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( ^ω^)は見えない敵と戦うようです

55 ◆N/wTSkX0q6:2016/04/03(日) 23:42:27 ID:0w0/X/Ow0
 * * *


ツンの欠席理由は風邪らしい。
見舞いに言ってやれというドクオの提案は、当たり前だが僕と同意見だった。
その日放課後になってすぐに学校を飛び出し、道中のコンビニでポカリとフルーツの缶詰を買っていく。

彼女の家は高校のほど近くにあって、僕は日の高いうちに現着した。
インターホンを押すとツンの母親が出て、既に顔見知りの彼女はすぐにツンの部屋へと通してくれた。

ξ゚ー゚)ξ「内藤……来てくれたの……嬉しい……」

ツンはベッドの上で大人しく寝かされていた。
初夏だというのに厚着をして、頭に冷えピタが貼ってある。
本当に風邪らしかった。あるいは、もっと深刻な熱病なのかもしれなかった。

( ^ω^)「お見舞いの品があるお、あと提出物のプリントも」

ノートでもとってやりたかったが、僕自身がそもそもあんまり授業についていけてない。
まあその辺は心当たりがあるので、あのガリ勉野郎のバックアップに期待しよう。

僕は彼女の母親に缶詰を渡して、ガラスの皿に綺麗に盛りつけてもらった。
明らかに缶詰の容量より多いけど、きっと家にあったのを追加してくれたのだろう。
フォークは二人分ついている。僕も食べて良いってことなのかな。

( ^ω^)「連日の無理が祟ってんだお、いい機会だから養生しなさい」

僕はリンゴのシロップ漬けにフォークを突き刺しながら言った。
病気の時は弱気になると言うし、明るい話でもしたほうがよかろう。
と思ったが、こんな時に限って笑い話のストックが切れている。僕ってまじウンコカス。

( ^ω^)「食べないのかお?栄養つけんと元気にならんお。こんな美味しそうなのに」

ξ゚⊿゚)ξ「身体が重くて動かないの。私はいいから内藤が食べて」

( ^ω^)「食べさせてやろっか?」

なーんつって、僕は茶化し気味にそう言った。

ξ゚⊿゚)ξ「あーん」

(; ^ω^)「!?」

ツンが雛鳥のように口を開ける。
まさかの素直さに僕の方がびっくりしたというか、気恥ずかしくなってしまった。

言い出した手前なかっとことにするわけにもいかず、僕はリンゴを小さくフォークで切ってツンの口に運ぶ。
彼女は唇で器用にフォークからリンゴをしごき取ると、もぐもぐと咀嚼した。
僕は小学校のころにお世話したウサギさんのことを思い出していた。
そういや見舞いの定番といえばウサギさんカット、あれ皮の栄養もとれて合理的なんだってね。


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