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( ^ω^)運命と戦う仮面ライダーのようです
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仮面ライダー系です。
原作オマージュとなってます。
戦闘の表現難しすぎて下手ですがオナシャス。
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('A`)「じゃあ帰るわ」
( ^ω^)「おう、気をつけて帰れお」
ドクオを見送る為、ブーン達は家の前に出ていた。
グローブとヘルメットを身に付け、アクセルを踏もうとしたドクオの動きが突如停止。
被ったはずのヘルメットを脱ぎ、ツンとジョルジュそれぞれに目線を移す。
('A`)「あの〜……」
ξ゚⊿゚)ξ「はい?」
('A`)「二人とも、コイツの事よろしく頼みます」
気まずそうに口を開いた。
バイクに乗りながらではあるが、二人に対し頭を下げる。
('A`)「コイツすぐ無理するから、きっと今も無理してる所あるんじゃないかなって。
何となく分かるんですよ。コイツ自分に鞭を叩き続けてるっていうか…昔からしっかりしようとし続けてるから」
( ^ω^)「ドクオ……」
長い時間を共にしたからこそ、言葉を紡ぎ過ぎずとも分かる部分がある。
ブーンが今置かれている状況を、ドクオはよく理解出来てはいない。
それでも、無理をしている事は分かっていた。
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('A`)「今何が起きてるかは分かったけど、いまいち理解が追いつかないんだ。
でもコイツは、そんな難しい状況の中で戦ってる……スゲェよ」
('A`)「スゲェけど、偶には肩の力抜いたっていいだろ?アンデッドって化け物を倒さなきゃならない…それは分かる」
( ^ω^)「……」
( A )「でも……俺は、お前がそれでおかしくなったり……死んだりしたら嫌なんだよ。
俺はお前みたいに戦えないけど、お前が俺達のせいで居なくなんのも嫌なんだよ!」
( ;ω;)「……ぐすっ」
(っA;)「ああクソ!何で泣かなきゃならないんだよ!」
ドクオの言葉が、冷め切ってしまっていた心に温かく染みる。
それと同時に、目から大粒の涙がボロボロと勝手に溢れ出す。
今までそんな事言われた事が無かった。
人を守る為に戦う事が使命で、アンデッドを倒す為なら自分の命も顧みないと思う時もあった。
何より普段からふざけ合うドクオにこんな事を言われるとは思わず、それが涙を誘う一番の理由かもしれない。
('A`)「ああ…とにかく、コイツそういうところあるから…コイツを巻き込んだと思うのなら、二人がちゃんと見てやってください」
ξ゚⊿゚)ξ「……はい、任せてください」
_
( ゚∀゚)「俺達がしっかり見ててやるから、安心しろよ」
('A`)「ならよかった…じゃあ、今度こそ帰るわ」
( ^ω^)「何かあったらすぐ駆け付けるお!だからお前も気をつけるんだお」
('A`)「頼りにしてるよ、ブーンちゃん」
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('A`)「あ、それと……」
('A`)「お嬢さん可愛いね、今度お茶でもしようよ!良いお店知ってるんだ、バーボンハウスって言って――」
( ^ω^)「もう知ってるお、二人とも」
('A`)「え」
ξ゚⊿゚)ξ「うん、前に三人で行った…」
_
( ゚∀゚)「ああ」
('A`)
('A`)ノ" 「じゃ!お疲れっした!」
ブウゥゥゥン……
( ^ω^)「気まずすぎて逃げたお」
_
( ゚∀゚)「何だアイツ、面白いな」
ξ゚⊿゚)ξ「良い友達だね、ブーン」
゙/( ^ω^)「……まぁ」
ξ゚⊿゚)ξ「…ドクオさん、かぁ」
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ドクオを見送り、三人は家の中へと戻る。
リビングの中でそれぞれ自分の座りたい場所へと腰掛け、まず口を開いたのはツンだ。
ξ゚⊿゚)ξ「それにしても、クーさんがアンデッドだったなんて……」
_
( ゚∀゚)「まぁでも、何だか普通に受け入れちまうところもあるな」
ξ゚⊿゚)ξ「どういう事?」
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( ゚∀゚)「全部が敵って言ってるんだろ?あの姉ちゃん。それに三回も四回もブーンを襲ってるんだぞ。
普通じゃねえよ、最初はびっくりしたけど…正体アンデッドでも別におかしい事ないなって思ったわ。
府坂みたいに人間に化けられるアンデッドだっている訳だし」
ξ゚⊿゚)ξ「う〜ん……」
そう言われると、妙に納得してしまう。
ブーンの話で聞いた今までの言動や行動は、翌々考えずとも尋常ではない事は確かだ。
自分の理性を抑えられないような、それこそ戦闘マシンのような一面がある。
人間に擬態出来るアンデッドがいる事が判明した今、クーがアンデッドだと言われても不思議はない。
ξ゚⊿゚)ξ「でも、何でバーボンハウスに居続けてるのかしら」
_
( ゚∀゚)「それは………食料に困らないし寝床もあるから、とか?」
ξ゚⊿゚)ξ「私にはそんな単純な理由には見えないけど…。
クーさん、あの二人をとても大事にしているように見える」
_
( ゚∀゚)「何か企んでるんじゃねぇか?もしかして、あの二人をそのうち――」
( ^ω^)「それはないお」
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二人の話に割って入らなかったブーンが、口を開いた。
( ^ω^)「僕は、こうなる前からバーボンハウスを知ってるお。クーさんがあそこで働くようになった時から。
クーさんが二人に……特にあまねちゃんに対する愛情は、紛れも無い本物だお」
ξ゚⊿゚)ξ「うん、私もそう思う…」
