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( ゚д゚)土地神様に憑かれちゃったようです
1
:
◆cYvcLUF1CM
:2016/04/03(日) 23:49:59 ID:hfyj6fNQ0
木造二階建て 築60年
内装のリフォームによって今風の皮を被ったぼろアパート
家賃激安
しかし何故か人が寄り付かず、部屋数8に対し、入居者は僅か2人
自分はその2人目として、不動産屋に拝み倒されるようにして契約書にサインしてしまった
アパートから駅まで徒歩5分 駅から職場まで30分
家賃激安
億劫なご近所付き合いや騒音問題の懸念も一切なし
良い契約だと思った
良い契約だと、思っていた
( ゚д゚)「…………またか」
入居から一週間
既に後悔しはじめていた
21
:
◆cYvcLUF1CM
:2016/04/04(月) 00:06:41 ID:NP9rgBes0
少年が居付いて、気がついたら一週間が経っていた
あれから何度か帰ることも促したし、休日を使って外に連れ出したりもした
何度聞いても少年は、どこの社に祀られているかを教えてはくれなかった
( ><)「社に置き去りにする気なんです!絶対そうに決まってるんです!」
( ゚д゚)「当り前だろう……いつまでも居られても困る。主に食費面で」
( ><)「甲斐性の無い男は嫌われるんですよ」
( ゚д゚)「ヒモ男に言われたくはないな」
今日も今日とて、リビングでひなたぼっこをしながらコーラ片手にテレビに突っ込みを入れている
掃除をしようにも掃除機もかけさせてくれそうにないし、洗い物の水音にも文句を言われそうだった
実は荷解きもあと半分ほど残っているが、リビングを占拠されているせいで始めようがない
洗濯も外に干したいが、干すと窓からの日光が遮られてしまう
ひなたぼっこの邪魔をして洗濯物を外に飛ばされてしまった前回の休日のことを思い出して頭を抱えた
22
:
◆cYvcLUF1CM
:2016/04/04(月) 00:07:19 ID:NP9rgBes0
( ゚д゚)「まったく……折角の休日が……」
( ><)「ん?今日お休みなんです?」
( ゚д゚)「そうだが……なんだ、動物園には連れて行かんぞ」
( ><)「いや……まぁ、仕方ないんです」
( ゚д゚)「なんだ、居ると都合が悪いのか」
( ><)「実は今日、お友達が遊びに来るんです」
( ゚д゚)「は?」
少年はむくりと起き上がると、外出用に買い与えた服に着替え始めた
( ゚д゚)「出掛けるのか?」
( ><)「お友達の為のおやつを買いにいくんです」
( ゚д゚)「そうか」
( ><)「だからお小遣いほしいんです♪」
( ゚д゚)「家にある菓子じゃだめなのか」
( ><)「仙人の子なんですけど、彼は霞と林檎しか食べないんです」
( ゚д゚)「それ本当に仙人か?変なノート持った死神とかじゃないか?」
23
:
◆cYvcLUF1CM
:2016/04/04(月) 00:07:45 ID:NP9rgBes0
少年に小銭を握らせ、送り出した
付き添う事も考えたが、相手は怪奇現象を起こせる自称土地神だった 人間の子供と違って誘拐の心配はないだろう
( ゚д゚)「……さて、今のうちに洗濯と掃除機……」
( <●><●>)「おや、では少し席を外した方がよさそうですね」
( ゚д゚)「いや、気遣いは御無用…………」
( ゚д゚) (<●><●> )
( ゚д゚ ) (<●><●> )
びろーどのような艶やかな黒髪、二重瞼のおおきな瞳
白いパーカーにベージュのハーフパンツ 男の子らしからぬ二―ハイソックス
いきなり家の中に現れたのでなければ特に驚かないような、(びろーどに比べると)普通の子供のようななりをした少年が、家の中に立っていた
( ゚д゚)「……に、二回目だから驚かんさ」
( <●><●>)「声、震えてますよ」
( ゚д゚)「……すまん見栄を張った。だが頼むから背後からいきなり声をかけるのはやめてくれ」
( <●><●>)「失礼いたしました」
24
:
◆cYvcLUF1CM
:2016/04/04(月) 00:08:11 ID:NP9rgBes0
( <●><●>)「私の名前は若桝 あなたのことはびろーどから聞いています」
きちんと正座して座り、膝に両手をついてハキハキと喋る少年は、びろーどとは雲泥の差だった
外見はびろーどより少し年上くらいにしか見えないが、700年ほど差があるらしい
( ゚д゚)「……まさか仙人をもてなすことになるとは思わなかったな」
( <●><●>)「恐縮です。どうかお構いなく」
( ゚д゚)「…………はぁ〜……」
( <●><●>)「?」
( ゚д゚)「月とすっぽん 炭とダイヤ ヒモと神様」
( <●><●>)「……あぁ、びろーどですか」
( ゚д゚)「いやぁ……開いた口が塞がらん」
( <●><●>)「心中お察しします」
彼の瞳が少しだけ曇った気がした
彼もまた、びろーどの被害者なのかもしれない
25
:
◆cYvcLUF1CM
:2016/04/04(月) 00:08:35 ID:NP9rgBes0
バターン と、喧しさの元凶が帰って来た
( ><)「ただいまーなんで……あ、わか!」
( <●><●>)「びろーど、お久しぶりです」
( ><)「久しぶりなんです!半世紀と三ヶ月ぶりなんです」
( <●><●>)「半世紀と二ヶ月半ですね」
( ><)「わかはいつも細かいんです!」
半世紀ぶり という単語か当たり前のように少年達の口から飛び出して来て、わかっていたはずなのに頭を抱えたくなった
( ><)「わかのために林檎を買って来たんです!てあらいうがいビタミンレモンしたら、この下僕にむかせるんです」
( ゚д゚)「おいちょっと待て」
( ><)「宮司も祭司も巫女も、みんな僕の召使いなんです。家主は下僕くらいなんです」
( ゚д゚)「ほぉうそうか、お前は俺をそんなふうに見ていたのか」
( ><)「僕は神様ですからね」
( ゚д゚)「若桝君」
( <●><●>)「は、塩はここに」
(;><)「あれ!?わかはそっちサイドなんです!?あっ祓いの清め塩はやめてっ!心にっ、話せばわか……あ―――――――――――――!!!!!」
若桝特製の清め塩は、心が穢れきった土地神にも有効なようだった
後で閉め出し用に分けてもらおうと思った
26
:
◆cYvcLUF1CM
:2016/04/04(月) 00:09:02 ID:NP9rgBes0
あの後しばらく、びろーどは若桝にみっちりと説教されていた
部屋の隅に追い詰めて正座させ、仁王立ちでくどくどねっちりと、外見に似つかわしくない難しい言葉を多用して、びろーどを追い詰めていた
( <●><●>)「……まったくあなたという人は、いつまで経っても成長の兆しも見せずにいつまでも稚拙な態度をとり続けて……何年生きているのですか?恥ずかしくないのですか?
