」
07月「十七話 君が嘘をついた」
08月「二十一話 旅路〜もう一つの戦い〜」
09月「二十二話 彼らはアインクラッドで生きているようです。」
10月「二十三話 crossing field 前編 - 命は美しい -」
   「二十四話 crossing field 後編 – way of life -」



.

3 ◆dKWWLKB7io:2017/10/24(火) 21:40:36 ID:Y.9qViVM0
登場人物(二十三話終了時点 一部三行紹介付)

ギルド VIP

( ^ω^)
・ログイン時使用機器の効果で素早く動けるが、限界後に頭痛で動けなくなる
・考えていないようでちゃんと考えている。
・いつもにこにこムードメーカー。
※主人公

('A`)
・SAOのβテスト経験者で、知識が豊富。
・相手の死角をつく戦い方を得意とする。
・最近春が来て本人も周囲も戸惑っている。
※もう一人の主人公

(´・ω・`)
・ログイン時使用機器の効果で五感が鋭敏。(特に目)
・記憶能力と思考による頭脳労働担当。
・投擲武器での戦いが主軸である為、実はそれほど強くない。

ξ゚⊿゚)ξ
・欧米系ハーフの美少女ヒロイン
・表情は読めるが空気は読めない。
・どつき系ツンデレもどき。

川 ゚ -゚)
・大和撫子系正統派和風お嬢様。
・日舞・茶道・華道・薙刀等が師範レベル。
・「一途」「裏方」「ストーカー(対ショボン)」
  _
( ゚∀゚)
・正統派熱血純粋修三系男子
・涙は心の汗とか本気で言ったことがある。
・眉毛が無かったりずれたりするのはお約束。

.

4 ◆dKWWLKB7io:2017/10/24(火) 21:41:55 ID:Y.9qViVM0

( ´_ゝ`)
・「おれはやればできるから」
・本当にできるけど滅多にやらない
・家族と仲間には紳士で真摯だが、それ以外には変態。

(´<_` )
・家族にも仲間にも他人にも誠実だが、時々ずれる。
・家族の中で一番まともだと思っている勘違いさん。
・結局は兄者達とバカなことをやっている時が一番楽しい。

ミ,,゚Д゚彡
・主君に仕える侍。
・自分では盲目的ではないと思っている。
・語尾の「だから」を個性だと思えるようになった。

( ´∀`)
・珍しいビーストテイマーであり、ビーグルと常に一緒に居る。
・自分の役目を冷静に判断し、ギルドを支えようとしている。
・語尾の「もな」はキャラ付け。

▼・ェ・▼
・「キャン」と「きゃん」の違い。
・性別は抱き上げた者だけが知る。
・実はかなりのレアモンスターで、攻撃技も防御技も回復技も持つ。

( ゚∋゚)
・過去の事件により喋れなく(音声を伝えることが出来なく)なる。
・「仲間」とは会話できるようになった。
・考えすぎが短所だと思い考えすぎてまた悩んでしまう。

( ・∀・)
・見た目チャラ男なイケメン実は人見知り。
・仲間と友達が出来たので次は彼女が欲しい。
・仲間内ではリアルの世界に戻りたい意識が一番薄いのを少し気にしている。


.

5 ◆dKWWLKB7io:2017/10/24(火) 21:43:41 ID:Y.9qViVM0
元ギルドVIPメンバー

(,,゚Д゚)
・信じる者を守る騎士、の、つもり。
・「守る」ことにより実力以上の力を出せるタイプ。
・硬派な見た目で雰囲気だが、しぃには自分から声をかけている事実。

(*゚ー゚)
・目立ちはしないが密かに可愛いとかスタイル良いとか言われるタイプ。
・ギコに守られるだけなんて真っ平ご免だと自立する女を目指す。
・「適材適所だよね」と思える強かさも手に入れた。


ギルドVIP協力者

( ^Д^)
・見た目はDQNだが、実は真面目。
・中層プレイヤーでは中位から上位の強者。
・あんまりプギャーしてない。

( ´ー`)
・穏やかに見えるが頭の中では罵倒している。
・自分の実力で軽く出来る事しかやろうとしない。
・二人と行動を共にし、人と深く知り合うことで変わりつつある。

|  ^o^ |
・見た目も言動も真面目さん。
・顔は覚えてもらえるのに名前を覚えてもらえないことが悩み。
・書いてる人も時々忘れる。

(=゚ω゚)
・ゲーム内での行動は「妹を守る」「フサギコさんは恩人」「命は尊い」に集約。
・妹溺愛
・若干中二病

*(‘‘)*
・兄のフォローと「自分のやれること」に精一杯頑張る。
・道具屋をやりつつカフェが出来たらなと考えている。
・ブーンの店から安価で卸してもらい、低層プレイヤーを応援。

.

