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( ^ω^)は見えない敵と戦うようです

4 ◆N/wTSkX0q6:2016/04/03(日) 22:49:13 ID:0w0/X/Ow0
ツンは脳味噌経由せずに反射神経だけで喋りながらも、油断なく"敵"の方を見据えていた。
僕には見えないが、彼女には敵の姿が『見えている』。
今回の敵は頭が高い位置にあるので高低差のある場所に誘導したのは彼女の指示だ。
そしていま、ツンは敵の頭上を見下ろす屋根の上から跳躍した。

ξ゚⊿゚)ξ「受けなさい、私たちの愛と正義の鉄槌……鉄包丁を!!」

重力加速度に背を押されて、ツンの放った刺突は空中に――そこにある何かに突き刺さった。
宙に固定された包丁が暴れ狂う。獣の悲鳴のような断末魔が響き渡る。
ツンがへたり込む僕の傍へ猫のように綺麗に着地すると同時、ズンと重たい響きと共に包丁が砕け散った。
同時に空間を占めていた不可視の存在感が薄れていく。見えない怪物の『死』だ。

(; ^ω^)「やったか、って聞いていいかお……?」

ξ゚⊿゚)ξ「この高さでは生きてはいまい、って答えるわよ」

シャレにならない生存フラグは幸い現実のものとはならなかった。
パラパラと砕け散った刃の欠片が僕のヘッドライトの光に反射して輝く雨になる。
その光景を見ながら、僕はさっき見た走馬灯の中の一つを反芻していた。

二ヶ月前。
僕がツンと、本当の意味で出会ったときのことを。


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