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彡 l v lミ Wr Mn Ou Xa のようです

1 ◆mtKAQR6eRA:2017/08/20(日) 22:19:47 ID:s7M8ZC4Q0






                  Wr





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140 ◆mtKAQR6eRA:2017/08/21(月) 22:47:41 ID:J3DrZlj60

僕とジーは、ショップを出た。
朝の光が黄色く照らす道を、彼女のアパートへと歩いていく。

彡 l v lミ「僕は、これから仕事に向かうよ」

爪゚ー゚)「分かった」


彡 l v lミ「家まで、送る」

爪゚ー゚)「ありがとう」

141 ◆mtKAQR6eRA:2017/08/21(月) 22:50:47 ID:J3DrZlj60
暫く行くと、建物と建物の間に、曲がり角が現れる。そこを曲がる。
先の道には、カラスが群れて、ゴミにたかっていた。

大きな音を立てながら、ヘリが、僕たちの上に飛び出してきた。

爪゚ー゚)「……あのさ、」


彼女が、僕にそう言ったその瞬間、
後頭部に強烈な痛みが走った。

142 ◆mtKAQR6eRA:2017/08/21(月) 22:52:00 ID:J3DrZlj60



気づくと、視界には一面の空。




ジーの、叫ぶ声が、ぼんやりと聞こえる。






何が、どうなった??
霞む視界の中に、いくらか、男が入って来た。



(’e’)


そのうちの一人、多分、あれは、ジョーンズ、だった。


腹に衝撃を感じ、体が転がっていく。
また、意識が―――遠く――――――

143 ◆mtKAQR6eRA:2017/08/21(月) 22:52:23 ID:J3DrZlj60

















.

144 ◆mtKAQR6eRA:2017/08/21(月) 22:52:46 ID:J3DrZlj60



―――気付くと、辺りは真っ暗闇だった。
空気が嫌に薄い。

隣で、ジーの喚く声がする。

僕は、口を何かテープのようなもので塞がれていた。
手足もだ。僕とジーは、身動き一つ取れずにいた。

145名無しさん:2017/08/21(月) 22:53:07 ID:J3DrZlj60

振動を感じる。
恐らく、車のトランクか何かの中に閉じ込められているのだろう。

僕たちの事が、バレてしまったんだ。
僕たちは拉致されて、どこかの組織のアジトに連れて行かれて、そこで―――

――――きっと、殺されてしまう。

146 ◆mtKAQR6eRA:2017/08/21(月) 22:53:40 ID:J3DrZlj60



彡 l 三 lミ「う、ううううううううううううううううううううっ!」


嫌だ。
僕は、力の限りのたうちまわった。

でも、駄目だった。
拘束は強くて、びくともしない。

僕たちの抵抗は虚しく、車はどんどん進んでいく。
トランクの中に、呻くジーと、僕の声が充満していた。


彡 l 三 lミ「ふーーーっ、ふーーーっ!」

爪|| 三)「んーーーーーーーっ!んーーーーーーーーっ!」

147 ◆mtKAQR6eRA:2017/08/21(月) 22:54:25 ID:J3DrZlj60


その瞬間、
バリッ、と、何かが千切れる音がした。

直後、
尋常ではない衝撃が僕たちを襲った。
何度も、何度も、何度も、回転した。

焼けるような痛み。
僕の意識は薄らいでいき、爆音が耳を破壊していった。







.