人間は今20ほどで成人するんですよ?あなたは?いつまでも幼稚なまま?そんなことが許されるとお思いですか?いっそ神様なんかやめたらどうです?
転生して……ひとに生まれ変わっても迷惑ですね、ダンゴムシにでもなったらどうです?向いてますよ?」
(。><)「ぅー……ううぅ〜……」
( <●><●>)「泣いて許されるなら閻魔様はいらないのですよ」
辛辣だった
聞いているこっちの肩身まで狭くなるほど辛辣だった
そそくさと林檎の皮をむき、切り分け、芯を取り除いて皿に並べた
早くこれを差し入れて部屋に引っ込もうと思った
( ゚д゚)「ほ、ほら……林檎がむけたぞ。変色する前に食べろよ」
( <●><●>)「あ、すみません。お見苦しいところをお見せしてしまいました」
( ゚д゚)「いや、むしろ助かった。そのまま連れ帰ってくれるとなお助かるんだがな」
( ><)「うさぎさんじゃないんですー……」
( <●><●>)「びろーど」
( ><)「なんでもないんです」
27
:
◆cYvcLUF1CM
:2016/04/04(月) 00:09:27 ID:NP9rgBes0
( ゚д゚)「じゃ、じゃあ、ごゆっくり……」
( <●><●>)「ありがとうございます」
寝室に逃げ込もうと、後ろ手でドアを開けた
若桝に会釈して、そのまま下がるようにフェードアウトしていこうとした
と、尻に何かが当たった
( ゚д゚)「おっと……ん?」
(* ω *)「ん――…ん〜〜」
( ゚д゚)「?」
そっと距離を取って、呻いている何かの正体を確認した
(*‘ω‘ *)「童貞の匂いだっぽ。青臭い童貞の匂いだっぽ。何が悲しくて張り合いのないおっさんの尻に顔を埋めなきゃいけないんだっぽ」
若桝とそう変わらないくらいの年頃の少女が、童貞を連呼していた
28
:
◆cYvcLUF1CM
:2016/04/04(月) 00:09:59 ID:NP9rgBes0
( ゚д゚)「どどど童貞ちゃうわ!」
(*‘ω‘ *)「なんにせよ御無沙汰だっぽ?女の匂いがしない」
(;゚д゚)「ぐぬっ……!」
(*‘ω‘ *)「あーあーいやだっぽねぇ最近の男は。みーんな枯れてやがるっぽ」
( ><)「ぽぽちゃん!」
(*‘ω‘ *)「おー素人童貞、久しぶりだっぽ」
ぽぽちゃん と呼ばれた少女は、気だるげに片手を上げて応えた
( ゚д゚)「……素人、童貞…?」
( <●><●>)「こんななりのヒモクズでも、300年生きてれば過ちの一つや二つ、ありますよ」
(*><)「照れちゃうんです」
(*‘ω‘ *)「褒めてねーっぽ」
29
:
◆cYvcLUF1CM
:2016/04/04(月) 00:10:22 ID:NP9rgBes0
テーブルをみんなで囲い、お茶を啜った
若桝にリンゴジュースを作って振る舞った
( ><)「改めて紹介するんです。仙人の若桝君。齢1000年の仙人なんです」
( <●><●>)「霞より林檎が好きです」
( ゚д゚)「だからそれ本当に大丈夫か?ノートに名前書かれたりしないか?」
( ><)( <●><●>)「?」
( ><)「弁天様のぽぽちゃんなんです」
( ゚д゚)「やけにぶっ飛んだ七福神だな」
( ><)「好物は妻子持ちなんです」
( ゚д゚)「ちょっと待て」
(*‘ω‘ *)「新婚からおしどり夫婦までなんでもござれだっぽ」
( ゚д゚)「本当に七福神なのか?疫病神とか色情魔とかじゃないよな?」
(*‘ω‘ *)「趣味は参拝に来た妻子持ちを引き裂くことだっぽ」
( ゚д゚)「触らぬ神に祟りなしとは聞くが、ここまでとは思わなかったわ」
30
:
◆cYvcLUF1CM
:2016/04/04(月) 00:10:46 ID:NP9rgBes0
( ゚д゚)「しかし……いち土地神にも、こんな人脈があるもんなんだな」
( ><)「この地域は小さな神社で弁天様を祀ってるんです。だからぽぽちゃんは、僕が土地神様になった時からのお友達なんですよ」
(*‘ω‘ *)「引き裂いて余った妻子の斡旋もおまかせだっぽ」
( ゚д゚)「おいやめろそれは聞きたくない」
( <●><●>)「私は仙人ですが、尸解仙というものでして……死後肉体を消滅させ、肉体があった場所から離れた地で仙人になったクチだったのですが、それがたまたまこの界隈で……」
( ゚д゚)「待った。死後肉体が無くても動きまわるのは、幽霊や妖怪と何が違うんだ?」
( <●><●>)「格……ですかね」
(;゚д゚)「…………気の持ちよう、という解釈で構わんか?」
( <●><●>)「私は仙人です」
( ゚д゚)「……」
( <●><●>)「私は、仙人です」
(;゚д゚)「わかったもういい仙人でいい」
(*‘ω‘ *)「ケツの穴の小さい仙人だっぽ」
( ><)「肉体が無いならむしろ限界が無いわけだし、可能性は無限大なんです」
( ゚д゚)「お前達頼むからその外見でそういう話するのをやめろ」
31
:
◆cYvcLUF1CM
:2016/04/04(月) 00:11:13 ID:NP9rgBes0
(*‘ω‘ *)「とことで……」
お茶をぐっと飲み干した少女が、びろーどをじっと見つめる
(*‘ω‘ *)「お前、最近見かけなかったと思ったらこんなところに居付いて……社はどうしたっぽ?」
( ><)「ぎくぅ」
思い出したように、若桝も顔を上げた
( <●><●>)「あぁ、私もそこは気になっていたので、聞いておこうと思ったんですよね」
( ><)「ぎぎぎぎくぅ」
びろーどはびくりと肩を震わせ、ギギギとブリキのような音を立ててそっぽを向いた
