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从 ゚∀从銀河鉄道車掌長の帰りを待つようです
1
:
◆lWV9WxNHV.
:2017/08/22(火) 09:35:24 ID:OUAA5tbg0
0 銀河ステーション
1 銀河鉄道
2 銀河の星屑
3 銀河のどこか
4 銀河の果て
5 銀河鉄道の夜
6 銀河鉄道車掌長の帰りを待つ
209
:
◆lWV9WxNHV.
:2017/08/22(火) 21:26:31 ID:AxsdikKc0
男たちに手足を掴まれる。暴れると顔を殴られた。殴られても私は抵抗した。暴れた。
苛立った男に首を締められて失神しそうになった。拘束を取り付けられてなおも犯された。
お母さん。タオルを口に詰め込まれながらも私は叫んだ。お母さん。お母さん。お母さん。
行為が終わり拘束具を解かれると乳首に貼られたローターを剥がして汚れた身体のまま寝室のドアを開けた。
そこには母親も彼らもいなかった。どこに行ったの、と男たちに訊いても何も答えてくれなかった。
男たちは順番にシャワーを浴びると帰っていった。私は一人部屋のなかでうずくまった。
涙が止まらなかった。お母さん。私はどうしてこれほどに愚かなのだろう。
この子は私のたった一人の大切な娘なの、お母さんの言葉を反芻する。
私は親不孝者だ、どうしようもない、親不孝者だ。
210
:
◆lWV9WxNHV.
:2017/08/22(火) 21:27:34 ID:AxsdikKc0
深夜になって彼らは帰ってきた。お母さんは、と訊いても何も答えなかった。
しつこく訊くと斉藤にひどく殴られた。そして荒々しいセックスが始まった。
散々犯されて傷つけられた。彼らの乱暴なセックスは一度では終わらず夜明け近くまで続いた。
私は痛みに耐え続けた。膣と身体の痛みは張り裂けそうな胸の痛みよりはましだった。
私の身体はあまりにも乱暴に扱われて、傷だらけになっていた。
やりすぎたな、とタカラが呟いた。暫く仕事は休みになった。
母親について訊くと猿轡をされて寝室に半日以上放っておかれた。
彼らは熱心にニュース番組を見ていたが、やっぱり大丈夫そうだなと斉藤が漏らした。
211
:
◆lWV9WxNHV.
:2017/08/22(火) 21:28:29 ID:AxsdikKc0
半月ほどが経って、初めて私を外に連れ出すとタカラが言った。
普通の服に着替えさせられ、目隠しをされてパーカーのフードを深く被せられた。
拘束具はされなかったけれど両脇をがっちりと固められて部屋を出た。
( ,,^Д^)「よし、歩け。 そこで右だ」
マンションの監視カメラを意識して不自然にならないようタカラが指示した。
エレベーターで降りると車に乗せられた。拉致された時のように寝かされず、シートに座らされた。
( ,,^Д^)「よし、行くか」
運転手はタカラのようだった。
声の位置からして、助手席に斉藤、後部座席には私とポーンが座っていた。
ホ ゚ーン「普通に座らせておいても大丈夫っすかね」
(・∀ ・)「後部座席はスモークあるし大丈夫だろ。 一応変な気起こさないように見とけよ」
ホ ゚ーン「了解っす。 変な気起こさないよな、なっ!?」
ポーンが私の肩を叩く。私ははぁとだけ頷いた。
212
:
◆lWV9WxNHV.
:2017/08/22(火) 21:29:31 ID:AxsdikKc0
車は暫く発進と停車を繰り返したあと、止まらなくなった。会話から察するに高速道路に乗ったらしい。
ホ ゚ーン「やっぱり高樹町から三茶まで渋滞してんすね」
( ,,^Д^)「三茶は上り勾配だし交通量増えるから一気に混むんだよなぁ」
(・∀ ・)「まぁ東名入ったら渋滞ないみたいだしよ」
高樹町、三茶、東名、あまり位置関係は掴めなかった。東京から東名高速に入ろうとしている事だけは分かった。
一時間と少し走るとそろそろいいだろ、と目隠しを外された。久しぶりに部屋とベランダから以外の景色を見た。
車は高速道路を走っていて、トンネルを抜けると西湘バイパス、箱根ターンパイク、箱根新道と書かれた看板が現れた。
箱根新道と書かれた道路へ車は進み、信号のない急勾配の山道に入った。
( ,,^Д^)「いやぁいいねぇ、登りの加速が違うよ」
(・∀ ・)「2.0のターボだからな」
高級車らしく、車内はとても綺麗でセダンなのに広々としていてゆとりがある。高そうだと思った。
座っているシートも革張りのものだった。
(・∀ ・)「いいなぁ、下りは俺だからな」
ホ ゚ーン「えーじゃあ俺はいつっすか」
(・∀ ・)「お前は海老名からな」
ホ ゚ーン「そんな〜」
三人はいつもと違って上機嫌だった。
まるで新しい玩具を与えられて喜ぶ子供のようだった。
213
:
◆lWV9WxNHV.
