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二眼惚れ

8名無しさん:2016/04/03(日) 22:13:56 ID:VPVGlNwc0
 
 もともと降りる駅だったのか、女性は電車をあとにした。
 私は右目を頼りに背中を追う。なんせ自動で見つけ出し見つめ続けるのだから楽なものである。
 視野が固定されるため歩きにくくはあるが、止むをえない。
 
 なるべく距離を取り、女性をつける。
 駅を出て街場をゆく。慣れぬ土地だ。見失えば終り。
 いっそすぐに声をかければよいのだが、ここにきてもまだ踏ん切りがつかない。
 
 右目の恋をどう説明すれば、彼女に気味悪がられずに理解してもらえるのだろうか。
 それなりに恋愛はしてきたが、こんなことは前例がない。
 どうにかせねばと行動を起こしてはいたが、実情無策に等しかった。


('、`*川 「……あの」

(;´・_ゝ・`) 「あっ」

('、`*川 「駅からずっと、私のこと、つけてますよね……?」

 
 油断していた。失敗だ
 私は尾行していた女性に見つかり、曲がり角を利用して捕らえられてしまったのだ。
 右目が勝手に追うからと、考え事に集中したのが良くなかった。


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