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もしも加賀楓と横山玲奈がふたり旅をしたらありがちなこと

3名無し募集中。。。:2017/08/20(日) 09:41:25
夜明けの最初の光が見えてくる。
座ったまま眠っている楓が苦しそうに頭を振り、低いうめき声をもらした。

玲奈は楓の眠りを妨げないように気をつけながら、そっと楓を崩れかけた壁にもたれさせた。
そのまま楓を起こさず、薄暗がりを歩いていった。

1日のうちでいちばん好きなのが日の出だった。
太陽がまだ完全に地平線から昇る前の世界はいつも清々しい。
伸ばした手のすぐ先に、可能性が待っている、そんな気がした。

この時間だけは常につきまとう死を忘れられる。
荒廃した土地を眺めながらも、だんだん慣れてきた。
生き延びるためにしなければならないことに慣れる。

そうする必要があるからだ。他の選択肢はない。
玲奈の大切な“ひととき”はいつも玲奈が願うほど長くは続いてくれなかった。

反射光が見えた。
玲奈自身がスナイパーなので、遠くの高みでスコープがぎらりと光るのを目にしたとき、
恐ろしいことが起ころうとしているのを察知した。

シューターのスコープが顔の表情を判別できるほど強力である場合に備えて、気楽な雰囲気を絶やさないようにした。
建物の中に駆け戻りたい気持ちを抑えこみながら、さりげなく歩き終えた。
馬鹿げているという思いがあったが、この時代は誰もが誰かの照準線に入っている。
玲奈は両肩に手をかけて、わが身を抱きしめた。

楓は目覚めていた。
携行食でのんびりと朝飯の支度をしている。
駆け寄ってくる玲奈を見て、しかめ面になった。
「どうしたの?何かあった?」

楓は急いで周囲を見まわした。玲奈もそれに倣う。
だが、いくら周りを見ても何もない。
一瞬後、玲奈の恐怖の源が空から降ってきた。


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