:2017/08/22(火) 21:30:37 ID:AxsdikKc0
( ,,^Д^)「よし、休憩しようぜ」
道の駅箱根峠と書かれた駐車場に車を入れた。
勾配の途中に木造の建物があって随分と高低差がある事が分かる。
降りて車を見ると大型のセダンだった。車体は輝いて高級車に見える。
木造の建物の裏は展望デッキになっていて眼下に広がる湖とその奥にある山々が見えた。
ここが箱根峠ならばあの湖は芦ノ湖だろう。奥にある山々は箱根の山々だ。
ホ ゚ーン「天気いいっすね〜」
(・∀ ・)「帰りはMAZDAターンパイクで行こうぜ」
( ,,^Д^)「運転手に任せるよ」
彼らとこうして外出してのんびりと時間を過ごすのは初めてだった。
ずっと監禁されていたのだし、変な気分だった。どういうつもりなのだろう。
ただのドライブならば三人で行けばいいし、私を一人あの部屋に残してもウインドロックをすればどうせ助けも呼べない。
从 ゚∀从「あの、なんで私外に出してもらえたんですか」
車に乗り込んでから思い切って訊いた。
復路は運転手が斉藤で助手席にタカラが座り、後部座席は往路同様私とポーンだった。
214
:
◆lWV9WxNHV.
:2017/08/22(火) 21:32:42 ID:AxsdikKc0
( ,,^Д^)「まぁ気まぐれではあるよな、お前を外に連れていくのは色んなリスクがある」
でもなぁ、とタカラは笑った。
( ,,^Д^)「この車の事もあるし、記念に見せておこうと思ってな」
斉藤が車を発進させる。力強いトルクでぐんぐん加速していく。
从 ゚∀从「記念…」
( ,,^Д^)「あぁ、まあな」
車はもと来た道を戻り、途中から違う道路に入った。
斉藤は一時停止標識を無視して加速しつつ合流する。
ホ ゚ーン「斉藤さん一時停止違反で捕まったりするのマジでないっすよ」
(・∀ ・)「うるせーな分かってるよ」
( ,,^Д^)「椿ラインは意外とカーブがエグいから飛ばしすぎんなよ」
215
:
◆lWV9WxNHV.
:2017/08/22(火) 21:33:53 ID:AxsdikKc0
斉藤が言っていたMAZDAターンパイクの入り口を過ぎる。
道路は山の中を何度も曲がりくねくねと進む。交通量は往路の道路と比べると極端に少ない。
途中カーブの膨らんだスペースのところに車を停めた。
(・∀ ・)「ここらへんか」
( ,,^Д^)「明るいと全然分かんねーな」
ホ ゚ーン「あっでもあの石碑みたいなの見覚えありますよ。 ここで間違いないっす」
( ,,^Д^)「だとよ。 おい、ここらへんだ」
タカラが私に向かって言った。
从 ゚∀从「ここらへん…?」
( ,,^Д^)「あぁ、お前のお母さんが眠ってるの、ここらへんだ」
从;゚∀从「え…?」
216
:
◆lWV9WxNHV.
:2017/08/22(火) 21:35:16 ID:AxsdikKc0
意味が分からなかった。呆然としてしまった。
(・∀ ・)「まぁ手でも合わせとけや」
ホ ゚ーン「斉藤さんマージ鬼畜っすわ〜ぜってー地獄落ちるわ」
(・∀ ・)「るせーよお前を殺すぞ」
ホ ゚ーン「ひえーやっぱ殺した人が言うと説得力あるなぁ〜」
( ,,^Д^)「バカ、お前も含めて全員共犯だろ」
ホ ゚ーン「確かに〜」
最悪だ。最悪の結末だ。
殺された? 母親が? 殺された?
从;゚∀从「こ、殺したの…? お母さんを…?」
217
:
◆lWV9WxNHV.
:2017/08/22(火) 21:36:36 ID:AxsdikKc0
( ,,^Д^)「引き込められばと思ったんだけどありゃあ火に油だったな、失敗したわ」
失敗?
(・∀ ・)「ほんとバカな女ほどヒステリックになるんだよな、最期までうるさかったなぁあの年増」
最期まで?
ホ ゚ーン「そう言いつつもったいないしたまにはババアともヤッてみるって言い出したの斉藤さんっしょ〜マジで死姦始めたのはドン引きでしたよ」
死姦?
(・∀ ・)「意外とすぐならオナホールだと思えばイケるんだよ、新しい発見だわ。 人生日々勉強」
( ,,^Д^)「似合わねー事言うなよ。 しかし斉藤あれは本当にひいたぞ」
(・∀ ・)「仕方ねーだろ、俺だって生きてるうちにヤりたかった訳よ。 でもああして殺さなきゃいけなかったんだしさ」
从;゚∀从「お…お母さんは…」
218
:
◆lWV9WxNHV.
:2017/08/22(火) 21:38:26 ID:AxsdikKc0
( ,,^Д^)「あ? あそこらへんで眠っているよ。 でも深夜に土掘って死体埋めるのドラマみたいだったな」
(・∀ ・)「でも見つからなさそうな場所にうまい事埋めたしな。 大丈夫だろ、こんなところじゃ」
ホ ゚ーン「深夜だから一台も通んなかったっすけど昼間でも一台も通んないっすもんね。 しかも結構奥まで行ったし」
(・∀ ・)「おい、別れは済んだか? 今生の別れだぞ」
( ,,^Д^)「いや今生の別れってもう死んでるから」
ホ ゚ーン「斉藤さん凡ミス〜」
(・∀ ・)「っせーな」
斉藤が車を発進させる。石碑のあるカーブの膨らみが一気に遠ざかった。
( ,,^Д^)「あ、あとこの車な、トヨタ・クラウンアスリートって言うんだ」
从 ゚∀从「トヨタ・クラウンアスリート…」
(・∀ ・)「そう、トヨタ・クラウンアスリート。 女でもクラウンぐらい知ってるだろ」
219
:
◆lWV9WxNHV.
