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もしも加賀楓と横山玲奈がふたり旅をしたらありがちなこと
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:
名無し募集中。。。
:2017/10/08(日) 11:08:09
楓がタオルを引っ張り出して真莉愛の腹に押しつける。
腹部大動脈をやられている…。
タオルは早々と血でどっぷり濡れていた。
楓は真莉愛の頭を自分の膝にそっと載せる。真莉愛が楓の手を握ってすすり泣いた。
真莉愛の握り締める力は強く、手の骨を砕かれそうなほどだが楓は気にしない。
真莉愛の髪を撫でながら、しっかりして、何も心配ない、と言い聞かせる。
「…み、水」不明瞭な声で真莉愛が言う。
楓はペットボトルのキャップを外し、真莉愛の口にあてがった。
喉を鳴らして真莉愛がこくこくと水を飲む。
戦闘で人の死をいやというほど見てきた楓には、真莉愛が間もなく失血死するだろうと分かっていた。
だが、打つ手がない。病院もなければ、救急救命士もいない。
「ごめんね…」小声で真莉愛が言った。
「…もう手を離していいよ。締めつけがきつくて死にそう」巻きつけられたタオルに目をやり微笑んだ。
楓は感情を抑えきれず、顔を歪めた。そして手を離した。
悪路を走るジープの前輪がくぼみに落ちて、真莉愛が悲鳴を上げた。
顔から血の気が失せている。
「頼みがあるの、かえでぃー」息を継いで、口の中で言う。
「なあに?」
真莉愛が楓を見上げる。「分かってるでしょ」
その視線が、楓の脇にある拳銃に向けられた。
「いや、まりあ。助かる、助かるよ」
「もう…これ以上…耐えられない」あえぎながら「お願い、かえでぃー…」
「できない」「後生だから…」
玲奈は両手でハンドルを握り締めながら嗚咽した。
あまりにも強くハンドルを握り締めているせいで指が白くなっている。
玲奈は振り向いて楓と目を合わせた。
助かる可能性はない。かぶりを振りながら玲奈はゆっくりと車を停めた。
楓はドアを開け、真莉愛の頭を膝からそっとどけて座席に戻す。
胸に受けたパンチのように陽光が楓を打った。
光に視力が追いつかない。楓は立ちすくみ、しばし目をすぼめる。
口は開いているが声は出てこない。
楓は拳銃を持ち上げて、真莉愛の頭に狙いをつける。
「ありがとう、かえでぃー」真莉愛がつぶやく。
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