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壊れたぞ誰が、たわます真綿、糸の問い……のようです

18名無しさん:2016/08/20(土) 01:38:30 ID:977Y4Ifg0
床に落ちたチョコを拾うと、どうしようもなく惨めで悲しい気分になった。
手を洗うため、俺は部屋を後にした。

(´・_ゝ・`)(ペニサスじゃないのか、あれは……)

たしかにあの子がここにいるのはおかしい。
本来ならいないはずの人間なのだ。
それでも、俺は、縋ってしまった。

(´・_ゝ・`)(狐かなにかが化けているんだろうか)

蛇口からざあざあと流れる水は冷たく、心地よかった。
脂っこいそれを綺麗に洗い流し、ついでに顔を洗った。

(´・_ゝ・`)「ふー……」

肺の奥から、憂鬱さを含んだ空気を吐き出す。
多少はすっきりとしたが、未だに釈然としなかった。
……ふと、小学生の時のことを思い出した。
馬桑島といえば昔から養蚕が盛んであったらしい。
それに伴い織物や泥染といった独自の文化が発達していったのだと先生は言っていた。
その一環で、蚕を育てたことがあった。
卵が孵ってから蛾に育つまでには一月かかるので、ちょうどいい夏休みの宿題として出されたのだ。
最初は毛蚕という、黒い毛の生えたとっても小さな虫が生まれる。
桑の葉をばりぱりと食んだ後には脱皮を繰り返し、最終的には真っ白い、そこそこ大きな芋虫に育つのだ。
最初は気持ち悪いと思ってしまうのだが、不思議なことに世話をしてみると愛着が湧いてくる。
触っても手に乗せても可愛いとしか思えなくなる、不思議な生き物だった。
人の手なしでは生きることが出来ないのだと大人たちはよく言っていた。
事実餌がなくなるまで放っておいても脱走することはない。
大人しく人から餌が与えられるのを待っているのだ。


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