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リゾナントブルーのMVからストーリーを想像するスレ 第160話

240名無し募集中。。。:2020/06/26(金) 13:24:44
「え、な、な、はぁっ!?」

小太りは焦りの中、必死に自分の記憶を辿る。
少女は消えたのではない。ふわっと一瞬、浮かび上がり。それから、弧を描くように翔んで。
回り込むようにしてパンチパーマの頭に空中から強烈な蹴り。そして、俺の後ろ側に。え? 後ろ!?

反射的に、背後を振り返る。
するとそこには、腰を低く落として攻撃の体制に入っている少女の姿があった。

「おじさん全然鍛えてないですね。弱点の『お肉』がくすんで見えますよ?」
「てってめっ!!」

最早外見が少女であることなどどうでもいい。
本能が、目の前の少女に警鐘を鳴らしていた。小太りではあるが、明らかに少女よりは大柄であり質量差もある。
それを生かして、一気に押しつぶすつもりで襲い掛かった。

が。
それよりも先に、少女の放った拳が男の柔らかな腹肉を直撃する。
見た目の勢いよりも、はるかに重く力強い衝撃。
小太りのチンピラは情けない呻き声をあげて、車に轢かれた蛙のように地面に突っ伏した。

「なんだかなー。やっぱ刃物とか拳銃とか持ってないとつまんないや」

そう一人ごちて、少女は再びふわりと宙に浮く。
カツアゲがチンピラの「仕事」ならば、それを掃除するためのパトロールが、彼女の「仕事」。
「仕事」が終われば、あとは帰るだけ。目の前で繰り広げられた光景にあっけに取られている中年をよそに。
打ち上がる流星のように、急加速を加えながら空の彼方へと飛び去って行った。


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