( <●><●>)「御神体が見当たらなかったのですが、まさかここに安置しているのですか?」
(*‘ω‘ *)「いや、御神体の気配はないっぽ」
(;><)「そそそそんなことはどうでもいいんです。ポテチのおかわりを要求するんです」
( ゚д゚)「こいつは来たときから、今までいた社の位置を吐かないんだ」
( ><)「そんなことしたら社に縛り付けられて置き去りにされるのが目に見えてるんです!」
( ゚д゚)「当り前だろう」
32
:
◆cYvcLUF1CM
:2016/04/04(月) 00:11:35 ID:NP9rgBes0
( ><)「と、とにかく、もう社なんてしらないんです。僕はここに住むんです」
お茶をぐっと飲み干したびろーどは、その場で寝転んでごろごろとのたうった
お茶を濁すびろーどと、眉間に皺を寄せて思案する若桝とぽぽ
( <●><●>)「まさか、社に何かあったのです?」
(*‘ω‘ *)「こいつが無事だから御神体には影響が無いってことだと思うっぽけど……」
( <●><●>)「では事故や災害のせいではなさそうですね」
(*‘ω‘ *)「…………そういえば」
無言で空の湯飲みをつきつけておかわりを要求しながら、ぽぽが何かを思い出したかのようにきり出した
(*‘ω‘ *)「社のそば、最近工事してるっぽね」
( ><)「!」
( ゚д゚)「!」
びろーどがひくりと跳ねた
自分も、工事と聞いて心当たりがあった
( ゚д゚)「もしかして、近日開店のショッピングモール……?」
( ><)「…………」
眉間に皺を寄せるびろーど
どうやら図星のようだった
33
:
◆cYvcLUF1CM
:2016/04/04(月) 00:12:04 ID:NP9rgBes0
ここ2年ほど、大型のショッピングモールを建てる為に工事している区画があった
言われてみると確かに、あの辺りに2畳分ほどの土地にしめ縄と社があったような気もする
( ゚д゚)「なるほどな……あのへんか」
ぽぽと自分の湯飲みに新しいお茶を注ぎ足した
ぽぽは礼も言わないどころか、目も合わせずにお茶を啜った
( ゚д゚)「……」
(*‘ω‘ *)「もしかして、社移転すんのかっぽ?」
( ><)「……」
座布団を丸めて抱きつき、ごろごろ転がるびろーど
( <●><●>)「図星のようですね……もういいでしょうびろーど、洗いざらい話しなさい」
( ><)「…………ぐぬぅ……」
睨みつけるようにこちらを見上げるびろーど
意図はなんとなく汲み取った
( ゚д゚)「まぁ、事情だけは聞こう」
( ><)「……」
不貞腐れたような顔のままむくりと起き上がり、抱きしめていた座布団を敷いてもぞもぞと正座した
34
:
◆cYvcLUF1CM
:2016/04/04(月) 00:12:32 ID:NP9rgBes0
( ><)「……いま御神体は、工事現場の中にあるプレハブに安置されています」
大きな座布団の上でこぢんまりと座ったびろーどが、ようやく重い口を開いた
( ><)「プレハブは暗くて、寒くて……誰も遊びに来てくれないんです」
(*‘ω‘ *)「建て替えの時は確かに心にくるっぽねぇ……」
( ><)「誰も遊びに来てくれないし、参拝にもこないんです」
( <●><●>)「まぁ、一般人は立ち入り禁止ですしね」
( ><)「そうなんです……だから、寂しくて……」
訥々と語られる、御神体の安置所の話 そして、社の話
( ><)「社はもうとっくに取り壊されてて……」
( <●><●>)「土地の問題ですかね」
(*‘ω‘ *)「びろーど、次、どこにいくんだっぽ?」
( ><)「完成したショッピングモールの屋上の……貯水槽の隣になるらしいんです」
(*‘ω‘ *)「うわぁ……」
ぽぽがあからさまに顔を顰めた
35
:
◆cYvcLUF1CM
:2016/04/04(月) 00:12:58 ID:NP9rgBes0
貯水槽の隣
聞いただけで大体景色の想像がついた
( <●><●>)「配置によっては、日が当たらないじめじめした立地になりそうですね」
若桝も同じ感想を抱いたようだ
(*‘ω‘ *)「お散歩ついでに寄ってくれてた参拝客も、さすがにそんなところまでは来てくれないっぽよねぇ……」
( ><)「遊び相手どころか、手入れすらおざなりにされる可能性があるんです」
( <●><●>)「ありえますね……綺麗なのは最初だけとか」
(*‘ω‘ *)「夏はボウフラ湧き放題かもしれないっぽねぇ」
( ><)「いやなんですー!!だから僕はあんなところに入りたくないし、ここに御神体を安置してのびのびくらしたいんですー!!」
末端神属の井戸端会議は、びろーどの行き先を案じる流れになっていた
……が、ここで同情して流されるわけにはいかなかった
36
:
◆cYvcLUF1CM
:2016/04/04(月) 00:13:20 ID:NP9rgBes0
( ゚д゚)「……ふむふむ……いや、だからって許可はしないけどな?」
(*‘ω‘ *)「は?」
( ><)「やっぱり人間は血も涙もないんです」
(*‘ω‘ *)「一方的に困ったときだけ神頼みに来るくせに、こっちが困ったら知らぬ存ぜぬかっぽ」
( ><)「都合が良すぎるんです」
(*‘ω‘ *)「家も狭ければ器もちいさいのかっぽ?ちんこも小さい上にきんたまついてるのかもあやしいっぽ」
勝手に棲みついておいて、酷い言われようだった
( ゚д゚)「だからそのなりでそういうこと言うのやめろ」
もう一度言うが、ぽぽの外見は、若桝とそう変わらないくらいの年頃の少女だ