6 ◆dKWWLKB7io:2017/10/24(火) 21:44:53 ID:Y.9qViVM0
ギルド N-S

(`・ω・´)
・リアルでの基本能力はショボンよりも少し上。
・だが自分の持ちえないものを持つショボンを支える道を選んでいる。
・大人になりたくないけどちゃんとした大人。

( ゚д゚ )
・面倒見の良いお兄さん。
・パワー系だけどじつは小手先技もうまい。
・「おれは年上に魅力を感じるだけで、熟女だけが好きなわけじゃない」

(´・_ゝ・`)
・美味しい珈琲を飲みたくてカフェ巡りが趣味という割とどうでもいい裏設定。
・剣技を使わずに曲刀での流れる様な連撃は全員が認める美しさ。
・「二次元ショタは至高。異論はしてもいいがおれはゆるがん!」

从 ゚∀从
・男装の麗人。純粋な美形。
・左側での戦闘を死ぬほど練習したのは、ドクオの左に立つため。
・一人部屋で「この恋は、この愛は、永遠」とか言っちゃって頬を染めて悶えてる。

<_プー゚)フ
・派手に両手剣を振り回すのが生きがい。
・振り回しつつ強くしてくれたシャキンとショボンは心の師匠。
・「くーぜんぜつごのー!!」とかは叫ばない。

(゚、゚トソン
・ギルドN-Sの良心となりつつある女性。
・周りが凄いので目立てないが、実は色々凄い大人の女性。
・眼鏡をかける事により保健室の先生感が増した女性。


.

7 ◆dKWWLKB7io:2017/10/24(火) 21:46:40 ID:Y.9qViVM0

ギルド ANGLER

( ФωФ)
(-_-)
(‘_L’)
(・∀ ・)

ギルド不明(おそらく無所属)

ζ(゚ー゚*ζ
/ ゚、。 /

ミセ*゚ー゚)リ

( <●><●>)
( ><)
(*‘ω‘ *)


SAO本編キャラクター

キリト
・SAOの主人公

アスナ
・SAOのメインヒロイン

アルゴ
・アインクラッドの情報屋




とりあえずここまで。

8名無しさん:2017/10/24(火) 22:11:16 ID:GgSnpoKg0
スレ立て乙
今日は投下はなしかな

9名無しさん:2017/10/24(火) 22:24:20 ID:m0f0STsE0
これどこで連載してたのかと思ってたら創作板だったのか
これからはリアルタイムで追えるな

10名無しさん:2017/10/24(火) 22:27:28 ID:qgecv6gQ0
移行おつ

11 ◆dKWWLKB7io:2017/10/24(火) 22:39:59 ID:Y.9qViVM0

35





ξ゚⊿゚)ξ「それがあんたの本当の武器なのね」

ζ(゚ー゚*ζ「あんまり可愛くないから嫌いなんですけどね」

デレが新たに実体化させたのは巨大な斧だった。

ζ(゚ー゚*ζ「棍と違って、パワーだけだし」

巨大な斧を軽々と片手で振り上げるデレ。

そして軽やかにツンの目の前に移動したかと思うと、
両手で斧を持って振り下ろした。

ξ゚⊿゚)ξ!

振り下ろされた斧が地面を抉る。

ζ(゚ー゚*ζ「避けちゃだめですよ」

ξ゚⊿゚)ξ「避けるに決まってるでしょ」

ζ(゚ー゚*ζ「ですよねー。でも」

微笑みながら巨大斧を片手で持ち上げる。

ζ(゚ー゚*ζ「よけ続けられるかな?」

ツンを狙って斧が振り下ろされる。

ξ゚⊿゚)ξ「大きさだけなら弟者のより大きいか」

後方に跳んで避けるツン。

ζ(゚ー゚*ζ

.