148 ◆mtKAQR6eRA:2017/08/21(月) 22:55:01 ID:J3DrZlj60




「オスロっ!!」

僕を呼ぶ、ジーの声で目覚めた。


―――どのくらい、気を失っていたのか。

目を開く。
強い光が飛び込んできて、目の奥に鈍痛が走る。

ひどい、匂いだ。
何かが焦げたような匂い。

体が、空気が、熱い。

149 ◆mtKAQR6eRA:2017/08/21(月) 22:55:28 ID:J3DrZlj60
目が慣れてきた。
辺りは煙に包まれていた。

爪; ー)「こっち!」

ジーの伸ばした手につかまり、立ち上がる。

彡メl v lミ「一体、どうなって………っ」

痛む身体に鞭を打ち、僕はジーを追う。
煙を抜けると、そこは交差点だった。

僕たちが閉じ込められていた車は、右側から飛び出てきた車と衝突事故を起こし、炎上していた。
あの調子だと、中の人間は即死しているだろう。

僕たちは、衝撃で開いたトランクから投げ出され、助かったのだ。

人々が集まっている。
遠くから、救急車のサイレンも聞こえてきた。



爪; ー)「そこのタクシーッ!乗せて下さいッ!」

彼女が、一台のタクシーを止める。

150 ◆mtKAQR6eRA:2017/08/21(月) 22:56:00 ID:J3DrZlj60
爪; ー)「乗って!」

僕が先にタクシーに押し込まれ、それに続いてジーが乗った。

( ;・□・)「行き先は、どこへ!?」

爪; ー)「980モーテルまでっ!」

車が走り出した。
僕たちが、狙われたという事は―――

彡;メ l v lミ「………斉藤が、危ないっ!」

僕は、ポケットに手を入れる。
あった。

僕はそこから携帯を抜き出し、彼に電話をかける。

151 ◆mtKAQR6eRA:2017/08/21(月) 22:57:09 ID:J3DrZlj60

《どうした?》

彡;メ l v lミ「ドクオっ!僕たちは狙われてる、早く逃げろ!!

《………分かった!そっちは大丈夫か!?》

彡;メ l v lミ「大丈夫じゃないけど、なんとかなってる……!今、980モーテルに向かってる」


《了解ッ、車で向かうから、少しそこで待って居てくれ》


斉藤が電話を切る。
斉藤、なんとか無事で居てくれ――!

爪; ー)「はぁっ、はぁっ」

( ;・□・)「怪我、してますよ。病院には」

彡;メl v lミ「僕たちで何とかする!とにかく、急いでくれ!」

(; ・□・)「……知りませんからね!」

152 ◆mtKAQR6eRA:2017/08/21(月) 22:57:34 ID:J3DrZlj60


僕たちを乗せたタクシーは、980モーテルの前に止まった。



(; ・□・)「790レスですが」

爪; ー)「これ。釣りはいらない」

(; ・□・)「ま、またのご利用、お待ちしております!」


爪; ー)「急ごう」

彡;メl v lミ「ああ」

モーテルに入ると、受付があった。
受付には不透明な仕切りがあり、会話するための穴が空いて居た。


爪; ー)「空いてますか」

「そうですね、214号室が空室でございます」

爪; ー)「1時間30分コースで、お願い」

「かしこまりました。こちらが部屋の鍵です」

穴の向こうから、214と書かれた鍵が差し出される。

爪; ー)「ありがとう」

153 ◆mtKAQR6eRA:2017/08/21(月) 22:58:43 ID:J3DrZlj60

部屋に入る。


爪; ー)「とにかく、身体を、洗わないと……」

ジーは衣服を脱ぎ捨て、シャワールームへと向かう。


彡;メl v lミ「く、クソ………」

僕は、椅子に座り込む。
事故の衝撃で、体は痣だらけ。
ところどころ擦り切れ、服もボロボロだ。

頬の擦傷が赤く開き、痛々しかった。

154 ◆mtKAQR6eRA:2017/08/21(月) 22:59:40 ID:J3DrZlj60
一瞬のうちに、数分が経った。

爪゚ー゚)「オスロも、早く血を流した方がいいよ」

バスタオル一枚の姿で、ジーが出てくる。
彼女は顔に傷を負って居なかったが、腕や足には多くの傷が残っていた。

爪゚ー゚)「絆創膏か何か、探しておくから」

彡;メl v lミ「ありがとう」

155 ◆mtKAQR6eRA:2017/08/21(月) 23:00:12 ID:J3DrZlj60

シャワーの水を全身に浴びる。

彡;メl v lミ「つっ………!」

全身の傷に、シャワーの水が沁みる。
流された血で、僕の足元が赤く染まっていく。
こうなってしまっては、もはや父や母の元に、あの町に残る事は出来ない。
これから長い間、彼らから逃れる身だ。

