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四十代から始まるヒーローライフ

1 ◆vrA/t29aJo:2017/08/25(金) 21:33:57 ID:y9YySBcU0

紅白参加作品です

99名無しさん:2017/08/25(金) 23:33:43 ID:y9YySBcU0

≪ 〇〓●≫ 「うああああああ!!」

必死に飛びかかった俺は、盾に弾かれて数十メートルも吹き飛ばされた。
衝撃のせいか、それとも核が破壊されたせいか変身が解け、ただの年寄りの姿へと戻る。

「心配するな。核が破壊されたわけじゃない。
 欲望の核が破壊されて俺が無事なわけがないからな」

( メωФ) 「はっ……ぁ……」

頭上をうるさく飛び回るヘリコプターの音が、耳元で鳴っているかのように響く。
右腕は前にもまして重く、左の指先も感覚が無い。
じわりじわりと、自分自身から意識が切り離されているかのような感覚。

だが自分の欲望はまだ壊れていない。それならば、諦めるにはまだ早い。

( メωФ) 「まだ……戦える。……変身」

寝転がったまま変身をするなんてヒーローものではありえないだろう。
だけど、このスーツを着れば起き上がることができる。
腕も足も、まだ自由に動く。

≪ ●〓●≫ 「おおおおっ!」

100名無しさん:2017/08/25(金) 23:34:27 ID:y9YySBcU0

無防備な背中を向けている壊人を斬りつけた。
卑怯だのなんだのと罵られようが関係ない。
ただ勝つことができればそれだけでよかった。

≪ 〇〓●≫ 「馬鹿な……」

再生した剣は、いとも容易く折れた。
その厚い鎧を傷つけることすら敵わず、道路を傷つけるにとどまった。

「ギ…………」

こちらを振り向く眼球の奥底に、身の毛もよだつほどの荒々しい魂が垣間見えた。
その瞬間には目の前で高く掲げられた剣。

≪ ●〓●≫ 「まずいッ……!」

防ぐことができなかった不可視の斬撃が思い出されて総毛立つ。
スーツすらも容易に切り裂くほどの攻撃を至近距離で受ければ、
欲望の核が破壊される程度ではすむまい。
最悪死に至るかもしれない。

ならば何がいる。今の俺に足りないものは何だ。
そんなことは自問自答するまでも無い。
望めば手に入る。願えば叶う。それが欲望メダルを持つ者の力。

101名無しさん:2017/08/25(金) 23:35:49 ID:y9YySBcU0

オーガストの言葉が脳裏に蘇る。

静止した世界をゆっくりと切り裂く剣。
こちらの頭を真っ二つにしようと迫る脅威を、防ぐために必要な力。

≪ ●〓●≫ 「おおおおっ!!」

左腕が熱く燃える。
炎は瞬間的に拡がり、振り下ろされた斬撃と衝突して火花を散らせた。

ィ'ト─;-イ、
以`゚益゚以 「ギィ……?」

手の甲から腕までを覆うのは、荒々しい炎を象った強固な手甲。
望んで手に入れた守りの力は、必殺の刃を受け止めた。

≪ ●〓●≫ 「これで……同等だッ!」

受け止めた刃をいなし、首元を貫いた。
柔らかい手ごたえが攻撃の有効性を証明する。
鎧の隙間から、血液のように黒い液体が流れだしてきた。

ィ'ト─;-イ、
以`゚益゚以 「グガアア!!」

人間であれば声すら出せないはずの傷を受けながらも、
目の前の壊人は全身を震わせて叫ぶ。

102名無しさん:2017/08/25(金) 23:38:25 ID:y9YySBcU0

強固な左拳を振りかぶった瞬間に、身体が浮いた。

≪ ●〓●≫ 「なっ!?」

盾を地面に落とし、開いた手で剣を掴んでいた壊人。
膂力だけで持ち上げられていることに気付いた時、背中に奔る激しい衝撃と痛み。

≪ 〇〓●≫ 「がはっ……!」

ビルの壁を突き破って、通りを二つ横切った。
脇腹に違和感を覚え手を這わせると、指が身体を貫いている鉄筋に触れた。

≪ 〇〓●≫ 「くっそ……ぐっ……」

半ばで切り落として無理やり引き抜く。
変身が解ける寸前に傷口は塞がったが、痛みを忘れるわけではない。

嫌な汗が背中を濡らす。無理やりに踏み出した一歩に耐えられず、崩れ落ちた。
欲望のスーツではないせいで、アスファルトの道路がひんやりと冷たい。
両腕は全く動かず、脚は鉛のように重たい。

