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('∀`)自殺学校のようです

1 ◆Xf2jDrJO/U:2017/08/26(土) 23:27:36 ID:M1ZMnW7Y0



学校の朝は校長先生の飛び降り自殺から始まる。





校舎の屋上から20メートル下のコンクリートへ華麗にダイブ!
水袋を手のひらで叩いたような大きな音が学校中に響き渡る。
毎日毎日赴任される校長先生はこうして日々お勤めを果たされていくのだ。



ちなみに死んだ校長先生の後処理を行うのはその日の掃除当番だ。
俺も何度が当番をしたが、大人ひとりを片付けるのはとても骨が折れる。
血と脳漿となんか黄色いやつでベトベトになった校長先生の顔を見て、ああ、俺はいったいどんな死に顔をするのだろうと、ついついいつも妄想してしまうのだ。

17 ◆Xf2jDrJO/U:2017/08/26(土) 23:39:23 ID:M1ZMnW7Y0
夜10時 消灯





('∀`)「そんじゃ、おやすみなさーい」


寮は個室。部屋もそこそこの広さで、ベッド、クローゼット、勉強机、一人用冷蔵庫、エアコンと揃っているぜ!
これであとはテレビもあれば完璧だったんだけどなー。



で、夜10時には完全消灯だ。
自動で明かりが消え、すべての部屋に備え付けられているスピーカーからは、まるで優しい子守唄のような音楽が微かに流れ始める。
この音がとても心地よくて、あっという間に眠りに落ちてしまうんだよなあ。



そうこう言っている間に意識が遠のいてきた。
明日も、いい自殺のために、がんばるぞー…………。

18 ◆Xf2jDrJO/U:2017/08/26(土) 23:40:05 ID:M1ZMnW7Y0
.




そして、時は流れて卒業の日。





.

19 ◆Xf2jDrJO/U:2017/08/26(土) 23:40:47 ID:M1ZMnW7Y0
('∀`)「さあ、いよいよこの日がやってきた!
    この学校に入学して1年。ついに卒業の日だ!
    学校から、そして人生からも、今日俺は卒業するぞ!」


今日は卒業式。
そして、これまでに学んできたノウハウを生かし、自分の理想の自殺をする日でもある。



今日は俺の命日だ。





「卒業証書、授与!」


今年の卒業者、24人が体育館に集まっている。
証書を渡す人物は学校の先生ではない。国から派遣された職員の人だ。
普通は校長先生がするのかもしれないが、今日も朝に飛び降りちゃったしね。



クラスの代表として証書を受けとるのはもちろん、委員長のアサピーだ。

20 ◆Xf2jDrJO/U:2017/08/26(土) 23:41:49 ID:M1ZMnW7Y0
壇上には証書を渡す職員、アサピー、そしてもう一人。


( ゚∋゚)


見るからに強そうな大柄の男の人が、微動だにせずに式を見守っている。
たぶんあの人も国から派遣されたんだろう。


(-@∀@)


さあ、ここからがアサピーの見せ場だ。
アサピーは俺たちの方を向き、壇上の手前側に置かれた畳に正座する。


( ゚∋゚)


すると、今までピクリともしなかった大きい人がアサピーに歩み寄り、懐から何かを出した。
白鞘に入れられた短刀だった。

それをアサピーに手渡す。アサピーは鞘を抜き取った。
キラリ、と刀身が鈍く光ったように見えた。

21 ◆Xf2jDrJO/U:2017/08/26(土) 23:42:23 ID:M1ZMnW7Y0
アサピーは一度大きく息を吐くと、大きな声で最後の挨拶をした。


(-@∀@)「皆さん! ご卒業おめでとうございます!
      これから皆さんは一世一代の自殺を行おうとしています。
      私は委員長として最後の務めを果たすことで、皆さんの門出を祝福したいと思います!」


