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ξ゚⊿゚)ξし×××のようです(^ω^ )
1
:
名無しさん
:2017/05/09(火) 18:57:13 ID:DCeU8sjA0
ミセ;゚ー゚)リ「ね、ニュース見た!? またあの殺人鬼が出たってさ!」
ξ゚⊿゚)ξ「殺人鬼?」
(゚、゚トソン「綺麗な女性だけを狙うというあの連続殺人犯ですか?」
ミセ;゚д゚)リ「そう! もうほんっと怖くない!? 可愛いミセリちゃんがいつ狙われるか心配で心配で!」
(゚、゚トソン「ワロス」
ミセ;゚д゚)リ「傷つくからその反応やめて!」
246
:
名無しさん
:2018/07/03(火) 20:16:17 ID:qi7Hya9I0
ξ*゚⊿゚)ξ「ビッグマック買ってきてくれたの!?」
( ^ω^)「買ってきてないです」
ξ#゚⊿゚)ξ「……は?」
( ^ω^)っー「僕にキレられる道理なくない?
ほら、体温計買ってきたから熱測るお」
ξ゚⊿゚)ξ「体温計買えるとかセレブやんけぇ……」
( ^ω^)「口調変わってるお」
ξ゚⊿゚)ξっー「これで熱測ればええんやな? 任しときや!」
( ^ω^)「エセ関西弁やめて」
247
:
名無しさん
:2018/07/03(火) 20:17:04 ID:qi7Hya9I0
ξ゚⊿゚)ξっー「37度1分」
( ^ω^)「微熱だおね」
ξ゚⊿゚)ξ「さっき寝たから結構楽になったわ。THE・健康体よ」
( ^ω^)「まだ熱あるんだから健康体ではないお」
ξ゚⊿゚)ξ「『健康体』じゃなくて『THE・健康体』ね」
( ^ω^)「はいはい」
ξ゚⊿゚)ξ「THE・健康体。復唱しなさい」
( ^ω^)「めんどくせぇ〜もういいから寝て〜」
ξ゚⊿゚)ξ「さっき寝たから眠くないわ」
( ^ω^)「布団に入って目を閉じてるだけでいいから」
ξ゚⊿゚)ξ「えー……」
( ^ω^)「ちゃんと寝ないとサンタさん来てくれないお?」
ξ゚⊿゚)ξ「時期外れのサンタさん……来てくれるかしら……」
( ^ω^)「ちゃんと寝てたらきっと来てくれるお。サンタさんに何を頼むんだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「内定、かな……」
( ^ω^)「切実すぎてコメントしづらい」
248
:
名無しさん
:2018/07/03(火) 20:18:09 ID:qi7Hya9I0
ξ゚⊿゚)ξ「ちゃんと寝てたらサンタさんが内定持ってきてくれるかしら……?」
( ^ω^)「きっと持ってきてくれるお。きっとね、きっと。きっと」
ξ゚⊿゚)ξ「本当……?」
( ^ω^)「僕サンタじゃないんで保証はできないけどきっと本当だお。僕サンタじゃないんで保証はできないけど」
ξ*-⊿-)ξ「サンタさん……内定楽しみにしてるわ……」
( ^ω^)「僕サンタじゃないんで保証はできないけど」
ξ-⊿-)ξ スヤスヤ
( ^ω^)「さーて、卵がゆでも作るかお」
( ^ω^)っ「使わない卵は冷蔵庫にしまっておかなきゃだおね」レイゾウコパカッ
( ^ω^)「ツンさんの冷蔵庫、マヨネーズとペットボトルのお茶しか入ってないの草生える」
249
:
名無しさん
:2018/07/03(火) 20:18:50 ID:qi7Hya9I0
(∩^ω^)∩「ツンさん起きてー卵がゆできたおー」
ξ-⊿-)ξ スヤスヤ
(∩^ω^)∩「ツンさーん、ビッグマックー」
ξ-⊿-)ξ スヤスヤ
( ^ω^)「ビッグマックで起きないだと……」
ξ-⊿-)ξ「うーん……もう食べられない……」
( ^ω^)「テンプレな寝言だおね」
ξ゚⊿゚)ξ「天ぷら?」カッ
( ^ω^)「だから病人の食欲じゃないって」
250
:
名無しさん
:2018/07/03(火) 20:19:49 ID:qi7Hya9I0
ξ*゚⊿゚)ξ「天ぷら作ってくれたの?」
( ^ω^)「作ってないお。そもそもテンプレの聞き間違いだし」
ξ゚⊿゚)ξ「えー」
( ^ω^)「えーじゃないお。卵がゆ作ったから食べるお」
ξ゚⊿゚)ξ「もっとガッツリ食べたい……」
( ^ω^)「だからって病人がビッグマックや天ぷらを所望するのはどうかと思うけど」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、ところでサンタさんは内定持ってきてくれた?」
( ^ω^)「サンタさんは『それは自分で頑張って』って言ってたお」
ξ゚⊿゚)ξ「何よーアンタならパパーッと内定取れるんじゃないの?」
( ^ω^)「内定の譲渡はちょっと無理かな〜。ていうか僕がサンタなの?」
ξ゚⊿゚)ξ「お前がサンタになるんだよ!!」
( ^ω^)「じゃあツンさんトナカイね」
ξ゚⊿゚)ξ「ええ……いいけど」
( ^ω^)「いいんだ……」
251
:
名無しさん
:2018/07/03(火) 20:20:45 ID:qi7Hya9I0
( ^ω^)「冷めるから早く卵がゆ食べて」
ξ*゚⊿゚)ξ人「いただきまーす」
( ^ω^)「どうぞー」
ξ*゚〜゚)ξ「あ、美味しい」モグモグ
( ^ω^)「そりゃどうも。余った卵でプリン作ったから固まったら食べるといいお」
ξ*゚⊿゚)ξ「有能!!」
( ^ω^)「知ってる」
ξ*゚⊿゚)ξ「早速プリン食べたいわ!」
( ^ω^)「固まったらって言ったお」
ξ゚⊿゚)ξ「プリンはほら……飲み物だから」
( ^ω^)「大食いみたいな発言だおね」
ξ゚⊿゚)ξ「プリン飲んでいい?」
( ^ω^)「だめです。固まるまで待ってください」
ξ゚⊿゚)ξ「えー……」
( ^ω^)「えーじゃありません。ほら、卵がゆいっぱい作ったからおかわりあるおー」
ξ*゚⊿゚)ξ「おかわりいる!」
( ^ω^)「まずは器にある分を全部食べてからね」
ξ*゚〜゚)ξ「任せなさい!」モグモグ
( ^ω^)「なんか子育てしてる気分……」
ξ゚⊿゚)ξ「オカン……」
( ^ω^)「誰がオカンだ」
252
:
名無しさん
:2018/07/03(火) 20:23:14 ID:qi7Hya9I0
ξ*゚⊿゚)ξ人「ごちそうさまでした! 美味しかったわ!」
( ^ω^)「そりゃどうも」
ξ*゚⊿゚)ξ「やっぱアンタ料理上手いわねー」
( ^ω^)「普通だお。ツンさんが下手すぎるから相対的に上手く見えるだけだお」
ξ゚⊿゚)ξ「んだと」
( ^ω^)「じゃあそろそろ帰るお。鍋にまだ卵がゆあるから夕飯にでもあっためて食べて」
ξ゚⊿゚)ξノシ「ありがとう、オカン」
扉|^ω^)「誰がオカンだ」
バタン
ξ゚⊿゚)ξ「……」
ξ*゚⊿゚)ξ「プリン!」
ξ*゚⊿゚)ξっ レイゾウコパカッ
ξ*゚⊿゚)ξっ凵ミ ヒョイッ
ξ゚⊿゚)ξ「……まだ固まってない」
凵⊂
ξ゚⊿゚)ξ
凵⊂
ξ゚⊿゚)ξ ゴクゴク
凵⊂"
扉|^ω^)「いや飲むんかーーーい」
ξ゚⊿゚)ξ「まだおったんかーーーい」
凵⊂
第9話 『しょうびょう』 終
253
:
名無しさん
:2018/07/03(火) 20:30:36 ID:gOFqa9Cs0
乙ー
この流れるような会話のテンポ大好き
254
:
名無しさん
:2018/07/03(火) 20:31:17 ID:WVimGu4c0
乙です!
続きキタ━(゚∀゚)━!
二人のやり取り、ホント好きだ
255
:
名無しさん
:2018/07/03(火) 22:29:41 ID:JSIkZzvU0
乙
256
:
名無しさん
:2018/07/03(火) 22:57:48 ID:D0KbUoRk0
おつ やり取りが微笑ましい
殺伐とした関係なのにね
257
:
名無しさん
:2018/07/03(火) 23:26:23 ID:fTMgphYA0
おつ
プリンって蒸すから冷やす前から個体なんじゃ?
258
:
名無しさん
:2018/07/03(火) 23:44:50 ID:JPlMdSLE0
乙
プリンエルとか使うと液体から固めることになる
259
:
名無しさん
:2018/07/04(水) 00:59:39 ID:UNwnnO.M0
しょう びょう -びやう 【従病】
完治を目指して病気と闘うのではなく,ある程度の社会生活を送れるならば,その病気と共存していこうという考え方。
金欠病ってことか?