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( ゚∀゚)「ん〜……」
( ^ω^)「……さっきクーさんと戦った時、何となくだけど分かった。
クーさん、僕に正体が知られて少し戸惑ってたような感じがしたお」
_
( ゚∀゚)「そりゃ、バーボンハウスの人にバラされるかもって思ったからじゃないか?」
( ^ω^)「そうかもしれない。……戦ってた時、クーさんが明らかに手を抜いた時があった。
あんな事今まで一度も無かったのに…でもそれは僕も同じだったお」
( ´ω`)「アンデッドはみんな許せない…なのに、非情になりきれなかった…。
クーさんがアンデッドだって信じたくなくて…ショボンさんやあまねちゃんを想ったら、どうしても…」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン……」
( ω )「……でも、次こそは必ず倒す。二度とあんな事にはならない」
( ω )「アンデッドは誰だろうと、全て倒さなきゃ」
っ"
重苦しい空気がリビングの中に漂う。
アンデッドが絶対的な悪で、人間の敵である事に変わりは無い。
私情に流されるようでは、ライダーは到底務まらない。自分にそう言い聞かせた。
拳を握った右手。この手はもう、ただアンデッドを倒す為の非情な手となる。
たとえ、それで悲しむ人が出ようとも――。
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('A`)(何やってんだろうな、俺…)
決してツンにしたナンパを後悔している訳ではない。
帰路をバイクで走りながら、ドクオは自分の在り方について疑問を感じていた。
口に出してブーンの事を親友などとは言わないが、親友があれだけの重荷を背負っているというのに。
('A`)(このままでいい訳ないよな)
('A`)(でも……自信が無い……)
親友と自分を比較し、今の自分を恥ずかしく思う。
その反面、それでも自信が沸かないのだ。
どれだけ自分を蔑んでも、変わりたいと願っても、あと一歩を踏み出す事が出来ない。
('A`)(情けないな、マジで…だから俺は自分が嫌いなんだ)
こんな自分に嫌気が差す。
駄目だと分かっていても、切り替える事の出来ない情けない自分が。
深く吐いた溜息がヘルメットの中に篭り、嫌な温みを感じる。
その時、ドクオの肩に小さな何かが姿を現した。
黄金の色、六本の蠢く脚。
そこには、カテゴリーAがばら撒いた小さな蜘蛛の子の姿が。
風の抵抗を全く受けず、肩の上を這っている。
ドクオは蜘蛛の子の存在に気付いていない。
蜘蛛の気配を感じ、それを付け狙うライオンのアンデッドが見ている事にも――。
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――――――
――――
――
この日の夜。
ライダー達の追跡を振り切ったカテゴリーAは、ビルの屋上に立ち明るく照らされた街を見下ろしていた。
そして、街に向かい再び大量の蜘蛛の子を撒き散らす。
放たれた蜘蛛の子は、そよ風に乗り街全体へと拡散した。
( \品/)『………』
目的は果たした。
後は夜が明け人間が動き出す時まで待つのみ。
身を隠す為、十階以上はある高さのビル屋上から飛び降りようとした時だった。
『そんな事をしなくても、お前に相応しい適合者は俺が見つけてやろう』
背後から聞こえる声。
カテゴリーAはその声に振り返り声の主を見るなり、鼻で笑ってみせた。
( \品/)『……フン、クダラン』
ミ,,゚王゚彡『くだらないとは随分だな、お前に相応しい人間を提供してやるんだぞ?』
背後に居たのは府坂。人間の姿ではなく、アンデッドの姿でカテゴリーAの前に現れた。
ミ,,゚王゚彡『――お前の力を、完全に制御する人間をな』
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( \品/)『馬鹿ナ…俺ハ、誰ノ心ニモ巣ヲ張ッテ住ミ着イテヤルゾ?人間如キガ、俺ヲ制御スル事ナド出来ハシナイ』
ミ,,゚王゚彡『どうかな?残念だが、お前は俺の為に駒となる運命だ。大人しく封印されるんだな』
( \品/)『カテゴリーJ…カテゴリーAノ強者ハ、カリスダケダッタカ…?』
不気味に発光する、フードの下の三つ目。
蜘蛛の糸が絡まる左手を眼前に翳し、府坂に対し戦意を剥き出しにする。
己の腕に自信が有る事を匂わせ相手の不安を煽る言い回しは、戦いに慣れている証拠だ。
ミ,,゚王゚彡『待て、今日は挨拶だ。未だ俺の求める奴が見つからなくてな…お前の封印を焦ってはない』
ミ,,゚王゚彡『それに、統率者が現れない以上俺達が戦っても封印する術は無い。
お前こそ戦いに飢えている訳でもないだろう……今は、な』
戦闘を避けようと府坂は言葉を連ねるが、その言葉や態度に怯んでいる様子は無い。
寧ろ言葉の最後に笑みを見せている。仮面で覆われている為に外見での判断はつかないが。
途端、府坂の身体が優雅なクジャクの羽に包まれる。
一瞬だった。包んだ羽が開いた時、府坂の姿は其処から消えていた。
クジャクの羽も、府坂が消えたと同時に消失。
( \品/)『フン……』
姿が消えたのを確認すると、ビルから飛び降り闇の中へと姿を眩ました。
夜が明ければ、カテゴリーAはまた動き出す。
自分が求める人間を探し出す為に――。
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―――――
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――翌日。
( ^ω^)
ブーンは朝から、単身ブルースペイダーを走らせていた。
激しく打ち付く風を防ぐヘルメットの下の顔は、とても厳しい表情をしている。
ブーンが向かっているのは、バーボンハウス。
朝っぱらから酒に浸る為に行く訳でも、ショボン達と会話をする訳でもない。
目的はただひとつ。
今度こそ、自分の迷いに打ち勝つ為に。
――バーボンハウスにこっそりと潜む、アンデッドを封印する為に。
.
