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灰色の青空のようです

1 ◆o6NzMBoNXM:2017/08/23(水) 20:06:16 ID:whrL/yB20

セットしていたアラームが鳴った瞬間に、目を覚ました。
薄汚れた天井を見上げて溜息を吐く。どうやら今日も変わり映えがしない朝が来たようだ。
陽は登らず、鳥は囀らない陰気な朝が。

鉄の塊が軋みながら動く重低音が、部屋中に響く。
居住区の中でも上位区画にあるこの部屋で、これだけの音がするのだ。
最下層の人々なんて、寝ることすらできないに違いない。
堅いベッドから起き上がり、全身のシステムチェックを行う。

オールグリーン、異常なしだ。
しいて言えば、昨日夕ご飯の後に食べたアイスクリームは、
完全にカロリーオーバーだったみたいだが。
久しぶりに手に入った甘味なのだ。仕方がない。

窓の無い部屋で大きく伸びをして、時計を確認した。
別にそんな必要はないのだが、癖みたいなものだ。

ξ-⊿゚)ξ 「さって、今日の仕事はっと……」

131名無しさん:2017/08/23(水) 22:36:05 ID:whrL/yB20

ξ ⊿ )ξ 「やめて……やめてやめてやめてえええ!」

その姿でものを言わないで!

その姿で私を見ないで!

その姿で……お願いだから攻撃してこないで……。

( <●><●>) 「これでごみ掃除は終わりだ」

心は、いともたやすく凍り付いた。
戦いの最中であるのに、無意識のうちに私の手から離れた剣。
膝は堅い床に崩れ落ち、両腕は抗う意思を失ってただ自らの身体を抱きしめる。

目を瞑って俯いていると、すぐに首筋に冷たいものが触れた。

( <●><●>) 「殺せ」

川 ゚ -゚) 「……はい」

泣いても喚いても、ここで果てるのはもはや変わらない事実。
クールの姿に動揺し、戦う事を躊躇った時点で勝敗は決していた。
私は、自分自身の愚かさに殺されるのだ。

132名無しさん:2017/08/23(水) 22:38:05 ID:whrL/yB20

刃の振るわれる音がした。
この身を分断する音は、思っていた以上に軽く響いた。


「何諦めてるの、一緒に青空を見に行くんでしょ」


声が聞こえた。機械人形でありながら、人間らしい少女の声が。
失われてしまった意志を再燃させようと。
自己防衛の本能が見せる幻にしては、あまりにもリアルに。

あまりにも近くに。

閉じていた瞳を開くと、ぼんやりと彼女の姿が見えた気がした。
幻想と疑い瞬きをしてもなお、その存在は確かに目の前に。

ζ(゚ー゚*ζ 「まったく、私よりも年上なんだからしっかりしてよね」

既に全身に纏わりついていた死の気配はない。
闇を払う光のように、彼女が心に希望の焔を灯してくれた。

133名無しさん:2017/08/23(水) 22:38:39 ID:whrL/yB20

ξ゚⊿゚)ξ 「そうね。ごめん」

ζ(゚ー゚*ζ 「許してあげる」

前を見据えて、立ち上がる。
満身創痍の肉体はあちこちが悲鳴を上げ、スーツに残るエネルギー残量は極僅か。
隣に立つ彼女も、相当に消耗していることは一目でわかった。

( <●><●>) 「貴様……どうやって……!」

ζ(゚ー゚*ζ 「仕組みさえわかれば大したことないわ。
   ただ大容量のエネルギーを放出するだけ装置なんてね」

( <●><●>) 「っちぃ! 殺せ!」

相手は機械都市の保有するエネルギーを自由に操ることができる管理者。
その身体はいくらでも替えのきく空っぽの人形。
戦闘能力が皆無であるがゆえに、破壊は容易くとも殲滅は不可能。

ζ(゚ー゚*ζ 「絶望的ね」

ξ゚⊿゚)ξ 「でも」

134名無しさん:2017/08/23(水) 22:39:09 ID:whrL/yB20

クール以外のスイーパーとメカニックも保管庫から、それぞれの武器を手に飛びかかって来た。
それらを振り回した刃で一蹴し、周囲に死骸の山を築く。

ζ(゚ー゚*ζ 「でも、まだ終われないよね」

ξ゚⊿゚)ξ 「ええ、ここを出るまでは!」

( <●><●>) 「役立たずが……!」

両腕を失ったデレは、脚を振り回して私の二倍の敵を破壊した。
残り少ないエネルギーは射出するよりも、
武器に流し込んで強化する方がずっと効率がいい。

強力なエネルギーに耐えることのできる構造躯体を持つ彼女だからこそできる技ではあるが。
そのデメリットも、彼女は当然知っている。
人工皮膚が弾ける青白い光で少しずつ融解していく。

