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( ^ω^)は見えない敵と戦うようです
53
:
◆N/wTSkX0q6
:2016/04/03(日) 23:39:10 ID:0w0/X/Ow0
* * *
ツンの戦い方が苛烈になった。
僕の立てた作戦には素直に従うんだけど、ここぞという時に突出することが多くなった。
確かにそれで決着は早くなった。だけど敵の攻撃の最中にも構わず突っ込むせいで確実に傷は増えていた。
そしてもうひとつ、僕が敵の的に晒されるような事態を絶対に許さなくなった。
極めつけは比較的安定して被弾なしで倒せるようになった犬タイプとの戦闘のときのことだ。
ξ゚⊿゚)ξ「はあああああ!!」
裂帛の気合を具象化したような叫びをあげ、鬼神の如き攻勢を見舞うツンに犬タイプは明らかにビビっていた。
何発も間断なく叩き込まれる剣鉈での斬撃刺突、キャインキャインと悲鳴まで聞こえそうな犬タイプの防戦一方。
そこで奴は離れたところにいる僕に目をつけた。
ツンが僕を遠ざけるように立ちまわっていることを『学習』した犬タイプは、あの弾丸のような突進を僕に向けた。
この頃には僕は、草の潰れる順番や風切り音などでおおまかに敵の動きを把握することができていた。
( ^ω^)「おっおっ、そう動くことは予想済みだお、トラップ一命様ご案内」
僕は余裕を持って下がり、仕掛けておいた罠を犬タイプとの間に挟む。
奴に効果的な罠はこちらも学習済みで、うまくハマればそれで討伐完了するような最適のトラップだ。
だが、それよりも早くツンの眼が犬タイプを捉えた。猛獣のように爛々と輝く眼光が犬タイプを射すくめる。
ξ#゚⊿゚)ξ「させるかああああああッ!!」
ツンは、人間の限界に迫るような神速の反射神経によって地面を蹴る。
そして――あろうことかトップスピードの犬タイプと僕との間に割って入った。
(; ^ω^)「ツン!?」
彼女が差し入れた左腕が、華のように鮮血を噴き出すのを僕は見た。
犬タイプの鋭い牙によって噛みつかれたのだ。
ξ#゚⊿゚)ξ「ああああああああッ!!」
ツンが気付けのように叫ぶそれはもはや獣の咆哮に近かった。
彼女は腕の痛みなどまったく無視したように犬タイプを地面に組み伏せ、右手で剣鉈を振りかぶる。
何度も、何度も何度も刃を突き立てた。
やがて剣鉈が砕け散る。犬タイプが絶命する。
ツンは白煙と見まごうほどの熱い息を吐いて、臨戦の興奮を強制的にキャンセル。
そのまま草むらの上に倒れこんだ。
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