-
バーボンハウスに着き、店の前にブルースペイダーを停める。
ヘルメットを取りミラーに掛け、裏口のドアの前へと急いだ。
ピンポーン、とお決まりのチャイムを鳴らしドアの前で待機。
それ程待たずに、何やら慌しい様子のショボンがドアを開け姿を現した。
(;´・ω・`)「ブーン君!」
( ^ω^)「おはようございます。ショボンさん、あの――」
(;´・ω・`)「クーが何処に行ったか知らないかい!?」
( ^ω^)「え?」
クーを呼び出そうとしたブーンに、クーの行方を尋ねるショボン。
予想外の返しに一瞬呆気に取られたが、次のショボンの言葉に全てが覆される事になる。
(;´・ω・`)「いないんだよ…クーがいなくなったんだ!」
.
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( ^ω^)「え…いなくなった?」
(;´・ω・`)「今朝起きたら手紙が置いてあって……これ!」
手に持っていた一枚の紙をブーンに差し出す。
紙を手に取り、そこに書かれた文字を読み取った。
( ^ω^)「"理由は話せませんが、迷惑を掛けてしまうので出て行きます。今までお世話になりました。"」
( ^ω^)「"それと……嘘をついていて、ごめんなさい。"」
( ^ω^)「………」
一枚の紙には、アンデッドらしからぬ綺麗な字で書かれている。
綴られた文、そしてクーの取った行動にブーンは戸惑いを隠せない。
あれ程愛着のあるバーボンハウスを、何故こんな形で出て行ってしまったのか。
从;'ー'从「だめ、クーさん電話出ないよ…!」
ドアの奥から、スマホを片手に持った制服姿の渡辺が現れた。
焦り、不安でどうしようもない様子がひしひしと伝わってくる。
从 ー 从「私何かしたかな?嫌われたのかな…?やだよ、クーさんと居られないのやだ…」
从; ;从「どうしよう…っやだよクーさん……ぐすっ、何でぇ…!」
(;´・ω・`)「あまね……大丈夫だよ、きっと何かあったんだ…すぐ戻ってきてくれるよ。
あんなに仲良くしてたんだから、あまねの事嫌ったりしないよ」
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( ´ω`)「………」
クーが突然出て行った事実に混乱し泣き喚く渡辺の姿は、とても見れたものじゃない。
それを懸命に慰めるショボンも、内心穏やかではないはず。
胸が突き破られそうな程に痛すぎて、二人に目を当てられない。
何故なら、こうなってしまった原因を知っているからだ。
( ω )(僕のせいだ……僕が、あんな事言ったから……)
( ω )(それでもアンデッドを……こうなる事も分かってるのに……!)
クーを封印すれば、目の前の二人が悲しむ事は覚悟していた。
そのはずなのに、いざ悲しむ姿を目の当たりにしてしまうと――。
クーがアンデッドで、自分がそれを封印する為に……等と言える訳もない。
言わなければならないとしても、今のブーンにはそれをする勇気が無かった。
( ^ω^)「……僕も、クーさんを探すの手伝います。僕が必ず見つけます」
(;´・ω・`)「ブーン君…?」
从; ;从「ひぐっ、うう……っ」
( ^ω^)「だからあまねちゃん、もう泣かないで。今は不安かもしれないけど…絶対僕が連れ戻すから」
从っ ;从「ぐすっ……うん……」
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( ^ω^)「学校ちゃんと行くんだお、クーさんが帰ってきて学校行かないの知ったら…」
(´・ω・`)「そうだよ、あまね。クーが怒るよ?いつもあまねが駄々こねるとクーが言うだろう?ちゃんと行かないと駄目だぞ。って」
从'ー'从「……うん、ちゃんと行く」
強張る顔で笑顔を作り、渡辺の頭をぽんぽんと撫でるブーン。
溢れる涙を無理矢理堪え、渡辺は何度も深く頷いた。
( ^ω^)「見つけたら連絡します!」
(´・ω・`)「ありがとう、ブーン君…」
ショボン達のもとを離れ急いでブルースペイダーのもとへと戻り、すぐにバーボンハウスを発った。
向かう先は決まってない。
ただ、宛ても無く街中を彷徨うだけ。
( ω )(僕は、間違ってるのかお…?これでいいのかお?)
答えが出る事のない自問をひたすら繰り返す。
二転三転もする意思。
もしかしたら、偉そうに講釈を垂れておきながら、意思など最初から無かったのかもしれない。
何が大切なのか、自分でももう分からなくなっている。
ただ、一つだけハッキリしている事。
それは、自分の心に従った行動という事だけだった。
.
-
――時を同じくして、ブーンと同じように街中をバイクで走る人物がいた。
川 ゚ -゚)
バーボンハウスから抜け出したクーだ。
アンデッドの強過ぎる気配を山の方に感じ、一人山へと向かっている。
クーが感じている気配――それは、カテゴリーA。
山の方で、きっと人を襲ったに違いない。
仮面ライダーがアンデッドに群れ始めるのも時間の問題だろう。
川 ゚ -゚)(私はもう逃げない…アンデッドである運命から、自分自身から…)
そう言い聞かせながら頭に浮かぶのは…ショボンや渡辺と過ごした日々。
愛しかった記憶に蓋をするように、言葉で何度も上書きする。
川 ゚ -゚)(私は一人で生きる……私だけで、戦う……!)