まんまる二重にふっくらほっぺの愛らしい少女の口から、やれちんこだきんたまだなどと聞きたくはなかった
( ゚д゚)「事情は理解したし、同情もしたいところだ。しかし俺にも生活があるんだ。わがままで大食らいな得体の知れない子供を、いつまでも匿っているわけにもいかないんだ」
( ><)「さらっとディスられたんです」
( <●><●>)「まぁ、もっともですよね」
(*‘ω‘ *)「ブルータスお前もかっぽ」
37
:
◆cYvcLUF1CM
:2016/04/04(月) 00:13:40 ID:NP9rgBes0
( ゚д゚)「まぁ事情は事情だし、プレハブに一人なのは確かに寂しいかもしれない」
( ><)「です」
( ゚д゚)「とりあえずショッピングモールが開店するまでは、仕方がないからうちで面倒をみよう」
( ><)「!!」
( ゚д゚)「だが、オープンしたらきちんと新しい社に戻るんだぞ。そこから先は知らんからな」
( ><)「……!!」
( <●><●>)「……嬉しいような、納得しきれないような」
(*‘ω‘ *)「ゴネればもう一声もらえそうなんです ……とか考えていそうな顔だっぽね」
( ゚д゚)「これ以上は一切譲歩しないからな」
( ><)「チッ……まぁでも、ひとまず安心なんです」
( ゚д゚)「他に何か言う事はないのか」
( ><)「一日三食デザートにプリンと、一日一本のコーラも要求するんです」
( ゚д゚)「温情をかけた俺が馬鹿だった。今すぐ若桝の祓いの清め塩で追い出してやる」
( ><)「おのれブルータスなんですううううぅぅぅぅぅ」
38
:
◆cYvcLUF1CM
:2016/04/04(月) 00:14:01 ID:NP9rgBes0
若桝とぽぽが遊びに来た日から二週間ほど経った、ショッピングモールの開店を三日後に控えたある日
( ゚д゚)「……確かに、モールの開店まで面倒を見るとは言ったが…………」
( <●><●>)「なんか、申し訳ないです」
(*‘ω‘ *)「ケツの穴のちぃせぇこと言うんじゃねーっぽ!お茶のおかわりまだかっぽ!?」
( ><)「あーPS4ほしいんですうううぅぅぅぅぅぅl!!!!」
(#゚д゚)「お前達の面倒まで見るとは言ってないし、わがままを許すとも言った覚えはないぞ!!!!二週間も居座りやがって!!!!」
家計簿と睨めっこしている隣でPS4を堂々とねだられ、つい堪忍袋の緒が切れた
(#゚д゚)「子供の食費三人分で家計がこんなに逼迫されるとは思っていなかった!若桝は欲しがらないから負担は軽いが、お前ら二人は何様だ!?」
(*‘ω‘ *)「神様だっぽ」
( ><)「神様なんです」
(#゚д゚)「――――ッ!!」
39
:
◆cYvcLUF1CM
:2016/04/04(月) 00:14:27 ID:NP9rgBes0
( <●><●>)「腹を立てるだけ骨折り損ですよ」
若桝がお手製の薬湯を差し入れてくれた
ここ数週間で痛んだ胃を慰めてくれる、ありがたい薬湯だ
もう何度かお世話になっていて、今日もそれをぐっと飲み干して深呼吸をした
( ゚д゚)「……すまんな若桝、ついカッとなってしまった」
( <●><●>)「心中お察しします」
(*‘ω‘ *)「ブルータスがまたごますりしてるっぽ」
( ><)「どうせごまをするなら、僕らの方がまだ御利益あるんです」
(*‘ω‘ *)「なんたって神様なんだからっぽ」
( ><)「ですですそうなんです」
(*‘ω‘ *)「ぽっぽっぽっぽっぽ」
( <●><●>)「こんなクソみたいな神様にごまをすってもたかが知れてるのは、はじめからわかっています」
変顔までして煽ってくるびろーどやぽぽを歯牙にもかけず、しれっと言い返してみせる若桝
ものへの執着や俗っぽさを一切見せない若桝が、一番神…否、仏様に近い気がした
( ゚д゚)「流石は仙人……といったところか」
( <●><●>)「ありがとうございます」
40
:
◆cYvcLUF1CM
:2016/04/04(月) 00:14:48 ID:NP9rgBes0
家計簿をそっと閉じ、ため息を吐いた
ろくでもない自称神様達はまだやいのやいのと騒いでいたが、耳を貸すことすら拒否した
( ゚д゚)「……夕食の買い物にでも行くか」
時計を見ると、15時過ぎ
自称神様達におやつを与え、留守番でも頼もうかと考えていた
( ゚д゚)「……びろーど、ぽぽ、プリンの時間だぞ」
( ><)「プリン!!」(*‘ω‘ *)
( ゚д゚)「ほーらプリンだぞー……」
( ><)「いただきまーす!なんです!」
(*‘ω‘ *)「ぷぷぷ、ももももも……」
( ゚д゚)(……ぷっちんしたプリンに上から吸いつく弁天様…………)
自称神様達の、きたない捕食シーンから目を逸らし、出かける支度を整えた
( ゚д゚)「じゃあ買い物に行ってくる。大人しくお留守番……」
( ><)「お買い物なんです!?PS4!PS4!」
( ゚д゚)「買わん!」
(*‘ω‘ *)「ぽ……ぽぽもいむっも……」
( ゚д゚)「吸いつきながら喋るんじゃない。その顔でこっちを見るな」
41
:
◆cYvcLUF1CM
:2016/04/04(月) 00:15:14 ID:NP9rgBes0
結局、あの惨状を若桝に全て託して家を飛び出してきた
もしかしたら冷蔵庫のプリンが全滅するかもしれないが、それだけで大人しくしていてくれるなら安いものだった
( ゚д゚)(夕食は何にしようか……)
家にある調理器具は限られていて、全て男の一人暮らしに適したサイズのものばかりだった
