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( ^ω^)は見えない敵と戦うようです

10 ◆N/wTSkX0q6:2016/04/03(日) 22:57:45 ID:0w0/X/Ow0
ξ゚⊿゚)ξ「ふーっ……」

( ^ω^)「倒した、ってことかお……?」

僕には何も見えないが、津村ツンが大人しくなったということは、『敵』はいなくなったのだろう。
女子高生による常軌を逸したパントマイムは、こうして誰の喝采も浴びること無く幕を下ろした。
彼女が放り出していた通学カバンを拾って公園を立ち去るまで、観衆の誰もが無言のままだった。
ようやく日常を取り戻した噴水広場、その『現場』へ僕は歩み寄る。

( ^ω^)「ゴミ片付けてかねーのかおあの女……」

バラバラになった竹槍の破片は砂利の上に残されたままだった。
ホームセンターで売ってるような普遍的な青竹だが、"刃"の部分がきつね色に変色している。
竹槍の作成方法の話になるが、単に生の竹を鋭角に切り落としても槍として使えるほどの強度はない。
金属と同じように焼きを入れて硬化処理をする必要があり、適切に行えば人体など容易く貫く穂先となる。
この残骸を見るに、油で揚げるかなにかしてしっかり焼入れが施してあった。つまり。

( ;^ω^)「ガチの凶器じゃねーかおこれ」

一体何と戦っているつもりなのか。
地味にショックだった。津村ツンは、本当に殺傷能力のある武器を公園で振り回していたのだ。
どうしよう、マジで警察に通報したほうがいいかも……それが善良な市民の義務のような気もする。
再び背筋が寒くなって、僕はそそくさと退散すべく踵を返した。
そしてその過程で、視界の端に見逃せない痕跡を見つけた。

( ^ω^)「これ、津村ツンがやったのかお……?」

広場の中央にある、公園を象徴するような巨大な噴水。
その縁石の一部が、大きくえぐれ砕け散っていた。
今日ここへ来たばかりのとき、確かに噴水は全周囲無傷のままだった。
ということは、この破壊は津村ツンが『戦闘』をおっ始めてから発生したもので間違いない。
だが、彼女の得物は竹槍。刺突でこんな爆心地みたいに石が砕けるだろうか。

( ^ω^)「……!」

そして噴水の周りの敷かれた砂利もまた、広範囲にわたって掘り返され巻き散らかされている。
まるで巨大な何かがのたうち回ったみたいにだ。

改めて問いたい。

――津村ツンは、一体何と戦っていたのだろうか。


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