:2017/08/22(火) 21:39:57 ID:AxsdikKc0
ホ ゚ーン「本当はAudiとかベンツが良かったのに」
( ,,^Д^)「バカ、やっぱり国産車だろ」
ホ ゚ーン「オッサン趣味っすよ、MINIとかの方がカッコいいっすよ」
(・∀ ・)「そんなのはどうでもいいんだよ、お前のお母さんとの交渉が残念ながら決裂してまぁ眠ってもらってからな、お前の家に行ったんだよ。
本当はキャッシュ・カードの暗証番号が知りたかったんだけど死人に口なしって言うだろ。 家の鍵はあったからものの試しにな」
( ,,^Д^)「ほんと、ものの試しだな。 あんなボロアパートに金目のものなんて絶対ないって言ってたしな」
ホ ゚ーン「せめてあの女の貴金属どこかで転売すればなんとかって感じでしたもんねぇ」
(・∀ ・)「それがドンピシャだったんだ。 日光甚五郎煎餅の空き缶あったの覚えてるか? あの通帳とか印鑑入ってる空き缶だよ。
なんとその底に分厚い封筒があって、まさかと中身を見たら現ナマ四百万! たまげたね、マジでいい臨時収入になった」
( ,,^Д^)「おかげでこの夢のトヨタ・クラウンアスリートを中古とはいえ買えたんだよ、いつかはクラウン、ってな」
220
:
◆lWV9WxNHV.
:2017/08/22(火) 21:41:39 ID:AxsdikKc0
(・∀ ・)「しかもその封筒にはな、学費、とだけ書いてあったんだよ。 泣けるよな〜こんな親不孝者のバカ娘のために学費四百万!
まぁあんな水商売やりながら娘を大学まで行かせるんだからな、本当にお前は親不孝者のクズだよ」
ホ ゚ーン「かぁ〜斉藤さんマジ鬼畜っすわ〜どんな畜生でも斉藤さんには勝てねえ〜」
(・∀ ・)「うるせえお前も箱根に埋めるぞ」
ホ ゚ーン「ひぇ〜ご勘弁を〜」
私はもう言葉が出なかった。あぁそうか、お母さん車になっちゃったんだ。
当たり前の事を忘れていた。大学の学費を出してくれていたのは他でもないお母さんだ。
大学も、高校も、中学校も、小学校も、保育園も、学費は他ならないお母さんが出してくれた。
出勤前に夕食を作っておいてくれたのもお母さんだ。私をこれまで育ててくれたのはお母さんだ。
それなのに。
私はお母さんがずっと嫌いでした。
この子は私のたった一人の大切な娘なの。
私は取り返しのつかない事をした。
もうお母さんはいない。
謝る事も出来ない。
もう取り返しがつかない。
221
:
◆lWV9WxNHV.
:2017/08/22(火) 21:42:46 ID:AxsdikKc0
後は何があるのだろう?
私は急に不思議な気持ちになった。
もうお母さんがいないのに、これ以上どうするというのだろう?
乱交セックスを収めた動画や写真が世に出回るのが怖い?
背中に彫られた入れ墨のせいで社会的立場を失うのが怖い?
お母さんに感謝する事もなく謝る事も出来ずもう永遠に会えないというのに、それらが何になる?
これまでの恐怖心が一切消えた。それは生に対する執着心の消滅を意味していた。
トヨタ・クラウンアスリートはMAZDAターンパイクに入り下り坂を猛スピードで駆け抜けていた。
やりすぎだ、とタカラに窘めながらも斉藤は華麗なハンドルさばきでカーブを曲がりきった。
山間部を走る道路の前方に車は一台もなく斉藤はアクセルを踏み込みトヨタ・クラウンアスリートは一気に加速する。
カーブに差し掛かる。視界が一瞬開ける。谷の上だった。
私の行動はあっという間だった。彼らは全員油断していて私に注意を払っていなかった。
後部座席から身体を伸ばした私は長い右カーブでハンドルを掴み思い切り左に切った。
(・∀ ・)「バカ野…
声は途切れた。
222
:
◆lWV9WxNHV.
:2017/08/22(火) 21:43:57 ID:AxsdikKc0
世界が回転していた。
スピードを保ったまま右カーブに対して殆ど垂直に柵に突っ込んだトヨタ・クラウンアスリートはボンネットが潰れながらも跳ね上がった。
私の乗るトヨタ・クラウンアスリートは柵を容易に越えて回転しながら道路から落ちた。勢いを失わないままぐるぐる回って車体は落ちる。
眼下には山の斜面に木々が広がる。道路から随分と高さがある。トヨタ・クラウンアスリートが回る。世界が回る。私も回る。
きっとこの高さでは助からない。この凄惨な事故では助からない。回りながら私は冷静に考えていた。
まるで走馬灯のように二十年間の思い出が駆け巡る。いやこの場合は本当に走馬灯だ。
落下しながら回転を続けるトヨタ・クラウンアスリートのように私の人生が凄まじいスピードで駆け巡った。
どうしてこうなったのだろう。間もなく地面に到達する。トヨタ・クラウンアスリートは叩きつけられて大破する。私の身体は潰される。
幼少期。小学生。中学生に高校生。そして大学生。私のこれまでが現れては消える。目まぐるしく駆け巡る。
もっとこうしたかった、あれをやり残した、あの時ああしていれば、そういう後悔は尽きないしもう取り戻せない。
ただ今この選択だけは間違っていなかった、とだけ思った。世界が暗転した。トヨタ・クラウンアスリートが地面に叩きつけられる。
フロントガラスが粉々に砕けて車体は大きく湾曲し圧縮されて私の身体は潰される。衝撃と共に意識が飛
从 ;∀从「思い出したよ…全部…」
あの小田原城から見えたのは箱根の山々だった。お母さんが眠る箱根の山だ。
私は忘れていた。幸福にも全て忘れていた。そして残酷にも全て思い出した。
でもこれはどうしようもない、変えようのない現実であり過去なのだ。
私の過去。私の人生。私は思い出した。
223
:
◆lWV9WxNHV.