若桝は林檎だけ与えておけばいいとして、他の二人はそれなりに食欲旺盛だった
ここ二週間の経験から、だんだんと分量ミスを起こす頻度は減っていた
最初は慣れない三人分の食事の用意だったが、慣れてくれば、野菜を余らせずに品目を増やすことも出来るようになった
( ゚д゚)(大所帯での食事は、本当に理にかなっていたんだな……)
一人分の食事では使い切れなかった人参も、三人分の食事でなら一本使い切ることが出来る
三人分の食事なら、大根はハーフサイズを買うより一本買ってしまう方が安い
一人ならプチトマトを買って何回かに分けて使うが、三人なら大きいトマトを買って分けた方が安い
買い物時の野菜を見る目が変わっていた
( ゚д゚)(……一人で食べるわけじゃないから自炊の頻度も上がったな……これはいい傾向かもしれない)
買い物が、以前よりもずっと楽しかった
夕食はハンバーグにした
合びき肉と玉ねぎと卵を買い、付け合わせのサラダ用の野菜も数種類買った
神様とはいえ、なりは子供だ
自分の手元に居る間は、子供達にはきちんと栄養のある食事をしてほしかった
( ゚д゚)(少し買い過ぎたな……まぁびろーどを追い出すまであと二日もある。なんとか使いきれるだろう)
大きな買い物袋を下げ、帰路を急いだ
42
:
◆cYvcLUF1CM
:2016/04/04(月) 00:15:42 ID:NP9rgBes0
( ゚д゚)「ただいま」
帰ると、なんだか家の中が騒がしかった
( ゚д゚)「なんだ喧しい……騒ぐのをやめろ!ご近所にバレたら……」
(*‘ω‘ *)「粗チン野郎、やっと戻ったかっぽ!」
( ゚д゚)「だからその言葉遣いを何とかしろと……」
( <●><●>)「おかえりなさい。大変です!」
( ゚д゚)「若桝まで声を荒げてどうしたんだ?ゴキブリでも出たか?」
(*‘ω‘ *)「それどころじゃねーっぽ!びろーどが!!」
( ゚д゚)「!?」
リビングに入るなり、買い物袋を手からむしり取られて床に投げ出された
( ゚д゚)「おい!卵が!」
(*‘ω‘ *)「いいから!!」
ぽぽと若桝に手を引かれ、寝室まで引っ張っていかれる
寝室の扉を開けた若桝が、びろーどの姿を探した
( <●><●>)「びろーど!」
43
:
◆cYvcLUF1CM
:2016/04/04(月) 00:16:02 ID:NP9rgBes0
( ><)「…………ぁ……」
寝室の真ん中で、何故か四方を盛り塩に囲まれて座っているびろーどは
(。><)「…………あ……!」
身体がうっすらと透けていた
( ゚д゚)「びろーど!?」
( <●><●>)「それ以上近付かないでください」
びろーどに駆け寄ろうとしたところを、若桝に止められた
( <●><●>)「簡易しめ縄で空間を区切っています。入らないでください」
若桝が床を指差す
荷造り用の麻縄をよじって作られた簡易しめ縄が、びろーどの周りをぐるっと囲っていた
44
:
◆cYvcLUF1CM
:2016/04/04(月) 00:16:36 ID:NP9rgBes0
( <●><●>)「ここから御神体を確認しに行く時間も惜しかったので、一時的に私の仙術でびろーどをこの世界から隔離しました」
(*‘ω‘ *)「長くはもたないっぽけど、とりあえず今は御神体の影響に左右されないっぽ」
ぽぽと若桝が交互に状況を説明してくれたが、展開が急すぎて理解が追いついてこなかった
( ゚д゚)「よく分からんが、びろーどが危ないことはよくわかった」
(*‘ω‘ *)「ちいせぇ脳みそだっぽ」
( <●><●>)「人間に理解しろという方が酷でしょう……びろーどの姿があやふやになっているということは、御神体に何かあったという事でしょう」
( ゚д゚)「何か?」
( <●><●>)「…………御神体に、傷がついたとか」
(*‘ω‘ *)「最悪、破壊されたとか……とにかくよくない事が起きた可能性が高いっぽ」
(。><)「うぅ……自分の御神体の事なのに全くわかんないんですぅ……」
しめ縄と盛り塩の中で、びろーどが膝を抱えて座り込んだ
( ゚д゚)「大丈夫かびろーど……?体調はどうだ?」
(。><)「なんか、からだがぽかぽかするんです……さっきまでこんなことなかったのに……」
( ゚д゚)「熱があるのか?」
(。><)「わかんないんですぅ……こわいぃ……」
仙術によって隔離されたびろーどは、膝に顔をうずめて泣き出してしまった
45
:
◆cYvcLUF1CM
:2016/04/04(月) 00:17:04 ID:NP9rgBes0
(。><)「こわいんですぅ……まだ、消えたくないんですぅ……」
震えている肩を、抱きしめてやることが出来なかった
( ゚д゚)「…………くっ……」
歯痒い思いだった
華奢な見た目の、普段はあれほどに図々しい少年が、今はこんなにも小さく見えた
自分はその小さな肩に何もしてやれず、少し離れた場所から声をかけることしかできなかった
( ゚д゚)「…………びろーど。今晩は、ハンバーグだぞ」
(。><)「…………ハンバーグ?」
( ゚д゚)「あれはな、簡単に作れるんだ。元に戻ったら、一緒に作ろう」
(。><)「…………」
( ゚д゚)「どうやれば元に戻るか知らんが、早く戻ってこい。そんな透けた身体じゃ、肉を捏ねられないだろう」
(。><)「…………」
涙をいっぱいに溜めた細い目で、じっと見つめてくるびろーど
何かを言いたげにぱくぱくと動いては、きゅっと噛み締められる口元
袖で何度も涙をぬぐったびろーどは、ようやく一言だけ紡ぎ出した