ξ゚⊿゚)ξ 「抜けるわよ」

ζ(゚ー゚*ζ 「うん!」

一直線に、道を文字通り切り開いた。
壁のように重なる他の人間を斬り飛ばして、侵入してきた壁面の裂け目まで。

135名無しさん:2017/08/23(水) 22:39:34 ID:whrL/yB20

川 ゚ -゚) 「止まれっ! これ以上罪を重ねるな!」

ξ゚⊿゚)ξ 「どきなさい、偽物」

クールの突きは鋭い。
前進する私の額を一直線に貫こうと剣先を、深く身体を沈めて避けた。

川;゚ -゚) 「なっ!?」

地を這うような姿勢で、さらにもう一歩加速した。
センチネルの左腕でその喉元を掴み、勢いに任せて地面に叩き付ける。
激しくバウンドしたクールは、背中に受けた衝撃で呼吸困難に陥っていた。

川 - ) 「かはっ……」

そのまま首を締め上げる。
機械によるサポートを受けて身体であっても、脳はほとんど人間のもの。
数秒間動脈を握るだけで、容易く意識を手放した。

ζ(゚ー゚*ζ 「ほんと、甘いわね」

ξ゚⊿゚)ξ 「これでいいのよ」

136名無しさん:2017/08/23(水) 22:39:58 ID:whrL/yB20

(#<●><●>) 「糞糞糞!! 誰か早く止めろ!」

背後で喚いている機械都市の最高責任者のうちの一人。
あまりにも惨めなその姿を目に収めておくのも吝かではないが、
今はそれよりも重要な目的がある。

裂け目は、入って来た時よりもずっと拡がっていた。
センチネルが隊列を組み、進路を塞ぐ。

ξ゚⊿゚)ξ 「今更、止められるわけないでしょ!」

殴り飛ばした一体が、他の機体を巻き込んで倒れる。

ζ(゚ー゚*ζ 「もう少し優雅にしたら?」

転んだ機体の上に着地したデレは、一瞬で三体の核を刺し貫いた。
頭部の赤い光が失われ、起動停止を確認する。

ξ゚⊿゚)ξ 「いいの、これが私だから」

ζ(゚ー゚*ζ 「ふふ、ツンと一緒でよかったわ」

ξ゚⊿゚)ξ 「何よいきなり。どういうつもり?」

137名無しさん:2017/08/23(水) 22:40:47 ID:whrL/yB20

ζ(゚ー゚*ζ 「だって、これから先も退屈しないでしょ。
   私たちはどうなってるかわからない地上に向かうんだから」

(#<●><●>) 「行かせないと言っている! この機械都市から抜け出すことは許されていない!」






ξ#゚⊿゚)ξ 「うるさい!」 ζ(゚ー゚#ζ 





.

138名無しさん:2017/08/23(水) 22:41:21 ID:whrL/yB20

叫ぶと同時に、センチネルの機体を薙ぎ払った。
破壊した壁から外に出て、階段を駆け上る。
最上階は四角い部屋のようになっていた。

ξ゚⊿゚)ξ 「見えた!」

ζ(゚ー゚*ζ 「ここが……地上への出口」

三方を壁に囲まれ、残り一方にある両開きの鉄扉に描かれた白い数字は1。
センチネルですら悠々とくぐれるほどの大きさの扉は、閉ざされたまま。
取っ手は無く、付近には会場の為の電子端末もない。

扉というよりは、外界との繋がりを断絶させるような堅固な城壁を思わせる。

( <●><●>) 「はっ……! その扉は開かない! 開く方法は無い!」

ζ(゚ー゚*ζ 「だったら壊すまでよ」

デレの放った蹴りは、轟音と衝撃を生み出す。
大気を激しく揺るがした一撃は、扉の表面を傷つけるにとどまった。

ξ゚⊿゚)ξ 「堅すぎる……!」

139名無しさん:2017/08/23(水) 22:42:14 ID:whrL/yB20

( <●><●>) 「当然だ。機械都市で最高硬度、最高重量を誇る合金なのだからな。
   今の私たちの技術では加工することすらもままならない金属だ」

ζ(゚ー゚*ζ 「……それがどうしたの。私たちを止める理由にはならないわ」

( <●><●>) 「いや、お前たちはここで無様に死ぬことになる」

ξ゚⊿゚)ξ 「私たちに手も足も出ないあなたが、どうするつもり?」

( <●><●>) 「これだよ」

階下からゆっくりと上昇してきたのは、センチネルの三倍はあろうかという巨体。
それを支えるのは四脚の足。空間が狭く感じるほどのプレッシャーを放つ。
重武装に全身を固め、漆黒の装甲は艶やかに光る。

ξ゚⊿゚)ξ 「なっ!?」

ζ(゚ー゚*ζ 「大きければ強いわけ?」

( <●><●>) 「そうだ。これこそが機械都市の守護神。センチネルの上位機体。
   ガーディアンだ」

140名無しさん:2017/08/23(水) 22:42:47 ID:whrL/yB20

咄嗟にスキャン機能を起動する。
確認できるだけでも、機体内部に動力供給体が七つ。
頭部と胸部、そして腹部に大きな水晶が、
四脚の太い脚にそれぞれ小さいものが一つずつあった。

