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リゾナントブルーのMVからストーリーを想像するスレ 第160話

364名無し募集中。。。:2020/09/30(水) 01:07:44


リゾナンター達の根城である、喫茶リゾナント。
決して多くは無い利用客を迎え入れる店内も、今は外の闇に当てられ深い黒の様相を呈している。天井の小さな明かりが、キッチンの
カウンターを隔てて立つ二人の女性の周りをうっすらと照らしていた。

「正直、私も『あめのもりかわうみ』という言葉を聞くまでは忘れていました」

神妙な顔をして、楓は言葉を吐き出す。
まるで、自分が事件を忘却の彼方へ追いやっていたことを恥じるように。
しばらくは後輩の報告を黙って聞いていた、リゾナンターのリーダーである譜久村聖。
自らの考えが纏まったのか、ゆっくりと口を開く。

「『事件』のことは、聖も聞いてる。伝えらえてることが事実なら、彼女たちがこの世に存在しているはずがない。けど」
「横山は、例の連中と思われる子の一人を『ゆはね』と呼んでました。それで思い出したんです。私が東の里に居た頃に、将来を嘱望され
ながらも突然命を絶ってしまった子たちのことを」
「現れた子は、よこやんが目撃した子を含めて3人。それ以外にも何人か隠れて様子を見ていたかもしれないね」
「ええ。少なくとも、気配がありましたから」

聖は、カウンターのテーブルを見つめるように視線を下に落とす。
難しい決断を下す前、彼女は決まってこのような仕草をする。
普段はサブリーダーの石田亜佑美や、参謀的役割を果たしている小田さくらの意見を聞いてから、自らの考えを述べることが多いが。
たまたま彼女たちは別件の仕事があり不在であった。
聖は、思慮深いリーダーだ。特にこのような非常にナイーブな性質を持つ案件に関わる決断なら猶更だ。
しかし、楓は聖の言葉を待っていた。この人なら、きっと正しい答えを用意してくれると信じていた。


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