それではよろしくお願いします、とアサピーは短刀を渡してくれた人に話しかける。
大きい人は何も言わずに頷くと、近くに立て掛けてあった日本刀の鞘を抜き、抜き身の刀を上段に構えた。


(-@∀@)「いざ!」


アサピーは気合いの言葉を放つと服を捲って腹を出し、両手で持った短刀をそこへ深く突き刺した。


(;@∀@)「うげっ」


小さく呻く。
刺したところからみるみるうちに赤い液体が流れ出る。
アサピーの顔は苦悶にまみれている。

22 ◆Xf2jDrJO/U:2017/08/26(土) 23:43:02 ID:M1ZMnW7Y0
('∀`)「アサピー! お前ならいけるぜ! 一気にいけ!」


だから俺は思わず声を上げていた。
大丈夫だ。アサピーなら、必ずやり遂げる!


(;@∀@) ニカッ


俺の声で覚悟が決まったようだ。
アサピーは薄ら笑いを浮かべると、短刀を一文字に薙ぎ切った。


(;@Д@) ゴポッ


口から塊のような血が吐く。
大きく裂かれた腹からは、腸やら何やらがまるでゼリーのようにぷるんぷるんと外に出てくる。


( ゚∋゚)「!」


それを見た大きい人は、上段の構えから一閃。
見事な腕前でアサピーの首を斬り落とした。


( ^ω^)「やったおアサピー!」

('∀`)「やっぱりお前が俺たちの委員長だぜ!」


俺たちはそんなアサピーの勇姿を、やんややんやと褒め称えた。


(-@Д@)


転がったアサピーの首は、そんな俺たちの歓声を受けて、少し恥ずかしそうにしているように見えた。

23 ◆Xf2jDrJO/U:2017/08/26(土) 23:43:46 ID:M1ZMnW7Y0
卒業式は無事に終了。
あとは各々が希望する“自殺地点”へと向かうだけだ。


('∀`)「いやーしかしアサピーはよくやったよな!」

( ^ω^)「おっおっ。感動したお」

('∀`)「ところで知ってる? なんでウチの卒業式があんなスタイルになったのか」

( ^ω^)「知らないお」

('∀`)「鬼才・後藤寿庵先生の快作である“卒業斬首式”にインスパイアされたかららしいぜ」

( ^ω^)「エロ漫画家じゃねーかなにやってんだ国立学校」


と、その時。
学内放送のスイッチが入り、そこからいつものあの声が聞こえてきた。



「みんな〜! 卒業おめでとうモナ〜!」



('∀`)「これは、モナー先生の声!」

( ^ω^)「あっ! ドクオ、あそこ見るお!」


ブーンが指差した方向。それは校舎の屋上。いつも校長先生が飛び降りをする場所に、全身紫色のスーツを着た人影が見えた。
ここからだとかなり遠いが、それでもスーツのお陰で一発でわかる。モナー先生に違いなかった。

24 ◆Xf2jDrJO/U:2017/08/26(土) 23:44:47 ID:M1ZMnW7Y0
「先生からも、みんなの自殺が上手くいくように、微力ながら後押ししてみるモナ!」


そう言うとモナー先生はなにやらポリタンクのようなものを持ち上げ、その中身を全身に浴びせていた。


「それじゃあいくモナ! さん、にー、いち、ファイヤ!!」


掛け声と共に巻き起こったのは大爆発だった。
校舎の屋上が、まるでハリウッド映画のクライマックスシーンのような爆炎で包まれる。

おそらく、モナー先生が振り掛けていたのはガソリンだ。
そこに火をつけて、盛大な花火を打ち上げたのだ。


(;∀;)「モナー先生ぇー! ありがとうございましたー!」


生徒の巣立ちを温かく見守ってくれたモナー先生。
先生の生徒で俺、本当に良かったです!

