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(  ゚¥゚)わが赴くは獣の群れのようです

27 ◆d7bMXbKy6Q:2016/04/03(日) 04:37:57 ID:4QLUhYnU0
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 過半数を殺しながら、部屋中を全て回って気がついた。
 この部屋は出入り口が一つしかない。これは行幸。つまり、逃げた奴はいないのだ。
 残った数名から情報が得られるならば、逃がしても良かった。だが、全員を捕らえられたのならば、色々と面倒が省ける。

 その上で、数名の殺さずに残した上役そうな連中を尋問し、この組織の上を探る。

 奴隷商人は単独では成立しえない。
 こいつらは実行犯ではあるが、それを輸送する奴らや売る奴ら、様々な人間が関わってくる。
 それを聞き出し、場所を探り潰す。繰り返して殲滅する頃には丸一日経過していた。

(=゚д゚)「先生すげえな!!」

(  ゚¥゚)「いや、囮を買って出たお前の勇気も讃えられるべきものだ」

(=゚д゚)「んなわけねえだろ! 何十人も相手して無傷で全滅なんて! もう人間じゃねえって!」

 帰り道。トラギコは興奮しながら俺の周りを飛び跳ねていた。
 組織は一つ潰した。しかしながら、まだ複数の組織が関わっている可能性もある。
 ここまでくれば情報屋からそれら組織の構図を得る方が早い。その探りはすでに『獣』の情報と共に頼んである。

 貧民窟へと辿り着き、トラギコの住むテントを開けた。妙に静かだ。
 何かが妙だ。いや、テントの中が静かなのはおかしいことではない。
 俺たちは丸一日駆けずり回っていた。弟のギコタイガーも待ちぼうけて寝ている可能性は高い。

 だが、そうだ。一瞬遅れて気がつく。妙に静かすぎるのだ。この辺りにはたくさんの貧民がいる。
 そして、テントで暮らすのは孤児が圧倒的に多い。大人たちは自分のベットを確保しているものだ。
 マズい。マズい! テントの中はもぬけの殻。否、周囲の子供たちがかなり少ない。

(; ゚¥゚)「やられた!」

 奴隷商人は強硬手段に出た。この辺りの子供たちをまとめて攫った。恐らく深夜に!
 自分の軽率な判断と、用心棒という役目を果たせなかったことに痛烈な後悔を抱きながら、俺は呆然とするトラギコへと問いかけた。


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