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―――――
ブルースペイダーで街中を走るブーンに、一件の着信が入った。
路肩にブルースペイダーを停め、その着信を取る。
着信はツンから。ツンからの着信となれば、おおよそ内容は検討が着く。
( ^ω^)ロ 「アンデッドかお!?」
「そうよ、昨日特殊な反応を出していたアンデッドが山中に現れたの。ギャレンが戦ってるわ!」
( ^ω^)ロ 「モララーさん…分かった、今から向かうお!」
「あっ、待って!」
すぐに電話を切ろうとしたブーンを、ツンの甲高い声が呼び止めた。
「もう一体現れたわ…!」
( ^ω^)ロ 「もう一体!?ああ…じゃあそっちに行くお!」
スマホをポケットにしまい、ポーチからブレイバックルを取り出す。
カードを装填し腰にベルトを装着すると、バックルのハンドルを引き路上に向けゲートを放った。
( ^ω^)「変身!」
【 -♠TURN UP- 】
発進させたブルースペイダーごとゲートを潜り、ブレイドに変身。
周囲からは驚きの声も少し聞こえてきているが、今はそれどころではない。
眼前に表示されるアンデッドサーチャーをもとに、ブレイドは街中に出没したアンデッドのもとへと急いだ。
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ニチアサEXステージキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
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――――
――
( OMO)「はああああっ!!」
山の中に掛かる大きな橋。
誰も通らない道路の上で、ギャレンとカテゴリーAは再び対峙していた。
歩道には、蜘蛛の糸に包まれ白骨化した人の亡骸と、黄金色の蜘蛛の子が――。
( \品/)『フンッ!』
口から発射される蜘蛛の糸。
身を翻し糸の攻撃を回避すると同時に、右手に握ったギャレンラウザーで一発ずつの銃撃を見舞う。
だが、相変わらず蜘蛛の巣によって銃弾は防がれていた。
( OMO)「やはり遠距離では分が悪いか…奴はカードを使おうとすれば必ず妨害するはず」
( OMO)「近距離に持ち込み、弱らせるしかない!」
ギャレンラウザーを右腰のホルダーに収納し、放たれる蜘蛛の糸を回避しながら突出。
攻撃を掻い潜り難なく接近に成功。近距離での攻防が始まった。
( \品/)『フハハ…!』
( OMO)「ぐっ…お前を封印して、俺は自分の力を証明する!」
伸ばされた右手がギャレンの首を掴んだ。
ギャレンはその手を両手で掴み返し、がら空きとなった右脇に左足の蹴りを三度叩き込む。
腕はまだ捕えたままだ。
すかさず相手の懐へと背面で潜り込み、背負い投げのように前方へと投げ付けた。
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リアタイ遭遇キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!
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( \品/)『グッ!』
背中から地面に叩き付けられるが、すぐに立ち上がる。
しかし、ギャレンは既にギャレンラウザーを構え、その引き金に指を掛けていた。
カテゴリーAを銃撃から守っていた蜘蛛の巣は、今は無い。
( OMO)「今だ!」
この好機を見逃す訳がない。
引き金を何度も引き、カテゴリーAに容赦の無い連射攻撃を浴びせた。
( \品/)『ウ"ウ"ッ!』
銃弾が身体中に被弾する。
まともに食らった銃撃に、ようやくギャレンに対して怯む姿を見せ始めた。
銃弾の雨は止まない。
カテゴリーAに銃撃を見舞いながら、ギャレンはオープントレイを展開。
三枚のカードを抜き取ったところで銃撃を一時中断し、カードをラウズする。
《-♦2 BULLET-》 《-♦8 SCOPE-》
銃撃の威力が強化されたギャレンラウザー。
そして、正確な狙いを定める事の出来る能力が加わる。
カードをラウズしている間に、カテゴリーAは再び蜘蛛の巣を展開。
銃撃が来る事を予測し盾を敷いた。
しかし、カードの力を複数得たギャレンの前では、本当の意味でのただの蜘蛛の巣と化す。
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( OMO)(そうか…蜘蛛の巣の中心、あそこがあの防御の穴だったのか!)
"♦8のSCOPE"の力で、弱点を正確に把握する。
以前、シカのアンデッドとの戦いでこのカードを使った時は、システムの弊害を受け使いこなせる事が出来なかった。
だが、今は違う。
カテゴリーAに向けた銃口、狙いは的確に定められている。
( OMO)「食らえ!!」
引き金を引いたと同時に一直線に放たれた銃弾。
蜘蛛の巣へと瞬時に接近すると、一寸の狂い無く巣の中心に着弾。その盾をぶち抜いた。
( \品/)『ウ"ウ"ウアァァッ!!』
蜘蛛の巣の盾の弱点を見抜いた事により、蜘蛛の巣の盾は消滅。。
がら空きとなったカテゴリーAに強烈な銃弾を叩き込み続けた。
的確に同じ箇所へと撃ち込まれ、苦痛に悶える歪んだ声をあげる。
これにはたまらず、地面へと片膝を着いた。
( OMO)「やったか!?」
( \品/)『……フッ』
( OMO)「…まだ力は有り余っているようだな、しぶとい奴め」
片膝を着き被弾し続けた部分からは、緑色の血がとめどなく漏出している。
腹部を右手で抑えながら、それでも尚鼻を鳴らした。
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( \品/)『ソウダ…ソウヤッテ俺ヲ追イ求メロ…俺ハ、オ前達ノ前ニ現レ続ケルゾ…!』
( OMO)「俺がお前を封印してしまえば、そんな事は出来ないがな!」
再びギャレンラウザーを構えた瞬間、カテゴリーAの様子に変化が現れる。
自身の背後へ振り返り、腹部を抑えたまま立ち上がった。
( \品/)『……チッ、来タカ』
( OMO)「なっ…!おい待てっ!」
迫り来る気配を感じ、それから逃げるようにカテゴリーAは橋から飛び降りた。