12 ◆dKWWLKB7io:2017/10/24(火) 22:41:30 ID:Y.9qViVM0

デレは笑みを消すことなく、
斧は大地を抉ることなく方向を変え、
空間を裂くようなうねりを生みながら横からツンを襲う。

ツンはそれをジャンプして躱しながら、
真下に斧の側面がきた瞬間にそれを踏みつけて前方に跳び、
デレの頭の上を回転しながら飛んだ。

ζ(゚ー゚*ζ「ちっ」

似合わない舌打ちをしながら斧を構えるデレ。

ふり返った時には既にツンは細剣を構えていた。

ζ(゚ー゚*ζ「やっぱりレイピア使いはちょこまかするのね。
短剣使いほどじゃないけど、うざいなぁ」

ξ゚⊿゚)ξ「両手斧を片手で振り回しても攻撃判定はでないわよ。
剣技ならともかく」

ζ(゚ー゚*ζ「攻撃判定は出なくてHPを削れなくても、」

デレの斧がツンを狙って右へ左へ横薙ぎに振り回される。

ζ(゚ー゚*ζ「『衝撃』は与えられるかなって思って」

しかしその全てを完璧に避けるツン。

ζ(゚ー゚*ζ「いるんだけど、
ホントにちょこまかと避けるなー」

だが縦横無尽に振り回される巨大斧は徐々にツンの集中力を摩耗し、
何度かギリギリで躱す場面も見られるようになる。

ξ゚⊿゚)ξ「ちっ」

口汚く舌打ちし、体勢を立て直すために後方に跳ぶツン。

ζ(゚ー゚*ζ

.

13 ◆dKWWLKB7io:2017/10/24(火) 22:43:42 ID:Y.9qViVM0

そしてそれを狙っていたかのように、
デレは斧を両手で持つ。

ζ(゚ー゚*ζ「死ね」

そして水色に輝いた斧を横に振った。

ξ゚⊿゚)ξ!

両手斧の生み出した衝撃波がデレを中心に扇状に広がる。

それを見たツンは、
自分が着地するタイミングと衝撃波が通り過ぎるタイミングが
ほぼ同時であることを推測した。

ξ゚⊿゚)ξ「(デレ、予想よりも強いわね……)」

そして慌てることなく細剣を二回くるくると回して白く輝かせた。

ξ゚⊿゚)ξ「本当は先に理由を知りたかったんだけどね」

着地した瞬間ツンを襲う衝撃波。

細剣と衝撃波がぶつかり、火花のような光が迸る。

ζ(゚ー゚*ζ!

そして光がおさまった先にはツンが立っていた。

ζ(゚ー゚*ζ「……なんで、無傷なのよ」

その姿を見て思わず口にするデレ。

ξ゚⊿゚)ξ「無傷じゃないわよ。
耐久値ギリギリ。
この剣それなりにレアもので結構気に入ってるんだから。
兄者に直してもらわなきゃ」

手首を振るツン。

.

14 ◆dKWWLKB7io:2017/10/24(火) 22:45:22 ID:Y.9qViVM0

すると今まで持っていた細剣が消え、
別の細剣が現れた。

ζ(゚ー゚*ζ「だって、
あの技は防御技無しで細剣で受け止める事なんて……。
余程大きなレベル差がなきゃ……。
レベル差!?レア!?」

ξ゚⊿゚)ξ「レアって言っても反則級じゃないわよ。
ちょっとドロップ率の低いアイテムは使っているけど、
一日頑張ればドロップできるし。
普通のレイピアより少しだけ硬くて、
更に10秒間だけ硬度を上げる武器特有スキルあがるだけ。
兄者の製作者補正で他の人が作るよりは多少良い数値化もだけど、
誤差範囲だろうし」

ζ(゚ー゚*ζ「そんなことで……」

ξ゚⊿゚)ξ「あとはこの服や防具は伊達じゃないってことと、
あの技は何度も弟者相手に練習してるって事かしらね」

ζ(゚ー゚*ζ!