260
:
名無しさん
:2018/07/04(水) 01:28:36 ID:m1mqfyH20
待っとったで!乙!
261
:
名無しさん
:2018/07/04(水) 01:32:41 ID:T/Sh9zzg0
待ってた乙!
ツンのキャラとこの会話のテンポの良さが好き
262
:
名無しさん
:2018/07/04(水) 07:10:30 ID:J5UM81XQ0
>>259
傷病じゃね?
263
:
名無しさん
:2018/07/04(水) 10:50:09 ID:x0fYsIBU0
乙!待ってたよー
ツンもブーンも好きなだけに終わりがどうなってしまうのか…
264
:
名無しさん
:2018/07/04(水) 18:42:07 ID:tuIVXdMc0
二人の会話読んでると殺人鬼なの忘れてダメージくらうわ…死にてえ
265
:
名無しさん
:2018/07/04(水) 21:40:17 ID:RzPDrU5Q0
>>262
うん。ただツンのキャラからしてこっちもありそうな気もしてね
266
:
名無しさん
:2018/07/08(日) 00:25:18 ID:yQ5RqiMs0
おつおつ
267
:
名無しさん
:2018/07/11(水) 22:23:59 ID:l4nmvX7k0
ツンも変わってきてるな……
268
:
名無しさん
:2018/07/18(水) 23:27:39 ID:n2afkmVk0
この平穏が怖い
269
:
名無しさん
:2018/08/11(土) 12:03:24 ID:./3ZCe..0
つづきまだかなー
270
:
名無しさん
:2018/08/16(木) 08:27:06 ID:dUc2jRq60
しゃにむに
271
:
名無しさん
:2018/09/02(日) 17:41:32 ID:XisXIyWM0
待ってるよ
272
:
名無しさん
:2018/09/06(木) 21:22:31 ID:2Z2AC82I0
どんどんあく投下間隔
どんどん短くなる1話
どんどん落ちるクオリティ
あっ(察し
273
:
名無しさん
:2018/10/15(月) 00:37:26 ID:RT6mognI0
待ってる
274
:
名無しさん
:2019/01/27(日) 21:47:41 ID:K/kv/BFA0
更新こないかな
275
:
名無しさん
:2019/01/30(水) 00:45:23 ID:51K8Q5mU0
更新待っとるぞ!
276
:
名無しさん
:2019/02/12(火) 01:41:55 ID:radUNIFo0
>>6-9
ちょっと擬人化有
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_2561.jpg
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_2562.jpg
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_2563.jpg
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_2564.jpg
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_2565.jpg
ツンちゃんのなんだこの女、感が凄い可愛いなって改めて思った
死にたがりと殺人鬼の関係ありきなのに妙にそこを忘れてしまって、やりとり見ていてはっと気付く不思議な感覚がある。好きです
277
:
名無しさん
:2019/02/12(火) 02:06:40 ID:Wn0ADm6c0
おぉーいいね
ときおり見せるブーンの狂気じみた目がいい味
278
:
名無しさん
:2019/02/12(火) 14:40:26 ID:017XNPiI0
>>276
めっちゃいいですね!
つづき見てみたいです!
279
:
名無しさん
:2019/02/12(火) 23:40:59 ID:sjfE8M.Q0
>>276
めちゃくちゃ素敵な支援絵をありがとうございます……!!
二人の表情や仕草が細かくてとても魅力的に描いていただけて感無量です。
ツンの部屋の小物がどれも可愛らしく、特に荒巻の枕は実際に欲しいくらいです。
書きながらなんとなく想像していた光景よりもずっと鮮明で生き生きしていてすごく感動しました。
本当にありがとうございます。更新頑張ります!
280
:
名無しさん
:2019/02/13(水) 10:25:00 ID:7GsG2lGc0
更新楽しみにしてるぞ!
281
:
名無しさん
:2019/02/14(木) 03:06:20 ID:cARhD0Lg0
僕も!
282
:
名無しさん
:2019/02/14(木) 22:19:33 ID:VlfUm71o0
更新待ってます!
283
:
名無しさん
:2019/02/15(金) 02:30:54 ID:FzpiNl8Y0
私も!
284
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 20:55:46 ID:k8d8mM5A0
( ^ω^)σ" ピンポーン
( ^ω^)
( ^ω^)σ" ピポピポピポピポ
( ^ω^)づ「出ないおねー。これは鍵開け案件っと」バキィ
( ^ω^)っ|扉「さーて、中で待たせてもらうかお」ガチャッ
扉| =3 バタン
ガチャッ
( ^ω^)ノ「あ、ツンさんおかえりだおー」
ξ゚⊿゚)ξノ「ただいまー」
( ^ω^)「慣れすぎ」
285
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 20:56:58 ID:k8d8mM5A0
ξ゚⊿゚)ξし×××のようです(^ω^ )
第10話 『しゅえん』
.
286
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 20:57:59 ID:k8d8mM5A0
ξ;゚⊿゚)ξ「いや『ただいまー』じゃねえよ私!!」
( ^ω^)「別にここツンさん家だからおかしいことは言ってないお」
ξ;゚⊿゚)ξσ「たしかに! おかしいのは私じゃなくアンタ!! なんでいるのよ!!」
( ^ω^)「いつものことじゃないかお。そもそも鍵壊れてる時点で気づいたでしょ」
ξ;゚д゚)ξ「……ほんとだ! よく考えたら鍵壊れてた!」
( ^ω^)「鍵壊れてるの慣れすぎ」
287
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 20:59:02 ID:k8d8mM5A0
( ^ω^)「ツンさん防犯意識甘いおー?」
ξ;゚⊿゚)ξ「鍵という名の防犯をぶっ壊すアンタにそんなこと言われたくないわ……」
( ^ω^)「まあ僕以外に鍵壊せる人あんまりいないと思うから大丈夫だお」
ξ;゚⊿゚)ξ「鍵壊せるアンタが毎回壊していくのが問題なのよ……」
( ^ω^)「で、今日来たのはね……」
ξ;゚⊿゚)ξ「そうだ忘れてた!! アンタに構ってる暇ないんだった!!」
( ^ω^)「おっ?」
ξ;゚⊿゚)ξ「これから人来るから帰って!」
( ^ω^)「ミセリさんとトソンさん?」
ξ;゚⊿゚)ξ「その二人じゃないんだけど……ていうかその二人にこそ来てほしかったんだけど……」
( ^ω^)「えっ、ツンさんって他に友だちいたの……?」
ξ;゚⊿゚)ξ「い、いるわよ! ビロードくんとワカッテマスくんとちんぽっぽちゃんとか!」
( ^ω^)「いや大学で」
ξ;゚⊿゚)ξ「……」
( ^ω^)「いないのかお……」
ξ#゚⊿゚)ξ「キエエエエェェェェェ」
( ^ω^)「威嚇行動やめて」
288
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 20:59:58 ID:k8d8mM5A0
( ^ω^)「じゃあ誰が来るんだお? 友だちじゃない人が来るのかお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「友だち……って言えるほどなのか分からないっていうか……」
( ^ω^)「そんな微妙な関係の人を招いたのかお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「元々ミセリとトソンも来る予定だったのに二人の都合が悪くなって……」
( ^ω^)「あー、そういう。そもそも何しに来るんだお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「皆でお酒飲もうってことになってるのよ」
( ^ω^)「宅飲みね。そういえばツンさんってお酒飲めるの?」
ξ;゚⊿゚)ξ「酔ったらすぐ吐くからあんまり飲めないわ」
( ^ω^)「酔い方に色気がないのツンさんらしい」
289
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:01:15 ID:k8d8mM5A0
ξ;゚⊿゚)ξ「そういうことでもう少ししたら来るから早く帰って!」
( ^ω^)「何人来るんだお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「二人だけど……」
( ^ω^)「女の子二人?」
ξ;゚⊿゚)ξ「……男女一人ずつ」
( ^ω^)「へー、男女一人ずつ?」
ξ;゚⊿゚)ξ「そうよ。カップルが来るのよ」
( ^ω^)「美人?」
ξ;゚⊿゚)ξ「……そーね、イケメンよ」
( ^ω^)「男の情報なんか要らねえお。美人?美人?ねぇねぇ美人??」
ξ;゚⊿゚)ξ「……うるさいわね」
( ^ω^)「答えようとしないってことは美人? 美人なんだおね?」
ξ;゚⊿゚)ξ「あーもー帰りなさい!! これからお酒とおつまみ買いに行かなきゃいけないんだから!!」
( ^ω^)づ「お酒とおつまみなら今日持って来てるんだお」ガサッ
ξ;゚⊿゚)ξ「えっ、なんで?」
( ^ω^)「今日はツンさんと飲もうかなって思ってたから」
ξ;゚⊿゚)ξ「なんというタイミング……」
290
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:02:19 ID:k8d8mM5A0
ξ;゚⊿゚)ξ「このお酒とおつまみは貰っていいの? 金欠だから正直貰えたらありがたいなーなんて……」
( ^ω^)「いいお」
ξ*゚⊿゚)ξ「ほんと!? 助かるわ! じゃあ帰って!!」
( ^ω^)「ちょっとそれは冷たいんじゃないかおーツンさんー?」
ξ;゚⊿゚)ξ「だ、だってくれるって……」
( ^ω^)「元々ツンさんと僕のために買ったんだお?