普通の人間であれば、全身の骨が粉々に砕け脳天かち割る程度では済まされないような高さだ。
カテゴリーAの行動が逃亡だとギャレンは認識。橋から身を投げ出し下を見下ろすが、もういない。
( OMO)「ちっ…逃がさない!」
急いでレッドランバスへと乗り、カテゴリーAの追跡に動こうとした時だった。
カテゴリーAと入れ替わりで、前方からバイクに乗った人物が接近。
ギャレンの行く手を阻むようにして横向きに停まったのは、明らかにギャレンを意識しているとしか思えない。
黒い髪を靡かせながらヘルメットを取り、バイクから降りる人物。
姿形は女性。だがその正体は……、
-
( OMO)「何だ君は?」
川 ゚ -゚)「貴様、どうやら今は府坂の犬として動いているようだな」
( OMO)「何だと…?」
川 ゚ -゚)「奴のくだらない企みなど筒抜けだ。だが貴様等の好きにさせるつもりはない」
( OMO)「……お前、何者だ?」
相対するギャレンとクー。
ギャレンは、カリスの存在を認知していてもその正体が誰かまでは把握していない。
川 ゚ -゚)「貴様等にカテゴリーAは渡さない…奴を封印するのは、私だ」
っロ
クーの腰元にベルトが浮かび上がる。
ポケットから取り出したハートのカテゴリーAのカード。
見覚えのあるバックルとそのカードに、ギャレンの視線は嫌でも釘付けになった。
( OMO)「何……?まさか!?」
川 ゚ -゚)「変身」
っロ
【 -♥CHANGE- 】
バックルにカードをラウズし、一瞬でカリスへと変身。
ギャレンの嫌な予感は的中した。
が、まさかカリスの正体が女であるとは思いもしなかった。若干の戸惑いを見せている。
( OMO)「お前…!!」
( <::V::>)『行くぞ!!』
.
-
飛び掛ったカリスの腕がギャレンの喉元を捉える。
乗っていたレッドランバスから強引に引き剥がされ、支柱を失ったレッドランバスは倒れ道路に打ち付けられた。
( OMO)「女だったのか…!どけ、カテゴリーAは俺の獲物だ!」
( <::V::>)『貴様等に渡すつもりはない。貴様を倒し、私が奴を封印する!』
( <::V::>)『――クジャク野郎、聞こえているんだろう?
貴様もじきに私が封印してやる、残された時間をせいぜい楽しむんだな!』
( OMO)「黙れ!!」
右足で大振りな蹴り振るうが、カリスは頭を下げこれを回避。
振った勢いのまま放った左足による後ろ回し蹴り。
腹部に向け足底を放ったが、流されるようにして手で払い除けられた。
蹴りの反動でほんの僅かに生じたギャレンの隙を突き、今度はカリスが顔正面に素早く拳を叩き入れる。
( OMO)「ぐうっ!」
( <::V::>)『遅いッ!』
飛びながらギャレンの腹部に見舞った蹴り。
同時に身体を横回転させ、ギャレン同様後ろ回し蹴りを放ち的確に顎へと命中。
( ; OMO)「がっ…!」
顎がかち割られるような痛みが走る。
後ろへと怯むギャレンに追い討ちをかけんと、短い距離でも十分に助走を付け飛びつき式の膝蹴りを再び顔面狙い放つ。
-
カリスが放った膝蹴りはギャレンの顔面に直撃した。
だが、ギャレンはカリスの片脚を掴んでいる。攻撃を許す事と引き換えに、捕えたのだ。
( OMO)「お前が速いなら、捕まえればいい…!」
( <::V::>)『しまった――』
ギャレンの右手には、いつの間にかギャレンラウザーが握られている。
すぐに振り解こうと抵抗しようとした時には、カリスの胸部に銃口が接触。
引き金が幾度も引かれ、カリスの身体に銃撃を見舞った。
( ;<::V::>)『うあぁっ!く……ッ!』
《-♦3 UPPER-》
重なる銃撃により身体が圧され、宙を浮きながら後退。
その隙に一枚のカードを取りラウズするギャレン。
カリスが着地をする瞬間を見計らい、ギャレンは瞬時に駆けすかさず距離を詰める。
そして、着地したカリスの腹部に腕力が強化された拳が鈍い音と共に叩き込まれた。
( ;<::V::>)『ぐふっ……!!』
カリスの背中を貫く衝撃波。
強過ぎる衝撃に耐え両足で踏ん張ったものの、反面ダメージは相当大きい。
-
( ;<::V::>)『うぅ…貴様…ッ!』
叩き込まれたギャレンの拳、その腕を両手で掴み払い除けた。
しかし、ギャレンはその力を逆に利用し身体を回転。
( OMO)「はああああぁッ!!」
再び大振りの足刀蹴りを放ち、カリスの側頭部に叩き込んだ。
( ;<::V::>)『あう…っ!!」
蹴撃の勢い凄まじく、真横へと飛ばされるカリス。
道路を転がり倒れた後、両手で道路を叩いたと同時に糸で吊り上げられるかのようにふわっと瞬時に立ち上がった。
カテゴリーAと三つ巴で戦った時から、ギャレンの手応えに妙な違和感を覚えていた。
元々の力量は知りもしないが、少なくとも出会った当初とは違う動きと力である事は確かだ。
ひとつひとつの動作に、迷いがないのだ。
( <::V::>)『こいつ……まさかあの時、クジャク野郎の手によって…』
『ご名答だ』
( <::V::>)『!?』
その声に振り返った時、既に眼前には放たれた炎球が迫っていた。
( ;<::V::>)『うああぁっ!?』
防ぐ構えを取った時にはもう遅い。
炎球はカリスに直撃し、防ぎ切れない余波がカリスを吹き飛ばした。
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ミ,,゚王゚彡『クックック…俺に残された時間は短いらしいのでな、楽しみに来たぞ』
炎球を放った正体は府坂だった。
早々アンデッド態で現れ、ギャレンに加勢するつもりのようだ。
( ;<::V::>)『ぐうっ…!貴様、その男に何かしたな…っ!』
ミ,,゚王゚彡『ああ、少しばかりあの植物の力を与えてやったのさ』
( ;<::V::>)『やはりそういう事か…上手い事、…ッく…その男をモノにしてやったという訳だ…』
ミ,,゚王゚彡『…今日はお喋りをする気分ではない、少しばかり痛め付ける為に来た』
ミ,,゚王゚彡『行くぞ、ギャレン!』
( OMO)「……うおおおおッ!!」
( <::V::>)『面白い…まとめてぶっ倒してやる!!』
府坂の声に応じ、ギャレンはカリスに向かい駆け出す。
左手にカリスアローを召喚し、迎撃の構えを取った。
アンフェアな状況すらも楽しむような台詞を吐き、迫り来るギャレンにカリスアローの両刃を振るった。
.
