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( ^ω^)は見えない敵と戦うようです
2
:
◆N/wTSkX0q6
:2016/04/03(日) 22:47:17 ID:0w0/X/Ow0
(; ^ω^)「ぬおおおおおお!死んじゃうおおおおお!!!」
今にも寿命を迎えそうなオンボロの自転車を、リハビリが終わったばかりの足で必死に漕ぐ。
我ながら酷使していると思うが、命の終わり際を迎えそうなのは僕とて同じ。
怖くて振り向くこともできない背後からは、重量感のある足音がズシズシと高速でこちらに向かってきている。
タイヤが後方へ弾き飛ばした何らかの金属部品が、すぐ後ろでグシャリと潰されたのを音で感じて総毛立った。
(; ^ω^)「ツン!そっちの準備はまだかお!?」
ハンズフリーにした携帯に怒鳴るように声を投げると、その向こうの少女の声が即応した。
ξ゚⊿゚)ξ『まだよ!!』
(; ^ω^)「人が分かりきったことを聞く時は!補足の情報を求めてる時だお!あとどんくらいなの!!」
ξ゚⊿゚)ξ『はえーなるほど、内藤って頭良いのね。INT値極振りなのね』
(; ^ω^)「そんな極端な育て方はしてねーお!」
大体どっちかっつーと僕はSPD極振りだ。いやゲームの話じゃなくてこれはオモクソ現実なんだけど。
ここは街はずれの工場地帯、閉鎖された廃工場の一角。
ゲームならシューティングの舞台になりそうなロケーションだけど、あいにくと僕らの戦いは白兵戦だ。
相棒のツンが奇襲をかませる位置取りに敵を誘導すべく、絶賛囮として自転車を漕ぎまくっている。
(; ^ω^)「もっ、マジで、そろそろ限界っぽいお……!良いことなんにもない人生だった……」
ロクな思い出もない16年分の走馬灯がハイライトで脳裏を駆け巡る。
楽しかった部活、謎の自損事故で大怪我、インターハイ断念――走馬灯終わり。
うわぁ、ホントになんにもねーな僕の人生。
いやいや、何か生きる原動力となるべきものがあるはずだ。
希望!そう、明日への希望とかそういうのが!
ξ゚⊿゚)ξ『あ、そういえば明日数学のテストあるわね。帰ったら勉強しなきゃ』
(; ^ω^)「あああああああ忘れてたああああああ!!!」
赤点とったら補修で土日に出なきゃいけないテストがあるんだった。
全然勉強してねえ、こんなことならINT値もっと振っときゃ良かった!
余計なこと考えて集中が乱れたのか、調子よく踏んでいたペダルがずるりと滑って空を切る。
その致命的なタイムラグにより、背後から迫り来る"敵"の前足が僕に追いついた。
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