なのに買った僕が飲むことも食べることもできないなんて、僕がかわいそうじゃないかお」
ξ;゚⊿゚)ξ「……アンタも飲み会に参加したいってこと?」
( ^ω^)「当たり前じゃないかお」
ξ;゚⊿゚)ξ「ダメ! それは絶対ダメ!!」
291
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:04:34 ID:k8d8mM5A0
( ∩ω∩)「なんでだおー悲しいおー。おーんおーん」
ξ;゚⊿゚)ξ「それやめて。だってアンタがいたら殺しかねないじゃない!」
( ^ω^)「そんなに信用ないかお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「それに、私を殺した後のターゲットにされても嫌だし……」
( ^ω^)「出たおー甘っちょろツンさん。そもそも大して仲良い人じゃないんでしょ?」
ξ;゚⊿゚)ξ「……それでも嫌なんだもの」
( ^ω^)「本当に甘いおねー君は。心配いらないお。所構わず誰彼構わず殺すわけじゃないんだから」
ξ;゚⊿゚)ξ「……」
( ^ω^)「それに、僕が飲み会に参加することでツンさんにも利点があると思うお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「どういうこと?」
( ^ω^)「これから来る二人は君とそんなに仲がいいわけじゃないんでしょ? それにさっきカップルって言ってたおね?」
ξ;゚⊿゚)ξ「言ったけど……」
( ^ω^)「ツンさんとそんなに仲良くないカップル、そしてぼっちツンさんというこの構図。いやー、気まずいおねー!」
ξ;゚⊿゚)ξ「ぼっち言うな……」
( ^ω^)「せめて僕がいた方がマシじゃないかお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「そ、それは……」
<( ^ω^)>"「しかも僕は帰る気がない! あー楽しみだなー!! 僕が殺しかねないくらいの美女楽しみだなーー!!!」ゴロン
ξ;゚⊿゚)ξ「寝転ぶな!」
292
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:05:45 ID:k8d8mM5A0
< ピンポーン
ξ;゚⊿゚)ξ「ああもう、来ちゃったじゃない!
とりあえずコイツはクローゼットに押し込んで……」
( ^ω^)っ|扉「はーい」ガチャッ
ξ;゚⊿゚)ξ「なに勝手に開けてんのよ!!」
(;*゚ー゚)「あ、あれっ……部屋間違えた?」
(;,゚Д゚)「いや、合ってるはずだが……」
( ^ω^)「ここは津出ツンさんの部屋で間違いないおー」
(;,゚Д゚)「……貴方はどちら様で?」
(;゚-゚)(ギ、ギコくん! もしかしてあの殺人鬼なんじゃ!?)ヒソヒソ
(;,゚Д゚)(いやいやそんなわけ……)ヒソヒソ
(;゚-゚)(でも……)ヒソヒソ
( ^ω^)「……君」
(;゚-゚)「えっ、わ、私……?」
( ^ω^)「美人だおね」
(;゚-゚)「えっ……」ゾワッ
(;,゚Д゚)「おい! しぃに何を……」
ξ;゚⊿゚)ξ「いらっしゃい二人とも!! さあ上がって!!!」
293
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:07:10 ID:k8d8mM5A0
(;*゚ー゚)「津出さん!」
(;,゚Д゚)「おい、何なんだアイツ!?」
ξ;゚⊿゚)ξ「えっと、ちょっとした知り合いっていうか……」
( ^ω^)「初めましてー」
(;゚-゚)"「ひっ……」ビクッ
( ^ω^)「そんな怯えないでほしいお。殺人鬼だなんて酷いおー誤解誤解ー」
(;,゚Д゚)「そ、そりゃそうだよな……」
(;*゚-゚)「ごめんなさい、早とちりしちゃって……」
( ^ω^)「大丈夫だおー。物騒な世の中だもんね」
ξ;゚⊿゚)ξ(アンタのせいで物騒なんだろ)
(;*゚ー゚)「津出さんの知り合いかー……びっくりしちゃった……」
ξ;゚⊿゚)ξ「ごめんなさいね……すぐ帰らせるから」
( ^ω^)「えー、酷いおツンさん! 帰れだなんて!」
ξ;゚⊿゚)ξ「うるさい! 帰りなさい!」
(*゚ー゚)「あ、良かったら一緒に飲みません? お酒たくさん買っちゃったので」
(,,゚Д゚)「芹澤と都村が急に来れなくなったからな」
ξ;゚⊿゚)ξ「ちょっ……」
( ^ω^)「いいのかお? 嬉しいお!」
(*゚ー゚)「私、猫田しぃっていいます!」
( ^ω^)「猫田しぃさんね。覚えたお! 僕は西川ホライズンだお。よろしくだお」
(,,゚Д゚)「あ、俺は羽生ギコです」
( ^ω^)「へー」
ξ;゚⊿゚)ξ(私を抜きにどんどん話が進んでいく……!)
294
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:08:27 ID:k8d8mM5A0
(*゚ー゚)「ほらほら津出さん、乾杯しよ!」
( ^ω^)「乾杯だおーツンさん!」
ξ;-⊿-)ξ「……分かったわよ」
ξ;゚⊿゚)ξ(アイツだって流石に私やギコくんがいる前でしぃさんを殺したりなんかしないだろうし……大丈夫よね)
ξ;゚⊿゚)ξ(……そもそも、アイツは私を殺すまで他の人を殺さないはずだし)
(*゚ー゚)「津出さんと西川さんはビール?」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、私お酒弱いからほろよいにするわ」
(*゚ー゚)っ凵「津出さんはほろよいね。はい!」
ξ゚⊿゚)ξ凵「ありがとう」
( ^ω^)「僕はビールでお願いするお、しぃさん!」
(,,゚Д゚)っ凵「西川さんビールですね? どうぞ」
( ^ω^)凵「あ、はい」
(;,゚Д゚)(なんか俺にだけ冷たくないか?)
(*゚ー゚)っ凵「皆お酒持った? じゃあ早速……かんぱーい!」
ξ;゚⊿゚)ξっ凵"「か、かんぱい」
ξ;゚⊿゚)ξっ凵(これが陽キャのノリ……)
(,,゚Д゚)っ凵「西川さんも乾杯!」
( ^ω^)凵" グビグビ
(;,゚Д゚)っ凵「かんぱい……」
295
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:09:30 ID:k8d8mM5A0
(*゚ー゚)「ね、ね! 気になってたんだけどさ、津出さんと西川さんってどんな関係なの!?」
ξ;゚⊿゚)ξ「どんなって……ただの知り合いよ」
(*゚ー゚)「一緒にお昼食べた時に話してた西川さんって彼のことでしょー?」
( ^ω^)「お? ツンさん僕の話してたのかお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「あー……そんな話したわねそういえば」
(*゚ー゚)「時間なくてあんまり話聞けなかったから聞きたいな! 出会ったきっかけとか!」
ξ;゚⊿゚)ξ「聞きたいって言われても……」
( ^ω^)「しぃさんが聞きたいって言うなら話しちゃおっかなぁ〜」
ξ;゚⊿゚)ξ「えっ」
(*゚ヮ゚)「わーい、聞きたいです!」
( ^ω^)「しょうがないなぁ〜〜」
(,,゚Д゚)「俺も気になるな」
( ^ω^)「やっぱ話すのやめよっかな」
ξ;゚⊿゚)ξ(話せることなんて無いんだけど……コイツが殺人鬼なんて絶対言えないし……)
296
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:10:45 ID:k8d8mM5A0
( ^ω^)「それじゃあしぃさんのリクエストに応えて、僕とツンさんの出会いの物語、はじまりはじまり〜〜」
ξ;゚⊿゚)ξ(不安しかない……)
(*゚ヮ゚)人"「わーい!」パチパチ
( ^ω^)「おっおっ、しぃさんは盛り上げ上手だおね」
(,,゚Д゚)人" パチパチ
( ^ω^)「あ、ちょっとそれうるさいんでやめてもらっても……」
(,,゚Д゚)「あ、はい……」
( ^ω^)「えー、むかーしむかし、あるところに……」
ξ;゚⊿゚)ξ(なんで昔話口調)
( ^ω^)「ポンコツな女子大生がいました」
(,,゚Д゚)「津出の登場だな」
(;*゚ー゚)「西川さん、津出さんのことポンコツなんて言い方しちゃダメですよ!」
ξ゚⊿゚)ξ(ポンコツ=私のイメージが浸透してる……)
297
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:11:50 ID:k8d8mM5A0
( ^ω^)「就活に単位に卒論に悩むポンコツ女子大生、略してツンさん」
ξ゚⊿゚)ξ「どう略したんだ」
( ^ω^)「ツンさんは大学からの帰り道、とある男性とぶつかります」
(*゚ヮ゚)「なんだか少女漫画チック!」
(,,゚Д゚)「ここで西川さんの登場か?」
( ^ω^)「そのぶつかった男性はジャニーズ風超絶イケメンでした」
ξ゚⊿゚)ξ「???捏造が過ぎない??????」
( ^ω^)「例えるならそう、松坂桃李と向井理と山﨑賢人を足したようなイケメンです」
ξ゚⊿゚)ξ「足したなら割れよ」
(*゚ー゚)「ジャニーズ風って言ったわりにはジャニーズの人いないね!」
( ^ω^)「松坂桃李と向井理と山﨑賢人と生田斗真を足したようなジャニーズ風超絶イケメンは……」
(,,゚Д゚)「めげないな」
ξ゚⊿゚)ξ「いや、生田斗真増やしたあたりジャニーズいないって言われたのちょっと気にしてるわ」
298
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:13:14 ID:k8d8mM5A0
( ^ω^)「松坂桃李と向井理と山﨑賢人と生田斗真と櫻井翔を足したようなジャニーズ風超絶イケメン、略して西川とぶつかったツンさん」
(*゚ー゚)「やっぱり略し方がおかしいね!」
(,,゚Д゚)「また一人増えてるし」
ξ゚⊿゚)ξ「なんで頑なに割らないのよ。いくらイケメン五人とはいえ足すだけじゃ阿修羅像みたいになるわよ」
( ^ω^)「超絶イケメンな西川にツンさんは一目惚れします」
ξ゚⊿゚)ξ「二次創作始まった……」
(*゚ヮ゚)人「ラブな展開きた!!」
ξ゚⊿゚)ξ「いやこれ二次創作だから……。
そもそもコイツがイケメン設定なのも二次創作だし、私がポンコツってとこしか合ってないわよ」
(;,゚Д゚)「悲しいこと言うなよ……」
( ^ω^)「そして二人は異世界に転生し……」
(,,゚Д゚)「急にめちゃくちゃ雑になった……」
ξ゚⊿゚)ξ「さては飽きたわね」
( ^ω^)「うん飽きた」
(;*゚-゚)「えー! これから二人は一体どうなっちゃうのかドキドキしてたのにー!」
ξ゚⊿゚)ξ「どこにドキドキできる要素が……」
(,,゚Д゚)「西川さんの見た目設定がやけに長かっただけで物語としてはぶつかって異世界に転生しただけだしな」
(;*゚-゚)「えー……続き聞きたかったのに……」
( ^ω^)「もっと別の話しようおー」
ξ;゚⊿゚)ξ(……ありのままを話すわけにはいかないから、話題を流すためにわざと適当に話したってことよね)
( ^ω^)「ちまたで噂の殺人鬼の話でもしよっか!」
ξ;゚⊿゚)ξ(コイツ……!!)