それでも意思が体を起こそうと引きずる。

(; メωФ) 「戻らなくては」

なんとか仰向けになると、胸の辺りから小さな光が現れた。
それは金色のコインを象った欲望の象徴。
オーガストと名乗るもう一人の俺。

103名無しさん:2017/08/25(金) 23:39:01 ID:y9YySBcU0

「勝ち目のないことはわかっただろう」

(; メωФ) 「いや、勝てる。攻撃は通じた。なら、後は核を破壊するだけだ。
         意思無き人形を破壊するのは、敵と相対するよりもよっぽど容易い」

「違う。気づかないのか」

(; メωФ) 「何をだ」

結婚式の時間までもう猶予はない。
無駄話に付き合っている暇などない筈なのに、
オーガストがわざわざ表に出てきた違和感に、気付かないふりは出来なかった。

「貴様、両腕が動かないんだろう」

(; メωФ) 「だったらなんだ。変身すれば自由に動く」

「俺としたことが……今の今まで全く気付かなかったとはな。
 貴様の欲望は”他人を護る”なんて高潔なものでは断じてない」

(#メωФ) 「違う! 俺は……俺の欲望は護ることだ。
         他人の為に願ったからこそ、欲望に取り込まれずにいるんだろう!」

104名無しさん:2017/08/25(金) 23:40:09 ID:y9YySBcU0

「いや……貴様は欲望の権化となり下がった。気づいていないのか?
 事実、勝てもしない相手に、誰ともわからない人間を護るために挑もうとしている」

違う。俺は俺のままだ。何も変わりはしない。
欲望に操られているわけではない。
娘の結婚式を無事に終わらせることが出来れば、それだけでいいんだ。

俺はどうなったって構いはしない。

「よく聞け。お前の本当の欲望は……」

( メωФ) 「やめろ!」

制止を聞かずに、オーガストはそれを口にした。







「自己犠牲だ」





.

105名無しさん:2017/08/25(金) 23:42:51 ID:y9YySBcU0

「それが貴様の欲望だ。
 貴様は戦えば戦うほど、傷つけば傷つくほど、貴様自身を失っていく。
 そうして最後には意志も自由も何もない抜け殻となる」


( メωФ) 「……変身!」


全身を保護する真っ赤なスーツで駆けだした。
事実から逃げるためではない。戦いの場に戻るために。

相変わらず一直線に歩く壊人。
目の前にあるすべての障害物を破壊して進む。
目的があるのかないのかはっきりはしないが、後を追うのが楽でいい。

≪ ●〓●≫ 「止まれ……」

三度立ち塞がった。
漆黒の騎士は黒煙を立ち昇らせて、こちらに剣を向ける。
前触れの無い攻撃を、余裕をもって躱す。

ィ'ト─;-イ、
以`゚益゚以 「ググ」

106名無しさん:2017/08/25(金) 23:43:51 ID:y9YySBcU0

変身時に望んだのは更なる強さ。
それによって強化された脚力は、さっきまでの倍以上。
これまでの俺よりも、今の俺の方がはるかに強い。
だったら負ける理なんてあるはずがない。

≪ ●〓●≫ 「おおっ!」

左右に二回身体を素早く振る。
フェイントに合わせて揺れる盾の隙間に、都度斬撃を放つ。
全てが鎧の表面を削った。
今まで傷一つ付けることができなかったそれに、消えることの無い傷跡が残る。

ィ'ト─;-イ、
以`゚益゚以 「ゴガァ!!」

闇雲に振り回される剣は、掠りもしない。
息つく暇もないほど振り回されていたはずの攻撃も、鈍間で遅く感じる。
身体強化の恩恵は、身体の自由を失うごとに強くなっているのだと確信した。

オーガストの言葉が頭の中で反芻する。

107名無しさん:2017/08/25(金) 23:44:42 ID:y9YySBcU0

自己犠牲の欲望。

あとどれだけ戦えるだろうか。
あとどれだけ生きることができるだろうか。

不安が剣筋に重苦しくまとわりつく。
それらを振り払うようにして、壊人の鎧を切り裂く。

ィ'ト─;-イ、
以`゚益゚以 「ギギイ!」

心臓を狙った突き。
苛立ちが鈍らせた判断。生まれた一瞬の隙を逃す手はない。
強固な胸板を貫くために、全身のばねを乗せて迫り来る剣先を向かえ撃つ。

≪ ●〓●≫ 「……っ!」

頬を掠った剣先。暖かいものが滴り落ちる。
一方で真っ赤に燃える剣は、鎧と脇の間を抜けていた。

壊人の胸当ての中、膝を抱えて目を瞑る子供。
不健康そうな青白い肌が病院の検査着の隙間からのぞく。

ィ'ト─;-イ、
以`゚益゚以 「ィ……!」

108名無しさん:2017/08/25(金) 23:46:34 ID:y9YySBcU0

初めて表情を見た気がした。
兜の口元が歪み、赤黒い肉が見え隠れする。
身の毛がよだつおぞましい笑み。

≪ ●〓●≫ 「しまっ……」

首元を狙う剣を左手で防ぎ、距離をとる。
こちらの動きに合わせる様に、まったく同じ歩幅で迫る壊人に焦って大きく飛び下がった。
結果生まれた隙は致命的だった。

中途半端な逃げの跳躍に対して、全力で飛んだ壊人の方が早く力強いのは自明の理。
盾による突貫攻撃を空中で受けきることは出来ない。
数台の車を犠牲にしてどうにか受け身をとる。