背部から伸びる太いパイプは、機械都市に繋がれている。
今もなお、加速度的に保有するエネルギー量は増加していく。

( <●><●>) 「ころ……せ……?」

勢いよく殺戮の命令を下そうとしたワカッテマスの首は、
胴体と別れを告げていた。

ζ(゚ー゚*ζ 「くどい」

ξ゚⊿゚)ξ 「手が早いわね」

ζ(゚ー゚*ζ 「足だけどね。これはいいとして、向こうは厄介ね」

正面に着地したガーディアンと呼ばれた機体。
その重量に、金属の床が音を立てて軋んだ。

ξ゚⊿゚)ξ 「コード:ブレイド」

141名無しさん:2017/08/23(水) 22:43:44 ID:whrL/yB20

動きを見せないうちにその頭部を狙って突き出した刃。
目に留まらぬ速度で打ち出された何かに、剣が弾かれた。

ξ゚⊿゚)ξ 「えっ!?」

ζ(゚ー゚;ζ 「危ないっ!」

突き出された機械の指は、鈍重な外見からは予想もできない程素早い。
前傾姿勢で飛び込んでいた私は、デレに弾き飛ばされることでしか回避できなかった。

ξ;゚⊿゚)ξ 「っ! デレ!」

私を突き飛ばしたデレは、当然その場に残ることになる。
彼女を掴んだガーディアンはその華奢な身体を握りつぶそうと締め付ける。

ξ゚⊿゚)ξ 「コード:ブレイド!」

弾かれて機能不全に陥っていた機械武器を再起動する。
再び大剣の形状をとり、その刀身に私から供給したエネルギーを纏う。

ζ(゚ー *ζ 「ああっ……!」

142名無しさん:2017/08/23(水) 22:44:06 ID:whrL/yB20

ξ゚⊿゚)ξ 「今助ける!」

自分の身体よりも大きな腕に振り下ろした大剣。
その機体をを引き千切るほど力を込めた一撃は、表面に触れる前に弾かれた。

ξ゚⊿゚)ξ 「えっ!?」

「馬鹿め! ガーディアンの装甲はコスト度外視のプラズマ装甲だ!」

憎たらしいワカッテマスの声が期待の内部から響く。
一層強く握られた拳の中で、デレが悲鳴を上げた。

ζ( ー *ζ 「う……ぐぐぁぁ……」

「機械人形を潰したら、どうなるのだろうな。
 まさか血液が飛び散ったりはしまい」

ξ;゚⊿゚)ξ 「デレっ……!」

降り注ぐ銃弾と光線を避けながら、何度も何度も、腕を狙って剣を振るう。
必死になって叩き付けた刃は、見えない壁に阻まれて一ミリたりとも届かない。

143名無しさん:2017/08/23(水) 22:44:40 ID:whrL/yB20

ξ゚⊿゚)ξ 「くそっ……!」

ζ( ー *ζ 「かん……せつ……に!」

ξ゚⊿゚)ξ 「っ!」

手首の関節に剣先を突き出す。
阻む抵抗は腕よりもはるかに弱く、二度目の斬撃が関節部分に突き刺さった。
そのまま全体重を込めて大剣を押し込む。

光が弾けて握力が弱まった。
その隙に逃げ出したデレは、ガーディアンから飛び退いて距離をとる。

「っち……小細工を」

ξ゚⊿゚)ξ 「ごめん……手間取った。大丈夫?」

ζ(゚ー゚*ζ 「うん、まだなんとか動ける」

「だが所詮小細工は小細工。お前達にはこのガーディアンを破壊することはできない」

ζ(゚ー゚*ζ 「そんなわけ、無いでしょ」

144名無しさん:2017/08/23(水) 22:45:20 ID:whrL/yB20

叫び返すデレの声には力がない。
損傷は私が思っている以上に大きいのだろう。

「ガーディアンはこの機械都市が存続する限り、無限に動き続けることができる!
 お前たち程度が勝とうなどと片腹痛い!」

ζ(゚ー゚*ζ 「まずは後ろのパイプ。あれが一番面倒だから」

ξ゚⊿゚)ξ 「その次は頭。装甲が一番薄いわね」

ζ(゚ー゚*ζ 「なんだ、解ってるじゃない」

ξ゚⊿゚)ξ 「当然でしょ、行くわよ!」

同時に跳び込んだ。
巨体を前にして、デレは左からその脚力でもって一瞬で背後に回った。
彼女の動きをサポートするために、私は正面から剣を叩き付けた。

その剣先は掴まれ、ピクリとも動かない。

ξ゚⊿゚)ξ 「まだ……! コード:デブリ!!」

掴まれた剣は細かい破片へと散らばり、その姿を失う。

145名無しさん:2017/08/23(水) 22:45:49 ID:whrL/yB20

ξ゚⊿゚)ξ 「コード:ライフル!」

再起動にかかる時間は数秒。
こちらに伸ばされた腕を掻い潜り、ゼロ距離に飛び込んだ。
頭部の赤い光に向けて、引き金を引く。

「なっ……!」

ξ゚ー゚)ξ 「っ……! どうだ!」

白煙の中、大きくひび割れた頭部。
その隙間から動力供給源となっている水晶が見えた。
至近距離での攻撃で、こちらの損害も小さくはなかったが十分な成果だ。
爆風を抑え込むように向けたセンチネルの左腕は、跡形も無い。