(。><)「……ハンバーグ作り……やってみたいんです……」
ぐっと、口角が上がった
46
:
◆cYvcLUF1CM
:2016/04/04(月) 00:17:27 ID:NP9rgBes0
びろーどが笑ったのを見て、皆少しだけ安堵の息をついた
少し考え込んでいた様子の若桝が、口を開けた
( <●><●>)「……賭けですが、一旦御神体の元に戻ってはどうですか?びろーど」
(。><)「え?」
( <●><●>)「御神体に傷がついて力が出ないだけの状態であれば、御神体に戻って傷を癒しながら力をためることで、元に戻ることができるはずです」
(。><)「なるほどなんです」
(*‘ω‘ *)「でも失敗したら、結界から出た途端に消滅しちゃうっぽよ!?」
(。><)「!?」
( <●><●>)「だから、賭けなのです。それにこの結界も、そう長くもつものではありません」
(*‘ω‘ *)「だからって……」
(。><)「…………」
ぽぽもそれ以上は言葉が出てこなかったようだ
びろーども俯いて、真剣な顔で悩んでいる
しかしどんなに考えてもほかの選択肢が無い以上、賭けるしかなかった
47
:
◆cYvcLUF1CM
:2016/04/04(月) 00:17:52 ID:NP9rgBes0
( ><)「……一旦、戻るんです」
(*‘ω‘ *)「びろーど!」
( ><)「このままここにいても、僕も、わかの術もジリ貧なんです。ならいっそ、今のうちに試しちゃった方がいいんです」
(*‘ω‘ *)「びろーど……」
( ><)「きっと、大丈夫なんです。なんとかなるんです」
袖で顔をぐしゃぐしゃに拭いて、びろーどは立ちあがった
( ><)「ハンバーグ、約束ですよ?」
屈託のない笑みを浮かべて、まっすぐにこちらを見上げてきた
負けじと胸を張って、毅然として返す
( ゚д゚)「おう、三日でも一週間でも、一年でも十年でも待っててやる」
返事を聞いて安心したのか、びろーどは えへへ と笑って頬を掻いた
( ><)「神様との約束は絶対なんですよ?嘘ついたら針飲ませてやるんです」
( ゚д゚)「こわいな。まぁ大丈夫だろうさ」
( ><)「楽しみにしてるんです」
( ゚д゚)「俺もだ」
48
:
◆cYvcLUF1CM
:2016/04/04(月) 00:18:26 ID:NP9rgBes0
ひとしきり笑い合った後、びろーどは若桝に向き直った
( ><)「わか、ありがとうなんです」
( <●><●>)「これくらいはデザート前です」
( ><)「うまくいったら、特別に僕が作ったハンバーグ振る舞ってやるんです」
( <●><●>)「残念ですが一口も食べられません。林檎で手を打ちましょう」
( ><)「そこは お気持ちだけで とか言うところなんです」
( <●><●>)「そんな要求をしてくるのはわかっていたので、あえて別角度から攻めてみました」
( ><)「一本取られたんです」
二人してふふっ と笑った後、どちらともなく深呼吸をした
( <●><●>)「では、術を解きますね」
( ><)「はいなんです」
( <●><●>)「では、気をつけて行ってくるのですよ」
49
:
◆cYvcLUF1CM
:2016/04/04(月) 00:18:59 ID:NP9rgBes0
若桝が唇に手印を当て、ふっと……何かを解きほぐすように息を吹きかけた
途端に空間にひずみが生じ、空気がみしりと悲鳴をあげる
(;゚д゚)「ぬおっ」
気圧の変化について行けず、唐突な耳鳴りに顔を顰めた
次の瞬間には、蓮の花が咲くように空間がふわりと解れ、気付いた時には耳鳴りも空間のひずみも、そしてびろーどの姿も
嘘のように綺麗さっぱり消えていた
(;゚д゚)「……これが、仙術……」
びろーどのポルターガイストを見たとき以来の衝撃だった
隣では、術をかけた少年が大人びた表情でしめ縄を眺めていた
( <●><●>)「……びろーど、うまくいくとよいのですが」
(*‘ω‘ *)「殺しても死ぬようなタマじゃねーっぽ。プリン出せば飛びついてくるっぽ」
幼い顔をした口の悪い少女も、今回ばかりは落ち着き払った表情でびろーどがいた場所を眺めていた
( <●><●>)「それもそうですね。今は様子を見ましょう」
ゆっくりとした所作でしめ縄と盛り塩を片付けていく少年の手は、声とは裏腹に、少しだけ震えていた
50
:
◆cYvcLUF1CM
:2016/04/04(月) 00:19:56 ID:NP9rgBes0
びろーどがいなくなってから6日が経っていた
3日も前にショッピングモールがオープンしていたが、仕事の都合上、結局休みになるまで顔を出せなかった
( ゚д゚)「……そういえば、びろーどの社に参拝に行くのは初めてだな。……なんか緊張してきた」
(*‘ω‘ *)「何言ってるっぽ!びろーどだと思えばそんなに神々しくも感じないっぽ」
( ゚д゚)「それもそうだな」
( <●><●>)「そう言いながらもそのワンカップ……お神酒を供える気満々なんですね」
( ゚д゚)「腐っても自称土地神だったからな。この地域に住む人間としては、一応作法に則って挨拶しないとな」
(*‘ω‘ *)「正直コーラ供えた方が喜びそうだっぽ」
( <●><●>)「まぁ……そうですよねぇ……」
若桝とぽぽを連れ、ショッピングモールへ向かった
あれから6日、買い過ぎてしまった食材の処理の為に、二人にはうちで過ごしてもらった
食材なんて言い訳で、急に一人になるのが今更心細くなってしまった為だと自覚はしていた
びろーどがいなくなっただけでも、家の中はだいぶ静かだった