ξ゚⊿゚)ξ「さて、どうする?
諦めてくれるならうれしいけど」

そう言いながら細剣を構えるツン。

新たに出した細剣は先程まで使っていた細剣よりもさらに武骨であり、
その形は細長い円錐状の槍の先端部に柄を付けたように見えた。

ζ(゚ー゚*ζ「諦めるわけないでしょ」

ξ゚⊿゚)ξ「でしょうね」

笑いながら闘気を漲らせて再び巨大斧を構えるデレ。

それに対するツンは静かに細剣を構えている。

.

15 ◆dKWWLKB7io:2017/10/24(火) 22:48:57 ID:Y.9qViVM0

ζ(゚ー゚*ζ「次は外さない」

ξ゚⊿゚)ξ「いいわよ。来なさい」

ζ(゚ー゚#ζ!

ツンの言葉に一瞬怒りを露わにするが、
すぐに笑顔に戻るデレ。

ζ(゚ー゚*ζ「本当……嫌な女」

二人は数メートルの距離を間において構え合っていた。

ξ゚⊿゚)ξ「そう?」

ζ(゚ー゚*ζ「ええ。本当に」

そして次の瞬間デレが跳躍する。

ξ゚⊿゚)ξ!

ζ(゚ー゚*ζ「嫌な女!」

助走も構えもせずに、
足首の動きだけで距離を詰めたデレ。
斧は赤く光り輝いており、
一連の動きが剣技であることが分かる。

そしてツンはその場から動けなかった。

ζ(゚ー゚*ζ「はっ!」

斧がツンの斜め左上から襲い掛かる。

ζ(゚ー゚*ζ!

誰かが見ていれば、ツンは死んだと思っただろう。

いや、ツンの事を知らない誰かが見ていたとしたら、
ツンは死んだと思っただろう。

.

16 ◆dKWWLKB7io:2017/10/24(火) 22:51:32 ID:Y.9qViVM0

ξ゚⊿゚)ξ「で?」

しかし彼女は、無傷でそこに立っていた。

ξ゚⊿゚)ξ「この程度?」

更に言うのならば、その場から動いていなかった。

ζ(゚ー゚*ζ「う、うそ……」

二人の武器が接する点から火花が散る。

ζ(゚ー゚*ζ「な、なんで……」

剣技を発動した巨大両手斧の攻撃を、
片手で持たれた細剣が微動だにせず受け止めている。

ζ(゚ー゚*ζ「どうして……」

ξ゚⊿゚)ξ「……まずは現実を見なさい」

ζ(゚ー゚*ζ「!ちっ」

剣技発動の残っている時間を使って後ろに跳ぶデレ。

そして地に膝をついた状態で発動後の硬直を起こして動けずにいるが、
ツンはじっとその様を見つめるだけで追撃をしようとはしない。

ζ(゚ー゚*ζ「……何故、追撃しないの」

ξ゚⊿゚)ξ「……一瞬で終わりたいの?」

ζ(゚ー゚#ζ!

両手斧を握りしめて立ち上がるデレ。

ζ(゚ー゚#ζ「私を、憐れむな」

ξ゚⊿゚)ξ「別に憐れんでなんかないわよ」

ζ(゚ー゚#ζ「その目が憐れんでるっていうのよ!」

.

17 ◆dKWWLKB7io:2017/10/24(火) 22:54:31 ID:Y.9qViVM0

両手斧でツンに襲い掛かるデレ。

しかし彼女の持った細剣に簡単に弾かれる。

ζ(゚ー゚#ζ「くっ!」

弾かれた両手斧を即座に持ち直し、
再び振り下ろすデレ。

しかしそれも即座に弾かれる。

ζ(゚ー゚#ζ「なんで!なんで!」

両手で持った巨大両手斧を何度も振り下ろすデレ。

しかしツンはその全てを細剣で軽く弾く。

避けるのでも、躱すのでもなく、
巨大両手斧の攻撃を軽く弾く。

ζ(゚ー゚;ζ「なんで!なんで!なんで!」

ツンは全ての攻撃を細剣で弾き、
その場を動いてもいない。

ζ(゚ー゚;ζ「どうしてよ!」

水色に輝いた両手斧が、
ツンの真上からまっすぐに振り下ろされる。

ξ゚⊿゚)ξ「……」

ツンは横にした細剣を頭上に掲げそれを受け止めた。

ζ(゚ー゚;ζ「なんで!なんでなの!?」

ξ゚⊿゚)ξ「レベルは私の方が上でしょうね。
けれど、普通の細剣使いならこんな戦い方はしないわよ」

ζ(゚ー゚;ζ「え?」

.