≪ 〇〓●≫ 「っぅ」

起き上がった時に見えたのは黒い鎧。
ただ危機感だけを信じて転がって避けた。目標を見失った剣はアスファルトを裂く。
目の前にいるのはもはやただ暴れる化け物ではない。
確固たる意志を持って俺を敵だと認識した壊人。

109名無しさん:2017/08/25(金) 23:47:31 ID:y9YySBcU0

ィ'ト─;-イ、
以`゚益゚以 「ゴギギッ!ギギィ!」

こちらの首を刈ろうと空を斬る剣。
一撃一撃が鋭く、絶え間ない連撃を、受け、往なし、避ける。

≪ ●〓●≫ 「まだ……まだっ!」

動きが劣っているわけじゃない。
武器の性能も互角。

ならば、戦いを決めるのは気合いと覚悟。
全てをかけている自分が負けるはずが無い。

≪ ●〓●≫ 「……!」

二度目のシールドバッシュ。
大きく回り込んで、側面を狙う。
剣同士がかち合って双方ともにバランスを崩す。

何とか踏みとどまって先に仕掛けた。
盾をもっていない身軽さを利用して、背後にまで一気駆ける。

反転する壊人の動きを確認してから、逆方向に跳ねた。
交差する身体と盾。
がら空きになった肘を狙って振り下ろした。

110名無しさん:2017/08/25(金) 23:48:11 ID:y9YySBcU0

ィ'ト─;-イ、
以`゚益゚以 「ギィイイ!!」

鎧の継ぎ目に刃が深々と突き刺さり、そのまま切り落とした。
持ち主を失い地面に転がる盾。

≪ ●〓●≫ 「おおっ!!」

畳み掛ける。
均衡が崩れた今こそ、この戦いを終わらせる好機。
ありったけの力を込めて、首を跳ね飛ばそうと振るった。

剣は焔を帯びて、鎧の頭を溶断した。

≪ ●〓●≫ 「はぁっ……はぁっ……」

後は核を破壊するだけで、この壊人は消滅する。
動かなくなった鎧の胸部装甲を引き剥がす。
あれだけの動きに晒されていながら、中で眠る子供は起きる様子が無い。

「杉浦。それが核だ」

≪ ●〓●≫ 「これが……」

111名無しさん:2017/08/25(金) 23:49:50 ID:y9YySBcU0

「早く破壊しろ」

人間の形を斬る事への抵抗が、見えない腕のように剣をつかんで離さない。
この検査着を着た少年は、病院に入院していたのだろう。
おそらくは重たい病に侵されていたせいで、生きたいという欲望にのみ込まれて壊人となった。
半端な想いでは無い。その身を化け物にやつすほどの強い願い。

それだけ強い生きたいという願いを奪い去ってしまっても、
この少年は病魔と闘い続けることができるのだろうか。
掲げたままの剣は、次第に硬くなっていく。

「杉浦!!」

オーガストに呼ばれて我に返った時、仰向けに倒れたままの鎧がわずかに身動ぎしたように見えた。
咄嗟に飛び下がった瞬間、地面を貫いて数十の黒い棘が生える。

「馬鹿が。欲望の核を壊したところで命を奪うわけではないというのに」

≪ ●〓●≫ 「だけど、この欲望を壊せば、あの子が生きていられるかどうか」

「貴様は自己犠牲の欲望で力を得た壊人ではあるが、世間的にはヒーローだ。
 そのヒーローが、意味の無い情に踊らされて敵を仕留め損なうとはな」


≪ ●〓●≫ 「誰かを救いたいからヒーローをやっているんじゃない。
          誰もを救いたいからヒーローになると決めた。
          たとえ化け物となって死ぬことになったとしても」