「だが……!」

巨体の後ろで大きな爆発音。
吹き飛ばされていたのは、デレの小さな身体。

ξ;゚⊿゚)ξ 「デレっ!?」

146名無しさん:2017/08/23(水) 22:46:24 ID:whrL/yB20

小さな身体は壁に叩き付けられて動かない。
正面の攻撃を囮と断定して頭部の破壊を許したのは、背後に集中するためか。
私よりも、あの小さな機械人形の少女を重く見たという事。

その身体を抱き上げるために近寄るには、ガーディアンが邪魔だ。

ξ#゚⊿゚)ξ 「退けえぇ!!」

「はっ! あの人形さえ壊してしまえば、お前など大した敵ではない!」

怒りで我を見失っていたわけではない。それでも、普段よりも確実に鈍っていた判断力。
羽虫を掃うかのように振るわれた腕が避けられない。

ξ゚⊿゚)ξ 「ぐっ……!」

デレが遠のく。
扉に叩き付けられて、失いかけた意識を引き留める。
こちらに背を見せているガーディアンは、気絶しているデレの身体に拳を振り下ろした。

ξ;-⊿-)ξ 「っ……!」

思わず目を逸らす。
何度も何度も、無慈悲な金属音が響く。
不愉快な笑い声と共に。

147名無しさん:2017/08/23(水) 22:47:02 ID:whrL/yB20

「はははははは!……は?」

間抜けな声に引っ張られ、恐る恐るデレの姿を探す。
大きくへこんだ金属の床に、少女の残骸はない。

呆気にとられて、辺りを見回してすぐに気づいた。
センチネルの背後のパイプ、その接続部にデレはいた。

「いつの間に……! もうエネルギーも尽きたはずなのに!!」

ζ(゚ー *ζ 「そうね、もう本当に限界。でも……」

ワカッテマスも同時に気付いたらしく、その背に向けて両腕を伸ばした。
だが、もはや遅い。
デレはパイプを力ずくで引き千切った。

「糞があああ!!」

ζ(^ー^*ζ 「あなたの言う通り、私自身にはもうエネルギーは無いわ。
   でも、ここにあるじゃない」

「しまっ……!」

148名無しさん:2017/08/23(水) 22:48:55 ID:whrL/yB20

都市からガーディアンに供給されている無尽蔵のエネルギー。
それをデレは吸収し始めた。

ξ゚⊿゚)ξ 「デレ!」

ζ( ー *ζ 「ああああああああああああ!!」

無茶であるのは、彼女の叫びから一目瞭然であった。
デレの小さな体の中には、エネルギーを蓄積するためのバッテリーはある。
充電能力も、発電能力も、機械都市のそれと比べると規格外の性能を持つ。

だとしても、流れ出るエネルギーそのものから直接供給することは不可能だ。

無理にエネルギーを得ようとしているせいで、
身体がばらばらに分解されるような痛みの信号が、彼女の全身を襲っているはず。

「っち、供給を止めるしかないか。だが、今ある残量でも十分だ」

折れた水道管から溢れ出る水のように流れ出て来ていたエネルギーは、
大元であるバルブを閉められて止められた。

ζ(゚ー *ζ 「あ……あはっ……はっ……もう少し……欲しかったわね」

「忌々しい機械人形が……!」

149名無しさん:2017/08/23(水) 22:49:22 ID:whrL/yB20

「っち、供給を止めるしかないか。だが、今ある残量でも十分だ」

折れた水道管から溢れ出る水のように流れ出て来ていたエネルギーは、
大元であるバルブを閉められて止められた。

ζ(゚ー *ζ 「あ……あはっ……はっ……もう少し……欲しかったわね」

「忌々しい機械人形が……!」

ζ(゚ー゚*ζ 「ツン……まだ戦える?」

ξ゚⊿゚)ξ 「もちろんよ」

ζ(゚ー゚*ζ 「倒すわよ、このデカブツ」

ぼろぼろ身体に鞭を打って立ち上がる。
限界を超えてなお戦う少女の横に並ぶために。
何処までも続く青空を見に行くために。

デレの笑顔を見るために。

ξ゚⊿゚)ξ 「行くわよ!」

ζ(゚ー゚*ζ 「ええ!」

150名無しさん:2017/08/23(水) 22:49:45 ID:whrL/yB20

今度は私から巨体に向かって駆けた。
その頭部のむき出しになった動力部を狙って、機械武器を起動する。

ξ゚⊿゚)ξ 「コード:ランス」

貫通力に特化した武器。
多少前後左右に逃げようとも、確実にその頭部を貫くために。
刺突を受け止めるかのように、両の腕が頭の前に掲げられた。

ξ゚ー゚)ξ 「ふふっ……」

「壊れろおおおおおお」

ガーディアンの正面装備、両肩と腰のレーザー砲が一斉に火を噴いた。
それらは束になり、大気を焦がして私の軌道を狙う。

「ちいっ!!」

デレの電磁フィールドが瞬間的に展開された。
光条は、幾筋にも分散されて消えていく。

「だが! この装甲は貫けまい!」

151名無しさん:2017/08/23(水) 22:50:21 ID:whrL/yB20

ξ゚⊿゚)ξ 「残念、いくら性能が良くても操縦者が悪ければ救われないわね」

狙いは端から両腕の関節。頭部の前で交差された手首の関節に、一撃ずつおみまいする。
力なくだらりと開かれた指先、その間隙をぬって差し込まれた一筋の光。
後方、開かずの扉の前で待機していたデレの狙撃は、一発で水晶を穿った。