25 ◆Xf2jDrJO/U:2017/08/26(土) 23:45:34 ID:M1ZMnW7Y0
モナー先生にも見送ってもらった。
いよいよ学校から出るときが来たのだ。


('∀`)「ブーン、これでお別れだな」

( ^ω^)「そうだおね」


俺は最後に、一番の親友に別れを告げる。


('∀`)「ところでブーンはどんな自殺をするんだ?」

( ^ω^)「僕は、やっぱりオーソドックスに飛び降りだお。
      ───ただし究極の、だお」

('∀`)「究極?」

( ^ω^)「日本で一番高い人工物───東京ス○イツリー最高点からのジャンプだお」

(;'∀`)「えっ!? マジ!? 許可下りたの!?」

( ^ω^)「いや、流石に無理だったお。しょうがないから、あべのハル○スで妥協したお」

('∀`)「そっちもやべーけどな。なんで許可出したのハル○スさんは」

26 ◆Xf2jDrJO/U:2017/08/26(土) 23:46:12 ID:M1ZMnW7Y0
( ^ω^)「まあこれでドクオとも一度別れるけど……。
      でも、きっとまたすぐ会えるお!」

('∀`)「ブーン……。そうか、そうだよな!」


そして俺たちは笑って別れた。
寂しがる必要はない。
ブーンの言うとおり、俺たちはまたすぐ会えるのだから。







「次は、空の上で会おう!」






,

27 ◆Xf2jDrJO/U:2017/08/26(土) 23:46:46 ID:M1ZMnW7Y0



さあ、いよいよ待ちに待った自殺の時だ。
自殺学校卒業生は、自分の好きな自殺方法を自由に選ぶことができる。
それこそ、普通は個人で出来そうもないような盛大な自殺を行うこともできる。


('∀`)「それじゃ、お願いしまーす!」

(,,゚Д゚)「……」


その際、希望する人には協力者をつけてもらうことができる。
俺の場合はこのお兄さんだ。この人もきっと国に勤めてる人なんだろう。


('∀`)「俺、ドクオっていいます! お兄さんはなんて名前ですか?」

(,,゚Д゚)「…………」

('∀`)「………………」

(,,゚Д゚)「……………………」

(;'∀`)「…………………………えーと、」

(,,゚Д゚)「……悪いな。名前は明かせない決まりなんだ」

('∀`)「あ、そうなんですね、サーセン」


お兄さんは、無口でちょっと怖そうな第一印象だ。
でも声はわりと柔らかい感じだ。根はいい人なのかも!

28 ◆Xf2jDrJO/U:2017/08/26(土) 23:47:20 ID:M1ZMnW7Y0
('∀`)「で、やってきました太平洋!」


そんなこんなで俺は今、海の上にいる。
太平洋と言ったけど、正確には“日本海溝”にいる。東北地方の東側らへんだ。

ブーンは高いところへ向かったが、俺はその逆。海の底へと向かおうって魂胆だ。
本当は世界一の深さのマリアナ海溝に行きたかったが、流石に予算がかかりすぎということでこの場所になった。
でもここでも充分に深いから全然オッケーだね!


('∀`)「いやあ、もうすぐ自殺できるのか……。ワクワクするなあ」


今は諸々の準備をお兄さんにしてもらってる。
至れり尽くせりだなあ。


(,,゚Д゚)「……準備できたぞ」

('∀`)「あ、もう出来たんですか? あざーす!」

29 ◆Xf2jDrJO/U:2017/08/26(土) 23:47:55 ID:M1ZMnW7Y0
改めて目の前の装置を見る。
装置といっても、そんなに大がかりなものじゃない。
漁で網を巻き上げるときに使うようなアームと、太いワイヤーロープ、そしてそれに繋がっているのは───棺桶だ。

棺桶は特注品だ。
少し大きめに作られており、金属製で中は密封できる。
俺はこの棺桶に入り、そして日本海溝の底へと沈められるのだ。


('∀`)「もしかしたら数百年後に誰かが俺を引き揚げてくれるかも、とか考えるとロマンだよなあ」


「理想の自殺は?」と聞かれた時から練りに練ったプランだ。
母なる海に抱かれて死ぬ。これ以上の死に方は無いよね!