:2017/08/22(火) 21:46:05 ID:AxsdikKc0
从 ;∀从「クー」
私の身体が消え始めていた。江ノ電の車内で、私の身体が光の粒になって消えていく。
从 ;∀从「クー…クーを、一人にしてしまう」
私は泣いていた。取り戻した記憶の悲しみ。そしてクーを銀河鉄道に一人取り残すという悲しみ。
从 ;∀从「消えたくないよ…クーとずっといたかった…クーを一人にしたくなかった」
ううん、とクーは首を振る。
川 ゚ -゚)「それは違うよハイン、ハインは全部思い出したんだ。 自分を、記憶を取り戻した。 喜ぶべき事だよ」
从 ;∀从「でも、でもクーは」
川 ゚ -゚)「うん、私は銀河鉄道で一人になる。 でも記憶を取り戻せない私には、仕方のない事なんだ」
私はクーの手を握った。感触はもう半分ほどしかなかった。
224
:
◆lWV9WxNHV.
:2017/08/22(火) 21:47:32 ID:AxsdikKc0
从 ;∀从「ねぇ、もしも生まれ変わりとかがあるなら、次こそ私は真っ当に生きたい。 そしてまたクーに会いたい」
川 ゚ -゚)「うん」
从 ;∀从「だからクーも生まれ変わって、私と出会ってほしい。 わがままだけど…またクーに出会いたい」
川 ゚ -゚)「うん。 また会おう」
从 ;∀从「待ってるから」
川 ゚ -゚)「うん。 ハイン、待ってい
クーの姿が見えなくなった。光に包まれていた。
死後の世界はあるのだろうか。あったとして、こんな私は天国に行けるのだろうか。
そういえばお母さんは私が幼い頃に人は死んだらお星様になるんだよ、と教えてくれた。
お母さんはお星様になっただろうか。私はお星様になれるだろうか。
私は銀河鉄道の車窓から見えた銀河の星の一つになれるのだろうか。
クーが銀河鉄道の夜に見る、一つの星に。
意識が遠のいていく。
でもそれは沈んでいくというより、浮かび上がる感じだった。
225
:
◆lWV9WxNHV.
:2017/08/22(火) 21:48:38 ID:AxsdikKc0
6 銀河鉄道車掌長の帰りを待つ
226
:
◆lWV9WxNHV.
:2017/08/22(火) 21:49:28 ID:AxsdikKc0
私が目を覚ましたのは白い部屋だった。
暫くしてどうやらそこが病院であると気がついた。
もしや生まれ変わったのか、と思ったけれどどうやら違うようだった。
目を覚ました私に気がついて看護師がどこかにすっ飛んでいった。
後に医師や警察から聞かされた話を総合すると、
私と彼ら三人を乗せたトヨタ・クラウンアスリートはMAZDAターンパイクにてクラッシュ、柵を越えて高架下に転落。
直後付近を通りかかったライダーが大破した柵を確認し警察に通報、神奈川県警による捜索で高架下に転落したトヨタ・クラウンアスリートを発見した。
乗員全員が救急搬送されたものの彼ら三人は死亡、私だけが奇跡的に一命をとりとめた。
私は五十日ほど意識不明の状態だった。
227
:
◆lWV9WxNHV.
:2017/08/22(火) 21:50:02 ID:AxsdikKc0
意識を取り戻したと聞いて警察が事情聴取に来たものの、あの事故はハンドルミスとして処理されているようだった。
しかし私は行方不明届が出されていてそちらの聴取も行われた。私は全てを喋った。
藤沢で援助交際をしていた事、彼らに拉致監禁されていた事、多くの客と行為をさせられた事、お母さんが殺され埋められている事。
あの石碑の近くだと私は覚えていて差し出された地図で説明をした。後日捜索が行われてお母さんの死体が土の中から見つかった。
私は入院していたし一ヶ月半も意識不明状態だったために一人で歩く事すら出来ず葬儀には参列出来なかった。
葬儀は富山県から連絡を受けて駆けつけた親戚が執り行ってくれた。顔も知らないその親戚は母の兄だそうだ。
事情を聞いても辛かったな、と私に言うだけで責めるような事はしなかった。私はベッドでただただ泣いていた。
彼ら三人は容疑者死亡のまま書類送検となった。
あのマンションは東京の淡路町・小川町の駅前にあった。彼らの痕跡を徹底的に調べて客やあの獰猛な男たちを追うという。
228
:
◆lWV9WxNHV.
:2017/08/22(火) 21:50:28 ID:AxsdikKc0
時間の経過と共にどうしてもあの銀河鉄道が気になった。私は死んでいなかった。
あの銀河鉄道で旅をしていた期間と同じ五十日あまり意識不明となっていた。
あの銀河鉄道は、夢だったのだろうか。いつしかそう思うようになった。
意識不明の間にずっと夢を見ていたんです、そんな事を医師に言っても信じてもらえないだろう。
あの銀河鉄道はあまりにも非現実的だった。しかしその反面リアルだった。
ヒートも、ドクオも、トソンも、そしてクーも、夢の中の登場人物だったのだろうか。
クーと二人で過ごしたあの長い時間も、夢だったのだろうか。
もやもやして仕方なかった。でも何も裏付けるものはなかった。
クーと生まれ変わったらまた出会おうと約束したのに。
私は生きていた。死んでいない。
クーは夢の中の登場人物に過ぎないのだろうか。
会いたいと思った。クーに会いたい。夢を見れば会えるのだろうか。
だけどどれほど眠っても銀河鉄道の夢を見る事はなかった。
もどかしくて仕方がない。だけど、どうしようもない。
229
:
◆lWV9WxNHV.