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――――――
――――
――
一方、カテゴリーAとは別のアンデッドの反応を追いその場所まで到着したブレイド。
ブルースペイダーの流れに逆らうようにして、人の群れが通り過ぎて行く。
「うわああぁあぁあっ!!」
「きゃあああーーっ!!」
( OwO)「早く逃げるんだお!」
停車したブルースペイダーから降り、逃げる人々を誘導する。
なぎ倒された電柱、破壊された壁。既にアンデッドが暴れまわった痕跡が見受けられる。
簡単に周囲を見渡すと、倒された電柱に下敷きになり、うつ伏せに倒れている男性を発見した。
急いで救助に向かい、電柱に両手を掛ける。
( OwO)「こんのおォォ…!」
もっと重いと思ったが、ブレイドに変身しているせいか割と軽く電柱を退かす事が出来た。
( OwO)「大丈夫ですか!?……ん?」
倒れている男性の身体を揺さぶるが、返事はない。
その時、男性の首元から小さな黄金色の小さな蜘蛛が姿を現した。
――カテゴリーAが撒いた、蜘蛛の子だ。
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だが、カテゴリーAの物である事はブレイドには知る由もない。
蜘蛛の子をぱっと手で払い、男性のうつ伏せになった身体を仰向けにさせると……
( OwO)「……!!」
胸には、アンデッドに裂かれたであろう傷跡が幾重にも重なっている。
執拗に切り付けたのだろうか、重なった傷跡によって肉が抉られたようにへこんでいる。
服は血で真っ赤に染まり、地面には血溜まりが微かに出来ている。
既に息をしている様子もない。
『グルルルル……』
ドス、ドス…という足音と共に、唸り声が聞こえる。
顔をあげると、目の前には、以前逃亡したライオンのアンデッドが右手の鈎爪を構え立っていた。
( #OwO)「お前の仕業か…よくもこんな事を!今度は逃がさない!!」
残虐かつ非道なアンデッドに、湧き上がる怒りを抑えられない。
立ち上がりブレイラウザーを怒りに任せ引き抜くと、アンデッドに向かい立ち向かった。
( #OwO)「うおおおおおッ!!」
ライオンのアンデッドの腕の一振りを潜るように躱す。
背後を捉え、躱した瞬間にブレイラウザーを横に一薙ぎ胴体を斬り付けた。
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♪覚醒 - https://www.youtube.com/watch?v=ktrFxQEDJWc
『グウウゥッ!』
( #OwO)「ぅおらああぁッ!!」
一度の斬撃に怯んだ隙に、縦横無尽にブレイラウザーを振り続ける。
ブレイラウザーの鋭い刃がライオンのアンデッドの身体を斬り続け、あたりに緑色の血が散る。
人を襲い続けるアンデッドに、激しい怒りを露にする。
だが、攻撃をする中でひとつ思う事もあった。
( OwO)(人を襲うアンデッド……クーさんは、これまで人を襲ってないお)
( OwO)(アンデッドでも、人を襲わないアンデッドがいるのか…?)