('∀`)「…………?」


なんだろう。今、一瞬だけ頭痛がしたような気がする。
船酔いでもしたのかな?


(,,゚Д゚)「……もう、やるのか?」

('∀`)「あ、はい! そんじゃいきまーす!」


まあいいか。
そんなことより、ここから先は一秒一秒を楽しむつもりでいくぜ!

30 ◆Xf2jDrJO/U:2017/08/26(土) 23:48:30 ID:M1ZMnW7Y0
('∀`)「よっ、と」


棺桶に乗り込む。
ああ、めっちゃドキドキしてきた。
本当に待ち望んでいた瞬間だな。



俺はお兄さんに感謝の言葉を述べる。


('∀`)「お兄さん! わざわざ俺の自殺を手伝ってくれて、ありがとうございました!」

(,,゚Д゚)「…………。いや、……」

('∀`)「それじゃ、棺桶のロック頼みます!」


棺桶は外側からしか鍵をかけられない。
俺は寝そべって棺桶が閉じられるのを待つ。


(,,゚Д゚)「……………………なあ、お前」


すると、お兄さんの方から声がかかった。


('∀`)「はい? あ、なにかトラブルがありました?」

(,,゚Д゚)「いや、そうじゃない……。その、……お前、いまいくつだ?」

('∀`)「? 17ですけど?」

(,,-Д-)「…………そうか……」

('∀`)「?」

(,,゚Д゚)「……済まない、変なことを聞いた。それじゃ、閉めるぞ」

('∀`)「あ、はーい」


はて。
お兄さんの意図がいまいち掴めなかった。
少し気になったけど、棺桶は閉じられたので、もうお兄さんに話しかけることは出来なくなった。

31 ◆Xf2jDrJO/U:2017/08/26(土) 23:49:04 ID:M1ZMnW7Y0
ついに俺は棺桶に閉じ込められた。



内部は僅かばかりの照明がつけられている。
俺は備え付けの小型ボンベのパルプを回した。
ボンベから「プシュー」と音が鳴ってガスが出てくる。
これは酸素だ。密閉するから、こうしないとすぐに酸欠状態になってしまう。



せっかくの自殺だ。出来る限り長く楽しみたいと思うのは当然だろう。



「コンコンコン」と、外から三回ノックされる。潜水開始の合図だ。俺からも三回ノックを返す。
それから少しの間があって、棺桶がガタンと大きく揺れ出した。


('∀`)「おお……。これ入ってる? もう入ってるよな?」


内側からはよく分からないが、おそらくいま棺桶はどんどん潜っていっている。
まだワイヤーに繋がっているだろうが、そのうち切り離されて、完全に独立してしまうだろう。


('∀`)「とうとう始まった……! 俺は今、自殺をしている最中なんだ!」


全身から喜びが溢れ出しそうだ。
ちょいと小躍りでもしたくなるが、流石に棺桶の中だとあまり身動きできない。

32 ◆Xf2jDrJO/U:2017/08/26(土) 23:49:38 ID:M1ZMnW7Y0
.




どれくらいの時間が経っただろうか。
既にボンベの中は空っぽ。残り僅かの酸素を吸いきってしまえば、俺は“窒息死”することになるだろう。


(;'∀`)「ふう……、息苦しくなってきたかな? ここからが真のスタートって感じだなー」

(;'∀`)「……今ごろ、ブーンはどうしてるかなあ。もう飛び降りたかな?」

(;'∀`)「他のクラスのみんなも、次々と死んでいってるんだろうなあ」

(;'∀`)「待ってろよみんな。俺もそろそろいくぜ……!」

(;'∀`)「外はどうなってんだろ? たぶんまだ海の底には着いてないよな」

(;'∀`)「日本海溝は8000メートルあるらしいからなー。深海魚たちが俺の棺桶を見て驚くかもな」

(;'∀`)「ギョッ! てね」

(;'∀`)「ふふふ」

(;'∀`)「…………」

(;'∀`)「……はー」

33 ◆Xf2jDrJO/U:2017/08/26(土) 23:50:13 ID:M1ZMnW7Y0
(;'∀`)「あー駄目だ。頭がガンガンしてきた。本格的にヤバくなってきたな」