:2017/08/22(火) 21:52:49 ID:AxsdikKc0
そんな風に時間が過ぎて、リハビリをしながらの入院生活が三ヶ月経った頃、来客がやって来た。
リハ*゚ー゚リ「あの、ハインさん、来客が来てるんですけど」
从 ゚∀从「来客?」
何故か申し訳なさそうに受け持ちの看護師が病室にやって来た。
リハ*゚ー゚リ「なんでも会えば分かるって強引に来ちゃって」
从 ゚∀从「え、なんか怖いんですけど」
すると廊下から男が顔を出した。私は飛び上がりそうになった。
('A`)「よう」
あのドクオだった。
('A`)「びっくりしただろ」
看護師が去っていった後に、ドクオはベッド脇のパイプ椅子に座りにやりと笑った。
从;゚∀从「な、なんで」
('A`)「お前夢の中の登場人物のはずじゃ、的な?」
从 ゚∀从「何故分かる」
('A`)「仕方ない仕方ない、俺も最初はそう思った」
230
:
◆lWV9WxNHV.
:2017/08/22(火) 21:54:18 ID:AxsdikKc0
それは正真正銘ドクオだった。あの陰鬱そうな顔、癖っ毛の前髪、手入れもした事がなさそうな太い眉。
服はさすがに上下黒のユニクロのスウェットではない。
('A`)「お前どのぐらい向こうにいた? 俺は三週間だったからリハビリ二ヶ月近くかかったわ。 筋肉って使わないとすぐ衰えんのな」
从 ゚∀从「えっ、向こうって?」
('A`)「決まってんだろ、銀河鉄道だよ」
本当にあるんだ。私は、嬉しくなった。
从 ゚∀从「あるの? 銀河鉄道が?」
('A`)「そうだな、簡単に言おうか。 あの銀河鉄道は死んだ人間が乗客として乗り込んでくる、という前提だっただろ? まずその前提が違ったんだ。
銀河鉄道に乗っていたのは意識不明になった人間だった」
从 ゚∀从「意識不明になった人間」
('A`)「俺も家から飛び降りて意識不明の重体だった。 お前も意識不明だっただろ?
意識不明の間、俺たちはあの不思議な銀河鉄道に乗っていたんだ。 そして銀河鉄道で自分の記憶を取り戻す事は成仏でも何でもない。
現実世界で目を覚ますのさ」
从 ゚∀从「あ…」
('A`)「お前もあの銀河鉄道で自分の記憶を取り戻したんだろ? 消えたと思ったらこの病院で目が覚めたって感じだろ?」
从 ゚∀从「うん」
('A`)「な、あそこは先人が自分は死んだと思い込んだから誤解が受け継がれちまったんだ。 自分は死んだ、記憶を取り戻したら旅の終わりって。
でも実際は違った。 全員生きていた。 記憶を取り戻すと現実世界に帰ってくる。 これが答えだ」
从 ゚∀从「じゃあ」
('A`)「あぁ、ヒートは生きてる。 トソンも、クーも恐らく生きてる」
231
:
◆lWV9WxNHV.
:2017/08/22(火) 21:55:24 ID:AxsdikKc0
私は涙が止まらなかった。
ドクオが生きている、ヒートが生きている、トソンが生きている、そしてクーが生きている。存在している。同じ世界に。
嬉しかった。夢だったのではと、あの二人の長い時間を否定しそうになった。もう会えないのだと思った。
でもクーは生きている。この世に、存在している。
('A`)「何も泣くなよ」
从 ;∀从「だって…あれ、ドクオはどうしてその答えにたどり着いたの」
('A`)「ヒートの最後があっただろ、あれもし現実なら新聞とかに残るはずだって思って調べたんだ。 そしたらヒット。
静岡市駿河区の静岡鉄道静岡清水線の踏切で女子高生が車椅子の同級生を残し人身事故、これらが出てきた。
これであぁあの銀河鉄道はパラレル・ワールドだかなんだか知らないけど本物だったんだって。
こんな事誰に言っても信じてもらえないし当事者同士でしか分かんないけどな」
从 ゚∀从「ヒートには?」
('A`)「会ったよ。 会って真相を伝えた。 はじめ俺を見たらお前みたいな反応してたよ」
从 ゚∀从「そっか、元気そうで良かった」
('A`)「俺の後はどうなったんだ?」
从 ゚∀从「先にトソン、後で私が記憶を取り戻したよ。 新しい乗客は私が消えた時にはいなかった」
クーはきっと一人でまた江ノ電に乗って銀河鉄道に戻ったはずだ。そう考えると心が傷んだ。
232
:
◆lWV9WxNHV.