299
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:14:43 ID:k8d8mM5A0
(;*゚-゚)「ちまたで噂の殺人鬼……って綺麗な女の人だけ殺すっていう……」
( ^ω^)「そうそう。最近は鳴りをひそめてるみたいだおねー」
(;*゚ヮ゚)「きっともうやめたんじゃないですか? 罪悪感で辛くなっちゃったとか……」
(,,゚Д゚)「……それはないな」
(;*゚-゚)「えー……でも最近ニュースで全然聞かなくなったじゃん」
(,,゚Д゚)「何人も残虐な殺し方しといて今更罪悪感がーなんて無いだろ」
(;*゚-゚)「うう……」
(,,゚Д゚)「多分……というか絶対、また出てくるだろうな」
( ^ω^)「おっおっ、なかなかな考察だおねーゲコくん」
(,,゚Д゚)「ギコです」
( ^ω^)「実際、犯人はどんな人だと思うお?」
(,,゚Д゚)「そうですね……案外普通な人だと思いますよ。あれだけ殺人を犯しても平然と日常に溶け込んでいる普通な人」
(,,゚Д゚)「自身の欲望を果たすためだけに残忍な行いを容易にできて、
でも普段はそんなこと感じさせない一見善良な人、なんだと思います」
( ^ω^)「……ふーん、なるほどね」
ξ;゚⊿゚)ξ(心臓に悪い……この話題心臓に悪い……!!)
300
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:16:21 ID:k8d8mM5A0
(;*゚-゚)「ギコくんなんでそんなに殺人鬼について考えてるの……」
(,,゚Д゚)「なんていうか……ちょっと羨ましいんだよな、あの殺人鬼のこと」
(;゚-゚)「えっ……?」
ξ;゚⊿゚)ξ「う、羨ましい……って……?」
( ^ω^)「ほう?」
(;,゚Д゚)「あっ、いや、変な誤解すんなよ!?」
ξ;゚⊿゚)ξ「変な誤解しかしないわよ今の発言」
(;,゚Д゚)「別にあの殺人鬼を肯定するとかじゃないからな!?
だって、考えてもみろよ! 自分の欲望のために犯罪に手を染めるって相当だろ!?」
ξ;゚⊿゚)ξ「まあ、そうよね」
(;,゚Д゚)「他の何も顧みずに、自分が本当にやりたいことを選べるってのが少し羨ましいと思うんだよ……」
(*゚ー゚)「……ギコくん、もしかして就職のことまだ悩んでるの?」
(;,゚Д゚)「……ああ」
ξ゚⊿゚)ξ「就職? たしか内定は出たけど、今選考中のところに受かったらそこにするって……」
(;,゚Д゚)「よく覚えてんな」
ξ゚⊿゚)ξ「大ダメージ食らったんで……」
(;,゚Д゚)「その選考中だったところから内定は出たんだけど……」
ξ゚⊿゚)ξ「あ゛ーーーーーーーーーなんて不平等な世の中なんやーーーーーーやってられへんわほんまーーーーーーーーーーー」
( ^ω^)「ツンさんエセ関西弁やめて」
301
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:17:47 ID:k8d8mM5A0
ξ゚⊿゚)ξ「ガチ恋御社から内定出たんでしょ???? 何が不満なのよ言ってみなさいよ言えよコラオイ言えよ」
( ^ω^)「ガチ恋御社て」
(;,゚Д゚)「俺、本当はもっと他にやりたいことがあるんだよ……。
でも将来の安定とか、色々考えるとそれは諦めた方が現実的なんだ」
(*゚ー゚)「でも、諦めきれないんでしょ?」
(;,゚Д゚)「……ああ」
ξ#゚⊿゚)ξ「うるっせーーーー!!!! 内定出たくせに贅沢言ってんじゃねえーーーーーー!!!!!」
( ^ω^)「ツンさんうるさいお。
要するにやりたいことより安定を取った、と。そういうことだおね? ペコくん」
(;,゚Д゚)「……そういうことです。あとギコです。ミルキーはママの味みたいな名前じゃないです」
( ^ω^)「いいところに内定を貰えたのならとりあえずはいいんじゃないかお?