112名無しさん:2017/08/25(金) 23:51:29 ID:y9YySBcU0

「その甘さがお前を殺し、次なる犠牲者を生むぞ」

鎧の中から起き上がる少年。
枯れ枝のように細く頼りない両足でありながら、しっかりと地面に立つ。

( ФωФ) 「ヒーローは多数の為にいるんじゃない。万人の為に立つんだ」

「なら好きに死ね」

( ФωФ) 「そうさせてもらう……ッ!」

大きく飛び上がった。
直前までたっていた道路を切り裂いた剣。

身体に不釣り合いなほど巨大なそれは、
先程まで鎧の姿の壊人が武器として操っていたもの。
病弱な姿からは予想も出来ないほどの膂力で、大剣を軽々と振り回す少年。

( ・∀・) 「見て!! 自分の力で立って歩くだけでも久しぶりなのに!
       まさかチャンバラごっこまでできるなんて!」

無邪気なはずの笑顔は、青白い肌と落ちくぼんだ目のせいでより一層狂気的だ。

( ・∀・) 「すごい! すごい! あははははは!!」

113名無しさん:2017/08/26(土) 00:07:23 ID:AVN1Glb20

殺意の無い攻撃は、当たれば死に至る強力無比な一撃。
受けるのもやっとな状態で、後退しながら攻防を続ける。

≪ ●〓●≫ 「くっ……」

( ・∀・) 「ねぇ! ねぇ! 守るだけじゃつまらないよ!」

≪ ●〓●≫ 「殺し合いを楽しむなんて間違っている」

( ・∀・) 「大丈夫! きっとぼくは死なないから!」

袈裟懸けに振り降ろされた剣を、速度が乗る前に止める。
子供とは思えないほどの力。全力を出してようやく鍔迫り合いが成立していた。

≪ ●〓●≫ 「ぐぅ……」

( ・∀・) 「ヒーローみたいなかっこうをしてるのに、とっても弱いんだね」

身体が浮いた。危機を察知して無意識に顔の前に置いた左腕。
肩が外れるかと思うほどの重たい衝撃がぶつかった。

( ・∀・) 「ざぁんねん」

がら空きの胸元に剣先が迫っていた。
弾かれてそっぽを向いている左の手甲は間にあわない。

114名無しさん:2017/08/26(土) 00:07:49 ID:AVN1Glb20

≪ ●〓●≫ 「おおっ」

左腕の勢いのままに身体を反転させ、右腕の剣を叩き付けた。
胸先数ミリを通過した刃に背筋が凍る。
焦って距離をとる。追い討ちに対して構えていたが、少年は追ってはこなかった。
剣を肩に担いだまま、まったく関係の無い方角を見つめていた。

( ・∀・) 「向こうに、いっぱい人がいるんだね!」

≪ ●〓●≫ 「なっ!」

突如として走り出した少年の前に慌てて立ちふさがる。
俺と違って全身の強化ではなく、身体能力の一部のみが壊人化の恩恵を受けているのだろう。
足の速さではこちらが勝っているらしい。

( ・∀・) 「どうしてじゃまするの?」

≪ ●〓●≫ 「人のいるところに行って何をするつもりだ」

( ・∀・) 「ぼくの強さを知ってもらうんだ。
        いっぱい殺せば、きっとぼくが強くなったんだって、元気になったんだって」

≪ ●〓●≫ 「尚更行かせるわけにはいかない」

(#・∀・) 「どいて」

115名無しさん:2017/08/26(土) 00:09:00 ID:AVN1Glb20

半歩下がって剣先を躱す。
苛立ちが分かるくらいには荒れた攻撃。
先程までの遊びを含んだものよりかは、幾らかよみ易い。

( ・∀・) 「もうっ! ああもうっ!」

急激に鋭くなった一撃が脇腹を掠った。
壊人の調子の変化が激しいのは、欲望の本体が子供だからか。
こちらの攻撃は弾かれて当たらず、相手の攻撃はただの一撃ですら全力で受けなければならない。

何合斬り合っただろうか。
終わらない殺し合いに、削られていく精神が悲鳴を上げる。

( ・∀・) 「あーあ。つまんなくなってきたな。
        ねぇ、勝てないんだからあきらめてよ」

≪ ●〓●≫ 「はぁっ……はぁっ……」

スーツの中で額から汗が滴り落ちた。背中はぐっしょりと濡れていて気持ち悪い。
どんな素材なのかはわからないが、湿気が抜けてくれるのは唯一の救いか。

壊人化は無限に動き続ける体力を得る力ではない。
わかってはいたつもりだった。端から長期戦には勝ち目などないのだと。
それでも抗うしかない。無理無茶は承知の上だ。

( ・∀・) 「それっ!」

116名無しさん:2017/08/26(土) 00:09:44 ID:AVN1Glb20

一歩を踏み出した少年の剣は、的確に足元を狙ってきた。
それを飛んで避けた時に気付く。
今まで剣を振るう事しかしてこなかった少年が、剣を離していることに。

≪ ●〓●≫ 「ぐぅっ……!」

もう遅かった。
胃袋をひっくり返すかのような一撃。
小さな拳から放たれたとは思えないほどの痛みで膝をつかされた。

( ・∀・) 「さよなら」

鈍器殴られたのだと錯覚するほどの蹴り。
頭を護ったはずの左腕が、こめかみにめり込んでいた。
ぶれる視界、ゆれる意識。立ち上がる間もなく二度目の痛みに襲われ、気づけば瓦礫の中。

メットは割れ、視界は変に明瞭だ。
それなのに視点は定まらず、額から流れ落ちる滴が口の中に入った。

身体の八割近くの感覚が無い。埃の臭いもせず、味もしない。
起き上がることどころか、呼吸すらもうまくできない。
辛うじて聞こえる音と、コンクリートの破片の間から零れる小さな光だけの世界。