「き、き、きき……貴様らああああああああああ!」

溜め込んだエネルギーが一気の放出され、大爆発を起こす。
がむしゃらに振り回される両腕を掻い潜り、脚部の関節にランスを突き刺す。

「くそっ! くそおおおお!」

四脚全ての動きを封じたところで、足元に向けて鉄をも溶かすレーザーが放射された。
闇雲に床を削る攻撃を避けてデレの元に戻る。
再び火を噴いた重兵装をデレが全て捌き、彼女と共に扉を駆けあがった。

ζ(゚ー゚*ζ 「いくわよ」

ξ゚⊿゚)ξ 「準備は出来てるわ」

上空から戦闘機械を見下ろす。
鈍重にして巨大なガーディアンの対空火器が、全てこちらを狙っている。
その一つ一つの威力は絶大だが、デレの電磁フィールドを貫通するほどではない。

152名無しさん:2017/08/23(水) 22:51:17 ID:whrL/yB20

ならば遠距離から削り倒すのが正解だが、こちらもまたそこまでの火力を持っていない。
狙いは一つ。可動部の破壊による行動不能化。
それを為すための条件は整えた。

無限供給パイプの切断で、プラズマ装甲は無効化した。
頭部の水晶は破壊し、脚部の関節はもはや自由には動かせない。

狙いは装甲に接続された銃火器の接続部。

両肩にそれぞれ四基の砲門。
腰部に二基の軽機銃。腕部に展開可能なプラズマブレード装備。
背部にミサイル発射装備十二門。
脚部にレーザーポインター各二個。

全てを破壊し終われば、私たちの勝ちだ。

各砲門に光が収束していく。
空中戦闘が出来ないガーディアンだけあって、対空装備は充実している。
一斉砲撃がどれだけの密度になるのかは、あまり考えたくはない。
それでも、デレと一緒ならなんでもできる気がした。


ζ(゚ー゚*ζ 「……任せたわよ」


.

153名無しさん:2017/08/23(水) 22:51:44 ID:whrL/yB20

その言葉の真意を問う前に、ガーディアンから視界を埋め尽くすほどの砲撃が放たれた。
一直線に迫るレーザーその直後に迫るミサイル弾頭、逃げ道を塞ぐようにばら撒かれた小銃の弾丸。
その全てを、デレの電磁フィールドが防ぐ。

爆炎の中を突き抜けた。

ξ#゚⊿゚)ξ 「はあああああっ!!」

右の肩から一直線に叩き付けた大刀。
装甲を食い破り、腕を切り離す。
そのまま腰部の軽機銃と一脚を分断した。

弾ける機械片。ハインから奪った機械武器は、エネルギーを使いつくして通常の直方体へと戻った。
もはや私のスーツにも、自分の運動能力を底上げするだけの最低限のエネルギーしか残っていない。
これ以上、機械武器の運用はできない。

「貴様ああああああああああ」

ξ゚⊿゚)ξ 「これで……終わりッ!」

154名無しさん:2017/08/23(水) 22:53:39 ID:whrL/yB20

脚を失って大きく傾いたガーディアン。
その内部にいるであろうワカッテマスの言葉。
その意味を私は理解できなかった。



「は……ははは……相打ちか」




ξ゚⊿゚)ξ 「……ッ!?」

その巨大さゆえに気づくのが遅れていた。
デレの受け持っていた右半身の装備が、一つも破壊されていないという事に。
焦って離れようとした自分を何とか押し留めた。

自分の近くにある装備はすべて破壊したのだ。
むしろ張り付いてる方が安全。

ξ゚⊿゚)ξ 「デレっ?」

少女の姿は何処にもない。その声も、反応も、完全に消えていた。

155名無しさん:2017/08/23(水) 22:54:24 ID:whrL/yB20

少女の姿は何処にもない。その声も、反応も、完全に消えていた。

ξ゚⊿゚)ξ 「嘘でしょ……」

「愚かなメカニックよ。あの機械人形は、自身を護るフィールドを張らなかった。
 それゆえにガーディアンの火力の前に撃墜された」

ξ゚⊿゚)ξ 「そんな……なんで……」

「もはや貴様を滅するのは為されたも同然。聞こえるか、絶望の足音が!」

機械の足音。
一機や二機どころではない、空間を揺るがすほどの数。

「ひとおもいに殺してやってもいいが、それでは私の気が収まらない。
 センチネルで全身をバラバラに引き裂いてやろうか。
 それとも、あのスイーパーに仕事をさせてやろうか」

