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(  ゚¥゚)わが赴くは獣の群れのようです

8 ◆d7bMXbKy6Q:2016/04/03(日) 04:17:46 ID:4QLUhYnU0
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 もちろん、辺境の民は必要であれば、犠牲を払ってでも武力を行使することに躊躇をしない。武は行使してこそ本懐を果たす。
 だが、宇宙コロニーで辺境の民が戦闘行動を行えば最悪、『獣』を別の惑星に輸送される恐れがある。
 最低でも『獣』を駆除するまでバレない必要があるだろう。如何に屈強な辺境の民と言えど、これはギャンブルだ。

 俺は、いや、辺境の民はギャンブルは好かない。
 なぜならば、偉大なる科学の信徒、聖アインシュタインはこう言った。

「神様はサイコロを振らない」

 故に我ら辺境の民もまた、サイコロを振らない。つまり、賭け事を嫌う。
 ギャンブル、リスクは極力避けるべきだ。可能な限り、万全を喫し確実に屠る。それが辺境人であった。
 しかし、帝国が『獣』をサンプルとして捕らえたという情報を手に入れてから既に2日経過している。

(  ゚¥゚)(これも偉大なる数学の始祖、聖ピタゴラスからの試練か……)

 そんなことを無想しながら、点検業者を後にしてコロニーの白い廊下を歩く。

 廊下は商業通りとなっており、夜にさしかかる時分、仕事帰りだろうたくさんの人で賑わってる。
 しかし、その脇道を見ればダウンタウンからあぶれた子供がポツリポツリと当て所なく座り込んでいるのが対照的だ。
 子供たちの中には、春を売る年端の行かない少女の姿もある。平均的なVIP帝国コロニーの光景だ。

 俺がそんな少女に哀れみの視線を送っていると、小さな衝撃が腰に当たった。

(=゚д゚) 「ぼーっとしてんなよオッサン! 気ぃつけな!!」

 貧民街の出身だろう。粗末な衣服に身を包んだ子供が腰にぶつかり声を荒げた。
 次の瞬間、立ち去ろうとする子供の手首を掴み、強引に捻り上げる。

(=゚д゚) 「お、おう! なにしやがる!」

(  ゚¥゚)「……」


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