117名無しさん:2017/08/26(土) 00:10:30 ID:AVN1Glb20

( Φω●≫ 「…………それでも」

小さな光が何かに遮られて完全な闇が訪れた。
これ以上の壊人化をすればもはや生きていられるかどうか。
ここで諦めてしまえば今までの全てが無駄になる。

誰も救えず、無力感に抱かれて死ぬのか。
それとも誰かを救って達成感に溺れて死ぬのか。
二つに一つ。

( Φω●≫ 「答えは決まっている! 変身ッ!」

瓦礫を吹き飛ばした。
予期しない抵抗に、僅かに鈍った剣先を全力で殴りつける。
目標を逸れた剣は地面に深々と突き刺さった。

その横腹にもう一撃を加えると、半ばから簡単に折れた。
バランスを崩した少年は剣を捨てて初めて後ろに下がった。

( ・∀・) 「よくも僕の剣を……!」

≪ ●〓●≫ 「欲望のままに暴れるな。
          正気を保てば、今のまま生きていけるはずだ」

118名無しさん:2017/08/26(土) 00:11:03 ID:AVN1Glb20

( ・∀・) 「正気……? 僕がくるってるって言いたいの?」

≪ ●〓●≫ 「このまま戦って、生きたいという欲望を壊したくはない」

( ・∀・) 「たかだか剣一本折ったくらいで勝ったつもりなんだ。
        勘違いしないでくれるかな。僕はまだ、一度も本気を出してない」

少年の周囲に顕現した漆黒の球体。
陽炎の様に揺らめきながら、少年の周囲を漂う。
その数は百をゆうに超える。

( ・∀・) 「うち殺して」

言葉と同時に射出された掌の大きさの闇。
その性質が分からない以上、無闇やたらに受けるのを避ける。
ビルの屋上にまで跳んだこちらの起動を正確に追って来る弾丸。
切り落としたアンテナを弾幕に向けて蹴り飛ばす。

≪ ●〓●≫ 「ちぃっ!」

まるで相殺するかのように、アンテナの一部とそこに触れた弾丸が消滅した。
さらに二つ三つの屋上を跳んで渡り、背後を振り返る。
未だに多くの球体がこちらを狙っていた。

119名無しさん:2017/08/26(土) 00:11:39 ID:AVN1Glb20

速度を捨てた追尾性重視の弾丸。
振り切るために必要なのは、物理的な壁。
だったら簡単だ。心の中で謝罪をしながら、ビルの天井を踏み抜いた。

十数階の建物を複雑な動きで下に下に移動する。
頭上で泡の弾けるような音ともに、球体が弾けてい消えていく。
途中、敢えて一階上がったところで追ってこなくなっていた。

≪ ●〓●≫ 「ここまで来れば……」

窓の外がわずかに震えた。
その一瞬の危機感を信じて屈んだ直後。
それまで頭があった場所が黒い奔流によって横一線に薙ぎ払われた。

≪ ●〓●≫ 「さっきまで剣を振るってたやつの戦い方がこれか」

( ・∀・) 「剣よりも銃の方が強いのは当たり前だよ」

≪ ●〓●≫ 「っうおお!」

窓ガラスに飛び込んで地上に向かって身を投げた。
瞬きする間もなく、先程までいたビルが丸ごと闇の中。
たった数秒で更地となった。

120名無しさん:2017/08/26(土) 00:12:12 ID:AVN1Glb20

( ・∀・) 「あはははは! 逃げてばっかり!」

≪ ●〓●≫ 「ぐぬっ……!」

クロスさせた両腕に響く衝撃は骨すら軋む。
無防備なところにもらえば、骨の一本や二本ではすむまい。

( ・∀・) 「それっ!」

≪ ●〓●≫ 「馬鹿な……」

地面に着地した直後に動いた二つの大きな影。
道路の両脇にあるビルがこちらに向かって倒れてきた。
正面には壊人の子供。
背後には鉄すら消し飛ばす威力の低速散弾。

前門の虎に後門の狼。後二つ足すとすれば獅子と狐だろうか。
絶望を目の当たりにして、脳が無駄に演算速度を上げる。
生き残る道は一つしかない。

正面。両腕に何も持っていないのを確認して突っ込んだ。

( ・∀・) 「なっ……!んて……分かりやすい」

121名無しさん:2017/08/26(土) 00:13:23 ID:AVN1Glb20

両側のビルの腹を貫いて飛来した無数の弾丸。
速度を重視した無誘導の弾幕を、前傾になった俺に防ぐ手立てはなかった。

≪ Φω●≫ 「ぐ……っ……」

痛みを堪えて進む。今更背後に道はない。
一部生身が露出するほど破壊されたスーツのまま、何とか少年の懐に届いた。
それでもまだ笑みを崩さない小さな壊人。
その腹部を狙って握り込んだ拳を、振り抜いた。

