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ブーン系小説感想&絵スレ
166
:
名無しさん
:2019/02/01(金) 22:50:50 ID:TYA.daFg0
【作品名】( ^ω^)メイノワ少年少女倶楽部のようです【あらすじ】『クビククリ』と呼称される黒い痣を持つ内藤は転校先の学校で九人の“兄さん”“姉さん”の歓待を受けることになる。しかし彼らはそれぞれ何らかの秘密を隠し持っており――【感想】『『どうして?』はなし、『なぜ?』もなし。人には人の事情があるんだよ』上は本編でドクオが口にした台詞ですが、この台詞こそが『メイノワ少年少女倶楽部』の本質を表しているのではないかなと読み返していて、そう感じました。この作品には無数の謎や、世界を読み解く手がかりになりそうな言葉が散りばめられています。ショボンは『この学校に捨てられる前は』と言っており、校長は生徒を管理するための宗教的な教えを厳守させ、学校の外には廃墟が溢れているなど、挙げていけばキリがありません。けれど本作では、それらの疑問を直接的に晴らす回答が用意されていないんですね。重要なのはあくまでも『内藤から見た“世界”』や、『僕達』こと『メイノワ少年少女倶楽部』の“世界”であると。学校や、学校のその更に外にある“世界”といった、『僕達の“世界”』の外側にある仕組みについては(おそらくは意図的に徹底して、)省かれている。つまり、『『どうして?』はなし』なんですね。それは『彼等』にとって大切なことじゃないから。『『どうして?』はなし』とは言い換えてみれば、見たい(見せたい)ものだけを見る(見せる)、都合の良いものだけを“認識”する(させる)という意味でもあります。そう考えた時『ビロードの息子』という虚構の存在を思い返すと、この存在こそが物語やテーマそのものを象徴するメタファーであったのではないかと私には感じられました。この作品は『都合の良いものだけを認識することで成り立つ、“虚構”で築かれた家族の話』であるのだと。だからこそ本作のクライマックスにおいて、『彼等』はモララーの行為を“認識”しなかった。この作品は、ブーンが『メイノワ少年少女倶楽部』の家族の一員になるところで締められています。それは一見、(不穏さを伴いつつも)幸福さを感じさせる終わり方になっています。ですが“世界”は、『彼等』の思いとは無関係にこの先も続いていくでしょう。そして“世界“はおそらく、このうつろで曖昧な『彼等の“世界“』を許してはくれないのではないかと思います。最終レスで書かれた祈りにも似た文言からも、この“幸福“が長続きしないであろうことを感じさせられてしまいました。本作には個性的で愛らしいキャラクターも多く、そういう意味ではとっつきやすい作品であるとは思います。しかしそうしたとっつきやすさの皮を一枚剥がした裏には得体の知れない、計り知れない、作者氏が内包する独自性の渦がすさまじい音を立てて渦巻いているように思いました。そしてこの作家性とでも言う外のないユニークさが、私を、そして多くの読者を惹きつけてやまないものの正体なのではないかと、そんなふうに感じました。大変大変、良いものでございました。
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