新卒で選んだ仕事が人生の全てじゃないんだし」
(;,゚Д゚)「でも、諦めきれなくて……」
( ^ω^)「別に諦める必要はないお。
転職するなり、趣味としてやっていくなり、方法はいくらでもあるんだし。
そんなに焦らなくたって、どうするかはこれからゆっくり考えてもいいんじゃないかお?」
(,,゚Д゚)「そう、ですね……。ちょっと考えすぎてました」
(*゚ヮ゚)「良かったねギコくん! 人生の先輩にアドバイス貰えて!」
(,,*゚Д゚)「ありがとうございます西川さん」
( ^ω^)凵"「お礼なんていいお。頑張るおーキッコーマンくん」グビリ
(,,゚Д゚)「もはやわざと間違えてますよね?」
ξ゚⊿゚)ξ「人生の先輩、内定を貰うにはどうしたらいいですか?」
( ^ω^)「がんばってー」
ξ゚⊿゚)ξ「雑じゃない? ねえ??」
302
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:19:49 ID:k8d8mM5A0
(*゚ー゚)「津出さんならいつか内定貰えるよ! 大丈夫大丈夫!」
ξ゚⊿゚)ξ「そう思ってた時期が私にもありました」
(;*゚ー゚)「口ぶりが諦めてる……」
(,,゚Д゚)「俺もしぃも、芹澤と都村も内定出たんだ。だから津出も大丈夫だろ」
ξ゚⊿゚)ξ「それわざと?? 格差を知らしめるその言い方わざと????」
(;,゚Д゚)「いやいやいや、そんなネガティブな捉え方するなよ」
( ^ω^)「メンタルボロボロポンコツンさんに今の言い方はちょっと……」
(;,゚Д゚)「す、すまん津出」
ξ#゚⊿゚)ξ「謝んじゃねーーー!!! 余計惨めになるでしょうが!!!!」
ξ#゚⊿゚)ξ凵" グビーッ
( ^ω^)「ツンさんお酒弱いんでしょ。そんな一気に飲んだら……」
ξii゚∩゚)ξ「うっ」
( ^ω^)っ凵「あーほら言わんこっちゃない。ほら、水飲んで」
ξii゚⊿゚)ξ凵「ありがと……」
( ^ω^)「喋んなくていいから」
303
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:20:45 ID:k8d8mM5A0
(;*゚-゚)「津出さん寝た方が……」
(;,゚Д゚)「ちゃんと横向きで寝ろよ」
( ^ω^)「ツンさん潰れちゃったし今日はお開きにしようかお。ツンさんは僕に任せて二人は帰ってくれていいお」
(;*゚-゚)「津出さんの介抱なら私がやります! 女の子同士ですから!」
( ^ω^)「僕に任せてくれて大丈夫だお?」
(;*゚-゚)「で、でも……」
ξii-⊿-)ξσ「……しぃさん、コイツ手出すとか絶対ないから、大丈夫……」
( ^ω^)「あ、しぃさんそういう心配してたの? 手出すなんて発想1ミリも無かったお」
(;*゚-゚)「ほ、ほんとに大丈夫……?」
ξii-⊿-)ξ「大丈夫大丈夫」
( ^ω^)(ここまで信頼されてるってのもなんかなあ)
304
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:21:28 ID:k8d8mM5A0
(;*゚-゚)「じゃあ、私たち帰るけど本当に大丈夫だね?」
ξii-⊿-)ξノ「大丈夫よ。また大学で」
(;,゚Д゚)「しっかり休めよ。今日はありがとな、津出」
(*゚ー゚)「今度はミセリちゃんたちも一緒に飲もうね!」
( ^ω^)「その時は僕も呼んでほしいお!」
(*゚ヮ゚)「はい! また一緒に飲みましょう!」
ξii-⊿-)ξ(心臓に悪いから勘弁して……)
305
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:22:22 ID:k8d8mM5A0
( ^ω^)「落ち着いたかお?」
ξ;-⊿-)ξ「吐き気は引いてきたわ」
( ^ω^)「お酒は一気に飲んじゃダメだお。急性アルコール中毒で倒れる可能性もあるんだから」
ξ;゚⊿゚)ξ「ついガーッと飲んじゃった……。ギコくんに悪気がなかったのは分かってたのに……」
( ^ω^)「悪気がないからこそタチが悪いおね〜ガーゴイルくんは」
ξ;゚⊿゚)ξ「ギコくんね。……そういえばギコくんにアドバイスしてたの意外だったわ」
( ^ω^)「だって男になんか変な憧れ持たれるのやだぁ……」
ξ;゚⊿゚)ξ「ああ、そういう……」
( ^ω^)「二人とあんまり仲良くないみたいなこと言ってたけど、普通に仲良いんじゃないかお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「そう?」
( ^ω^)「特にしぃさん。介抱しようとしてたくらいだし」
ξ;゚⊿゚)ξ「たしかにそう言われると……」
306
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:24:50 ID:k8d8mM5A0
( ^ω^)「……猫田しぃさん、ね」
ξ;゚⊿゚)ξ「……随分としぃさんが気に入ったみたいじゃないの」
( ^ω^)「いやー、ちょっとね」
ξ;゚⊿゚)ξ「何よ、ちょっとって」
( ^ω^)「……顔が似てるんだお。しぃさんと僕の母」
ξ;゚⊿゚)ξ「……アンタのお母さんって、たしかアンタが最初に殺したっていう……?」
( ^ω^)「……」
ξ;゚⊿゚)ξ「……ねぇ、しぃさんを殺すつもりじゃないわよね?」
( ^ω^)「言ってるじゃないかお。君を殺すまで他の人を殺すことはないって」
ξ;゚⊿゚)ξ「……信じていいのよね?」
( ^ω^)「当たり前だお。僕は嘘なんかつかないおー?」
ξ;゚⊿゚)ξ「そもそもそれが嘘でしょう?」
( ^ω^)「まあね。でも殺しに関しては嘘つかないから安心してほしいおー」
ξ;゚⊿゚)ξ(安心できないわよ……)
ξ;゚⊿゚)ξ(何が本当で何が嘘だか分からない……)
307
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:25:42 ID:k8d8mM5A0
( ^ω^)「で、えーと何だっけ? ギラティナくんだっけ」
ξ;゚⊿゚)ξ「ギコくんのこと言ってる?」
( ^ω^)「あーそうそれ」
ξ;゚⊿゚)ξ「もしかして本気で間違えてたの?」
( ^ω^)「ギルガメッシュくんに興味ないから……」
ξ;゚⊿゚)ξ「やっぱわざとだろ。本気の間違いにしてはクセが強すぎない?」
( ^ω^)「しぃさんとギルガメッシュくんだおね? 覚えた!」
ξ;゚⊿゚)ξ「いやだから……あー、もういっかギルガメッシュくんで……」
( ^ω^)「僕が言うのもなんだけどよくはないでしょ」
308
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:27:05 ID:k8d8mM5A0
( ^ω^)「もう気分は良くなったかお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「そうね。頭は痛いけど落ち着いたわ」
( ^ω^)「今日はもうさっさと寝た方がいいお」
ξ;゚⊿゚)ξ「そうするわ。もう帰りなさい」
( ^ω^)「子守唄歌おうか?」
ξ;゚⊿゚)ξ「いらない」
( ^ω^)♪「ズン、ズンズンズンドコきよしぃ!!!!」
ξ;゚⊿゚)ξ「寝かしつける気ないでしょ! そもそもいらないし!」
( ^ω^)「えー」
ξ;゚⊿゚)ξ「えーじゃない! もう寝るから帰りなさい!」
扉|^ω^)ノ「はいはい、仕方ないおねー。じゃあね、ツンさん」
バタン
ξ;゚⊿゚)ξ「やっと帰った……」
ξ;゚⊿゚)ξ「……」
ξ;゚⊿゚)ξ(……しぃさんとアイツのお母さんが似てるってどういうこと……?)
ξ;-⊿-)ξゝ「……頭いたい……。もういいや、寝よ……」
( ^ω^)「……」
( ^ω^)「……しぃさんとギコくん、ね」
第10話 『しゅえん』 終
309
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:29:27 ID:k8d8mM5A0
期間あけまくってすみませんでした。
百選までには完結させるつもりなので死ぬ気で頑張ります。
310
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:45:54 ID:DRNUCIdQ0
乙
名前覚えてんじゃねーか!
311
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 22:11:19 ID:gYjlwt/60
更新きたー!
めっちゃ名前覚えてるし!
312
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 22:33:40 ID:Z/26s3Es0
乙!
313
:
名無しさん
:2019/04/22(月) 02:22:12 ID:m5PhwRr.0
来てたー!マジかお前嬉しいぞ
314
:
名無しさん
:2019/04/22(月) 08:37:49 ID:xF4Lb9nU0
乙!!
315
:
名無しさん
:2019/04/29(月) 17:11:44 ID:ccw8GNPI0
待ってた
316
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:08:25 ID:UaKIE5qo0
ξ゚⊿゚)ξ(お腹すいた……ご飯……)
ξ゚⊿゚)ξ(何か食料……もやししかない)
ξ;゚⊿゚)ξ「うわ臭い酸っぱっ! 腐ったか……」
ξ;゚⊿゚)ξ「ええ……食べるものがない……」
ξ;゚⊿゚)ξ「こんなとき、あのサイコパスが来てくれれば……」
ξ゚⊿゚)ξ
ξ゚⊿゚)ξ「あーあ! どっかのサイコパスがご飯作りに来てくれないかなーー!!」
ξ゚⊿゚)ξ
ξ゚⊿゚)ξ「前フリしても来ないか……」
ξ゚⊿゚)ξ「……そういえば、最近アイツ来てないわね……」
317
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:09:10 ID:UaKIE5qo0
ξ゚⊿゚)ξし×××のようです(^ω^ )
第11話 『しずか』
.