18 ◆dKWWLKB7io:2017/10/24(火) 22:56:58 ID:Y.9qViVM0

ツンが軽く細剣を振ると、
デレが押し負けて後方に跳ぶ。

ξ゚⊿゚)ξ「私は、隣に立つために、
そして、殺さない為の構成をしたから」

ζ(゚ー゚;ζ「……なによ、それ」

膝をつき、技後硬直を起こしているデレ。

ξ゚⊿゚)ξ「……私は皆を率いることもできないし、
ここにいる責任を背負う覚悟なんて持てなかった」

ζ(゚ー゚;ζ「はあ?」

ξ゚⊿゚)ξ「自分の持つ知識を最大限に生かすために一人でも戦えるようになるなんて、
考えもしなかった。
自分の得意とする武器を持ち、
仲間を支えるために何を得れば一番いいかを考える事も出来なかった」

ζ(゚ー゚*ζ「なに言ってるのよ」

ξ゚⊿゚)ξ「自分が出来る事、得意なことを考えて、
苦しんで、痛みに耐えながら、
誰にもできないことを出来るようになろうだなんて、
想像もしなかった」

ζ(゚ー゚*ζ「だから何を」

ξ゚⊿゚)ξ「その時私は泣いているだけだった!」

ζ(゚ー゚*ζ!

ξ゚⊿゚)ξ「みんなが前を向いて歩み始めても、
私は自分の過ちを悔い、懺悔をし、
悲劇のヒロインの様に泣くことしかしていなかった」

ζ(゚ー゚*ζ「……」

.

19 ◆dKWWLKB7io:2017/10/24(火) 22:58:07 ID:Y.9qViVM0

ξ゚⊿゚)ξ「気付いた時には、
私がそこに居なくてもパーティーはまわるようになっていた。
そこにいるのは『私』じゃなくても良かった。
苦しかった。
悲しかった。
自分の愚かさに嫌気がさした。
だから、せめて、隣に立てるようなスキル構成を考えた。
もう、誰も殺さないで済む戦い方を考えた!」

ζ(゚ー゚*ζ「……何をしたのよ」

ξ゚⊿゚)ξ「スピード特化の隣に立てて、
且つ足りないパワーを補える」

ζ(゚ー゚;ζ「そ、そんなの無理でしょ!」

ξ゚⊿゚)ξ「出来たのよ。
散々皆に怒られたけどね。
武器屋と、防具屋と、道具屋。
薬によるドーピング。
そして最後に細工師の力を借りてね。
あと、おそらくは隠しパラメーター」

ζ(゚ー゚*ζ「なにそれ……」

ξ゚⊿゚)ξ「この世界は、
とても現実世界に沿っているのよ。
それでいて、もちろんゲームとしてのパラメーターが大きく作用する。
例えば同じ人が1キロの物を持って走るのと、
10キロの物を持って走るのでは、
移動速度は違うわよね。
そして、1キロの物しか持てない人が1キロの物を持った時と、
10キロの物を持てる人が1キロの物を持って走るとき、
その移動速度は違ってくる。
もちろんどのパラメーターにどれだけポイントを振っているかにもよるけど、
重いものを持てる人が軽い装備の時、
ある程度速度にも数値を振っていればそこそこ素早く動くことが出来るのよ」

ζ(゚ー゚*ζ「な、なにそれ!」

.