(;'∀`)「あと数分も持ちそうにないかなあ」

(;'∀`)「死ぬ……もう死ぬんだな」

(;'∀`)「えーと、死ぬ直前って何したらいいかな?」

(;'∀`)「そうだ遺書だ。いやまあ紙もペンもないから書けないけど」

(;'∀`)「まあ声に出してみよう。えーと書き出しは……そうそう」





(;'∀`)「“お母さん”、先立つ不幸をお許しください、っと」





(;'∀`)





(;'∀`)





(;'∀`)「あれ……?」





(;'∀`)「“お母さん”……?」

34 ◆Xf2jDrJO/U:2017/08/26(土) 23:50:47 ID:M1ZMnW7Y0
(;'∀`)「そういえば、俺の母ちゃんって、どんな人だっけ?」

(;'∀`)「あれれ……? 思い出せないとかってあるのか? ふつう、自分の親を?」

(;'∀`)「えーと待って待って。あーもー駄目だ、頭が痛すぎて考えが纏まんない」

(;'∀`)「えーと、えーと、なんだっけ」

(;'∀`)「そもそも俺ってなんで“自殺学校”に通うことになったんだっけ?」





(;'∀`)





(;'∀`)





(;'∀`)





(;'∀`)

35 ◆Xf2jDrJO/U:2017/08/26(土) 23:51:21 ID:M1ZMnW7Y0
.














('A`)「あ、れ……?」













.

36 ◆Xf2jDrJO/U:2017/08/26(土) 23:51:55 ID:M1ZMnW7Y0
('A`)





('A`)





('A`)





(;'A`)





(;゚A゚)





(;゚A゚)

37 ◆Xf2jDrJO/U:2017/08/26(土) 23:52:38 ID:M1ZMnW7Y0
.

















(;゚A゚)「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
   あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
   あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
   あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
   あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
   あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
   あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
   あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
   !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」












.

38 ◆Xf2jDrJO/U:2017/08/26(土) 23:53:11 ID:M1ZMnW7Y0
(;゚A゚)「なんで!? なんで!? なんで!? なんで!? なんで!? なんで!?」



(;゚A゚)「どうして!? どうして俺……! おれ、ぇええええええ!!?」



(;゚A゚)「イヤだ! 死ぬ! 死ぬ! 死ぬ! イヤだ! 死にたくない!死にたくない! 死にたくないよ!」



(;゚A゚)「イヤだあああああ! 出して! 出してくださいぃぃぃいいいい!!!」



(;A;)「誰かあああああ! 誰かたすけてえええええええええ!!!」



(;A;)「たす、ゴホッ!! たすけ、ゴホゴホッ!! 死にたく……………………ゴホォッ!!!」



(;A;)「イ、ヤ、だああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……………………」

39 ◆Xf2jDrJO/U:2017/08/26(土) 23:53:44 ID:M1ZMnW7Y0
.













「母ちゃぁああああああああああああああああああん!!!!!!
 助けてよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」










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40 ◆Xf2jDrJO/U:2017/08/26(土) 23:54:20 ID:M1ZMnW7Y0
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41 ◆Xf2jDrJO/U:2017/08/26(土) 23:54:59 ID:M1ZMnW7Y0
.




















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42 ◆Xf2jDrJO/U:2017/08/26(土) 23:56:48 ID:M1ZMnW7Y0
.














「ようこそ、いらっしゃいました。この“早期登天推進学校”へ」












.