318
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:09:57 ID:UaKIE5qo0
ξ゚⊿゚)ξ(別にアイツが来ないからってどうということはないんだけども)
ξ゚⊿゚)ξ(なんていうか……やけに部屋が静かだわ)
ξ゚⊿゚)ξ(いや、一人暮らしの部屋は静かなのが普通なのよそもそも)
ξ゚⊿゚)ξ(最後に来たのいつだっけ……二週間くらい前? 飲み会したときだったわね)
ξ゚⊿゚)ξ(……)
ξ゚⊿゚)ξ(……二週間なんて、そんな大した期間じゃないわ)
ξ゚⊿゚)ξ(でもなぁ……アイツ頻繁に来るし騒がしいし、来ないとなるとやけに部屋が静かに感じるわ)
ξ゚⊿゚)ξ「……気分転換に散歩でも行くか」
319
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:11:01 ID:UaKIE5qo0
(( ξ゚⊿゚)ξ(お腹すいた……)テクテク
ξ゚⊿゚)ξ(……あ、この公園、前にアイツと来たとこ……)
ξ゚⊿゚)ξ(ビロードくんたちと一緒に鬼ごっこしたのよね……結構楽しかったな)
( ><)「あれっ、ツンお姉さん?」
( <●><●>)「こんにちは」
(*‘ω‘ *)「奇遇だっぽね」
ξ゚⊿゚)ξ「あら、本当に奇遇ね」
( ><)「今日は西川お兄さんは一緒じゃないんですか?」
ξ゚⊿゚)ξ「今日はいないわよ」
( <●><●>)「珍しいですね」
ξ゚⊿゚)ξ「いや別に珍しくは……まあ、私一人と会うのは初めてだものね」
( ><)「西川お兄さんといつも一緒にいるイメージなんです!」
ξ゚⊿゚)ξ「いつも一緒にはいないわよ」
( ><)「寂しくないんですか?」
ξ゚⊿゚)ξ「別に……」
(*><)「ちなみにちんぽっぽちゃんは僕らがいないとすごく寂しそうにするんです!」
>⊂(*‘ω‘ *)「黙るっぽ」ギュウウゥ
(;>< >「アイタタタ!!」
320
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:12:52 ID:UaKIE5qo0
ξ゚⊿゚)ξ「今日は何して遊んでるの?」
(*><)「今日はピクニックなんです!」
( <●><●>)「駅前のケーキ屋さんで人気のフルーツタルトを買ってきたんですよ」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、それ食べたことあるわ。美味しかったわよ」
ξ゚⊿゚)ξ(アイツが持ってきて……それでミセリとトソンと一緒に食べたんだっけ)
ξ゚⊿゚)ξ グウウウゥゥ
ξ;゚⊿゚)ξ「あ」
( ><)「あれっ、ツンお姉さんお腹空いてるんです?」
(*‘ω‘ *)「馬鹿ビロード、デリカシーが無いっぽ」
( <●><●>)「よかったら一緒に食べましょう」
ξ;゚⊿゚)ξ「いやそんな、悪いわよ」
(*‘ω‘ *)「遠慮なんていらないっぽ」
(*><)「一緒に食べた方が楽しいんです! ツンお姉さんと一緒に食べたいんです!」
ξ゚⊿゚)ξ「じゃあ、お言葉に甘えて一切れだけ……」
321
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:13:55 ID:UaKIE5qo0
(*><)「おいしいんです!」モグモグ
( <●><●>)「さすが人気なだけありますね」モグモグ
(*‘ω‘ *) ムシャムシャムシャムシャ
ξ*゚〜゚)ξ「うん、美味しい」モグモグ
(*><)「みんなで食べるとより一層おいしいんです!」モグモグ
( <●><●>)「そうですね」モグモグ
(*‘ω‘ *) ムシャムシャムシャムシャ
ξ゚〜゚)ξ(美味しいし、ビロードくんたちと一緒に食べるの楽しいし、お腹が満たされて幸せ)
ξ゚〜゚)ξ(だけど……何か物足りない)
322
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:14:57 ID:UaKIE5qo0
ξ゚⊿゚)ξ「美味しかったわ。ありがとう」
( <●><●>)「いえ、一緒に食べられて嬉しかったです」
(*><)「今度は西川お兄さんも一緒に食べたいんです! ね、ちんぽっぽちゃん!」
(*‘ω‘ *)「どっちでもいいっぽ」
(*><)σ「素直じゃないんですー!」
>⊂(*‘ω‘ *) ギュウウゥ
(;>< >「いたいいたい!!」
( <●><●>)「また一緒に遊園地にも行きましょうね」
ξ゚⊿゚)ξ「そうね、アイツも一緒にね」
( <●><●>)「はい!」
323
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:16:22 ID:UaKIE5qo0
爪;*'ー`)『べっ、別に、明智のことなんか好きじゃねーからな!!』
ζ(゚、゚*ζ『……そう』シュン
ξ#゚⊿゚)ξロ「うっっせーーー!!! 光秀のこと好きなくせに!!!!
まあ光秀こんなに可愛いんだから好きになるのは分かるけど!!!!!」
ξ#゚⊿゚)ξロ「光秀も真に受けてんじゃないわよ!!! どう考えてもツンデレのテンプレじゃない!!!!
テンプレよテンプレ!!!! 天ぷらよ!!!!!」
(;*゚ー゚)「つ、津出さん……?」
ξ;゚⊿゚)ξ「あっ……しぃさん!?」
(;*゚ー゚)「どうしたの? 講義室で天ぷらって叫んで……」
ξ;*゚⊿゚)ξ「……あ、いや、ゲームやってて……つい……」
(*゚ー゚)「どんなゲーム?」
ξ;゚⊿゚)ξ「えっと……乙女ゲームなんだけど……」
(*゚ー゚)「へー! 津出さんって乙女ゲーム好きなんだ?」
ξ;゚⊿゚)ξ「乙女ゲームっていうか光秀のモンペゲームっていうか……」
(*゚ー゚)「光秀? あ、もしかして戦国武将が題材の乙女ゲームとか?」
ξ;゚⊿゚)ξ「いや……全然普通の乙女ゲーム……。主人公の名前を明智光秀にしてるだけで……」
(*゚ー゚)「へぇー、なんで?」
ξ;゚⊿゚)ξ「なんでだろう……」
324
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:17:34 ID:UaKIE5qo0
ξ;゚⊿゚)ξ「……ねえ、しぃさんのお母さんってどんな人?」
(*゚ー゚)「えっ? どうしたの急に?」
ξ;゚⊿゚)ξ「あ、いや……なんとなく気になったっていうか……」
(*゚ー゚)「うーん……私のお母さん、どんな人か分からないんだよね……」
ξ;゚⊿゚)ξ「……ど、どういうこと?」
(*゚ー゚)「うちね、父子家庭なの。物心ついた時からお母さんいなかったんだ」
ξ;゚⊿゚)ξ「……っ!!」
(*゚ー゚)∂「顔も分からないんだよねー。あ、でも私お母さん似らしいから顔はこんな感じなんだと思う!」
ξ;゚⊿゚)ξ(母親似……アイツの言ってたことと一緒じゃない……!)
ξ;゚⊿゚)ξ(アイツとしぃさんは母親が同じってことで間違いないのかしら?)
ξ;゚⊿゚)ξ(つまり……二人は兄妹ってこと……?)
(*゚ー゚)「津出さん?」
ξ;゚⊿゚)ξ(父親も同じなのかしら……いや、おそらく父親は別なはず)
(;*゚ー゚)ノシ「津出さん! 津出さんってば!」
ξ;゚⊿゚)ξ「えっ?」
(;*゚ー゚)「ごめんね、もしかして気にさせちゃった?」
ξ;゚⊿゚)ξ「あ……ごめんなさい。首をつっこむことじゃなかったわ」
(;*゚ー゚)「別に重い話とかじゃないから! 気にしなくて大丈夫だよ」
ξ;゚⊿゚)ξ「う、うん」
325
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:18:43 ID:UaKIE5qo0
(*゚ー゚)「あ、じゃあ津出さんのお母さんは? どんな人なのー?」
ξ゚⊿゚)ξ「どんな人……普通の人よ。基本的に放任主義で……」
(*゚ー゚)「へぇー!」
ξ;゚⊿゚)ξ「しぃさんのお父さんはどんな人……なの?」
(*゚ー゚)「優しい人だよ! 私のことすごく大事にしてくれてるの!」
ξ゚⊿゚)ξ「愛されて育ったんだろうなって感じするわ」
(*^ー^)ゞ「えへへ」
ξ゚⊿゚)ξ「……あ、講義始まるわ」
(*゚ー゚)「もうそんな時間?」
ξ-⊿-)ξ「おやすみー」
(;*゚ー゚)「えっ!? もー、だから単位落とすんだよー!」
ξ;゚⊿゚)ξ「やめて!」
326
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:19:27 ID:UaKIE5qo0
(*゚ー゚)づ「津出さーん? 講義終わったよ」ユサユサ
ξ-⊿゚)ξ「……んえ? 終わったの?」
(*゚ー゚)「終わったよー。津出さんったらぐっすり寝ちゃって……面接中にも寝てたりしない?」
ξ;゚⊿゚)ξ「うっ……」
(;*゚ー゚)「あるの!? 面接中に寝たことあるの!?」
ξ;゚⊿゚)ξ「一度だけ……」
(;*゚ー゚)「えー……冗談で言ったのに……」
ξ;゚⊿゚)ξ「ぐぬぬ……」
327
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:20:40 ID:UaKIE5qo0
(*゚ー゚)「私、今日はもう終わりなんだけど津出さんは?」
ξ゚⊿゚)ξ「再々履修の講義が……」
(;*゚ー゚)「さ、さいさい……お話ししたいことがあるから講義室までついて行っていい?」
ξ゚⊿゚)ξ「構わないけど……話したいことって?」
(*゚ー゚)「うん、あのね……ツンちゃんって呼んでいい?」
ξ゚⊿゚)ξ「え? い、いいけど……」
(*^ー^)「やったあ! ね、ツンちゃん、私のこともしぃって呼んでよ!」
ξ;*゚⊿゚)ξ「し、しぃ…………さん」
(;*゚ー゚)「だから呼び捨てでいいって!」
ξ;*゚⊿゚)ξ「なんか慣れなくて……」
(;*゚ー゚)「もー……」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、次の講義ここ……」
(*゚ー゚)「次会った時はしぃって呼んでよね?」
ξ;*゚⊿゚)ξ「う、うん」
(*^ー^)ノ「じゃあ、またね! ツンちゃん!」
ξ゚⊿゚)ξノ「ええ、またね」
328
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:21:22 ID:UaKIE5qo0
ξ゚⊿゚)ξ「講義だる……」
ξ゚⊿゚)ξ「寝るかぁ〜」
(;,゚Д゚)「寝るなよ」
ξ;゚⊿゚)ξ「うわびっくりした……ギルガメッシュくん」
(;,゚Д゚)「ギコだよ……西川さんみたいな間違い方すんなよ」
ξ゚⊿゚)ξ「アイツの中ではギルガメッシュくんで定着したっぽかったから……」
(;,゚Д゚)「訂正してくれよ!」
ξ゚⊿゚)ξ「なんかもういいかなって……」
(;,゚Д゚)「よくない……」
ξ゚⊿゚)ξ「ギコくんもこの講義再々履修?」
(,,゚Д゚)「んなわけねえだろ」
ξ゚⊿゚)ξ「ですよね〜〜〜〜」
(;,゚Д゚)「お前は再々履修なのかよ……」
ξ゚⊿゚)ξ「ははっ……」
(;,゚Д゚)「その乾いた笑いをやめろ」
329
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:22:45 ID:UaKIE5qo0
ξ゚⊿゚)ξ「……そうだ、ねぇギコくん」
(,,゚Д゚)「なんだ?」
ξ゚⊿゚)ξ「しぃさんのどういうところが好きなの?」
(;,゚Д゚)「なんだよ急に」
ξ゚⊿゚)ξ「いや、なんとなく」
(,,゚Д゚)「そうだなー……明るくて素直でいい奴で……色々あるな」
ξ゚⊿゚)ξ「一番は?」
(,,゚Д゚)「一番と言われるとそうだな……顔かな」
ξ゚⊿゚)ξ「あー……結局のところ顔か……」
(;,゚Д゚)「待て、今のは語弊のある言い方だった。表情! 表情って言いたかったんだ!」
330
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:23:30 ID:UaKIE5qo0
ξ゚⊿゚)ξ「表情?」
(,,゚Д゚)「ああ。しぃってよく笑うし、怒る時は全力だし、悲しい時は泣くし、表情がすごく豊かなんだよ」
ξ゚⊿゚)ξ「あー……たしかにね」
(,,゚Д゚)「くるくる変わる表情を見てると、もっといろんな顔を見たい、俺のまだ知らない顔を見てみたい……って思うようになったんだ」
ξ゚⊿゚)ξ「めっちゃ語るやん……」
(;,*゚Д゚)「お前が訊いたんだろ! なんか恥ずかしくなってきたわ……」
ξ∩゚⊿゚)ξ∩「ヒューヒュー」
(;,*゚Д゚)「やめろやめろ! ほら、もう講義始まるぞ!」
ξ-⊿-)ξ「おやすみー」
(;,゚Д゚)「おい、寝るな! そんなんだから単位落とすんだぞ!」
ξ;゚⊿゚)ξ「カップル揃って同じこと言うんじゃねえ!」
.