( ・∀・) 「さようなら、ヒーロー」

腕の感覚が消えた。
変身が解けたのではない。
肘から先が消滅したのだ。

一歩遅れて気が付いた。
真上から落ちてきた刃が、容赦なく持ち去ったのだと。
子供と侮ったわけではない。

≪; Φω●≫ 「ぐうぅうあああ……ッ!!」

地面に叩き付けられた瞬間にとんだ意識は、痛みによってすぐさま引き戻された。
巨岩に潰された両足は、脳が処理しきれない程の信号を送る。

122名無しさん:2017/08/26(土) 00:14:25 ID:AVN1Glb20

( ・∀・) 「ここがどこかわかる?」

岩の上に着地した少年は、倒れた俺の頭上を指さす。
辛うじて動く首を動かし、視線を伸ばした先にあったのは、
無傷なままの白い教会。

今日、娘が幸せになるはずだった場所。

守りたかった全て。

( ・∀・) 「何も守れなかったね」

少年が掲げた掌の傍に発生する黒い弾丸。

≪ Φω●≫ 「やめろ! ……やめてくれ」

こちらを見下ろしたまま、爆発音とともに激しい突風が起こった。
爆炎の中心は灰色の靄で覆われ何も見えない。

≪ Φω●≫ 「あ……あぁ……」

一陣の風が吹き抜けて煙が晴れる。
そこにあったはずの荘厳だった教会は、見る影もない。

123名無しさん:2017/08/26(土) 00:15:53 ID:AVN1Glb20

( ・∀・) 「あはははは!」

気づくのが遅すぎた。
いや、認めようとしなかったのだ。
目の前にいるのは少年の姿をした壊人だということを。
その結果がこれだ。誰もを護ると豪語しておきながら、誰一人護れなかった敗北者になり果てた。

( ・∀・) 「さようなら」

子供の掌に込められているのは、特大の殺意。
少年の欲望を吸い込んで膨張していく。
存在そのものを消滅させようとするつもりなのか、生み出された黒い弾丸は身体よりも大きい
せめて痛みなく、そう願って瞼を閉じた時に響いた声。

最初は幻聴なのだと思った。
目を見開いた少年が、よそ見していることで気づいた。
その声の主がすぐ近くまで来ていることに。

124名無しさん:2017/08/26(土) 00:16:20 ID:AVN1Glb20










「お父さん!!」









.

125名無しさん:2017/08/26(土) 00:18:16 ID:AVN1Glb20

聞き覚えは無い。声も姿も十数年前から一度も見聞きしていないのだ。
最初は、気づかないかもしれないと不安すら感じていた。

そんなことは無かった。

ウェディングドレスを着ていたからではない。
お父さん、と呼びかけられたからではない。

もっと単純で簡単なこと。
何よりも濃く、何よりも強い絆こそが、彼女を娘だと確信させた。

≪ Φω●≫ 「何で来たんだ! 逃げろ! しぃ!」

( ・∀・) 「へぇ、あれが大事な人なんだ」

≪ Φω●≫ 「頼む、やめてくれ……」

こちらに向けられていた殺意の塊は、ゆっくりと持ち上げられて対象を変えた。
人間一人を容赦なく消し去るほどの弾丸が、抗う力を持たないただの女性に向けられる。

≪ Φω●≫ 「はやく……逃げてくれ……」

( ・∀・) 「ほら、お父さんもこう言ってるんだ。逃げてごらん。
        恐怖のどん底に落としてから殺してあげる」

126名無しさん:2017/08/26(土) 00:19:55 ID:AVN1Glb20

(*゚ー゚) 「逃げないから!」

≪ Φω●≫ 「なにを……ッ!」

(*゚ー゚) 「お父さんが勝つまで、ここで待ってるから!
      だって、私の覚えているお父さんは、絶対に負けない!」

(#・∀・) 「ふゆかいなお姉ちゃん。もういいや。消えて」

≪#Φω●≫ 「やめろおおお!!」

両足を引き千切り、腕だけの力で身体を動かした。
弾丸の前に身を投げ出してしいを庇う。

(*゚ー゚) 「お父さん!?」

≪ Φω●≫ 「……に…・・げろ……」

朦朧とした意識の中、自分を見下ろす影が見えた。
幻のように淡く光るその女性は、涙を流している。

(*;ー;) 「お願いだから。また誰かを護るために自分を犠牲にするのはやめて。
      私、お父さんが強いこと覚えてるから。誰にも負けないくらい頑張ってるって知ってるから」

127名無しさん:2017/08/26(土) 00:20:34 ID:AVN1Glb20

(#・∀・) 「やめろ。やめろやめろやめろ!!
        家族なんて……いてもいなくても同じなんだ!
        これ以上、僕の前で仲良くするな!」

(*;ー;) 「信じてる。今でも信じてるよ!
      たとえ他の誰もがお父さんを悪だと言っても、私だけは信じてるから。
      だから……」

( ・∀・) 「うざいうざいうざいうざいうざいうざい……!!」





(*゚ー゚) 「勝って!」




.