僕がシャワーから出ると、彼女は医療セットを見つけていた。

156 ◆mtKAQR6eRA:2017/08/21(月) 23:00:38 ID:J3DrZlj60

爪゚ー゚)「動かないで」

彡;[]l v lミ「ぐっ………!」

爪゚ー゚)「……これでよし、ね」

彡[]l v lミ「ありがとう……」

彡[]l v lミ「今度、僕がやるよ」

爪゚ー゚)「お願い」

彼女の背中は、大きく擦り剥けていた。
僕は、消毒液を浸したガーゼを彼女の傷をあてる。

彼女から、うめき声があがる。
何回かそれを繰り返した後、背中から胸部にかけて、包帯を巻いてやった。

157 ◆mtKAQR6eRA:2017/08/21(月) 23:01:07 ID:J3DrZlj60
爪゚ー゚)「ありがとう」

彡[]l v lミ「いや………。一先ず、生きててよかった」

爪゚ー゚)「本当だね……奇跡みたい」

爪゚ー゚)「……でも、ここに何時までも居るわけにはいかない」

彡[]l v lミ「斉藤が迎えに来る」

彡[]l v lミ「一緒に、逃げよう。あいつらの手が届かない所まで」

爪゚ー゚)「……うん」

僕は、彼女を抱き寄せた。
彼女も、僕の背に手を回す。

158 ◆mtKAQR6eRA:2017/08/21(月) 23:01:33 ID:J3DrZlj60


斉藤から、電話が来た。

《今着いた。980モーテルで、いいか?》

彡[]l v lミ「ああ。すぐに向かう」

彡[]l v lミ「ジー、行こう」



僕とジーがモーテルから出ると、そこに斉藤の車があった。
後ろのドアが開かれ、ジーが先に、僕が後に乗った。

(;・∀ ・)「災難だったな。とにかく、生きててよかった」

彡[]l v lミ「そっちこそ、生きててよかった」

159名無しさん:2017/08/21(月) 23:02:02 ID:J3DrZlj60
(;・∀ ・)「それとだな。こっちが、例の人物さ」


斉藤の隣には、ジョルジュが、居た。

  _
(; ゚∀゚)「―――――ッ!」


彼は僕の事を見ると、驚きを隠せない様子だった。

  _
(; ゚∀゚)「あんたはッ!」

彡;[]l v lミ「ジョルジュさん、貴方が……」

  _
(; ゚∀゚)「全部、バレてたのか?俺の仕事も、全部」

彡;[]l v lミ「そんな……!完全に偶然です。僕と貴方が出会った事は………」

160 ◆mtKAQR6eRA:2017/08/21(月) 23:02:37 ID:J3DrZlj60

(;・∀ ・)「彼は、組織に見限られたんだ。彼が預かってたチップは全部回収されて、今は俺たちと同じ身の上ってこと」

  _
(; ゚∀゚)「家族は、安全な所に逃げさせた。組織の狙いは、俺の首だ」

  _
(; ゚∀゚)「俺たちは、協力して生き延びなければならない。愛する人の為に」


(;・∀ ・)「そういう事だ。急ごう!」

斉藤はそう言って、アクセルを踏んだ。

161 ◆mtKAQR6eRA:2017/08/21(月) 23:04:10 ID:J3DrZlj60






その後、僕らは街の反対側へ行くため、都心部へと車を走らせ続けた。









車は、ソーゴーの都心部を駆け抜けている。
ジーと僕は、互いに抱き寄せ合いながら、流れていく景色を、ただ、見る。

(   )「……今が、『その時』なのかもしれない」

その後も、ずっと車で走っていた。車は都心部を抜けかけていた。
静寂の車内で、彼はおもむろに口を開いた。

彡[]l v lミ「その時?」

162 ◆mtKAQR6eRA:2017/08/21(月) 23:05:12 ID:J3DrZlj60
(   )「俺が、RMNを追う理由。話すよ」

(   )「俺の家族は、NEO国で失踪した」

(   )「帰って来た時には、何もかも忘れてしまっていた」

(   )「今も、全員精神病院の中だよ」


(   )「……NEO国で、記憶の操作技術が開発されているのを知ったのは、その1年後だった」


(   )「そして、RMNの存在に気付いたのは、数年前だ」

(   )「……俺は、母の、父の――妹の、記憶を取り返す」



それは、ほぼ不可能だ、とジョルジュが言う。
彼は、答えない。


(   )「……やるだけの事は、やってみるさ。これが、俺がRMNを追う理由だ」

163 ◆mtKAQR6eRA:2017/08/21(月) 23:05:43 ID:J3DrZlj60

彡[]l v lミ「これからは、どうする?」


(   )「―――さあ、な。なるようになるさ」


彡[]l v lミ「なるようになる、ね………」

彡[]l v lミ「そうだな。そうに違いない」

(   )「そうだ」



ジーは、疲労からか、僕に首を預けて眠ってしまった。
僕は、窓の外に目をやる。

街では、朝の気配も消え、昼の力強い光が、高層ビルの数々を照らして居た。

164 ◆mtKAQR6eRA:2017/08/21(月) 23:08:49 ID:J3DrZlj60
ああ、
僕は、今この場に、確かに居る。
あの時まで死んでいた僕は、こうして再び、心を自由に動かして、生きる事ができる。

なんと素晴らしいことだろう!
生きるとは、なんと素晴らしいことなのだろうか!