:2017/08/22(火) 21:56:34 ID:AxsdikKc0
('A`)「そうか、早いところトソンを見つけて教えてやりたいな」
从 ゚∀从「そうだね」
('A`)「どんな感じだったんだ、お前とトソンは」
私は自分とトソンの取り戻した記憶、過去を簡潔に話した。
同じ銀河鉄道で旅をしたドクオに自分の汚れた過去を話すのは苦ではなかった。
('A`)「ははぁ、お前ビッチじゃねーか」
从#゚∀从「お前っ、お前よくこの流れでそんな事が言えんなオイ!」
('A`)「悪かったって。 しかし胸でけーな」
从#゚∀从「反省してんのかオイ」
('A`)「嘘だ嘘。 そうか、トソンは大津か」
从 ゚∀从「あれ、お前はなんで私の居場所が分かったんだ? 私が藤沢出身って先に消えたお前は知らないだろう」
('A`)「お前が初めて行った街、小田原で記憶を少し取り戻しただろう。 それで近辺で記事を調べたんだ。
そしたらヒット、MAZDAターンパイクのクラッシュ事故で三人死亡の記事にお前の名前があったんだよ。 ハインリッヒさん重体って」
从 ゚∀从「なるほどな…でもなんで病院まで分かったんだ」
233
:
◆lWV9WxNHV.
:2017/08/22(火) 21:57:51 ID:AxsdikKc0
('A`)「俺の親戚がちょっと有名な凄腕医者だって覚えてるか」
从 ゚∀从「うん」
('A`)「ちょっとしたパイプみたいなものがあってね、調べてもらったんだ。 トソンは分からなかったけど、お前とヒート、クーは分かった」
从;゚∀从「えっ?」
私はまた飛び上がりそうになった。
从;゚∀从「クーの居場所を知っているの…?」
('A`)「あぁ、分かるぜ。 治ったら行くか」
从 ゚∀从「行く。 絶対に、行く」
('A`)「俺まだクーのところには行ってないんだ。 もう目覚めてるか、まだ銀河鉄道に乗っているかは分からないけどな。
じゃあクーはお前に託すよ」
ドクオは携帯電話からクーのいる病院名と住所をメモに書き写した。
私はそれを大切に受け取った。
从 ゚∀从「ドクオ、本当に助かったよ。 ありがとう。 全部夢だったんじゃないかって諦めかけてた。 ドクオが来なければ分からなかった」
234
:
◆lWV9WxNHV.
:2017/08/22(火) 21:58:35 ID:AxsdikKc0
('A`)「どうも。 俺もクズだったから、これぐらいはするさ」
从 ゚∀从「ドクオそんなにクズじゃあないよ」
('A`)「クズだよ。 でももう過去には戻れない。 先に進むしかない。 そうだろ?」
从 ゚∀从「うん。 未来があるんだから、先に進む」
('A`)「だな」
私は多くを失った。お母さん、時間、社会的地位。でもそれらはもう取り戻せない。
後悔はする。後悔はするけれど、後悔しているだけではどこにも進めない。
確かにこの身体では、海にもプールにも温泉にも入れない、会社の更衣室で着替える事も出来ない。
それでも私はこの入れ墨を十字架として背中に背負う。過去の罪は消えない。消えない罪はここにある。
十字架を、消えない罪を背負いながら、私は生きていく。生きる事と未来へ進む事は、同じ事だ。
JR東海道線で横浜駅まで乗り、横浜駅から東急東横線に乗り換える。
クーが入院しているのは横浜だった。私はクーが嘔吐したあの日を思い出した。
大きなターミナル駅、幾つもの私鉄への乗り換え口、バス・ターミナル、あそこは横浜駅前だった。
あそこはきっとクーの街だったのだ。クーはあのイメージを見て嘔吐し、そのまま自分の街を後にしてしまった。
235
:
◆lWV9WxNHV.
:2017/08/22(火) 21:59:28 ID:AxsdikKc0
四ヶ月に及ぶリハビリの末に私は退院した。身の回りの整理をして私は横浜を目指した。
私が現実世界に帰ってきてから四ヶ月。クーはもう記憶を取り戻して目覚めているだろうか、それともまだ銀河鉄道に乗っているだろうか。
東急東横線の急行に乗り日吉駅で降りる。駅前の花屋でプリザーブド・フラワーを買い日吉駅から東急バスに乗り換えた。
病院は小高い丘の上にあり、乗ってきた路線バスの終点だった。三階建ての決して大きくはない病院だ。
面会時間は十五時からだった。バスに二十分ほど揺られてちょうど十五時になろうとしていた。
受付まで来て、果たして面会に通してもらえるだろうか、と心配になった。ドクオみたいに押し切るべきだろうか。
案の定受付けでクー様ですか、そちらの患者様の面会は…と断られてしまった。
どうしよう、そう思った時に声をかけられた。
( ‘∀‘)「あのう、うちの娘に何かご用でしょうか」
クーの母親はガナーさんといった。
元は美人であったはずなのに、明らかにやつれて老け込んでしまっていた。
私はクーの古い友人です、と自己紹介した。銀河鉄道で会いました、と言っても信じてはもらえない。
从 ゚∀从「クーさんが大変な事になっていると人づてに聞きまして、居ても立ってもいられなくなって来ました」
( ‘∀‘)「そう、それはありがとう…もう最近ではお見舞いに来る人はめっきりいなくなってね」
从 ゚∀从「クーさんは、まだお目覚めではないのですか」
( ‘∀‘)「えぇ、まだ…」
236
:
◆lWV9WxNHV.
