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( ^ω^)は見えない敵と戦うようです
11
:
◆N/wTSkX0q6
:2016/04/03(日) 22:58:40 ID:0w0/X/Ow0
* * *
( ^ω^)「ってなことがあったんですお」
('A`)「マジで?超ヤベェじゃん」
翌日の放課後、僕は図書室でことのあらましを一通り説明した。
向かいに座っているモヤシみたいに細い男は竹島ドクオ、最近できた僕の友達だ。
僕ら以外に誰もいない高校の図書室で、彼は僕の話を聞いているのかいないのか、赤本片手に公式を綴っている。
受験勉強をしているのだ。
( ^ω^)「期待してた反応と違うお。もっとテンション上げて驚けお」
('A`)「暖かくなってきたからな。そういうこともあるだろ」
( ^ω^)「うわめっちゃ一理ある」
ドクオとは事故からの退院後、暇にあかせて校内を彷徨っていた時に出会った。
クラスは違うけど同じ学年で、部活には所属していない。
取り立てて進学校でもないうちの学校で、二年生の春から受験勉強なんてよっぽどのガリ勉か頭がおかしいかだけど、
ドクオはおそらく後者だと思う。
津村ツンが"動"の変人だとしたら、竹島ドクオは"静"の変人の名をほしいままにしていた。
クラスのいかなるグループにも属さず、365日病める時も健やかなる時も常に机に張り付いて勉強している。
そんな感じだからさぞ成績優秀なのかと思いきや、驚いたことに彼は赤点常習者でもあった。
なんのための勉強だよと聞けば、だから勉強してんだろーがとIQの高い答えを返された。
そんなんでいいのか、こいつの青春。
もっと先生に聞くとか効率の良い勉強方法あるだろって感じなんだけど、あくまで独力を貫くのは彼なりの矜持なんだろう。
実際話してみると結構お喋りで話題も広く気の良い奴なのだが、その尋常ならざる偏屈さは他の追随を許さない。
同級生達が恋に部活にと青春を燃やす中、一人だけなんか違う次元で生きてるみたいな男だった。
('A`)「見えない敵と戦うなんてのはな、俺たちの世代じゃ別に珍しいことでもねーだろ。
頭の中のテロリストにまで警察は動いてくれねえんだから、自分で倒しにいくしかねえのよ」
( ^ω^)「んもードックンはすぐそーいうこと言う……」
ドライな意見だけど、まあ、正論だ。僕にだって覚えはある。
中高生にありがちな、自分だけにしか見えない敵とバトルを繰り広げるアレだ。
やれ国家の陰謀だの、前世からの因縁だの、どこぞの国の工作員だの、外宇宙からの侵略者だの……
授業中にテロリストが襲ってきて僕だけが学校を奪還すべく暗躍する妄想はそりゃあ誰だってするだろう。
しかし、津村ツンはもう高校二年生なのだ。そういうのからは卒業して然るべき年齢なんじゃないのか?
IQ低すぎじゃない?
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