父よ、母よ、僕を許して下さい。
少し遅過ぎたけれど、旅に出ることになりました。

いつまでかかるか、そんな事は分からない。
けれど、
いつか、ここに戻って来よう。


今はただ、眠ろう。
お前が生きるために。
お前の愛する者たちを守るために。


彡[]- v -ミ「少し、休む………」

(   )「………おうよ」










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165 ◆mtKAQR6eRA:2017/08/21(月) 23:09:22 ID:J3DrZlj60


















彡[]- v -ミ




















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166 ◆mtKAQR6eRA:2017/08/21(月) 23:10:00 ID:J3DrZlj60






                  Wr




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167 ◆mtKAQR6eRA:2017/08/21(月) 23:10:37 ID:J3DrZlj60






                  Mn





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168 ◆mtKAQR6eRA:2017/08/21(月) 23:11:09 ID:J3DrZlj60






                  Ou





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169 ◆mtKAQR6eRA:2017/08/21(月) 23:11:35 ID:J3DrZlj60






                  Xa





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170 ◆mtKAQR6eRA:2017/08/21(月) 23:12:27 ID:J3DrZlj60
























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171 ◆mtKAQR6eRA:2017/08/21(月) 23:12:49 ID:J3DrZlj60


172 ◆mtKAQR6eRA:2017/08/21(月) 23:27:39 ID:J3DrZlj60
完結です。ありがとうございました

173名無しさん:2017/08/21(月) 23:32:07 ID:v8n4PIcU0
乙 なんか海外小説読んでる気分になった

174名無しさん:2017/08/21(月) 23:51:35 ID:L7az8VTA0
面白かった
>>151のドクオってのはわざと?

175 ◆mtKAQR6eRA:2017/08/22(火) 00:11:50 ID:nlK87xRI0
>>174
完全にミスです………申し訳ない
わざとって事にしといて下さい……

176名無しさん:2017/08/22(火) 20:58:16 ID:Uw33zzVY0

読んでる時>>105からのシーンで両親死んだように受け取ったんだが、冷静に見たら生きてる?よな?

177 ◆mtKAQR6eRA:2017/08/22(火) 21:40:28 ID:nlK87xRI0
>>176
生きていると思います

178名無しさん:2017/08/23(水) 14:58:26 ID:6B8BveAE0
乙!!

すごいなんだろうこのワクワク感は!!!

179名無しさん:2017/08/24(木) 22:58:59 ID:YIz6iUGk0
乙!!!

180名無しさん:2017/08/25(金) 13:02:51 ID:6AJDJSeA0
上の人も言ってるが、ほんと海外小説読んでるみたいな
すげーよかった。乙!

181名無しさん:2017/08/25(金) 15:54:52 ID:982ASmS.0
とても続きが読みたくなる

182 ◆TflJu3mvXc:2017/08/27(日) 00:46:19 ID:IIu7jKv20
【業務連絡】

主催より業務連絡です。
只今をもって、こちらの作品の投下を締め切ります。

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183名無しさん:2017/08/28(月) 00:20:01 ID:7hvfNEgo0
おつ

184名無しさん:2017/08/28(月) 21:08:21 ID:albJGSow0
面白かった乙

185名無しさん:2017/09/02(土) 06:25:40 ID:Y1GcQtgw0

めっちゃよかった
好きだ…

186名無しさん:2017/09/05(火) 01:05:12 ID:3e9q9p6g0
いい雰囲気だ
おつ

187 ◆mtKAQR6eRA:2017/09/16(土) 23:17:48 ID:iPPKhHTU0
>>181
今作品の続きですが、執筆するかどうかは未定です。
一応、彡 l v lミの青春を描いたものだったのでここで物語は終わってもいいかなと思っていたのですが、
まだまだ広げる余地もありますし、サイドストーリーなども絡めながら、進行していけるといいのかなと思います。
もし続きを書くとすれば、このスレに投下しようと思います。

188名無しさん:2017/09/18(月) 08:35:17 ID:l.QdpO1M0
まじか
期待してる

189名無しさん:2017/11/23(木) 11:56:45 ID:2GvulJF60
今更だけど乙
タイトルに食指が動かなかったけど、すごく面白かった!


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