331
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:24:11 ID:UaKIE5qo0
ξ゚⊿゚)ξっ「ただいまーっと」ガチャッ
ξ゚⊿゚)ξ(鍵、壊れてないわね……)
ξ゚⊿゚)ξ
ξ゚⊿゚)ξ(いや壊れてないのが当たり前なんだけど。……アイツ、来てないのか)
ξ゚⊿゚)ξ
ξ゚⊿゚)ξ(いや不法侵入されないのも当たり前なんだけど)
332
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:25:23 ID:UaKIE5qo0
ξ゚⊿゚)ξ(すっかり感覚が狂ってる……これはまずいわ)
ξ゚⊿゚)ξロ < ヴー
ξ゚⊿゚)ξロ「メール? 何かしら……」
ξ゚⊿゚)ξロ「……ああ、お祈りメール……」
ξ゚⊿゚)ξロ「はあ〜〜〜無理〜〜〜〜〜就活しんど〜〜〜〜〜〜〜〜」
ξ゚⊿゚)ξロ「ほんっと交通費もバカにならないんだからさ〜〜〜〜〜〜祈るならせめて交通費だけでも返せよ〜〜〜〜〜〜〜〜」
ξ゚⊿゚)ξロ < ヴー
_,
ξ゚⊿゚)ξロ「なによ……またお祈りメール?」
ξ゚⊿゚)ξロ
ξ;゚⊿゚)ξロ「!?」
ξ*゚⊿゚)ξロ「前に応募したモデルの一次審査、合格したわ!」
ξ*゚⊿゚)ξロ「やった、やったあ!! 就職に希望が見えてきたかも……!」
ξ*゚⊿゚)ξロ「とりあえず、アイツに連絡を……」
ξ゚⊿゚)ξロ「……あ」
ξ゚⊿゚)ξロ「連絡先……知らない」
333
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:26:47 ID:UaKIE5qo0
ξ゚⊿゚)ξロ < ヴーヴー
ξ#゚⊿゚)ξロ「今度はお祈り電話か!?!?」
ξ゚⊿゚)ξロ「……あ、違うトソンから電話だ」
ξ゚⊿゚)ξロ「もしもし?」
(゚、゚トソン『ツン、今暇ですか?』
ξ゚⊿゚)ξロ「うん、暇」
(゚、゚トソン『今ミセリとカレー屋さんに来てるんですけど、ツンも来ませんか?』
ξ゚⊿゚)ξロ「あー……行きたいんだけどごめんお金が……」
(゚、゚トソン『大丈夫です。バイト代入ったので奢りますよ』
『トソンったら太っ腹ー!』
(゚、゚トソン『ミセリが』
『え、私!? 私まだ今月のバイト代入ってないよ!?』
(゚、゚トソン『私はバイト代入ったのでミセリが奢りますよ』
『言ってることおかしくない!?』
(゚、゚トソン『ミセリが快く奢ってくれるそうです。良かったですね』
『トソン耳ついてる?』
ξ;゚⊿゚)ξロ「奢ってもらうのは申し訳ないわ」
(゚、゚トソン『気にしなくていいんですよ。ミセリのお金ですから』
『この口かー!? 悪いこと言うのはこの口かー!?』
< ゚、゚トソン『頰をつねらないでください』
ξ゚⊿゚)ξロ(仲良いなこいつら……)
334
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:28:22 ID:UaKIE5qo0
(゚、゚トソン『冗談はさておき、ツンの分は割り勘でどうでしょう? 私とミセリとツンの三人で』
ξ;゚⊿゚)ξロ「い、いいの?」
(゚、゚トソン『はい。私たちがツンと一緒に食べたいと思っただけですから』
『でも三人で割り勘ってやりにくくない? 綺麗に割れるかなあ』
(゚、゚トソン『綺麗に割り切れなかったらミセリに多く払ってもらうので大丈夫です』
『言うと思ったよ! ……別にいいけどそれくらい』
(゚、゚トソン『ッッッシャオラアアアアァァァァァァ』
『どんだけ払いたくないんだよ!』
(゚、゚トソン『払いたくないんじゃなくてミセリに払ってほしいんです。ミセリがお金を払うところを見たいんです』
『そういう特殊性癖なの?』
(゚、゚トソン『来てくださいよツン。場所分かります?』
ξ゚⊿゚)ξロ「えーっと、近くにスーパーがあるとこ?」
『え、特殊性癖にツッコミはないの?』
(゚、゚トソン『そうです、近くにスーパーがあります。あとローソンも近くにあります』
ξ゚⊿゚)ξロ「オッケー確信を得たわ」
『え、無言は肯定と同じ的なあれ……?』
(゚、゚トソン『じゃあ待ってますね』
ξ゚⊿゚)ξロ「はーい」
『え、えぇー……』
335
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:29:23 ID:UaKIE5qo0
ヽ(゚、゚トソン「ツン、こっちです」
ミセ*゚ー゚)リ「なんか会うの久しぶりじゃない?」
(゚、゚トソン「飲み会の時に私とミセリが行けなくなりましたからね」
ξ゚⊿゚)ξ「それに講義があんまり被ってないものね」
ミセ*゚ー゚)リ「まあ、今期そもそもほとんど講義取ってないからねー」
ξ゚⊿゚)ξ「ああ……二人は単位があるからね……ああ……それに比べて私は……」
ミセ;゚ー゚)リ「ちょちょちょ、会って早々落ち込まないでよ!」
(゚、゚トソン「デリカシーが無いですよ、ミセリ」
ミセ;゚ー゚)リ「ごめん……」
(゚、゚トソン「これはミセリに全額払ってもらうしかないですね!」
ミセ;゚ー゚)リ「なんでそうなるの!?」
ξ゚⊿゚)ξ「出たわねトソンの特殊性癖」
(゚、゚*トソン ポッ
ミセ;゚д゚)リ「その意味ありげな赤面なに!?」
(゚、゚トソン「さっそく注文しちゃいましょう、ツン。どれがいいですか?」
ξ゚⊿゚)ξσ「じゃあ……この一番人気って書いてあるやつ」
(゚、゚トソン「一番ベーシックなやつですね。店員さーん」
ミセ;゚ー゚)リ「もー、無視ばっかりー! 本当に私にお金を払わせる特殊性癖持ちなの!?」
ξ゚⊿゚)ξ(と言うよりかはミセリをからかうのが楽しくて仕方ないんでしょうね)
336
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:30:11 ID:UaKIE5qo0
ξ゚〜゚)ξ モグモグ
(゚、゚トソン「どうですか?」
ξ*゚〜゚)ξ「おいしい」
ミセ*゚ヮ゚)リ「だよね、おいしいよね! 今まで食べたカレーの中で一番おいしいよね!」
(゚、゚トソン「いや、そこまででは……」
ξ゚⊿゚)ξ「それは盛りすぎじゃない?」
ミセ;゚ー゚)リ「えー!? じゃあ今までで一番美味しかったカレーってどこの?」
(゚、゚トソン「お母さんが作ってくれるカレーですね」
ミセ*゚ー゚)リ「やだいい話……トソンのくせに……」
(゚、゚トソン「は?」
ミセ;゚ー゚)リ「こわいこわいこわい。ガチギレじゃん……」
337
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:31:03 ID:UaKIE5qo0
(゚、゚トソン「ツンはどうなんですか?」
ξ゚⊿゚)ξ「今までで一番美味しかったカレー? ……難しいわね」
ミセ*゚ー゚)リ「そんなに難しいー?」
ξ゚⊿゚)ξ「…………あー、一番、ではないかもしれないけど……」
(゚、゚トソン「構いませんよ」
ξ゚⊿゚)ξ「アイツ……西川が前にカレー作ってくれたことあって……あれ美味しかったなって」
ミセ*゚ヮ゚)リ「へー! 西川さんカレー作ってくれるんだー!」
ξ゚⊿゚)ξ「特別変わったものとかじゃなく、ごく普通のカレーなんだけど印象に残ってるわ」
(゚、゚トソン「西川さんとは最近会っているんですか?」
ξ゚⊿゚)ξ「二週間くらい前に会ったっきりよ」