自分だけでなく、若桝もぽぽも、常に頭のどこかでびろーどのことを考えていたせいかもしれない
若干の気まずさと心配する気持ちを、三人で分かち合っていた
やっときた自分の休日で、皆と一緒にびろーどに会いに行った
51
:
◆cYvcLUF1CM
:2016/04/04(月) 00:20:18 ID:NP9rgBes0
オープンして間もないショッピングモールは、大混雑を極めていた
建物の三倍はある駐車場に順番待ちの待機列が出来ているほどだった
(*‘ω‘ *)「ファー――wwwwショッピングモールに集まる愚民wwww田舎にはお似合いの光景だっぽwwwwwwww」
( ゚д゚)「おいやめろ」
( <●><●>)「軽くブーメラン刺さってますよ」
ぽぽも若桝も、びろーどと同じように子供服を支給してあった
今の自分は、子供を二人連れた保護者のようなポジションだ
ぽぽの全方位射撃毒舌を制御する義務があった
家からモール前まではバスで、バス停からモールへは徒歩で入った
( ゚д゚)「びろーどは屋上だと言っていたな」
( <●><●>)「とりあえず先に、そちらに顔を出しましょう」
二重の自動ドアをくぐり、エントランスホールに出る
屋上を目指すべく、エスカレーターへ向かった
…………と、その時
52
:
◆cYvcLUF1CM
:2016/04/04(月) 00:20:55 ID:NP9rgBes0
(*><)「ひゃ―っはーーー!!なんですぅ―――!!!!」
( ゚д゚)(*‘ω‘ *)(<●><●> )
エントランス中央にあるエスカレーターの手摺を、滑り台のようにして滑走してくる少年がいた
いや、紛れもなくびろーどだった
びろーどは、初めて会った時のように脛の中ほどまでしかない短い浴衣を着ていた
浴衣姿のびろーどを見咎める者もいなければ、手摺滑り台を注意する者もいない
( ゚д゚)(……これ、周りには見えていないのか)
感動の再会を果たす前から、冷や汗が止まらなかった
(*‘ω‘ *)「何遊んでんだっぽおおおぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!」
(# ><)「そげふぅっ!」
ぼいんっ! と跳ねあがったぽぽの蹴りが、空中でびろーどに炸裂した
53
:
◆cYvcLUF1CM
:2016/04/04(月) 00:21:30 ID:NP9rgBes0
(# ><)「ご、御無沙汰しておりま…………」
( <●><●>)「言い訳は舌を抜いてからです。口を開けなさい」
( ><)「舌抜いたら言い訳できないんです!」
屋上の片隅
アスレチック群には小さい子供達が並んでいるが、屋上のはずれの社の方には、やはり人っ子一人いなかった
そこにびろーどを連れ込み正座させ、閻魔様御用達らしいペンチのようなものをちらつかせていた
(*‘ω‘ *)「心配させるだけさせて、自分はこんなとこで悠々と遊んでたのかっぽ?えらく薄情だっぽねぇ?」
(;><)「あ、いやあの……」
( <●><●>)「あなたの鶏以下のおつむでは私達の事なんか覚えていられませんでしたか、それは残念ですね」
(;><)「鶏!?僕はちゃんと……」
( <●><●>)「はい、あーん」
(;><)「舌は勘弁して下さいなんですううううぅぅぅ!!」
( <●><●>)「仏の顔も三度までなんですよ」
(*‘ω‘ *)「閻魔様なら一度でもアウトだっぽ」
(;><)「ひいいいぃぃぃん」
七福神と仙人によるお仕置きは容赦がなかった
54
:
◆cYvcLUF1CM
:2016/04/04(月) 00:21:57 ID:NP9rgBes0
( ゚д゚)「ほらお前達、感動の再会が正座ガン詰めとかシャレにならんぞ」
ひとまずびろーどの無事を確認出来て、心底安心していた
安否を知らせず遊んでいた事は後で詰めるとして、とりあえず事の経緯を聞いておきたかった
( ><)「あの後御神体に戻ったんですけど、御神体、お酒まみれだったんです」
( <●><●>)「は?」
( ><)「御神体をここに移して、なんか挨拶の儀式的なのやってたみたいなんですけど、呼んだ神主がクソで、御神体にお神酒を直接ぶっかけてたみたいで……」
(*‘ω‘ *)「ぁー……肩書きだけ継いで仕事はまともに継がなかったってことかっぽ」
( ><)「みたいなんです。 僕、あの時からだがぽかぽかしてたんですけど……」
( ゚д゚)「不調じゃなくて、ただの酔いか」
は―――…… と、三人でため息を吐く
(*‘ω‘ *)「心配して損したっぽ」
( <●><●>)「まったくです」
口では辛辣だったが、二人の表情は柔らかかった
えへへ と笑うびろーどは、小さく「ごめんなさいなんです」と付け加えた
55
:
◆cYvcLUF1CM
:2016/04/04(月) 00:23:12 ID:NP9rgBes0
(*><)「お詫びに、この新居の紹介をするんです!」
ぴょこんと立ちあがったびろーどは、両手を広げて自慢げに胸を張って見せた
(*><)「お腹がすいたらフードコートか地下食品街!おススメはお惣菜屋さんの揚げシュウマイなんです!」
(*‘ω‘ *)「ぽぉぅ」
(*><)「暇つぶしには映画館やゲームセンター!おもちゃ屋さんもあるんです!」
( <●><●>)「充実してますね」
(*><)「眠くなったら家具屋の寝具コーナー!毎日違う柔らかさのベッドでもふもふぐっすりなんです!」
( ゚д゚)「やりたい放題だな」
(*><)「もう一人暮らしのムサいおっさんとシングルサイズのベッドに入ることもないんです!」