43名無しさん:2017/08/26(土) 23:56:56 ID:hp9EtIRE0
うわあ…

44 ◆Xf2jDrJO/U:2017/08/26(土) 23:57:21 ID:M1ZMnW7Y0



部屋の中に大きめのテーブルがある。
テーブルの上にはパンフレットのようなものが複数枚並べられている。



テーブルを挟んで二名が座っていた。
片方は四十代くらいの女性。視線はテーブルの上に向けられている。
しかし、パンフレットを熟読している、といった風には見えない。



そして、もう一人は。




.

45 ◆Xf2jDrJO/U:2017/08/26(土) 23:57:55 ID:M1ZMnW7Y0
「既に事前の説明にてご理解いただけていると存じておりますが、今一度確認のためにお話しさせていただきますね」


「我が学校は、入学されたお子様を1年以内に100パーセント自殺させます」


「1年間、学校では様々な授業を行いますが、7〜8割の生徒はここで自殺します」


「中には事故に近い形になることがありますがね。まあ、とにかく命を落とします」


「そして最後まで残った生徒も、みんな自殺させます。
 このとき確実な自殺が遂行されるよう、生徒ひとりひとりに監視役が着きます」


「万が一生徒が逃亡しようとしても、この監視役が捕まえて速やかに自殺を補助します。
 ただし今までそのようなことが起こったことはありませんので、ご安心を」

46 ◆Xf2jDrJO/U:2017/08/26(土) 23:58:29 ID:M1ZMnW7Y0
「入学の手続きに関しまして、こちらは保護者様の同意があれば即入学できます」


「ただ、場合によってはお子様がこちらへの入学を拒否することもあるでしょう」


「そのようなケースでも我々は対応いたします。
 ご自宅にいらっしゃるお子様を、私ども職員が数名体制で“送迎”いたします」


「まずはお子様には専用の施設に入居していただき、そこで我々が“説得”を行います。
 自殺を前向きに、自主的にしようと考えていただけるような“説得”です」


「具体的な方法としては薬物投与が主になりますね。
 あ、もちろん健康に被害はありませんよ?
 あくまでも“説得”をスムーズに行うための薬物ですから」


「この施設で充分な“説得”をいたしますが、そのあと1年間学校生活を行っていく中で“心変わり”することもあるかもしれません」


「それを防ぐために、入学者は全員学校敷地内の寮で生活していただきます。
 食事もすべて我々の方で準備いたします。
 その食事を毎日摂取していれば、“心変わり”を起こすこともないでしょう」


「さらに念押しで、学校や寮内で特殊なBGMを流して感情を静め、
 寮での就寝時には各部屋に備え付けられている通風口から“アロマテラピー”が定期的に実施されます。
 これにより、みなさん穏やかな学校生活を送ることが出来るのですね」

47 ◆Xf2jDrJO/U:2017/08/26(土) 23:59:04 ID:M1ZMnW7Y0
「主な説明はこんなところです。
 それではこちらの方にサインをどうぞ。
 この手続きが終了すれば、晴れてお子様は我が学校の生徒になります」


「……おや、どうされました?」


「やはり、考え直したい? おやおや……」


「無論、最終的な決断はそちらがなさってください。私どもの方で強制する訳にはいきませんから」


「でもね、お母様……。
 その顔のアザ、お子様からつけられたものでしょう?
 ああいえ、お隠しになる必要はありませんよ。こちらに入学されるご家庭ではよくあることです」


「お子様が不登校で部屋に引きこもり、外に出てくるようにお願いしても、返ってくるのは拳ばかり。
 そのような生活を長年続けてきたのでしょう?
 もはやお母様も心身ともに限界が近いはずです」


「ご自身の教育方法を恥じることはありません。
 そんな事例が急増しているからこそ、国も動くことになったのですから。
 どうしようもなくなったお子様たちを私どもが預り、教育していく。
 お子様たちは死の間際、ご両親のことを思い浮かべながら息を引き取るでしょう。それが最後の親孝行となるのです」