『ガオオオオォオッ!!』
( ; OwO)「うあっ!?」
考え事に気が向いてしまい、アンデッドへ隙を許してしまった。
ブレイラウザーを弾かれ、右手の鈎爪がブレイドの胸部を切り付ける。
( OwO)「ぐっ…このォッ!!」
『ガウゥッ!?グオオオォオッ!!』
鈎爪が振り下ろされたと同時に、ブレイラウザーを振り上げる。
ブレイラウザーの刃が先にアンデッドの腕に接触し、鈎爪を装備した右手首ごと斬り落とした。
右腕からは緑の血を噴出させ、痛みに苦しんでいる。
-
戦況不利と見たか、ライオンのアンデッドは跳躍し逃亡を図った。
すかさずブレイドも飛び、アンデッドの足を掴みそれを阻止。地面に叩き付けられた。
( OwO)「逃がさないと言っただろ!」
ブレイラウザーを逆手に持ち、オープントレイを展開する。
必殺技であるLIGHTNING BLASTを発生させる為の二枚のカードに加え、ブレイドはもう一枚を選択。
計三枚のカードをラウズし、更に強化されたコンボを生み出した。
《-♠5 KICK-》 《-♠6 THUNDER-》 《-♠9 MACH-》
三枚目のカード、"♠9のMACH"はギャレンと共闘した末に倒した豹のアンデッドのカードだ。
このカードは、使用者に高速で移動出来る俊足の効果をもたらす。
ラウザーの電子音声が、三枚のカードにより発生するコンボを告げる。
《-♠LIGHTNING SONIC-》
( OwO)「ふっ!」
『!?!?』
駆け出したブレイドは、目にも留まらぬ速さで疾走。
右手を失いながら立ち上がったアンデッドは、迫り来るブレイドのスピードに驚愕。
短時間で生み出す加速は、助走としては必要以上過ぎる程に着いている。
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地面を蹴り、宙を高々と跳躍。
青白い雷を纏った右足を伸ばし、放たれた一矢の如く素早さでアンデッドへと接近。
( OwO)「うぇえええええええええいッッ!!!」
『グヘアアアアアアアアッ!!』
必殺技の蹴りがアンデッドの胸に叩き込まれた瞬間、そのダメージと雷がアンデッドの身体中を駆け巡る。
衝撃に耐え切れず吹き飛んだアンデッドは空中で爆破。
地面を転がり仰向けに倒れた後、バックルが左右に開かれ【♠ 3】の文字を覗かせている。
ブレイドはアンデッドに向けカードを投擲。
一瞬にしてライオンのアンデッドはカードに吸収され、封印された。
手元に戻ったカードには、"♠3 BEAT"と記されている。
( OwO)「……僕は、今みたいにクーさんを封印しなきゃならないのか…?」
アンデッドを封印して早々浮かんだのはクーの事。
今の戦いをクーとの事に置き換え、悩んだ。
ひとまずバックルに手を掛け変身を解こうとした時、再びツンの通信が入った
[ ブーン、聞こえる?山の方にいたアンデッドの特殊な反応が消えたわ。
でも、二体のアンデッドが現れてまだギャレンが戦ってる …もしかしたら、府坂かも]
( OwO)「府坂……分かった、こっちは終わった。今すぐ行くお!」
休む間も無く、ブレイドはブルースペイダーの元へと戻る。
眼前に映し出されるアンデッドサーチャーの反応をもとに、今度こそ山の方へとブルースペイダーを走らせた。
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♪すべてを受けて - https://www.youtube.com/watch?v=yc3GldHbTpM
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――
( OMO)「ふっ!はあっ!」
( <::V::>)『チッ…!」
ミ,,゚王゚彡『ふん!』
( ;<::V::>)『うあっ!』
二人の相手を引き受けたカリスだったが、二対一という不利な状況に押されていた。
ギャレンの攻撃を防げば、すぐに府坂が黒い剣での攻撃を加えてくる。
府坂の攻撃を躱せば、その先にギャレンが回り込み得意の蹴りを放ってくるという状態だ。
ギャレンと府坂の息の合った連携に、対応し切れずにいた。
( OMO)「最後のカテゴリーAは、俺の手で倒す!!」
( ;<::V::>)『ぐうっ…!』
ギャレンのサイドキックが胸に叩き込まれ、カリスは地面を転がった。
府坂がゆっくりと近付き、カリスとの距離を埋めていく。
ミ,,゚王゚彡『そういう事だ、お前に構っている時間はない!』
カリスに向かい黒い剣を振り下ろす。
受け身を取りながらこれを躱し続ける中…、二人を余所にギャレンは右腰のホルスターからギャレンラウザーを引き抜いた。
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( OMO)「俺が…最強のライダーだ!」
オープントレイを展開し三枚のカードを選択し、ギャレンラウザーにラウズした。
三枚により発生するコンボを、電子音声が告げた。
《-♦5 DROP-》 《-♦6 FIRE-》 《-♦9 GEMINI-》
《-♦BURNING DIVIDE-》
"♦9のGEMINI"。ギャレンが倒したシマウマのアンデッドを封印したカードだ。
このカードを使えば、シマウマのアンデッド同様分身をする事が可能になる。
ギャレンラウザーをホルスターに収納し、両足を揃え跳躍。
府坂と相対しているカリスに向かい高々と飛んだ後、宙で身体を回転させるギャレンが分身。
二人のギャレンの両足に炎が燃え盛り始め、落下を始めた。
ミ,,゚王゚彡『はっ!』
( ;<::V::>)『くっ!…!?』
黒い剣の突きを受け怯むカリスの目に、宙を舞う二人のギャレンの姿が映った。
府坂は華麗に身を翻し後退。カリスを目掛け、ギャレンの両足が振り下ろされた。
( OMO)「でいやあああああッ!!!」
( ;<::V::>)『うああぁああっ!!!』
二人のギャレンの炎を纏った両足がカリスに直撃。
斧のように振り下ろされた計四度の蹴りを受け、強烈な攻撃に叫びながら後方へと吹き飛ばされた。
-
ミ,,゚王゚彡『……終わったな。行けギャレン、カテゴリーAを追え』
( OMO)「ああ」
最早一つ返事で済ませる程、府坂に敵意を無くしている。
府坂に促され、ギャレンはレッドランバスを意思で操り無人走行させる。
向かってきたレッドランバスに飛び乗ると、カテゴリーAを追い山から街中へと向かった。
( ;<::V::>)『うっ…ぐ、ああっ…!』
ギャレンの必殺技を受けた事で、身体への負荷は一気に大きくなった。
これまでライダーとして一強を築いてきたカリスが、府坂の介入有りとは言えあのギャレンに屈したのだ。
ダメージが身体を蝕み、起き上がる事が出来ない。
倒れたままのカリスに府坂が歩み寄り、首を掴み強引に起き上がらせた。
ミ,,゚王゚彡『…今少し、眠ってもらおうか』
( ;<::V::>)『……ッ!!』
首を掴んだままのカリスを片手のみで軽々と持ち上げた府坂は――、
カリスを、橋の外へと放り投げた。
ただ力なく、橋の下へと吸い込まれるように落ちていく。
常人であれば命はまずない高さだ。
常人でなくても、受け身を取れなければ重傷を負うだろう。
ミ,,゚王゚彡『ようやく黙らせる事が出来たか…。
封印されるのは俺ではない…俺が作るライダーによって、お前が封印されるのだ!』
