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( ^ω^)は見えない敵と戦うようです
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◆N/wTSkX0q6
:2016/04/03(日) 23:59:59 ID:0w0/X/Ow0
ツンは僕に背中を預けながら、しかし僕の方を見ようとはしなかった。
それでいい。そのまま聞いてくれれば良い。
( ^ω^)「僕は……正直、あの事故で陸上人生が駄目になったのが悔しくてしょうがないお。
僕の半身みたいなものだった。失ったのが辛かった。今からでも足が治るならなんでもするって言えるお」
ツンがびくりと肩を震わせる。
彼女が逃げ出してしまう気がして、自由な片手をツンのお腹に回す。
( ^ω^)「でも、確かに半身だったけど、それでも半分なんだお。
もう半分の僕は、ドクオの友達であり、見えない敵を倒す者であり、ツンの――仲間。
僕の全てが失われたわけじゃないんだお。この半分がまだ、僕には残ってるんだ」
それは、情けない選択肢なのかもしれない。
なくしてしまった陸上という半身を、体の良い代替品で埋めているだけなのかも。
それでも、代理に過ぎなくても、僕にとっては陸上と同じくらい大切で、かけがえのないものなのだ。
( ^ω^)「残り半分である君を、僕は失いたくない」
ξ゚⊿゚)ξ「――――!」
これが僕の出した結論。戦わなきゃいけない自分自身との向き合い方。
厳しく辛い現実があるならば、僕はそれを、大事なものをこれからも大事にしていく理由にしよう。
自分に打ち勝てば負けるのもまた自分。それなら、無理に倒さなくったっていいじゃない。
敵対関係の終着点は、なにも勝ち負けだけではない。
和解し、共に別の敵と戦っていく選択肢だってあるはずだ。
昨日の敵は今日の友って言うしね。
ξ;⊿;)ξ「でもっ……私のせいで内藤が怪我したのはほんとのことで……っ」
( ^ω^)「あるいはそうかもしれんお」
ツンの顔は見えない。
だけど、彼女がどんな顔をしているかわかるくらいには、僕はツンを見てきた。
泣いてる顔も、笑ってる顔も。その中で、一番好きな顔で居て欲しいから、僕は言う。
( ^ω^)「ツン」
僕はなかば強引に、彼女をこちらに向かせる。
案の定、涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった顔があった。
ツンは急いで顔を隠そうと手を翳すが、僕はその腕を掴んで下げた。
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