ξ ⊿ )ξ 「デレ……」

156名無しさん:2017/08/23(水) 22:54:47 ID:whrL/yB20

こちらに向き直ったガーディアンの砲門が頭と心臓を狙う。
もう逃げる気力は残っていなかった。
私一人の力では残りの兵器全てを破壊するのは不可能。

詰み。デッドエンド。行き止まり。

それらを打破する力も、気概も失われた。
これならまだ、デレが生き残っていた方が良かった。
むざむざ殺されるだけの私を助けた彼女は、最期に何を考えていたのか。

もはや問う機会は無い。

センチネルの軍勢が、階下から現れた。
勝利を声高々に叫ぶかのように。鉄の床を荒々しく踏み馴らす。

「はーっはっはっは!! 散々手こずらせてくれたが、これで本当に終わりだ!。
 センチネルよ! その娘を蹂躙せよ!」

157名無しさん:2017/08/23(水) 22:55:18 ID:whrL/yB20








「なーにぼさっとしてるの?」






.

158名無しさん:2017/08/23(水) 22:55:51 ID:whrL/yB20

ξ゚⊿゚)ξ 「え……?」

爆音と共に、規則正しく並んだセンチネルは半ばから吹き飛んだ。
ただの一撃で、目測でもニ十機以上が残骸となる。
残った機体も何が起きたのか理解できずに、エラーを吐き出して動きを止めた。

「な、なにが起きている……!!」

爆発の中心、一機だけ無事なセンチネルのカラーリングが白から金に変わっていく。
美しく、煌びやかなその姿は、敵機であれど息を呑むほど。

「ツン! 最後のひと踏ん張り!」

少女の面影などどこにもなかったが、声を聞いた時には体が動いていた。
残った僅かなエネルギーを振り絞り、鉄機を変形させる。

ξ゚⊿゚)ξ 「コード:ジョーカー!!」

鉄機は収束され、手に収まるほどの小さなナイフとなる。
それを肩のレーザー砲に向けて投げつけた。

「させるかああああ!!」

159名無しさん:2017/08/23(水) 22:56:58 ID:whrL/yB20

肩のレーザー砲が、溜め込んだエネルギーで暴発を起こす。
ジョーカーは機械武器の最終コード。
自身の持つエネルギーを機械に侵入させ、武器諸共に破壊する。

ξ゚⊿゚)ξ 「そうでしょ、ハイン」

ζ(゚ー゚#ζ 「これで、終わりっだあああああああ」

金色のセンチネルは近接用のブレードを振るい、半身の装備と二脚を叩き落とした。
崩れ落ちたガーディアンの駆動音が、ついに消失した。

ξ゚⊿゚)ξ 「デレ……それは……」

ζ(゚ー゚*ζ 「私の身体を中に仕舞って、乗っ取ってるだけ。
   ほんと間抜けよね、これだけの装備を持つ武器をのこのこと昇らせて来るんだから」

ξ;⊿;)ξ 「デレぇ……!!」

飛びついた機体は、ごつごつして硬い。
少女とは全然異なる触り心地であっても、離れる気が起きなかった。

ζ(゚ー゚*ζ 「もう、どっちが子供なんだかわからないわ」

160名無しさん:2017/08/23(水) 22:57:35 ID:whrL/yB20

「なぜだ……! なぜ、なぜなぜなぜだああああ!!」

ζ(゚ー゚*ζ 「私たちの勝ちよ」

それ以上、言葉を交わすことは無かった。
ぶつぶつと聞き取れない言葉を話し続けるワカッテマスを無視し、デレの肩に飛び乗る。

戦いの最中の流れ弾で大きな傷も幾つかついていたが、
依然として破壊できるような雰囲気は無い。

ζ(゚ー゚*ζ 「後はこれだけ」

ξ゚⊿゚)ξ 「でも、どうやって開けるの?」

ζ(゚ー゚*ζ 「センチネルのシステムから機械都市全体にアクセスしたんだけど、
   機械都市側も知らないみたい」

ξ゚⊿゚)ξ 「あんまりゆっくりしている暇もないわ」

ζ(゚ー゚*ζ 「うーん……。私の記録にもない何者かがこの扉を作った。扉を作ったのよ。
  人類をこの機械都市に閉じ込めるだけなら、扉なんて必要なかった」

161名無しさん:2017/08/23(水) 22:58:02 ID:whrL/yB20

デレはセンチネルの身体で扉の表面をなぞる。
隠された端末を探しているのだろう。
センサー系を起動し、扉全体と付近御スキャンを開始する。

ξ゚⊿゚)ξ 「何もないわ」

ζ(゚ー゚*ζ 「私も見つけられなかった」


「ははは……だから言っただろう……その扉は開かないと」


ξ゚⊿゚)ξ 「まだっ……!」

倒れた時のまま動いていないガーディアンは、胸部の装甲を取り外し、
内部にある最も巨大な水晶を露出していた。。
本来は青い輝きを放っているはずの動力源は、燃えるように赤い。