:2017/08/22(火) 22:00:40 ID:AxsdikKc0
病室に着いた。ドアが開けられる。個室にはベッドが一つ。恐る恐る近づいた。
そこで眠っていたのは、クーだった。痩せ細っているけれど、紛れもなくクーだった。
从 ;∀从「あ…あぁ…」
手を握り、私は嗚咽した。クー。生きていた。存在していた。また出会えた。クー。
(; ‘∀‘)「それほど娘と仲が良かったんですか」
ガナーさんはさすがに驚いているようだった。
( ‘∀‘)「ごめんなさいね、貴方の事は初めて見たから」
从 ゚∀从「ごめんなさい、取り乱してしまって…本当に、古い友人なんです」
座って下さい、とガナーさんに椅子を勧められた。
从 ゚∀从「あの、もし差し支えなければ、クーさんがどうして意識不明になってしまったか、お聞きしてもよろしいですか」
( ‘∀‘)「そうですね…恥ずかしいお話なのですけれど、それほどクーと仲の良かった貴方なら…」
ガナーさんはクーの髪をなでた。
( ‘∀‘)「この子のご職業はご存知でしたか」
从 ゚∀从「いいえ」
237
:
◆lWV9WxNHV.
:2017/08/22(火) 22:02:20 ID:AxsdikKc0
( ‘∀‘)「この子は鉄道会社で乗務員をしています。 車掌ですね。 日吉まで東横線に乗ってきたかと思いますが、あの東横線の車掌です」
从 ゚∀从「クーが車掌…」
( ‘∀‘)「それで、この子は職場恋愛をしたんです。 相手は運転士でした。
そして相手は妻子ある人でした。 この子は本気でした。 でも相手は多分本気ではなかった。
妻とは離婚するとクーには言っていたそうですが、なかなか踏み切る気配は見られなかった」
いったんガナーさんは区切った。唾を飲み込んだのが分かった。
( ‘∀‘)「この子はその相手との子供を身籠ったんです。 そしてそれを相手に告げた。
妊娠したとなれば、このままの状態を続けられないだろうと思ったのでしょう。 でも違った。
相手は怖気づいて妻に全てを話したのです。 妻は怒り狂い相手を叩きのめしクーの元に押しかけました」
またクーの髪をなでる。幼子をあやす様に優しくなでた。
( ‘∀‘)「この子はとにかく殴られました。 罵声を浴びせられました。 この人でなし、ビッチ、泥棒猫、淫乱女…。
そして本人は何が何でも産むと決めていた子供を、半ば強制的に堕胎させられてしまったのです」
あの横浜駅前で見たイメージ。あれはやはり人工中絶手術のものだったのだ。
( ‘∀‘)「この子は相手との関係が終わった事などよりも子供を殺してしまった罪悪感にずっと苛まれていたようなのです。
遺書にはその事ばかり綴られていました」
从 ゚∀从「遺書」
( ‘∀‘)「はい。 この子は睡眠薬を一気に大量に飲んで自殺を図りました。
意識不明となって、もう随分と時間が経ちます」
238
:
◆lWV9WxNHV.
:2017/08/22(火) 22:03:22 ID:AxsdikKc0
从 ゚∀从「そうだったんですか…」
あの人工中絶手術のイメージは、クーの記憶の一部だった。だからクーは吐いた。
( ‘∀‘)「お恥ずかしい話ですが私はこの子の地元の長野の方に住んでいて、この子のそれらについて何一つ知らなかったのです。
自殺を図り病院に入院している、と連絡を受けた時は愕然としました。 遺書で全てを知ったのです。 もう…」
ガナーさんが声を詰まらせた。
( ‘∀‘)「本当に、本当にもう長い時間が経ちます。 訪れる人も減って、世間からこの子が忘れられていくような気がして…」
从 ゚∀从「大丈夫です、クーさんは絶対に目覚めます」
( ‘∀‘)「それはどうもありがとう…」
从 ゚∀从「いえ、気休めなんかではないんです。 これを見て下さい」
私は鞄から封筒を取り出してガナーさんに手渡した。
从 ゚∀从「言ってなかったんですが私は交通事故で四ヶ月前まで一ヶ月半に渡り意識不明の状態でした」
病院から退院時に渡されたその封筒には診断書、手術証明書、退院証明書などが入っている。
ガナーさんは驚きそれを見た。目が見開かれた。
239
:
◆lWV9WxNHV.
:2017/08/22(火) 22:04:41 ID:AxsdikKc0
从 ゚∀从「私は一ヶ月半の意識不明の状態から目覚めました。 四ヶ月に及ぶリハビリを終え、こうして一人で歩けるようになりました。
ガナーさん、クーさんもきっと目覚めます。 私のように元気に歩ける日が必ず来ます。 私が証明します。 信じて下さい」
ガナーさんの目から涙が溢れた。一度溢れるともう止まらなくなる。
( ;∀;)「あぁ…」
ガナーさんは泣いた。顔がぐしゃぐしゃになるまで泣いた。
( ;∀;)「あ、ありがとう…本当にありがとう…勇気づけられました」
从 ゚∀从「いえ。 ですから気を強く持って下さい」
( ;∀;)「はい…。 ごめんなさい、見苦しいところを、少し顔を洗ってきてもいいですか」
从 -∀从「ええ、どうぞ」
「この子を、クーをよろしくお願いします」
ガナーさんが病室から出ていく。
私は痩せ細ったクーを見た。
240
:
◆lWV9WxNHV.
