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(  ゚¥゚)わが赴くは獣の群れのようです

41 ◆d7bMXbKy6Q:2016/04/03(日) 04:46:12 ID:4QLUhYnU0
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 急激に跳ね上がった体温を排熱するため、全身から蒸気を吹き出し視界が白く曇る。
 歯を食いしばり、痛みに耐える。痛みは強化内骨格を通じて消せるがしない。鈍すれば、他の異常に気づけなくなる。
 額の血が止まらない。腕だけでなく、背面にも動かすたびに感じては行けない類の激痛が走る。

(   ¥ )(だが、それがなんだ! 『獣』は滅ぼす! 辺境の民はそれ以外の答えは持ち合わせていない!)

 全身の不調を押して、応急装置から左腕の骨だけ固定をする。
 感覚はない。だが、弱々しいものの指はまだ動く。動く、それだけで行幸だ。
 それはすなわち、左腕を使ってまだ戦えるのだ。

 右手一本で構えた獣喰は、特殊合金の刀身とカーボンナノブレードの刃先を、鈍く光らせる。

 笑顔を浮かべたまま、相手を凝視する。
 相手はぶち抜いた大穴を覗くように、階上から俺を見下ろしている。
 その姿はぐるぐると変化を続け、次第に目の数が2つに、鼻と口は1つに、顔が1つにまとまっていく

( "ゞ)「馴染んだか」

 それが言葉を発した。それは人の声をしている。脂汗がじわりと湧いた。
 本来『獣』は同化と複製と融合を繰り返す怪物だ。
 
 同化、つまり、生物の情報を吸収し、その記憶から生物の複製を作り出す。
 クローンと違うのは、その思想が生物の複製に影響する点だ。


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