ζ(゚ー゚*ζ 「なにを……」

「なに、オペレーターである私には、この機械都市のルールを徹底する義務がある。
 何者も外に出さないというのが、そのうちの一つだ」

162名無しさん:2017/08/23(水) 22:58:36 ID:whrL/yB20

ξ゚⊿゚)ξ 「ふん、だったらどうするってのよ」


「こうするんだよおおおおお!!」


赤く輝く水晶は、遠目からでもわかるほど強く脈打った。
目に見えるほどの濃密なエネルギーがガーディアンを中心に溢れ出す。

ζ(゚ー゚;ζ 「まさか……!!」

「死に際を見れないのは残念だ」

ξ;゚⊿゚)ξ 「っ! 自爆するつもり!?」

膨れ上がっていくエネルギーは、空間を満たしていく。
逃げ場などないことは明らかであった。

ζ(゚ー゚;ζ 「ガーディアンにはもうエネルギーが残ってなかったはずなのに!」

「先程君が言ったばかりだろう。そこにあるセンチネルの残骸。
 その動力源を全て繋げただけだ」

163名無しさん:2017/08/23(水) 22:59:25 ID:whrL/yB20

ζ(゚ー゚;ζ 「ツン!」

いきなり力強く引っ張られた。
胸部装甲が開き、センチネルの身体の中に閉じ込められる。

ξ;゚⊿゚)ξ 「何をするつもり! 出して! ねぇお願い!」

内側から叩く。
その音は外には届いていないだろうが、デレから通信が届いた。

ζ(゚ー゚*ζ 「大丈夫、ツンは私が護るから」

腕も足もない姿で、それでも凛とデレは立つ。


「全て消えろおおおお!!! ははははははっははは!!!」


膨大な光と熱の放出と共に通信は切れ、激しい衝撃で気を失った。

164名無しさん:2017/08/23(水) 23:02:49 ID:whrL/yB20







「っ……!」

がんがんと鳴り響く頭痛。
記憶がはっきりとせず頭を抑えて蹲っていた。

立ち込める熱気と、鉄が焦げた臭い。
両足を自由に伸ばせない狭い空間は所々が溶解し、隙間から無機質な光が降り注いでいた

立ち上がることすらもままならない場所で、
頭痛が収まるのをじっと待つ。
直前の記憶が思い出せずない。

自己診断をした結果、自身の置かれている状況だけを把握した。

165名無しさん:2017/08/23(水) 23:03:40 ID:whrL/yB20

左腕の肘から先、消失。

視覚サポート、不良。

右脚の駆動関節、一部破損。

運動能力サポート、不可。

スーツエネルギー残量、無し。

膨大な熱量によるオーバーヒート寸前。

読めばきりがないほどの状態。
ようやく痛みが収まって来た頭で、この狭い空間を出ることを決めた。
目の前の溶けかけた装甲板を蹴り飛ばす。

人間の力でも易々と壊れるほど痛んだ鉄くずは、大きな音を立てて転がった。
外の世界に拡がっていたのは、想像以上の光景。

ξメ⊿゚)ξ 「っつつ……」

溶けて変形した壁と、地面。爆心地らしき場所にあいた巨大な穴は、爆発の凄まじさを窺わせた。
あらゆる残骸が粉々になり、壁面にうず高く積み上がっている。
付近の材質とは異なる背後の壁も、人一人が通れるほどの隙間を開けるほどに歪んでいた。

166名無しさん:2017/08/23(水) 23:04:42 ID:whrL/yB20

ξメ⊿゚)ξ 「一体……何が……」

歩くだけでも焼けそうになるほど熱された床の上に立ち、
部屋全体にスキャンをかけた。
真っ赤に染まる一面の中で、ごくわずかに光った生体反応。
見逃してしまいそうなほど小さなそれは、歪んだ壁の前の残骸から発せられていた。

ξメ⊿゚)ξ 「誰かいるの……?」

右手が焼け付くのも構わずに、鉄くずの山を掘り起こす
大切な何かがそこにある気がして、必死になって腕を動かす。
右腕一本しかないせいで、手間がかかるのがもどかしい。