20 ◆dKWWLKB7io:2017/10/24(火) 22:59:30 ID:Y.9qViVM0

ξ゚⊿゚)ξ「もちろん最初から分かっていたことじゃなく、
私がこのパラメーターを設定し、
実際に装備した結果からの考察だから間違っているかもだけどね。
けれど、私は今おそらくこの世界で瞬間最速を出すことが出来る彼を、
短い時間ならその背中を見失わないで追うことが出来る。
彼の持ちえないパワーを手にすることが出来ている。
だからきっと、この考察は間違ってない」

ζ(゚ー゚*ζ「なんで!あんたばっかりそんな!」

両手斧を強く握りしめて立ち上がるデレ。

ζ(゚ー゚*ζ「あんたばっかり!」

ξ゚⊿゚)ξ「何をそんなに私を憎むのか私には分からないけど、
そんなに憎いのなら渾身の一撃で私を殺しにきなさい」

ζ(゚ー゚#ζ「はあ!?」

ξ゚⊿゚)ξ「もちろん私はそれを打ち砕くけどね」

ζ(゚ー゚#ζ「……やってやるわよ」

デレが両手斧を剣の様に上段に構える。

ζ(゚ー゚#ζ「死ね!
『グレートインパクト』!!」

飛び上がり、ツンに向かってオレンジ色に輝く両手斧を振り下ろすデレ。

ツンは一歩踏み出し、
細剣の先を斧に合わせて差し出す。

二つの武器が重なった瞬間、
重なった個所から光が迸る。

ζ(゚ー゚*ζ「……え?」

ξ゚⊿゚)ξ「これで、終わり」

.

21 ◆dKWWLKB7io:2017/10/24(火) 23:01:17 ID:Y.9qViVM0

ツンの目の前には、両手斧の柄だけを持って着地しているデレ。

柄を折られた斧は回転しながらデレの後方に飛び、
大地に刺さるとポリゴンに変わった。

ζ(゚ー゚*ζ「なん……で」

呆然と見つめる視線の先で、
手元に残った柄もポリゴンに変わる。

ζ(゚ー゚*ζ「なに……よ、これ……」

ξ゚⊿゚)ξ「私はもう、誰も殺したくない。
でも、みんなの横に立つのなら、
戦わないという選択肢はない。
だから私は、この戦い方を選んだの」

ζ(゚ー゚*ζ「戦い……方?」

ゆっくりと上を向き、ツンの顔を見る。

ξ゚⊿゚)ξ「相手の武器を破壊すれば、
もう攻撃されない。
攻撃されないのならば、私も攻撃しない」

デレの身体が揺れ、両膝を地に付けた。

ξ゚⊿゚)ξ「まだ他に武器が有るなら手にしても良いわ。
さっきの棍でも良い。
でも、全部私が破壊するからそのつもりでかかってきなさい」

細剣を構えるツン。

しかしデレは動こうとせず、
じっとツンの顔を見ている。

ξ゚⊿゚)ξ「……どうして、そこまで私を狙うの?」

その瞳にうっすらと涙が浮かんだのを見て、
ツンが困った顔で、けれど構えは解かずに、問いかけた。

.

22 ◆dKWWLKB7io:2017/10/24(火) 23:02:53 ID:Y.9qViVM0

ζ(゚ー゚*ζ「…… …… ……」

小さく動く口。
おそらくは声に出していると思われるが、
小さすぎてツンに届いていない。

ξ゚⊿゚)ξ「ごめん、聞こえない」

ζ(゚ー゚*ζ「…… …… ……」

ξ゚⊿゚)ξ「……ん?何?」

ζ(゚ー゚*ζ「…… …… ……」

ξ゚⊿゚)ξ「いやだから聞こえないって」

ζ(゚ー゚*ζ「…… …… ……」

ξ゚⊿゚)ξ「ごめん、もうちょっと大きくして」

ζ(゚ー゚*ζ「…… …… ……」

ξ゚⊿゚)ξ「いや、だから」

ζ(゚ー゚#ζ「何であんたばっかりって言ってるの!
何で何度も言わせるのよ!」

ξ゚⊿゚)ξ「聞こえなかったんだから仕方ないでしょ!」

ζ(゚ー゚#ζ「それくらいさっしなさいって言ってるの!」

ξ゚⊿゚)ξ「分かるわけないでしょ!」

ζ(;ー゚#ζ「なんで分からないのよ!」

ξ゚⊿゚)ξ「……デレ」

ζ(;ー;#ζ「なんで!なんで!あんたは!
なんで!なん、で、……わた、し、は!」

.


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