128名無しさん:2017/08/26(土) 00:23:58 ID:AVN1Glb20

(#・∀・) 「消えろ消えろきえろきえロキエロキエロオオオオオ!!!」

空を覆う無数の星々がやけにはっきりと見えた。
その一つ一つが致命傷となるほどの威力を秘めた攻撃であることを理解しながら、
心はどこかに浮かんだままでいる。
すぐ目の前にいる娘のことなど考えてすらいなかった。

しぃが俺に願った勝利。
それは、昔の俺が口癖のように言っていた言葉。
妻と娘と別れてからは一切口にすることも無かったが。

誰かに勝つこと。自分に勝つこと。そのために必要なこと。
大事なのは結果でも過程でもなく、スタートラインに立つ心構え。

負けまいと、前を向く心。

生きようと、一歩踏み出す勇気。

聞き飽きた、と怒らせるほど口にしていたはずの言葉なのに、いつしか忘れていた。
汚れた社会で失くしてしまっていた。
あるいは、自分で捨てたのかもしれない。

しぃのおかげで思い出した。
俺がどう生きたかったのかを。本当に願っていたのは何だったのかを。

129名無しさん:2017/08/26(土) 00:27:06 ID:AVN1Glb20

胸の奥が燃えるように熱い。
真っ暗闇の中で戸惑っていた俺の前に現れたのは、小さな光。
それは表面にガーベラ、裏麺に髑髏をあしらった金色のコイン。

そう、コインの表と裏なんて、決まっていない。
だから、俺が決めてもいいのだ。


目の前に浮かぶ欲望のコインは、現れるなり豪快な笑い声を立てた。


「はっはっはははははははっははは!!」


欲望のメダルは、聞いたことも無い様な高笑いをしていた。

( ФωФ) 「オーガスト! いまさら何を……」

「貴様、この私の最後の言葉だ。よく聞いておけ」

( ФωФ) 「どういう意味だ」

「貴様は自身の欲望に飲まれることなく、その力を操ることができた稀有な人間だ。
 その貴様が、また一つ奇跡を起こしたと知って笑わずにおれようか」

( ФωФ) 「何が面白い」

130名無しさん:2017/08/26(土) 00:29:50 ID:AVN1Glb20

不愉快なほど高らかに笑う。
次第にはっきりとしてくる記憶。今、自分の置かれている現状を思い出した。
すぐにでも逃げなければ、死んで全てが終わりだ。

「心配するな。この空間はお前の世界であって現実とは流れている時間が違う。
 もっとも、それでもさほど余裕があるわけではないがな」

( ФωФ) 「だったらさっさと本題を言え」

「貴様は欲望に打ち勝った。自己犠牲などという低俗な欲望に。
 人を壊すほどの力の全ては、信念となってお前と共にある」

( ФωФ) 「信念……?」

「欲望を信念に昇華させた貴様が、道を違えないことを願っておくとしよう」

( ФωФ) 「オーガスト?」

「せいぜいあがくんだな。信念を捻じ曲げない様に」

≪ Φω●≫ 「ッ!?」

目を見開いた。降り注ぐのは流星の様な弾丸。一つ一つがはっきりと見える。
両足は千切れたまま、両腕は動かない。
辛うじて動くのは眼球だけ。

オーガストの言葉の意味は、まだ理解できていない。
だけど心が叫んでいた。

護るのは、他人だけじゃない。
どんなにあがくことになっても、みっともなくても、自分自身も護ること。
俺が真に振るうべきは、欲望を叶えるための力ではなく、信念を貫き通すための力。
正しいと思えることを、正しく実行するために。

だから、叫んだ。

自らの魂に信念を刻み付ける様に。

131名無しさん:2017/08/26(土) 00:32:34 ID:AVN1Glb20

「わが身に巣食う欲望よ! 今、この魂に応えて信念となれ!!」












≪ Φω●≫  「オーバーロード!!」











.

132名無しさん:2017/08/26(土) 00:36:52 ID:AVN1Glb20

失っていたはずの両足は元通りに。
荒々しく炎が燃えるブーツと、柔らかな丸みを帯びた手甲。
胸部の装甲はより頑丈に、それでいて身体は羽のように軽い。
真っ赤なマントは足首までもあり、胸に黒いラインが三本。

