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( ^ω^)は見えない敵と戦うようです

60 ◆N/wTSkX0q6:2016/04/03(日) 23:49:56 ID:0w0/X/Ow0
 * * *

僕が眼を覚ました時、ツンは既に部屋から姿を消していた。
彼女の母親は僕がまだ部屋にいることに驚いて、それからツンのことを教えてくれた。
体調が回復したからコンビニ行ってくると言ってでかけたらしい。
当然止めたが、熱測ってみたら本当に平熱で、顔色も良さそうだったので、渋々許可したそうだ。
僕は彼女にお礼を言って、津村家を後にした。

もちろんコンビニ行くなんて真っ赤なウソだ。
だけど本当は彼女がどこにいるのか、僕にわかるはずがないのだった。
見えない敵の出現場所はツンにしかわからない。

携帯に電話しようかと思ったが、驚いたことに僕は彼女の番号を知らなかった。
四六時中一緒にいて、電話する必要を一切感じなかったからだ。
我ながら自分の間抜けさに本当に嫌気がさす。

僕はこれまで彼女と一緒に戦ってきた場所を虱潰しに探した。
噴水のなくなった噴水公園、ゴーストタウンと化した公営団地、ホムセン前の河川敷、街はずれの廃工場。
思いつくかぎりの全てを何度も回ったが、ツンの姿はついぞとして見つからなかった。

日付が変わった頃になって、親から電話で怒鳴り散らされて、家に強制送還となった。
もしも僕の知らないところで彼女が戦っていたとしても、無事倒せたなら家に帰っているはずだ。
なら明日学校で会える。僕はそう考えて眠れぬ夜を明かした。

次の日になっても、ツンは欠席していた。
いよいよ僕はいてもたってもいられなくなる。

よほど早退して探しにいこうかと思ったが、その前に相談すべきことがあった。
僕は図書室の主、竹島ドクオに会いに行った。

('A`)「落ち着け。いたずらに探しまわっても見つからんのは昨日分かったろ」

ドクオは僕が早口で窮状を伝えるのを一切遮らずに聞いて、そう判断を下した。

(; ^ω^)「でも……!」

('A`)「一番良いのは、もう一度夕暮れ時を待つことだな。
    津村が無事なら、今日の敵を倒すために再びどこかに現れるはずだ」

彼の言うことは尤もだった。
昨日の夕方から今日にかけて、どこかで公共物の破損やけが人が出たとは報じられていない。
ということは、昨日現れた敵はツンが倒したと考えるべきだ。
では何故、彼女は学校に来ないのか。


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