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( ^ω^)は見えない敵と戦うようです

51 ◆N/wTSkX0q6:2016/04/03(日) 23:37:08 ID:0w0/X/Ow0
( ^ω^)「事故ったんだお、自転車で下校途中に」

僕は記憶を整理しながら、簡潔に、初耳のツンがわかりやすいよう前後関係を交えて話した。
もとは陸上部だったこと。日が暮れるまで部活に明け暮れていたこと。
ある秋の日、真っ暗になってからの帰宅途中、記憶に無いよくわからん何かにぶつかって事故ったこと。
そのよくわからん何かは警察が現場検証してもあたりを捜索しても見つからなかったこと。
事故で靭帯に重傷を追って、しばらく入院していたこと。
そのせいで、人生かけるぐらいのめり込んでた陸上を諦めることになって――だから暇だったこと。

(; ^ω^)「ん……あれ……ちょっと待つお」

自分で言ってて、なんだか雲行きが怪しくなってきた。
秋の暮れ時、何にもぶつかった記憶のない僕、こつ然と消えたよくわからん何か。
これってもしかして、いやもしかしなくても……。

(; ^ω^)「見えない敵じゃねーかこれ!」

ξ;゚⊿゚)ξ「ホントだ……!」

僕とツンは顔を見合わせて驚きを共有した。
ドクオと話した時に自分のポカを見えない敵のせいにしたらアカンみたいなこと言っちゃったけど!
おもっくそ見えない敵のせいじゃねーか!!

(; ^ω^)「まじかお……今世紀最大の驚愕の事実だおこれ、超ブッタマゲNo1」

なんつーことだ……。いや衝撃的すぎて全然理解に感情が追いついていない。
もちろん夢を台無しにされた恨みはあるけど、多分そいつはとっくにツンに始末されている。
どころかそいつの同族を、僕らは片っ端から殺して回っていたのだ。

(; ^ω^)「人生変えるような大事件が第三者によって引き起こされててしかも既に復讐完了してたとか考慮しとらんよ」

どうすりゃいいんだこれ、僕はこの事実にどう向き合えばいいんだろう。
頭の中がぐるぐるして全然思考がまとまらない。

(; ^ω^)「とりあえず犯人やっつけてくれた人にはお礼しとくかお。ありがとうございましたツンさん」

ξ;゚⊿゚)ξ「え……えっ!?あ、うん、どういたしまして……」

ツンはビクっと背筋を正して一言答えると、何故かそのまま押し黙ってしまった。
視線は虚空の一点を見つめている。何か考え込んでいる様子だった。

僕はようやく頭の中のグルグルが収まって、今更悩んでもしょうがないという結論に至った。
全部終わってしまってるわけだし。どの道これからやることだって変わらない。
僕はツンと一緒にこの先も、見えない敵と戦い続けるんだから。


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