 _Λ__Λ
≪ Φ::Φ≫ 「紅陽剣!」

炎とともに現れたのは、一振りで壊人を切り裂く正義の剣。
真上に掲げた剣先が放った熱は、降り注ぐ弾幕を全て焼き尽くした。

(*゚ー゚) 「不思議……大きな火なのに、全然怖くない」

 _Λ__Λ
≪ Φ::Φ≫ 「この炎は俺の信念そのものだ。悪しき者以外の誰かを傷つけることはない。
           だから安心してそこにいろ」

(#・∀・) 「なんだよなんだよおおおおおお!!」

正面から飛び込んできた少年。
娘を背に護りながら攻撃を受け止めた。
ぶつかり合った剣圧だけで地面が捲れる。

(#・∀・) 「くそくそくそくそおおおっ!」

やたらに振り回される剣は、もう怖くない。
体重を乗せて薙ぎ払う。
少年の痩せ細って軽い身体は、一撃を耐えきることが出来ずに空に打ち上げられた。

133名無しさん:2017/08/26(土) 00:38:25 ID:AVN1Glb20

空中で数度回転して、大気を蹴って飛び降りて来る少年。
その手に構えた剣を真下に向けて、弓のように一直線に。
避ければ娘の命はない。

だったら、受け止めればいい。
両腕を覆う手甲を交差させ、衝撃に備えて足を引いた。

(#・∀・) 「なめるなあああああ!!!!」

叫んだ少年の刃は、手甲を貫通することなく砕け散った。
空を彩る黒銀の破片。

(#;∀・) 「ヒーローだったら……ヒーローだったら……、
        僕をどうして助けてくれなかったんだあああ!!」
        
 _Λ__Λ
≪ Φ::Φ≫ 「遅くなってすまない。今から助ける」

( ;∀;) 「そんなの、そんなの!! 信じない!!」

 _Λ__Λ
≪ Φ::Φ≫ 「信じてくれ。欲望に取り込まれるほど生きたいと願う君は、きっと生きられる!
           俺が助けてみせる! だから……俺を信じろ……!」

134名無しさん:2017/08/26(土) 00:39:32 ID:AVN1Glb20

両腕で空に向けた剣から、炎が舞い上がる。
赤い剣は、躊躇いなく少年を切り裂いた。

(  ∀ ) 「あああぁぁあぁぁぁああ!!」

炎に焼かれ、壊人の核は消し炭となった。
燃え尽きた灰の中に残されたのは、傷一つない少年。

意識を失ったまま動かない。
助け起こして、そのまま両腕に抱いた。

 _Λ__Λ
≪ Φ::Φ≫ 「……しい、すまない」

(*゚ー゚) 「わかってる。お父さんは正義の味方だから」

 _Λ__Λ
≪ Φ::Φ≫ 「また連絡するよ」

(*゚ー゚) 「うん! 待ってるね!」

135名無しさん:2017/08/26(土) 00:40:52 ID:AVN1Glb20

長かった戦いが終わりを告げた時、既に陽は落ちていた。
空から降り注ぐ人工的な光は、きっと悪者探しをしている傍観者の瞳。
それに晒させるわけにはいかず、少年の身体をマントで包んだ。


そのまま胸に抱いて、真夜中の空に飛び上がった。
少年との約束を守るために。


目指すのは市内で最も大きな病院。
弱々しい鼓動と額に浮かぶ汗が、病状の重さを物語っていた。
それでも、この少年はきっと生きていける。


全く医学知識の無い俺でも確信を持って言えた。
直接拳を交え、刃を交わした仲である。そこらの医者よりはずっと正確な判断ができるはずだ。
大切な命を守るために、月夜の下でビルの屋上を渡る。


誰よりも強い願い故に、欲望の化身となってしまった少年を、一体誰が攻められようか。
都市の損害は決して小さくないが、得たものは大きく、失わなかったものはもっと大きい。
誰もが笑って暮らせるように、そして道を誤ってしまったものが正しき道に戻れるように。




俺はこれからもヒーローであり続けよう。



.

136名無しさん:2017/08/26(土) 00:42:34 ID:AVN1Glb20

四十台から始まるヒーローライフ  はこれで終わりです。

最後まで読んでくださった方に感謝を。

137名無しさん:2017/08/26(土) 00:50:15 ID:poS/mjTQ0
乙乙
惜しむらくは短編

138名無しさん:2017/08/26(土) 02:53:04 ID:L8SItb3g0
おつかれー!面白かったよ!
続編希望!

139名無しさん:2017/08/26(土) 12:40:04 ID:EP/4vdBM0
面白かった


140 ◆TflJu3mvXc:2017/08/27(日) 01:19:58 ID:oPnnDj6A0
【業務連絡】

主催より業務連絡です。
只今をもって、こちらの作品の投下を締め切ります。

このレス以降に続きを書いた場合

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詳細は、こちら
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http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1500044449/295

141名無しさん:2017/08/29(火) 19:19:52 ID:z8G4QBqI0

面白かった!
やっぱヒーロー物は熱いね!

142名無しさん:2017/08/29(火) 21:24:09 ID:J9siiZos0
>>137-138
禿同

143名無しさん:2017/08/30(水) 00:32:16 ID:I0YiBRU20
短編にしておくにはもったいないな

144名無しさん:2017/08/30(水) 02:28:20 ID:xNls7bfA0
ヒーローものの宿命だが、ちと展開がありきたいよのぉ

145名無しさん:2017/08/30(水) 15:33:20 ID:ou6pu07s0
こういうの大好き!!!

もっとよみたい!!!

146名無しさん:2017/08/30(水) 22:51:53 ID:26BkdQ860
おつ
少年が元気になるといいな

147名無しさん:2017/08/31(木) 08:05:04 ID:Yg9xP68M0
乙乙

うーもったいない(っ´;ω;`с )

148名無しさん:2017/08/31(木) 11:06:10 ID:fxO1BQGA0
乙乙
続きが読みたいので是非検討してくれ


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