ミセ*゚ー゚)リ「あ、結構最近に会ってるんだね」
ξ゚⊿゚)ξ「……そう?」
(゚、゚トソン「西川さんはお仕事しているんですし、そんなに頻繁には会えないでしょう?」
ξ゚⊿゚)ξ「いやーーーー……結構頻繁に来るけどアイツ……」
ミセ*゚ー゚)リ「そんなによく会ってるんだ?」
ξ゚⊿゚)ξ「まあ……そうね。二週間も来ないのは珍しいわ」
ミセ*゚ー゚)リ「へー、なんで来ないんだろうね?」
(゚、゚トソン「忙しいんじゃないですか?」
ξ;゚⊿゚)ξ(……しぃさんのことがあるからこの空白が怖いのよね……)
ξ;゚⊿゚)ξ(気に入ってたし、自分の母に似てるとか言ってたし……)
338
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:32:11 ID:UaKIE5qo0
ミセ*゚ー゚)リ「そんなによく会ってたなら、会えないの寂しいね」
ξ;゚⊿゚)ξ「いや寂しいっていうか……」
ミセ*゚ー゚)リσ「寂しいんでしょー!? 素直になりなよー!」
(゚、゚トソン「ウザ絡みやめましょう?」
ミセ*゚ー゚)リ「いつものトソンの私への対応こそウザ絡みだと思うけどなぁ」
(゚、゚トソン「は???」
ミセ;゚ー゚)リ「あーこわいこわいこわい」
ξ;゚⊿゚)ξ「寂しいって言うより……違和感?」
ミセ*゚ー゚)リ「いるのが当たり前的な?」
ξ゚⊿゚)ξ「あー、そんな感じ」
ミセ*゚ー゚)リ「え、付き合ってないんだよね?」
ξ゚⊿゚)ξ「アイツと付き合うなんて絶対ないわよ。アイツもそう言うわよ」
ミセ*゚ー゚)リ「なんなんだこの二人は……私には分からねえ……」
ξ゚⊿゚)ξ(冷静に考えて殺人鬼がいるのが当たり前って頭おかしいわね……)
ξ゚⊿゚)ξ(……風邪引いた時には卵がゆとプリンを作ってくれたっけ……。あれも美味しかったな……)
(゚、゚トソン「ツン?」
ミセ*゚ー゚)リ「どしたの、ボーッとして」
ξ;゚⊿゚)ξ「……あ、ごめん。考えごとしてた」
(゚、゚トソン「……ツン。やっぱり少し寂しそうに見えます」
ξ;゚⊿゚)ξ「ええ? 寂しくなんかないわよ。大丈夫大丈夫」
(゚、゚トソン「……無理しないでくださいね」
ξ;゚⊿゚)ξ「し、してないわよ……。ほら、冷める前に食べましょ!」
(゚、゚トソン「……そうですね」
339
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:33:11 ID:UaKIE5qo0
ξ゚⊿゚)ξ人「ごちそうさまでした」
ミセ*´ヮ`)リ「美味しかったねー」
(゚、゚トソン「ではミセリ、お会計をお願いします」
ミセ*゚ー゚)リ「ナチュラルに全額払わせようとしてくる……」
ξ;゚⊿゚)ξ「今更だけど本当にいいの? 割り勘にしてもらっちゃって」
ミセ*゚ー゚)リ「いいってばー」
(゚、゚トソン「そうですよ。ミセリは皆に奢ることが趣味ですから」
ミセ*゚ー゚)リ「トソンはすぐ私に払わせたがるよね〜」
(゚、゚*トソン「……こんなこと言うの、ミセリだけですからね」ポッ
ミセ*゚ー゚)リ「もう私トソンのキャラが分かんないよ……」
ξ゚⊿゚)ξ(本当にミセリをいじるのが好きなのね……)
340
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:33:52 ID:UaKIE5qo0
ミセ*゚ー゚)リ「それじゃ、お会計もしたし帰りますか!」
(゚、゚トソン「ああ、ミセリは帰るんですね。さようなら」
ミセ;゚ー゚)リ「えっ何!? 二人だけで何かするの!?」
ξ゚⊿゚)ξ「別に何も約束してないけど……」
(゚、゚トソン「粋な冗談ですよ。遅くなる前に帰りましょう」
ミセ*゚ー゚)リノ「粋ではないけど……。あんまり遅くなると怖いしね。それじゃ!」
ξ゚⊿゚)ξノ「割り勘にしてくれてありがとう。またね」
ヽ(゚、゚トソン「次はミセリに全額奢らせましょうね」
ミセ;゚ー゚)リ「まだ言うか!」
341
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:35:22 ID:UaKIE5qo0
ξ゚⊿゚)ξっ「ただいまーっと」ガチャッ
ξ゚⊿゚)ξ(壊れてないわね……鍵)
壊れた鍵にいつしか慣れてしまった。
それが異常であるとは知りつつも、正常に役割を果たす鍵に小さくため息をつく。
やっぱり、アイツは来ない。
ξ゚⊿゚)ξ(……なんで来ないんだろう。やっぱ、しぃさんが関係してるのかな……)
部屋に入り、腰を落として一息つく。
何気なく取り出したスマートフォンには大量の通知。全てミセリからの不在着信だった。
ξ;゚⊿゚)ξロ「え、何……? 何かあったのかな……」
すぐにミセリに電話をかけ直す。一度目のコールは即座に途切れ、涙の混じった声が飛び込んでくる。
『ツン……! ニュース、ニュース見た!?』
ξ;゚⊿゚)ξロ「今帰ったとこだから見てないけど……どうしたの?」
『見て! 早く!!』
ξ;゚⊿゚)ξっー「な、なんなのよ……」
言われるがままにリモコンのボタンを押す。
画面に映ったのはニュース速報の文字。次いで、アナウンサーの淡々とした声。
342
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:37:07 ID:UaKIE5qo0
『本日17時頃、拝成市内のアパートで女性が殺害される事件が発生しました』
『遺体の身元は、美府大学4回生の猫田しぃさん。自宅であるアパートの部屋で遺体が発見されました』
『全身に刃物でつけられた傷があり、手口が似ていることから警察は、
女性連続殺人事件の犯人と同一犯と考え、捜査を進めているとのことです』
.
343
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:40:21 ID:UaKIE5qo0
ξ;゚⊿゚)ξロ「…………え」
『しぃが、しぃが……! あの殺人鬼に……!!』
ゴトリ。
スマートフォンが床にぶつかり、小さく跳ねる。
アナウンサーの声、ミセリの声。ニュースの画面。
聞こえているのに、見えているのに、何ひとつ理解することができない。
なんで、どうして。
頭はぐるぐると、同じ言葉を繰り返すだけ。
ニヤけた顔が頭に浮かぶ。目の前にいるような気がして、手を伸ばした。
右手は虚空を撫で、座った自分の足の上に落ちる。
344
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:41:27 ID:UaKIE5qo0
『しぃ……』
LINE通話の画面から鼻水をすする音と共に掠れた声が漏れる。アイコンの自撮り写真と同一人物とは思えないほどに暗い声。
しぃの名を呼ぶミセリの声で、気づいた。気づいてしまった。
自分が感じているこの喪失感は、絶望感は、友人の死から生まれたものではない。
脳裏に焦げるほど焼き付いたニヤけ顔が、背を向ける。
ドアの鍵は、沈黙を保ったままだった。
第11話 『しずか』 終
345
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:42:27 ID:UaKIE5qo0
続けて最終話を投下します
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