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もしも加賀楓と横山玲奈がふたり旅をしたらありがちなこと
29
:
名無し募集中。。。
:2017/09/17(日) 21:52:14
真莉愛は夢を見ていた。
子どものころ、耳に馴染んだ声。幼い真莉愛が見上げると父親と母親が微笑んでいる。
そこへ巨大な禿鷹が舞い降りてくる。やがて悲鳴が、そして銃声が聞こえてきた。
夢の中の真莉愛は深く身をこごめ、手で耳をふさいで、おぞましい音を遮断する。
父親と母親の血が優しい雨のように手の甲に横面に背中に降り注いだ。
血を吸った土にひざまずく真莉愛を何本もの銃剣が取り囲む。
真莉愛は口を開け、叫び声を上げようとするが髪をつかまれ腹這いにさせられた。
息ができない。やがて、股の間に何かが荒々しく突っこまれる。
気の狂いそうな痛みが走った…。
「いやあああっっ!!!!」
飛び起きた真莉愛は涙を流していた。
眼帯をしていない目があからさまな憎悪に燃えたぎっている。
当惑した視線が自分に向けられているのが分かった。玲奈だった。
「だ…大丈夫…ですか?」
真莉愛の口元に歪んだ微笑みが浮かんだのを見て、玲奈は不安に襲われた。
すぐに真莉愛は愛想のいい慇懃な笑顔になる。
「まりあ、寝ちゃったんだ…。ねえ、かえでぃーは?どこ?」真莉愛は手間を省いていきなり尋ねた。
「ここにいるよ」楓は微塵も敵愾心を示さず小屋の中に入ってきた。
縁の欠けたマグカップを真莉愛の横に置く。
何度も使われたティーバッグが浸されていた。
カップを持ち上げて、一口飲む。熱くて美味しい。
そんな真莉愛を、楓も玲奈も張りつめた目で見ていた。
たったひとつの重要な質問を投げかけるために。「わたしたちを殺す気はないのよね?」
「まあ、とりあえずは」真莉愛が朗報を告げる。
カップの湯気が揺れた。「まりあに撃たせないでよ、かえでぃー」
そんなことになったら悲しすぎる。
ようやく東の空に曙光が射してきた。
真莉愛は乱れていた脳の配線が修復されるのを感じ取った。
脳裏にうっすらと残る悪夢を振り払うように歯を噛み締めた。
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