:2017/08/22(火) 22:05:56 ID:AxsdikKc0
从 ゚∀从「本当は、薄々気づいているんじゃないのかな」
クーは人工中絶手術の記憶の一部を見て嘔吐した。すぐに銀河鉄道に戻りたいと言って、自分の街を出ていった。
そしてクーは静かに涙を流していた。音もなく、声もあげず、ただ静かに泣いていた。
もし、本当は自分の記憶にうっすら気づいていて、知るのが怖くて、気がつかないふりをしていたら。
そのせいでずっと、銀河鉄道に乗り続けているとしたら。
いつかは旅立たなくてはいけない。ここはずっといていい場所ではないんだよ。
クーはそう言っていた。でもそれに一番気づいているのはクー自身ではないだろうか。
旅はいつか終わるものだ。クーだっていつかは自分の旅を終わらせなければならない。
自分の過去を受け止め、後悔し、未来に歩み出さなければいけない。
強いクーが、実は一番弱かったのかもしれない。トソンの言葉は当たっていたのかもしれない。
从 ゚∀从「だからさ、早く帰って来いよ」
クーがいつか長い長い銀河鉄道の旅を終えた時、私はそばにいてあげたい。
長い旅から帰ってきたクーを、おかえりと私は出迎えてあげたい。
だから私は待とう。いつまでも待とう。
私はここで、銀河鉄道車掌長の帰りを待つ。
从 ゚∀从銀河鉄道車掌長の帰りを待つようです
241
:
◆lWV9WxNHV.
:2017/08/22(火) 22:06:55 ID:AxsdikKc0
投下終了です。
読んでいただいた方ありがとうございました。
242
:
名無しさん
:2017/08/22(火) 22:30:27 ID:pP3qRVIA0
ハルレヤ
243
:
名無しさん
:2017/08/22(火) 23:43:59 ID:ZNRWjZ6.0
乙…
244
:
名無しさん
:2017/08/22(火) 23:53:02 ID:ort8RpO20
乙 やるせないな…… 皆少しでもこれから先幸せになれるといいな
245
:
名無しさん
:2017/08/22(火) 23:53:55 ID:/b8rfxYw0
最後にタイトル回収か
乙
246
:
名無しさん
:2017/08/23(水) 00:13:28 ID:k5t1Fqtg0
あんたすげーよ
247
:
◆lWV9WxNHV.
:2017/08/23(水) 00:15:03 ID:9vpMeDws0
今回誤字脱字誤AA脱AAが多いです申し訳ないです…
>>40
ノパ⊿゚)「ギコ君って彼氏いないっぽいよね、見たことない」
↓
ノパ⊿゚)「ギコ君って彼女いないっぽいよね、見たことない」
>>172
川 ゚ -゚)「あぁ、本当だ。 どうしてだろうね」
↓
川 ; -;)「あぁ、本当だ。 どうしてだろうね」
>>187
私は答えずにシャワーを浴びた。秘部に指を入れて精液を�惜き出した。
↓
私は答えずにシャワーを浴びた。秘部に指を入れて精液を搔き出した。
>>237
相手は怖気づいて妻に全てを話したのです。 妻は怒り狂い相手を叩きのめしクーの元に押しかけました」
↓
相手は怖気づいて妻に全てを話したのです。 妻は怒り狂い相手を叩きのめしこの子の元に押しかけました」
>>239
「この子を、クーをよろしくお願いします」
↓
( ;∀;)「この子を、クーをよろしくお願いします」
になります
248
:
名無しさん
:2017/08/23(水) 00:52:53 ID:apE2s3Hw0
乙!面白かった!
>>10
の性格も誤字かな
249
:
名無しさん
:2017/08/23(水) 08:53:36 ID:Yy9onQSU0
結局ヒートってどうなったんだろう?
多分一番酷いことになってるよな…
250
:
名無しさん
:2017/08/23(水) 15:50:27 ID:Kd2Y/c7M0
読み終わった
泣きそう
251
:
名無しさん
:2017/08/24(木) 05:48:16 ID:YmNJcusM0
知ってる街ばかりでそういう意味でも楽しめた
やっぱ1の作品はすきだなぁ
252
:
名無しさん
:2017/08/24(木) 07:02:45 ID:0vs0m05.0
このストーリーと救いのあるエンド……最高だな
253
:
名無しさん
:2017/08/24(木) 20:11:24 ID:74n0JquM0
ヒートのその後は一番気になるな
希望が見えてるといいけど
254
:
名無しさん
:2017/08/25(金) 15:27:14 ID:3Gtk/F5M0
これやべえ(言語能力喪失)
銀河鉄道の設定もキャラの過去も上手く作られてる
ドクオとかデルタのとこはいろいろな意味で読むのが
キツかったけどどのキャラも幸せになって欲しい……
東海道線を上っていくのかと思ったがどうなんだろう
ハインが箱根だしなぁ
とにかく良かった 盛大な乙を送りたい
255
:
名無しさん
:2017/08/25(金) 21:53:32 ID:B19LMllo0
描写が細かくてすごく感情移入した
おつでした
クーが戻ったらみんなで鉄道旅行してほしい
256
:
◆TflJu3mvXc
:2017/08/27(日) 01:00:00 ID:G0UZLwe.0
【業務連絡】
主催より業務連絡です。
只今をもって、こちらの作品の投下を締め切ります。
このレス以降に続きを書いた場合
◆投票開始前の場合:遅刻作品扱い(全票が半分)
◆投票期間中の場合:失格(全票が0点)
となるのでご注意ください。
(投票期間後に続きを投下するのは、問題ありません)
詳細は、こちら
【
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1500044449/257
】
【
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1500044449/295
】
257
:
名無しさん
:2017/08/29(火) 22:43:22 ID:PyKgDvec0
なんていうか凄い作品だよ本当、乙
258
:
名無しさん
:2017/09/07(木) 12:29:51 ID:IlcUxZcc0
引き込まれて一気読み。。。 乙
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