( ゚д゚)「今さらっとディスったな」
(*><)「きっと気のせいなんです!とにかくここでの暮らしはすっごく快適なんです!」
(*‘ω‘ *)「ぽぽぉぅ……いいっぽね」
(*><)「わかやぽぽちゃんも、寂しいおっさんの家なんかやめて、こっちに移り住むべきなんです!!」
( ゚д゚)「おい」
( <●><●>)「まぁ……元々ショッピングモールのオープンまでっていう約束でしたしね」
( ゚д゚)「お前達まで泊めると言った覚えはなかったんだがな?」
(*‘ω‘ *)「いつまでちんこ小さいこといってんだっぽ」
56
:
◆cYvcLUF1CM
:2016/04/04(月) 00:24:42 ID:NP9rgBes0
ひとしきり雑談をした後、三人を連れてショッピングモール内をぐるっとまわった
( ><)「クレープ!クレープ食べたいんです!!」
(*‘ω‘ *)「3段アイスクリームだっぽ!」
( <●><●>)「これは……魔法少女ヘリリリ☆の限定フィギュア……!まさかこんな所に入荷してたなんて……!!」
(;゚д゚)「買わん!買わんぞ!!お前ら自分で買え!俺の財布にたかるな!!」
( ><)「ありがたい御賽銭なんです」
(*‘ω‘ *)「だっぽ」
( ゚д゚)「だから、御賽銭は強請るもんじゃないとあれほど……!」
3人を連れたウィンドウショッピングは、財布のひもさえぐっと締めておけば、とても楽しかった
次はもう少し予算を立てて、たまに3人で遊びに来るのも悪くないかもしれない
57
:
◆cYvcLUF1CM
:2016/04/04(月) 00:26:52 ID:NP9rgBes0
( ><)「まぁ生活はこっちの方が断然いいんですけど」
( ゚д゚)「?」
( ><)「今度一度だけ、そっちに行くんです」
( ゚д゚)「なんでだ?」
(*‘ω‘ *)「あんな狭い部屋より、こっちで遊んだほうが楽しくないかっぽ?」
( ><)「まぁそうなんですけど」
(*><)「ハンバーグ、一緒に作りにいくんです。約束したんですからね」
にっこり微笑んで、びろーどは右手の小指を立てて見せた
( ゚д゚)「…………そうだったな、約束だもんな」
自分も、右手の小指を立てて見せた
( ゚д゚)「約束だ。次はうちで、ハンバーグを作ろう」
( ><)「嘘ついたら、針飲ませてやるんです」
58
:
◆cYvcLUF1CM
:2016/04/04(月) 00:27:43 ID:NP9rgBes0
( ゚д゚)土地神様に憑かれちゃったようです
おしまい
59
:
名無しさん
:2016/04/04(月) 01:53:51 ID:YAGa06Z20
おつ
展開にヒヤヒヤさせられだが無事なうえに和やかに終わって安心した。
60
:
◆mQ0JrMCe2Y
:2016/04/04(月) 02:20:33 ID:6wz3Z.V.0
【連絡事項】
主催より業務連絡です。
只今をもって、こちらの作品の投下を締め切ります。
このレス以降に続きを書いた場合
◆投票開始前の場合:遅刻作品扱い(全票が半分)
◆投票期間中の場合:失格(全票が0点)
となるのでご注意ください。
(投票期間後に続きを投下するのは、問題ありません)
詳細は、こちら
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1456585367/404-405
専用スレでの迅速な対応、ありがとうございました。それでは、また
61
:
名無しさん
:2016/04/05(火) 11:33:47 ID:wp9mZDQk0
良いほのぼのだー
掛け合いが見てて楽しかった!乙
62
:
名無しさん
:2016/04/08(金) 02:27:03 ID:1HEdr5Io0
安心して読める系だわ
ビロードうざかわ
63
:
名無しさん
:2016/04/08(金) 19:32:21 ID:giABttTM0
肩書きは凄いのに子供なトリオが魅力的だったしミルナとのやり取りも楽しかった
プリンに吸い付くぽぽが俗っぽすぎてめっちゃわろた
続きがあれば読みたいし凄く可愛かったよ乙
64
:
名無しさん
:2016/04/08(金) 20:13:58 ID:JebEnXnE0
おつおつ!こういう話好きだ
65
:
名無しさん
:2016/04/10(日) 21:55:17 ID:qsNknu/s0
乙
三人ともかわいかった
66
:
名無しさん
:2016/04/13(水) 18:30:31 ID:3QCkjDxg0
あー良いねこれ凄く良い…
ほのぼのしてて良い読後感だ
67
:
名無しさん
:2016/04/14(木) 12:33:23 ID:0dHmuWgE0
かわいい神様二人にぷっちんぷりんを贈呈
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_2038.jpg
68
:
名無しさん
:2016/04/14(木) 13:08:29 ID:Hsh86WyI0
かわいい!
69
:
名無しさん
:2016/04/17(日) 19:19:37 ID:qdjOUeLI0
面白かった
それぞれのキャラがいいなあ
70
:
名無しさん
:2024/04/08(月) 22:49:49 ID:D/Tc.KP60
乙乙
みんなの跳ねるようなテンションが可愛かった!
変なノートで笑って、ぽぽちゃんの趣味にドン引きした
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