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( ^ω^)は見えない敵と戦うようです
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◆N/wTSkX0q6
:2016/04/03(日) 23:33:53 ID:0w0/X/Ow0
* * *
僕とツンは着実に経験値を積み、安定して見えない敵に勝利を収められるようになっていた。
ときにはちょっとしたミスから掠り傷や打撲ぐらいはできたけど、それでも血塗れよりはずっとマシだ。
ツンはかつてと見違えるように明るくなって、笑ったり拗ねたり、表情がコロコロ変わって、僕にはそれがとても眩しい。
二人して、あるいはドクオも交えて三人で、いろんな戦術や武器を検討して実戦に活かすのは、楽しかった。
毎日が戦いの連続だけど、命の危険を感じることもあるけれど、そんな日々は刺激的で、心地が良い。
相変わらず学校では変人三人衆の扱いだったけど、僕らの戦いは僕らだけが知っていればそれでいいんだ。
嬉しそうに、楽しそうに笑うツンを見ていると他に何が必要とも感じなかった。
ずっとこんな時間が続けば良いと思ってた。きっとツンも同じ気持ちだったとおもう。
僕達の戦いはこれからも続いていくと、本心でそう願っていたんだ。
その日、僕達は何度目かの巨人タイプとの戦いに勝利しようとしていた。
ξ゚⊿゚)ξ「内藤!そっち行ったわ、退がって!」
( ^ω^)「おっおっ、こっちも罠準備OKだお、あとよろしくー」
ズシンズシンと足音だけがこちらに向かってくるのがわかる。
初めの頃こそ恐怖の対象だったけど、今の僕にはもうちっとも怖くはなかった。
それは油断や慢心というよりも、もっと根本的に、僕は見えない敵を最早狩りの獲物とさえ認識していたからだ。
決して舐めてかかっているわけではない。緊張感は忘れてないけど、過剰に萎縮することもない理想的な状態だった。
今回仕掛けておいたのは浅い穴に二枚の板を張った簡易的なトラップだ。
踏み込むとテコの原理で板によって脚が挟まれ、打ち込まれたスパイクが突き刺さるベトコン式トラバサミ。
街のはずれにある市有林に出現した巨人タイプを嵌める罠を、僕は戦闘中に構築することさえできるようになった。
事前に仕掛けておくのも忘れてないけど、やはり出現した敵を見て最適なものを即席するのが一番効率が良い。
( ^ω^)「ほいっトラップ発動っと」
林の中の小高い崖の上に退避した僕の眼前で、不可視の巨人が足元の罠を踏み抜いた。
片足が固定され、そのままバランスを崩した巨人タイプが仰向けに倒れこむ。
そこへツンが跳躍、振りかぶったバールのようなものの釘抜き部で巨人の脳天をぶち抜き破壊した。
砕け散るバールのようなものの破片がきらきらと宙を舞い、その中央で汗を拭うツンを幻想的に彩った。
ξ゚⊿゚)ξ「今日も大勝利!さあ、うちに帰って祝勝会しましょ!」
( ^ω^)「だいぶ日も長くなってきたおね。暗くなる前に帰れちゃうお」
春頃は夕暮れ時に出現していた見えない敵も、初夏になるに向けて明るいうちから現れるようになっていた。
化物のくせに時間厳守とはなかなか律儀な連中である。
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