残骸にまみれていたのは、人型の機械。
抱き起した華奢な骨格の頭蓋に残った小さな光が、明滅した。
酷くノイズの混じった音が、私の名前を呼んだ。



「ツ……ん……?」

167名無しさん:2017/08/23(水) 23:05:13 ID:whrL/yB20

その瞬間に、記憶の奔流に飲み込まれた。
密度の濃い流れに意識を失わない様に、歯をくいしばって耐える。


巨大な機械


真っ赤な水晶


狭くて暗い部屋に閉じ込められた


外に残ったのは一人


大切な友人


大事な仲間


機械人形の少女


人間よりも、ずっと人間らしい少女

168名無しさん:2017/08/23(水) 23:06:09 ID:whrL/yB20

全てを思い出した瞬間に、その名前を叫んだ。
途端に溢れ出て来る大粒の涙。
胸のうちの押し寄せた感情を、堪えることなどできるはずもない。

ξメ⊿;)ξ 「デレ!!!」

ζ(   *ζ 「ナき……むし……ね……」

ξメ⊿;)ξ 「デレ! デレ! デレ!」

冷たいその身体を、必死になって抱きしめる。
壊れてしまいそうなほど優しく、二度と離すまいと力強く。

ζ(   *ζ 「とびラ……ハ……?」

ξメ⊿;)ξ 「あいた……! あいたよっ……!」

修理など望むべくもない、完全な破壊。
命が残っているのすら奇跡。

彼女は、そんな状態にありながらでも、腕を伸ばして私の涙をぬぐった。
止め処なく流れ続ける涙は、少女の手の甲に受け止められる。

ζ(   *ζ 「アッタ……かい……」

169名無しさん:2017/08/23(水) 23:06:50 ID:whrL/yB20

ξメ⊿;)ξ 「っ!!」

ζ(   *ζ 「そト……みたカったなぁ……」

その一言で、彼女は既に視力すら失ってしまったのだと気付いた。
デレに辛うじて残されているのは、僅かな聴力のみ。
軽くなってしまった彼女の身体を抱き上げ、扉の隙間から外に出る。

狭く苦しくなるようなトンネルの先に、光が見えた。
光に包まれるようにして、私たちはゼロ層───地上に足を踏み入れた。

ζ(   *ζ 「アお……ぞら……かな?」

ξメ⊿;)ξ 「うん! うんっ! ずっと向こうまで拡がってる!
   誰も届かないくらいに、ずーっと先に」

ζ(   *ζ 「そっカぁ……ヨかっ……タ……」

ξメ⊿;)ξ 「デレ、きれいな湖があるよ。向こうの山は、緑でいっぱい。
   鳥が飛んでる! 本物は初めて見た!」

彼女は視認出来ない。
だから伝える。言葉にして、全てを。
彼女が望んでいた、外の世界の全てを。

170名無しさん:2017/08/23(水) 23:08:09 ID:whrL/yB20

ξメ⊿;)ξ 「デレ、魚がはねたわ。風にね、香りがあるの。とても優しいかおり。
   くもが本当に浮かんでる。しろくてふわふわで、お菓子みたい」

ζ(   *ζ 「うン……」

ξメ⊿;)ξ 「デレ、大きな羽をもつ虫が飛んできたわ。ひらひらと風に揺られて飛んでるの。
   とてもかわいくてきれい」

ζ(   *ζ 「ウん……」

ξメ⊿;)ξ 「デレ……! デレ……!」

ζ(   *ζ 「ひトり……に……しテ……ゴめんね」

ξメ⊿;)ξ 「いいえ、私たちはずっと一緒よ。これからもずっと」

弱々しい光の明滅が、だんだんと緩やかになっていく。
それは、彼女の心臓の輝き。
残された極々短い時間の中で、精一杯私は腕の中の少女に話しかけ続けた。

ζ(   *ζ 「ツン……」

ξメ⊿;)ξ 「なに?」



ζ(^ー^*ζ 「ありがとう」

171名無しさん:2017/08/23(水) 23:08:54 ID:whrL/yB20

可愛らしかった少女の造形は、爆発の衝撃と熱気で失われてしまった。
それでも、私はそこにかつての笑顔を見た。

ゆっくりと、眠る様に静かになった少女の身体を抱いて立ち上がる。

せめて、彼女の大好きだった世界に包まれて眠れるようにと、
ただただ彼女の安寧を願って。
一歩ずつ、踏みしめるように歩く。

彼女が歩きたかったはずの大地と、
彼女が感じたかったはずの風と、
彼女が触れたかった地上の全てを想って。


私は歩く。


行き先はわからない。
行き方もわからない。


それでも、歩みを止めることは無い。


私は歩く。



彼女と一緒に夢を見れる場所を探して。

172名無しさん:2017/08/23(水) 23:10:02 ID:whrL/yB20

E  N  D

173名無しさん:2017/08/24(木) 01:58:41 ID:eKVL3TAg0
乙…すごくよかった。
ハイン視点の話とかも見てみたくなる。

174名無しさん:2017/08/25(金) 08:25:07 ID:GodUFYao0
バッドエンドやめてよぉ…

175 ◆TflJu3mvXc:2017/08/27(日) 01:08:20 ID:YPyRLyrg0
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176名無しさん:2017/08/27(日) 12:05:53 ID:/IDBt/Zo0


177名無しさん:2017/09/02(土) 20:51:24 ID:/GZOcmjM0
ハインがいいキャラしてるわ
世界観がとてもよかった、乙

178名無しさん:2017/09/08(金) 09:58:04 ID:1Ojhey.c0

懸命なツンがかっこよかった

179名無しさん:2017/09/08(金) 23:21:18 ID:HcfJYqls0
こういうディストピア作品、ほんと好き
もっと評価されるべき

180名無しさん:2017/09/09(土) 00:45:56 ID:YDz5pgnM0
設定がとても良い


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