「だから……ええ、安心して私どもにお任せください。
 大丈夫。貴方は決して悪くないのです」


「ああ泣かないでお母様。
 大丈夫です。ここまでお母様は充分な愛情を注がれましたよ。
 その涙こそが証です」







「……はい! これにて手続きは完了ですね!
 非常に心労のかかるご決断でお疲れになったことでしょう。
 その気持ちに答えるためにも、私ども誠心誠意を尽くしてお子様を導いていきます」

48 ◆Xf2jDrJO/U:2017/08/26(土) 23:59:38 ID:M1ZMnW7Y0
「それではこれにて終了でございます。
 あちらのドアからお帰りを───」


「───あ、あああっ! し、しまった!
 も、申し訳ございませんお母様!
 私そういえば自己紹介をしておりませんでした!」


「え、えーと……。
 すべての説明が終わったあとで大変恐縮なのですが……」





内ポケットから名刺を取り出し、女性へ両手で差し出す。
そして改めて自己紹介をした。

49 ◆Xf2jDrJO/U:2017/08/27(日) 00:00:14 ID:.X.SRKuw0
.


















( ´∀`)「私、“教頭”のモナーと申します。
      お子様のことはお任せください……モナ!」





全身紫色のスーツの男は、そういって菩薩のような笑みを浮かべた。



.

50 ◆Xf2jDrJO/U:2017/08/27(日) 00:00:47 ID:.X.SRKuw0
.











(;A;)自殺学校のようです


                   了




.

51名無しさん:2017/08/27(日) 00:01:42 ID:X7hF2o5c0


52名無しさん:2017/08/27(日) 00:06:26 ID:zFwedR9o0
よう間に合ったなぁ

53 ◆TflJu3mvXc:2017/08/27(日) 01:43:25 ID:lSE7wBJs0
【業務連絡】

主催より業務連絡です。
只今をもって、こちらの作品の投下を締め切ります。

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となるのでご注意ください。
(投票期間後に続きを投下するのは、問題ありません)

詳細は、こちら
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1500044449/257
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1500044449/295

54名無しさん:2017/08/27(日) 02:30:51 ID:8TPAWmHA0
あー、よかった・・・というか、怖かった。乙!

55名無しさん:2017/08/27(日) 09:30:15 ID:dWq8cZPc0


56名無しさん:2017/08/27(日) 11:29:44 ID:6PdMz6aI0
戸塚ヨットスクールかよ…

57名無しさん:2017/08/27(日) 13:22:57 ID:ao7ZG2YY0
おつ!
ただの自殺ヒャッハーじゃなくて
謎が解明されて合点がいく感じなかなか良い

58名無しさん:2017/08/27(日) 17:36:20 ID:A71I1Lu20
面白いけどやるせないな。
短い中でしっかり落とせて非常によかったと思う

59名無しさん:2017/08/27(日) 19:02:30 ID:habppz5.0


60名無しさん:2017/08/28(月) 23:05:31 ID:mnOBJHF20
おつおつ
面白かった

61名無しさん:2017/08/29(火) 00:48:56 ID:sOaMxvis0
おつ

62名無しさん:2017/08/29(火) 01:28:49 ID:rDZexp5g0
裏があるってわかってからのゾクゾクがすごいな
読み返したらまた違うふうに思えそう

63名無しさん:2017/08/29(火) 20:35:35 ID:c.61mnvU0
こうしてみると校長も何かあるんだろうな

64名無しさん:2017/08/29(火) 21:50:09 ID:P25jY4aw0

嫌な予感はしてたけど、やっぱりエグかったわ

65名無しさん:2018/11/26(月) 23:54:43 ID:1A1fqVR20

面白かった……

66名無しさん:2025/05/13(火) 12:05:30 ID:Za5/OFVo0
乙乙
ドクオのそのテンションに、読んでる間作者の精神状態が心配になったけど、最後に謎が解明されてホッとしたよ。
作中にルールがある話ってワクワクしちゃう


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