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今日も何処かで誰かが世界を救っているようです

13 ◆q3XheuOe12:2016/04/03(日) 23:03:36 ID:VBbdKorg0
从 ゚∀从 「まっ、そういうこった。私だって、ちょっと前までは私が作ったナノマシンのせいで
       戦争が起きたんだって、密かに悩んだりしてた筈なんだけどな。
      そういうの、もうよく思い出せねえんだよなぁ。私がそうなる事を、望んだのかもしんねーけどさ」

ハインリッヒが、そう言いながら白衣の下の黒いシャツをたくし上げた。
曝け出された白い肌の奥から、時計の針が刻むような音が聞こえた。

モララーの言葉通り、彼らの体はナノマシンに組成を変化させられている。
故に、『工場』は体内でも稼働可能なのだ。
ハインリッヒが腹の底に何を形成したのか――ブーンもショボンも、容易く想像が出来た。

( ・∀・)「……決着をつけようか。もっとも……どう足掻いても君達に勝ちの目はないがね。
      私が勝てば、私の勝ちで、君達の負けだ。
      私が負ければ……君達が私達を殺せば、君達も「こっち側」の仲間入りだ」

モララーが、笑った。
疲れ果てた男が溜息を吐くかのような、退廃的な笑みだった。

極限状況――戦いの、勝敗の、生と死の臨界点。
その真っ只中で、ブーンは、ショボンを見た。

ショボンもまた、ブーンに視線を向けていた。
双眸には――既に決意の、覚悟の光が宿っていた。
ショボンが自身と同じ結論に達した事を理解して、ブーンは小さく頷いた。

そして二人は、身体を構築するナノマシンを操作。
眩い青の稲光が、岩山と見紛うほどの筋肉が――音もなく鎮まって、力を失った。

モララーが、全く予想外の出来事に、目を見開いた。

( ・∀・)「馬鹿な。一体、何を……」

( ^ω^)「逆だお、モララーさん。どう足掻いても勝ちの目がないのは……あなた達の方だ」

青年が――太めで、優しげな目をした、『ブーン』ではない青年が、そう言った。


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