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―――――
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一方、クーが家を出て行った事によって朝から慌しくなってしまったバーボンハウス。
いつもなら夜の開店に向け準備をするはずが、それすらも手が付かないショボンが一人で待機していた。
(´・ω・`)「……クー、何で出て行ったんだ…君は一体……」
クーと初めて会った日の事を思い出す。
雨で濡れていたクーを、当時空き部屋だったクーの部屋へと運んだ時の事だ。
あの時に見た事は、クーにも渡辺にも、誰にも話していない。
クーのコートの袖から、緑色の液体が垂れていた事。
袖を捲り、素肌に出来ている傷口を見た時――それが、血である事を知ってしまった事を。
(´・ω・`)「一体、君は何者なんだ…?何の為に動いているんだ…」
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「あまねー、次の授業行くよー」
从'ー'从「……うん」
「どうしたの?何か今日おかしいよ?」
从'ー'从「大丈夫、だよ…先行ってて?」
学校に通学中の渡辺も、ショボンと同様にクーの事で頭がいっぱいになっていた。
友達の呼びかけにもまともに答えず、終始呆然とした様子を見せている。
从'ー'从「……クーさん、お願いだから帰ってきて…」
从'ー'从「クーさん……クーさん……」
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――――
――
( ;<::V::>)『はっ……く、う……』
橋から落とされた後、地面へと叩き付けられぐったりと倒れていた。
気が遠のくような感覚、意識を失ってしまいそうだ。
力を振り絞り懸命に仰向けになると、バックルにカードを一枚通した。
《-♥2 SPIRIT-》
カリスの身体が透明なゲートに覆われ、クーの姿に戻った。
コートの袖からは緑色の血が覗き、口の端からも血を流している。
川;゚ -゚)「ぐ……ッ、はあ……」
段々、気が遠くなってきた感覚が明確になってきた。
頭がボーッとし始め、痛みに声を漏らす事も無くなってきている。
遠のく意識の中、クーの頭の中には――
川; - )「……あまね、ちゃん……」
川; ー )「………」
口元に小さく笑みを浮かべるようにも見える、クーの表情。
渡辺の名前を呟き……クーの意識は、遂に途絶えた――。
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【 第14話 〜巣の上の遊戯〜 】 終
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【 次回予告 】
「お前が俺を探していたという奴か」
ミ,,▼Д▼彡「そうだ、どうしても君に会いたくてね」
ミ,,▼Д▼彡「ギャレンにもなれず、ブレイドにもなれなかった君は…ライダーへの執念を捨て切れてないはずだ」
「………」
ミ,,▼Д▼彡「俺が作る究極のライダー……その力を君に授けたいと思っている。
どうかな?悪い話ではない…むしろ、君の目は今輝いているように見えるが?」
「……ライダーになれなかった男が、最強のライダーか」
(,, )「……ふっ、面白い」
府坂が探し求めていた男と、遂に対面を果たす。
そして、究極のライダーの存在とは?
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『シイイイ……!』
( #OwO)「降りて来いっつってんだお!!この……ッ!」
「やめて!!!」
( OwO)「ちょ、駄目だ!危ないから来ちゃ駄目だお!!」
(#゚;;-゚)「やめて!!モスをいじめないで!!!」
( OwO)「へ……?」
(#゚;;-゚)「やめてって言ってるでしょ!?私の友達を、モスをいじめないでよ!!」
ブーンの前に立ちはだかり、アンデッドを庇う少女が現れる。
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再びドクオの前に姿を現すカテゴリーA。
( \品/)『俺ニハ見エル…キサマノ心ニ染ミ込ンダ、暗闇が見エルゾ…!』
(;'A`)「もうやめてくれよぉっ!!何で俺なんだよ!!俺は強くなんかない!!!」
( \品/)『俺ヲ求メロ…!俺ハキサマノ"力"トナリ、ソノ暗闇ニ住ミ着イテヤロウ!』
(;'A`)「訳わかんねぇって…!!襲う気ないなら来るんじゃねえ!!」
カテゴリーAの打倒に燃えるモララーが到着するなり、含みのある笑いを見せる。
( ・∀・)「カテゴリーA、今度こそ逃がさない!覚悟しろ!!」
( \品/)『………フッ、時ハ来タ』
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( ・∀・)「……俺は、大きく生きたいと思うようになった。俺の強さを誰からも認められて、俺は――」
ノハ ⊿ )「違う!!!!」
( ・∀・)「!!」
ノパ⊿゚)「違う……そんな生き方じゃなくていい、誰にも認められなくたっていいじゃないか!
道端の花みたいにひっそりとでいい。そんな風に…君と生きていきたいんだ」
ノパ⊿゚)「君と…二人で…!」
( ・∀・)「………ごめん、生き方が違ってしまったんだ。もう一緒には生きられない」
すれ違い続けるモララーとヒート。
二人の関係は、一体どうなってしまうのか?
そして――モララーに、残酷で過酷な運命が迫ろうとしていた……。
次回、【 第15話 〜摘まれた紅い花〜 】
――今、その力が全開する。
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しおり
>>2 プロローグ
>>12 第1話
>>60 第2話
>>135 第3話
>>198 第4話
>>254 第5話
>>322 第6話
>>400 第7話
>>473 第8話
>>551 第9話
>>633 第10話
>>695 第11話
>>770 第12話
>>857 第13話
>>933 第14話
次投稿するときは新しく建てます。
ありがとうございました。
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乙!!
ニチアサ第2ラウンドホント嬉しいから好き
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乙
ギャグパートマジで貴重だと思った
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正直1000行くとは思わなかった(小声)
楽しみにしてるぜ!
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うまく納めたな
次スレも楽しみ
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おつ
次スレ待ってる
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